JP5705434B2 - キレート剤 - Google Patents
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Description
(項目1)
式
の化合物であって、
式中、R 1 は、水素、メチル、エチル、カルボキシル保護基、および親水性部分から選択され、R 2 およびR 3 は、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から独立して選択され、R 4 は、水素、メチル、エチル、親水性部分、およびカルボキシル保護基から選択され、R 5 は、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはこれらの基の組み合わせであり、カルボニル基、アミノオキシ基、または付加環化反応に参加するのに適した官能基で置換されている、化合物。
(項目2)
上記カルボニル基はケト基である、項目1に記載の化合物。
(項目3)
上記ケト基はメチルケトンである、項目2に記載の化合物。
(項目4)
付加環化反応に参加するのに適した上記官能基は、アルキン基またはアジド基である、項目1に記載の化合物。
(項目5)
上記アルキン基はエチニル基である、項目4に記載の化合物。
(項目6)
R 5 は、1つまたは2つの環を有する5員〜9員のアリールまたはヘテロアリール基である、項目1〜項目5のいずれか一項に記載の化合物。
(項目7)
R 5 は、6員のアリールまたはヘテロアリール基である、項目6に記載の化合物。
(項目8)
R 5 はフェニル基である、項目7に記載の化合物。
(項目9)
上記フェニル基は、パラ位が上記カルボニル基または付加環化反応に参加するのに適した上記官能基で置換されている、項目8に記載の化合物。
(項目10)
R 5 は、長さがC1からC6のアルキルである、項目1に記載の化合物。
(項目11)
R 1 、R 2 、およびR 3 は、同じ、または別のカルボキシル保護基である、項目1〜項目10のいずれか一項に記載の化合物。
(項目12)
R 4 は、水素またはメチルである、項目1〜項目11のいずれか一項に記載の化合物。
(項目13)
上記カルボニル保護基が存在する場合、それらは、ベンジル、フルオレニルメチル、およびt−ブチルから選択される、項目1〜項目12のいずれか一項にに記載の化合物。
(項目14)
R 1 、R 2 、およびR 3 はt−ブチルであり、R 4 は水素またはメチルである、項目1〜項目13のいずれか一項に記載の化合物。
(項目15)
上記親水性部分は糖である、項目1に記載の化合物。
(項目16)
式
の化合物であって、
式中、上記基G 1 からG 4 の2つ〜4つは、CH(CO 2 R 4 )−R 5 であり、任意の残りの基G 1 からG 4 はCH 2 CO 2 R 1 であり、R 4 は、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から選択され、R 5 は、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはこれらの基の組み合わせであり、カルボニル基、アミノオキシ基、または付加環化反応に参加するのに適した官能基で置換されており、R 1 は、水素、メチル、エチル、カルボキシル保護基、および親水性部分から選択される、化合物。
(項目17)
項目1〜項目16のいずれか一項に記載の化合物と誘導体化標的分子とを有する結合体であって、R 5 がカルボニル基またはアミノオキシ基で置換されている場合は、上記標的分子は、相補的なアミノオキシ部分またはカルボニル部分を含むように誘導体化されており、上記化合物と標的分子はオキシム結合で結合されており、R 5 が付加環化反応に参加するのに適した官能基で置換されている場合は、上記標的分子は、上記付加環化反応用の相補基を含むように誘導体化されており、上記化合物と上記標的分子は、上記付加環化反応のヘテロ環生成物によって結合されている、結合体。
(項目18)
上記化合物と標的分子は、1,2,3−トリアゾール基によって結合されている、項目17に記載の結合体。
(項目19)
項目1〜項目16のいずれかに記載の化合物または項目17もしくは項目18に記載の結合体と錯体を形成する放射性核種を有するキレート。
