JP6163943B2 - 再剥離性情報シートの製造装置および再剥離性情報シートの製造方法 - Google Patents

再剥離性情報シートの製造装置および再剥離性情報シートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6163943B2
JP6163943B2 JP2013156966A JP2013156966A JP6163943B2 JP 6163943 B2 JP6163943 B2 JP 6163943B2 JP 2013156966 A JP2013156966 A JP 2013156966A JP 2013156966 A JP2013156966 A JP 2013156966A JP 6163943 B2 JP6163943 B2 JP 6163943B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image
mass
parts
information sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013156966A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015014771A (ja
Inventor
飯尾 雅人
雅人 飯尾
加幡 利幸
利幸 加幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2013156966A priority Critical patent/JP6163943B2/ja
Priority to US14/191,822 priority patent/US9052649B2/en
Publication of JP2015014771A publication Critical patent/JP2015014771A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6163943B2 publication Critical patent/JP6163943B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2098Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using light, e.g. UV photohardening
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G13/00Electrographic processes using a charge pattern
    • G03G13/20Fixing, e.g. by using heat
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/65Apparatus which relate to the handling of copy material
    • G03G15/6582Special processing for irreversibly adding or changing the sheet copy material characteristics or its appearance, e.g. stamping, annotation printing, punching
    • G03G15/6585Special processing for irreversibly adding or changing the sheet copy material characteristics or its appearance, e.g. stamping, annotation printing, punching by using non-standard toners, e.g. transparent toner, gloss adding devices

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Combination Of More Than One Step In Electrophotography (AREA)
  • Printing Methods (AREA)

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置を備えた再剥離性情報シートの製造装置および再剥離性情報シートの製造方法に関する。
カタログや表紙やDMハガキ等は、従来から印刷により画像や文字が形成されて所定の目的で使用されている。
これらの用途により水濡れや汚れからの保護、或いは光沢付与のため印刷表面を表面加工やフィルムにより保護する場合がある。
表面加工にはオーバープリント、ビニール引き、プレスコートなどがあり、印刷後に施す必要がある。最近は、コスト、環境面から紫外線硬化型組成物での処理が主流になっている。
またDMハガキなどは、情報を入力している印刷面を圧着し、情報を隠蔽し、必要なときに再剥離可能な手段が用いられている。接着剤はラテックスゴムや紫外線硬化型感圧組成物などを用いられるが、表面加工同様、紫外線硬化型感圧組成物が主流になっている。
また最近は情報の変更が頻繁となり、一部ずつ情報を変更するなどの可変情報を出力可能なシステムが増えつつあることや、印刷出力の迅速化が望まれており、これに適する印刷方式としてオンデマンド印刷が利用されている。
オンデマンド印刷に使用される機器としては通常、電子写真方式やインクジェット方式があるが、画像を含めた出力にはトナーを利用する電子写真方式が主流となっている。
電子写真方式で記録された画像は、トナーと呼ばれる粉体の色材を熱や圧力などで記録媒体に定着させ色が再現される。
また、紫外線硬化型組成物については、いくつかの商業的に入手可能な紫外線硬化型組成物がオフセット印刷で一般的に使用されている。しかし、電子写真方式で記録された画像にこれらの市販の紫外線硬化型組成物を使用すると、トナーと紫外線硬化型組成物の不適合性のため満足な結果が得られない場合がある。一般的にトナーは樹脂と、顔料などの着色剤と、シリカなどの添加剤と、ワックスなどで構成されており、定着後のトナーには着色剤、添加剤などは粉体として存在する又は完全に溶けきっていないトナーが存在するため、ある程度の隙間が発生している。その隙間に紫外線硬化型組成物が浸透して不適合となる場合が多い。
特許文献1で開示されるワニス組成物及び調整方法には、定着オイルが塗布されている印刷物に対して、アンモニアを含有せず低い静的表面張力を有する、水をベースにした被膜剤により適合性を向上している。また、特許文献2で開示される樹脂形成装置及び該装置を備えた装置では、印刷面にシリコン樹脂層を形成し、印刷面の保護、防水処理、光沢出し等を提供している。また、特許文献3で開示されている表面に印刷された金属容器および金属容器の印刷方法には、電子写真法を利用することにより多品種小量印刷を効率的に行え、紫外線硬化型組成物加工を行うことでトナー層の保護及び光沢付与を提供している。
また、DMハガキなどに使用される再剥離可能な紫外線硬化型感圧組成物については、特許文献4で開示されている。また、特許文献5では液体トナーにマッチングした紫外線硬化型感圧接着剤組成物が開示されている。
特に、特許文献4で開示されている紫外線硬化型組成物は、平均分子量が10000〜100000、ガラス転移点が−35.2〜20℃である(メタ)アクリル系共重合体(B)の存在が非常に重要である。
(メタ)アクリル系共重合体(B)は、直鎖の高分子であり、感圧性接着性を有している。一方、紫外線硬化成分(a)は、紫外線硬化させても、基本的に感圧性接着性はない。紫外線硬化成分(a)の紫外線硬化物は硬く、(メタ)アクリル系共重合体(B)の周りを取り囲むようにして存在しており、圧着前及び再剥離した際に、(メタ)アクリル系共重合体(B)表面のベタつきを防止し、人が通常の生活で与えられる圧力では、再度圧着しないようにする役目を持っている。
これに非常に強い圧力がかかる(圧着を行う)と、(メタ)アクリル系共重合体(B)同士が接触し、接着性が発現する。ただし、(メタ)アクリル系共重合体(B)同士の接着は、紫外線硬化成分(a)の紫外線硬化物を移動させているため、紫外線硬化成分(a)の紫外線硬化物が元に戻ろうとする応力を残した状態で接着している。そのため、強い力で引き剥がすと、きれいに再剥離できるものである。
しかし、これらの技術によっても、乾式トナーと紫外線硬化型組成物の組み合わせでは、紫外線硬化型組成物を塗布できても、トナー画像との紫外線硬化型組成物とのマッチング性が悪く、トナー画像が剥れることがあった。より詳しくは、特許文献4で開示されている紫外線硬化型組成物でトナー画像を圧着すると、剥離強度が不足し、輸送時の振動に耐えられなかったり、逆に剥離強度が高すぎて、再剥離した際に、片方の画像が剥がれてしたりしまう問題が非常に多かった。また、圧着直後には問題がなくても、保存している間に、接着強度が不足したり、逆に高くなったりしてしまうことが非常に多く、トナー画像では、全く実用できるレベルではなかった。
また、DMハガキなどで使用されている再剥離可能な接着剤として使用される紫外線硬化型感圧組成物も同様に乾式トナー画像とのマッチング性が悪く、再剥離時にトナー画像が剥れる場合もあった。
このように、上記した従来技術においては、トナーと紫外線硬化型組成物または紫外線硬化型感圧組成物との組み合わせではマッチング性が悪く、トナー画像上に紫外線硬化型組成物または紫外線硬化型感圧組成物を塗布硬化しての保護、光沢付与または再剥離可能な圧着性が得られなかった。
ところで、従来から電子写真画像では、定着の剥離剤としてシリコンオイルを用いており、シリコンオイルを用いて画像形成した画像を用いると、再剥離する際の画像の剥がれは幾分少なくなる(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、ダイレクトメールとして用いるレベルには達しなかった。
また、最近では、シリコンオイルによるオフィスの汚染や、シリコンオイル切れによる画像品質の劣化の防止のため、トナー中にワックスを含有させた、所謂、オイルレストナーが一般に用いられるようになった。さらに、省エネの要求から、トナーの軟化温度が低い樹脂を用いる、所謂、低温定着トナーが用いられるようになった。
しかしながら、このようなオイルレス定着を行ったトナー画像上にエネルギー線硬化性前駆体を設けようとした場合、以下に挙げるような不具合が生じるという問題があった。
(1)トナー画像表面のワックスがエネルギー線硬化性前駆体を弾いてエネルギー線硬化性前駆体層の厚みが画像面積の高い場所で非常に薄くなってしまい、そのままエネルギー線硬化型感圧接着剤となってしまうため、部分的に圧着されない場所が生じてしまい、輸送時の振動や取り扱いにより、情報シートが剥がれてしまう不具合。
(2)硬化させたエネルギー線硬化型感圧接着剤とオイルレス定着を行ったトナー画像との接着性が悪く、再剥離すると、エネルギー線硬化型感圧接着剤が部分的に片方の面に剥がれてしまい、画像品質が著しく低下した、見苦しい画像になってしまう不具合。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、トナー画像を用いた再剥離性情報シートの様々な問題、特に、再剥離の際の画像剥がれの問題を解決し、優れた密着性と、優れた再剥離性を有し、再剥離した際に非常にきれいな画像の再剥離性情報シートが得られる再剥離性情報シートの製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る再剥離性情報シートの製造装置は、像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーにより可視化してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を前記像担持体から記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を、当該記録媒体に定着する定着手段と、を有する画像形成装置と、前記トナー像が定着された記録媒体上にエネルギー線硬化型組成物前駆体を塗布し、硬化し、エネルギー線硬化型組成物を被覆する塗布硬化手段と、前記エネルギー線硬化型組成物が被覆された記録媒体を加熱加圧する加熱加圧手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、優れた定着性と密着強度とを備える再剥離性情報シートの製造装置を提供することができる。
(a)本発明に係る再剥離性情報シートの製造装置により画像形成がなされた記録媒体を説明する模式図であって、コート層を有する記録媒体上にトナー画像が形成された構成を説明するための模式図、(b)さらに紫外線硬化型組成物前駆体が塗布された構成を説明するための模式図、(c)またさらに紫外線硬化型組成物前駆体が硬化された後の構成を説明するための模式図、(d)そして加熱加圧装置を通過した後の構成を説明するための模式図である。 トナー画像を形成した紙の上に、紫外線硬化型感圧組成物前駆体を塗布し、紫外線照射した後、貼りあわせ、圧着させた後、再剥離した再剥離性情報シートの断面SEM写真である。 は、トナー画像を形成した紙の上に、紫外線硬化型感圧組成物前駆体を塗布し、紫外線照射した後、貼りあわせ、圧着させた後、さらにトナーの軟化温度以上に加熱・圧着した後、再剥離した再剥離性情報シートの断面SEM写真である。 本発明に係る再剥離性情報シートの製造装置が備える画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。 本発明に係る再剥離性情報シートの製造装置に用いられる紫外線硬化型(感圧)組成物の塗布硬化手段の一例を示す概略図である。 本発明に係る再剥離性情報シートの製造装置に用いられる加熱加圧装置の一例を示す概略図である。 本発明に係る再剥離性情報シートの製造装置に用いられる加熱加圧装置のその他の一例を示す概略図である。 オイルレス定着トナー画像とオイルレス定着用トナー、オイルレス定着用トナーに用いているワックスのATR法によるスペクトルである。 オイルレス定着トナー画像においてトナー画像と、エネルギー線硬化型感圧接着剤層との密着性OKのIRスペクトルおよび密着性NGの場合のIRスペクトルを表す図である。 オイルレス定着トナー画像とオイルレス定着用トナー、オイルレス定着用トナーに用いているワックスのATR法によるスペクトルである。 オイルレス定着トナー画像においてトナー画像と、エネルギー線硬化型感圧接着剤層との密着性OKのIRスペクトルおよび密着性NGの場合のIRスペクトルを表す図である。 2896〜2943cm−1のピーク面積Aaのベースラインを示す図である。 2946〜2979cm−1のピーク面積Abのベースラインを示す図である。 791〜860cm−1のピーク面積Aa’のベースラインを示す図である。 2834〜2862cm−1のピーク面積Ab’のベースラインを示す図である。 (a)紫外線硬化型感圧組成物との密着性が悪いオイルレス定着画像を示す。(b)紫外線硬化型感圧組成物との密着性が良好なオイルレス定着画像を示す。 図16(a)の二値化画像を示す。図16(b)の二値化画像を示す。
本発明に係る再剥離性情報シートの製造装置は、像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーにより可視化してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を前記像担持体から記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を、当該記録媒体に定着する定着手段と、前記トナー像が定着された記録媒体上にエネルギー線硬化型組成物前駆体を塗布し、硬化し、エネルギー線硬化型組成物を被覆する塗布硬化手段と、前記エネルギー線硬化型組成物が被覆された記録媒体を加熱加圧する加熱加圧手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、図1を用いて本発明によって得られる記録物(トナー像を備えた記録媒体)を模式的に説明する。
まず、通常の定着を終えた後のトナー画像は、図1(a)に示すように、記録媒体上に充分に定着されている。
次いで、図1(b)に示すようにトナー画像上に紫外線硬化型組成物を塗布するとトナー画像の微小な隙間に紫外線硬化型組成物は浸透していく。この浸透した紫外線硬化型組成物は
図1(b)に示すように、トナー画像並びに記録媒体のコート層及び紙の繊維に一部浸透する。
次いで、紫外線を照射し、紫外線硬化型組成物前駆体を硬化させても、トナー画像の内部及びトナー画像より下には紫外線が到達しないため、紫外線硬化型組成物前駆体は液体の状態で存在し、トナー画像及び記録媒体のコート層を膨潤させる。(図1(c))
そして、図1(d)のように加熱加圧装置を通すことで、トナーを軟化させ、再硬化する際に液体の紫外線硬化型組成物前駆体は、トナー層から排除され、トナーの定着性は向上する。同様に記録媒体のコート層から液体の紫外線硬化型組成物前駆体は排除されると共に、加熱圧着されることでコート層の強度は高くなり、再剥離の際に、トナー画像が剥がれてしまうことを防止することができる。
次に、本発明の他の形態を説明するに先立ち、該他の形態を完成させるに至るまでの種々の検討について以下に述べる。
本発明者らは、トナーを用いたシートを紫外線硬化型感圧組成物で貼り合わせ、再剥離させると、なぜ片方の画像が剥がれてしまうのか、画像の剥がれ方を詳細に調べた。
ダイレクトメールに用いる紙は、見栄えを良くするため、炭酸カルシウム等の白色顔料を塗布したコート層を形成し、白さを増した紙が用いられるが、本発明者らは、画像の剥がれは、トナー画像の層からではなく、ほとんどの場合、コート層から剥がれてしまうことが分かった。
そこで、画像形成していない紙の上に紫外線硬化型感圧組成物を形成して貼り合わせ、再剥離させると、紙のコート層から剥がれることなく、問題なく剥がれることが分かった。これにより、トナー画像がある場合には、紙のコート層が弱くなってしまっていることが分かった。
本発明者らはさらに調査したところ、紫外線硬化型感圧組成物は、画像上に液体の紫外線硬化型感圧組成物前駆体をトナー画像上に塗布し、紫外線を照射してラジカル反応を生じさせ、紫外線硬化型感圧組成物として硬化させるものであるが、液体の紫外線硬化型感圧組成物前駆体は、トナー画像に一部染みこみ、トナー画像を若干膨潤させてしまう。また、トナーの下のコート層及び紙の繊維にまで液体の紫外線硬化型感圧組成物前駆体が染みこんでいることが分かった。
液体の紫外線硬化型感圧組成物前駆体は、紫外線が当たって、初めて紫外線硬化型感圧組成物となりえるものであるが、トナー画像がある部分のトナー画像の層及びその下のコート層には紫外線が到達せず、紫外線硬化型感圧組成物前駆体は液体のままとなるため、コート層がふやけて強度が低下することが分かった。また、トナー画像と接している部分のコート層の表面は、定着の際にトナー画像が溶融して強く接着しているが、液体の紫外線硬化型感圧組成物前駆体が染みこみ、トナー画像が若干膨潤することで、コート層の強度が低下してしまうことが分かった。また、貼り合わせた直後に再剥離させるより、翌日再剥離させた方が画像の剥がれが大きくなることが多いが、これも液体の紫外線硬化型感圧組成物前駆体がコート層あるいはトナー画像に行き渡たることによるものであることが分かる。
一方、トナー画像がない紙に紫外線硬化型感圧組成物前駆体を塗布し、紫外線を照射させると、紫外線硬化型感圧組成物前駆体はコート層に染みこむものの、紫外線硬化型感圧組成物前駆体が硬化することで、コート層自体の強度が高まり、再剥離が問題なくできることが分かった。
本発明者らは、トナー画像に紫外線硬化型感圧組成物前駆体を塗布し、紫外線を照射させた後、貼り合わせても、画像が剥がれることなく再剥離できないか鋭意検討を行ったところ、貼りあわせた情報シートを、トナーの軟化温度以上の温度を付与しながら圧着させると、トナー画像が溶融する際に、トナー画像中に染み込んだ紫外線硬化型感圧組成物前駆体は、トナー画像から排除され、トナー画像はコート層の表面を固定して、填料の層の強度を高めることが分かった。また、トナー画像の下のコート層に染み込んでいた紫外線硬化型感圧組成物前駆体は、紙全体に拡散して非常に希薄になるとともに、加熱圧着させること自体により紙のコート層の強度が増し、再剥離を行っても、画像の剥がれは全く生じないことを見出した。
上記の現象を観察した再剥離性情報シートの断面SEM写真を図2および図3に示す。
図2は、トナー画像を形成した紙の上に、紫外線硬化型感圧組成物前駆体を塗布し、紫外線照射した後、貼りあわせ、圧着させた後、再剥離したものである。一方、図3は、トナー画像を形成した紙の上に、紫外線硬化型感圧組成物前駆体を塗布し、紫外線照射した後、貼りあわせ、圧着させた後、さらにトナーの軟化温度以上に加熱・圧着した後、再剥離したものである。
図2と図3を比較すると、図2は膨潤してコート層の粒子間に隙間があり、コート層の厚みが厚いが、図3は、コート層の隙間が少なく、コート層の厚みが薄くなり、コート層の強度が高くなっていることが分かる。また、コート層と紙の繊維との間の填料の層にも同様のことが生じている。
即ち、本発明の他の形態は、段落[0015]で説明した形態において、紫外線硬化型組成物が紫外線硬化型感圧組成物であり、記録媒体を圧着する圧着工程を備え、トナーの軟化温度以上の温度を付与しながら圧着させる、または圧着させた後にトナーの軟化温度以上の温度を付与することを特徴とする。
次に、本発明に係る再剥離性情報シートの製造装置についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
また、本明細書においてはエネルギー線硬化型組成物(前駆体)のうち、紫外線硬化型組成物(前駆体)、紫外線硬化型感圧組成物(前駆体)を具体例として示し説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。即ち、本発明においては紫外線に限らず種々のエネルギー線に対して硬化する組成物をその範囲から除外するものではない。
本発明に係る再剥離性情報シートの製造装置が備える画像形成装置は、像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、塗布硬化手段と、定着手段と、を少なくとも有してなり、好ましくはクリーニング手段を有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる(図4)。
本発明に係る再剥離性情報シートの製造方法が備える画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、塗布硬化工程と、定着工程と、を少なくとも含み、好ましくはクリーニング工程を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記塗布硬化工程は前記塗布硬化手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段>
前記静電潜像形成工程は、像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
