JP4796481B2 - キャリア及びその製造方法、並びに現像剤及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
<1> 液体状態の二酸化炭素中で少なくとも被覆用材料を溶解する溶解工程と、
前記少なくとも被覆用材料を溶解させた液を圧力及び温度の少なくともいずれかの制御により溶解度を低下させて、芯材表面に被覆層を形成する被覆層形成工程とを含むことを特徴とするキャリアの製造方法である。
<2> 溶解工程における圧力が、二酸化炭素の臨界圧力(7.38MPa)以上である前記<1>に記載のキャリアの製造方法である。
<3> 被覆層形成工程において、液体状態の二酸化炭素を、超臨界乃至亜臨界状態の二酸化炭素に変える前記<1>から<2>のいずれかに記載のキャリアの製造方法である。
<4> 被覆層形成工程において、圧力を大気圧まで降圧する前記<1>から<3>のいずれかに記載のキャリアの製造方法である。
<5> 被覆層形成工程において、二酸化炭素の臨界温度(31℃)以上に昇温した後、圧力を大気圧まで降圧する前記<1>から<4>のいずれかに記載のキャリアの製造方法である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のキャリアの製造方法により製造されることを特徴とするキャリアである。
<7> 前記<6>に記載のキャリアと、トナーとからなることを特徴とする現像剤である。
<8> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<7>に記載の現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
<9> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を前記<7>に記載の現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<10> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記<7>に記載の現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明のキャリアの製造方法は、溶解工程と、被覆層形成工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明のキャリアは、本発明の前記キャリアの製造方法により製造される。
以下、本発明のキャリアの製造方法の説明を通じて、本発明のキャリアの詳細についても明らかにする。
前記溶解工程は、液体状態の二酸化炭素中で少なくとも被覆用材料を溶解する工程である。即ち、被覆用材料の溶媒として液体状態の二酸化炭素を用いる。このように液体状態の二酸化炭素を溶媒とすることにより、被覆用材料に対する溶解性が高まり、所望の厚みの被覆層の形成が容易になる。
前記二酸化炭素は、臨界圧力が7.38MPa、臨界温度が31℃であり、容易に超臨界状態となり得ると共に、不燃性でしかも安全性が高く、非水系溶媒なので疎水性表面のキャリアが得られ、また、常圧に戻す(圧力を開放する)だけでガス化するため回収再利用も容易であり、得られたキャリアは乾燥が不要であり、廃液も発生しない点から地球環境にもやさしいので特に好ましい。
前記溶解工程における圧力は、被覆用材料の溶解性の点から二酸化炭素の臨界圧力(7.38MPa)以上が好ましく、8.0〜40.0MPaがより好ましい。また、前記溶解工程における温度は、30℃以下が好ましく、−30〜30℃がより好ましい。
また、前記二酸化炭素に加え、エントレーナー(共沸剤)を添加することもできる。このエントレーナーの添加により、被覆用材料の溶解度を向上させることができる。前記エントレーナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、極性有機溶媒が好ましい。該極性有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサン、トルエン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、アンモニア、メラミン、尿素、チオエチレングリコールなどが挙げられる。これらの中でも、常温、常圧下で貧溶媒性を示す炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4)の低級アルコール系溶媒が好適である。
前記被覆層形成工程は、少なくとも被覆用材料を溶解させた液を圧力及び温度の少なくともいずれかの制御により溶解度を低下させて芯材表面に被覆層を形成する工程である。
ここで、前記超臨界乃至亜臨界状態の二酸化炭素とは、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度及び圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮を起こさず、臨界温度以上、かつ、臨界圧力以上の状態にある二酸化炭素を意味する。
前記被覆用材料を溶解させた液を、溶解度を低下させるため、圧力を大気圧まで降圧する。具体的には、二酸化炭素の臨界温度(31℃)以上に昇温した後、圧力を大気圧まで降圧する。これにより、芯材表面に被覆層が効率よく形成される。
なお、前記被覆層形成工程において、前記液体状態の二酸化炭素を、超臨界乃至亜臨界状態の二酸化炭素に変えず、そのまま液体状態を維持した後、大気圧まで降圧させても構わない。
