JP4833810B2 - 共鳴音発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、共鳴音発生装置に関し、特に、アコースティックピアノにおけるハーフダンパーペダルの効果を模擬するのに好適な共鳴音発生装置に関する。
アコースティックピアノでは、弦を押さえているダンパーをダンパーペダルで弦から外す操作を行い、実際に弾かれた弦だけでなく他の全ての弦を共鳴させる演奏手法がとられる。電子ピアノや電子オルガン等の電子楽器においては、このダンパーペダル操作による弦共鳴音を模擬する機能が要求される。
例えば、ダンパーペダルを操作しない通常のピアノ音と、ダンパーペダルを操作した場合の共鳴音を含むピアノ音とを録音してそれぞれの波形データを記憶し、ダンパーペダルの操作の有無に応じて波形を選択して楽音を発生する方法が行われている。
また、本発明者等は、ダンパーペダルオン後に押鍵したときの弦共鳴波形(楽音共鳴音波形)と押鍵後にダンパーペダルをオンにしたときの弦共鳴音波形(倍音共鳴音波形)を波形メモリに記憶しておき、押鍵とダンパーペダル操作のタイミングに応じて楽音共鳴音波形と倍音共鳴音波形の読み出しを制御することができる共鳴音発生装置を提案している(特願2006−011470号)。
しかし、ダンパーペダルを使った奏法には、オンかオフかの2状態に限らず、オンとオフとの間で踏み込み量を調節して減衰度合を変える奏法もある。いわゆる「ハーフペダル」による演奏である。しかし、本発明者等が先に提案した共鳴音発生装置は、ハーフペダルの効果を模擬する点では改善の余地がある。
このハーフペダルによる効果を電子楽器で模擬するものとして、ダンパーペダルの操作があったときは電気的にキーオフの処理を保留し、ダンパーペダルの踏み込み量に応じて音量減衰レートを変えることができる電子楽器において、ダンパーが弦の振動を抑制している状態にあるか否かの判定結果に応じてエンベロープの減衰レートを制御する制御手段を備えた電子楽器が提案されている(特開平10−161658号公報)。
特開平10−161658号公報
特許文献1に記載された電子楽器では、単に、通常音の減衰時間を長くしているだけであるので、ダンパーペダルを最大に踏み込んだ場合に離鍵後も発音を継続させるダンパーペダルの効果を模擬することはできる。しかし、アコースティックピアノの場合は、ダンパーが弦から少しだけ離れているハーフペダルの状態では、ハーフペダル特有の小さい共鳴音が発生する。特許文献1に記載された従来技術ではこの共鳴音を模擬することはできないという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、ハーフペダル時に特有の小さな共鳴音を模擬することができる共鳴音発生装置を提供することを目的とする。
上記問題点を解決し、目的を達成するための本発明は、発音指示に応答して通常音を発生する通常音発生手段と、前記発音指示に応答して前記通常音の第1共鳴音および第2共鳴音を選択的に発生可能な共鳴音発生手段と、ダンパー操作子の操作量が共鳴音選択判定用しきい値以上か否かによって前記第1共鳴音および第2共鳴音のいずれか一方を選択する共鳴音選択判定手段と、ダンパー操作子の操作に応じて前記共鳴音発生手段で発生された共鳴音のレベルを制御するレベル制御手段と、ダンパー操作子の操作に応じて前記通常音発生手段および前記共鳴音発生手段に対するエンベロープ制御情報を決定するエンベロープ制御手段と、前記通常音と前記レベル制御手段でレベル制御された共鳴音とを加算する楽音混合手段とを備えている点に第1の特徴がある。
前記共鳴音発生手段は、例えば、波形メモリから読み出された通常音から生成された前記第1共鳴音の波形データと、通常音の倍音成分から生成された前記第2共鳴音の波形データとに基づいて音源手段で前記第1共鳴音または前記第2共鳴音をそれぞれ発生する。前記共鳴音選択判定用しきい値は、例えば、音色または音高に対応して予め設定されている。
また、本発明は、前記レベル制御手段が、前記ダンパー操作子がオン操作された場合は、前記共鳴音のレベルをゼロから予定値まで第1の予定時間で変化させる手段と、前記ダンパー操作子がオフ操作された場合は前記共鳴音のレベルを前記第1の予定値からゼロまで前記第1の予定時間とは異なる第2の予定時間で変化させる手段とを含んでいる点に第2の特徴があり、前記レベル制御手段が、前記ダンパー操作子の操作量に対応して前記共鳴音のレベルを予定値からゼロの間で変化させるように構成されている点に第3の特徴がある。前記共鳴音のレベル変化の予定値は、例えば、音色または音高に対応して予め設定されている。