−像担持体−
前記像担持体(「静電潜像担持体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。
本発明の画像形成装置に用いる像担持体(感光体)は、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも感光層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質を混在させた単層型、電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、及び電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。また、前記感光体の機械的強度、耐磨耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため、感光層上に最表面層を設けることもできる。また、前記感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていてもよい。また、各層には必要に応じて可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
前記導電性支持体としては、体積抵抗1.0×1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法でドラム状に素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。
ドラム状の支持体としては、直径が20〜150mmが好ましく、24〜100mmがより好ましく、28〜70mmが更に好ましい。前記ドラム状の支持体の直径が20mm未満であると、ドラム周辺に帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程を配置することが物理的に困難となることがあり、150mmを超えると、画像形成装置が大きくなってしまうことがある。特に、画像形成装置がタンデム型の場合には、複数の感光体を搭載する必要があるため、直径は70mm以下が好ましく、60mm以下がより好ましい。
また、特開昭52−36016号公報に開示されているようなエンドレスニッケルベルト、又はエンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
前記感光体の下引き層は、一層であっても、複数の層で構成してもよく、例えば(1)樹脂を主成分としたもの、(2)白色顔料と樹脂を主成分としたもの、(3)導電性基体表面を化学的又は電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が挙げられる。これらの中でも、白色顔料と樹脂を主成分とするものが好ましい。
前記白色顔料としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、これらの中でも、導電性支持体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンが特に好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂;アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
前記感光層における電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料等のアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料又は染料;セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感光層における電荷輸送物質としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができる。該結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、などが挙げられる。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
前記酸化防止剤の添加量は、添加する層の総質量に対して0.01〜10質量%が好ましい。
前記可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどの一般的な樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は結着樹脂100質量部に対して0〜30質量部程度が適当である。
また、前記感光層中にはレベリング剤を添加しても構わない。該レベリング剤としては、例えばジメチルシリコンオイル、メチルフェニルシリコンオイル等のシリコンオイル類;測鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー、又はオリゴマーが使用される。前記レベリング剤の使用量は、前記樹脂100質量部に対して、0〜1質量部が好ましい。
次に、静電潜像の形成は、例えば、前記像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、交流成分を有する電圧を印加する電圧印加手段を有するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視化されたトナー像を形成する工程である。
前記可視化されたトナー像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
−トナー−
前記トナーは、下記数式1で表される円形度SRの平均値である平均円形度が0.93〜1.00のものが好ましく、0.95〜0.99がより好ましい。この平均円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
<数式1>
円形度SR=(トナー粒子の投影面積と同じ面積の円の周囲長)/(トナー粒子の投影像の周囲長)
前記平均円形度が0.93〜1.00の範囲では、トナー粒子の表面は滑らかであり、トナー粒子同士、トナー粒子と感光体との接触面積が小さいために転写性に優れる。また、トナー粒子に角がないため、現像装置内での現像剤の攪拌トルクが小さく、攪拌の駆動が安定するために異常画像が発生しない。また、ドットを形成するトナーの中に、角張ったトナー粒子がいないため、転写で記録媒体に圧接する際に、その圧がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜けが生じにくい。また、トナー粒子が角張っていないことから、トナー粒子そのものの研磨力が小さく、像担持体の表面を傷つけたり、磨耗させたりしない。
前記円形度SRは、例えばフロー式粒子像分析装置(東亜医用電子社製、FPIA−1000)を用いて測定することができる。
まず、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩)を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
前記トナーの質量平均粒径(D4)は3〜10μmが好ましく、4〜8μmがより好ましい。この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。前記質量平均粒径(D4)が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすいことがあり、10μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しいことがある。
また、前記トナーは、質量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比(D4/D1)は1.00〜1.40が好ましく、1.00〜1.30がより好ましい。前記比(D4/D1)が1に近づくほど、そのトナーの粒度分布がシャープであることを意味し、(D4/D1)が1.00〜1.40の範囲では、トナー粒径による選択現像が起きないため、画質の安定性に優れる。また、トナーの粒度分布がシャープであることから、摩擦帯電量分布もシャープとなり、カブリの発生が抑えられる。また、トナー粒径が揃っていると、潜像ドットに対して、緻密にかつ整然と並ぶように現像されるので、ドット再現性に優れる。
ここで、前記トナーの質量平均粒径(D4)、及び粒度分布の測定は、例えばコールターカウンター法による。該コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの質量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
このような略球形の形状のトナーとしては、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させることにより作製することができる。この反応で製造されたトナーは、トナー表面を硬化させることで、ホットオフセットの発生を少なくすることができ、定着装置の汚れとなって、それが画像上に表れるのを抑えることができる。
変性ポリエステル系樹脂からなるプレポリマーとしては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)が挙げられ、また、該プレポリマーと伸長又は架橋する化合物としては、アミン類(B)が挙げられる。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルを更にポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
前記ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)、3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独又は(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。
前記ジオール(1−1)としては、例えばアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、これと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用が特に好ましい。
前記3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)及び3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、これらの中でも、(2−1)単独、及び(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸(2−1)としては、例えばアルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)などが挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が特に好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
前記ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]は、2/1〜1/1が好ましく、1.5/1〜1/1がより好ましく、1.3/1〜1.02/1が更に好ましい。
前記ポリイソシアネート(3)としては、例えば脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]は、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。前記[NCO]/[OH]が5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、[NCO]のモル比が1未満であると、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
前記末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましい。前記含有量が0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均1個以上が好ましく、平均1.5〜3個がより好ましく、平均1.8〜2.5個が更に好ましい。1分子当たり1個未満であると、ウレア変性ポリエステルの
分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1及びB1と少量のB2の混合物である。
更に、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
前記アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]は、1/2〜2/1が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.2/1〜1/1.2が更に好ましい。前記[NCO]/[NHx]が2を超えたり、1/2未満であったりすると、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が更に好ましい。前記ウレア結合のモル比が10%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
これらの反応により、前記トナーに用いられる変性ポリエステル、中でもウレア変性ポリエステル(i)が作製できる。これらウレア変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。ウレア変性ポリエステル(i)の質量平均分子量は、1万以上が好ましく、2万〜1000万がより好ましく、3万〜100万が更に好ましい。前記質量平均分子量が1万未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
また、ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記質量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、20,000以下が好ましく、1,000〜10,000がより好ましく、2,000〜8,000が更に好ましい。前記数平均分子量が20,000を超えると、低温定着性及びフルカラー画像形成装置に用いた場合の光沢性が悪化することがある。
本発明においては、前記ウレア結合で変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)を結着樹脂成分として含有させることもできる。前記(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上するので、単独使用より好ましい。前記(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。
従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の質量比は、5/95〜80/20が好ましく、5/95〜30/70がより好ましく、5/95〜25/75が更に好ましく、7/93〜20/80が特に好ましい。前記(i)の質量比が5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になることがある。
前記(ii)のピーク分子量は、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜10,000がより好ましく、2,000〜8,000が更に好ましい。前記ピーク分子量が1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、10,000を超えると低温定着性が悪化することがある。前記(ii)の水酸基価は5以上が好ましく、10〜120がより好ましく、20〜80が更に好ましい。前記水酸基価が5未満であると、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になることがある。前記(ii)の酸価は1〜30が好ましく、5〜20がより好ましい。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50〜70℃が好ましく、55〜65℃がより好ましい。前記ガラス転移温度が50℃未満であると、トナーの高温保管時のブロッキングが悪化することがあり、70℃を超えると低温定着性が不充分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明に用いるトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
前記結着樹脂の貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10,000dyne/cmとなる温度(TG’)が、100℃以上が好ましく、110〜200℃がより好ましい。前記温度(TG’)が100℃未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記結着樹脂の粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポアズ(poise)となる温度(Tη)が、180℃以下が好ましく、90〜160℃がより好ましい。前記温度(Tη)が、180℃を超えると、低温定着性が悪化する。即ち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃より大きいことが好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましい。なお、差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましく、10〜90℃がより好ましく、20〜80℃が更に好ましい。
前記結着樹脂は、以下の方法などで製造することができる。
まず、前記ポリオール(1)と、前記ポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで、40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。更に(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。
使用可能な溶剤としては、例えば芳香族溶剤(トルエン、キシレン等);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);エステル類(酢酸エチル等);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、エーテル類(テトラヒドロフラン等)などのイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。
なお、ウレア結合で変性されていないポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
なお、ポリエステル樹脂以外の結着樹脂も特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単独重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、定着される記録媒体との親和性から、ポリエステル樹脂を使用することが特に好ましい。
また、本発明に用いるトナーは、以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
前記トナーは、水系媒体中でイソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分散体を、(B)と反応させて形成してもよいし、予め製造したウレア変性ポリエステル(i)を用いてもよい。水系媒体中でウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。
前記プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下、トナー原料と称することもある)、着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、帯電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、予めトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、及び帯電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。例えば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
前記水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)を含むトナー組成物100質量部に対する水系媒体の使用量は、50〜2000質量部が好ましく、100〜1000質量部がより好ましい。前記使用量が50質量部未満であると、トナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2000質量部を超えると、経済的でない。
また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
前記分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするためには高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、1000〜30000rpmが好ましく、5000〜20000rpmがより好ましい。前記分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分間である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。高温な方が、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
プレポリマー(A)からウレア変性ポリエステル(i)を合成する工程は水系媒体中でトナー組成物を分散する前にアミン類(B)を加えて反応させてもよいし、水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしてもよい。この場合製造されるトナー表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
