通常のピアノを弾いた場合、押鍵に続く離鍵(鍵盤から指を離す)操作時に、以下の3つの要素からなる音が、その離鍵音に含まれている。
1.ダンパー、アクション音、これらは鍵盤アクションが動作することによるメカニックな音である。
2.弦のミュート音、これはダンパーが弦を消音する時に発生するミュート音である。
3.打鍵(押鍵)によるピアノ本体の共鳴音、打鍵直後に離鍵した場合によく聞こえる共鳴音である。なお、この共鳴音は、離鍵しなかった場合には、基本楽音の波形に含まれている。
リアルな楽音の再生を目指そうとする電子鍵盤楽器では、これらの要素を含んだ波形を波形記憶装置に記憶しておき、離鍵時に、ある一定の強さ、或いは押鍵時のタッチ強さ、さらには離鍵時のタッチ強さのいずれかで発音していた。
図15(a)は、押鍵後ある一定時間経過した後離鍵した場合のエンベロープ波形を、同図(b)は、押鍵後その直後に離鍵した場合のエンベロープ波形を、夫々示している。両方とも、離鍵(キーオフ)時に、押鍵時の波形エンベロープが出力されるチャンネル(トラック)とは別のチャンネル(トラック)で、夫々離鍵用のエンベロープ波形が出力されている。いずれも同じ離鍵音Bが出力されている。該離鍵音Bは、上記1.のダンパー、アクション音であるメカニカルな音を模擬したものである。
しかし、押鍵後その直後に離鍵した場合の離鍵エンベロープ波形が、図15(a)に示す押鍵後ある一定時間経過した後離鍵した場合の離鍵エンベロープ波形と同じであると、鳴っている音に違和感を覚え、不自然さを感じてしまう。
本発明は、以上のような問題に鑑み創案されたもので、押鍵後ある一定時間経過した後離鍵した場合、或いは押鍵後その直後に離鍵した場合でも、自然な離鍵音が聞こえる電子鍵盤楽器を提供せんとするものである。
以下の構成は、本発明の創案の下地になった構成である。すなわち、
押鍵時ベロシティデータと、離鍵時ベロシティデータ及び音高データを少なくとも出力する鍵盤データ出力手段と、
共通する基本楽音データと、該基本楽音データとは別に鍵盤アクション音を含む第1の離鍵楽音データと、同じく上記基本楽音データとは別に押鍵直後に離鍵した場合の本来鳴るはずの共鳴音を含む第2の離鍵楽音データとを夫々記憶する楽音データ記憶手段と、
押鍵から離鍵までの時間を計測する計測手段と、
任意の時間閾値を記憶する閾値記憶手段と、
離鍵時に上記計測時間と上記閾値とを比較し、その比較結果を出力する比較手段と、
押鍵と共に上記音高データ及び押鍵時ベロシティデータに従って上記楽音データ記憶手段から基本楽音データを読み出して出力すると共に、上記比較結果において、計測時間が閾値以下の場合は、上記楽音データ記憶手段から第2の離鍵楽音データを読み出して、離鍵と共に、基本楽音データを減衰させつつ、ベロシティを押鍵時ベロシティデータにセットした第2の離鍵楽音データを出力し、他方計測時間が閾値より長い場合は、上記楽音データ記憶手段から第1の離鍵楽音データを読み出して、離鍵と共に、基本楽音データを減衰させつつ、ベロシティを離鍵時ベロシティデータにセットした第1の離鍵楽音データを出力する制御手段と、
上記制御手段から出力される楽音データに従って、楽音を出力する出力手段と
を有する構成である。
押鍵直後に離鍵した場合に、その離鍵音に含まれる共鳴音は、押鍵後ある一定時間経過後に離鍵した時に発生する離鍵音には、発生しない。これは、打鍵(押鍵)時に弦が鳴って、ピアノの筐体が共鳴することで発生する共鳴音は、打鍵直後には鳴るが、早いうちに減衰し、押鍵後ある一定時間経過後に離鍵した時には、その離鍵音には含まれなくなってしまうからである。
他方、押鍵後ある一定時間経過後に離鍵した場合に、その離鍵音に含まれるダンパー、アクション音は、押鍵からある程度時間が経過して音が小さくなってから離鍵した場合に聞こえるが、押鍵直後に離鍵した場合はあまり聞き取ることが出来ない。これは、押鍵直後に離鍵した場合に鳴っている上記共鳴音の方の音量が大きく、そのアクション音などは、その共鳴音が鳴り響いている中で聞き取れなくなっているからである。
上記構成において、制御手段は、まず、押鍵と共に上記音高データ及び押鍵時ベロシティデータに従って、上記楽音データ記憶手段から基本楽音データを読み出して出力する。
そして、上記比較手段における比較結果において、計測時間が閾値記憶手段に記憶されている閾値以下の場合には、上記楽音データ記憶手段から第2の離鍵楽音データを読み出し、離鍵と共に、基本楽音データを減衰させつつ、ベロシティを押鍵時ベロシティデータにセットした第2の離鍵楽音データを出力する[後述する図4(b)の離鍵音Aを参照]。共鳴音の大きい離鍵音Aは、打鍵(押鍵)時になる弦の音に共鳴して鳴る音を模擬しているので、第2の離鍵楽音データのベロシティは、押鍵時のベロシティデータをセットすることにした。