また、本発明は、前記エンベロープ制御手段が、発音停止指示入力時の前記ダンパー操作子の操作量に対応して、発音中の通常音および共鳴音の減衰時間をそれぞれ個別に制御するように構成されている点に第4の特徴がある。
また、前記発音指示が予定の音高または音高域の発音指示である場合に、前記第1共鳴音または前記第2共鳴音を発生する点に第5の特徴がある。
また、本発明は、前記共鳴音選択判定用しきい値を高低二つ設け、ダンパー操作子の操作量が低い方の共鳴音選択判定用しきい値以上のときは、第1共鳴音を選択するとともに、ダンパー操作子の操作量が高い方の共鳴音選択判定用しきい値以上と未満とで、高い共鳴音選択判定用しきい値以上の方を第1共鳴音の減衰時間を遅く設定している点に第6の特徴がある。
また、本発明は、前記共鳴音選択判定用しきい値より下方にゲート開放判定用しきい値を設定し、ダンパー操作子の操作量がゲート開放判定用しきい値以上のときに、前記共鳴音選択判定手段で選択された第1共鳴音および第2共鳴音の発生を許可するように構成された点に第7の特徴がある。
また、本発明は、前記第1共鳴音の波形データおよび前記第2共鳴音の波形データが、発生可能な楽音の倍音に対応した複数の共鳴回路を並列に接続した回路群に楽音を入力して得られた波形データであり、予め前記共鳴音発生手段の波形メモリに記憶されている点に第8の特徴がある。
前記共鳴回路はデジタルフィルタを有しており、そのインパルス応答が、倍音の振動波形を1自由度粘性減衰系モデルで模擬したものであり、前記デジタルフィルタで使用されるフィルタ係数が、1自由度粘性減衰系モデルの振る舞いを決めるためのモデルパラメータとして質量、減衰固有振動数、および減衰率を与えて、該モデルの運動方程式の係数となる粘性係数と剛性係数を求め、前記モデルの運動方程式をラプラス変換し、s表現の伝達関数式を得ると共に、これに求めた粘性係数、剛性係数及び質量を代入し、双一次変換を行って、z表現のフィルタ係数を求め、前記質量は任意の値とし、前記減衰固有振動数は模擬しようとする倍音の振動数であり、前記減衰率は倍音の減衰を指数関数で近似したときの指数として、その値を求めることによって決定される。
第1〜第8の特徴を有する本発明によれば、発音開始指示入力時つまり鍵盤楽器では押鍵時に、ダンパー操作子の操作量が共鳴音選択判定用しきい値以上のときは第1共鳴音が選択され、ダンパー操作子の操作量が共鳴音選択判定用しきい値未満のときは第2共鳴音が選択される。したがって、ダンパー操作子の操作量が大きいフルダンパーのときとダンパー操作子の操作量が小さいハーフダンパーのときとで異なる共鳴音を発生することができる。ダンパー操作子の操作量が小さいハーフペダル時には、第2共鳴音として例えば、発音開始指示つまり鍵盤楽器では押鍵した後にダンパーペダルをオン操作したときの弦共鳴音である倍音共鳴音を発生させ、かつ適度な早さで通常音とともに減衰させ、アコースティックピアノのハーフペダル効果を再現することができる。
第4の特徴を有する本発明によれば、ダンパー操作子の操作量に応じて発音中の通常音および共鳴音の減衰時間をそれぞれ個別に制御することができるので、フルダンパーに応じた長い減衰時間を設定できるし、ハーフダンパーに応じた比較的減衰時間が短い微妙な減衰共鳴音を発生することができる。
また、第5の特徴を有する本発明によれば、第1共鳴音または第2共鳴音は予め設定した音または音域での通常音の発音指示にのみ応答して発音される。例えば、高音域では、第1共鳴音または第2共鳴音を発生させ、低音域では第1共鳴音のみを発生させることができる。つまり、直接音のレベルが大きい高音域でのみ倍音共鳴音を発音するようにすることができる。
第6の特徴を有する本発明によれば、フルペダルの範疇に入るダンパー操作子の操作量であっても、ダンパー操作子の操作量が小さい部分では、第1共鳴音のみを発生させるが、ハーフペダルに準じて、発音を停止する際にはフルダンパー時より減衰時間をやや短くすることができる。
第7の特徴を有する本発明によれば、ダンパー操作子の操作量がゲート開放判定しきい値を超えないときは共鳴音が発生されない。
第8の特徴によれば、共鳴回路に楽音信号を入力することによって容易に共鳴音信号を得ることができる。特に、1自由度粘性減衰系モデルのパラメータを適宜設定することにより、任意の振動波形を再現して所望の共鳴音を発生させることができる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図2は本発明の一実施形態に係る共鳴音発生装置を含む電子ピアノのハードウェア構成を示すブロック図である。同図において、CPU1は、システムバス2を介して図中に示した各部を制御する。ROM3はCPU1において用いられるプログラムを記憶するプログラムメモリ3aや少なくとも音色データを含む各種データを記憶するデータメモリ3bを有している。RAM4はCPU1による制御において発生する各種のデータ等を一時的に記憶する。