(項目20)
上記放射性核種は、アクチニウム225、ビスマス212、ビスマス213、鉛203、銅64、銅67、ガリウム66、ガリウム67、ガリウム68、ルテチウム177、インジウム111、インジウム113、イットリウム86およびイットリウム90、ジスプロシウム162、ジスプロシウム165、ジスプロシウム167、ホルミウム166、プラセオジミウム142、プラセオジミウム143、プロメチウム149、およびテルビウム149から選択される、項目19に記載のキレート。
(項目21)
項目1に記載の化合物の合成の方法であって、上記合成は、2置換のアリール、ヘテロアリール、アルキル、または組み合わせL 1 −CH(CO 2 R 4 )−R 5 −Xとシクレンとの反応であって、ここでR 4 およびR 5 は項目1に記載のものと同じ意味を持ち、L 1 は脱離基であり、Xは、カルボニル基、アミノオキシ基、または付加環化反応に参加するのに適した官能基である、またはそのような官能基の保護された形態である、反応;ならびに、L 2 CH 2 CO 2 Rを使用する上記シクレンのその他の窒素原子のアルキル化であって、ここでRは、項目1で定めたようなR 1 、R 2 、またはR 3 であり、L 2 は脱離基である、アルキル化、を有する方法。
(項目22)
シクレンの上記窒素原子の2つ〜4つは、L 1 −CH(CO 2 R 4 )−R 5 −Xと反応し、R 4 は、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から選択され、R 5 は項目1に記載のものと同じ意味を持ち、上記シクレンの残りの窒素原子は、L 2 CH 2 CO 2 Rを使用してアルキル化され、Rは、項目1で定めたようなR 2 またはR 3 である、項目21に記載の方法。
(項目23)
上記結合体の放射性核種との任意の錯体形成の前に、上記化合物および上記誘導体化標的分子は一緒に反応する、項目17に記載の結合体の合成方法。
(項目24)
上記化合物と標的分子は、遷移金属触媒の存在下で付加環化反応によって結合する、項目23に記載の方法。
(項目25)
上記金属触媒は銅またはロジウムに基づいている、項目24に記載の方法。
(項目26)
治療または診断において使用するための、項目19に記載のキレート。
(項目27)
過剰増殖性および/または腫瘍の状態の診断および/または治療用の薬剤の調製における、項目19に記載のキレートの使用。
(項目28)
過剰増殖性および/または腫瘍の状態の診断および/または治療に使用するための、項目19に記載のキレート。
(項目29)
上記状態は癌である、項目27に記載の使用または項目28に記載のキレート。
(項目30)
上記癌はホルモン応答性である、項目29に記載の使用またはキレート。
(項目31)
対象における過剰増殖性および/または腫瘍性の状態の診断または治療の方法であって、上記方法は、それぞれ診断上または治療上効果的な量の項目19または項目20に記載のキレートの上記対象への投与から成る、方法。
(項目32)
項目17または項目18に記載の結合体の合成における、項目1〜項目16のいずれかに記載の化合物の使用。
(項目33)
項目19または20に記載のキレートの合成における、項目17または項目18に記載の結合体の使用。
(項目34)
上記標的分子はペプチドである、項目17または項目18に記載の結合体または項目19または項目20に記載のキレート。
(項目35)
1つ以上のジスルフィド架橋を有する標的分子への二官能性キレート剤の金属触媒による接合の後に、二官能性キレート剤から金属触媒を脱キレートする方法であって、上記方法は、硫化ナトリウムを使用した金属イオンの除去と、それに続く、上記ジスルフィド架橋を再構築するための、NH 3 ならびにアセトニトリルおよび水を有する溶媒での処理とから成る、方法。
(項目36)
上記接合反応は、付加環化反応を伴う、項目35に記載の方法。
(項目37)
上記二官能性キレート剤は、項目1に記載の化合物である、項目35または項目36に記載の方法。
(項目38)
上記金属触媒は銅またはロジウムに基づいている、項目35〜項目37のいずれかに記載の方法。
(項目39)
項目16に記載の化合物と、上記R 5 基を介して上記化合物に結合する2つ以上の標的分子とを有する結合体。