図1により具体的に説明すると、キャリア処理タンク110内に、被覆用材料及び芯材を仕込み、攪拌子114で攪拌しながらバルブ3を開け、加圧ポンプ1で二酸化炭素ボンベ113から二酸化炭素を供給して25MPa、15℃にした後、バルブ3を閉じる。キャリア処理タンク110内を25MPa、15℃で2時間維持した後、バルブ5、バルブ6を開け、減圧ポンプ1で圧力を一定に保ちながらキャリア処理タンク110内を40℃に昇温し、バルブ5、バルブ6を閉じる。
キャリア処理タンク110内を25MPa、40℃で0.5時間維持した後、バルブ5、バルブ6を開け、減圧ポンプ1で2時間かけて常圧に戻す。更に、キャリア処理タンク110を160℃で2時間加熱処理し、キャリアを製造することができる。なお、使用されなかった被覆用材料及び芯材は、キャリア処理溶解タンク110と原料回収タンク112の双方から回収でき、再利用することができる。
また、必要に応じてエントレーナタンク111から加圧ポンプ2でエントレーナ(共沸剤)を供給した後、バルブ2、バルブ4を閉じてもよい。
なお、図1中、115は温調ジャケット、116は冷却ジャケットをそれぞれ表す。
前記被覆層は、少なくとも被覆用材料を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記被覆用材料(以下、「被覆用樹脂」と称することもある)としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、効果が高い点からシリコーン樹脂が特に好ましい。
前記アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、などが挙げられる。
前記アミノ基としては、例えばアミノプロピル基、イミノプロピル基、アミノフェノキシメチル基などが挙げられる。
ここで、前記シリコーン樹脂の質量平均分子量の測定は、以下に示す方法で測定することができる。
・ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー株式会社製)
・カラム:TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー株式会社製)
・温度:40℃
・溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:0.35ml/min
・試料:0.15質量%の試料を0.4ml注入
・試料の前処理:トナーをテトラヒドロフラン(THF;和光純薬株式会社製)に0.15質量%溶解後、0.2μmフィルターで濾過した濾液を試料溶液として用いる。
前記試料溶液を100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する(即ち、ポリスチレン換算分子量で算出する)。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工株式会社製Showdex STANDARDのStd.No.S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580のトルエンを用いる。検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いる。
前記シリコーン樹脂のシラノール濃度は、成膜後に架橋させるために1〜40質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。前記シラノール濃度が40質量%を超えると、架橋膜が硬くて脆くなり易く、耐久性が悪くなったり、未反応のシラノール基が残留することから、キャリアの環境安定性が悪くなることがある。一方、前記シラノール濃度が1質量%未満であると、被覆用樹脂としての被覆性能に劣ることがある。
また、前記シリコーン樹脂としては変性シリコーン樹脂を用いることもでき、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング株式会社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、SF8417、BY16−850、BY16−872(アミノ変性)などが挙げられる。
前記アミノシランカップリング剤としては、下記式で表されるものが好適である。該アミノシランカップリング剤の含有量は、0.001〜30質量%が好ましく、0.001〜15質量%がより好ましい。被覆層にアミノシランカップリング剤を含有させることによりキャリアの経時での安定性が良好となり、耐久性が向上する。
前記被覆層には、必要に応じて微粒子を添加することができる。前記微粒子としては、特に制限はなく、電子写真用二成分キャリアとして公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粉、種々の金属酸化物粒子等の無機微粒子が好ましく用いられる。これらの中でも、酸化ケイ素、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物粒子は容易に均一な微細粒径の粒子が得られ、かつ、使用する粒子によって様々な電気特性や機械的な強度を得ることができる。また、シリコーン樹脂の縮合硬化の過程で、キャリアを高温に加熱しても、微粒子が熱的に安定であることも重要である。
前記微粒子の添加量は、前記被覆用樹脂100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、1〜70質量部がより好ましい。