他方、上記比較手段における比較結果において、計測時間が閾値記憶手段に記憶されている閾値より長い場合は、上記楽音データ記憶手段から第1の離鍵楽音データを読み出し、離鍵と共に、基本楽音データを減衰させつつ、ベロシティを離鍵時ベロシティデータにセットした第1の離鍵楽音データを出力する[後述する図4(a)の離鍵音Bを参照]。ダンパー、アクション音が基本的に鳴る離鍵音Bは、押鍵からある程度時間が経過して音が小さくなってから離鍵した場合に聞こえるメカニカルな音を模擬しているので、第1の離鍵楽音データのベロシティは、共鳴音の減衰とは関係なく離鍵時に発生するので、離鍵時のベロシティデータをセットすることにした。
このように制御されて出力される楽音データは、上記出力手段により、楽音として外部に出力することになる。
従って、上記閾値の設定値をどのような値に設定するかがキーとなり、押鍵から離鍵までの計測時間が閾値以下の場合は、共鳴音の大きい離鍵音Aの楽音データが選択されて、離鍵音として鳴ることになり、反対に押鍵から離鍵までの計測時間が閾値より長い場合は、共鳴音がほとんどなく、ダンパー、アクション音が基本的に鳴る離鍵音Bの楽音データが選択されて、離鍵音として鳴ることになる。その設定の仕方によって、鳴っている音に違和感が無く、自然な離鍵音が聞こえるようになる。
しかし、上記構成では、本来離鍵音Aについて、離鍵のタイミングによって、押鍵(打鍵)時により近ければ近いほど、ピアノ本体の共鳴は大きく残っており、それをシミュレートするため、離鍵音エンベロープの立ち上がりに当たる離鍵音Aのアタック部分が大きく立ち上がって、より大きな共鳴音となって次第に減衰していかねばならないし、逆に離鍵のタイミングが、押鍵から経過して閾値の時間により近づけば、離鍵音Aの上記アタック部分は、経過した分だけ減衰して立ち上がる、共鳴音となり、さらに減衰していくようにならなければ、アコースティックピアノにより近い自然な離鍵音の聞こえるものとはならない。
そのため、本発明に係る電子鍵盤楽器は、
押鍵時ベロシティデータと、離鍵時ベロシティデータ及び音高データを少なくとも出力する鍵盤データ出力手段と、
共通する基本楽音データと、該基本楽音データとは別に鍵盤アクション音を含む第1の離鍵楽音データと、同じく上記基本楽音データとは別に押鍵直後に離鍵した場合の本来鳴るはずの共鳴音を含む第2の離鍵楽音データとを夫々記憶する楽音データ記憶手段と、
押鍵から離鍵までの時間を計測する計測手段と、
任意の時間閾値を記憶する閾値記憶手段と、
第2の離鍵楽音データに対し、時間経過と共にそのアタックレベルが次第に減衰するその減衰率を記憶する減衰率記憶手段と、
離鍵時に上記計測時間と上記閾値とを比較し、その比較結果を出力する比較手段と、
押鍵と共に上記音高データ及び押鍵時ベロシティデータに従って上記楽音データ記憶手段から基本楽音データを読み出して出力すると共に、上記比較結果において、計測時間が閾値以下の場合は、上記楽音データ記憶手段から第2の離鍵楽音データを、且つ上記減衰率記憶手段より計測時間から閾値までの残り時間に従って割り出される減衰率を、共に読み出して、離鍵と共に、基本楽音データを減衰させつつ、アタックレベルにつき読み出された減衰率を用いながら演算してセットし且つベロシティを押鍵時ベロシティデータにセットしたところの第2の離鍵楽音データを出力し、他方計測時間が閾値より長い場合は、上記楽音データ記憶手段から第1の離鍵楽音データを読み出して、離鍵と共に、基本楽音データを減衰させつつ、ベロシティを離鍵時ベロシティデータにセットした第1の離鍵楽音データを出力する制御手段と、
上記制御手段から出力される楽音データに従って、楽音を出力する出力手段と
を有することを特徴としている。
上記本発明の構成は、下地となった構成と似ている構成を有しているが、離鍵音Aについて、離鍵のタイミングによって、押鍵(打鍵)時により近ければ近いほど、離鍵音エンベロープの立ち上がりに当たる離鍵音Aのアタック部分が急激に立ち上がって、より大きな共鳴音となって次第に減衰していくのに対し、逆に離鍵のタイミングが、押鍵から経過して閾値の時間により近づけば、離鍵音Aの上記アタック部分は、経過した分だけ減衰して立ち上がる、共鳴音となり、さらに減衰していくことになるのを、模擬した点に特徴のある構成である。
従って、上記構成にあっては、下地となった構成と同様、制御手段は、まず、押鍵と共に上記音高データ及び押鍵時ベロシティデータに従って、上記楽音データ記憶手段から基本楽音データを読み出して出力する。