本発明は、式:
式中、R1は、水素、メチル、エチル、カルボキシル保護基、および親水性部分から選択され、R2およびR3は、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から独立して選択され、R4は、水素、メチル、エチル、親水性部分、およびカルボキシル保護基から選択され、R5は、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはこれらの基の組み合わせであり、カルボニル基、アミノオキシ基、または付加環化反応に参加するのに適した官能基で置換されている。
式中、基G1からG4の2つ〜4つは、CH(CO2R4)−R5であり、任意の残りの基G1からG4はCH2CO2R1であり、R4は、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から選択され、R5は上記で定めた通りであり、R1は上記で定めた通りである。これによって化合物が複数の標的分子に結合できるようになり、それぞれのR5基の位置に1つが結合する。
一般的事項。トリチルクロリドポリスチロール(TCP)樹脂(0.94mmol/g)をPepChem(Tuebingen、ドイツ)より購入した。カップリング試薬およびアミノ酸誘導体をNovabiochem、Neosystem、およびIRIS Biotech GmbH、Merck Biosciences、Perseptive Biosystems GmbH、およびNeosystemより購入した。無水溶媒をFlukaより購入した。その他全ての試薬および溶媒を、Merck、Aldrich、およびFlukaより購入し、そのまま使用した。無水溶媒を移すのに、標準的なシリンジ法を用いた。アルミバックプレート(Merckシリカゲル60F254)で薄層クロマトグラフィー(TLC)を行った。254nmでのUV吸収によって、またはモリブデン酸セリウムアンモニウム(CAM)で呈色させて化合物を可視化した。シリカゲル60(Merck、230〜400メッシュ)(分離される材料1gに対しておよそ50g)で、指示された溶出剤を使用してフラッシュクロマトグラフィーを実施した。クロマトグラフィー用の溶媒を使用前に蒸留した。クロマトグラフィー用の溶出溶媒系は、体積/体積比として報告する。Omnicrom YMCカラム(4.6mm×250mm、5μmC18、1mL/分)を使用して、非ペプチド化合物は254nmで、ペプチド化合物は220nmで検出しRP−HPLC解析を行った。溶出剤は、水(0.1%TFA)からアセトニトリル(0.1%TFA)(30分間)の直線的勾配とした。分析RP−HPLCの保持時間(Rt)は分で示し、勾配はアセトニトリルの割合で記載する。NMR:Bruker AC−250、AV−360、AV−500、およびDMX500。1Hおよび13CのNMRスペクトルを周辺温度で記録した。スペクトルを、それらのそれぞれの溶媒シグナル(CDCl3:1H 7.26ppm、13C 77.0ppm、MeOH−d4:1H 3.31ppm、13C 49.05ppm)にキャリブレーションした。化学シフト(δ)は、100万分の1(ppm)で報告し、カップリング定数(J値)はヘルツ(Hz)で与える。多重度を説明するために以下の略号を使用した:s、シングル、d、ダブレット、t、トリプレット、q、カルテット、dd、ダブレットのダブレット、dt、トリプレットのダブレット、m、マルチプレット、b、ブロード。MS:Finnigan MAT8200(EI)、Finnigan LCQ(ESI)。Bruker Ultraflex TOF/TOFでペプチド配列解析を行った。
標準的なFmocストラテジー(57〜60)に従い、TCP−樹脂を用いてペプチド合成を行った。
