JP5702756B2 - 光導波路素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光合波器と、モードスプリッタを備える光導波路素子に関する。また、本発明は、モードスプリッタを備える光導波路素子に関する。
光導波路での伝播モードに関して、直交するそれぞれの偏波において実効屈折率の高い順からモード数nを0,1,2,・・・とするとき、n=0の伝播モードを基本モードと呼び、その他のモードをそれぞれのモード数nに対応してn次モードと呼ぶことにする。また、n≧1以上のモードを総称して高次モードと呼ぶことにする。
近年、シリカ(SiO)をクラッドとし、シリコン(Si)をコアとしたSi光導波路は、Si/SiOの高い屈折率差の利用により光導波路の小型化が可能なことや、Si−LSI(大規模集積回路)用の既存の製造設備を用いて比較的安価に製造できることから、注目と期待を集めている。
光導波路素子では、マルチモード干渉(Multi-Mode Interferometer:MMI)型合波器やY型合波器などの光合波器(カプラ)を組み込むことが多い。光合波器では、合波された光の1次モード光が光合波器の後段の光導波路を伝播しないようにすることが重要である。
例えば、マッハツェンダ型(Mach-Zehnder Interferometer:MZI)光変調器は、光合波器に注入する2つの光の位相差により光信号のon状態とoff状態の切り替えを制御する。2つの光が同位相で光合波器に注入された場合、2つの光が合波された光は、後段の光導波路を基本モードで伝播する。それに対し、2つの光が逆位相で光合波器に注入された場合、合波した光は後段の光導波路に対して1次モードで伝播する。後段の光導波路が1次モードを伝播させることのできない導波路構造を有する場合、合波された光は放射モードとなり、導波路の外に漏れ出ることで導波路上から消失する結果、MZI光変調器はoff状態となる。後段の光導波路が1次モードを伝播可能な場合、off状態にもかかわらず1次モード光が伝播してしまい、消光比の劣化を招く。
このような合波器における1次モードの発生や伝播を避けるため、ニオブ酸リチウム(LN)結晶を用いた光導波路や、石英系材料を用いたプレーナ光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)等の従来の光導波路では、合波された光の1次モード光が光合波器の後段の光導波路を伝播しないように導波路の幅を適切に選び、導波路に基本モード光しか伝播しないようにしている。
また、その一方で、主導波路を伝播する1次モード光を、主導波路に沿ったテーパ構造をもつ副導波路へ、断熱遷移によって分離し、導波させ、主導波路から除去する従来技術がある(特許文献1参照)。
Si/SiO導波路に関する従来技術の1つとして、非特許文献1(2.2項、3.2項、Fig.1、Fig.4等)には、厚さ200nm、幅400nm、間隔480nmの2つのSi導波路からなる方向性結合器(directional coupler:DC)を利用した偏波モード分離器(Polarization Splitter:PS)により、10μmほどの長さで偏波モードの分離が可能であることが開示されている。
特開2006−235380号公報
Hiroshi Fukuda, Koji Yamada, Tai Tsuchizawa, Toshifumi Watanabe, Hiroyuki Shinojima, and Sei-ichi Itabashi、"Silicon photonic circuit with polarization diversity"、Optics Express、2008年、第16巻、第7号、p.4872−4880 山内潤治監修、薮哲郎著、"光導波路解析入門"、森北出版株式会社、2007年9月、第四章
しかしながら、Si/SiO導波路の比屈折率差は、石英系導波路の比屈折率差である0.1〜数%程度に対して、約40%以上と非常に大きい。石英系導波路と同等に基本モードのみが伝播されるようにするためには、例えばクラッドがSiOでSiコアの厚さが220nmの導波路では、コア幅を450nm以下にする必要がある。このような微細領域に光を閉じ込めると、エネルギー密度が上昇し、表面ラフネスの影響が大きくなることで導波路損失が増大する。本発明者らの検討によると、例えば、コア幅が500nmのとき導波路損失は0.16dB/mm程度であるのに対して、コア幅が400nmのとき導波路損失は0.40dB/mm程度となり、後者は前者の約2.5倍である。つまり、コア幅が狭いほど導波路損失が上昇し、表面ラフネスによる導波路特性の劣化が起こりやすい。
このようなSi/SiO導波路において導波路損失を避けるため、あえて1次モード光の導波が可能な導波路幅を選択した際に、特許文献1に記載されたテーパ構造の使用は事実上不可能である。
まず、断熱遷移による分岐(分波)において高い分岐特性を得るためには、なだらかなテーパ部分が必要になる。非特許文献2の第四章のシミュレーションを参考にすると、断熱遷移による1次モード分岐に必要な分岐部の長さは、波長λを単位としておよそ1000λである。入射光の波長を1.55μmとすれば、テーパ部分の長さが約1.5mm必要になる。特許文献1の実施例1でも、入射光の波長1.5μmに対してテーパ長は2mmとされている。Si/SiO導波路のような比屈折率差の大きいデバイスは、高い屈折率差を利用したμmオーダーのデバイスによる光デバイスの小型化が大きな特徴であるから、特許文献1のテーパ部分のようなmmサイズのデバイスを組み込むことはできない。
さらに、製造上も問題がある。特許文献1では基本モード光と1次モード光の分離を断熱遷移で行なっているため、2つの導波路間隔は導波路幅に対して極めて小さくする必要がある。例えば、コア幅500nmのSi/SiO導波路の場合、導波路間隔によっては非常に困難を伴う。同様に、副導波路のテーパ構造をコア幅500nmのSi/SiO導波路で形成するのは製造上困難であり、大幅な製造コストの上昇を招く。
なお、非特許文献1には、偏波モードの分離が可能なデバイスについて開示されているが、モード数nの異なる伝播モードの分離(例えば基本モードと高次モードとの分離)が可能なデバイスについては開示されていない。
本発明は、上記のような問題に鑑み、モード分離が可能なモードスプリッタを備える光導波路素子を提供することを課題とする。また、2種類以上の伝播モードが導波可能な導波路が光合波器の後段に接続された光導波路素子において、光合波器の後段の光導波路からモード分離が可能なモードスプリッタを備える光導波路素子を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、基板上にコア及びクラッドを有する光導波路を備える光導波路素子であって、前記光導波路素子は、複数の入力光を1つの出力光に合波する光合波器と、前記光合波器の入力側である前段、又は出力側である後段から選択される1箇所以上に設けられたモードスプリッタとを備え、前記コアの屈折率ncoreと前記クラッドの屈折率ncladとの比であるncore/ncladが101〜250%の範囲内であり、前記モードスプリッタは、少なくとも2種類以上の伝播次数の異なる伝播モードが導波可能な主導波路と、前記主導波路から一定の距離を空けて前記主導波路と平行に置かれた方向性結合器を構成する部分をもち、前記少なくとも2種類以上の伝播次数の異なる伝播モードのうち少なくとも1種類以上の伝播次数の異なる伝播モードを前記主導波路から分離させる副導波路とを備えることを特徴とする光導波路素子を提供する。
前記主導波路と前記副導波路が、±10%以内で略同一の幅を有することが好ましい。