そして、上記比較手段における比較結果において、計測時間が閾値記憶手段に記憶されている閾値以下の場合には、上記楽音データ記憶手段から第2の離鍵楽音データを、且つ上記減衰率記憶手段より計測時間から閾値までの残り時間に従って割り出される減衰率(後述する図13参照)を、共に読み出して、離鍵と共に、基本楽音データを減衰させつつ、アタックレベルにつき読み出された減衰率を用いながら演算してセットし且つベロシティを押鍵時ベロシティデータにセットしたところの第2の離鍵楽音データを出力する(後述する図14参照)。共鳴音の大きい離鍵音Aでも、打鍵(押鍵)から離鍵までの時間が離れてくると、模擬しようとしている共鳴音のアタックレベルも小さくなるので、第2の離鍵楽音データのアタックレベルにつき読み出された減衰率を用いながら演算してセットすることにした。もちろん、共鳴音の大きい離鍵音Aは、打鍵(押鍵)時になる弦の音に共鳴して鳴る音を模擬しているので、第2の離鍵楽音データのベロシティは、押鍵時のベロシティデータをセットすることに変わりはない。
他方、上記比較手段における比較結果において、計測時間が閾値記憶手段に記憶されている閾値より長い場合は、下地となった構成の場合と同様である。
このように制御されて出力される楽音データは、上記出力手段により、楽音として外部に出力することになる。
この場合も、上記閾値の設定値をどのような値に設定するかがキーとなり、押鍵から離鍵までの計測時間が閾値以下の場合は、共鳴音の大きい離鍵音Aの楽音データが選択されて、離鍵音として鳴ることになり、反対に押鍵から離鍵までの計測時間が閾値より長い場合は、共鳴音がほとんどなく、ダンパー、アクション音が基本的に鳴る離鍵音Bの楽音データが選択されて、離鍵音として鳴ることになる。その設定の仕方によって、鳴っている音に違和感が無く、自然な離鍵音が聞こえるようになる。また、離鍵音Aの楽音データが選択される場合も、上述のように、離鍵のタイミングが、押鍵(打鍵)時により近ければ近いほど、離鍵音エンベロープのアタック部分が急激に立ち上がって、より大きな共鳴音となって次第に減衰していくのに対し、逆に離鍵のタイミングが、押鍵から経過して閾値の時間により近づけば、離鍵音の上記アタック部分は、経過した分だけ減衰して立ち上がる、共鳴音となり、さらに減衰していくことになるのを模擬しているので、より自然な離鍵音が聞こえるようになる。
尚、上述のように、閾値の設定値をどのような値に設定するかがキーとなり、押鍵から離鍵までの計測時間が閾値以下の場合は、共鳴音の大きい離鍵音Aの楽音データが選択されて、離鍵音として鳴ることになり、反対に押鍵から離鍵までの計測時間が閾値より長い場合は、共鳴音がほとんどなく、ダンパー、アクション音が基本的に鳴る離鍵音Bの楽音データが選択されて、離鍵音として鳴ることになる。その設定の仕方によって、鳴っている音に違和感が無く、自然な離鍵音が聞こえるようになる。そのため、上記閾値記憶手段に記憶される閾値は、外部から設定できるようにすると、演奏者や聴衆者に聞こえる楽音は、より好ましい自然なものになることは言うまでもない。
以上のような本発明の構成によれば、計測時間が閾値以下の、共鳴音を多く含む離鍵音の楽音データが選択される場合も、離鍵のタイミングが、押鍵(打鍵)時により近ければ近いほど、離鍵音エンベロープのアタック部分が急激に立ち上がって、より大きな共鳴音となって次第に減衰していくのに対し、逆に離鍵のタイミングが、押鍵から経過して閾値の時間により近づけば、上記アタック部分は、経過した分だけ減衰して立ち上がる、共鳴音となり、さらに減衰していくのを模擬しているので、より自然な離鍵音が聞こえるようになるという優れた効果を奏し得る。このような効果が得られる結果、使用するオシレータの数も削減することが可能となる。
(参考例)
図1は、本発明の下地となる電子ピアノのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。同図において、CPU102は、システムバス100を介して図1中に示した各部の構成を制御する。さらに後述する本発明構成の各機能実現手段(部)としても用いられる。
ROM104は、CPU102において用いられるプログラムを記憶するプログラムメモリ(図示無し)やデフォルトで後述する所定の閾値が記憶されている。