さらに、この電子ピアノには、操作パネル(以下、単に「パネル」と呼ぶ)5、MIDIインタフェース6、およびダンパー操作子つまりダンパーペダル(以下、単に「ペダル」と呼ぶ)7が設けられる。パネル5は、発生すべき楽音の音色を選択する音色スイッチ5aを含む各種状態設定のためのスイッチ等によって構成され、このパネル5から設定された情報はCPU1に供給される。ペダルセンサ7aは、ペダル7の操作状態つまり踏み込み量をペダル情報として検出し、CPU1に供給する。ペダルセンサ7aは、可変抵抗器を含んで構成され、この可変抵抗器による電圧の変動などをペダル7の踏み込み量として検出する。
鍵盤8は88鍵からなり、各鍵にはそれぞれタッチセンサからなるキースイッチ8aが設けられる。キースイッチ8aは、演奏者による鍵盤8の操作を検出して、押鍵された鍵の音高を示すキーコードKC(キーナンバともいう)や、押鍵・離鍵に対応して楽音の発生・消音タイミングを指示するキーオンKON・キーオフKOFF、押鍵速度または押鍵強さであるキータッチKTなどのキー情報を出力する。キースイッチ8aから出力される情報はシステムバス2を介してCPU1に供給される。
図2に示した電子ピアノにおける押鍵により発音開始されるという観点から押鍵時が発音開始指示入力時である。一方、離鍵に関しては、離鍵時にペダル操作されていれば離鍵のみによって直ちに発音が停止されるわけではないが、本明細書では、便宜上、離鍵を発音停止指示とみなし、発音停止指示入力時とは離鍵時を意味する。
楽音発生部9は、同時に複数の発音を行なうため時分割制御されるチャンネルを備えたトーンジェネレータからなり、複数のチャンネルすべての出力信号を累算して出力する。楽音発生部9では、押鍵操作により、いずれかのチャンネルが割り当てられ、該チャンネルにおいて押鍵操作に対応する楽音が生成される。
波形メモリ10には、詳細を後述する3種類の楽音情報の波形データが記憶されており、楽音発生部9には、波形メモリ10から鍵操作に対応して波形データが読み出される。読み出しアドレスの歩進はキーコードKCに対応した速度で行なわれる。すなわち、キーコードKCに対応する読出レートで波形データが読み出される。楽音発生部9は、波形メモリ10から読み出された波形データに基づいて楽音信号を生成する。
楽音信号は、DA変換器12でアナログ信号に変換された後、サウンドシステム13に入力される。サウンドシステム13は、アンプやスピーカ等から構成されており、DA変換器12の出力信号を電子ピアノの出力として外部に発音させる。
上記電子ピアノの要部機能を説明する。アコースティックピアノでは、ダンパーペダルをオン操作して押鍵すると、押鍵時の衝撃音による大きい弦共鳴音(第1共鳴音)を発生する。以下、この大きい弦共鳴音の波形を「楽音共鳴音波形」と呼ぶ。一方、押鍵後にダンパーペダルをオン操作すると、すでに押鍵されている状態でダンパーが弦から離れて共鳴が生じる。したがって、このときの弦共鳴音(第2共鳴音)は押鍵時の衝撃音による弦共鳴音を含まない倍音成分のみの弦共鳴音波形(以下、「倍音共鳴波形」と呼ぶ)からなる。
そこで、本実施形態では、このようなアコースティックピアノの特性に応じて共鳴音を発生させるための楽音情報を2種類設定し、押鍵による直接音(以下、「通常音」と呼ぶ)の楽音情報と合わせて3種類の楽音情報に基づいて楽音を発生させるようにした。通常音の波形データを入力されて通常音を発生する通常音発音系統と、非周期成分を含む楽音共鳴音波形データを入力されて楽音共鳴音を発生する第1共鳴音発音系統と、通常音から押鍵時の衝撃音である非周期成分を除いた倍音成分のみの倍音共鳴音波形データを入力されて倍音共鳴音を発生する第2共鳴音発音系統とを設ける。
さらに本実施形態では、ハーフペダル時の効果を模擬できるように適度に減衰する倍音共鳴音を発生できるようにした。
図1は、本実施形態に係る電子ピアノの要部機能を示すブロック図である。図1において、通常音波形記憶部15と、楽音共鳴音波形記憶部16と、倍音共鳴音波形記憶部17とが設けられる。これら記憶部15〜17は波形メモリ10に設けられる。通常音波形記憶部15には、鍵盤8に設けられる全ての鍵に対応して通常音波形データが予め記憶される。楽音共鳴音波形記憶部16および倍音共鳴音波形記憶部17には、通常音毎に対応した楽音共鳴音波形データおよび倍音共鳴音波形データが予めそれぞれ記憶される。キースイッチ8aでキーオンが検出されると、その検出信号は、通常音波形記憶部15、楽音共鳴音波形記憶部16および倍音共鳴音波形記憶部17に発音指示として入力され、各波形データが読み出される。