前記主導波路と前記副導波路が、±10%以内で略同一の厚さを有することが好ましい。
前記方向性結合器を構成する部分の開始部分で、前記副導波路が前記主導波路になだらかに接近する構造をもつことが好ましい。
前記方向性結合器を構成する部分の終了部分で、前記副導波路が前記主導波路からなだらかに離れる構造をもつことが好ましい。
前記モードスプリッタが、前記光合波器の出力側である後段に設けられることが好ましい。
前記光合波器と、前記光合波器の後段に設けられたモードスプリッタとの組が、カスケード型に連続して設けられてもよい。
前記光合波器は、2つの入力光を1つの出力光に合波するものであり、前記光合波器の入力側である前段に、光変調部と、1つの入力光を2つの出力光に分波する光分波器とを備え、前記光分波器の1つの出力光が前記光変調部を介して前記光合波器に入力され、前記光分波器のもう1つの出力光が前記光変調部を介さないで前記光合波器に入力されてもよい。
前記副導波路が前記主導波路の長手方向の異なる位置に2本以上あり、各々の前記副導波路の幅は、±10%以内で前記主導波路と略同一の幅を有し、前記副導波路と前記主導波路との間隔、及び前記副導波路が前記主導波路と平行に置かれた部分の長さが等しくてもよい。
前記副導波路が前記主導波路の長手方向の異なる位置に2本以上あり、各々の前記副導波路の幅は、±10%以内で前記主導波路と略同一の幅を有し、前記副導波路と前記主導波路との間隔、又は前記副導波路が前記主導波路と平行に置かれた部分の長さが異なってもよい。
前記光合波器がMMI型の光合波器であってもよい。
前記光合波器がY型の光合波器であってもよい。
前記コアの材料がSiであり、前記クラッドの材料がSiOであってもよい。
前記副導波路は、高次モードを前記主導波路から分離させるものでもよい。
前記高次モードの光が前記主導波路に再結合することを防ぐため、前記副導波路の終了部分の先端に、不純物を高濃度でドープした光吸収層を備えてもよい。
前記高次モードの光の光量をモニタリングするため、前記副導波路の終了部分の先端に、受光素子及びこの受光素子の電流を取り出すための電気配線を備えてもよい。
また、本発明は、基板上にコア及びクラッドを有する光導波路を備える光導波路素子であって、前記光導波路素子は、モードスプリッタを備え、前記コアの屈折率ncoreと前記クラッドの屈折率ncladとの比であるncore/ncladが101〜250%の範囲内であり、前記モードスプリッタは、少なくとも2種類以上の伝播次数の異なる伝播モードが導波可能な主導波路と、前記主導波路から一定の距離を空けて前記主導波路と平行に置かれた方向性結合器を構成する部分をもち、前記少なくとも2種類以上の伝播次数の異なる伝播モードのうち少なくとも1種類以上の伝播次数の異なる伝播モードを前記主導波路から分離させる副導波路とを備えることを特徴とする光導波路素子を提供する。
前記主導波路と前記副導波路が、±10%以内で略同一の幅を有することが好ましい。
前記主導波路と前記副導波路が、±10%以内で略同一の厚さを有することが好ましい。
前記方向性結合器を構成する部分の開始部分で、前記副導波路が前記主導波路になだらかに接近する構造をもつことが好ましい。
前記方向性結合器を構成する部分の終了部分で、前記副導波路が前記主導波路からなだらかに離れる構造をもつことが好ましい。
前記副導波路が前記主導波路の長手方向の異なる位置に2本以上あり、各々の前記副導波路の幅は、±10%以内で前記主導波路と略同一の幅を有し、前記副導波路と前記主導波路との間隔、及び前記副導波路が前記主導波路と平行に置かれた部分の長さが等しくてもよい。
前記副導波路が前記主導波路の長手方向の異なる位置に2本以上あり、各々の前記副導波路の幅は、±10%以内で前記主導波路と略同一の幅を有し、前記副導波路と前記主導波路との間隔、又は前記副導波路が前記主導波路と平行に置かれた部分の長さが異なってもよい。
前記コアの材料がSiであり、前記クラッドの材料がSiOであってもよい。
前記副導波路は、高次モードを前記主導波路から分離させるものでもよい。
前記高次モードの光が前記主導波路に再結合することを防ぐため、前記副導波路の終了部分の先端に、不純物を高濃度でドープした光吸収層を備えてもよい。
前記高次モードの光の光量をモニタリングするため、前記副導波路の終了部分の先端に、受光素子及びこの受光素子の電流を取り出すための電気配線を備えてもよい。
本発明の光導波路素子によれば、モードスプリッタにより、モード分離が可能になる。また、2種類以上の伝播モードが導波可能な導波路が光合波器の後段に接続された光導波路素子において、光合波器の後段の光導波路から、モードスプリッタにより、モード分離が可能になる。
(a)は光導波路素子の第1実施形態を示す平面図、(b)は(a)のMMI型の光合波器を示す部分拡大平面図、(c)は(a)のモードスプリッタを示す部分拡大平面図、(d)は(c)のS−S線に沿う断面図である。 (a)〜(c)はモードスプリッタの形態が異なる光導波路素子を示す平面図である。 光導波路素子の第2実施形態を示す平面図である。 光導波路素子の第3実施形態を示す平面図である。 光導波路素子の第4実施形態を示す平面図である。 光導波路素子の第5実施形態を示す平面図である。 (a)は光導波路素子の第6実施形態を示す平面図、(b)は光導波路素子の第7実施形態を示す平面図である。 光導波路素子の第8実施形態を示す平面図である。 (a)は光導波路素子の第9実施形態を示す平面図、(b)は光導波路素子の第10実施形態を示す平面図、(c)は光導波路素子の第11実施形態を示す平面図である。 (a)基本モードと(b)1次モードのEx電界の空間分布の一例を示すシミュレーション結果である。 結合係数と導波路間隔との関係の一例を示すグラフである。 結合長と導波路間隔との関係の一例を示すグラフである。 複数の導波路間隔における基本モード光の強度と副導波路長との関係の一例を示すグラフである。 複数の導波路間隔における1次モード光の強度と副導波路長との関係の一例を示すグラフである。 複数の導波路間隔における消光比と副導波路長との関係の一例を示すグラフである。 消光比の波長依存性の一例を示すグラフである。 基本モード光の損失の波長依存性の一例を示すグラフである。 (a)〜(c)は、各種のモードスプリッタにおける1次モード光の伝播の様子の一例を示すシミュレーション結果である。 複数の曲率半径における分岐比と直線部との関係の一例を示すグラフである。 分岐比と曲線部の曲率半径との関係の一例を示すグラフである。 モードスプリッタにおける基本モード光の伝播の様子の一例を示すシミュレーション結果である。
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。図1に、本発明の光導波路素子の第1実施形態を示す。この光導波路素子10は、図1(d)に示すように、基板1上にコア2及びクラッド3を有する光導波路を備える。図1(a)〜(c)では、コア2に相当する部分のみを図示し、これを光導波路として説明する。
図1(a)に示すように、光導波路素子10は、複数の入力光を1つの出力光に合波する光合波器14と、この光合波器14の出力側である後段に設けられたモードスプリッタ20を備える。複数の入力光は、それぞれ複数の入射側導波路11,12を通じて光合波器14に注入される。また、光合波器14の出力光は、出射側導波路13を介して、モードスプリッタ20に注入される。光合波器(カプラ)としては、特に限定されないが、例えばMMI型合波器、Y型合波器、方向性結合器等が挙げられる。図1(b)に示すMMI(マルチモード干渉)型合波器14は、導波路11,12,13よりも幅の広い所定の幅WMMIと所定の長さLMMIを有し、合波器14の内部で各入力光をマルチモードで導波して干渉させることにより、各入力光を合波した光を出射側導波路13から出力する。
