JP5696843B2 - 電子写真用オーバーコート組成物の評価方法、並びに電子写真用オーバーコート組成物、電子写真形成方法、及び電子写真形成装置 - Google Patents
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Description
しかし、ローラなどへの多量のオイルの塗布は、記録媒体のオイル汚れ、コストアップ、オイルを収納するスペースが必要となり定着装置が複雑になり大型化するなどの問題があった。
そのため、定着ローラにオイルを塗布する必要がないトナー、いわゆるオイルレストナーが試みられている。前記オイルレストナーとしては、一般的に、ワックスを含有したトナーが提案されている。
印刷表面への透明層の付与の方法としては、オーバーコート、ビニール引き、プレスコート、フィルムの貼付などがあり、これらは、印刷後に行われる。これらの中でも、ワニスによるオーバーコートが簡便な方法であり主流になりつつある。
また、印刷面にシリコーン樹脂層を形成し、印刷面の保護、防水処理、光沢出しをする樹脂形成装置、及び該装置を備えた画像形成装置が提案されている(特許文献2)。
また、電子写真方式を利用することにより多品種少量印刷を効率的に行え、ニス仕上げを行うことでトナー層の保護、及び光沢付与を行う金属容器の印刷方法が提案されている(特許文献3)。
<1> トナーを用いた電子写真方式によって記録媒体上に作成されたトナー像のオーバーコートに用いる電子写真用オーバーコート組成物の評価方法であって、少なくとも着色剤と樹脂からなるトナーをシート上に定着させたトナー像上に、電子写真用オーバーコート組成物を滴下し、該電子写真用オーバーコート組成物を除去した時の前記電子写真用オーバーコート組成物の滴下前と電子写真用オーバーコート組成物の滴下、除去後の前記トナー像の色差から前記トナー像に対する前記電子写真用オーバーコート組成物としての適性を評価することを特徴とする電子写真用オーバーコート組成物の評価方法。
<2> 前記電子写真用オーバーコート組成物を前記トナー像上10mmの高さから0.3〜0.5mg/cm2滴下し、10秒後に前記電子写真用オーバーコート組成物を除去した時、前記電子写真用オーバーコート組成物の滴下前と電子写真用オーバーコート組成物の滴下、除去後の前記トナー像の色差△E*が3≦△E*≦30であると、前記電子写真用オーバーコート組成物が前記トナー像に対して適性を有すると評価することを特徴とする前記<1>に記載の電子写真用オーバーコート組成物の評価方法。
[電子写真用オーバーコート組成物の評価方法]
本発明の電子写真用オーバーコート組成物の評価方法は、トナーを用いた電子写真方式によって記録媒体上に作成されたトナー像のオーバーコートに用いる電子写真用オーバーコート組成物の評価方法であって、少なくとも着色剤と樹脂からなるトナーをシート上に定着させたトナー像上に、電子写真用オーバーコート組成物を滴下し、該電子写真用オーバーコート組成物を除去した時の前記電子写真用オーバーコート組成物の滴下前と電子写真用オーバーコート組成物の滴下、除去後の前記トナー像の色差から前記トナー像に対する前記電子写真用オーバーコート組成物としての適性を評価することを特徴とするものである。
(S11) まずOHPシート上に、少なくとも着色剤と樹脂からなるトナーを0.6〜1.0mg/cm2のトナー量で付着し、ついで定着させて画像を形成する。このときのトナー像の色をL*a*b*表色系で測定する(明度L1、色度a1,b1)。
(S12) つぎに、この画像を形成したOHPシートを図1に示す電子写真用オーバーコート組成物滴下装置(融解試験装置)に配置する。
(S13) ついで、OHPシート上10mmの高さから画像に電子写真用オーバーコート組成物(ここでは、オーバーコート剤)を滴下ビュレットを用いて所定量(0.3〜0.5mg/cm2)滴下する。
(S14) 滴下から一定時間(例えば10秒)経過後、オーバーコート剤を除去する。
(S15) オーバーコート剤除去後のトナー像の色をL*a*b*表色系で測定する(明度L2、色度a2,b2)。
(S16) オーバーコート剤の滴下前と、オーバーコート剤滴下除去後のトナー像の色差△E*を次式(1)に基づき求める。
△E*=((a2−a1)2+(b2−b1)2+(L2−L1)2)1/2 ・・・(1)
(S17) 得られた色差△E*が予め設定しておいた規定値範囲内であるか否かを判定する。色差△E*が規定値範囲内であればそのオーバーコート剤(電子写真用オーバーコート組成物)は合格とし、規定値範囲外であれば不合格とする。すなわち、色差△E*が規定値範囲内となるようなオーバーコート剤(電子写真用オーバーコート組成物)を選択する。
本発明の電子写真用オーバーコート組成物は、トナーを用いた電子写真方式によって記録媒体上に作成されたトナー像のオーバーコートに用いる重合性不飽和化合物を含む電子写真用オーバーコート組成物であって、当該電子写真用オーバーコート組成物を前記トナー像上10mmの高さから0.3〜0.5mg/cm2滴下し、10秒後に前記電子写真用オーバーコート組成物を除去した時、前記電子写真用オーバーコート組成物の滴下前と電子写真用オーバーコート組成物の滴下、除去後の前記トナー像の色差△E*が3≦△E*≦30となることを特徴とする。
ここで、本発明の電子写真用オーバーコート組成物の評価方法の評価により、前記重合性不飽和化合物の材料の選定及びその含有量の決定が行われることによりこれらの不具合を解決できるようになる。
その理由として、色差△E*が規定値範囲内となる電子写真用オーバーコート組成物は、トナー中の結着樹脂との親和性が高く、また結着樹脂と相溶するため、瞬時にかつ適度にトナー中に浸透できるためと考えられる。
電子写真用オーバーコート組成物の成分としては、重合性オリゴマー、重合性不飽和化合物、光重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、界面活性剤などが挙げられる。
前記重合性オリゴマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。
前記重合性オリゴマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性不飽和化合物としては、本発明の電子写真用オーバーコート組成物の評価方法に合格する限りにおいて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一官能の重合性不飽和化合物、二官能の重合性不飽和化合物、三官能の重合性不飽和化合物、四官能以上の重合性不飽和化合物などが挙げられる。
前記重合性不飽和化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性不飽和化合物としては、体積収縮率が15%以下のものが好ましい。
また、前記重合性不飽和化合物、及び前記重合性オリゴマーの色相はできるだけ無色透明に近いことが好ましく、ガードナーグレイスケールでは2以下が好ましい。ガードナーグレイスケールが2を越えると、画像部の色彩が変わることがあり、また地肌部の変色が目立ってしまうことがある。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルなどが挙げられる。前記光重合開始剤としては、市販品を用いることができる。市販品の前記光重合開始剤としては、例えば、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製のイルガキュア1300、イルガキュア369、イルガキュア907;BASF社製のルシリンTPOなどが挙げられる。
前記(I)式の水素引抜き型のベンゾフェノン系光重合開始剤を用いる場合には、光重合開始剤だけでは、反応が遅くなることがあるため、アミン系の増感剤を併用することにより反応性を高めることが好ましい。アミン系の増感剤を含有させることにより、水素引抜き作用により光重合開始剤に水素を供給する効果、及び空気中の酸素による反応阻害を防止する効果がある。