RAM106は、CPU102による制御において発生する各種パラメータやデータ等を一時的に記憶する。後述するように、デフォルトで、上記ROM104には、閾値が記憶されているが、それは、一旦RAM106に読み出されて、該RAM106で閾値記憶部4が構成され(以後閾値の参照はこの閾値記憶部4からなされる)、後述する閾値設定部4aにより、そこに記憶された閾値は、変更が可能となっている。
電子ピアノには、操作パネル108、鍵盤110などが設けられている。操作パネル108は、発生すべき楽音の音色を選択する音色スイッチや各種状態設定のためのスイッチ等が設けられ、さらに後述する閾値設定部4aが設けられていて、この操作パネル108から設定された情報は、パネルスキャン回路108aのスキャンによってその設定値が検出され、CPU102に供給される。
鍵盤110は、88鍵のキーボードからなり、各鍵には夫々タッチセンサからなる鍵盤センサ(図示無し)が設けられている。該鍵盤センサは、演奏者の鍵盤110に対する演奏操作を検出して、押鍵された鍵の音高を示すキーコード(音高データ)や、押鍵・離鍵に対応して楽音の発生・消音タイミングを指示するキーオン(押鍵)・キーオフ(離鍵)、鍵操作速度に対応するベロシティ(押鍵・離鍵を夫々含む)などのデータを含む鍵盤データを出力する。それらのデータをキーボードスキャン回路110aで検出して、それらのデータは、システムバス100を介してCPU102に供給される。
CPU102は、上記システムバス100でつながっている上記各回路を電子ピアノとして全体を制御すると共に、ROM104から読み出されたプログラムを実行することで、後述する本発明の各部を構成する主要構成部となる。また該CPU102が有するレジスタには、押鍵ベロシティをセットするレジスタ、離鍵ベロシティをセットするレジスタ、さらにタイマレジスタなどが装備されている。
楽音出力回路112は、同時に複数の発音を行なうため時分割制御されるチャンネルを備えたトーンジェネレータであって、後述する制御部6及び出力部7に相当し、複数のチャンネルすべての出力信号を累算して出力する。楽音出力回路112では、押鍵操作により、いずれかのチャンネルが割り当てられ、そのチャンネルにおいて押鍵操作に対応する楽音が生成される。また離鍵時に上記チャンネルとは別の離鍵音のための新たなチャンネルが確保され、そのチャンネルにおいて離鍵操作に対応する楽音が生成される。後述するように、押鍵された1つの音高に対して1つのチャンネルが割り当てられ、押鍵と共に後述する基本楽音データに基づいてその音高の楽音が1つチャンネルから出力され始め、離鍵によって、新たなチャンネルが割り当てられて、後述する離鍵音がそのチャンネルから出力される(後述するように、その時、閾値によって離鍵音AかBの選択がされ、どちらか一方の音だけを生成・出力するので、使用チャンネルの節約になる)。これらの出力楽音信号は、デジタルフィルタ(図示無し)を通し、DA変換器(図示無し)でアナログ信号に変換された後、サウンドシステム114に入力される。サウンドシステム114は、アンプやスピーカ等から構成されており、DA変換器の出力信号を電子ピアノの出力として外部に発音させる。
波形メモリ112aには、少なくとも音色データを含む各種楽音波形データを記憶する記憶素子であって、該楽音波形データ中に、後述する基本楽音データ2a、第1の離鍵楽音データ2b及び第2の離鍵楽音データ2cを記憶する楽音データ記憶部2を有している。上記楽音出力回路112によって、該波形メモリ112aに記憶されている、音色設定に対応する楽音波形データが読み出される。そして、読み出された楽音波形データに基づいて、楽音信号が生成される。前記楽音出力回路112は、波形メモリ112aから鍵操作及び離鍵操作に対応して、楽音波形データ、即ち後述の基本楽音データ2aと第1の離鍵楽音データ2b又は第2の離鍵楽音データ2cが読み出される。押鍵時に最初に割り当てられたチャンネルに必ず基本楽音データ2aが出力され、また離鍵時にもう一つ新たに割り当てられたチャンネルに第1の離鍵楽音データ2b又は第2の離鍵楽音データ2cが出力される。もちろん、読出アドレスの歩進はその音高データ(キーコード)に対応した速度で行なわれる。すなわち、音高データに対応する読出レートで波形データが読み出される。
図2は、上記下地となる構成例の基本構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、本実施例構成は、鍵盤データ出力部1と、楽音データ記憶部2と、計測部3と、閾値記憶部4と、比較部5と、制御部6と、出力部7とを有する構成である。
上記鍵盤データ出力部1は、上記鍵盤110及びキーボードスキャン回路110aで構成されており、押鍵時の設定音色データ、音高データ(キーコード)、ベロシティデータと、離鍵時の設定音色データ、音高データ、ベロシティデータとを、夫々出力する。