トーンジェネレータつまり音源手段の機能として、通常音発生部18と共鳴音発生部19とが設けられる。通常音波形記憶部15から読み出された通常音波形データは通常音発生部18に入力される。一方、楽音共鳴音波形記憶部16から読み出された楽音共鳴音波形データおよび倍音共鳴音波形記憶部17から読み出された倍音共鳴音波形データは、共鳴音切り替え部20の切り替えに応じていずれかが選択的に共鳴音発生部19に入力される。
通常音波形記憶部15と通常音発生部18とで通常音発生手段を構成し、楽音共鳴音波形記憶部16と倍音共鳴音波形記憶部17と共鳴音切り替え部20と共鳴音発生部19とで共鳴音発生手段を構成する。
通常音発生部18では通常音波形データに通常音のエンベロープが付与されて通常音信号が生成され、この通常音信号は楽音混合手段である加算部21に入力される。共鳴音発生部19では楽音共鳴音波形データおよび倍音共鳴音波形データのうち、いずれか入力された方に共鳴音のエンベロープが付与されて共鳴音信号(楽音共鳴音信号または倍音共鳴音信号)が生成され、この共鳴音信号は乗算部22に入力される。乗算部22は、加算部21に供給される共鳴音信号のレベルを変化させることで共鳴音を発生したり発生を停止させたりするゲートとして機能する。例えば、乗算部22で予定された最大の乗算係数が共鳴音信号に乗算されたときには、共鳴音信号は最大レベルとなり、ゲートが開かれたことになる。ゲートが開かれると共鳴音信号は加算部21に入力されて前記通常音信号と混合されて楽音信号となり、前記DA変換器12に供給される。
通常音波形データ並びに楽音共鳴音波形データおよび倍音共鳴音波形データの上記各部での処理を行うために次の各機能が設けられる。
まず、共鳴音切り替え部20を切り替えて共鳴音波形データを選択する共鳴音波形選択判定部23が設けられる。共鳴音波形選択判定部23は、ペダルセンサ7aから入力されるペダル踏み込み量PVを共鳴音選択判定用しきい値RTと比較して、予め設定した判定基準により楽音共鳴音波形データおよび倍音共鳴音波形データのいずれか一方を選択する。共鳴音選択用しきい値RTは、音色または音高に応じて異ならせることができる。例えば、予め音色または音高に対応した共鳴音選択判定用しきい値RTをROM3等の記憶手段にテーブルとして予め記憶しておき、演奏前に指示された音色や押鍵時のキーナンバに基づいて共鳴音選択判定用しきい値RTを読み出せるように構成しておくとよい。例えば、高音に対しては共鳴音選択判定用しきい値RTを下げるとよい。
また、消音時の減衰速度をペダルセンサ7aから入力されるペダル踏み込み量PVと消音判定用しきい値OTと比較して決定する消音判定部24が設けられる。消音判定部24で決定された減衰速度はエンベロープ制御手段つまりエンベロープジェネレータである楽音発生制御部25に設定される。楽音発生制御部25は、設定された減衰速度に従って決定された減衰エンベロープを含む通常音および共鳴音のエンベロープ情報を、通常音発生部18および共鳴音発生部19にそれぞれ供給してエンベロープを制御する。減衰速度つまり減衰時間は通常音および共鳴音に関してそれぞれ個別に設定できるようにするのがよい。
さらに、ペダルセンサ7aから入力されるペダル踏み込み量PVをゲート開放用しきい値GTと比較して共鳴音信号を発生させるか否かを判定するゲート開放判定部26が設けられる。ゲート開放判定部26の判定結果はレベル制御部27に入力されて、レベル制御部27は、ゲート開放判定部26の判定に従って乗算係数を乗算部22に入力する。例えば、乗算係数はペダル7の踏み込み量に対応して「0」から「1.0」まで変化する値とすることができる。乗算係数が「1.0」のときに最大振幅の共鳴音信号が加算部21に入力されて共鳴音が発生可能となり、乗算係数が「0」のとには共鳴音信号のは加算部21に入力されないので、共鳴音は発生されない。
上記構成に基づく共鳴音の発生タイミングを図3を併せて参照して説明する。図3はペダル踏み込み量PVに応じた共鳴音の発生状態を示す図である。図3において、ペダル踏み込み量PVに対してしきい値OT、RT、GTが設定されている。図示のとおり、これらしきい値は「OT>RT>GT」の関係に設定されている。踏み込み量PVがしきい値GT未満(PV<GT)のとき、ゲート開放判定部26は、レベル制御部27に乗算係数「0」を出力させて共鳴音信号を発生させない。つまり、踏み込み量PVがしきい値GT未満では、ペダル7を踏んでいないのと同じである。