前記反応においては、必要に応じて、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、等が挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、これらの中でも、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ化学工業社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。該陽イオン界面活性剤の中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。該カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子社製);フロラードFC−135(住友3M社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ化学工業社製);エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等が挙げられる。
前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記分散液の調製においては、必要に応じて分散安定剤を用いることができる。該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
前記分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記分散液の調製においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。該触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、等が挙げられる。
更に、トナー組成物の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いた方が粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。
前記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましく、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒がより好ましい。
前記プレポリマー(A)100質量部に対する溶剤の使用量は、0〜300質量部が好ましく、0〜100質量部がより好ましく、25〜70質量部が更に好ましい。溶剤を使用した場合は、伸長及び/又は架橋反応後、常圧又は減圧下にて加温し除去する。
伸長及び/又は架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間が好ましく、2〜24時間がより好ましい。反応温度は0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。更に必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。また、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発させて除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよいが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、又は粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際、不要の微粒子又は粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うことが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えたりすることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、(1)高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、(2)高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
また、該トナーに使用される着色剤としては、従来からトナー用着色剤として使用されてきた顔料及び染料が使用でき、呈色としては黒、イエロー、マゼンタ、シアン等の色を呈するものを用いることができる。なお、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの少なくとも4色を用いてフルカラー画像を形成することが好ましい。
着色剤として特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、具体的には、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドンレッド、ベンジジンイエロー、ローズベンガル等を単独あるいは混合して用いることができる。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜15質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
更に必要に応じて、トナー粒子自身に磁気特性を持たせるには、例えばフェライト、マグネタイト、マグヘマイト等の酸化鉄類;鉄、コバルト、ニッケル等の金属あるいは、これらと他の金属との合金等の磁性成分等の公知のものを単独又は混合して、トナー粒子へ含有させればよい。また、これらの成分は、着色剤成分として使用することもできる。
前記磁性体の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対して、10質量部〜200質量部が好ましく、20質量部〜150質量部がより好ましい。
また、本発明で用いられるトナー中の着色剤の個数平均粒径は0.5μm以下が好ましく、0.4μm以下がより好ましく、0.3μm以下が更に好ましい。前記個数平均粒径が0.5μmを超えると、顔料の分散性が充分なレベルには到らず、好ましい透明性が得られないことがある。一方、前記個数平均粒径が0.1μmより小さい微小粒径の着色剤は、可視光の半波長より十分小さいため、光の反射、吸収特性に悪影響を及ぼさないと考えられる。よって、前記個数平均粒径が0.1μm未満の着色剤の粒子は良好な色再現性と、定着画像を有するOHPシートの透明性に貢献する。一方、前記個数平均粒径が0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、入射光の透過が阻害されたり、散乱されたりして、OHPシートの投影画像の明るさ及び彩かさが低下する傾向がある。更に、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、トナー粒子表面から着色剤が脱離し、カブリ、ドラム汚染、クリーニング不良といった種々の問題を引き起こすことがある。前記個数平均粒径が0.7μmより大きな粒径の着色剤は、全着色剤の10個数%以下が好ましく、5個数%以下がより好ましい。
また、前記着色剤を結着樹脂の一部もしくは全部と共に、予め湿潤液を加えた上で混練しておくことにより、初期的に結着樹脂と着色剤が充分に付着した状態となって、その後のトナー製造工程でのトナー粒子中における着色剤分散がより効果的に行われ、着色剤の分散粒径が小さくなり、一層良好な透明性を得ることができる。
予めの混錬に用いる結着樹脂としては、トナー用結着樹脂として例示した樹脂類をそのまま使用することができるが、これらに限定されるものではない。
前記の結着樹脂と着色剤の混合物を予め湿潤液と共に混練する具体的な方法としては、例えば、結着樹脂、着色剤及び湿潤液を、ヘンシェルミキサー等のブレンダーにて混合した後、得られた混合物を二本ロール、三本ロール等の混練機により、結着樹脂の軟化温度よりも低い温度で混練して、サンプルを得る。
また、湿潤液としては、結着樹脂の溶解性や、着色剤との塗れ性を考慮しながら、一般的なものを使用できるが、アセトン、トルエン、ブタノン等の有機溶剤、水が、着色剤の分散性の面から好ましい。これらの中でも、水の使用は、環境への配慮及び、後のトナー製造工程における着色剤の分散安定性維持の点から特に好ましい。
この製法によると、得られるトナーに含有される着色剤粒子の粒径が小さくなるばかりでなく、該粒子の分散状態の均一性が高くなるため、OHPによる投影像の色の再現性がより一層よくなる。
前記トナー中には、前記結着樹脂及び前記着色剤とともに離型性を持たせるためにトナー中にワックス(離型剤)を含有している。前記ワックスは、その融点が40〜160℃が好ましく、特に50〜120℃がより好ましい。前記融点が40℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすくなることがある。
前記ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度で、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が1000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が乏しくなることがある。
前記ワックスの前記トナー中における含有量は、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。ワックス含有量が40質量%を超える場合、定着工程後の画像表面にワックスの析出量が大きくなり過ぎて、後述の紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物をはじいたり、トナーと紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物の界面の密着性を阻害したりする場合がある。
なお、本発明では、ワックスを含有したトナーであっても良好に再剥離可能である。
前記ワックスとしては、動物由来のワックス(蜜蝋、鯨蝋、セラック蝋等)、植物由来のワックス(カルナバ蝋、木蝋、米糠蝋、キャンデリラワックス等)、鉱物由来のワックス(モンタンワックス、オゾケライト等)、石油由来のワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等)が例示できるが、離型能力が高い点で、石油由来のワックスが好ましい。前記石油由来のワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスを例示することができ、二種類以上のワックスを混合して用いても良い。特に、融点の異なるワックスを混合すると、ワックス全体としての融点は低くなるため、離型性が向上し好ましい。マイクロクリスタリンワックスは、イソパラフィンやシクロパラフィンの成分が含有されているため、比較的結晶が小さくなる。そのため、オイルレス定着画像上のワックスは、一様に存在するのではなく、分散して存在しやすくなるため、オイルレス定着画像のAb/Aa、Ab’/Aa’を小さな値にすることができる。
前記ワックスとしては、炭化水素成分のイソパラフィンが10質量%以上含まれていることが、電子写真用エネルギー線硬化性前駆体(紫外線硬化型組成物前駆体)との密着性の点で好ましい。
前記ワックスの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真用エネルギー線硬化性前駆体の密着性に寄与する成分の分子量が高く、その分子量に近いほど好ましい。具体的には、平均分子量が500以上であることが、電子写真用エネルギー線硬化性前駆体との密着性の点で好ましい。
前記ワックス中のイソパラフィンの質量%、及び前記ワックスの平均分子量は、例えば、JMS−T100GC“AccuTOF GC”を用いて、FD(Field Desorption)法にて測定することができる。
また、トナー帯電量及びその立ち上がりを早くするために、トナー中に、必要に応じて帯電制御剤を含有させてもよい。前記帯電制御剤として有色材料を用いると色の変化が起こるため、無色又は白色に近い材料が好ましい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、正および負のいずれの帯電性を付与するものであっても良く、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。
前記帯電制御剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれも、オリエント化学工業社製);第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも、保土谷化学工業社製);第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれも、ヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(いずれも、日本カ一リット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
前記帯電制御剤の添加量は、結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法などによって異なり、一義的に規定できるものではないが、前記結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。前記添加量が10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、有機溶剤に直接溶解し、分散する際に加えてもよいし、トナー表面にトナー粒子作製後、固定化させてもよい。
また、トナー製造過程で水系媒体中にトナー組成物を分散させるに際して、主に分散安定化のための樹脂微粒子を添加してもよい。
前記樹脂微粒子は、水性分散体を形成し得る樹脂であればいかなる樹脂も使用することができ、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、又はそれらの併用が好ましい。
前記ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合又は共重合したポリマーが用いられ、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子が好適である。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。
前記無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積は20〜500m/gが好ましい。前記無機微粒子の前記トナーにおける添加量は、0.01〜5質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
その他の高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
また、トナーには流動化剤を添加することもできる。該流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。前記流動化剤としては、例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコンオイル、変性シリコンオイルなどが挙げられる。
また、感光体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合などによって製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。前記ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
このようなトナーを用いることにより、上述の如く、現像の安定性に優れる、高画質なトナー像を形成することができる。
また、本発明の画像形成装置は、上述のような、高品質な画像を得るに適した構成の重合法トナーとの併用ばかりでなく、粉砕法による不定形のトナーに対しても適用でき、この場合にも、装置寿命を大幅に延ばすことができる。このような粉砕法のトナーを構成する材料としては、通常、電子写真用トナーとして使用されるものが、特に制限なく、適用可能である。
前記粉砕法トナーに使用される結着樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等のスチレン系共重合体;ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル系単重合体又はその共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のポリビニル誘導体;ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリイミド系重合体、ポリオール系重合体、エポキシ系重合体、テルペン系重合体、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂が、電気特性、コスト面等から好ましく、更には、良好な定着特性を有するものとして、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂が特に好ましい。
前記粉砕法トナーでは、これらの樹脂成分と共に、前述のような着色剤成分、ワックス成分、帯電制御成分等を、必要により前混合後、樹脂成分の軟化温度近傍以下で混練して、これを冷却後、粉砕分級工程を経て、トナーを作製すればよく、また、必要に応じて前記外添成分を、適宜添加し混合すればよい。
溶融混練機としては、例えば、一軸の連続混練機、二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機などが挙げられる。例えば、株式会社神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械株式会社製TEM型押出機、有限会社ケイシーケイ製二軸押出機、株式会社池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターとの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナーを製造する。
その他、懸濁重合法や、乳化重合法によってもトナーを製造することができる。
−−懸濁重合法−−
前記懸濁重合法は、油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、ワックスなどを分散し、界面活性剤、その他固体分散剤などが含まれる水系媒体中で、後述する乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行い粒子化し、前記トナーを得る。
前記重合性単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有するアクリレート、メタクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有するものを選ぶことよってトナー表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
−−乳化重合法−−
前記乳化重合法としては、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、ワックス等を水系媒体中に分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。ラテックスとして懸濁重合法に使用される単量体と同様なものを用いればトナー表面に官能基を導入できる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像(トナー像)が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、前記トナー像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上にトナー像を一次転写した後、該トナー像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、トナー像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記トナー像を転写帯電器を用いて前記像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
−中間転写体−
前記中間転写体としては、体積抵抗1.0×10〜1.0×1011Ω・cmの導電性を示すものが好ましい。前記体積抵抗が1.0×10Ω・cmを下回る場合には、感光体から中間転写体上へトナー像の転写が行われる際に、放電を伴いトナー像が乱れるいわゆる転写チリが生じることがあり、1.0×1011Ω・cmを上回る場合には、中間転写体から紙などの記録媒体へトナー像を転写した後に、中間転写体上へトナー像の対抗電荷(カウンターチャージ)が残留し、次の画像上に残像として現れることがある。
前記中間転写体としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物やカーボンブラック等の導電性粒子や導電性高分子を、単独又は併用して熱可塑性樹脂と共に混練後、押し出し成型したベルト状もしくは円筒状のプラスチックなどを使用することができる。この他に、熱架橋反応性のモノマーやオリゴマーを含む樹脂液に、必要により上述の導電性粒子や導電性高分子を加え、加熱しつつ遠心成型を行い、無端ベルト上の中間転写体を得ることもできる。
中間転写体に表面層を設けても良く、適宜、導電性物質を用いて抵抗調整が為されていることが好ましい。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができるが、ダイレクトメールとして用いることを考慮すると、記録媒体自体は白色であることが好ましく、記録媒体表面には、炭酸カルシウム、タルク、カオリン等の白色顔料のコート層を有していることが好ましい。白色顔料の大きさは、平均粒径0.1μm以上、好ましくは0.5〜5μmである。白色顔料の平均粒径が0.1μm未満では、白色顔料の層の強度が極めて弱く、白色顔料の粉落ち、白色顔料の層の割れが激しくなり、再剥離させる際に、画像の剥がれが生じやすくなる。
白色顔料の層の厚みは、情報シートの見た目の良さを維持するためには、1μm以上、好ましくは1.5〜3μm以上であることが好ましい。
<定着工程及び定着手段>
前記定着工程は、記録媒体に転写されたトナー像を前記定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、公知の加熱加圧手段を用いることができる。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記定着手段における加熱加圧でトナー粒子が10Pa・s以上10Pa・s以下の範囲となることが好ましい。
前記除電工程は、前記像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記像担持体上に残留する前記電子写真用トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段は、転写手段より下流側かつ帯電器より上流側に設けられることが好ましい。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記像担持体上に残留するトナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