前記重合禁止剤は、前記電子写真用オーバーコート組成物の保存安定性を高めるために用いられる。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,6−ジtert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,3−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール(IA)、アンスラキノン、ハイドロキノン(HQ)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)などが挙げられる。
前記界面活性剤を前記電子写真用オーバーコート組成物に含有させることにより、トナーとオーバーコート組成物との界面に吸着性が付与されたり、オーバーコート組成物の表面張力を下げ、濡れ性が向上する。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、シリコーン界面活性剤、フルオロ界面活性剤などが挙げられる。
前記粘度は、例えば、B型粘度計(東洋精機製作所製)により測定することができる。
電子写真方式に用いられる前記トナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結着樹脂と、着色剤とを少なくとも含有し、好ましくはワックス、更に必要に応じて、その他の成分を含有するトナーが挙げられる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単独重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、定着される記録媒体との親和性から、ポリエステル樹脂を使用することが特に好ましい。
前記結着樹脂としては、活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル(プレポリマー)を含有してもよい。活性水素基含有化合物は、トナー製造過程において、前記活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステルが伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。該活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステルが伸張反応して高分子量化することにより、トナーの耐熱保存性や、定着後の画像のべたつきを効果的に低減させることができる。この場合、活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステルとしては、活性水素基含有化合物と反応可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばイソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、などを有する変性ポリエステルが挙げられる。これらの中でも、イソシアネート基を含有する変性ポリエステルが好ましい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、離型能力が高い点で、石油系ワックスが好ましい。前記石油系ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスとマイクロクリスタリンワックスとの混合ワックスなどが挙げられる。
ノルマルパラフィンは直鎖状構造であり、イソパラフィンは分枝鎖状構造である。直鎖状構造は、分子の偏りが少なく、極性は小さい。一方、分枝鎖状構造は、分子に偏りがあり、ノルマルパラフィンより極性は高い。極性が高いほどオーバーコート組成物の濡れ性が向上する。
前記その他の成分としては、例えば、帯電制御剤、磁性体、外添剤などが挙げられる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、感光体に帯電される電荷の正負に応じて、正又は負の荷電制御剤を適宜選択して用いることができる。
前記負の帯電制御剤としては、例えば、電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料、有機酸の金属錯体などが挙げられる。
前記負の帯電制御剤の市販品としては、例えば、ボントロン(品番:S−31、S−32、S−34、S−36、S−37、S−39、S−40、S−44、E−81、E−82、E−84、E−86、E−88、A、1−A、2−A、3−A)(いずれも、オリエント化学工業株式会社製)、カヤチャージ(品番:N−1、N−2)、カヤセットブラック(品番:T−2、004)(いずれも、日本化薬株式会社製);アイゼンスピロンブラック(T−37、T−77、T−95、TRH、TNS−2)(いずれも、保土谷化学工業株式会社製);FCA−1001−N、FCA−1001−NB、FCA−1001−NZ、(いずれも、藤倉化成株式会社製)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正の帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料等の塩基性化合物;4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物;高級脂肪酸の金属塩などが挙げられる。
前記正の帯電制御剤の市販品としては、例えば、ボントロン(品番:N−01、N−02、N−03、N−04、N−05、N−07、N−09、N−10、N−11、N−13、P−51、P−52、AFP−B)(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);TP−302、TP−415、TP−4040(いずれも、保土谷化学工業株式会社製);コピーブルーPR、コピーチャージ(品番:PX−VP−435、NX−VP−434)(いずれも、ヘキスト社製);FCA(品番:201、201−B−1、201−B−2、201−B−3、201−PB、201−PZ、301)(いずれも、藤倉化成株式会社製);PLZ(品番:1001、2001、6001、7001)(いずれも、四国化成工業株式会社製)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記磁性体としては、例えば、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き磁性酸化鉄、又は他の金属酸化物を含む酸化鉄、(2)鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金、(3)又はこれらの混合物、などが用いられる。
前記磁性体は、着色剤としても使用することができる。
前記外添剤としては、トナーに流動性、耐熱保存性、現像性、転写性、帯電性等を付与するための無機微粒子が挙げられる。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウムなどが挙げられる。また、シリコーンオイルやヘキサメチルジシラザンなどで疎水化処理されたシリカ微粒子や、特定の表面処理を施した酸化チタンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<数式1>
円形度SR=(トナー粒子の投影面積と同じ面積の円の周囲長)/(トナー粒子の投影像の周囲長)
まず、容器中の予め不純固形物を除去した水100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩)を0.1mL〜0.5mL加え、更に測定試料を0.1g〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000個/μL〜10000個/μLとして前記装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕法、特定の重合性単量体を含有する単量体組成物を水相中で直接的に重合する重合法(懸濁重合法、乳化重合法)、水系媒体中に特定の結着樹脂溶解液を乳化乃至分散させる方法、溶剤で溶解し脱溶剤して粉砕する方法、溶融スプレー法などが挙げられる。
前記粉砕法は、例えば、トナー材料を溶融し、混練した後、粉砕し、分級等することにより、前記トナーを得る方法である。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナーを製造する。