1)シクロ[2,7]−AoxAc−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Thr−OH(18):(Boc−アミノオキシ)酢酸を、一般的手順I〜IIIと同様の手法で上記の樹脂結合ペプチドの一部にカップリングさせ、直鎖ペプチドを、手順IVに従って樹脂から切断した。ジスルフィド環化を一般的手順Vに従って行った。ステップIVおよびVで使用する全ての溶媒の品質に十分注意しなくてはならない(HPLC品質)。小バッチの粗生成物を精製し、半分取(semipreparative)RP−HPLC(20→50%、30分間)による精製後にアミノオキシ官能基化Tyr3−オクトレオテート18を無色の固体として得た。97%純度;RP−HPLC(10→60%) Rt=17.3;MS(ESI) C51H67N11O14S2の理論値 1121.43;実測値 1122.5 [M+H]+,562.1 [(2M+2H)/2]2+。
2)シクロ[2,7]−3−(3−アジドプロピルカルバモイル)プロパノイル−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Thr−OH(23)。21を、一般的手順I〜IIIと同様の手法で上記の樹脂結合ペプチドの一部にカップリングさせ、直鎖ペプチドを手順IVに従って樹脂から切断した。ジスルフィド環化を一般的手順Vに従って行った。ジスルフィド環化を一般的手順Vに従って行った。半分取RP−HPLC(20→60%、30分間)による精製後に、ペプチドを無色の固体として得た。96%純度;RP−HPLC(10→50%) Rt=25.0;MS(ESI) C56H74N14O14S2の理論値 1230.50;実測値 1231.6 [M+H]+,1253.6 [M+Na]+,1269.3 [M+K]+。
メチル2−(4−(2−(トリメチルシリル)エチニル)フェニル)アセテート(14)。0℃のメチル(4−ヨードフェニル)アセテート(13)(12.8g、45mmol、1.0当量)、トリメチルシリル−アセチレン(9.30mL、67.5mmol、1.5当量)およびTEA(14.9mL、108mmol、2.4当量)を含む無水CH3CN(120mL)の溶液に、Pd(PPh3)4(3.6g、3.15mmol、0.07当量)およびCuI(6.00g、31.5mmol、0.7当量)を加えた。0℃で30分間、および室温で3時間攪拌後、EtOAc/ヘキサン(1:1)を溶出剤として使用してシリカの短いカラムに通して混合物を濾過した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(勾配EtOAc/ヘキサン1:80→1:20)で精製して、14(10.3g、93%)を黄白色の結晶として得た。Rf=0.27(EtOAc/ヘキサン,1:10);mp 55−58°C;1H NMR(360 MHz,CDCl3) δ 7.42(d,J=8.4 Hz,2H),7.21(d,J=8.5 Hz,2H),3.68(s,3H),3.61(s,2H),0.25(s,9H);13C NMR(90 MHz,CDCl3) δ 171.4,134.3,132.0(2C),129.1(2C),122.0,104.7,94.2,52.0,41.0,−0.0(3C);HRMS(EI) C14H18O2Siの理論値 246.10761;実測値 246.10744。
化学選択的オキシムライゲーション。DOTA−Tyr3−オクトレオタート誘導体19の合成。1(3.3mg、4.5μmol、1.0当量)を、10NのHCl水溶液を含むジオキサン(50/50、v/v、2mL)中で18時間脱保護した後、溶媒を減圧下で除去した。残渣をCH3CN/H2O(1:1、v/v、0.2mL、HPLCグレード)にpH4(TFA、HPLCグレード)で溶解し、18(6.1mg、4.5μmol、1.0当量)を加えた。18時間攪拌後、溶媒を濃縮して、半分取RP−HPLC(20→50%、30分間)で粗生成物を直接精製して、凍結乾燥後に19(6.1mg、73%)を無色の粉末として得た。97%純度;RP−HPLC(10→60%) Rt=18.1;MS(ESI) C75H99N15O22S2の理論値 1625.7;実測値 1626.6 [M+H]+,1664.6 [M+K]+。