上記楽音データ記憶部2は、上記波形メモリ112aで構成されており、電子ピアノとしての音色毎に、楽音出力の基本となる波形データである、基本楽音データ2aと、後述する図3の説明で示す鍵盤アクション音を含む第1の離鍵楽音データ2b(離鍵音B)及び押鍵直後に離鍵した場合の本来鳴るはずの共鳴音を含む第2の離鍵楽音データ2c(共鳴音A)が記憶されている。両離鍵音については後述する。
上記計測部3は、CPU102に備えられた上記タイマレジスタとクロック毎に該レジスタの値をインクリメントする該CPU102内に備えられたカウンタ(図示無し)とを備えてなり、上記鍵盤データ出力部1から出力されてくる押鍵タイミング(キーオンタイミング)と離鍵タイミング(キーオフタイミング)との間の時間を計測する構成である。
上記閾値記憶部4は、上記ROM104からデフォルトで読み出された値を記憶するRAM106で構成されており、任意の時間閾値を記憶する構成である。この閾値は、後述するように、閾値設定部4aにより、演奏者が任意に変更できる構成となっている。
上記比較部5は、上記CPU102及びRAM106で構成されており、離鍵時に上記計測時間と上記閾値とを比較し、その比較結果を出力する構成である。
上記制御部6は、上記楽音出力回路112とそれに対して読み出し命令を出すCPU102とで構成されており、押鍵タイミングで、その音高データ及び押鍵時ベロシティデータに従って上記楽音データ記憶部2から基本楽音データ2aを読み出して、1のチャンネルから出力すると共に、上記比較部5の比較結果において、計測時間が閾値以下の場合(計測時間≦閾値)は、上記楽音データ記憶部2から第2の離鍵楽音データ2c(図3離鍵音A)を読み出して、離鍵タイミングと共に、上記チャンネルの基本楽音データ2aを減衰させつつ、ベロシティを押鍵時ベロシティデータにセットした第2の離鍵楽音データ2cを、新たに割り当てられたもう一方のチャンネルから出力し、他方計測時間が閾値より長い場合(計測時間>閾値)は、上記楽音データ記憶部2から第1の離鍵楽音データ2b(図3離鍵音B)を読み出して、離鍵タイミングと共に、上記チャンネルの基本楽音データ2aを減衰させつつ、ベロシティを離鍵時ベロシティデータにセットした第1の離鍵楽音データ2bを新たに割り当てられたチャンネルから出力する構成である。
上記出力部7は、上記楽音出力回路112及びサウンドシステム114で構成されており、上記制御部6の読み出し出力命令に従って、各チャンネル毎に夫々指示のあった楽音データを上記波形メモリ112aの楽音データ記憶部2から読み出して、サウンドシステム114を介して楽音信号を出力する構成である。
図3は、上述のように、離鍵タイミングにおいて、計測部3で計測された計測時間が閾値記憶部4に記憶された閾値以下か、或いはその値より大きいかにより、上記制御部6の命令により読み分けられる離鍵音の音色データを示し、また図4は、同じく離鍵タイミングにおいて、計測部3で計測された計測時間が閾値記憶部4に記憶された閾値以下か、或いはその値より大きいかにより、上記制御部6の命令により出力される基本楽音データと離鍵楽音データのエンベロープ波形を示す波形図である。
上述のように、押鍵直後に離鍵した場合に、その離鍵音に含まれる共鳴音は、押鍵後ある一定時間経過後に離鍵した時に発生する離鍵音には、発生しない。これは、打鍵(押鍵)時に弦が鳴って、ピアノの筐体が共鳴することで発生する共鳴音は、打鍵直後には鳴るが、早いうちに減衰し、押鍵後ある一定時間経過後に離鍵した時には、その離鍵音には含まれなくなってしまうからである。
他方、押鍵後ある一定時間経過後に離鍵した場合に、その離鍵音に含まれるダンパー、アクション音は、押鍵からある程度時間が経過して音が小さくなってから離鍵した場合に聞こえるが、押鍵直後に離鍵した場合はあまり聞き取ることが出来ない。これは、押鍵直後に離鍵した場合に鳴っている上記共鳴音の方の音量が大きく、そのアクション音などは、その共鳴音が鳴り響いている中で聞き取れなくなっているからである。
図3は、それに従って、打鍵(押鍵)後、上記閾値以下の短い時間で離鍵した場合に発せられる共鳴音を多く含む離鍵音Aと、打鍵(押鍵)後、上記閾値より長い時間で離鍵した場合に発せられるアクション音を多く含む離鍵音Bとの状態を示している。同図のWave Selectでは、上記離鍵音Aは共鳴音が、また上記離鍵音Bはアクション音が選択され、またAttack Levelでは、離鍵音AはLoudに、また離鍵音Bはmidに設定され、Decay Speedでは、離鍵音AはSlowに、また離鍵音BはFastに設定され、さらにGate Timeでは、離鍵音AはLongに、また離鍵音BはShortに設定されている。