光合波器14に接続される導波路11,12,13は、光をマルチモードで導波するマルチモード導波路である。導波路11,12,13として、マルチモード導波路のようにコア幅の広い導波路を用いると、表面ラフネスによる導波路特性の劣化が起こりにくいので好ましい。
図1(c)に示すように、モードスプリッタ20は、光合波器14の出射側導波路13に接続された主導波路21と、主導波路21から離れて設けられた副導波路22を有する。主導波路21は、少なくとも2種類以上の伝播次数の異なる伝播モードが導波可能な導波路であることが望ましい。主導波路21として、マルチモード導波路のようにコア幅の広い導波路を用いると、表面ラフネスによる導波路特性の劣化が起こりにくい。
副導波路22は、主導波路21により導波可能な少なくとも2種類以上の伝播次数の異なる伝播モードのうち少なくとも1種類以上の伝播次数の異なる伝播モードを主導波路21から分離させる。そのため、主導波路21及び副導波路22は、一定の距離を空けて互いに平行に置かれた結合部分21b,22bを有し、これらの結合部分21b,22bにより長さLの方向性結合器が構成される。さらに、図示例のモードスプリッタ20は、方向性結合器を構成する結合部分21b,22bの前にある開始部分21a,22aで、主導波路21及び副導波路22が互いになだらかに接近する構造をもつ。また、モードスプリッタ20は、結合部分21b,22bの後にある終了部分21c,22cで、主導波路21及び副導波路22が互いになだらかに離れる構造をもつ。副導波路22は、少なくとも2種類以上の伝播次数の異なる伝播モードが導波可能な導波路であってもよい。
本発明のモードスプリッタについて、モード結合理論に基づき、説明する。主導波路の近傍に副導波路を平行に置くことで、方向性結合器を形成することができる。方向性結合器を形成すると、一般に主導波路のどのモードも副導波路のモードと結合する。主導波路のモードから副導波路のモードへの結合の強さは、下式(1)に示す結合係数χ21で表される。
式(1)で、Cは規格化定数を含んだ定数であり、ncoreはコアの屈折率、ncladはクラッドの屈折率である。サブスクリプトの1と2は、それぞれ主導波路及び副導波路の固有モード(E及びE)を表している。x及びyは導波路の幅方向及び厚さ方向であり、積分範囲は副導波路のコア断面内である。
式(1)から分かるように、結合係数の大きさは、主導波路の固有モードの電磁界分布が副導波路のコア断面内にどれだけ広がっているかに依存する。一般に、基本モードと高次モードとを比較すると、基本モードはコアの中央を伝播するのに対し、高次モードは基本モードに比べて導波路の外側を伝播する(例えば、後述する実施例1の図10を参照)。そのため、1次モード等の高次モードは、基本モードに比べて、副導波路に結合しやすくなることが予想される。また、一般に、方向性結合器を形成する2つの導波路の間隔(例えば、図1(d)の間隔wを参照)を広げていくと、基本モードと高次モードは共に結合係数が小さくなっていくが、基本モードの結合係数の減少が、1次モード等の高次モードの結合係数の減少に比べて急である(例えば、後述する実施例1の図11を参照)。そのため、方向性結合器を形成する2つの導波路の間隔を適切に選ぶことにより、主導波路で導波可能な2種類以上の伝播モードの間で、結合係数χ21の違いを十分に大きくすることができる。
上述の式(1)によれば、コアの屈折率ncore及びクラッドの屈折率ncladに対して、結合係数χ21はncore −nclad に比例する。このため、モード間の結合係数の差を大きくするためには、屈折率差の大きい導波路構造を採用することが好ましい。例えば、ncore/ncladが101〜250%の範囲内であることが好ましい。
例えばコアの材料がSi(屈折率3.475程度)であり、クラッドの材料がSiO(屈折率1.444程度)の場合、SOI(Silicon On Insulator)基板などの半導体向け材料を導波路材料に用いることができるので好ましい。
コアの材料としては、SiO(屈折率1.47)、SiON、SiNや非シリコン系の半導体材料(化合物半導体)などが挙げられる。
方向性結合器では、2つの導波路構造(材料、寸法、形状等)が完全に対称的であれば、最大パワー移行率は100%である。逆に2つの導波路構造が異なり、モードの伝播定数が異なれば、最大パワー移行率は100%にならない。よって、1次モード等の高次モードを主導波路から副導波路へ効率よく移行させることを考える場合、主導波路と副導波路との導波路構造(材料、寸法、形状等)をなるべく同じようにすることが望ましい。例えば、主導波路の幅と副導波路の幅(例えば、図1(d)の幅w及びwを参照)が、略同一であることが好ましい。例えばSi光導波路では、安価な製造を実現するため、KrF(248nm)を光源とする旧世代の露光機も用いられることがある。一般的な導波路コアの形成方法において露光マスクのアラインメントやエッチング等に誤差が生じるおそれがある。そこで、テーパ形状等(従来技術を参照。)の意図的な導波路幅(コア幅)の変更がない導波路として、例えば±10%以内で略同一の幅を有することが好ましい。
同様に、主導波路と副導波路とが、例えば±10%以内で略同一の厚さを有することが好ましい。
方向性結合器において、主導波路から副導波路へのパワーの移行が最大になるまでの方向性結合器の長さは結合長と呼ばれる。結合長は、結合係数χ21の強さに依存する。一般に、結合係数χ21が小さいほど、結合長は長くなる(例えば、後述する実施例1の図11と図12を参照)。
例えば、基本モードの結合長が高次モードの結合長よりも十分長くなる条件下で、方向性結合器の長さを短くする(例えば高次モードの結合長と同程度又はそれ以下とする)と、基本モードの移行の割合が小さいまま、高次モードの移行の割合を十分に大きくすると、基本モードの移行が小さく、特定の高次モード(例えば1次モード)を主導波路から副導波路に分離させることが可能なモードスプリッタを実現することができる。
方向性結合器の長さが高次モードの結合長よりも長い場合、高次モードが主導波路と副導波路との間を交互に移行する。そこで、例えば、方向性結合器の長さを基本モードの結合長と同程度としたときに、高次モードが副導波路に移行している割合が小さい構造とした場合には、基本モードを主導波路から副導波路に分離させることが可能なモードスプリッタとなることも考えられる。
モードスプリッタが、少なくとも基本モードと1次モードを伝播可能な主導波路に対して、副導波路が1次モードを主導波路から分離させるものである場合、小型化も容易であり、好ましい。合波器後の主導波路の近傍に、主導波路と平行に、主導波路と略同一の幅を有する副導波路を置いて方向性結合器を形成し、基本モード光と高次モード光との間で結合定数が著しく異なることを利用して、方向性結合器の長さや主導波路と副導波路との間隔を適切に選ぶことにより、基本モード光の損失を抑えたまま、高次モード光のみを主導波路から副導波路に分離させることにより、基本モード光のみを出力する合波器を構成することができる。
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
図2(a)に示す光導波路素子のモードスプリッタ20Aにおいて、副導波路22Aは、方向性結合器を構成する部分である結合部分22bと、結合部分22bで分離したモードの光を取り出す終了部分22cを有するものの、副導波路が主導波路になだらかに接近する構造の開始部分(図1(c)の符号22a)を有しない。