踏み込み量PVがしきい値GT以上のとき、共鳴音が出力される。但し、踏み込み量PVが消音判定用しきい値OT未満(GT≦PV<OT)のときはハーフペダルである。ハーフペダルは、さらに共鳴音選択判定用しきい値RTに従って2分される。踏み込み量PVがGT以上、かつしきい値RT未満(GT≦PV<RT)のときはハーフペダルのうち、下部ハーフペダルであり倍音共鳴音が発生される。この下部ハーフペダルの状況では通常音および共鳴音はいずれも踏み込み量PVに応じて、離鍵時の減衰速度が「大」の範囲内で変化する。すなわち、ペダル7を踏んでいないとき(減衰時間がほぼゼロ)のときとは異なり、わずかではあるが減衰音が発生するように楽音発生制御部25でエンベロープが制御される。
踏み込み量PVがしきい値RT以上、かつしきい値OT未満(RT≦PV<OT)のときはハーフペダルではあるが、フルペダルに近い状況(上部ハーフペダル)であり、楽音共鳴音が発生される。この上部ハーフペダルは、ペダル7がかなり大きく踏み込まれていてフルペダルに近いので、離鍵時の減衰時間は下部ハーフペダルのときよりさらに長くなるし(減衰速度「中」)、共鳴音も大きくなるように楽音発生制御部25とレベル制御部27は制御を行う。
踏み込み量PVがしきい値OT以上(PV>OT)のときはフルペダル(ペダルオンの状態)であり、離鍵しても通常音および共鳴音の発音は長く継続されるように小さい減衰速度が設定される。
なお、ハーフペダルを下部ハーフペダルと上部ハーフペダルとに分けるのが望ましいが、二つに分けることは必須ではない。そして、フルペダルでは楽音共鳴音を発生し、ハーフペダルでは倍音共鳴音を発生するようにする。
また、レベル制御部27は、ペダル7の踏み込み(ペダルオン操作)があったときに第1の予定時間をかけて乗算係数を「0」から予定値「1.0」に変化させる一方、ペダル7の踏み込みがなくなった(ペダルオフ操作)ときに、前記第1の予定時間とは異なる第2の予定時間をかけて乗算係数を予定値「1.0」から「0」に変化させるように構成してもよい。なお、レベル制御部27における前記予定値「1.0」は音色または音高に対応して異ならせることができる。例えば、予め音色または音高に対応したレベル(乗算係数)の予定値をROM3等の記憶手段にテーブルとして予め記憶しておき、演奏前に指示された音色や押鍵時のキーナンバに基づいてこの予定値を読み出せるように構成しておくとよい。例えば、高音に対しては予定値を下げて共鳴音の最大値を小さくする。
なお、特定の鍵または特定の鍵域の鍵がオン操作された場合のみ楽音共鳴音を発音することができるようにしてもよい。例えば、高音域では、第1共鳴音または第2共鳴音を発生させ、低音域では第1共鳴音のみを発生させることができる。つまり、直接音のレベルが大きい高音域でのみ楽音共鳴音を発音するようにすることができる。
次に、上記電子ピアノの動作をフローチャートを参照して説明する。図4は、電子ピアノの全体処理を示すフローチャートである。ステップS1では、CPU1、RAM4、音源LSI(DSP)等を初期化する。ステップS2では、パネル5のスイッチ等の状態を読み込んで対応の処理を行うパネルイベント処理を行う。ステップS3では、キースイッチ8aの出力に基づいて通常音の楽音信号を発生する鍵盤イベント処理を実行する。鍵盤イベント処理にはキータッチ(押鍵強さ)に応じたエンベロープの設定も含まれる。
ステップS4では、ペダルセンサ7aの出力に対応したペダルイベント処理が行われる。なお、ペダルイベント処理には、ペダル(ダンパーペダル)以外のペダルの処理を含むことができる。ステップS5では、その他の処理が行われる。
図5は、鍵盤イベント処理(ステップS3)の詳細を示すフローチャートである。ステップS30ではペダル踏み込み量PVを検出する。つまりペダルセンサ7aの出力を読み込む。ステップS31では、キースイッチ8aの出力の有無により鍵盤8のオンイベントの有無つまり押鍵の有無を判断する。オンイベントならばステップS32に進み、キー情報に応じて通常音波形記憶部15から通常音波形データを通常音発生部18に読み出して通常音発生部18内の音源LSIに入力し、通常音波形データに基づいて通常音信号を生成して通常音を発生させる。
ステップS33では、共鳴音波形選択判定部23の機能として踏み込み量PVと共鳴音選択判定用しきい値RTとを比較し、踏み込み量PVがしきい値RT以上か否かを判定する。踏み込み量PVがしきい値RT以上であれば、ステップS34に進んで共鳴音切り替え部20を楽音共鳴音波形記憶部16側に切り替えて楽音共鳴音波形データを共鳴音発生部19に読み出す。踏み込み量PVがしきい値RT未満であれば、ステップS35に進んで共鳴音切り替え部20を倍音共鳴音波形記憶部17側に切り替えて倍音共鳴音波形データを共鳴音発生部19に読み出す。