前記懸濁重合法は、油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤などを分散し、界面活性剤、その他固体分散剤などが含まれる水系媒体中で、後述する乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行い粒子化し、前記トナーを得る。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有するものを選ぶことよってトナー表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
前記乳化重合法としては、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。ラテックスとして懸濁重合法に使用される単量体と同様なものを用いればトナー表面に官能基を導入できる。
前記水系媒体中に特定の結着樹脂溶解液を乳化乃至分散させる方法としては、少なくとも結着樹脂を有するトナー材料の溶解液乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させ、乳化液乃至分散液を調製した後、トナーを造粒(水系造粒)する方式である。この方式としては、例えば以下の工程〔1〕〜〔4〕からなる。
前記トナー材料の溶解液乃至分散液は、着色剤、結着樹脂等のトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させることにより調製される。なお、前記有機溶剤は、トナーの造粒時乃至造粒後に除去される。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば水、該水と混和可能なアルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類等の溶剤、又はこれらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水系媒体の調製は、例えば、樹脂微粒子のような分散安定化剤を前記水系媒体に分散させることにより行うことができる。樹脂微粒子の水系媒体中への添加量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記樹脂微粒子としては、水系媒体中で水性分散液を形成し得る樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも微細な球状の樹脂微粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
また、前記水系媒体においては、必要に応じて、後述の乳化乃至分散時における、前記溶解液乃至分散液の油滴を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が特に好ましい。
前記トナー材料を含む溶解液乃至分散液を前記水系媒体中で乳化乃至分散させる際、トナー材料を含む溶解液乃至分散液を前記水系媒体中で攪拌しながら分散させるのが好ましい。分散の方法としては、特に限定されるものではないが、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(在原製作所製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)、コロイドミル(神鋼パンテック株式会社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機株式会社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工株式会社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業株式会社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業株式会社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機、などが挙げられる。これらの中でも、粒径の均一化の観点から、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが特に好ましい。
なお、前記溶解液乃至分散液に含まれる結着樹脂として活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステルを含む場合においては、乳化乃至分散時に反応が進行する。反応条件としては特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と前記活性水素基含有化合物との組合せに応じて適宜選択することができるが、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
次に、前記乳化乃至分散により得られた乳化スラリーから有機溶剤を除去する。有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法等が挙げられる。
電子写真方式に用いる前記記録媒体としては、前記トナーを定着させ得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記記録媒体の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、シート状の他、平面及び曲面を有する立体物でも構わない。前記記録媒体としては、例えば、紙等の媒体に透明トナーを均一に定着させ紙面を保護したもの(いわゆる、ニスコート)であってもよい。前記記録媒体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、布等を構成する一般的な繊維、液体透過層を有するOHP用シートのようなプラスチックフィルム、金属、樹脂、セラミックスなどが挙げられる。
本発明の電子写真形成方法は、少なくとも、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と、オーバーコート層形成工程とを含み、必要に応じて、適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程とを含む。なお、帯電工程と、露光工程とを合わせて静電潜像形成工程と称することもある。
前記帯電工程は前記帯電手段により、前記露光工程は前記露光手段により、前記現像工程は前記現像手段により、前記転写工程は前記転写手段により、前記定着工程は前記定着手段により、前記オーバーコート層形成工程は前記オーバーコート層形成手段により、前記除電工程は前記除電手段により、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により、前記リサイクル工程は前記リサイクル手段により好適に実施できる。
前記静電潜像形成工程は、電子写真感光体上に静電潜像を形成する工程である。
また、前記静電潜像形成手段は、電子写真感光体上に静電潜像を形成する手段である。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電器と、前記電子写真感光体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電器は、上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
前記帯電器が電子写真感光体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって電子写真感光体表面を帯電するものが好ましい。
また、帯電器が、電子写真感光体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって電子写真感光体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
また、前記露光としては、前記電子写真感光体に対してデジタル方式の静電潜像を書き込むことが好ましい。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像してトナー像(未定着状態のトナー像)を形成する工程である。
また、前記現像手段は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像してトナー像を形成する手段である。