オキシムライゲーションを介したアミノオキシ官能基化ペプチドへの化学選択的結合のためのカルボニル−置換DOTA誘導体の開発。我々の合成戦略を計画する上で、アミノオキシ基は、tert−ブチルオキシカルボニル保護アミノオキシ官能基化アミノ酸成分として容易にペプチドに組み込まれうることから、我々は、カルボニル官能基をDOTA部分に結合させることを決定した。カルボニル官能基として、アルデヒドよりも、その有意に高い安定性からメチルケトンが好ましかった。この手順は、アルデヒドを使用する場合には不可欠であろうさらなる保護および脱保護のステップを回避し、最終化合物をより長期間にわたって容易に保存できるようにする。さらに、我々のアイディアは、我々の新しいDOTA誘導体の潜在的な応用範囲を拡大するものであった。これまでは、モノ結合体の選択的形成を可能にする誘導体に主に焦点が当てられていたが、選択的に変換され得る2つの異なる官能基を提供する新規なDOTA誘導体の開発は、例えば、ホモ−およびヘテロオリゴマーの選択的合成41または薬物動態の向上42をもたらすことが示されている、糖のようなさらなる基の結合などの新たな機会をもたらすものとなるだろう。従って我々は、2つの異なる保護基戦略を策定した:i)塩基に不安定な1つの保護基での直交保護(orthogonal protection)であり、1つのカルボン酸基の選択的脱保護と誘導体化を可能にするもの、およびii)モノ結合体のみが望ましい場合に1ステップの脱保護を提供する、酸に不安定な基での完全な保護である。
a試薬と条件:(a)BrCH2CO2R、Pd(OAc)2/P(o−Tol)3、K2CO3、THF/H2O、18時間、5:66%、6:63%、(b)NBS、Br2、hv、CCl4、1時間、7:89%、8:88%、(c)1,4,7,10−テトラアザシクロデカン、K2CO3、DMF、10時間、9:62%、10:75%、(d)BrCH2CO2t−Bu K2CO3、DMF、4時間、11:83%、1:72%、(e)LiOH、THF/H2O、18時間、38%(回収された11に関して66%)。
a試薬と条件:(a)SOCl2、MeOH、1時間、93%、(b)HC≡C−TMS、Pd(PPh3)4/CuI、NEt3、CH3CN、3時間、93%、(c)1)LDA、THF、1時間、2)NBS、THF、18時間、47%(回収された14に関して92%)、(d)1,4,7,10−テトラアザシクロデカン、K2CO3、DMF、10時間、53%、(e)1)BrCH2CO2t−Bu K2CO3、DMF、4時間、2)TBAF、THF、15分間、85%。
a試薬と条件:(a)10N HCl/ジオキサン(1:1、v/v)、18時間、(b)CH3CN/H2O(1:1、v/v、HPLCグレード)pH4(TFA、HPLCグレード)、18時間、73%(2ステップ)。
a試薬と条件:(a)LiOH、THF/H2O、18時間、(b)1)Cu/CuSO4、THF/H2O、18時間、2)TFA/TIPS/H2O(95:5:5、v/v)、2時間、3)Na2S、THF/H2O、4)DMSO、NH3、CH3CN/H2O、48時間、37%(5ステップ)。
DOTA(1,4,7,10−テトラキス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)およびその誘導体は、様々な二価および三価の金属イオンと非常に安定した錯体を形成できることから、医療分野における画像技術用のキレーターの重要なクラスとして浮上した。キレーターが接合した標的生体分子の便利な合成のために、直交保護されたカルボキシ基を有する、種々の適当なプロキレーター説明されている。しかし、これまでのところ、標的分子内のアミンまたはカルボキシル官能基を介するもの以外の結合を可能にするプロキレーターの合成に関する報告は1つしかない。15オキシムライゲーションまたはクリック化学を介する化学選択的結合を可能にするBFCAの開発における我々のアプローチは、新規なキレーター1、2、および3の合成をもたらした。この合成における最初の重要なステップは、シクレンのモノアルキル化である。文献では、2当量7または5当量8のシクレンが使用され、定量的収率がアルキル化剤の量に基づいて計算される、複数の類似のモノアルキル化の例が存在する。金属を保護基として使用する試みも存在する。51一連のもののうちシクレンが最も高価な試薬であることから、我々の合成においては、おおよそ等モル量のアルキル化剤を使用し、化合物16、9、および10について、それぞれシクレンに基づいて53、62、および75%の間で満足のいく収率を得た。粗生成物をさらに直接アルキル化することができたが、得られた化合物のアルキル化酢酸エステル残基の性質のみが異なっているもっと後の段階における分離よりも、高度にアルキル化された生成物および未反応のシクレンから粗生成物を分離するほうが容易であったため、フラッシュクロマトグラフーを使用してこの段階でこの中間体の精製を行った。通常は、拡散バンドのためにシリカでのシクレン誘導体の分離は時として非常に困難であること、分取RP−HPLCによる精製が優れた代替手段であることにも留意するべきである。α−ブロモエステル7、8、および15の合成は複雑ではなく、生成物が良好な収率で得られた。