ステップS31で、オンイベントでないと判断されたときは、ステップS36に進んで、オフイベント(離鍵)か否かが判断される。オフイベントでなければ、この鍵盤イベント処理を抜けて図4の全体処理へ戻る。オフイベントが検出されたときは、ステップS36からステップS37に進む。ステップS37では、消音判定部24の機能として踏み込み量PVと消音判定用しきい値OTとを比較し、踏み込み量PVがしきい値OT以上であれば、フルペダルであって、押鍵状態と実質的に同じであって消音させないので、この鍵盤イベント処理を抜けて図4の全体処理へ戻る。踏み込み量PVがしきい値OT未満であれば、ステップS38に進み、楽音発生制御部25で踏み込み量PVに応じて通常音を減衰消音させる。さらに、ステップS39に進み、楽音発生制御部25で踏み込み量PVに応じた上部ハーフペダルか下部ハーフペダルかを判断し、それに応じた減衰速度で共鳴音を減衰消音させる。
図6は、ペダルイベント処理(ステップS4)の詳細を示すフローチャートである。ステップS40では、ペダル7がオン操作されたか否か、つまりペダルセンサ7aの出力がゼロから変化したか否かを判断する。ペダル7が操作されたのであればステップS41に進み、踏み込み量PVを検出する。ステップS42では、消音判定部24の機能として踏み込み量PVと消音判定用しきい値OTとを比較し、踏み込み量PVがしきい値OT以上か否かを判定する。踏み込み量PVがしきい値OT以上つまりフルペダルであれば、ステップS43に進んで、レベル制御部27で共鳴音の出力レベルを制御するためゲート開放判定部26の機能で踏み込み量PVがゲート開放判定用しきい値GT以上か否かを判定する。
踏み込み量PVがしきい値GT以上であれば、ステップS44に進んでレベル制御部27と乗算部22の機能により共鳴音レベルを最大値まで増加する。踏み込み量PVがしきい値GT未満であれば、ステップS45に進んでレベル制御部27と乗算部22の機能により、共鳴音レベルをゼロまで減少して共鳴音を消音させる。なお、ステップS42が肯定となっているとき、つまりフルペダルのときには、しきい値はOT>GTの関係にあるので、ステップS45に至ることはないが、ステップS42が否定の場合の処理ではステップS43が否定となる場合が生じ、その場合にステップS45の処理が実行されることになる。
ステップS42が否定の場合、つまりペダル7の踏み込み量PVが消音判定用しきい値OT未満のハーフペダルでは、発音中の音を減衰消音させるリリースフェーズに移行する。まず、ステップS46で楽音発生制御部25と通常音発生部18の機能により発音中の通常音を踏み込み量PVに応じて減衰消音させる。そして、ステップS47では、通常音の減衰消音に伴い、楽音発生制御部25と共鳴音発生部19の機能により発音中の共鳴音を踏み込み量PVに応じて減衰消音させる。
ステップS40が否定の場合、つまりペダルオフの場合は、ステップS48に進み、ペダル7以外のその他のペダルの操作がなされたか否かが判断される。ステップS48が肯定ならば、ステップS49で該当ペダルに応じた処理を行う。このステップS49の処理は本発明の要部でないので詳細は省略する。ステップS48が否定ならば、このペダルイベント処理は抜けて図4の全体処理に戻る。
続いて、楽音共鳴音波形データおよび倍音共鳴音波形データの作成例を説明する。図7は、共鳴音発生装置の要部構成を示すブロック図である。共鳴音発生装置は、音名毎に、各音名の楽音を構成するn個の倍音の周波数に相当する共振周波数を発生するn個のフィルタ回路を備える。図7は音名A0およびB0に対応する部分を示す。共鳴回路35は、A0の基音に相当する共振周波数を発生するフィルタFA0−1と、n個の倍音に相当する共振周波数を発生するフィルタFA0−2〜FA0−nとを有する。同様に共鳴回路36は、B0の基音に相当する共振周波数を発生するフィルタFB0−1と、n個の倍音に相当する共振周波数を発生するフィルタFB0−2〜FB0−nとを有する。加算器37,38は共鳴回路35および共鳴回路36の出力をそれぞれ合成する。さらに、加算器39は、共鳴回路35,36を含む、全ての音名に対応して設けられる図示しない共鳴回路の出力を合成する。
なお、共鳴音は全ての音名(つまり鍵盤8の全ての鍵)に対応して作成するのがよいが、必ずしも鍵盤8の全ての鍵に対応して作成しなくてもよい。例えば、アコースティックピアノにおいては、ダンパーペダルによって制動を受ける音名が、A0〜F6までの69鍵である。この69鍵以外の鍵では共鳴効果が少ないので、共鳴音を作成しなくてもよい。