<紫外線硬化型組成物塗布硬化工程(塗布硬化工程)及び紫外線硬化型組成物塗布硬化手段(塗布硬化手段)>
紫外線硬化型組成物は、定着工程後の任意の適切な時間にトナー像を担持した記録媒体上に塗布できる。例えば、紫外線硬化型組成物は、印刷および上塗りが同一の印刷デバイスで実施されるインラインコーティング装置のように、トナー画像を形成した後直ちに、または印刷及び上塗りが異なる印刷装置で実施されるオフラインコーティング装置のように、印刷後の短い或いは長い遅延時間のあとに、トナー像を担持した記録媒体上に塗布できる。さらに、紫外線硬化型組成物は、記録媒体全体、トナー画像全体、記録媒体の一部、またはトナー画像の一部を覆って塗布できる。実施用途に応じて、印刷面の保護または光沢出しなどを提供できる。後述の折り曲げを行う際には、折り曲げ部の負担を軽くするため、折り曲げ部には紫外線硬化型組成物前駆体を塗布しないようにしていることが好ましい。
紫外線硬化型組成物を塗布するには、ロールコータ、フレキソコータ、ロッドコータ、ブレード、ワイヤーバー、エアーナイフ、カーテンコータ、スライドコータ、ドクターナイフ、スクリーンコータ、グラビアコータ(例えばオフセットグラビアコータ)、スロットコータ、および押出しコータ、インクジェットコータを含む、液体フィルムコーティング装置を使用できる。このような装置は、例えば、正転および逆転ロールコーティング、オフセットグラビア、カーテンコーティング、リソグラフコーティング、スクリーンコーティング、グラビアコーティング、およびインクジェットコーティングなどの周知の方式で使用できる。
前記紫外線硬化型組成物の塗布厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜15μmが好ましい。前記塗布厚みが、1μm未満であると、はじきが生じたり、光沢が不十分となったりすることがあり、15μmを超えると、画像の質感が低下することがある。
前記塗布工程の後には、塗布された前記紫外線硬化型組成物を硬化させることが好ましい。
前記紫外線硬化型感圧組成物は、光源からの光(主に紫外線)を照射することにより硬化させることができる。
前記光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、アルゴンイオンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザ、ヘリウムネオンレーザ、クリプトンイオンレーザ、各種半導体レーザ、YAGレーザ、発光ダイオード、CRT光源、プラズマ光源、電子線、γ線、ArFエキシマーレーザ、KrFエキシマーレーザ、F2レーザなどが挙げられる。
図5に、塗布手段の一例を示す。図5の塗布手段は、塗布ローラ2、金属ローラ3、圧接ローラ5、搬送ベルト6、トレイ7、光源8、スクレイバ9を有している。紫外線硬化型組成物1は、塗布ローラ2と金属ローラ3の間に貯液されている。
トナー像が形成された記録媒体4は、回転する塗布ローラ2及び圧接ローラ5と当接しながら塗布ローラ2と圧接ローラ5との間を通過する。その際に、塗布ローラ2表面の紫外線硬化型組成物1が記録媒体4に転写されることで、記録媒体4に紫外線硬化型組成物1が塗布される。
紫外線硬化型組成物1が塗布された記録媒体4は、搬送ベルト6により搬送され、光源8の下を通過する。その際、光源8からの紫外線により、記録媒体4に塗布された紫外線硬化型組成物1は硬化する。その後、記録媒体4はトレイ7上に移動する。
圧接ローラ5に付着した不要な紫外線硬化型組成物1はスクレイバ9により除去される。
紫外線硬化型感圧組成物の塗布硬化工程及び紫外線硬化型感圧組成物塗布硬化手段も紫外線硬化型組成物と同様である。
−紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物−
本発明に用いられる紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物成分としては、重合性オリゴマー、重合性不飽和化合物、光重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、界面活性剤などが挙げられる。
−重合性オリゴマー−
前記重合性オリゴマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。
前記ポリエステルアクリレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多価アルコールと多塩基酸から得られるポリエステルポリオールのアクリル酸エステルが挙げられる。前記ポリエステルアクリレートは、優れた反応性を示す。
前記エポキシアクリレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノール型エポキシ、ノボラック型エポキシ、脂環式エポキシなどとアクリル酸との反応で得られるエポキシアクリレートが挙げられる。前記エポキシアクリレートは、硬度、柔軟性、及び硬化性に優れる。
前記ウレタンアクリレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどとジイソシアネート及びヒドロキシル基を持つアクリル酸エステルとを反応して得られるウレタンアクリレートが挙げられる。前記ウレタンアクリレートを用いると、柔軟性があり、強じんな皮膜が得られる。
前記重合性オリゴマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物における前記重合性オリゴマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜60質量%が好ましく、10質量%〜50質量%がより好ましく、20質量%〜45質量%が特に好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、硬化不良を起こしたり、粘度が低くなりすぎたり、硬化後の柔軟性を損ねたりすることがあり、60質量%を超えると、密着性を低下させたり、粘度が高くなりすぎたりすることがある。前記含有量が、前記特に好ましい範囲内であると、粘性の適正化、硬化性、並びに硬化後の紫外線硬化型組成物の被覆層の柔軟性、及び強度の点で有利である。
−重合性不飽和化合物−
前記重合性不飽和化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一官能の重合性不飽和化合物、二官能の重合性不飽和化合物、三官能の重合性不飽和化合物、四官能以上の重合性不飽和化合物などが挙げられる。
前記一官能の重合性不飽和化合物としては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルグリコールモノアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどが挙げられる。
前記二官能の重合性不飽和化合物としては、例えば、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。
前記三官能の重合性不飽和化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートなどが挙げられる。
前記四官能以上の重合性不飽和化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
融解能力の高い材料としては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。各材料により融解能力が違うため、添加量は各々でチューニングが必要である。但し、少な過ぎると密着性不良が、多すぎると画像乱れが発生する可能性がある。
前記重合性不飽和化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物における前記重合性不飽和化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、35質量%〜90質量%が好ましく、40質量%〜85質量%がより好ましく、45質量%〜75質量%が特に好ましい。前記含有量が、35質量%未満であると、粘度が高くなりすぎたりすることがあり、90質量%を超えると、硬化不良を起こしたり、粘度が低くなりすぎたり、硬化後の柔軟性を損ねたりすることがある。前記含有量が、前記特に好ましい範囲内であると、粘性の適正化、硬化性、硬化後の紫外線硬化型組成物の被覆層の点で有利である。
一官能のものよりも多官能のものの方が硬化速度が速く、高速定着の場合は適しているが体積収縮が大きい。硬化反応により大きく収縮する重合性不飽和化合物の場合は、カールが発生し易くなるため、できるだけ体積収縮率の少ない重合性不飽和化合物、その重合体を使用することが望ましい。
前記重合性不飽和化合物としては、体積収縮率が15%以下のものが好ましい。
前記重合性不飽和化合物、及び前記重合性オリゴマーのP.I.I.(皮膚刺激性)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0以下が好ましい。P.I.I.が5.0以上であると、皮膚への刺激が強すぎて安全性に問題がでることがある。
また、前記重合性不飽和化合物、及び前記重合性オリゴマーの色相はできるだけ無色透明に近いことが好ましく、ガードナーグレイスケールでは2以下が好ましい。ガードナーグレイスケールが2を越えると、画像部の色彩が変わることがあり、また地肌部の変色が目立ってしまうことがある。
−光重合開始剤−
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルなどが挙げられる。前記光重合開始剤としては、市販品を用いることができる。市販品の前記光重合開始剤としては、例えば、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製のイルガキュア1300、イルガキュア369、イルガキュア907;BASF社製のルシリンTPOなどが挙げられる。
前記重合性オリゴマー、又は前記重合性不飽和化合物と、前記光重合開始剤との混合物に紫外線を照射すると、前記光重合開始剤は、下記(I)式、(II)式に示したようにラジカルを発生させる。そのラジカルが、前記重合性オリゴマー、又は前記重合性不飽和化合物の重合性二重結合への付加反応を起こす。前記付加反応により更にラジカルが生成し、他の前記重合性オリゴマー、又は前記重合性不飽和化合物の重合性二重結合への付加反応を繰り返すことにより、下記(III)式のように重合反応が進行する。
(I)水素引抜き型
(II)光開裂型
(III)重合
前記光重合開始剤としては、(i)紫外線の吸収効率が高い、(ii)前記重合性オリゴマー、又は前記重合性不飽和化合物への溶解性が高い、(iii)臭気、黄変、毒性が低い、(iv)暗反応を起こさない、などの特性が良好なものが好ましい。
前記紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物における前記光重合開始剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜10質量%が好ましく、2質量%〜5質量%がより好ましい。
−増感剤−
前記(I)式の水素引抜き型のベンゾフェノン系光重合開始剤を用いる場合には、光重合開始剤だけでは、反応が遅くなることがあるため、アミン系の増感剤を併用することにより反応性を高めることが好ましい。アミン系の増感剤を含有させることにより、水素引抜き作用により光重合開始剤に水素を供給する効果、及び空気中の酸素による反応阻害を防止する効果がある。
前記アミン系の増感剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアシルなどが挙げられる。
前記紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物における前記増感剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜8質量%がより好ましい。
−重合禁止剤−
前記重合禁止剤は、前記紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物の保存安定性を高めるために用いられる。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,6−ジtert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,3−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール(IA)、アンスラキノン、ハイドロキノン(HQ)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)などが挙げられる。
前記紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物における前記重合禁止剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜3質量%が好ましい。
−界面活性剤−
前記界面活性剤を前記紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物に含有させることにより、トナーと紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物との界面に吸着性が付与されたり、紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物の表面張力を下げ、ぬれ性が向上したりする。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、シリコン界面活性剤、フルオロ界面活性剤などが挙げられる。
前記アニオン界面活性剤としては、例えば、スルホコハク酸塩、ジスルホン酸塩、リン酸エステル、硫酸塩、スルホン酸塩、及びこれらの混合物などが挙げられる。
前記ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、イソプロピルアルコール、アセチレン系ジオール、エトキシル化オクチルフェノール、エトキシル化分岐第二級アルコール、ベルフルオロブタンスルホン酸塩、アルコキシル化アルコールなどが挙げられる。
前記シリコン界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル修飾ポリージメチルーシロキサンなどが挙げられる。
前記フルオロ界面活性剤としては、例えば、エトキシル化ノニルフェノールなどが挙げられる。
前記紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物における前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.5質量%〜3質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、ぬれ性が得られないことがあり、5質量%を超えると、硬化性を阻害することがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、ぬれ性が向上する点で有利である。
前記その他の成分としては、更に、レベリング剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPETなどの記録媒体への密着性を改善するための、重合を阻害しないタッキファイヤー(粘着性付与剤)などが挙げられる。
また、前記重合性オリゴマー、前記重合性不飽和化合物と相溶することのできる高分子を含有させることが好ましい。この高分子が存在することで、保護剤シート製造時の圧着に対して、エネルギー線硬化型感圧組成物層が破壊されたり、移動することがなくなり、確実に圧着を行うことができる。好ましい高分子としては、重量平均分子量が10,000〜100,000、ガラス転移温度が−60℃〜20℃である(メタ)アクリル系共重合体が、前記重合性オリゴマー、前記重合性不飽和化合物との相溶性が高く、圧着性が良く、かつ、再剥離性も良く、最も好ましい。
本発明における(メタ)アクリル系共重合体とは、アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルからなるモノマー成分を、有機溶剤を重合溶媒として重合して得られるものである。
前記アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート及びグリコールジ(メタ)アクリレート、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル系共重合体の製造に際しては、必要に応じて、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のカルボン酸含有エチレン性不飽和モノマー、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びアルキルアミノ(メタ)アクリレート、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びメトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート及びグリジジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等の如く官能基を持つエチレン性不飽和モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン等を共重合することができる。
前記(メタ)アクリル系共重合体の重合溶媒としては、各有機溶剤が使用可能であり、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール等のアルコール類、セロソルブアセテート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ、i−ブチルセロソルブ、n−プロピルセロソルブ等のセロソルブ類、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエーテル類、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、芳香族系(石油留分)溶剤、フタル酸エステル系可塑剤、アルキルリン酸エステル等が挙げられる。
ニス組成物(紫外線硬化型組成物)の調製に際して、前記溶剤に溶解された(メタ)アクリル系共重合体(B)溶液をそのまま配合してもよく、またその場合に、組成物中から最終的に溶剤を除去してもよい。
前記のように合成された(メタ)アクリル系共重合体は、特定の分子量範囲及び特定のガラス転移温度範囲において、特に有効な使用を見出すことができる。
(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量は10,000〜100,000であることが必要であり、好ましくは20,000〜50,000である。
この成分は、重量平均分子量が10,000に満たないと、凝集力が不足し、接着性が低く、適度な再剥離性接着性を示さない。
また、この成分は、重量平均分子量が100,000を越えると、前記重合性オリゴマー、前記重合性不飽和化合物との相溶性が低下する。
そのような場合、成分を前記重合性オリゴマー、前記重合性不飽和化合物中に配合するために希釈剤を多量に用いる必要があり、紫外線による硬化速度の低下及び表面の光沢の低下を招くと共に、溶剤による作業環境の悪化による衛生上の問題及び消防法上の問題が大きくなる。
次に、(メタ)アクリル系共重合体のガラス転移温度は、−60〜20℃の範囲である必要があり、好ましくは−50〜10℃である。
この成分は、ガラス転移温度が−60℃より低いと、ベタツキ感が強く、接着強度が充分に出ない。
また、この成分(B)は、ガラス転移温度が20℃より高いと、再剥離性接着性が得られない。
本発明でいうガラス転移温度とは、例えば大森英三著「アクリル酸エステルとそのポリマー(II)」(株)昭晃堂発行第110頁〜115頁に記載されているような一般の高分子で測定される二次転移点であり、共重合体の場合は、同書第120頁に記載されている計算ガラス転移温度である。
以上の(メタ)アクリル系共重合体は、前記重合性オリゴマー、前記重合性不飽和化合物との相溶性が良好であり、この成分(B)が均一に溶解した状態の紫外線硬化型ニス組成物を得ることができる。
(メタ)アクリル系共重合体の前記重合性オリゴマー、前記重合性不飽和化合物に対する配合割合は特に限定されるものではないが、特に好ましい範囲は前記重合性オリゴマー、前記重合性不飽和化合物の合計100重量部に対して、5〜80重量部である。
前記配合割合が5重量部に満たないと、ニス組成物は、充分な再剥離性接着性が与えられなかったり、接着性が弱くなったりする場合がある。
また、これが80重量部を超えると、得られるニス組成物はベタツキ感が強くなると共にニス本来の光沢性も低下したりし、剥離時に接着性が強すぎて紙破れが発生したり、塗工紙の耐ブロッキング性も不足するおそれがある。
なお、この成分の前記配合割合(重量部)は共重合体成分のみの量を言い、重合に用いた溶剤等を含まないものである。
本発明の(メタ)アクリル系共重合体は、組成物中に他の成分と均一に相溶し溶液状態となるので、コーティング表面に優れた光沢が生じると共に、通常の生活環境下の雰囲気では、耐ブロッキング性が与えられることになる。
貼り合わせ時の物理的な条件として、紙表面に塗工し、硬化させたニス組成物表面を互いに合わせ、例えば、10〜50kg/cm程度の線圧、或いは0.1〜10kg/cm程度の線圧による加圧と50〜150℃の温度による加熱の組合せを用いた場合等に、成分が表面に侵出して、ニスコーティング層表面に接着層が形成され、ニス組成物表面どうしの再剥離性接着が可能となる。
接着強度は、前記物理的条件の選択と前記成分の配合割合、ガラス転移温度及び平均分子量の各変化により適宜調整が可能であり、印刷面とニス面の接着強度より弱く、剥離時に表面に損傷を与えることなく、適度な剥離性を与えることができるのである。
前記紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃での粘度が10mPa・s〜800mPa・sが好ましい。前記粘度が、10mPa・s未満である、又は800mPa・sを超えると、塗布厚みの制御が困難になることがある。
前記粘度は、例えば、B型粘度計(東洋精機製作所製)により測定することができる。
前記紫外線硬化型組成物及び紫外線硬化型感圧組成物は、溶剤を用いた油性型でも作成することができるが、UVを用いた紫外線硬化型(光硬化型)の場合が、安全性確保、環境保護、省エネ及び高生産性の点から好ましい。
<折り工程、圧着工程及び折り手段、圧着手段>