前記芯材としては、特に制限はなく、電子写真用二成分キャリアとして公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、が好適に挙げられる。また、近年著しく進む環境面への配慮をし、フェライトであれば、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、例えば、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト等を用いることが好適である。
前記芯材は、静電潜像担持体へのキャリア付着(飛散)防止の点から、体積平均粒径が20μm以上が好ましく、キャリアスジ等の発生防止等画質低下防止の点から100μm以下がより好ましく、近年の高画質化に対しては、体積平均粒径が20〜50μmが特に好ましい。
ここで、前記芯材の体積平均粒径は、例えば、「マイクロトラック粒度分析計SRA」(日機装株式会社製)を使用して、0.7〜125μmのレンジ設定で測定することができる。
ここで、前記被覆層の厚みは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察して測定することができる。
本発明の現像剤は、本発明の前記キャリアと、トナーとを含む二成分現像剤である。
前記現像剤におけるトナーとキャリアの混合割合は、キャリア100質量部に対しトナー1.0〜10.0質量部が好ましい。
前記トナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含んでなり、離型剤、帯電制御剤、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、粉砕法、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等がある。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、等が好適に挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、感光体に帯電される電荷の正負に応じて正又は負の荷電制御剤を適宜選択して用いることができる。
前記負の帯電制御剤としては、例えば、電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料、有機酸の金属錯体、などを用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:S−31、S−32、S−34、S−36、S−37、S−39、S−40、S−44、E−81、E−82、E−84、E−86、E−88、A、1−A、2−A、3−A)(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);カヤチャージ(品番:N−1、N−2)、カヤセットブラック(品番:T−2、004)(いずれも、日本化薬株式会社製);アイゼンスピロンブラック(T−37、T−77、T−95、TRH、TNS−2)(いずれも保土谷化学工業株式会社製);FCA−1001−N、FCA−1001−NB、FCA−1001−NZ、(いずれも、藤倉化成株式会社製)、などが挙げられる。
前記正の帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料等の塩基性化合物、4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物、高級脂肪酸の金属塩等を用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:N−01、N−02、N−03、N−04、N−05、N−07、N−09、N−10、N−11、N−13、P−51、P−52、AFP−B)(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);TP−302、TP−415、TP−4040(いずれも、保土谷化学工業株式会社製);コピーブルーPR、コピーチャージ(品番:PX−VP−435、NX−VP−434)(いずれも、ヘキスト社製);FCA(品番:201、201−B−1、201−B−2、201−B−3、201−PB、201−PZ、301)(いずれも、藤倉化成株式会社製);PLZ(品番:1001、2001、6001、7001)(いずれも、四国化成工業株式会社製)、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シリカ微粒子としては、例えば、アエロジル(品番:130、200V、200CF、300、300CF、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、RX200、RY200、R972、R974、R976、R805、R811、R812、T805、R202、VT222、RX170、RXC、RA200、RA200H、RA200HS、RM50、RY200、REA200)(いずれも、日本アエロジル株式会社製);HDK(品番:H20、H2000、H3004、H2000/4、H2050EP、H2015EP、H3050EP、KHD50)、HVK2150(いずれも、ワッカーケミカル社製);カボジル(品番:L−90、LM−130、LM−150、M−5、PTG、MS−55、H−5、HS−5、EH−5、LM−150D、M−7D、MS−75D、TS−720、TS−610、TS−530)(いずれも、キャボット社製)等を用いることができる。
前記無機微粒子の添加量としては、トナー母体粒子100質量部に対し0.1〜5.0質量部が好ましく、0.8〜3.2質量部がより好ましい。