また、上述したように、作成した非周期共鳴音波形データは、特定の音または特定の高音域の音の発音指示(押鍵)にのみ応答して読み出されるようにするのがよい。
図7の構成において、倍音共鳴音波形データを作成する場合は、録音した通常音から抽出された倍音成分を共鳴音発生装置の入力データとする。また、楽音共鳴音波形データを作成する場合は、録音した通常音を共鳴音発生装置の入力データとする。
例えば、通常音の倍音成分が入力されると、共鳴回路35の各フィルタが入力された倍音成分に応答して基音および共鳴楽音情報を出力する。但し、A0の通常音の波形データに対して共鳴回路35のみが応答するのではなく、A0の基音および各倍音周波数と同じ共振周波数か、これらから少しずれた共振周波数を有する、他の音名用のフィルタも応答して共鳴楽音情報を出力する。例えば、A4の基音(440Hz)に近似するA3の第2倍音(441Hz)のフィルタ特性を持つフィルタからも共鳴楽音情報が出力される。応答した全てのフィルタから出力された共鳴楽音情報は加算器39で合成されて倍音共鳴音の波形データが出力される。
共鳴回路の各フィルタ回路としては、IIRフィルタを用いるのが好適であり、各入力周波数に応答して急峻に出力が立ち上がる特性に設計される。つまり、フィルタのインパルス応答は、楽音の振動波形を模擬するものであって、1自由度粘性減衰系モデルで再現できるものとする。1自由度粘性減衰系モデルのため、質量、減衰固有振動数、および減衰率をモデルパラメータとし、これに基づいて1自由度粘性減衰系モデルの運動方程式の係数となる粘性係数と剛性係数とを求める。さらに前記運動方程式をラプラス変換し、s表現の伝達関数式を得る。そして、この伝達関数式に粘性係数、剛性係数および質量を代入し、双一次変換を行ってz表現のフィルタ係数を求める。
前記質量は任意の値とし、前記減衰固有振動数は模擬しようとする倍音の振動数であり、前記減衰率は倍音の減衰を指数関数で近似したときの指数としてフィルタ係数を求める。
1つのフィルタは、楽音の時間変動を模擬するように設計されるが、共振周波数や振幅の時間変動を十分に模擬すると回路規模が大きくなりすぎるので、概略模擬できるものとする。
1自由度粘性減衰系モデルによる振動波形の模擬に関しては、特開2006−47451号公報に詳細に記載されている公知の手法を適用することができるので、詳細な説明は省略する。なお、楽音共鳴音波形データや倍音共鳴音波形データは、上記1自由度粘性減衰系モデルで模擬するのに限らない。
なお、上記各実施形態では共鳴音発生装置を適用した電子楽器の例として電子ピアノを挙げて説明しているが、本発明は電子ピアノにのみ限定されるものではなく、他の楽器でも、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、同様な構成を取ることは可能である。
本発明の第1実施形態に係る共鳴音発生装置の要部機能を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る共鳴音発生装置のハード構成部分を示すブロック図である。 ペダル踏み込み量と共鳴音の出力状況を示す図である。 共鳴音発生装置のメイン処理を示すフローチャートである。 鍵盤イベント処理を示すフローチャートである。 ペダルイベント処理を示すフローチャートである。 共鳴音発生部の要部構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…CPU、 7…ダンパーペダル、 7a…ペダルセンサ、 8…鍵盤、 8a…キーススイッチ、 10…波形メモリ、 15…通常音波形記憶部、 16…楽音共鳴音波形記憶部、 17…倍音共鳴音波形記憶部、 18…通常音発生部、 19…共鳴音発生部、 20…共鳴音切り替え部、 22…乗算部(ゲート)、 23…共鳴音波形判定部、 24…消音判定部、 26…ゲート判定部

Claims (11)

  1. 発音指示に応答して通常音を発生する通常音発生手段と、
    前記発音指示に応答して前記通常音の第1共鳴音および第2共鳴音を選択的に発生可能な共鳴音発生手段と、
    ダンパー操作子の操作量が共鳴音選択判定用しきい値以上か否かによって前記第1共鳴音および第2共鳴音のいずれか一方を選択する共鳴音選択判定手段と、
    前記ダンパー操作子の操作に応じて前記共鳴音発生手段で発生された共鳴音 のレベルを制御するレベル制御手段と、
    ダンパー操作子の操作に応じて前記通常音発生手段および前記共鳴音発生手段に対するエンベロープ制御情報を決定するエンベロープ制御手段と、