前記トナーは、本発明の前記電子写真用オーバーコート組成物の説明において記載した前記トナーである。
前記現像剤は、前記トナーを用いた現像剤である。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記転写工程は、前記トナー像を記録媒体に転写する工程である。
また、前記転写手段は、前記トナー像を記録媒体に転写する手段である。
前記転写としては、中間記録媒体を用い、該中間記録媒体上にトナー像を一次転写した後、該トナー像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、トナー像を中間記録媒体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記トナー像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、トナー像を中間記録媒体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の記録媒体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体は、本発明の前記電子写真用オーバーコート組成物の説明において記載した前記記録媒体である。
前記定着工程は、記録媒体に転写されたトナー像を定着装置を用いて定着させる工程である。また、前記定着手段は、記録媒体に転写されたトナー像を定着装置を用いて定着させる手段である。
前記定着は、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
(塗布工程)
前記塗布工程は、転写された記録媒体上のトナー像に電子写真用オーバーコート組成物を塗布する工程である。
また、前記塗布手段は、転写された記録媒体上のトナー像に電子写真用オーバーコート組成物を塗布する手段である。
前記電子写真用オーバーコート組成物は、本発明の前記電子写真用オーバーコート組成物である。
前記塗布工程の後には、塗布された前記電子写真用オーバーコート組成物を硬化させてオーバーコート層とすることが好ましい。
前記電子写真用オーバーコート組成物が光硬化型の電子写真用オーバーコート組成物である場合には、光源からの光(主に紫外線)を照射することにより硬化させることができる。
前記電子写真用オーバーコート組成物が油性の電子写真用オーバーコート組成物である場合には、加熱をすることにより硬化させる硬化させることができる。
図4に示すように、オーバーコート層形成手段は、塗布ローラ2、金属ローラ3、圧接ローラ5、搬送ベルト6、トレイ7、光源8、スクレイバ9を有している。また、電子写真用オーバーコート組成物1は、塗布ローラ2と金属ローラ3の間に貯液されている。
電子写真用オーバーコート組成物1が塗布された記録媒体4は、搬送ベルト6により搬送され、光源8の下を通過する。その際、光源8からの紫外線により、記録媒体4に塗布された電子写真用オーバーコート組成物1は硬化し、オーバーコート層となる。その後、記録媒体4はトレイ7上に移動する。
なお、圧接ローラ5に付着した不要な電子写真用オーバーコート組成物1はスクレイバ9により除去される。
−−除電工程及び除電手段−−
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程である。
また、前記除電手段は、前記電子写真感光体に対し上電バイアスを印加して除電を行う手段である。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程である。
また、前記クリーニング手段は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する手段である。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程である。
また、前記リサイクル手段は、前記クリーニング手段により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる手段である。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程である。
また、前記制御手段は、前記各手段を制御する手段である。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
画像形成装置100Aは、感光体ドラム10と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置(不図示)と、現像手段としての現像器(ブラック用現像器45K、イエロー用現像器45Y、マゼンタ用現像器45M、シアン用現像器45C)と、中間転写体50と、クリーニング手段としてのクリーニングブレードを有するクリーニング装置60と、除電手段としての除電ランプ70を有する。
また、中間転写体50の近傍には、クリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。更に、記録媒体95にトナー像を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加することが可能な転写手段としての転写ローラ80が中間転写体50に対向して配置されている。
また、中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器52が、感光体ドラム10と中間転写体50の接触部と、中間転写体50と記録媒体95の接触部との間に配置されている。
画像形成装置100Aにおいて、前述したオーバーコート層形成手段(不図示)は、任意の位置に配設することができる。
画像形成装置100Bは、タンデム型カラー画像形成装置であり、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400を有する。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架されており、矢印方向に回転することができる。
複合トナー像が転写された記録媒体は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25に送り出される。そして、定着装置25において、定着ベルト26及び加圧ローラ27により、加熱加圧されて複合トナー像が記録媒体上に定着される。その後、記録媒体は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。あるいは、切換爪55で切り換えて反転装置28により反転されて再び転写位置へと導かれて、裏面にも画像を形成した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
なお、複合トナー像が転写された後に中間転写体50上に残留したトナーは、クリーニング装置17により除去される。
画像形成装置100Bにおいて、前述したオーバーコート層形成手段(不図示)は、任意の位置に配設することができる。
<トナー1及び現像剤1の作製>
−処方−
・ポリエステル樹脂 89質量部
(重量平均分子量(MW):68200、ガラス転移温度(Tg):65.5℃)
・マイクロクリスタリンワックス 5質量部
−イソパラフィン 15質量%
−平均分子量 650
・カーボンブラック(三菱化成社製、#44) 5質量部
・荷電制御剤(スピロンブラックTR−H、保土谷化学社製) 1質量部
以上の処方を混合し、2軸エクストルーダー(BCTA型、ビューラー社製)を用いて120℃で混練後、気流式粉砕機(ジェットミル、日清エンジニアリング社製)により粉砕、分級し質量平均粒径11.0μmとした後、ヘンシェルミキサー(FM型、三井三池化工社製)を用い、シリカ(R−972:日本アエロジル社製)2.2質量%を混合しトナーNo.1(以下、実施例内ではトナー1。他のナンバーについても同じ。現像剤、電子写真用オーバーコート組成物についてもこれに準ずる。)を得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.90、体積平均粒径は8μmであった。
キャリアとして平均粒径50μmのマグネタイト粒子にシリコーン樹脂をコート(厚み0.5μm)したものを用い、前記トナーとトナー濃度5.0質量%で混合し現像剤1を得た。