図2(b)に示す光導波路素子のモードスプリッタ30において、主導波路31は、開始部分31aから結合部分31bを経て終了部分31cに至るまで全体が直線状である。モードスプリッタ30の副導波路32は、副導波路が主導波路になだらかに接近する構造の開始部分32aと、方向性結合器を構成する部分である結合部分32bと、結合部分32bで分離したモードの光を取り出す終了部分32cを有する。
図2(c)に示す光導波路素子のモードスプリッタ30Aにおいて、主導波路31は、開始部分31aから結合部分31bを経て終了部分31cに至るまで全体が直線状である。モードスプリッタ30Aの副導波路32Aは、方向性結合器を構成する部分である結合部分32bと、結合部分32bで分離したモードの光を取り出す終了部分32cを有するものの、副導波路が主導波路になだらかに接近する構造の開始部分(図2(b)の符号32a)を有しない。
なお、後述する第2〜第11実施形態等、他の実施形態においても、各モードスプリッタを図2(a)〜(c)に示す上述のモードスプリッタ20A,30,30Aと同様のものを用いてよい。図2(b)及び図2(c)では、主導波路21を直線とし、副導波路22を曲線としたが、その反対に、主導波路21を曲線とし、副導波路22を直線とすることもできる。
主導波路と副導波路との対称性の観点からは、少なくとも方向性結合器の部分の近傍において、図1(c)に示すように、主導波路と副導波路とが対称的な平面形状を有することが好ましい。この検討については後述の実施例2(特に図18(a)及び図18(b)の比較)において有限差分時間領域(Finite-Difference Time Domain:FDTD)法による電磁界シミュレーションにより比較検討されている。図2(c)に示す光導波路素子のモードスプリッタ30Aの主導波路の終了部分31cを副導波路の終了部分32cと同様の曲げ構造で曲げることによりモードスプリッタ30Aに対称性を持たせたものが、モードスプリッタ20Aを持つ図2(a)に示す光導波路素子である。同様に、図2(b)に示す光導波路素子のモードスプリッタ30の主導波路の開始部分31aを副導波路の開始部分32aと同様の曲げ構造で曲げ、主導波路の終了部分31cを副導波路の終了部分32cと同様の曲げ構造で曲げることによりモードスプリッタ30に対称性を持たせたものが、図1(c)のモードスプリッタ20を持つ図1(a)に示す光導波路素子である。
図1(c)のモードスプリッタ20では、方向性結合器を構成する結合部分21b,22bの中間線を対称中心線(対称軸)として、主導波路の開始部分21aと副導波路の開始部分22aとが対称とされ、主導波路の結合部分21bと副導波路の結合部分22bとが対称とされ、主導波路の終了部分21cと副導波路の終了部分22cとが対称とされている。主導波路の曲線部分(21a,21c)の曲率半径が、副導波路の曲線部分(22a,22c)の曲率半径と等しいか、前者が後者より大きいか、前者が後者より小さいかは、適宜選択可能である。
主導波路と副導波路との間が十分に離れた箇所では、基板上で所望の配置をとるように導波路を延ばしたり、曲げたりすることができ、また、導波路の向きや長さ等を自由に設定できることはいうまでもない。主導波路や副導波路の幅は、方向性結合器の部分の近傍のみならず、全体的に略同一の幅にすることもできる。
副導波路が主導波路の基本モードに及ぼす影響は小さいが、副導波路が主導波路になだらかに接近する構造の開始部分を有する場合、損失をさらに低減することができ、好ましい。この検討については後述の実施例2(特に図18(b)及び図18(c)の比較)においてFDTD法(上述)による電磁界シミュレーションにより比較検討されている。図2(c)に示す光導波路素子のモードスプリッタ30Aの副導波路の開始部分を副導波路の終了部分32cと同様の曲げ構造で曲げることによりモードスプリッタ30Aになだらかな接近部分を持たせたものが、モードスプリッタ30を持つ図2(b)に示す光導波路素子である。同様に、図2(a)に示す光導波路素子のモードスプリッタ20Aの副導波路の開始部分を副導波路の終了部分22cと同様の曲げ構造で曲げることによりモードスプリッタ20Aになだらかな接近部分を持たせたものが、図1(c)のモードスプリッタ20を持つ図1(a)に示す光導波路素子である。主導波路を通る光は、近くに副導波路が不連続的に出現すると、光の反射や擾乱を受けやすい。副導波路が主導波路になだらかに接近することで、これらの損失をさらに低下することができる。
同様に、副導波路が主導波路からなだらかに離れる構造の終了部分を有する場合、損失をさらに低減することができ、好ましい。
導波路におけるなだらかに接近、又は離れる構造は、円弧、楕円弧、放物線、双曲線などの曲線に沿って構成されることが好ましい。その曲率半径は、例えば10μm以上であることが好ましい。直線の曲率半径は∞であることから、直線部と曲線部とが連続的に接続するための曲率半径に特に上限はないが、直線部に近接する曲線部の曲率半径として、例えば数十〜数百μmが挙げられる。
図1(c)のモードスプリッタ20では、方向性結合器を構成する結合部分21b,22bに垂直な二等分線を対称中心線(対称軸)として、主導波路の開始部分21aと主導波路の終了部分21cとが対称とされ、副導波路の開始部分22aと副導波路の終了部分22cとが対称とされている。開始部分の曲率半径が、終了部分の曲率半径と等しいか、前者が後者より大きいか、前者が後者より小さいかは、適宜選択可能である。
図3に、光導波路素子の第2実施形態を示す。この光導波路素子は、図1(a)と同様な光合波器14とモードスプリッタ20との組からなる光導波路素子10を、カスケード型に連続して多段に設けたものである。光導波路素子10が2×1合波器(2入力1出力)であるのに対し、図3の光導波路素子は、4×1合波器となる。同様に、複数段重ねることで、8×1合波器、16×1合波器、32×1合波器等のN×1合波器を構成することが可能である。各光導波路素子10の副導波路22は外側へ向け、主導波路21からの距離を十分離したところで、副導波路22に移行、分離した伝播モード(例えば高次モード)を放射または吸収させることにより、主導波路21への再結合を抑制することができる。分離した伝播モードを基板内で吸収させる構造としては、例えば、後述する光吸収層23(図5参照)が挙げられる。分離した伝播モードを放射させる場合は、副導波路22の終了部分を基板の周縁部まで延ばして基板外に向けて放射させることも可能である。
図4に、光導波路素子の第3実施形態を示す。この光導波路素子の場合、2つの入力光を1つの出力光に合波する光合波器46の入力側である前段に、光変調部45と、1つの入力光を2つの出力光に分波する光分波器42が設けられ、これらによりマッハツェンダ型光変調器40が構成されている。光分波器42の1つの出力光は光変調部45を有する導波路43を介して光合波器46に入力され、光分波器42のもう1つの出力光は光変調部45を有しない導波路44を介して光合波器46に入力される。
光分波器42の前段の光導波路41から光分波器42に注入された光は2つに分波され、それぞれ別の導波路(アーム)43,44を伝播する。光変調部45は、一般に位相変調器である。光変調部45を介して伝播された光と光変調部45を介さないで伝播された光とが所定の位相差を有して光合波器46に注入されると、光合波器46で合波された光は位相差に応じて変調される。例えば、光合波器46に注入する2つの光の位相差により光信号のon状態とoff状態の切り替えを制御する。2つの光が同位相で光合波器46に注入された場合、合波された光は後段の光導波路47を基本モードで伝播し、光信号がon状態になる。それに対し、2つの光が逆位相で光合波器46に注入された場合、合波された光は後段の光導波路47に対して1次モードで伝播し、光信号がoff状態になる。