前記紫外線硬化型感圧組成物を使用時は、塗布硬化工程後、必要に応じて所望の大きさに裁断して、例えば二つ折り(V折り)、三つ折り(Z折り)などを施す折り工程を入れ、紫外線硬化型感圧組成物加工面同士を合わせる。該紫外線硬化型感圧組成物面同士をローラ圧着して貼り合わせることで再剥離性を持った接着物が得られる。圧着させるときの加圧量は、一般的に50〜1000N/cmの範囲である。
このように、一枚のシートを折り曲げて圧着させることで、生産性が高くなる。
なお、折り曲げ部には紫外線硬化型感圧組成物を塗布しないことで、再剥離させた際に折り曲げ部が損傷することがないため好ましい。
<加熱加圧工程及び加熱加圧手段>
本発明における加熱加圧工程は、前記紫外線硬化型組成物の塗布硬化工程の次工程で行う。紫外線硬化型感圧組成物の場合は、前記紫外線硬化型感圧組成物の塗布硬化工程の次工程で行ってもよいし、前記折り工程または前記圧着工程の次工程で行ってもよい。折り工程の次工程では、加熱加圧工程の構成部が紫外線硬化型感圧組成物加工面に接触することはないため加工面に傷や汚れを付けることもない。また、紫外線硬化型感圧組成物加工面にタック性を有する場合、搬送性能の低下の可能性があるが、それを防止できる。前記圧着工程の次工程では、紫外線硬化型感圧組成物加工面は接着した状態であるため、記録媒体のどの方向でも搬送可能となり、さらに搬送設計しやすくなる。
前記加熱加圧工程及び加熱加圧手段は、前記定着工程及び前記定着手段を用いてもよい。例えば、定着工程の後に、白紙印刷を代用するような形で再度定着工程を繰り返す(但し、新たな現像工程等を経ないため、トナーなどを定着させるような現象は生じない)ことで、同一の定着手段を用いて加熱加圧を行うことができる。あるいは、白紙印刷ではなく宛名を書きこむような画像形成プロセスにおける定着工程を、この加熱加圧工程に代えても良い。
また、前記圧着工程及び圧着手段に加熱加圧手段の機能を付加してもよい。
但し、前記定着工程及び定着手段よりは折り工程を介して搬送されるため、加熱温度、加圧力は余裕を持って設定する必要がある。また、前記圧着工程及び圧着手段に加熱加圧手段の機能を付加する場合は、定着工程及び定着手段より一般的に加圧量はかなり高いため、加熱温度とのバランス設定が必要である。
前記圧着工程で加熱加圧工程を同時にすると、生産性は格段に向上するが、圧着工程時の圧力は非常に大きいため、加熱時の圧着装置の圧着ローラの体積膨張が問題となる場合があり、装置のメンテナンスが複雑となりやすい。
前記圧着工程後に加熱加圧工程を行う場合、圧着工程よりも圧力が低いので、装置としては小型で、低コストであり、耐久性も高い。
紫外線硬化型組成物が紫外線硬化型感圧組成物である場合、トナーの軟化温度以上の温度を付与しながら圧着させる、または圧着させた後にトナーの軟化温度以上の温度を付与することで、トナー画像層と紙の填料との強度を高めるとともに、紙の填料の層の強度を高めることで、再剥離が良好に可能となるため好ましい。
なお、圧着させた後にトナーの軟化温度以上の温度を付与するとは、圧着手段の下流に加熱加圧手段を設け、トナーの軟化温度以上の温度を付与することで達成できる。
図6に本発明に適用可能な加熱加圧装置の構成の一例を示す。
図6において、加熱加圧装置は例えば一定速度で駆動された一対の加熱加圧ロールの間に記録媒体や折り曲げられた記録媒体を挟んで駆動するものである。
ここで、この加熱加圧ロールの一方または両方ともに、例えば内部に熱源を備えるなどの装置で、その表面がトナーの溶融する温度に加熱されており、かつ、二つの加熱加圧ロールは圧接されている。好ましくは、一方または両方の加熱加圧ロール表面にはシリコンゴムまたはフッ素ゴム層が設けられていて、加熱加圧される領域の長さが1〜8mm程度の範囲にあることが好ましい。また、図7に示すがごとく、分離爪を設けてもよく、加熱加圧ロールに連れまわる現象を抑えることができる。
また、加熱加圧でトナー粒子が10Pa・s以上10Pa・s以下の範囲となることが好ましい。
10Pa・s未満であるとトナー粒子の溶融が過剰となり、紫外線硬化型組成物中でトナー粒子が動き、画像乱れを起こす場合がある。また、10Pa・sを超えるとトナーの溶融が充分でなく、トナー中から紫外線硬化型組成物も充分に出ていかないため、トナーと紙との密着性が不充分となる場合がある。
なお、粘度の測定は、回転平板型レオメータ(レオメトリック社製:RDAII)を用いて、角速度1rad/secのもとで測定することができる。
前記測定器において、温度、圧力を実機を想定した設定でトナーを軟化・溶融させて測定する。本発明においては、トナーが完全に溶融した場合は、紫外線硬化型組成物の中でトナーが動き画像が乱れるため、溶融途中段階のトナーの粘度を測定する。
想定する実機の設定についてより具体的には、加熱温度は、トナーが完全に溶融しない範囲が好ましく、加圧圧力は大きすぎるとトナーが広がるため、広がらない範囲が好ましく、加熱温度は80〜230℃であり、加圧圧力は5〜200N/cmである。
<ワックスと本発明との関係について>
また、本発明者らは、オイルレス定着を行ったトナー画像上のエネルギー線硬化性前駆体が弾く現象を詳細に調査したところ、エネルギー線硬化性前駆体が弾きやすい箇所は、一様にあるわけではなく、トナー画像があり、かつトナー画像面積が大きいベタ部で弾きやすいことが分かった。そこで、オイルレス定着を行ったトナー画像のベタ部の断面を電子顕微鏡により観察したところ、トナー中のワックスが、トナー画像表面のほとんどを覆っていることが分かった。
さらに、オイルレス定着を行ったトナー画像上に、エネルギー線硬化型感圧接着剤層を設けたもので、エネルギー線硬化型感圧接着剤層が剥がれやすい箇所は、トナー画像がある箇所であり、特にトナーの付着量が多いベタ部(特に、赤色、青色、及び緑色の箇所)が最も剥がれやすいことが分かった。
そこで本発明者らは、オイルレス定着を行ったトナー画像のベタ部に、エネルギー線硬化型感圧接着剤層を設けたベタ部と、エネルギー線硬化型感圧接着剤層界面を電子顕微鏡により観察した。すると、ベタ部と、エネルギー線硬化型感圧接着剤層界面に、ワックスの存在する箇所があり、そのワックスが存在している箇所では、エネルギー線硬化型感圧接着剤層がわずかに浮いている箇所があることを本発明者らは知見した。即ち、ワックスとエネルギー線硬化型感圧接着剤とが接する箇所が多いほど、前記エネルギー線硬化型感圧接着剤と前記オイルレス定着画像との密着性が低下することを知見した。
これらのことから、オイルレス定着を行ったトナー画像上に、ワックスが広面積に存在すると、エネルギー線硬化型感圧接着剤層との密着が阻害されることが分かり、トナー画像表面にワックスが少ないオイルレス定着トナー画像でないと、耐久性の高い、エネルギー線硬化型感圧接着剤層を設けることができないことを見出した。
本発明者らは、エネルギー線硬化型感圧接着剤層を好適に設けることができるオイルレス定着の画像を規定することができないか、オイルレス定着のトナー画像表面をATR法により測定し、測定したIRスペクトルを詳細に調査した。すると、2896〜2943cm−1のピーク面積Aaと、2946〜2979cm−1のピーク面積Abとの比Ab/Aaにより、エネルギー線硬化型感圧接着剤層を好適に設けることができるオイルレス定着トナーの画像を規定することができることを見出し、本発明者らは本発明に至った。
図8は、オイルレス定着トナー画像とオイルレス定着用トナー、オイルレス定着用トナーに用いているワックスのATR法(クリスタル:Ge、入射角:45°、一回反射)によるスペクトルである。
図8によれば、2896〜2943cm−1にあるピークと、2946〜2979cm−1にあるピークは、オイルレス定着用トナー、ワックスどちらにも存在する。しかし、ワックスは、2896〜2943cm−1にあるピークが非常に強く、2946〜2979cm−1にあるピークは非常に小さい。一方、オイルレス定着用トナーは、2896〜2943cm−1にあるピークは、2946〜2979cm−1に比べ、格段高いわけではない。
図9は、オイルレス定着トナー画像においてトナー画像と、エネルギー線硬化型感圧接着剤層との密着性OKのIRスペクトル(実線)および密着性NGの場合のIRスペクトル(破線)を表す図である。即ち、図9は、エネルギー線硬化型感圧接着剤層との密着性が良いオイルレス定着トナー画像と密着性の悪いオイルレス定着トナー画像のベタ部のIRスペクトルである。
エネルギー線硬化型感圧接着剤層との密着性の悪いオイルレス定着画像の2896〜2943cm−1にあるピークが、2946〜2979cm−1に比べ相対的に高くなっているのが分かる。
本発明においては、2896〜2943cm−1のピーク面積Aaと、2946〜2979cm−1のピーク面積Abとの比Ab/Aaをトナー画像表面のワックス量の指標とし、好ましくはAb/Aaが3.0〜7.0、さらに好ましくは、3.3〜6.6である。Ab/Aaは、その値が大きいほど、ワックスの量が多く、オイルレス定着自体の本来の目的としては、Ab/Aaは大きいほど良い。しかし、本発明では、Ab/Aaが7.0よりも大きいと、エネルギー線硬化型感圧接着剤層とオイルレス定着トナー画像との接着性が悪く、エネルギー線硬化型感圧接着剤層を軽く擦っただけで、エネルギー線硬化型感圧接着剤層がオイルレス定着トナー画像から剥がれてしまい、好ましくない。Ab/Aaが3.0よりも小さいと、定着ローラと画像との離型性が悪く、高画質の画像が得られなくなり、好ましくない。
また、本発明者らは、エネルギー線硬化型感圧接着剤層を好適に設けることができるオイルレス定着の画像を規定することができないか、オイルレス定着の画像表面、トナー、オイルレス定着に用いているワックスを、ATR法(クリスタル:Ge、入射角:45°、一回反射)により測定し、測定したIRスペクトルを詳細に調査してみた。すると、オイルレス定着トナー画像で検出される2834〜2862cm−1のピークは、ワックスのメインピークであるが、トナーからはわずかしか検出されないことが分かった。
図10は、オイルレス定着トナー画像とオイルレス定着用トナー、オイルレス定着用トナーに用いているワックスのATR法(クリスタル:Ge、入射角:45°、一回反射)によるスペクトルである。
ATR法は、高屈折率Geを測定サンプルに密着させて、エバネッセンス波を利用して測定を行う。そのため、それぞれの物質を測定している領域(深さ)が異なり、高波数ほど測定している深さが浅くなり、定数波数ほど深くなる。
低波数側のオイルレス定着トナー画像のスペクトルが、トナーのスペクトルとほぼ同じことから、ワックスは、トナーの状態では分散され、希薄な状態であるが、オイルレス定着画像では、画像表面に偏在していることが分かった。従って、2834〜2862cm−1のピークを規格化すれば、オイルレス定着トナー画像表面のワックスの量を規定することができることを見出した。
2834〜2862cm−1のピークを規格化するピークは、低波数側のどのピークを用いても良いのであるが、トナーの外添剤であるシリカや酸化チタン、金属石鹸は、画像形成時の感光体、帯電ローラ、クリーニングブレード等の状態により、オイルレス定着トナー画像によって付着量が変化することがある。そのような物質が持つピークの近くのピークであると、安定的に2834〜2862cm−1のピークを規格化することができない。791〜860cm−1のピークは、トナーの母体樹脂として一般に用いられているポリエステルのピークであり、外添剤にはないピークである。さらに、791〜860cm−1のピークは、前述のように深い領域まで測定しているので、オイルレス定着トナー画像表面のみ存在しているワックスの2834〜2862cm−1のピークを規格化するには適切なピークである、本発明者らはこれらの知見により、実際に、エネルギー線硬化型感圧接着剤層を好適に設けることができるオイルレス定着トナー画像を規定することができることを見出し、本発明に至った。
図11は、オイルレス定着トナー画像においてトナー画像と、エネルギー線硬化型感圧接着剤層との密着性OKのIRスペクトルおよび密着性NGの場合のIRスペクトルを表す図である。即ち、図11は、エネルギー線硬化型感圧接着剤層との密着性が良いオイルレス定着トナー画像と密着性の悪いオイルレス定着トナー画像のベタ部のIRスペクトルである。
エネルギー線硬化型感圧接着剤層との密着性の悪いオイルレス定着画像の2834〜2862cm−1にあるピークが、密着性が良いオイルレス定着トナー画像に比べて大きいことが分かる。
本発明においては791〜860cm−1のピーク面積Aa’と、2834〜2862cm−1のピーク面積Ab’との比Ab’/Aa’をトナー画像表面のワックス量の指標としAb’/Aa’が0.0040〜0.0140、さらに好ましくは、0.0045〜0.0120である。Ab’/Aa’は、その値が大きいほど、ワックスの量が多く、オイルレス定着自体の本来の目的としては、Ab’/Aa’は大きいほど良い。しかし、本発明では、Ab’/Aa’が0.0140よりも大きいと、エネルギー線硬化型感圧接着剤層とオイルレス定着トナー画像との接着性が悪く、エネルギー線硬化型感圧接着剤層を軽く擦っただけで、エネルギー線硬化型感圧接着剤層がオイルレス定着トナー画像から剥がれてしまい、好ましくない。Ab’/Aa’が0.0040よりも小さいと、定着ローラと画像との離型性が悪く、高画質の画像が得られなくなり、好ましくない。
本発明においては、オイルレス定着トナー画像で、最もトナー付着が多い箇所のAb/Aa、Ab’/Aa’を規定しているのは、以下の理由である。
エネルギー線硬化型感圧接着剤層とオイルレス定着トナー画像の接着性を低下させるワックスは、トナーからしか供給されない。従って、オイルレス定着トナー画像中で、ワックスの最も多い場所は、トナーの付着量が多い箇所、即ちトナー画像のベタ部である。
一般に、電子写真に用いるトナーは、黒、マゼンタ、シアン、イエローの四色を用い、各トナーを用いながら、様々な色を再現している。そのため、トナー画像中のベタ部の中でも、赤、青、緑の箇所は、二色のトナーで色を作っているので、トナーの量が最も多い箇所であり、ワックスの量も多い。
本発明においては、ISO/IEC 15775:1999 準拠テストチャートNo.4を電子写真方式によりサンプルトナー画像として形成し、当該サンプルトナー画像の赤、青および緑のそれぞれにおける最もトナー濃度の高い箇所のAb/Aaの3つの値の最大値が、3.0〜7.0である、または、Ab’/Aa’の3つの値の最大値が、0.0040〜0.0140である画像形成装置で画像形成したオイルレス定着トナー画像であれば、エネルギー線硬化型感圧接着剤層の接着性の良い、高級感あふれるきれいな画像を提供することができる。
オイルレス定着トナー画像のAb/Aa、Ab’/Aa’は、トナー中のワックスの量、分布状態、ワックスの種類により変化する。トナー中のワックスの量が少ないほどAb/Aa、Ab’/Aa’は低くなり、トナー中のワックスが、トナー表面付近に多いほど、Ab/Aa、Ab’/Aa’は高くなる。また、融点が低く、流動性の高いワックスを用いるほど、オイルレス定着トナー画像のAb/Aa、Ab’/Aa’は高くなる。
トナーの付着量によってもオイルレス定着トナー画像のAb/Aa、Ab’/Aa’変化し、トナーの付着量が少ない方が、Ab/Aa、Ab’/Aa’は低くなる。エネルギー線硬化型感圧接着剤層を設けた画像は、画像表面がフラットになるため、通常よりも画像が濃く感じられ、トナーの付着量を下げ、Ab/Aa、Ab’/Aa’を低くすることができる。
また、定着の条件により、オイルレス定着トナー画像のAb/Aa、Ab’/Aa’も変化する。当然、定着温度が高く、定着ローラにより加熱される時間が長く、定着ローラの圧力が高いほど、トナーからのワックスの染み出し量が多くなるため、オイルレス定着画像のAb/Aa、Ab’/Aa’は高くなる。
このように、オイルレス定着画像のAb/Aa、Ab’/Aa’を変化させる因子は様々ある。しかし、それぞれの条件が決まれば、オイルレス定着画像のAb/Aa、Ab’/Aa’は、ほぼ一定の値にすることは容易であり、エネルギー線硬化型感圧接着剤層を設けて耐久性が高く、高級感あふれるきれいな画像を提供することができる。
本発明において、前述のように、ATR法(クリスタル:Ge、入射角:45°、一回反射)によりIRスペクトルを測定する。ATR法は、高屈折率のGeをサンプルに押し付けた状態で測定できるため、非常に簡便に測定することができ、測定スペースに充分な空間があれば、画像を裁断することなく、測定することもできる。
ATR法は、測定するIR光の波数により、サンプルの深さ方向の測定領域が異なる。そのため、波数が大きく離れた二つのピーク面積比で指標を作成すると、それぞれの物質の測定している領域(深さ)が異なってしまうため、Geとサンプルとの間にわずかな隙間が存在してしまうと、ピークの面積比に大きな誤差が生じてしまう。本発明でAb/Aa、Ab’/Aa’を求める際に用いる二つのピークは、波数が近いため、それぞれの物質ともほぼ同じ領域(深さ)を測定している。そのため本発明では、再現性の良いAb/Aa、Ab’/Aa’の値を測定することができる。
2896〜2943cm−1のピーク面積Aaは、図12に示すように、スペクトルの2896cm−1と2943cm−1を結ぶ直線をベースラインとし、2896〜2943cm−1の間の、ベースラインより上の面積を測定する。2946〜2979cm−1のピーク面積Abも同様に、図13に示す作図を行い、測定することができる。
このようにして測定された各面積の比をとることにより、Ab/Aaの値を測定することができる。
791〜860cm−1のピーク面積Aa’は、図14に示すように、スペクトルの791〜860cm−1を結ぶ直線をベースラインとし、791〜860cm−1の間の、ベースラインより上の面積を測定する。2834〜2862cm−1のピーク面積Ab’も同様に、図15に示す作図を行い、測定することができる。
このようにして測定された各面積の比をとることにより、Ab’/Aa’の値を測定することができる。
また、本発明者はさらに別の観点からも検討を重ねた。即ち、前記エネルギー線硬化型感圧接着剤と前記オイルレス定着画像との密着性に関係するワックスは、オイルレス定着画像の最表面に分布しており、画像内部に存在するワックスは関係しない。このため、オイルレス定着画像の最表面のワックスの分布状態から、エネルギー線硬化型感圧接着剤を好適に設けることができるオイルレス定着画像を規定することができないか検討を行った。
ここで、ポリマー中の構造を観察するための手法として、透過電子顕微鏡(TEM)観察では、ポリマーの切片を四酸化オスミウム(K.Kato:Polym.Eng.Sci.,7,38)、四酸化ルテニウム(J.S Trent et al.:Macromolecules,16,589)、りんタングステン酸(K.Hess et al.:Kalloid−Z,168,37)などにより処理することが行われている。
これにより、各ポリマーによって化学修飾され方が異なること、また化学修飾する物質は重金属を有しているため、電子が透過しづらくなり、化学修飾されたポリマーは暗く観察され、化学修飾されていないポリマーは明るく観察されることから、TEM像にコントラストを付ける手法として一般的に行われている。これらの中でも、四酸化ルテニウムは、多くのポリマー材料に応用が可能である点で好ましい。
ポリエステル、ポリスチレン等の結着樹脂を含むトナー母体粒子は、四酸化ルテニウムで化学修飾されやすく、ワックスはトナー母体粒子よりも圧倒的に四酸化ルテニウムで化学修飾されにくいことに着目し、オイルレス定着画像を四酸化ルテニウムで化学修飾すれば、走査電子顕微鏡像(SEM像)において、ワックスの存在している場所と存在していない場所を区別できないか検討を行った。即ち、四酸化ルテニウムの構成元素であるRuは、オイルレス定着画像の構成元素である水素、炭素、窒素、酸素に比べてはるかに原子番号が大きいことから、SEM像において、サンプルからの反射電子又は二次電子の量は原子番号の大きい元素ほど多いという特性を利用することができる。
また、四酸化ルテニウムはサンプルの最表面しか修飾しないことから、走査電子顕微鏡(SEM)において観察する深さ領域は、できるだけ最表面である必要がある。
一般に、SEM観察において、観察する深さは、加速電圧に依存していることが知られており、1kVの加速電圧以下とすれば、数十nm以下の深さの情報のみを見ることができる。
これらの知見に基づいて、オイルレス定着画像を四酸化ルテニウム蒸気で処理した後、定着画像表面をSEMの加速電圧を0.8kVとして、反射電子による観察を行ったところ、ワックスが存在する部分が暗く、ワックスの存在しない部分が明るく観察されることを知見した。
更に、このSEM像(反射電子像)の暗い部分の面積の割合は、オイルレス定着画像の最表面のワックスの被覆率として扱うことができ、オイルレス定着画像の最表面のワックスの被覆率で、エネルギー線硬化型感圧接着剤を好適に設けることのできるオイルレス定着画像を規定できることを知見した。
したがって、本発明においては、ISO/IEC 15775:1999準拠テストチャートNo.4を用いて、少なくとも2種のトナーにより形成した赤色、緑色、及び青色の少なくともいずれかの定着ベタ画像を四酸化ルテニウム水溶液の飽和蒸気で曝露した後、加速電圧0.8kVの電子線を照射し、得られた反射電子像を黒部と白部とからなる二値化画像に変換し、前記二値化画像全体の面積に対する前記黒部の面積の割合(「ワックスの被覆率」と称することもある)が40%〜70%であることが好ましく、42%〜65%がより好ましい。前記ワックスの被覆率が、40%未満であると、定着ローラと画像との離型性が悪くなり、高画質の画像が得られなくなることがあり、70%を超えると、エネルギー線硬化型感圧接着剤の密着性が悪くなることがある。
なお、トナー画像形成を行う画像形成装置でモノクロ画像を形成した場合も同様に、該モノクロ画像のワックスの被覆率は40%〜70%になることが好ましい。
−化学修飾処理−
前記ワックスの被覆率の測定方法のうち、オイルレス定着画像の表面を四酸化ルテニウム水溶液の飽和蒸気で曝露する際の四酸化ルテニウムの濃度は、安全かつ、再現性よく四酸化ルテニウムの化学修飾を行うことができれば、どのような濃度でもよいが、例えば、電子顕微鏡試薬として一般に販売されている、四酸化ルテニウム5質量%水溶液(例えば、TABB社(英国)製)を用いると、安定に四酸化ルテニウムの化学修飾を行うことができるので好ましい。
前記四酸化ルテニウム水溶液を密封空間に入れておくと、四酸化ルテニウムは揮発し、飽和蒸気となるため、その密閉空間にオイルレス定着画像を置くことで、容易にオイルレス定着画像を四酸化ルテニウムで化学修飾を行うことができる。
ここで、前記四酸化ルテニウム水溶液の飽和蒸気を曝露する温度としては、通常の室温でよく、例えば、15℃〜35℃が好ましく、18℃〜30℃がより好ましい。
前記四酸化ルテニウム水溶液の飽和蒸気を曝露する時間は、オイルレス定着画像が確実に化学修飾され、SEM観察の際に、離型剤との分離が明確にできれば特に制限はないが、3分間〜8分間が好ましく、4分間〜6分間がより好ましい。
前記曝露する時間が3分間未満では、オイルレス定着画像の化学修飾が不十分な場合があり、離型剤と定着画像とを明確に分離し難くなり、好ましくない。一方、前記曝露する時間が8分間を超えると、離型剤の表面にも、四酸化ルテニウムが付着してしまい、SEM像で観察される暗い部分の割合が増えてしまったり、離型剤の存在している箇所と存在してない箇所との境界が不明瞭となってしまうことがある。
−SEM観察−