以上のトナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸の連続混練機、二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所社製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、株式会社池貝製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、バインダー樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナーを製造する。
前記重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基を有する(メタ)アクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有するものを選ぶことによって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
前記トナー材料としては、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、結着樹脂と、帯電制御剤と、着色剤とを反応させて得られる接着性基材などを少なくとも含み、更に必要に応じて、樹脂微粒子、離型剤などのその他の成分を含んでなる。
前記平均円形度が、0.900未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.980を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、10μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記現像剤入り容器は、本発明の前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、現像剤容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像剤容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物である現像剤が排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記現像剤容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
かかる現像剤入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述するプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けて現像剤の補給に好適に使用することができる。
本発明で用いられるプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容された現像剤を担持し、かつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱可能に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
次に、図2に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー現像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明に用いられる画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触ないし非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、前記現像剤入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記現像剤である。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図5中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
−トナー1の作製−
ポリエステル樹脂(質量平均分子量=12,000)100質量部、銅フタロシアニン顔料2質量部、及び下記構造式(A)で表される帯電制御剤(ノニレンパーフルオロエーテル−p−トリメチルアミノプロピルアミドフェニルのヨウ素塩)2質量部を、熱ロールを用いて120℃で混練し、冷却して固化した後、粉砕し、分級して、体積平均粒径7.1μm、個数平均粒径5.8μm、平均円形度0.953のトナー母体粒子を得た。
−トナー2の作製−
ポリエステル樹脂(質量平均分子量=12,000)100質量部、カーボンブラック5質量部、及び下記構造式(B)で表される含クロムアゾ染料2質量部を、熱ロールを用いて120℃で混練し、冷却して固化した後、粉砕し、分級して、体積平均粒径7.3μm、個数平均粒径6.0μm、平均円形度0.955のトナー母体粒子を得た。
<トナー3の作製>
−有機微粒子エマルションの合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)11質量部、スチレン83質量部、メタクリル酸83質量部、アクリル酸ブチル110質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。次いで、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを[微粒子分散液1]とする。