ペンタエリスリトールテトラアクリレート10質量部、トリメチロールプロパントリアクレート30質量部、及び重合禁止剤としてハイドロキノン0.3質量部をビーカーに入れ、攪拌しながら120℃まで加熱し、更にジアリルフタレートプレポリマー(ダイソーダップ100、ダイソー社製)50質量部を溶解させた。更にアルミニウムイソプロピレート2質量部をトルエン2質量部に分散させたものを除々に添加し、110℃で20分間攪拌した。この間溶剤として加えたトルエンを系外に除去し目的とする光硬化型ワニスベース剤を得た。
更に前記光硬化型ワニスベース剤75質量部、重合性不飽和化合物として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート60質量部、光重合開始剤としてベンゾフェノン10質量部、p−ジメチルアミノアセトフェノン5質量部、及び粘度調整剤としてフェニルグリコールモノアクリレート10質量部を混合し、3本ロールミルで十分混練し、光硬化型のオーバーコート組成物1を得た(重合性不飽和化合物の含有量37.5質量%)。
−融解性試験(本発明の電子写真用オーバーコート組成物の評価方法)−
OHPシートに所定のトナーを用いてマゼンタとイエローの2色重ね(赤)画像(付着量0.8mg/cm2)を形成し、分光濃度計(X−Rite938、エックスライト社製)において前記画像上に色差測定器の汚れ防止のためにさらに同じOHPシートを配置した状態で該画像の色をL*a*b*表色系で測定する。つぎに、図1の融解試験装置に画像を形成したOHPシートをセットするとともに、作製したオーバーコート組成物(ここでは、オーバーコート組成物1。以下、実施例、比較例ごとで対応するオーバーコート組成物。)を滴下ビュレットに入れ、OHPシートから10mmの高さに設定する。そして、オーバーコート組成物を0.3〜0.5mg/cm2滴下し、10秒間放置した後に除去する。ついで、色差測定器(X−Rite938)において画像のオーバーコート組成物滴下部分の色を同じOHPシートを配置した状態でL*a*b*表色系で測定し、式(1)に基づいて滴下前後の△E*を算出する。
オーバーコート組成物の粘度を25℃環境でB型粘度計(東洋精機製作所製)を使って測定する。オーバーコート組成物1の粘度は、200mPa・Sであった。
記録媒体としての王子製紙社製PODグロスコート(128g/m2)に、作製した現像剤(ここでは、現像剤1。以下、実施例、比較例ごとで対応する現像剤。)を用いた株式会社リコー製のimagio MP C7500でベタ部付着量0.4mg/cm2の条件で電子写真画像を出力し、印刷物を得た。
シナノケンシ社製UVニスコーター(SG610V)を用いてコーター速度10m/min、照射量120W/cm上記印刷物の印刷面に5g/m2(4.5μm)の厚みでオーバーコート組成物のコーティングを行った。光硬化型のオーバーコート組成物は、上記コーターにて硬化させた。油性のオーバーコート組成物はランプを当てずにチャンバーにて乾燥させ、硬化させた。硬化後の印刷物のオーバーコート組成物(オーバーコート層)のはじき発生状態を目視にて下記評価基準にて評価した。また同時に、トナー像(画像)の乱れの有無を目視で観察した。
◎:全くはじきなし
○:少しはじかれているように見えるが、全然問題なし
△:若干はじかれているが、問題ないレベルである
×:著しくはじかれている
シナノケンシ社製UVニスコーター(SG610V)を用いて上記印刷物の印刷面に5g/m2の厚みでオーバーコート組成物のコーティングを行った。光硬化型のオーバーコート組成物は、上記コーターにて硬化させた。水及び油性のオーバーコート組成物はランプを当てずにチャンバーにて乾燥させ、硬化させた。
硬化後の印刷物のトナー上のオーバーコート組成物をJIS K5400に準じて1mm間隔で100マスの基盤目状にカッターナイフで切り込み、セロハン粘着テープで引き剥がし、ルーペで見ながら剥がれなかったマスをカウントし、(剥れなかったマス数)/(全マス数)について下記評価基準にて評価した。
◎:100/100
○:80/100〜99/100
△:40/100〜79/100
×:0/100〜39/100
<トナー2及び現像剤2の作製>
実施例1において、マイクロクリスタリンワックスをマイクロクリスタリンワックスとパラフィンワックスの混合ワックス(イソパラフィン8質量%、平均分子量520)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー2、及び現像剤2を得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.90、体積平均粒径は7μmであった。
ポリエステルアクリレートオリゴマー(EBECRYL846、ダイセルサイテック社製、MW1,100)40質量部、トリプロピレングリコールジアクリレート質量30部、重合性不飽和化合物としてアクリロイルモルホリン50質量部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.2質量部、光重合開始剤としてベンゾインエチルエーテル8質量部、及び増感剤としてトリイソプロパノールアミン3質量部を混合し、60℃で20分攪拌して、光硬化型のオーバーコート組成物2を得た(重合性不飽和化合物の含有量38.1質量%)。
実施例1において、現像剤及びオーバーコート組成物を上記で得た現像剤2及びオーバーコート組成物2に代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価(実施例1に記載の評価。以下、同じ。)を行った。
なお、オーバーコート組成物2の粘度は、450mPa・Sであった。
<トナー3及び現像剤3の作製>
実施例1において、マイクロクリスタリンワックスをマイクロクリスタリンワックスとパラフィンワックスの混合ワックス(イソパラフィン11質量%、平均分子量470)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー3及び現像剤3を得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.91、体積平均粒径は7.8μmであった。
ウレタンアクリレートオリゴマー(EBECRYL5129、ダイセルサイテック社製、MW800)10質量部、ヘキサンジオールジアクリレート40質量部、シクロヘキシルアクリレート10質量部、重合性不飽和化合物としてエチルカルビトールアクリレート80質量部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.2質量部、及び光重合開始剤としてベンジル(1,2−ジフェニルエタンジオン)6質量部を混合し、60℃で20分攪拌して、光硬化型のオーバーコート組成物3を得た(重合性不飽和化合物の含有量54.7質量%)。
実施例1において、現像剤及びオーバーコート組成物を上記で得た現像剤3及びオーバーコート組成物3に代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物3の粘度は、20mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物4の作製>
ポリエステルアクリレートオリゴマー(EBECRYL1830、ダイセルサイテック社製、MW1,500)60質量部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレート(V#700、大阪有機化学社製)30質量部、2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、重合性不飽和化合物として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート20質量部、重合禁止剤として2、6−ジtert−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.4質量部、及び光重合開始剤としてイルガキュアー184(チバスペシャリティケミカル社製)9質量部を混合し、60℃で20分攪拌して、光硬化型のオーバーコート組成物4を得た(重合性不飽和化合物の含有量16.1質量%)。