走査電子顕微鏡(SEM)により四酸化ルテニウム処理されたオイルレス定着画像表面を観察すると、ワックスの存在する部分は暗くなり、ワックスの存在しない部分は明るく観察される。このときの加速電圧は0.3kV〜1.0kVが好ましく、0.5kV〜0.9kVがより好ましい。
前記加速電圧が、1.0kVを超えると、オイルレス定着画像の深い場所からの情報を検出してしまう。そのため、ワックスが薄く付着していると、ワックスを透過して、四酸化ルテニウムが化学修飾されているオイルレス定着画像の表面の情報も拾ってしまう。本発明においては、0.8kVの加速電圧を用いることにより、最表面のワックスの存在領域を、再現性よく観察することができる。
前記オイルレス定着画像を四酸化ルテニウムで処理したものを、SEMで観察する場合には、二次電子像及び反射電子像のどちらの像であっても、ワックスが存在する場所は暗く、ワックスが存在していない場所は明るく観察され、反射電子像の方が、ワックスの存在する場所と存在しない場所とを明確に区別することができる。
これは、前記反射電子及び二次電子ともに、原子番号が大きい元素ほど多く発生するからであるが、発生量の原子番号依存性は、二次電子よりも反射電子の方が高い。そのため、反射電子像は、オイルレス定着画像が持つ、凹凸情報を排除できるくらい、ワックスの存在している場所はより暗く、ワックスの存在していない場所はより明るくなり、好ましい。
ここで、図16(a)はエネルギー線硬化型感圧接着剤との密着性が悪いオイルレス定着画像を示し、図16(b)はエネルギー線硬化型感圧接着剤との密着性が良好なオイルレス定着画像を示す。
オイルレス定着画像を四酸化ルテニウムで化学修飾した後、0.8kVの加速電圧でSEM観察したときの反射電子像に示すように、図16(a)の密着性の悪いオイルレス定着画像は、全体が暗く、明るい箇所が非常に少ないことが分かる。一方、図16(b)の密着性が良好なオイルレス定着画像は、全体が明るく、暗い箇所が少ないことが分かる。
前記反射電子像を撮る倍率は、ワックスの存在状況により適宜選択されるものであり、トナーが存在している領域を撮るのであれば、どの倍率であっても構わないが、100倍〜2,000倍が好ましい。
−二値化処理−
得られた反射電子像(画像データ)を構成する各画素(あるいは所定個数の画素単位)を黒く見える部分(黒部)、白く見える部分(白部)のいずれかに区分けする画像処理(二値化)を行って、二値化画像を得る。図16(a)の二値化画像を図17(a)に示す。図16(b)の二値化画像を図16(b)に示す。
二値化に当っては、例えば、画素(ピクセル)ごとに明るさを求め、該明るさがある一定値(閾値)以上であれば白部とし、一定値未満であれば黒部とするようにすればよい。また、前記閾値は明るさのヒストグラムを参考にして設定されるが、図16(a)と図17(a)、図16(b)と図17(b)を見比べてみれば分かる通り、二値化する前の画像(図16(a)、図16(b))は、ほぼ二値化画像となっているため、閾値の設定に困ることはなく、多少上下しても、二値化画像に大きな影響を与えない。
−黒部の面積の割合算出−
次に、反射電子像に基づいた二値化画像全体に占める黒部の面積率を算出する。例えば、二値化画像全体の面積と黒部の面積とを求め、前記黒部の面積を前記二値化画像全体の面積で除する演算処理により算出してもよいし、前記黒部の画素数(ドット数)を二値化画像全体の画素数で除する演算処理により算出してもよい。
ここで、前記反射電子像ではワックスが存在している領域が黒く、ワックスが存在していない領域が白く見えるため、二値化画像全体に占める黒部の面積の割合は、ワックスの被覆率と考えることができる。
前記オイルレス定着画像において、最もトナー付着量が多い箇所のワックスの被覆率を規定することが好ましい。
オイルレス定着方式を採用する本発明の画像形成方法においては、エネルギー線硬化型感圧接着剤とオイルレス定着画像の密着性を低下させるワックスは、トナーからしか供給されない。従って、前記オイルレス定着画像中で、ワックスの最も多い場所は、トナーの付着量が多い箇所、即ち、画像のベタ部である。
電子写真方式の画像形成では、ブラック、マゼンタ、シアン、及びイエローの4色のトナーを用いて、様々な色を再現している。そのため、オイルレス定着画像のベタ画像の中でも、黒色に比べて赤色、青色、及び緑色の箇所はトナーの付着量が多い箇所であり、ワックスの含有量も多くなる。
本発明においては、ISO/IEC 15775:1999準拠テストチャートNo.4を用いて、少なくとも2種のトナーにより形成した赤色、緑色、及び青色の少なくともいずれかの定着ベタ画像を四酸化ルテニウム水溶液の飽和蒸気で曝露した後、加速電圧0.8kVの電子線を照射し、得られた反射電子像を黒部と白部とからなる二値化画像に変換し、前記二値化画像全体の面積に対する前記黒部の面積の割合(ワックスの被覆率)が40%〜70%であれば、エネルギー線硬化型感圧接着剤との密着性が良好となり、耐久性が高く、剥離した際に、高級感のある綺麗な画像の再剥離性情報シート得られる。
前記ワックスの被覆率は、トナー中のワックスの含有量、分布状態、ワックスの種類に応じて変化する。前記トナー中のワックスの含有量が少ないほどワックスの被覆率は低くなり、前記トナー中のワックスが、トナー表面付近に多いほど、ワックスの被覆率は高くなる。また、融点が低く、流動性の高いワックスを用いるほど、オイルレス定着画像のワックスの被覆率は高くなる。
また、前記トナーの付着量によってもオイルレス定着画像のワックスの被覆率は変化し、トナーの付着量が少ない方が、ワックスの被覆率は低くなる。エネルギー線硬化型感圧接着剤を設けた画像は、画像表面がフラットになるため、通常よりも画像が濃く感じられ、トナーの付着量を下げ、ワックスの被覆率を低くすることができる。
また、定着の条件により、オイルレス定着画像のワックスの被覆率も変化する。当然、定着温度が高く、定着ローラにより加熱される時間が長く、定着ローラの圧力が高いほど、オイルレス定着画像のワックスの被覆率は高くなる。
このように、オイルレス定着画像のワックスの被覆率を変化させる因子は様々あるが、それぞれの条件が決まれば、オイルレス定着画像のワックスの被覆率は、ほぼ一定の値にすることは容易であり、エネルギー線硬化型感圧接着剤を設け、圧着した再剥離可能情報シートは、耐久性が高く、剥離させた際に、高級感のある綺麗な画像を提供することができる。
<剥離強度と本発明との関係について>
さらに本発明者らは、トナーを用いたシートを紫外線硬化型感圧組成物で圧着した際、剥離強度がなぜ変化してしまうのか、詳細に検討を行った。特に、経時で剥離強度が変化してしまうことについて、紫外線硬化型組成物の層を調べたところ、紫外線硬化型組成物の中に、トナー成分が若干溶け出していることが分かった。一般に、トナーの主成分はポリエステルやポリスチレンであるが、これらの低分子量の成分は、紫外線硬化成分(A)であるアクリロイル基を有するモノマーやオリゴマーに溶解しやすい。また、溶解した成分は、(メタ)アクリル系共重合体(B)と同じような働きをしてしまうのであるが、(メタ)アクリル系共重合体(B)とは分子の大きさが全く異なるため、(メタ)アクリル系共重合体(B)の作用を妨害してしまい、剥離強度を大きく変化してしまうことが分かった。
本発明者らは、トナーを用いたシートで情報シートを作製するためには、紫外線硬化型感圧組成物だけではなく、トナーとの組み合わせが、極めて重要であることに気がついた。本発明者らは、エネルギー線硬化性前駆体(処理前)中にトナー画像を浸漬させ、トナー成分の一部を溶解させたエネルギー線硬化性前駆体(処理後)を、画像のないシート上に膜形成して圧着し、剥離強度を測定したところ、圧着した際の接着性が良好で、問題なく再剥離できる場合は、エネルギー線硬化性前駆体(処理前)を用いた場合と、ほとんど変化がないことを見出した。一方、圧着した際の接着性が低かったり、再剥離に問題があったりするものは、剥離強度がエネルギー線硬化性前駆体(処理前)を用いた場合と大きく異なることを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は、トナーを用いて画像形成したシート上にエネルギー線硬化性前駆体層を形成し、エネルギー線を照射し、前記エネルギー線硬化性前駆体を硬化させた後、エネルギー線硬化性前駆体を硬化させた面を貼り合わせ圧着させる再剥離性情報シートに用いるエネルギー線硬化性前駆体とトナーにおいて、エネルギー線硬化性前駆体(処理前)100gに対してベタ画像5cm2を浸漬し、40℃の暗所に24時間放置、ろ過したエネルギー線硬化性前駆体(処理後)を、トナー画像のないシート上に塗布、エネルギー線を照射し、前記エネルギー線硬化性前駆体を硬化させた後、エネルギー線硬化性前駆体を硬化させた面を貼り合わせ圧着させたものの剥離強度が、エネルギー線硬化性前駆体(処理前)での剥離強度に対して、80〜130%であるトナー及びエネルギー線硬化性前駆体を用いることを特徴とする再剥離性情報シートの製造方法である。
エネルギー線硬化性前駆体(処理後)での接着強度は、エネルギー線硬化性前駆体(処理前)での剥離強度に対して、80〜130%、好ましくは、80%〜125%である。80%より小さいと、接着強度が弱く、輸送時の振動で、剥離が生じやすく好ましくない。130%より大きいと、再剥離した際、片方の画像が破れたり、剥離面が平滑ではなく好ましくない。
剥離強度を測定する際のトナー画像は、カラー用であれば全ての色について行うことが好ましいが、剥離強度を変化させるものは、トナーの樹脂成分であり、顔料や添加剤ではないため、トナーの樹脂成分が同じであれば、一色のトナー画像について測定するだけで十分である。
剥離強度は、デジタルフォースゲージZTS(イマダ製)、ZTシリーズ用グラフ描画ソフトウェアForce−Recorder(イマダ製)を用い、150mm幅の圧着加工紙を6cm/secで剥離するときの引っ張り荷重とした。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施形態1>
−現像剤−
(トナー1)
トナーの具体的な作製例について説明する。
本発明で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。
[トナー処方]
・ポリエステル樹脂 89質量部
(重量平均分子量:68200、ガラス転移温度(Tg):65.5℃)
・石油系ワックス 5質量部
・カーボンブラック 5質量部
(三菱化成製:#44)
・帯電制御剤 1質量部
(スピロンブラックTR−H:保土谷化学製)
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて120℃で混練後、気流式粉砕機により粉砕、分級し質量平均粒径11.0μmとした後、ヘンシェルミキサーを用い、シリカ(R−972:日本アエロジル製)2.2質量%を混合しトナーを得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.90、体積平均粒径は8μmであった。
キャリアとして平均粒径50μmのマグネタイト粒子にシリコン樹脂をコート(膜厚0.5μm)したものを用い、前記トナーとトナー1濃度5.0質量%で混合し現像剤1を得た。
−紫外線硬化型組成物−
(紫外線硬化型組成物1)
ペンタエリスリトールテトラアクリレート30質量部とトリメチロールプロパントリアクレート66質量部、更に重合禁止剤ハイドロキノン0.3質量部をビーカーに入れ、攪拌しながら120℃まで加熱しジアリルフタレートプレポリマーを溶解させた。更にアルミニウムイソプロピレート2質量部をトルエン2質量部に分散させたものを除々に添加し、110℃で20分間攪拌した。この間溶剤として加えたトルエンを系外に除去し目的とする光硬化型ワニスベース剤を得た。
更に光硬化型ワニスベース剤を75質量部、増感剤としてベンゾフェノン10質量部、P−ジメチルアミノアセトフェノン5質量部、インキ粘度調整剤としてフェニルグリコールモノアクリレート10質量部を混合し、3本ロールミルで十分練肉し、紫外線硬化型組成物1を得た。
−加熱加圧装置−
(加熱加圧装置1)
図6の加熱加圧装置の一対の加熱加圧ロールの画像面側に熱源としてハロゲンランプを設けた。また一対の加熱加圧ロールの面圧は40N/cmに設定し、加熱加圧装置1のロール表面を100mm/secとなるように設定した。加熱加圧ロール表面の温度はロール出口直後のトナー粒子の粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下の範囲に入るように調整し加熱加圧装置1を得た。今実験では160℃であった。
(加熱加圧装置1A)
図6の加熱加圧装置の一対の加熱加圧ロールの画像面側に熱源としてハロゲンランプを設けた。また一対の加熱加圧ロールの面圧は41N/cmに設定し、加熱加圧装置1Aのロール表面を110mm/secとなるように設定した。加熱加圧ロール表面の温度はロール出口直後のトナー粒子の粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下の範囲に入るように調整し加熱加圧装置1を得た。今実験では160℃であった。
(実施例1)
前記現像剤1をリコー製MFPimagio Neo 750に搭載し、OKトップコート110kg紙のA4版にチェッカーパターンを印刷する。
上記印刷物を広瀬鉄工製UVニスコーター(SAC−18E)を用いて5〜6g/cmの膜厚で片面に紫外線硬化型組成物1のコーティングを行う。紫外線硬化型組成物1は上記コーターにて硬化させる。
次に加熱加圧装置1に紫外線硬化型組成物1を表面加工した印刷物を通過させ、通過後の印刷物のトナー画像上の紫外線硬化型組成物1をJIS K5400に準じて1mm間隔で100マスの基盤目状にカッターナイフで切り込み、セロハン粘着テープで引き剥がし、ルーペで見ながら剥がれなかったマスをカウントする。
評価基準を以下に示す。(以後密着性評価と記す)
<密着性評価基準>
◎:100/100
○:80〜99/100
△:40〜79/100
×:0〜39/100
(実施例1A)
実施例1において、加熱加圧装置1に代えて加熱加圧装置1Aを通過させて密着性評価を行った。
(比較例1)
実施例1において、加熱加圧装置1を通過させないで、密着性評価を行った。
<実施形態2>
−現像剤−
(トナー2)
トナーの具体的な作製例について説明する。
本発明で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。
[トナー材料の溶解乃至分散液の調製]
〜未変性ポリエステル(低分子ポリエステル)の合成〜
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。
次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃であった。
〜マスターバッチ(MB)の調製〜
水1000質量部、及びカーボンブラック「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。
該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
〜プレポリマーの合成〜
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。
次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
〜ケチミン(前記活性水素基含有化合物)の合成〜
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30質量部及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は423であった。
〜スチレン−アクリル共重合体樹脂の合成〜
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル300質量部を仕込み、スチレン−アクリルモノマー混合物(スチレン/アクリル酸2エチルヘキシル/アクリル酸/アクリル酸2ヒドロキシルエチル=75/15/5/5)300質量部、およびアゾビスイソブチルニトリル10gを投入して、常圧窒素雰囲気下60℃で15時間反応させた。
次いで反応液にメタノール200質量部を加え、1時間の攪拌後上澄みを除去し、減圧乾燥させて前記スチレン−アクリル共重合体樹脂を合成した。
ビーカー内に、前記プレポリマー10質量部、前記未変性ポリエステル60質量部、酢酸エチル130質量部、スチレン−アクリル共重合体30質量部を、攪拌し溶解させた。
次いで、石油系ワックス(シクロパラフィン15%質量、平均分子量=650)10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、前記ケチミン2.7質量部を加えて溶解させ、トナー材料の溶解乃至分散液を調製した。
[水系媒体相の調製]
イオン交換水306質量部、リン酸三カルシウム10質量%懸濁液265質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を混合撹拌し、均一に溶解させて水系媒体相を調製した。
[乳化乃至分散液の調製]
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
[有機溶剤の除去]
攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤した。
[洗浄・乾燥]
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。
得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。
更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。
[外添処理]
さらに、トナー母体粒子を100重量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6重量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0重量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナーを得た。
重量平均粒径は5.7μm、平均円形度は0.940であった。
<キャリア>
次に、評価に用いたキャリアの具体的な作製例について説明する。
本発明で用いるキャリアは、これらの例に限定されるものではない。
−キャリアの作製−
[キャリア被覆膜形成溶液処方]
・アクリル樹脂溶液(固形分50wt%) 21.0質量部
・グアナミン溶液(固形分70wt%) 6.4質量部
・アルミナ粒子 7.6質量部
[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)]
・シリコン樹脂溶液 65.0質量部
[固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・アミノシラン 1.0質量部
[固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・トルエン 60 質量部
・ブチルセロソルブ 60 質量部
上記処方をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコン樹脂のブレンド被覆膜形成溶液を得た。
芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe48.0:平均粒径;35μm]を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。
得られたキャリアを電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。
冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、重量平均粒径35μmのキャリアを得た。
キャリア100重量部に対しトナー2を7重量部の割合で、容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて現像剤を作製した。
−紫外線硬化型組成物−
紫外線硬化型組成物1をそのまま使用した。
−加熱加圧装置−
加熱加圧装置1、1Aをそのまま使用した。
(実施例2)
前記現像剤2をリコー製カラーMFP RICOH Pro C751に搭載し、OKトップコート110kg紙のA4版に画像面積率20%の画像を印刷する。
上記印刷物を広瀬鉄工製UVニスコーター(SAC−18E)を用いて5g/mの膜厚で片面に紫外線硬化型組成物1のコーティングを行う。紫外線硬化型組成物1は上記コーターにて硬化させる。
次に加熱加圧装置1に紫外線硬化型組成物1を表面加工した印刷物を通過させ、通過後の印刷物のトナー画像上の紫外線硬化型組成物1の密着性評価を行った。
(実施例2A)
実施例2において、加熱加圧装置1に代えて加熱加圧装置1Aを通過させて密着性評価を行った。
(比較例2)
実施例2において、加熱加圧装置1を通過させないで、密着性評価を行った。
<実施形態3>
−現像剤−
現像剤2をそのまま使用した。
−紫外線硬化型感圧組成物−
(紫外線硬化型感圧組成物1)
[(メタ)アクリル系共重合体のモノマー組成]
2−エチルヘキシルアクリレートを10質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレートを30質量部、ブチルメタクリレートを50質量部、アクリル酸を10質量部を攪拌混合し、(メタ)アクリル系共重合体のモノマー組成Aを得た。
[中間製造体製造例]
リポキシSP−1509(昭和高分子(株)社製エポキシアクリレートオリゴマー)40質量部、トリプロビレングリコールジアクリレート40質量部、アロニックスM−400(東亜合成(株)社製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)20質量部、イルガキュアー184(チバ・ガイキー社製ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)5質量部、メトキノン0.1質量部を攪拌混合し、中間製造体Aを得た。
攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、還流コンデンサを設備した、500mlの反応容器に、モノマー組成Aに関わるモノマーを合計100質量部、重合溶剤としてイソプロピルアルコールを100質量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチルニトリルを1質量部加え、窒素ガス気流中、イソプロピルアルコール還流下に82℃で6時間重合せしめ、透明で粘性を有する樹脂成分を50重量%含有する樹脂溶液を得た。
次に、この樹脂溶液を、前記中間製造体A105.1質量部(このうち、(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性モノマー及びオリゴマーは100質量部)に対し60質量部(このうち、固形分は30質量部)配合し、透明な溶液状態の紫外線硬化型感圧組成物1を得た。
−加熱加圧装置−
加熱加圧装置1、1Aをそのまま使用した。
(実施例3)
前記現像剤2をリコー製カラーMFP RICOH Pro C751に搭載し、OKトップコート110kg紙のA4版に画像面積率20%の画像を印刷する。