得られた[微粒子分散液1]に含まれる微粒子の体積平均粒径を、レーザー散乱法を用いた粒径分布測定装置(「LA−920」、堀場製作所製)により測定したところ、105nmであった。また、[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分のみを単離した。この樹脂分のガラス転移温度(Tg)は59℃であり、質量平均分子量は15万であった。
水990質量部、[微粒子分散液1]83質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。この液体を[水相1]とする。
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、アジピン酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧下に5時間反応した後、反応容器内に無水トリメリット酸44質量部を入れ、常圧下、180℃で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を合成した。
得られた[低分子ポリエステル1]のガラス転移温度(Tg)は45℃であり、質量平均分子量は5,800であり、数平均分子量(Mn)は2,600であり、酸価は24mgKOH/gであった。
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応し、[中間体ポリエステル1]を合成した。
得られた[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量(Mn)2,100、質量平均分子量9,500、ガラス転移温度(Tg)55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価51mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、[中間体ポリエステル1]410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を入れ、100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。
得られた[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.74%であった。
撹拌棒、及び温度計の付いた反応容器内に、イソホロンジアミン170質量部、及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を合成した。得られた[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
水1,200質量部、カーボンブラック(PBk−7:Printex60、デグサ社製)540質量部〔DBP吸油量=114ml/100mg、pH=10〕、及びポリエステル樹脂(三洋化成工業株式会社製、RS801)1,200質量部を加えてヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合した。得られた混合物を2本ロールを用いて、150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕してマスターバッチを得た。これを[マスターバッチ1]とする。
撹拌棒、及び温度計の付いた反応容器内に、[低分子ポリエステル1]300質量部、カルナウバワックス90質量部、ライスワックス10質量部、及び酢酸エチル1000質量部を仕込み、撹拌しながら79℃で溶解させた後に一気に4℃まで急冷した。これをビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で分散を行い、体積平均粒径0.6μmのワックス分散液を得た。
次いで、「マスターバッチ1」500質量部と、「低分子ポリエステル1」の70質量%酢酸エチル溶液640質量部を加え、10時間混合した後に前記ビーズミルで5パスし、酢酸エチルを加えて固形分濃度50質量%に調整した「油相1」を作製した。
[油相1]73.2質量部、[プレポリマー1]6.8質量部、及び[ケチミン化合物1]0.48質量部を容器内に入れ、充分混合した[乳化油相1]に[水相1]120質量部を加え、ホモミキサーで1分間混合した後、パドルで1時間ゆっくり攪拌しながら収斂させて、[乳化スラリー1]を得た。
得られた[乳化スラリー1]を、30℃で1時間脱溶剤し、更に60℃で5時間熟成して水洗浄し、濾過して、乾燥を行った後に、目開き75μmメッシュで篩い、体積平均粒径6.1μm、個数平均粒径5.4μm、平均円形度0.972のトナー母体粒子を作製した。
次に、得られたトナー母体粒子100質量部に疎水性シリカ0.7質量部と、疎水化酸化チタン0.3質量部とをヘンシェルミキサーを用いて混合して、「トナー3」を作製した。
−キャリア1の作製−
図1に示す装置を用いて、キャリア処理タンク(内容積400mL)110内に、シリコーン樹脂A(重量平均分子量(Mw)=12,500、数平均分子量(Mn)=6,500、Mw/Mn=1.92)7質量部、及び体積平均粒径35μmのフェライト芯材(1kガウスでの飽和磁気モーメント=65emu/g)100質量部(表面積7.27m2)を仕込み、攪拌しながらバルブ3を開け、加圧ポンプ1で二酸化炭素(純度=99.5%、ガステックサービス株式会社製)を供給して、溶解条件1(25MPa、15℃)にした後、バルブ3を閉じた。
キャリア処理タンク110内を25MPa、15℃で2時間維持した後、バルブ5、バルブ6を開け、減圧ポンプ1で圧力を一定に保ちながらタンク内を40℃に昇温し、バルブ5、バルブ6を閉じた。