マッハツェンダ型光変調器40の光合波器46の後段の光導波路47をモードスプリッタ20の主導波路21に接続し、1次モード光を副導波路22へ分離することにより、マッハツェンダ型光変調器40の消光比の劣化を抑制することができる。光合波器46としては、例えばMMI型合波器14を用いてもよい。MMI型合波器14とモードスプリッタ20との関係は、図1(a)の光導波路素子10と同様に構成することができる。
マッハツェンダ型光変調器40の光分波器42及び光合波器46としては、特に限定されないが、例えばMMI型の分波器又は合波器、Y型の分波器又は合波器、方向性結合器等が挙げられる。
マッハツェンダ型光変調器40にモードスプリッタ20を設ける場合、光分波器42の入力側である前段(導波路41)、光合波器46の出力側である後段(導波路47)、又は光分波器42と光合波器46との間である内部(導波路43,44)から選択される1箇所以上に設けることができる。
図5に、光導波路素子の第4実施形態を示す。この光導波路素子の場合、モードスプリッタ20の副導波路22の終了部分の先端に、不純物を高濃度でドープした光吸収層23を備える。光吸収層23で高次モード光を吸収することにより、高次モード光が主導波路21に再結合することを防ぐことができる。
光合波器14がマッハツェンダ型光変調器40に組み込まれている場合(図4参照)等、他の実施形態においても、副導波路22の終了部分の先端に、光吸収層23を設けてもよい。
図6に、光導波路素子の第5実施形態を示す。この光導波路素子の場合、モードスプリッタ20の副導波路22の終了部分22cの先端部22dに、受光素子(PD:Photo Detector)24及びこのPD24の電流を取り出すための電気配線25を備える。PD24の設置により、副導波路22に分岐する高次モードの光の光量をモニタリングすることができる。このモニタリングにより、例えば経年劣化や、駆動中の温度等の環境変化による動作のずれを検出することができる。
光合波器14がマッハツェンダ型光変調器40に組み込まれている場合(図4参照)等、他の実施形態においても、副導波路22の終了部分22cの先端に、PD24及び電気配線25を設けてもよい。マッハツェンダ型光変調器40と組み合わせた場合には、PD24を用いてモニタリングした結果を用いて、制御部により、光変調部45の動作条件(例えば電気制御の場合は印加電圧など)を調整してフィードバックすることができる。
PDは、基板上に配置することが好ましく、該部品を基板上に実装してもよい。半導体基板を用いた場合には、PDを半導体素子として、光導波路と同一の基板上に集積することもできる。Si/SiO導波路を有するSi基板上に集積可能なPDとしては、例えばゲルマニウム(Ge)PD等のIV族半導体PDやインジウムリン(InP)系のPD等やガリウム砒素(GaAs)等のIII−V族化合物半導体PDが挙げられる。
電気配線25は、例えば基板上に(必要であれば絶縁層を介して)、1つのPD24につき平行に2本設けたり、その他PD24に必要な本数設けることができる。
図6に示す例では、副導波路22と主導波路21とが互いになだらかに離れる構造の終了部分21c,22cを有し、副導波路の終了部分22cの先端部22dは、PD24に向かって徐々に曲率半径を増大させ、最終的には直線状の導波路となってPD24に接続されている。
モニターPDへの導波光を増大するために、副導波路の終了部分22cでの曲率半径を大きくすることで、副導波路の終了部分22cでの高次モード光の曲げ損失を低減させることができる。特に曲げ損失を完全になくすためには、主導波路21の終了部分21cの曲線部を残したまま副導波路の終了部分22cを直線とすることで可能となる。この場合は、方向性結合器の対称性がなくなり主導波路21からの高次モードの除去率は下がるものの、分離した高次モード光の曲げ損失を低下することが可能である。この場合、副導波路の開始部分22aは図示したように曲げたまま、終了部分22cを、結合部分22bの延長線上に延ばしてもよい。また、副導波路の終了部分22cのうち、結合部分22bに近い部分は主導波路21からある程度離れるまで曲げ、主導波路21からある程度離れた先はPD24まで直線とする(結合部分22bの延長線に対して傾斜させる)ことも可能である。
図5や図6に示すように、副導波路22の終了部分に、光吸収層23又はPD24を設ける場合、副導波路22の終了部分は、光吸収層23又はPD24に至るまで、略同一の幅で延ばすことが好ましい。これにより、光吸収層23又はPD24を基板上で所望の位置に配置できる上、副導波路22に分岐された高次モード光が、副導波路22から基板内に漏れることを抑制できる。
図3、図7、図8に示すように、光導波路素子が2本以上の副導波路22を有する場合、全部またはいずれか1本以上の副導波路22の終了部分の先端に、光吸収層23又はPD24を設けることができる。いずれかの副導波路22の終了部分の先端に光吸収層23を設け、さらに別の副導波路22の終了部分の先端にPD24を設ける等、任意に設計することが可能である。
図7(a)に、光導波路素子の第6実施形態を示す。この光導波路素子は、光合波器14の後段において、副導波路22が主導波路21の長手方向の異なる位置に2本以上あり、各々の副導波路22の幅は、±10%以内で主導波路21と略同一の幅を有する。副導波路22と主導波路21との間隔(図1(d)の間隔w)、及び副導波路22が主導波路21と平行に置かれた部分の長さ(図1(c)の結合部分21b,22bの長さL)が等しく、各副導波路22が主導波路21に沿った部分に、同等の波長特性を有するモードスプリッタ20が構成される。これにより、副導波路22に分離すべき光(例えば1次モード光)の除去率を高めることができる。
図7(b)に、光導波路素子の第7実施形態を示す。この光導波路素子は、光合波器14の後段において、副導波路22が主導波路21の長手方向の異なる位置に2本以上あり、各々の副導波路22の幅は、±10%以内で主導波路21と略同一の幅を有する。副導波路22と主導波路21との間隔や、副導波路22が主導波路21と平行に置かれた部分の長さ等が異なり、各副導波路22が主導波路21に沿った部分に、異なる波長特性を有するモードスプリッタ20,200が構成される。これにより、副導波路22に分離すべき光(例えば1次モード光)の除去される波長帯域を広げることができる。例えば、図7(b)の例では、モードスプリッタ200はモードスプリッタ20と比べて、副導波路22と主導波路21との間隔を広くしているが、特にこれに限定されない。
図7(a)や図7(b)に示す例は、2×1の光合波器14の後段において、副導波路22が主導波路21の長手方向の異なる位置に2本以上設けられた構成であるが、N×1の光合波器の後段にモードスプリッタ20を設ける場合(図3や後述する図9(a)、図9(b)参照)や、マッハツェンダ型光変調器40の光合波器46の後段にモードスプリッタ20を設ける場合(図4参照)等、他の実施形態でも同様に、副導波路22を主導波路21の長手方向の異なる位置に2本以上設けることができる。その場合も、各々の副導波路22の幅は、±10%以内で主導波路21と略同一の幅を有することが好ましい。同等の波長特性を有する複数のモードスプリッタ20を構成した場合、副導波路22に分離すべき光(例えば1次モード光)の除去率を高めることができる。異なる波長特性を有する複数のモードスプリッタ20,200を構成した場合。これにより、副導波路22に除去される波長帯域を広げることができる。