上記印刷物を広瀬鉄工製UVニスコーター(SAC−18E)を用いて5〜6g/cm2の膜厚で片面に紫外線硬化型感圧組成物1のコーティングを行う。紫外線硬化型感圧組成物1は上記コーターにて硬化させる。
次に加熱加圧装置1に紫外線硬化型感圧組成物1を表面加工した印刷物を通過させる。
次に幅150mm、長さ150mmに裁断した試料を作成する。この試料2枚を紫外線硬化型感圧組成物1で表面加工した面同士を合わせ、由利ロール製卓上スーパーカレンダー、ゲージ圧100N/cmの荷重を加えて圧着し、150mm幅の圧着加工紙を6cm/secで剥離するときの引っ張り荷重を測定する(以後剥離荷重試験と記す)。また、剥離後の印刷面を以下の基準で観察・評価を行った(以後剥離時定着性試験と記す)。
(実施例3A)
実施例3において、加熱加圧装置1に代えて加熱加圧装置1Aを通過させて密着性評価を行った。
<剥離時定着性試験基準>
○:トナー剥れが全くない
△:トナー画像が細かい点状に剥れる。
×:トナー画像が大きく剥ぎ取られる。
(実施例4)
実施例3で紫外線硬化型感圧組成物1を硬化後、幅150mm、長さ150mmに裁断した試料を作成し、試料の紫外線硬化型感圧組成物1の表面加工面同士を合わせ加熱加圧装置1に通した後、実施例3と同様の圧着条件にて圧着を行い、剥離荷重試験及び剥離時定着性試験を行った。但し、2枚重ね時の加熱加圧装置1のロール表面温度は200℃に設定した。
(実施例4A)
実施例3Aで紫外線硬化型感圧組成物1を硬化後、幅150mm、長さ150mmに裁断した試料を作成し、試料の紫外線硬化型感圧組成物1の表面加工面同士を合わせ加熱加圧装置1に通した後、実施例3Aと同様の圧着条件にて圧着を行い、剥離荷重試験及び剥離時定着性試験を行った。但し、2枚重ね時の加熱加圧装置1Aのロール表面温度は198℃に設定した。
(実施例5)
実施例3で紫外線硬化型感圧組成物1を硬化後、幅150mm、長さ150mmに裁断した試料を作成し、試料の紫外線硬化型感圧組成物1の表面加工面同士を合わせ実施例3と同様の圧着条件にて圧着後、加熱加圧装置1(ロール表面温度200℃)を通し、剥離荷重試験及び剥離時定着性試験を行った。
(実施例5A)
実施例3Aで紫外線硬化型感圧組成物1を硬化後、幅150mm、長さ150mmに裁断した試料を作成し、試料の紫外線硬化型感圧組成物1の表面加工面同士を合わせ実施例3Aと圧着条件にて圧着後、加熱加圧装置1A(ロール表面温度198℃)を通し、剥離荷重試験及び剥離時定着性試験を行った。
(実施例6)
実施例3で加熱加圧装置1を通さないで、由利ロール製卓上スーパーカレンダーの表面をヒータで加熱し、スーパーカレンダー直後のトナー粒子の粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下の範囲に入るように温度設定した。今実験は170℃であった。
(実施例6A)
実施例3Aで加熱加圧装置1Aを通さないで、由利ロール製卓上スーパーカレンダーの表面をヒータで加熱し、スーパーカレンダー直後のトナー粒子の粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下の範囲に入るように温度設定した。今実験は175℃であった。
(比較例3)
実施例3で硬化後の加熱加圧装置1を介さずに裁断、圧着を行い、剥離果樹試験及び剥離時定着性試験を行った。
実施例1〜6及び1A〜6A、並びに比較例1〜3の結果を表1に示す。
実施例3及び実施例3Aでトナー画像がなく、紫外線硬化型感圧組成物同士を圧着した場合の剥離荷重は180〜190g、剥離時定着性は○であった。
また、実施例3によれば、紫外線硬化型感圧組成物の浸透での定着性の低下も同様に防ぐことができ、剥離時のトナー剥れを防止できる。
実施例4及び実施例4Aによれば、折り後に加熱加圧装置を通過するため、紫外線硬化型感圧組成物加工面を加熱加圧装置で直接接触しないため、紫外線硬化型感圧組成物加工面に傷、汚れを付けることを防止できる。また、紫外線硬化型感圧組成物加工面はタック性を有する場合があるため搬送性が困難であったが、記録媒体面で搬送することができ、簡易化可能である。
実施例5及び実施例5Aによれば、圧着後のためどの向きでも搬送可能である。
実施例6及び実施例6Aで、加熱加圧装置の加圧力が大きい状態で加熱しているため、加熱加圧ロール側に試料が貼り付く場合があったため、図7のように加熱加圧ロールに爪(分離爪)を追加して通した結果、貼り付きが防止できた。
<実施形態3>
〈重量平均分子量の測定方法〉
各試料を固形分について10mg/mlとなるようにTHF溶液を調製し、各々インジェクション量100μlにて測定した。
測定条件
GPC測定装置:昭和電工社製SHODEX SYSTEM 11
カラム:SHODEX KF−800P、KF−805、KF−803及びKF−801の4本直列移動層
THF流量 :1ml/分
カラム温度:45℃
検出器:RI
換算:ポリスチレン
また、実施例において、なお、以下に示す実施例に係わるワックスのイソパラフィンの質量%、平均分子量はJMS−T100GC“AccuTOF GC”を用いて、FD(Field Desorption)法にて測定した。
〈樹脂溶液A〉
攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、還流コンデンサを設備した、500mlの反応容器に、(2−エチルヘキシルアクリレート10部、2−ヒドロキシルアクリレート30部、ブチルメタクリレート50部、アクリル酸10部)からなるモノマーを合計100部、重合溶剤としてイソプロピルアルコールを100部、重合開始剤としてアゾビスイソブチルニトリルを1部加え、窒素ガス気流中、イソプロピルアルコール還流下に82℃で6時間重合せしめ、透明で粘稠性を有する樹脂成分(本発明に使用する(メタ)アクリル系共重合体)を50重量%含有する樹脂溶液を得た。
得られたこの樹脂の重量平均分子量は、50,000であった。また、ガラス転移温度は−0.1℃であった。
〈中間前駆体A〉
リポキシSP−1509(昭和高分子(株)社製エポキシアクリレートオリゴマー)40部、テトラエチレングリコールジアクリレート40部、アロニックスM−400(東亞合成(株)社製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)20部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF製)5部、メトキノン0.1部を攪拌混合し、中間前駆体Aを得た。
〈中間前駆体B〉
KAYARAD UX−2031(日本化薬(株)製ウレタンアクリレートオリゴマー)10部、アロニックスM−309(東亞合成(株)社製トリメチロールプロパントリアクリレート)40部、テトラエチレングリコールジアクリレート50部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF製)5部、メトキノン0.1部を攪拌混合し、中間前駆体Bを得た。
〈紫外線硬化性前駆体11〉
樹脂溶液Aを、前記中間製造体A 105.1部に対し60部配合し、透明な溶液状態の紫外線硬化性前駆体11を得た。
〈紫外線硬化性前駆体12〉
樹脂溶液Aを、前記中間製造体B 105.1部に対し60部配合し、透明な溶液状態の紫外線硬化性前駆体12を得た。
(実施例11)
<トナー11及び現像剤11の作製>
−処方−
・ポリエステル樹脂 89.5質量部
(重量平均分子量(MW):68,500、ガラス転移温度(Tg):65.9℃)
・マイクロクリスタリンワックス 5 質量部
−イソパラフィン:15質量%
−平均分子量:650
・カーボンブラック(三菱化成社製、#44) 5 質量部
・帯電制御剤(スピロンブラックTR−H、保土谷化学社製) 1 質量部
以上の処方を混合し、2軸エクストルーダー(BCTA型、ビューラー社製)を用いて120℃で混練後、気流式粉砕機(ジェットミル、日清エンジニアリング社製)により粉砕、分級し体積平均粒径8.0μmとした後、ヘンシェルミキサー(FM型、三井三池化工社製)を用い、シリカ(R−972:日本アエロジル社製)2.2質量%を混合し黒用トナー11を得た。
同様に、着色剤として、カーボンブラックの代わりにPigment Yellow 17、Pigment Red 57、Pigment Blue 15をそれぞれ用いて、イエロー用トナー11、マゼンタ用トナー11、シアン用トナー11を得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.90、体積平均粒径は8.0μmであった。
キャリアとして平均粒径50μmのマグネタイト粒子にシリコン樹脂をコート(厚み0.5μm)したものを用い、前記各色用トナーとトナー濃度5.0質量%で混合し現像剤11を得た。
−印刷物の作製−
記録媒体としてのOKトップコート110kg紙のA4版に、現像剤11を用いた株式会社リコー製のimagio MP C7500でベタ部付着量0.4mg/cmの条件で、ISO/IEC 15775:1999 準拠テストチャートNo.4を出力し、印刷物を得た。
−Ab/Aaの測定−
上記印刷物の赤、緑、青のベタ部をATR法によりIR測定を行った。IR測定は、赤外分光装置(FT/IR−6100,日本分光製,Ge45°)を用い、圧力2.3kgで測定した。測定したIRスペクトルから、下記条件でAa、Abを求め、Ab/Aaを算出した。赤、緑、青のベタ部の3つの値を算出し、これらの中の最高値を印刷物のAb/Aaとした。結果を下記表2に示す。
[ATR法FT−IR測定条件]
・クリスタル:Ge
・入射角:45°
・反射:一回反射
・Aaベースライン,Aa領域:2896〜2943cm−1
・Abベースライン,Ab領域:2946〜2979cm−1
・Aa’ベースライン,Aa’領域:791〜860cm−1
・Ab’ベースライン,Ab’領域:2834〜2862cm−1
上記印刷物上に広瀬鉄工製UVニスコーター(SAC−18E)を用いて5〜6g/cmの膜厚で片面に紫外線硬化性前駆体11のコーティングを行い、UV硬化させた。
次に試料を幅150mm、長さ150mmに裁断した。この試料2枚を紫外線硬化性前駆体11で表面加工した面同士を合わせ、由利ロール製卓上スーパーカレンダー、ゲージ圧100N/cmの荷重を加えて圧着した。
次に、図6の加熱加圧装置の一対の加熱加圧ロールの画像面側に熱源としてハロゲンランプを設けた。また一対の加熱加圧ロールの面圧は40N/cmに設定し、加熱加圧装置1のロール表面を100mm/secとなるように設定した。加熱加圧装置1に圧着した試料を通し、再剥離性情報シートを作製した。
この再剥離性情報シートの150mm幅の圧着加工紙を6cm/secで剥離するときの引っ張り荷重を測定した(以後剥離荷重試験と記す)。
(実施例12)
<トナー12及び現像剤12の作製>
実施例11において、マイクロクリスタリンワックスをマイクロクリスタリンワックスとパラフィンワックスの混合ワックス(イソパラフィン9質量%、平均分子量520)に代えた以外は、実施例11と同様にして、トナー12、及び現像剤12を得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.90、体積平均粒径は7μmであった。
この現像剤を用いる以外は、実施例11と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(実施例13)
<トナー13及び現像剤13の作製>
実施例11において、マイクロクリスタリンワックスをマイクロクリスタリンワックスとパラフィンワックスの混合ワックス(イソパラフィン4質量%、平均分子量550)に代えた以外は、実施例11と同様にして、トナー13、及び現像剤13を得た。
この現像剤を用い、紫外線硬化性前駆体11の代わりに紫外線硬化性前駆体12を用いる以外は実施例11と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(実施例14)
<トナー14及び現像剤14の作製>
実施例13において、マイクロクリスタリンワックスをパラフィンワックス(平均分子量500)に代えた以外は、実施例13と同様にして、トナー14、及び現像剤14を得た。
この現像剤を用いる以外は、実施例13と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(参考例11)
実施例14において、株式会社リコー製のimagio MP C7500を改造し、印刷物の印刷速度を20%遅くして印刷物を印刷する以外は、実施例14と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(参考例12)
実施例12において、株式会社リコー製のimagio MP C7500を改造し、印刷物の印刷速度を25%遅くし、ベタ部付着量0.5mg/cmとして印刷物を印刷する以外は、実施例12と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(参考例13)
<トナー15及び現像剤15の作製>
実施例11において、マイクロクリスタリンワックス5重量部をパラフィンワックス(平均分子量500)1.8重量部に代えた以外は、実施例11と同様にして、トナー15、及び現像剤15を得た。
この現像剤を用いる以外は実施例11と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(実施例15)
<トナー16及び現像剤16の作製>
実施例11において、マイクロクリスタリンワックスをマイクロクリスタリンワックスとパラフィンワックスの混合ワックス(イソパラフィン11質量%、平均分子量480)に代えた以外は、実施例11と同様にして、トナー16及び現像剤16を得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.91、体積平均粒径は7.8μmであった。
この現像剤を用いる以外は実施例11と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(実施例19)
<トナー17、及び現像剤17の製造>
<<トナー17の製造>>
−トナー材料の溶解乃至分散液の調製−
−−未変性ポリエステル(低分子ポリエステル)の合成−−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。
次いで、得られた反応液を10mmHg〜15mmHgの減圧下にて6時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,200、重量平均分子量(Mw)が5,700、ガラス転移温度(Tg)が56℃であった。
−−マスターバッチ(MB)の調製−−
水1,000質量部、及びカーボンブラック(Printex35、デグサ社製、DBP吸油量=42mL/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1,200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。
得られた混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
−−プレポリマーの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。
次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
−−ケチミン(前記活性水素基含有化合物)の合成−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30質量部及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は423であった。
−−スチレン−アクリル共重合体樹脂の合成−−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル300質量部を仕込み、スチレン−アクリルモノマー混合物(スチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸/アクリル酸2−ヒドロキシルエチル=75/15/5/5)300質量部、及びアゾビスイソブチルニトリル10質量部を投入して、常圧窒素雰囲気下60℃で15時間反応させた。
次いで反応液にメタノール200質量部を加え、1時間の攪拌後上澄みを除去し、減圧乾燥させてスチレン−アクリル共重合体樹脂を合成した。
−−トナー材料の溶解乃至分散液の調製−−
ビーカー内に、前記プレポリマー10質量部、前記未変性ポリエステル60質量部、酢酸エチル130質量部、及び前記スチレン−アクリル共重合体30質量部を入れ、攪拌し溶解させた。
次いで、マイクロクリスタリンワックス(イソパラフィン15%質量、平均分子量=650)10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、前記ケチミン2.7質量部を加えて溶解させ、トナー材料の溶解乃至分散液を調製した。
−水系媒体相の調製−
イオン交換水306質量部、リン酸三カルシウム10質量%懸濁液265質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を混合撹拌し、均一に溶解させて水系媒体相を調製した。
−乳化乃至分散液の調製−
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
−有機溶剤の除去−
攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
−洗浄・乾燥−
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。
得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行った。
更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。
−外添処理−
得られたトナー母体粒子100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8質量部とをヘンシェルミキサーにて混合し、黒用トナー7を得た。 得られたトナーの平均円形度は0.940、体積平均粒径は5.7μmであった。
同様に、着色剤として、カーボンブラックの代わりにPigment Yellow 17、Pigment Red 57、Pigment Blue 15をそれぞれ用いて、イエロー用トナー7、マゼンタ用トナー7、シアン用トナー7を得た。
<<現像剤17の製造>>
−キャリアの製造−
アクリル樹脂溶液(シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート=80/20(質量比)共重合体のトルエン溶液、三菱レイヨン社製モノマーからの合成、固形分50質量%)21.0質量部、グアナミン溶液(スーパーベッカミンTD−126、DIC社製、固形分70質量%)6.4質量部、アルミナ粒子(スミコランダムAA−03、住友化学社製、0.3μm、固有抵抗値1014(Ω・cm)、分子量Mw55000)7.6質量部、シリコン樹脂溶液65.0質量部(SR2410、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、固形分23質量%)、アミノシラン(SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、固形分100質量%)1.0質量部、トルエン60質量部、及びブチルセロソルブ60質量部をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコン樹脂の被覆膜形成溶液を得た。
芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe48.0:平均粒径35μm]を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に厚み0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した後、生成物を電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後を目開き106μmの篩を用いて解砕し、重量平均粒径35μmのキャリアを得た。
−現像剤の製造−
キャリア100質量部に対して、トナー7質量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて現像剤17を得た。
<評価>
実施例11において、現像剤を上記で得た現像剤17に代えた以外は、実施例11と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(実施例20)
実施例19において、株式会社リコー製のimagio MP C7500を改造し、印刷物の印刷速度を20%遅くして印刷物を印刷する以外は、実施例19と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(実施例22)
<トナー22及び現像剤22の作製>
実施例11において、マイクロクリスタリンワックスをマイクロクリスタリンワックスとパラフィンワックスの混合ワックス(イソパラフィン9質量%、平均分子量520)に代えた以外は、実施例11と同様にして、トナー22、及び現像剤22を得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.91、体積平均粒径は7μmであった。
この現像剤を用いる以外は実施例11と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(実施例23)
<トナー23及び現像剤23の作製>
実施例22において、マイクロクリスタリンワックスをマイクロクリスタリンワックスとパラフィンワックスの混合ワックス(イソパラフィン4質量%、平均分子量550)に代えた以外は、実施例22と同様にして、トナー23、及び現像剤23を得た。
この現像剤を用いる以外は実施例11と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(実施例24)
<トナー24及び現像剤24の作製>
実施例22において、マイクロクリスタリンワックスをパラフィンワックス(平均分子量500)に代えた以外は、実施例22と同様にして、トナー24、及び現像剤24を得た。
この現像剤を用いる以外は実施例11と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(参考例21)
実施例24において、株式会社リコー製のimagio MP C7500を改造し、印刷物の印刷速度を20%遅くて印刷物を印刷する以外は、実施例24と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(参考例22)
実施例22において、株式会社リコー製のimagio MP C7500を改造し、印刷物の印刷速度を25%遅くし、ベタ部付着量0.5mg/cm2として印刷物を印刷する以外は、実施例24と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(参考例23)