キャリア処理タンク110内を25MPa、40℃で0.5時間維持した後、バルブ5、バルブ6を開け、減圧ポンプ1で2時間かけて常圧に戻した。更に、キャリア処理タンク110内を160℃で2時間加熱処理した。以上により、キャリア1を作製した。なお、使用されなかった芯材及び被覆用樹脂は、キャリア処理タンク110と原料回収タンク112の双方から回収でき、再利用することができた。
キャリア断面の重心から45度ずつ8本の放射線を引き、キャリア表面との交点である8箇所で測定した計80箇所の被覆層の厚みを測定し、その平均値、及び標準偏差を算出した。
具体的には、図7に示すように、キャリア断面を2000倍の走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−4200)で撮影し、得られたキャリア断面SEM写真から、任意に10個のキャリアを選びだす。そして、図8に示すように、キャリア断面の重心から45度ずつ8本の放射線を引き、キャリア表面との交点である8箇所の被覆層の厚みを、10個のキャリアについてそれぞれ測定し、その平均値を被覆層厚みとし、80個の測定における標準偏差を算出した。
2mmの間隔で平行に配置した電極を有する容器に各キャリアを充填し、両極間の電位差50Vでの直流抵抗を横川ヒューレットパッカード株式会社製の4329A High Resistance Meterを用いて測定した。
−キャリア2の作製−
実施例1において、シリコーン樹脂Aを、シリコーン樹脂B(重量平均分子量(Mw)=18,000、数平均分子量(Mn)=9,000、Mw/Mn=2.00)に変えた以外は、実施例1と同様にして、キャリア2を作製した。
得られたキャリア2について、実施例1と同様にして測定した被覆層の平均厚みは0.34μm、標準偏差は0.04であり、電気抵抗はLogR13.5Ω・cmであった。
−キャリア3の作製−
実施例1において、溶解条件1(25MPa、15℃)を溶解条件2(7MPa、15℃)に変えた以外は、実施例1と同様にして、キャリア3を作製した。
得られたキャリア3について、実施例1と同様にして測定した被覆層の平均厚みは0.34μm、標準偏差は0.05であり、電気抵抗はLogR13.5Ω・cmであった。
−キャリア4の作製−
実施例2において、溶解条件1(25MPa、15℃)を溶解条件2(7MPa、15℃)に変えた以外は、実施例2と同様にして、キャリア4を作製した。
得られたキャリア4について、実施例1と同様にして測定した被覆層の平均厚みは0.36μm、標準偏差は0.06であり、電気抵抗はLogR13.6Ω・cmであった。
−キャリア5の作製−
図1に示す装置を用いて、キャリア処理タンク(内容積400mL)内に、シリコーン樹脂A(重量平均分子量(Mw)=12,500、数平均分子量(Mn)=6,500、Mw/Mn=1.92)7質量部、及び体積平均粒径35μmのフェライト芯材(1kガウスでの飽和磁気モーメント=65emu/g)100質量部(表面積7.27m2)を仕込み、攪拌しながらバルブ3を開け、加圧ポンプ1で二酸化炭素(純度=99.5%、ガステックサービス株式会社製)を供給して、溶解条件1(25MPa、15℃)にした後、バルブ3を閉じた。
キャリア処理タンク110内を25MPa、15℃で2時間維持した後、バルブ5、バルブ6を開け、減圧ポンプ1で2時間かけて常圧に戻した。更に、キャリア処理タンク110内を160℃で2時間加熱処理した。以上により、キャリア5を作製した。なお、使用されなかった芯材及び被覆用樹脂は、キャリア処理タンク110と原料回収タンク112の双方から回収でき、再利用することができた。
得られたキャリア5について、実施例1と同様にして測定した被覆層の平均厚みは0.92μm、標準偏差は0.08であり、電気抵抗はLogR13.8Ω・cmであった。
−キャリア6の作製−
実施例1において、シリコーン樹脂Aを、シリコーン樹脂C(重量平均分子量(Mw)=8,000、数平均分子量(Mn)=5,500、Mw/Mn=1.45、固体からの相転移温度=10℃)に変えた以外は、実施例1と同様にして、キャリア6を作製した。
得られたキャリア6について、実施例1と同様にして測定した被覆層の平均厚みは0.36μm、標準偏差は0.03であり、電気抵抗はLogR13.5Ω・cmであった。
−参考キャリア1の作製−
図1に示す装置を用いて、キャリア処理タンク(内容積400mL)内に、シリコーン樹脂A(重量平均分子量(Mw)=12,500、数平均分子量(Mn)=6,500、Mw/Mn=1.92)7質量部、及び体積平均粒径35μmのフェライト芯材(1kガウスでの飽和磁気モーメント=65emu/g)100質量部(表面積7.27m2)を仕込み、攪拌しながらバルブ3を開け、加圧ポンプ1で二酸化炭素(純度=99.5%、ガステックサービス株式会社製)を供給して、溶解条件3(20MPa、100℃)にした後、バルブ3を閉じた。
キャリア処理タンク110内を20MPa、100℃で2時間維持した後、バルブ5、バルブ6を開け、減圧ポンプ1で2時間かけて常圧に戻した。更に、キャリア処理タンク110内を160℃で2時間加熱処理した。以上により、参考キャリア1を作製した。なお、使用されなかった芯材及び被覆用樹脂は、キャリア処理タンク110と原料回収タンク112の双方から回収でき、再利用することができた。
得られた参考キャリア1について、実施例1と同様にして測定した被覆層の平均厚みは0.21μm、標準偏差は0.05であり、電気抵抗はLogR12.6Ω・cmであった。
−比較キャリア1の作製−