    前記通常音と前記レベル制御手段でレベル制御された共鳴音とを加算する楽音混合手段とを備え
    前記共鳴音発生手段が、通常音から生成された前記第1共鳴音の波形データと、通常音の倍音成分から生成された前記第2共鳴音の波形データとが記憶される波形メモリと、該波形メモリから読み出された波形データに基づいて前記第1共鳴音および前記第2共鳴音をそれぞれ発生する音源手段を含み、
    前記第1共鳴音は非周期成分を含む楽音共鳴音波形データを入力されて発生する楽音共鳴音であり、
    前記第2共鳴音は通常音から押鍵時の衝撃音である非周期成分を除いた倍音成分のみの倍音共鳴音波形データを入力されて発生する倍音共鳴音であることを特徴とする共鳴音発生装置。
  2. 前記共鳴音選択判定用しきい値が、音色または音高に対応して予め設定されていることを特徴とする請求項1記載の共鳴音発生装置。
  3. 前記レベル制御手段が、
    前記ダンパー操作子がオン操作された場合は、前記共鳴音のレベルをゼロから予定値まで第1の予定時間で変化させる手段と、
    前記ダンパー操作子がオフ操作された場合は前記共鳴音のレベルを前記第1の予定値からゼロまで前記第1の予定時間とは異なる第2の予定時間で変化させる手段とを含んでいることを特徴とする請求項1または2記載の共鳴音発生装置。
  4. 前記レベル制御手段が、前記ダンパー操作子の操作量に対応して前記共鳴音のレベルを予定値からゼロの間で変化させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の共鳴音発生装置。
  5. 前記レベル制御手段におけるレベル変化の予定値が、音色または音高に対応して予め設定されていることを特徴とする請求項3または4記載の共鳴音発生装置。
  6. 前記エンベロープ制御手段が、発音停止指示入力時の前記ダンパー操作子の操作量に対応して、発音中の通常音および共鳴音の減衰時間をそれぞれ個別に制御するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の共鳴音発生装置。
  7. 前記発音指示が予定の音高または音高域の発音指示である場合に、前記第1共鳴音または前記第2共鳴音を発生するように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の共鳴音発生装置。
  8. 前記共鳴音選択判定用しきい値を高低二つ設け、ダンパー操作子の操作量が低い方の共鳴音選択判定用しきい値以上のときは、第1共鳴音を選択するとともに、ダンパー操作子の操作量が高い方の共鳴音選択判定用しきい値以上と未満とで、高い共鳴音選択判定用しきい値以上の方を第1共鳴音の減衰時間を遅く設定していることを特徴とする請求項1記載の共鳴音発生装置。
  9. 前記共鳴音選択判定用しきい値より下方にゲート開放判定用しきい値を設定し、ダンパー操作子の操作量がゲート開放判定用しきい値以上のときに、前記共鳴音選択判定手段で選択された第1共鳴音および第2共鳴音の発生を許可するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の共鳴音発生装置。
  10. 前記第1共鳴音の波形データおよび前記第2共鳴音の波形データが、
    発生可能な楽音の倍音に対応した複数の共鳴回路を並列に接続した回路群に楽音を入力して得られた波形データであり、
    予め前記共鳴音発生手段の波形メモリに記憶されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の共鳴音発生装置。
  11. 前記共鳴回路はデジタルフィルタを有しており、そのインパルス応答が、倍音の振動波形を1自由度粘性減衰系モデルで模擬したものであり、
    前記デジタルフィルタで使用されるフィルタ係数が、
    1自由度粘性減衰系モデルの振る舞いを決めるためのモデルパラメータとして質量、減衰固有振動数、および減衰率を与えて、該モデルの運動方程式の係数となる粘性係数と剛性係数を求め、
    前記モデルの運動方程式をラプラス変換し、s表現の伝達関数式を得ると共に、これに求めた粘性係数、剛性係数及び質量を代入し、双一次変換を行って、z表現のフィルタ係数を求め、
    前記質量は任意の値とし、前記減衰固有振動数は模擬しようとする倍音の振動数であり、前記減衰率は倍音の減衰を指数関数で近似したときの指数として、その値を求めることによって決定されることを特徴とする請求項10記載の共鳴音発生装置。
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