本書で説明した新規なアルキンおよびケト官能基化DOTA誘導体によって、多官能性化合物との容易で化学選択的な接合が可能となる。さらに、遊離カルボキシルおよびカルボニル部分を有する二官能性誘導体が報告され、これは、ヘテロダイマーのような高級化合物のさらなる誘導および合成にとって有用なツールであってよい。我々の新たな修飾キレーターに関して、我々は、BFCAの最終的な適用を考慮して、複雑な保護基化学を回避する経済的で単純な手順を開発した。これにより、標識化合物がわずかな合成ステップで簡単に入手できるようになる。アルキンだけでなくメチルケトン官能基化DOTA誘導体も、対応する接合反応において適切なN末端修飾Tyr3−オクトレオタートと高度に選択的に反応することが証明された。さらに、AR42J腫瘍を有するヌードマウスにおける[68Ga]19の薬物動態は、診断的および治療的in vivo応用のための新たな放射性金属化ペプチドリガンドの合成に対する、化学選択的BFC接合アプローチの適合性を示す。
Claims (30)
- 前記アルキン基はエチニル基である、請求項1に記載の化合物。
- R5は、1つまたは2つの環を有する5員〜9員のアリール基である、請求項1〜請求項2のいずれか一項に記載の化合物。
- R5は、6員のアリール基である、請求項3に記載の化合物。
- R5はフェニル基である、請求項4に記載の化合物。
- 前記フェニル基は、パラ位が前記メチルケトン基またはアルキン基もしくはアジド基である付加環化反応に参加するのに適した前記官能基で置換されている、請求項5に記載の化合物。
- R1、R2、およびR3は、同じ、または別のカルボキシル保護基であり、前記カルボキシル保護基は、存在する場合、ベンジル、フルオレニルメチルおよびt−ブチルからなる群より選択される、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の化合物。
- R4は、水素またはメチルである、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の化合物。
- R1、R2、およびR3はt−ブチルであり、R4は水素またはメチルである、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の化合物。
- 請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の化合物と誘導体化標的分子とを有する結合体であって、R5がメチルケトンで置換されている場合は、前記標的分子は、相補的なメチルケトンを含むように誘導体化されており、前記化合物と標的分子はオキシム結合で結合されており、R5がアルキン基もしくはアジド基である付加環化反応に参加するのに適した官能基で置換されている場合は、前記標的分子は、前記付加環化反応用の相補基を含むように誘導体化されており、前記化合物と前記標的分子は、前記付加環化反応のヘテロ環生成物によって結合されており、前記標的分子はペプチドである、結合体。
- 前記化合物と標的分子は、1,2,3−トリアゾール基によって結合されている、請求項11に記載の結合体。
- 請求項1〜請求項10のいずれかに記載の化合物または請求項11もしくは請求項12に記載の結合体と錯体を形成する放射性核種を有するキレート。
- 前記放射性核種は、アクチニウム225、ビスマス212、ビスマス213、鉛203、銅64、銅67、ガリウム66、ガリウム67、ガリウム68、ルテチウム177、インジウム111、インジウム113、イットリウム86およびイットリウム90、ジスプロシウム162、ジスプロシウム165、ジスプロシウム167、ホルミウム166、プラセオジミウム142、プラセオジミウム143、プロメチウム149、およびテルビウム149から選択される、請求項13に記載のキレート。