実施例1において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物4に代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物4の粘度は、750mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物5の作製>
カルトンセルフGWニス(DIC社製)を使用した。該ニスはロジン変性フェノール樹脂ワニス、重合亜麻仁油、軽油及び助剤(ドライヤー、皮膜補強剤など)からなる。カルトンセルフGWニス100質量部、及び重合性不飽和化合物としてエチルカルビトールアクリレート20質量部を混合し、30℃で10分攪拌して、オーバーコート組成物5を得た(重合性不飽和化合物の含有量16.7質量%)。
実施例1において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物5に代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物5の粘度は、300mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物6の作製>
実施例1において、光硬化型ワニスベース剤を75質量部から70質量部に変え、かつ界面活性剤としてポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル5質量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、光硬化型のオーバーコート組成物6を得た(重合性不飽和化合物の含有量37.5質量%)。
実施例1において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物6に代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物6の粘度は、185mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物7の作製>
実施例4において、2−エチルヘキシルアクリレートを5質量部から3質量部に変え、かつジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(アニオン系界面活性剤)2質量部を配合した以外は、実施例4と同様にして、オーバーコート組成物7を得た(重合性不飽和化合物の含有量16.1質量%)。
実施例1において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物7に代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物7の粘度は、420mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物8の作製>
実施例5において、カルトンセルフGWニスを100質量部から96質量部に変え、かつアルキルベンゼンスルホン酸塩(アニオン系界面活性剤)4質量部を配合した以外は、実施例5と同様にして、オーバーコート組成物8を得た(重合性不飽和化合物の含有量16.7質量%)。
実施例1において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物8に代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物8の粘度は、270mPa・Sであった。
<トナー4、及び現像剤4の製造>
<<トナー4の製造>>
−トナー材料の溶解乃至分散液の調製−
−−未変性ポリエステル(低分子ポリエステル)の合成−−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。
次いで、得られた反応液を10mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2100、重量平均分子量(Mw)が5600、ガラス転移温度(Tg)が55℃であった。
水1000質量部、及びカーボンブラック(Printex35、デグサ社製、DBP吸油量=42mL/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。
得られた混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。
次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2100、重量平均分子量(Mw)が9600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30質量部及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は423であった。
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル300質量部を仕込み、スチレン−アクリルモノマー混合物(スチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸/アクリル酸2−ヒドロキシルエチル=75/15/5/5)300質量部、及びアゾビスイソブチルニトリル10質量部を投入して、常圧窒素雰囲気下60℃で15時間反応させた。
次いで反応液にメタノール200質量部を加え、1時間の攪拌後上澄みを除去し、減圧乾燥させてスチレン-アクリル共重合体樹脂を合成した。
ビーカー内に、前記プレポリマー10質量部、前記未変性ポリエステル60質量部、酢酸エチル130質量部、及び前記スチレン−アクリル共重合体30質量部を入れ、攪拌し溶解させた。
次いで、マイクロクリスタリンワックス(イソパラフィン15%質量、平均分子量=650)10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、前記ケチミン2.7質量部を加えて溶解させ、トナー材料の溶解乃至分散液を調製した。
イオン交換水306質量部、リン酸三カルシウム10質量%懸濁液265質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を混合撹拌し、均一に溶解させて水系媒体相を調製した。
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。
得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。
更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。
得られたトナー母体粒子100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8質量部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナー4を得た。
得られたトナーの平均円形度は0.940、体積平均粒径は5.7μmであった。
−キャリアの製造−
アクリル樹脂溶液(シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート=80/20(質量比)共重合体のトルエン溶液、三菱レイヨン社製モノマーからの合成、固形分50質量%)21.0質量部、グアナミン溶液(スーパーベッカミンTD−126、DIC社製、固形分70質量%)6.4質量部、アルミナ粒子(スミコランダムAA−03、住友化学社製、0.3μm、固有抵抗値1014(Ω・cm)、分子量Mw55000)7.6質量部、シリコーン樹脂溶液65.0質量部(SR2410、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、固形分23質量%)、アミノシラン(SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、固形分100質量%)1.0質量部、トルエン60質量部、及びブチルセロソルブ60質量部をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂の被覆膜形成溶液を得た。
芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0:平均粒径35μm]を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に厚み0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した後、生成物を電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後を目開き106μmの篩を用いて解砕し、重量平均粒径35μmのキャリアを得た。
キャリア100質量部に対して、トナー7質量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて現像剤4を得た。
実施例1において、現像剤を上記で得た現像剤4に代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価を行った。
<トナー5及び現像剤5の作製>
実施例9において、マイクロクリスタリンワックスをマイクロクリスタリンワックスとパラフィンワックスの混合ワックス(イソパラフィン8質量%、平均分子量520)に代えた以外は、実施例9と同様にして、トナー5及び現像剤5を得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.90、体積平均粒径は7.5μmであった。
実施例1において、現像剤を上記で得た現像剤5に代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価を行った。
<トナー6及び現像剤6の作製>
実施例9において、マイクロクリスタリンワックスをマイクロクリスタリンワックスとパラフィンワックスの混合ワックス(イソパラフィン11質量%、平均分子量470)に代えた以外は、実施例9と同様にして、トナー6及び現像剤6を得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.95、体積平均粒径は5.8μmであった。
実施例1において、現像剤を上記で得た現像剤6に代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価を行った。
<トナー7及び現像剤7の作製>
実施例1において、マイクロクリスタリンワックスをパラフィンワックス(イソパラフィン2質量%、平均分子量400)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー7及び現像剤7を得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.90、体積平均粒径は7.6μmであった。
実施例1において、現像剤及びオーバーコート組成物を上記で得た現像剤7及びオーバーコート組成物2に代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価を行った。
<トナー8及び現像剤8の作製>
実施例9において、マイクロクリスタリンワックスをパラフィンワックス(イソパラフィン2質量%、平均分子量400)に代えた以外は、実施例9と同様にして、トナー8及び現像剤8を得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.95、体積平均粒径は5.7μmであった。
実施例1において、現像剤及びオーバーコート組成物を上記で得た現像剤8及びオーバーコート組成物3に代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価を行った。
<評価>
実施例3において、マスクを用いてトナー画像部のみにオーバーコートを行った以外は、実施例3と同様にして、前記評価を行った。なお、地肌部はオーバーコートされていないため、画像部のみに光沢がある印刷物が得られた。
<オーバーコート組成物1Xの作製>
実施例1において、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを1,9−ノナンジオールジアクリレートに代えた以外は、実施例1と同様にして、オーバーコート剤1Xを得た(重合性不飽和化合物の含有量37.5質量%)。
実施例1において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物1Xに代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物1Xの粘度は、200mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物2Xの作製>
実施例2において、アクリロイルモルホリンを1,9−ノナンジオールジアクリレートに代えた以外は、実施例2と同様にして、オーバーコート剤2Xを得た(重合性不飽和化合物の含有量38.1質量%)。
実施例2において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物2Xに代えた以外は、実施例2と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物2Xの粘度は、470mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物3Xの作製>
実施例3において、エチルカルビトールアクリレートを1,9−ノナンジオールジアクリレートに代えた以外は、実施例3と同様にして、オーバーコート組成物3Xを得た。
実施例3において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物3Xに代えた以外は、実施例3と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物3Xの粘度は、40mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物4Xの作製>
実施例4において、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートをトリプロピレングリコールジアクリレートに代えた以外は、実施例4と同様にして、オーバーコート組成物4Xを得た。
実施例4において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物4Xに代えた以外は、実施例4と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物4Xの粘度は、770mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物5Xの作製>
実施例5において、エチルカルビトールアクリレートをトリプロピレングリコールジアクリレートに代えた以外は、実施例5と同様にして、オーバーコート組成物5Xを得た。
実施例5において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物5Xに代えた以外は、実施例5と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物5Xの粘度は、320mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物6Xの作製>
実施例6において、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートをトリプロピレングリコールジアクリレートに代えた以外は、実施例6と同様にして、オーバーコート組成物6Xを得た。
実施例6において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物6Xに代えた以外は、実施例6と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物6Xの粘度は、190mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物7Xの作製>
実施例7において、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートをトリメチロールプロパントリアクリレートに代えた以外は、実施例7と同様にして、オーバーコート組成物7Xを得た。