また図4に示すように、押鍵タイミングでその音高データに従って、基本楽音データ2aが読み出されて、ベロシティが押鍵時ベロシティデータにセットされ、その音高に対して割り当てられたチャンネルを介して、出力部7でその楽音が放出される。
他方その離鍵タイミングについて、上記比較部5における比較結果において、計測時間が上記閾値以下の場合(計測時間≦閾値)には、図4(b)に示すように、上記楽音データ記憶部2から第2の離鍵楽音データ2cに相当する図3の離鍵音Aを読み出し、離鍵タイミングで、上記チャンネルの基本楽音データ2aを減衰させつつ、そのペアのもう一方のチャンネルにおいて、ベロシティを押鍵時ベロシティデータにセットした第2の離鍵楽音データ2cに相当する図3の離鍵音Aを出力する。上述のように、この離鍵音Aは、共鳴音が多く含まれ、その振幅は、押鍵時のベロシティデータに合わせてセットされる(共鳴音の大きい離鍵音Aは、押鍵時になる弦の音に共鳴して鳴る音を模擬しているので、第2の離鍵楽音データ2cのベロシティは、押鍵時のベロシティデータをセットする)。そしてその離鍵音Aが出力部7で放出される。
さらに、その離鍵タイミングについて、上記比較部5における比較結果において、計測時間が上記閾値より長い場合(計測時間>閾値)には、図4(a)に示すように、上記楽音データ記憶部2から第1の離鍵楽音データ2bに相当する図3の離鍵音Bを読み出し、離鍵タイミングで、上記チャンネルの基本楽音データ2aを減衰させつつ、そのペアのもう一方のチャンネルにおいて、ベロシティを離鍵時ベロシティデータにセットした第1の離鍵楽音データ2bに相当する図3の離鍵音Bを出力する。上述のように、この離鍵音Bは、アクション音が多く含まれ、その振幅は、離鍵時のベロシティデータに合わせてセットされる(ダンパー、アクション音が基本的に鳴る離鍵音Bは、押鍵からある程度時間が経過して音が小さくなってから離鍵した場合に聞こえるメカニカルな音を模擬する音しているので、第1の離鍵楽音データ2bのベロシティは、離鍵時のベロシティデータをセットする)。そしてその離鍵音Bが出力部7で放出される。
以上の説明から明らかなように、閾値記憶部4に記憶される閾値をどのような値に設定するかがキーとなり、押鍵から離鍵までの計測時間が閾値以下の場合は、共鳴音の大きい離鍵音Aの楽音データが選択されて、離鍵音として鳴ることになり、反対に押鍵から離鍵までの計測時間が閾値より長い場合は、共鳴音がほとんどなく、ダンパー、アクション音が基本的に鳴る離鍵音Bの楽音データが選択されて、離鍵音として鳴ることになる。その設定の仕方によって、鳴っている音に違和感が無く、自然な離鍵音が聞こえるようになる。
上記構成では、上記操作パネル108にある上記閾値設定部4aにより、その値を外部から変えることが出来るようになっている。該閾値設定部4aは、直線可変抵抗器で構成されていて、その抵抗値の設定をパネルスキャン回路108aが読み取って、閾値記憶部4に記憶させるようになっている。
図5〜図11までは、上記電子ピアノにおける各処理のフローチャートである。
そのうち、図5は、該電子ピアノのメイン処理のフローチャートである。まず、電源がONされると、初期化が行われる(ステップS100)。その後イベントが発生しているか否かがチェックされ(ステップS102)、イベントがなければ(ステップS102;N)、同じくステップS102の最初に復帰する。
他方イベントがあれば(ステップS102;Y)、イベント処理に移行し(ステップS104)、その後ステップS102に復帰する。
図6は、上記図5のステップS104のイベント処理のフローチャートである。同図に示すように、まず、そのイベントがキーイベントか否かがチェックされる(ステップS200)。キーイベントであれば(ステップS200;Y)、キーイベント処理に移行する(ステップS202)。
他方キーイベントでなければ(ステップS200;N)、さらにそのイベントがパネルイベントか否かがチェックされる(ステップS204)。パネルイベントでなければ(ステップS204;N)、イベント処理を終え、メイン処理のステップS102に復帰する。反対にパネルイベントであれば(ステップS204;Y)、パネル処理が実行され(ステップS206)、その後メイン処理のステップS102に復帰する。このパネル処理(ステップS206)として、操作パネル108のパネルイベントがスキャンされる。その中には上記閾値設定部4aのパネル設定操作のスキャンも含まれる。キーイベント処理(ステップS202)或いはパネル処理(ステップS206)が終了したら、図5のメイン処理におけるステップS102に復帰し、以上の処理を繰り返す。