- 請求項1に記載の化合物の合成の方法であって、前記合成は、2置換のアリール、ヘテロアリール、アルキル、またはL 1−CH(CO2R4)−R5−Xとシクレンとの反応であって、ここでR4およびR5は請求項1に記載のものと同じ意味を持ち、L1は脱離基であり、Xは、メチルケトン、またはアルキン基もしくはアジド基である付加環化反応に参加するのに適した官能基である、またはそのような官能基の保護された形態である、反応;ならびに、L2CH2CO2Rを使用する前記シクレンのその他の窒素原子のアルキル化であって、ここでRは、請求項1で定めたようなR1、R2、またはR3であり、L2は脱離基である、アルキル化、を有する方法。
- シクレンの前記窒素原子の2つ〜4つは、L1−CH(CO2R4)−R5−Xと反応し、R4は、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から選択され、R5は請求項1に記載のものと同じ意味を持ち、前記シクレンの残りの窒素原子は、L2CH2CO2Rを使用してアルキル化され、Rは、請求項1で定めたようなR2またはR3であり、前記カルボキシル保護基は、存在する場合、ベンジル、フルオレニルメチルおよびt−ブチルからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
- 前記結合体の放射性核種との任意の錯体形成の前に、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物および請求項11に記載の誘導体化標的分子を、遷移金属触媒の存在下で付加環化反応によって反応させる工程を包含する、請求項11に記載の結合体の合成方法。
- 前記金属触媒は銅またはロジウムを含む、請求項17に記載の方法。
- 治療または診断において使用するための、請求項13に記載のキレート。
- 過剰増殖性および/または腫瘍の状態の診断および/または治療用の薬剤の調製における、請求項13に記載のキレートの使用。
- 過剰増殖性および/または腫瘍の状態の診断および/または治療に使用するための、請求項13に記載のキレート。
- 前記状態は癌である、請求項20に記載の使用または請求項21に記載のキレート。
- 前記癌はホルモン応答性である、請求項22に記載の使用またはキレート。
- 対象における過剰増殖性および/または腫瘍性の状態の診断または治療のための組成物であって、前記組成物は、それぞれ診断上または治療上効果的な量の請求項13または請求項14に記載のキレートを含有する、組成物。
- 請求項11または請求項12に記載の結合体の合成における、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の化合物の使用であって、前記結合体の放射性核種との任意の錯体形成の前に、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物および請求項11に記載の誘導体化標的分子が、遷移金属触媒の存在下で付加環化反応によって反応されることを特徴とする、使用。
- 請求項13または14に記載のキレートの合成における、請求項11または請求項12に記載の結合体の使用であって、請求項11または請求項1に記載の結合体が放射性核種と錯体形成されることを特徴とする、使用。
- 1つ以上のジスルフィド架橋を有する標的分子への二官能性キレート剤の金属触媒による接合の後に、二官能性キレート剤から金属触媒を脱キレートする方法であって、前記方法は、硫化ナトリウムを使用した金属イオンの除去と、それに続く、前記ジスルフィド架橋を再構築するための、NH3ならびにアセトニトリルおよび水を有する溶媒での処理とから成り、前記二官能性キレート剤は請求項1に記載の化合物である、方法。
- 前記接合反応は、付加環化反応を伴う、請求項27に記載の方法。
- 前記金属触媒は銅またはロジウムを含む、請求項27または請求項28に記載の方法。
- 請求項10に記載の化合物と、前記R5基を介して前記化合物に結合する2つ以上の標的分子とを有する結合体であって、前記2つ以上の標的分子はペプチドである、結合体。
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