実施例7において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物7Xに代えた以外は、実施例7と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物7Xの粘度は、430mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物8Xの作製>
実施例8において、エチルカルビトールアクリレートをトリメチロールプロパントリアクリレートに代えた以外は、実施例8と同様にして、オーバーコート組成物8Xを得た。
実施例8において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物8Xに代えた以外は、実施例8と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物8Xの粘度は、310mPa・Sであった。
<評価>
実施例9において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物1Xに代えた以外は、実施例9と同様にして、前記評価を行った。
<評価>
実施例10において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物1Xに代えた以外は、実施例10と同様にして、前記評価を行った。
<評価>
実施例11において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物1Xに代えた以外は、実施例11と同様にして、前記評価を行った。
<評価>
実施例12において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物2Xに代えた以外は、実施例12と同様にして、前記評価を行った。
<評価>
実施例13において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物3Xに代えた以外は、実施例13と同様にして、前記評価を行った。
<評価>
<オーバーコート組成物9Xの作製>
実施例1において、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートの添加量を10質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして、オーバーコート組成物9Xを得た(重合性不飽和化合物の含有量9.1質量%)。
実施例1において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物9Xに代えた以外は、実施例1と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物9Xの粘度は、280mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物10Xの作製>
実施例2において、アクリロイルモルホリンの添加量を300質量部に代えた以外は、実施例2と同様にして、オーバーコート組成物10Xを得た(重合性不飽和化合物の含有量78.7質量%)。
実施例2において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物10Xに代えた以外は、実施例2と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物10Xの粘度は、15mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物11Xの作製>
実施例3において、エチルカルビトールアクリレートの添加量を5質量部に代えた以外は、実施例3と同様にして、オーバーコート組成物11Xを得た(重合性不飽和化合物の含有量7.0質量%)。
実施例3において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物11Xに代えた以外は、実施例3と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物11Xの粘度は、100mPa・Sであった。
<オーバーコート組成物12Xの作製>
実施例4において、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートの添加量を200質量部に代えた以外は、実施例4と同様にして、オーバーコート組成物12Xを得た(重合性不飽和化合物の含有量65.7質量%)。
実施例4において、オーバーコート組成物をオーバーコート組成物12Xに代えた以外は、実施例4と同様にして、前記評価を行った。
なお、オーバーコート組成物12Xの粘度は、200mPa・Sであった。
融解性試験による色差△E*が3以上、30以下の範囲となるオーバーコート組成物(実施例1〜14)によれば、オーバーコート組成物のはじきがなく、オーバーコート層として密着性が良好であり、トナー像(画像)の乱れのないものが得られた。
また色差△E*が3以上、30以下の範囲を外れるオーバーコート組成物(比較例1〜17)によると、オーバーコート組成物のはじき、オーバーコート層としての密着性不良の少なくともいずれかが発生し、あるいはトナー像(画像)の乱れが発生した。
2 塗布ローラ
3 金属ローラ
4 記録媒体
5 圧接ローラ
6 搬送ベルト
7 トレイ
8 光源
9 スクレイバ
10 感光体ドラム
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14、15、16 支持ローラ
17 クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
30 露光光
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読み取りセンサ
42K、42Y、42M、42C 現像剤収容部
43K、43Y、43M、43C 現像剤供給ローラ
44K、44Y、44M、44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 コロナ帯電器
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
58 分離ローラ
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写ローラ
63 クリーニング装置
64 除電ランプ
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録媒体
100A、100B 画像形成装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
151 手差しトレイ
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
L 露光光
Claims (2)
- トナーを用いた電子写真方式によって記録媒体上に作成されたトナー像のオーバーコートに用いる電子写真用オーバーコート組成物の評価方法であって、
少なくとも着色剤と樹脂からなるトナーをシート上に定着させたトナー像上に、電子写真用オーバーコート組成物を滴下し、該電子写真用オーバーコート組成物を除去した時の前記電子写真用オーバーコート組成物の滴下前と電子写真用オーバーコート組成物の滴下、除去後の前記トナー像の色差から前記トナー像に対する前記電子写真用オーバーコート組成物としての適性を評価することを特徴とする電子写真用オーバーコート組成物の評価方法。 - 前記電子写真用オーバーコート組成物を前記トナー像上10mmの高さから0.3〜0.5mg/cm2滴下し、10秒後に前記電子写真用オーバーコート組成物を除去した時、前記電子写真用オーバーコート組成物の滴下前と電子写真用オーバーコート組成物の滴下、除去後の前記トナー像の色差△E*が3≦△E*≦30であると、前記電子写真用オーバーコート組成物が前記トナー像に対して適性を有すると評価することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用オーバーコート組成物の評価方法。
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