図7は、上記図6のステップS202のキーイベント処理のフローチャートである。同図に示すように、まず、各種のスイッチ(SW)がスキャンされる(ステップS300)。そして、鍵盤110の鍵に対して押鍵があったか否かがチェックされる(ステップS302)。押鍵があれば(ステップS302;Y)、押鍵処理がなされる(ステップS304)。反対に押鍵でなければ(ステップS302;N)、離鍵処理が行われる(ステップS306)。押鍵処理(ステップS306)或いは離鍵処理(ステップS306)が終了したら、図5のメイン処理におけるステップS102に復帰し、以上の処理を繰り返す。
図8は、図7のステップS304の押鍵処理のフローチャートである。同図に示すように、まず、押鍵時のベロシティデータがレジスタAにセットされる(ステップS400)。そしてその際、タイマレジスタB(計測部3のレジスタ)に0がセットされる(ステップS402)。その後タイマ(計測部3)のカウントがスタートとなり(ステップS404)、発音が行われる(ステップS406)。以上の発音処理(ステップS406)が終了したら、図5のメイン処理におけるステップS102に復帰し、以上の処理を繰り返す。
図9は、図7のステップS306の離鍵処理のフローチャートである。同図に示すように、まず、基本楽音データ2aの消音処理がなされる(ステップS500)。そして、上記タイマ(計測部3)のカウントが停止される(ステップS502)。その時のタイマレジスタの値が閾値記憶部4に記憶されている閾値以下か否かがチェックされる(ステップS504)。
タイマレジスタの値が閾値以下の場合(ステップS504;Y)、離鍵音A、即ち第2の離鍵楽音データ2cが読み出され、その発音処理が実行される(ステップS506)。
反対にタイマレジスタの値が閾値より大きい場合(ステップS504;N)、離鍵音b、即ち第1の離鍵楽音データ2bが読み出され、その発音処理が実行される(ステップS508)。
離鍵音A発音処理(ステップS506)或いは離鍵音B発音処理(ステップS508)が終了したら、図5のメイン処理におけるステップS102に復帰し、以上の処理を繰り返す。
図10は、上記図9のステップS506の離鍵音A発音処理のフローチャートである。同図に示すように、第2の離鍵楽音データ2cのベロシティに、押鍵時のベロシティデータがセットされ、第2の離鍵楽音データ2c、即ち離鍵音Aが発音される(ステップS600)。その後図5のメイン処理におけるステップS102に復帰し、以上の処理を繰り返す。
図11は、上記図9のステップS508の離鍵音B発音処理のフローチャートである。同図に示すように、第1の離鍵楽音データ2bのベロシティに、離鍵時のベロシティデータがセットされ、第1の離鍵楽音データ2b、即ち離鍵音Bが発音される(ステップS700)。その後、上記図5のメイン処理におけるステップS102に復帰し、以上の処理を繰り返す。
以上詳述した本発明の下地になる構成によれば、押鍵から離鍵までの計測時間が閾値以下の場合(即ち押鍵後早いうちに離鍵がなされた場合)は、共鳴音の大きい第2の離鍵楽音データ2c(離鍵音A)が選択され、それに押鍵時のベロシティデータがセットされて、離鍵音として鳴ることになり、反対に押鍵から離鍵までの計測時間が閾値より長い場合(即ち押鍵後所定の時間が経ってから離鍵がなされた場合)は、共鳴音がほとんどなく、ダンパー、アクション音が基本的に鳴る第1の離鍵楽音データ2b(離鍵音B)が選択され、それに離鍵時のベロシティデータがセットされて、離鍵音として鳴ることになるので、鳴っている音に違和感が無く、自然な離鍵音が聞こえるようになる。その場合、上記閾値設定部4aにより、上記閾値の設定値をどのような値に設定するかがキーとなり、自然な離鍵音が聞こえるか否かがその閾値によって決まることになる。
(実施例)
図12は、本発明の一実施例に係る電子ピアノの基本構成を示す機能ブロック図である。該電子ピアノのハードウェア構成は、参考例と同じなので省略する。また本実施例の機能ブロック構成も、参考例と共通構成があり、同一構成については、同一番号が付与されていて、その詳細については、割愛する。