図8に、光導波路素子の第8実施形態を示す。この光導波路素子は、光合波器14の前段のそれぞれの光導波路11,12にもモードスプリッタ20を有するほかは、図1(a)の光導波路素子10と同様に構成されている。この場合、光合波器14の前段及び後段の各光導波路11,12,13を主導波路21として、各光導波路11,12,13にモードスプリッタ20を有する。
本発明のモードスプリッタ20は、図1(a)に示すように光合波器14の後段の光導波路13に設ける場合に限られるものではなく、光合波器14の前段の各光導波路11,12のみに設けることもできる。また、光合波器14の前段の各光導波路11,12の両方に設ける場合に限られるものではなく、光合波器14の前段の各光導波路11,12の一方のみに設けることもできる。
図9(a)に、光導波路素子の第9実施形態を示す。この光導波路素子は、光合波器として、Y型合波器15を有するほかは、図1(a)の光導波路素子10と同様に構成されている。図2〜図8に示す光導波路素子等、他の実施形態においても、MMI型合波器14の代わりにY型合波器15を用いることができることは言うまでもない。図4に示すマッハツェンダ型光変調器40の光分波器42及び光合波器46としても、Y型の分波器及び合波器を用いることができる。
図9(b)に、光導波路素子の第10実施形態を示す。この光導波路素子は、光合波器として、3×1のMMI型合波器16を有するほかは、図1(a)の光導波路素子10と同様に構成されている。図2、図3、図5〜図8に示す光導波路素子等、他の実施形態においても、2×1のMMI型合波器14の代わりに、3×1のMMI型合波器16を用いることができることは言うまでもない。
図9(c)に、光導波路素子の第11実施形態を示す。この光導波路素子は、光合波器として、N×1のMMI型合波器17(ここで、N≧4)を有するほかは、図1(a)の光導波路素子10と同様に構成されている。図2、図3、図5〜図8に示す光導波路素子等、他の実施形態においても、2×1のMMI型合波器14の代わりに、N×1のMMI型合波器17を用いることができることは言うまでもない。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
光導波路及び光合波器は、クラッド領域をSiO、コア領域をSiとして構成した。導波路コア領域の厚さ(図1(d)のt参照)は220nmとし、導波路コア領域の幅(図1(d)のw及びw参照)は500nmとした。コアの上下には光がそれぞれ基板及び空気に触れないようにクラッドを設けた。クラッドの厚さ(図1(d)のt及びt参照)は上下のそれぞれに2μmとした。クラッドは、コアの側方及び導波路間にも形成した。
上記光導波路を1本単独に配置したときの、基本モード及び1次モードの電磁界分布をシミュレーションにより解析した。電磁界分布の解析結果を図10に示す。(a)の基本モードはコアの中央を伝播するのに対し、(b)の高次モードは基本モードに比べて導波路の外側を伝播することが分かった。
光合波器にはMMI合波器を用いた。その幅(図1(b)のWMMI参照)は1.5μmで、長さ(図1(b)のLMMI参照)は1.7〜1.9μmとした。MMI合波器の入射側には2本の導波路を結合し、入射側に対向する出射側には、1本の導波路を結合した。
光合波器の後段(出射側)の導波路を主導波路とし、これと平行に、かつ間隔を空けて副導波路を置いた。副導波路への最大移行パワーをできる限り100%に近づけるため、副導波路の導波路幅は主導波路と同じ幅とした。主導波路と副導波路との間隔(導波路間隔)は、近すぎると主導波路から副導波路への基本モードの結合が強くなってしまい、基本モード光の損失が増大する。逆に副導波路を主導波路から離しすぎると、主導波路から副導波路への1次モードの結合が弱くなり、非常に長い副導波路長が必要になる。
導波路間隔を求めるため、上記光導波路を2本配置した方向性結合器について、有限要素法によるモード解析の結果から結合係数を算出し、さらに、その結合係数から結合長を計算した。導波路間隔(図11〜15で同じ。)は、0.15〜0.85μmの範囲内で0.05μmごとに設定した。
結合係数と導波路間隔との関係を求めた結果を図11に示す。導波路間隔を広げていくと、基本モードと1次モードの結合係数χは共に小さくなっていくが、基本モードの結合係数χの減少が、1次モードの結合係数χの減少に比べて急であることが分かった。
また、結合長と導波路間隔との関係を求めた結果を図12に示す。導波路間隔を0.5μmとすると、基本モードの結合長は504μmであるが、1次モードの結合長は16μmであった。導波路間隔によって、基本モード及び1次モードの結合効率及び結合長が決まるので、副導波路が主導波路に沿って平行となる部分の長さ(副導波路長)を1次モードの結合長と等しくした。主導波路と副導波路とが対称的であると仮定すると、副導波路長を1次モードの結合長と等しくすれば、1次モード光を100%副導波路に移行させることができる。また、このとき基本モード光が副導波路に移行する割合は、sin(π/2×16/504)=0.0025、すなわち0.25%の移行にとどまる。すなわち、基本モード光の損失は0.01dBであり、1次モードを完全に分離することができる。
さらに上述の副導波路長(bypass length)について検討するため、有限差分時間領域(Finite-Difference Time Domain:FDTD)法による電磁界シミュレーションを行った。光の波長は、光通信で一般的に用いられる1.55μmとした。主導波路は直線状とし、副導波路には曲げ部を設けた。図13〜15において、各データ系列(マーカー付き折れ線)と導波路間隔(0.15〜0.85μm)との対応はグラフ右側の枠中に示す。
MMI型合波器につながった2つの導波路に同位相状態で光を注入して基本モード光がモードスプリッタに注入される場合を想定し、複数の導波路間隔における基本モード光の強度と副導波路長との関係を求めた。その結果を図13に示す。この結果から、導波路間隔が0.4μm以下では基本モードが副導波路へ強く結合してしまい、大きな導波路損失を生じていることが分かった。
逆に、MMI型合波器につながった2つの導波路に逆位相状態で光を注入して1次モード光がモードスプリッタに注入される場合を想定し、複数の導波路間隔における1次モード光の強度と副導波路長との関係を求めた。その結果を図14に示す。導波路間隔が狭いと、結合係数が大きく、短い副導波路長で光の最大移行点を迎え、その後、副導波路から主導波路へ光が戻ってきていることが分かる。図14から把握される1次モードの結合長は、有限要素法で計算した図12に示す結合長とほぼ一致する。
副導波路長が短い場合に最大パワー移行効率が小さいのは、副導波路の開始点と終点での非対称性が影響しているためと考えられる。導波路間隔が広いと、結合が小さくなり、副導波路長を長くしないと副導波路への移行が見られない。
基本モード光の損失をできるかぎり少なくし、同時に1次モード光を副導波路で除去する最適化検討を行うため、複数の導波路間隔における消光比と副導波路長との関係を求めた。その結果を図15に示す。主導波路の消光比の大体の傾向は、OFF時の残存光の低下具合によって決まり、導波路間隔を広げた上で副導波路長を長くするのが有利であることが分かる。上述したように、導波路間隔が0.4μm以下では基本モード光の損失が大きいので、導波路間隔は0.4μmより大きいことが好ましいと考えられる。
そこで、実施例1では、導波路間隔(図1(d)のw参照)を0.5μm(500nm)、副導波路長を16μmとした。このとき、消光比は、21.93dBであり、副導波路を沿わせない場合の消光比9.37dBと比べると、約12.5dBの改善が見込まれる。