シリコーン樹脂A(重量平均分子量(Mw)=12,500、数平均分子量(Mn)=6,500、Mw/Mn=1.92)のトルエン溶液(固形分濃度10質量%)1000g、触媒〔(CH3)2Sn(OCOCH3)2〕5gの分散液を、体積平均粒径35μmのフェライト芯材(1kガウスでの飽和磁気モーメント=65emu/g)5kgに対して、流動床型コーティング装置を用いて、100℃の雰囲気下で、50g/minの割合で20分間かけて塗布し、得られたシリコーン樹脂を塗布したフェライト粒子を、200℃で1時間加熱して、比較キャリア1を作製した。
得られた比較キャリア1について、実施例1と同様にして測定した被覆層の平均厚みは0.35μm、標準偏差は1.32であり、電気抵抗はLogR13.5Ω・cmであった。
−現像剤の作製−
作製したキャリア1〜6、参考キャリア1、及び比較キャリア1と、トナー1〜3とを下記表1に示したように組み合わせて、常法により、実施例7〜14、参考例2、及び比較例2の各現像剤を作製した。
得られた各現像剤を、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>、株式会社リコー製)に各現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を形成した。該ベタ画像の形成は、前記複写紙100万枚に対して、繰り返し行った。
得られたベタ画像の画像濃度を、初期及び100万枚耐久後について、目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。なお、得られた画像濃度が高い程、高濃度の画像が形成できる。この評価は本発明の画像形成方法の実施例に相当する。
〔評価基準〕
◎:初期及び100万枚耐久後において、画像濃度に変化がなく、高画質が得られた
○:100万枚耐久後において、やや画像濃度が低下したが、高画質が得られた
△:100万枚耐久後において、画像濃度が低下し、画質が低下した
×:100万枚耐久後において、著しく画像濃度低下し、画質が大きく低下した
画像面積率5%のチャートを、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて100万枚連続出力した際の機内のトナー汚染の程度を目視にて、下記基準により4段階で評価した。
〔評価基準〕
◎:機内のトナー汚染がまったくなく、優良な状態である
○:機内のトナー汚染がなく、良好な状態である
△:機内のトナー汚染があるが、実使用可能なレベルである
×:機内のトナー汚染がひどく、実使用不可能なレベルである
画像面積率5%のチャートを、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて100万枚連続出力した際の画像背景部の地汚れの程度を目視により、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○:画像背景部に地汚れの発生がない
△:画像背景部に地汚れがやや発生している
×:画像背景部に地汚れが発生している
以上の評価結果から、総合的にみて、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:非常に良好である
○:良好である
×:不良である
本発明の現像剤は、本発明の前記キャリアと、トナーとを含む。該現像剤を用いて、トナー飛散や地汚れがなく、高画像濃度の画像形成が行える。
本発明の画像形成方法においては、機械的強度が高く、トナー飛散や地汚れがなく、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られ、電子写真方式の各種画像形成装置に好適に用いられる。
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 静電潜像担持体(感光体)
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
110 キャリア処理タンク
112 原料回収タンク
113 二酸化炭素ボンベ
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (8)
- 超臨界状態の二酸化炭素を含まない液体状態の二酸化炭素中で少なくとも被覆用材料を溶解する溶解工程と、
前記少なくとも被覆用材料を溶解させた液を圧力及び温度の少なくともいずれかの制御
により溶解度を低下させて、芯材表面に被覆層を形成する被覆層形成工程とを含むことを
特徴とするキャリアの製造方法。 - 溶解工程における圧力が、二酸化炭素の臨界圧力(7.38MPa)以上である請求項
1に記載のキャリアの製造方法。 - 被覆層形成工程において、液体状態の二酸化炭素を、超臨界状態の二酸化炭素に変える請求項1から2のいずれかに記載のキャリアの製造方法。
- 被覆層形成工程において、圧力を大気圧まで降圧する請求項1から3のいずれかに記載
のキャリアの製造方法。 - 被覆層形成工程において、二酸化炭素の臨界温度(31℃)以上に昇温した後、圧力を
大気圧まで降圧する請求項1から4のいずれかに記載のキャリアの製造方法。 - 請求項1から5のいずれかに記載のキャリアの製造方法により製造されることを特徴と
するキャリア。 - 請求項6に記載のキャリアと、トナーとからなることを特徴とする現像剤。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項7
に記載の現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に
転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも
含むことを特徴とする画像形成方法。
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