同図において、参考例との構成の違いは、減衰率記憶部8が設けられ、また上記比較部5の比較結果で、計測時間が閾値以下の場合における制御部6の制御について、上記楽音データ記憶部2から第2の離鍵楽音データ2c(離鍵音A)が、且つ上記減衰率記憶部8より計測時間から閾値までの残り時間に従って割り出される減衰率(後述する図13に示すように、本実施例では閾値までにある押鍵時間として、その減衰率を対応させている)が、共に読み出されて、離鍵と共に、基本楽音データ2aを減衰させつつ、アタックレベルにつき読み出された減衰率が乗算されてセットされ且つベロシティが押鍵時ベロシティデータにセットされたところの第2の離鍵楽音データ2c(離鍵音A)が出力されることにある。
上述のように、上記離鍵音Aについても、離鍵のタイミングによって、押鍵(打鍵)時により近ければ近いほど、離鍵音エンベロープの立ち上がりに当たる離鍵音Aのアタック部分が急激に立ち上がって、より大きな共鳴音となって次第に減衰していくのに対し、逆に離鍵のタイミングが、押鍵から経過して閾値の時間により近づけば、上記離鍵音Aのアタック部分は、経過した分だけ減衰して立ち上がる、共鳴音となり、さらに減衰していくことになる、そのような離鍵音Aの模擬の仕方に特徴がある。
もちろん、上記比較部5における比較結果において、計測時間が閾値記憶部4に記憶されている閾値より長い場合は、上記参考例の場合と同様である。
従って、上記構成にあっては、上記参考例の場合と同様、制御部6による制御により、押鍵タイミングでその音高データに従って、基本楽音データ2aが読み出されて、ベロシティが押鍵時ベロシティデータにセットされ、その音高に対して割り当てられたチャンネルを介して、出力部7でその楽音が放出される。
他方その離鍵タイミングについて、上記比較部5における比較結果において、計測時間が上記閾値以下の場合(計測時間≦閾値)には、上記楽音データ記憶部2から第2の離鍵楽音データ2cに相当する図3の離鍵音Aを、且つ上記減衰率記憶部8より図13に示す押鍵時間(計測時間から閾値までの残り時間に対応)に従って割り出される減衰率を、共に読み出して、離鍵タイミングで、上記チャンネルの基本楽音データ2aを減衰させつつ、そのペアのもう一方のチャンネルにおいて、アタックレベルにつき読み出された減衰率を乗算してセットし且つベロシティを押鍵時ベロシティデータにセットしたところの第2の離鍵楽音データ2c(離鍵音A)を出力する。共鳴音の大きい離鍵音Aでも、打鍵(押鍵)から離鍵までの時間が離れてくると、模擬しようとしている共鳴音のアタックレベルも小さくなるので、第2の離鍵楽音データ2c(離鍵音A)のアタックレベルにつき読み出された減衰率を乗算してセットすることにした。もちろん、共鳴音の大きい離鍵音Aは、打鍵(押鍵)時になる弦の音に共鳴して鳴る音を模擬しているので、第2の離鍵楽音データ2c(離鍵音A)のベロシティは、押鍵時のベロシティデータをセットすることに変わりはない。
図13は、上述した減衰率記憶部8の押鍵時間(押鍵タイミングから離鍵タイミングまでの間の時間)に対応する第2の離鍵楽音データ2c(離鍵音A)のアタック部分の減衰率を記憶したテーブルを示す説明図である。同図に示すように、押鍵時間が経てば経つほど、減衰率も大きくなり、従って、離鍵音Aのアタックレベルが小さくなることが分かる。
他方、本実施例の処理フローも、基本的に図5〜図11と同じであるが、図10の離鍵音A発音処理だけが、離鍵音Aのアタックレベルにつき読み出された減衰率を乗算してセットすることにしたので、その分の処理が加わったため、図14に示すフローチャートに変更される。
即ち、上記図9のステップS506の離鍵音A発音処理において、第2の離鍵楽音データ2c(離鍵音A)のアタックレベルにつき読み出された減衰率が乗算されてセットされ(ステップS800)、さらにそのベロシティについて、押鍵時のベロシティデータがセットされ、第2の離鍵楽音データ2c、即ち離鍵音Aが発音される(ステップS802)。その後図5のメイン処理におけるステップS102に復帰し、以上の処理を繰り返すことになる。
以上説明した本実施例構成によれば、計測部3によって計測された計測時間が閾値以下の、共鳴音を多く含む離鍵音Aの第2の楽音データ2cが選択される場合に、離鍵タイミングが、押鍵(打鍵)タイミングにより近ければ近いほど、離鍵音Aのエンベロープのアタック部分が急激に立ち上がって、より大きな共鳴音となって次第に減衰していくのに対し、逆に離鍵タイミングが、押鍵タイミングから経過して閾値の時間により近づけば、離鍵音Aの上記アタック部分は、経過した分だけ減衰して立ち上がる、共鳴音となり、さらに減衰していくのを模擬しているので、より自然な離鍵音が聞こえるようになる。
尚、本発明の電子鍵盤楽器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。