実施例1の光合波器では、後段のモードスプリッタとして方向性結合器を用いているため、波長変化による特性の変化を検証した。上述の条件下(導波路間隔0.5μm、副導波路長16μm)で入射波長を変化させて消光比(ER)の波長依存性を計算した。その結果(波長1.53〜1.61μm)を図16に示す。長波長側では消光比の低下が見られるが、副導波路を形成しない場合(図16の“woBP”)に比べると4dB以上消光比が改善しており、C−band及びL−bandの全域で消光比の向上効果があることが分かった。
さらに、実施例1で副導波路を沿えたことによる基本モード光の損失(Loss)を計算した。その結果(波長1.53〜1.61μm)を図17に示す。基本モード光の損失は、C−band及びL−bandの全域で0.016dB以下であり、実用上問題にならないと考えられる。
副導波路に移行した1次モード光が再度主導波路に戻らないように、副導波路の最後に、主導波路からなだらかに離れる曲げ部を設けた。曲げ部の曲率半径が小さいと1次モード光が副導波路から漏れてしまい、クラッドを経て主導波路と再結合する可能性がある。そこで、1次モード光の漏れが少なくなるように、曲げ部の曲率半径を30μmとした。
<実施例2>
実施例2においても、実施例1と同様の光導波路構造を採用した。具体的には、クラッドの材料がSiO、コアの材料がSi、コアの厚さが220nm、コアの幅(導波路幅)が500nm、クラッドの厚さがコアの上下のそれぞれに2μmである。
モードスプリッタの平面形状について、FDTD法(上述)による電磁界シミュレーションによって検討した。まず、モードスプリッタに1次モード光を注入した場合の光の伝播の様子を図18に示す。図18(a)は、主導波路(図中の左側)が直線状で、副導波路(図中の右側)がその終点側に副導波路が主導波路からなだらかに離れる構造をもつモードスプリッタを示す。図18(b)は、主導波路及び副導波路がそれぞれの終点側に、相手側からなだらかに離れる構造をもつモードスプリッタを示す。図18(c)は、主導波路及び副導波路が、それぞれの開始側に、相手側になだらかに接近する構造をもち、それぞれの終点側に、相手側からなだらかに離れる構造をもつモードスプリッタを示す。
いずれも1次モード光が副導波路に移行するが、詳しくは後述するように、図18(a)で主導波路に残る1次モード光が若干ながら認められる。図18(b)では主導波路に残る1次モード光は僅かであり、図18(c)では主導波路に残る1次モード光は全く見えない。
図19に、図18(c)の構造で、主導波路と副導波路が平行に沿う直線部の長さに対して、分岐比がどのように変化するかを検討した結果を示す。ここでの分岐比とは、副導波路に移行する1次モード光のパワーと主導波路に残留する1次モード光のパワーとの比をデシベル(dB)表示にしたものをいう。
方向性結合器となる直線部の前後に設けられる曲げ部の曲率半径は、40μm、60μm、100μmの3種類とした。それぞれ、図19のグラフ中では、「R=40」、「R=60」、「R=100」と表示する。
その結果、曲げ部の曲率半径を大きくしたほうが、直線部の長さを最適化したときの分岐比(各折れ線における分岐比の最大値)が良くなる傾向が示された。なお、ここでは、具体的な結果を示していないが、本発明者らの検討によれば、図18(a)や図18(b)の構造でも、同様に、曲げ部の曲率半径を大きくしたほうが、直線部の長さを最適化したときの分岐比が良くなる傾向が認められた。
図20に、図18の(a)、(b)、(c)の3種類の構造について、最適化された分岐比と曲線部の曲率半径との関係を検討した結果を示す。曲線部の曲率半径としては、20μm、40μm、60μm、100μmの中から3〜4種類を選択した。(a)に比べて(b)とすることにより、さらに(c)とすることにより、分岐比がより良くなる結果が示された。
ここでの「最適化された分岐比」とは、各構造ごとに、直線部の長さを最適化したときの分岐比をいう。したがって、図20の(c)に挙げる分岐比は、図19から示される「最適化された分岐比」と同一の値である。
図18〜図20に示す、以上の検討に基づき、図18(c)において、直線部の長さは2μm、曲げ部の曲率半径は100μmとしたモードスプリッタにおける基本モード光の伝播の様子を検討した。その結果を図21に示す。この結果では、副導波路に移行する基本モード光は全く見えず、基本モード光は全て主導波路を伝播した。具体的には、分岐比(損失)として−30.5dBであり、非常に低損失であった。
<実施例3>
クラッド領域をSiO、コア領域をSiとして導波路及び光合波器を構成した。コアの厚さは220nmとし、コアの幅(導波路幅)は500nmとした。コアの上下には光がそれぞれ基板及び空気に触れないようにクラッドを設けた。クラッドの厚さは上下のそれぞれに2μmとした。クラッドは、コアの側方及び導波路間にも形成した。
光合波器にはMMI型合波器を用いた。その幅WMMIは1.5μmで、長さLMMIは1.8μmとした。光合波器の片側に2本の光導波路が結合する箇所では、並行する導波路の間隔を0.3μmとした。
光合波器の後段(出射側)の導波路を主導波路とし、これと平行に、かつ間隔を空けて副導波路を置いた(図1(a)参照)。副導波路への最大移行パワーをできる限り100%に近づけるため、副導波路の導波路幅は主導波路と同じ幅とした。実施例1,2の検討に基づき、副導波路と主導波路との間隔は0.5μm(500nm)とした。
主導波路と副導波路が接近及び離れる際に、急激な変化があると導波光の揺動を起こし、損失低下をもたらすため、接近及び離れはなだらかであることが好ましい。しかし、接近部及び離れ部でも高次モードの結合は弱いながらも行われるため、なだらかにしすぎるのも適切ではない。そこで、実施例2の検討に基づき、図18(c)や図21に示すように、主導波路と副導波路のそれぞれに、接近部及び離れ部の曲率半径を100μmとし、直線部の長さを2μmとした。これにより、高次モードが効率よく主導波路から副導波路に移行し、しかも基本モードの移行をほとんどなくすことができる。
<実施例4>
クラッド領域をSiO、コア領域をSiとして導波路及び光合波器を構成した。コアの厚さは220nmとし、コアの幅(導波路幅)は600nmとした。コアの上下には光がそれぞれ基板及び空気に触れないようにクラッドを設けた。クラッドの厚さは上下のそれぞれに2μmとした。クラッドは、コアの側方及び導波路間にも形成した。
光合波器にはMMI型合波器を用いた。その幅WMMIは1.7μmで、長さLMMIは2.4μmとした。光合波器の片側に2本の光導波路が結合する箇所では、並行する導波路の間隔を0.3μmとした。
光合波器の後段(出射側)の導波路を主導波路とし、これと平行に、かつ間隔を空けて副導波路を置いた(図1(a)参照)。
実施例1〜3と同様に、600nmの導波路幅でも最適な導波路間隔を検討した結果、副導波路と主導波路との間隔は0.5μm(500nm)とした。また、図18(c)や図21に示すように、主導波路と副導波路のそれぞれに、接近部及び離れ部の曲率半径を100μmとしたとき、最適な直線部の長さをシミュレーションにより9μmと求めた。これにより、高次モードが効率よく主導波路から副導波路に移行し、しかも基本モードの移行をほとんどなくすことができる。
1…基板、2…コア、3…クラッド、10…光導波路素子、11,12…入射側導波路、13…出射側導波路、14,15,16,17,46…光合波器、20,20A,30,30A,200…モードスプリッタ、21,31…主導波路、22,22A,32,32A…副導波路、23…光吸収層、24…受光素子(PD)、25…電気配線、40…マッハツェンダ型光変調器、42…光分波器、45…光変調部。

Claims (19)

  1. 基板上にコア及びクラッドを有する光導波路を備える光導波路素子であって、
    前記光導波路素子は、
    複数の入力光を1つの出力光に合波する光合波器と、
    前記光合波器出力側である後段設けられたモードスプリッタと
    を備え、
    前記コアの屈折率ncoreと前記クラッドの屈折率ncladとの比であるncore/ncladが101〜250%の範囲内であり、
    前記モードスプリッタは、
    少なくとも2種類以上の伝播次数の異なる伝播モードが導波可能な主導波路と、
    前記主導波路から一定の距離を空けて前記主導波路と平行に置かれた方向性結合器を構成する部分をもち、前記少なくとも2種類以上の伝播次数の異なる伝播モードのうち少なくとも1種類以上の伝播次数の異なる伝播モードを前記主導波路から分離させる副導波路と
    を備え
    前記光合波器は、2つの入力光を1つの出力光に合波するものであり、
    2つの入力光が同位相の場合、合波された光は後段の光導波路を基本モードで伝播し、光信号がon状態になり、
    2つの入力光が逆位相の場合、合波された光は後段の光導波路を特定の高次モードである1次モードで伝播し、光信号がoff状態になり、
    前記光合波器の出力側から前記モードスプリッタの前記主導波路に接続される導波路は、光をマルチモードで導波するマルチモード導波路であり、
    前記モードスプリッタにおいて、前記1次モードを前記主導波路から前記副導波路に分離させ、前記副導波路に分岐する1次モードの光の光量をモニタリングすることができることを特徴とする光導波路素子。
  2. 基板上にコア及びクラッドを有する光導波路を備える光導波路素子であって、
    前記光導波路素子は、
    複数の入力光を1つの出力光に合波する光合波器と、
    前記光合波器の入力側である前段設けられたモードスプリッタと
    を備え、
    前記コアの屈折率ncoreと前記クラッドの屈折率ncladとの比であるncore/ncladが101〜250%の範囲内であり、
    前記モードスプリッタは、
    少なくとも2種類以上の伝播次数の異なる伝播モードが導波可能な主導波路と、
    前記主導波路から一定の距離を空けて前記主導波路と平行に置かれた方向性結合器を構成する部分をもち、前記少なくとも2種類以上の伝播次数の異なる伝播モードのうち少なくとも1種類以上の伝播次数の異なる伝播モードを前記主導波路から分離させる副導波路と
    を備え
    前記光合波器は、2つの入力光を1つの出力光に合波するものであり、
    前記モードスプリッタは、前記光合波器の前段の2つの光導波路の一方のみ又は両方に設けられ、
    前記モードスプリッタの前記主導波路から前記光合波器の入力側に接続される導波路は、光をマルチモードで導波するマルチモード導波路であり、
    前記モードスプリッタは、高次モードを前記主導波路から前記副導波路に分離させることを特徴とする光導波路素子。
  3. 前記モードスプリッタが、前記光合波器の出力側である後段に設けられた請求項に記載の光導波路素子。
  4. 前記光合波器と、前記光合波器の後段に設けられたモードスプリッタとの組が、カスケード型に連続して設けられた請求項1又は3に記載の光導波路素子。
  5. 前記光合波器に接続される2つの入力側導波路及び1つの出力側導波路は、光をマルチモードで導波するマルチモード導波路であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  6. 前記主導波路と前記副導波路が、±10%以内で略同一の幅を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  7. 前記主導波路と前記副導波路が、±10%以内で略同一の厚さを有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  8. 前記方向性結合器を構成する部分の開始部分で、前記副導波路が前記主導波路になだらかに接近する構造をもつ請求項1〜のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  9. 前記方向性結合器を構成する部分の終了部分で、前記副導波路が前記主導波路からなだらかに離れる構造をもつ請求項1〜のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  10. 前記光導波路素子は、前記光合波器が組み込まれたマッハツェンダ型光変調器を備え、
    前記マッハツェンダ型光変調器において、前記モードスプリッタが、前記光合波器の出力側である後段、又は前記マッハツェンダ型光変調器の光分波器と光合波器との間である内部から選択される1箇所以上に設けられる請求項1〜9のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  11. 記光合波器の入力側である前段に、光変調部と、1つの入力光を2つの出力光に分波する光分波器とを備え、
    前記光分波器の1つの出力光が前記光変調部を介して前記光合波器に入力され、前記光分波器のもう1つの出力光が前記光変調部を介さないで前記光合波器に入力される請求項1〜10のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  12. 前記副導波路が前記主導波路の長手方向の異なる位置に2本以上あり、
    各々の前記副導波路の幅は、±10%以内で前記主導波路と略同一の幅を有し、
    前記副導波路と前記主導波路との間隔、及び前記副導波路が前記主導波路と平行に置かれた部分の長さが等しい請求項1〜11のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  13. 前記副導波路が前記主導波路の長手方向の異なる位置に2本以上あり、
    各々の前記副導波路の幅は、±10%以内で前記主導波路と略同一の幅を有し、
    前記副導波路と前記主導波路との間隔、又は前記副導波路が前記主導波路と平行に置かれた部分の長さが異なる請求項1〜11のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  14. 前記光合波器がMMI型の光合波器である請求項1〜13のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  15. 前記光合波器がY型の光合波器である請求項1〜13のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  16. 前記コアの材料がSiであり、前記クラッドの材料がSiOである請求項1〜15のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  17. 前記高次モードの光が前記主導波路に再結合することを防ぐため、前記副導波路の終了部分の先端に、不純物を高濃度でドープした光吸収層を備える請求項1〜16のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  18. 前記高次モードの光の光量をモニタリングするため、前記副導波路の終了部分の先端に、受光素子及びこの受光素子の電流を取り出すための電気配線を備える請求項1〜16のいずれか1項に記載の光導波路素子。
  19. 前記主導波路が曲げ部を有し、前記副導波路が直線状である請求項1〜18のいずれか1項に記載の光導波路素子。
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