<トナー25及び現像剤25の作製>
実施例11において、マイクロクリスタリンワックス5重量部をパラフィンワックス(平均分子量500)1.8重量部に代えた以外は、実施例11と同様にして、トナー25、及び現像剤25を得た。
この現像剤を用いる以外は実施例11と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(実施例25)
<トナー26及び現像剤26の作製>
実施例11において、マイクロクリスタリンワックスをマイクロクリスタリンワックス
とパラフィンワックスの混合ワックス(イソパラフィン11質量%、平均分子量480)
に代えた以外は、実施例11と同様にして、トナー26及び現像剤26を得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.91、体積平均粒径は7.8μmであった。
この現像剤を用いる以外は実施例11と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(実施例29)
<評価>
実施例11において、現像剤を現像剤17に代えた以外は、実施例11と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
(実施例30)
実施例29において、株式会社リコー製のimagio MP C7500を改造し、印刷物の印刷速度を20%遅くて印刷物を印刷する以外は、実施例29と同様に再剥離情報シートを作製、剥離荷重試験を行った。
<実施形態4>
〈重量平均分子量の測定方法〉
各試料を固形分について10mg/mlとなるようにTHF溶液を調製し、各々インジェクション量100μlにて測定した。
測定条件 GPC測定装置:昭和電工社製SHODEX SYSTEM 11 カラム:SHODEX KF−800P、KF−805、KF−803及びKF−801の4本直列移動層:THF 流量:1ml/分カラム温度:45℃ 検出器:RI 換算:ポリスチレン
また、実施例において、なお、以下に示す実施例に係わるワックスのイソパラフィンの質量%、平均分子量はJMS−T100GC“AccuTOF GC”を用いて、FD(Field Desorption)法にて測定した。
〈樹脂溶液3A〉
攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、還流コンデンサを設備した、500mlの反応容器に、(2−エチルヘキシルアクリレート10部、2−ヒドロキシルアクリレート30部、ブチルメタクリレート50部、アクリル酸10部)からなるモノマーを合計100部、重合溶剤としてイソプロピルアルコールを100部、重合開始剤としてアゾビスイソブチルニトリルを1部加え、窒素ガス気流中、イソプロピルアルコール還流下に82℃で6時間重合せしめ、透明で粘稠性を有する樹脂成分(本発明に使用する(メタ)アクリル系共重合体)を50重量%含有する樹脂溶液3Aを得た。
得られたこの樹脂の重量平均分子量は、50,000であった。また、ガラス転移温度は−0.1℃であった。
〈樹脂溶液3B〉
攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、還流コンデンサを設備した、500mlの反応容器に、(ブチルメタクリレート50部、ブチルメタクリレート40部、アクリル酸10部)からなるモノマーを合計100部、重合溶剤としてイソプロピルアルコールを100部、重合開始剤としてアゾビスイソブチルニトリルを1部加え、窒素ガス気流中、イソプロピルアルコール還流下に82℃で6時間重合せしめ、透明で粘稠性を有する樹脂成分(本発明に使用する(メタ)アクリル系共重合体)を50重量%含有する樹脂溶液3Aを得た。
得られたこの樹脂の重量平均分子量は、45,000であった。また、ガラス転移温度は−5.5℃であった。
〈中間前駆体3A〉
リポキシSP−1509(昭和高分子(株)社製エポキシアクリレートオリゴマー)39部、テトラエチレングリコールジアクリレート41部、アロニックスM−400(東亞合成(株)社製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)20部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル-プロパン−1−オン(BASF製)5部、メトキノン0.1部を攪拌混合し、中間前駆体3Aを得た。
〈中間前駆体3B〉
KAYARAD UX−2031(日本化薬(株)製ウレタンアクリレートオリゴマー)10部、アロニックスM−309(東亞合成(株)社製トリメチロールプロパントリアクリレート)38部、テトラエチレングリコールジアクリレート52部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF製)5部、メトキノン0.1部を攪拌混合し、中間前駆体3Bを得た。
〈中間前駆体3C〉
リポキシSP−1509(昭和高分子(株)社製エポキシアクリレートオリゴマー)20部、テトラヒドロフルフリルアクリレート20部、テトラエチレングリコールジアクリレート40部、アロニックスM−400(東亞合成(株)社製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)20部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル-プロパン−1−オン(BASF製)5部、メトキノン0.1部を攪拌混合し、中間前駆体3Cを得た。
〈中間前駆体3D〉
リポキシSP−1509(昭和高分子(株)社製エポキシアクリレートオリゴマー)20部、エチルカルビトールアクリレート20部、テトラエチレングリコールジアクリレート40部、アロニックスM−400(東亞合成(株)社製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)20部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン(BASF製)5部、メトキノン0.1部を攪拌混合し、中間前駆体3Dを得た。
〈中間前駆体3E〉
リポキシSP−1509(昭和高分子(株)社製エポキシアクリレートオリゴマー)25部、イソステアリルアクリレート15部、アロニックスM−309(東亞合成(株)社製トリメチロールプロパントリアクリレート)40部、アロニックスM−400(東亞合成(株)社製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)20部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル-プロパン−1−オン(BASF製)5部、メトキノン0.1部を攪拌混合し、中間前駆体3Eを得た。
〈エネルギー線硬化性前駆体31〉
樹脂溶液3Aを、前記中間製造体3A 105.1部に対し60部配合し、透明な溶液状態のエネルギー線硬化性前駆体31を得た。
〈エネルギー線硬化性前駆体32〉
樹脂溶液3Aを、前記中間製造体3B 105.1部に対し60部配合し、透明な溶液状態のエネルギー線硬化性前駆体32を得た。
〈エネルギー線硬化性前駆体33〉
樹脂溶液3Bを、前記中間製造体3A 105.1部に対し60部配合し、透明な溶液状態のエネルギー線硬化性前駆体33を得た。
〈エネルギー線硬化性前駆体34〉
樹脂溶液3Bを、前記中間製造体3B 105.1部に対し60部配合し、透明な溶液状態のエネルギー線硬化性前駆体34を得た。
〈エネルギー線硬化性前駆体35〉
樹脂溶液3Aを、前記中間製造体3C 105.1部に対し60部配合し、透明な溶液状態のエネルギー線硬化性前駆体35を得た。
〈エネルギー線硬化性前駆体36〉
樹脂溶液3Bを、前記中間製造体3D 105.1部に対し60部配合し、透明な溶液状態のエネルギー線硬化性前駆体36を得た。
〈エネルギー線硬化性前駆体37〉
樹脂溶液3Bを、前記中間製造体3E 105.1部に対し60部配合し、透明な溶液状態のエネルギー線硬化性前駆体37を得た。
−現像剤−
(トナー1)
トナーの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。
・ポリエステル樹脂 89質量部(重量平均分子量:68200、ガラス転移温度(Tg):65.5℃)
・石油系ワックス 5質量部
・カーボンブラック(三菱化成製:#44) 5質量部
・荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土谷化学製) 1質量部
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて120℃で混練後、気流式粉砕機により粉砕、分級し質量平均粒径11.0μmとした後、ヘンシェルミキサーを用い、シリカ(R−972:日本アエロジル製)2.2質量%を混合しトナーを得た。
得られたトナーのトナー円形度は0.90、体積平均粒径は8μmであった。
キャリアとして平均粒径50μmのマグネタイト粒子にシリコン樹脂をコート(膜厚0.5μm)したものを用い、前記トナーとトナー1濃度5.0質量%で混合し本発明の現像剤41を得た。
−加熱加圧装置−
(加熱加圧装置1)
図6の加熱加圧装置の一対の加熱加圧ロールの画像面側に熱源としてハロゲンランプを設けた。また一対の加熱加圧ロールの面圧は40N/cmに設定し、加熱加圧装置1のロール表面を100mm/secとなるように設定した。加熱加圧ロール表面の温度はロール出口直後のトナー粒子の粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下の範囲に入るように調整し加熱加圧装置1を得た。今実験では160℃であった。
(実施例31)
前記現像剤31をリコー製MFPimagio Neo 750に搭載し、OKトップコート110kg紙のA4版に黒ベタ画像を出力した。
黒ベタ画像を5cm2切り取り、エネルギー線硬化性前駆体31に100gに浸漬し、40℃の暗所に24時間放置した。画像を浸漬したエネルギー線硬化性前駆体1をJIS P 3801〔ろ紙(化学分析用)〕に規定される5種Aのろ紙でろ過し、OKトップコート110kg紙上に、広瀬鉄工製UVニスコーター(SAC−18E)を用いて5〜6g/cmの膜厚で片面に紫外線硬化型感圧組成物31のコーティング、硬化を行った。
次に幅150mm、長さ150mmに裁断した試料を作成する。この試料2枚を紫外線硬化型感圧組成物31で表面加工した面同士を合わせ、由利ロール製卓上スーパーカレンダー、ゲージ圧100N/cmの荷重を加えて圧着した後、加熱圧着装置1に通した。
24時間後、150mm幅の圧着加工紙を6cm/secで剥離するときの引っ張り荷重を測定する(以後剥離荷重試験と記す)。また、剥離後の印刷面を観察・評価を行い、保存前に対する保存後の引っ張り荷重の比率を測定した。
同様の試験を、黒ベタ画像を浸漬していない紫外線硬化型感圧組成物31についても同様の測定を行った。
記録媒体としてのOKトップコート110kg紙のA4版に、現像剤31を用いた株式会社リコー製のimagio MP C7500でベタ部付着量0.4mg/cmの条件で、ISO/IEC 15775:1999 準拠テストチャートNo.4を出力し、印刷物を得た。
印刷物上に広瀬鉄工製UVニスコーター(SAC−18E)を用いて5〜6g/cmの膜厚で片面に紫外線硬化型感圧組成物1のコーティング、硬化を行った。
次に幅150mm、長さ150mmに裁断した試料を作成する。この試料2枚を紫外線硬化型感圧組成物31で表面加工した面同士を合わせ、由利ロール製卓上スーパーカレンダー、ゲージ圧100N/cmの荷重を加えて圧着した後、加熱圧着装置1に通した。
室温で12時間放置後の接着性と剥離性を評価した。
(実施例32)
実施例31において、エネルギー線硬化性前駆体31の代わりに、エネルギー線硬化性前駆体32を用いる以外は実施例31と同様にして、保存前に対する保存後の引っ張り荷重の比率、接着性、剥離性を評価した。
(実施例33)
実施例1において、エネルギー線硬化性前駆体31の代わりに、エネルギー線硬化性前駆体33を用いる以外は実施例31と同様にして、保存前に対する保存後の引っ張り荷重の比率、接着性、剥離性を評価した。
(実施例34)
実施例31において、エネルギー線硬化性前駆体31の代わりに、エネルギー線硬化性前駆体34を用いる以外は実施例31と同様にして、保存前に対する保存後の引っ張り荷重の比率、接着性、剥離性を評価した。
(参考例31)
実施例31において、エネルギー線硬化性前駆体31の代わりに、エネルギー線硬化性前駆体35を用いる以外は実施例31と同様にして、保存前に対する保存後の引っ張り荷重の比率、接着性、剥離性を評価した。
(参考例32)
実施例31において、エネルギー線硬化性前駆体31の代わりに、エネルギー線硬化性前駆体36を用いる以外は実施例31と同様にして、保存前に対する保存後の引っ張り荷重の比率、接着性、剥離性を評価した。
(実施例35)
実施例31において、エネルギー線硬化性前駆体31の代わりにエネルギー線硬化性前駆体33を30部、エネルギー線硬化性前駆体35を70部用いる以外は、実施例31と同様にして、剥離荷重試験での引っ張り荷重の変化率、接着性、剥離性を評価した。
(実施例36)
実施例31において、エネルギー線硬化性前駆体31の代わりにエネルギー線硬化性前駆体33を50部、エネルギー線硬化性前駆体35を50部用いる以外は、実施例31と同様にして、剥離荷重試験での引っ張り荷重の変化率、接着性、剥離性を評価した。
<実施形態4>
−現像剤−
(トナー32)
トナーの具体的な作製例について説明する。
本発明で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。
[トナー材料の溶解乃至分散液の調製]
〜未変性ポリエステル(低分子ポリエステル)の合成〜
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。
次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃であった。
〜マスターバッチ(MB)の調製〜
水1000質量部、及びカーボンブラック「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。
該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
〜プレポリマーの合成〜
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。
次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
〜ケチミン(前記活性水素基含有化合物)の合成〜
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30質量部及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は423であった。
〜スチレン−アクリル共重合体樹脂の合成〜
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル300質量部を仕込み、スチレン−アクリルモノマー混合物(スチレン/アクリル酸2エチルヘキシル/アクリル酸/アクリル酸2ヒドロキシルエチル=75/15/5/5)300質量部、およびアゾビスイソブチルニトリル10gを投入して、常圧窒素雰囲気下60℃で15時間反応させた。
次いで反応液にメタノール200質量部を加え、1時間の攪拌後上澄みを除去し、減圧乾燥させて前記スチレン-アクリル共重合体樹脂を合成した。
ビーカー内に、前記プレポリマー10質量部、前記未変性ポリエステル60質量部、酢酸エチル130質量部、スチレン-アクリル共重合体30質量部を、攪拌し溶解させた。
次いで、石油系ワックス(シクロパラフィン15%質量、平均分子量=650)10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、前記ケチミン2.7質量部を加えて溶解させ、トナー材料の溶解乃至分散液を調製した。
[水系媒体相の調製]
イオン交換水306質量部、リン酸三カルシウム10質量%懸濁液265質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を混合撹拌し、均一に溶解させて水系媒体相を調製した。
[乳化乃至分散液の調製]
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
[有機溶剤の除去]
攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤した。
[洗浄・乾燥]
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。
得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。
更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。
[外添処理]
さらに、トナー母体粒子を100重量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6重量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0重量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナーを得た。
重量平均粒径は5.7μm、平均円形度は0.940であった。
<キャリア>
次に、評価に用いたキャリアの具体的な作製例について説明する。
本発明で用いるキャリアは、これらの例に限定されるものではない。
−キャリアの作製−
・アクリル樹脂溶液(固形分50wt%) 21.0部
・グアナミン溶液(固形分70wt%) 6.4部
・アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
・シリコン樹脂溶液 65.0部[固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・アミノシラン 1.0部[固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・トルエン 60部
・ブチルセロソルブ 60部
上記の原材料をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコン樹脂のブレンド被覆膜形成溶液を得た。
芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2348.0:平均粒径;35μm]を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。
得られたキャリアを電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。
冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、重量平均粒径35μmのキャリアを得た。
キャリア100重量部に対しトナー32、7重量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて現像剤を作製した。
−紫外線硬化型組成物−
紫外線硬化型組成物31をそのまま使用した。
−加熱加圧装置−
加熱加圧装置1をそのまま使用した。
(実施例37)
前記現像剤32をリコー製カラーMFP RICOH Pro C751に搭載し、OKトップコート110kg紙のA4版に黒のベタ画像を印刷した。
実施例31と同様に、剥離荷重試験での引っ張り荷重の変化率を測定した。
前記現像剤32をリコー製カラーMFP RICOH Pro C751に搭載し、OKトップコート110kg紙のA4版に画像面積率20%のフルカラー画像を印刷する。
上記印刷物を広瀬鉄工製UVニスコーター(SAC−18E)を用いて5g/mの膜厚で片面に紫外線硬化型組成物1のコーティングを行う。紫外線硬化型組成物1は上記コーターにて硬化させた。
次に加熱加圧装置1に紫外線硬化型組成物31を表面加工した印刷物を通過させた後、40℃の恒温槽中で10時間放置後、接着性、剥離性を評価した。
(実施例38)
実施例37において、エネルギー線硬化性前駆体31の代わりに、エネルギー線硬化性前駆体34を用いる以外は実施例37と同様にして、保存前に対する保存後の引っ張り荷重の比率、接着性、剥離性を評価した。
(実施例39)
トナー製造時の石油系ワックスの使用量を1.7倍にして、トナーを作製し、エネルギー線硬化性前駆体1の代わりに、エネルギー線硬化性前駆体37を用いる以外は実施例38と同様にして、保存前に対する保存後の引っ張り荷重の比率、接着性、剥離性を評価した。
(参考例33)
トナー製造時の石油系ワックスの使用量を3.6倍にして、トナーを作製し、エネルギー線硬化性前駆体31の代わりに、エネルギー線硬化性前駆体37を用いる以外は実施例38と同様にして、保存前に対する保存後の引っ張り荷重の比率、接着性、剥離性を評価した。
以上の結果を下記表4に示す。
<実施形態5>
以下の実施例及び比較例において、樹脂の重量平均分子量、樹脂のガラス転移温度、ワックスのイソパラフィン含有量、及びワックスの重量平均分子量は、以下に記載の方法を用いて分析した。
<<重量平均分子量>>
樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定した。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させた。この温度で安定化したカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mLの流速で流し、試料濃度として0.05質量%〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50μL〜200μL注入して測定した。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical co.社製又は東ソー株式会社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
<<ガラス転移温度>>
樹脂のガラス転移温度は、示差走査型熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線により測定した。DSC曲線は、TA−60WS及びDSC−60(株式会社島津製作所製)を用いて、以下に示す測定条件で測定した。
〔測定条件〕
・サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
・サンプル量:5mg
・リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
・雰囲気:窒素(流量:50mL/分)
・温度条件
・・開始温度:20℃
・・昇温速度:10℃/分
・・終了温度:150℃
・・保持時間:なし
・・降温温度:10℃/分
・・終了温度:20℃
・・保持時間:なし
・・昇温速度:10℃/分
・・終了温度:150℃
測定結果は、データ解析ソフトTA−60、バージョン1.52(株式会社島津製作所製)を用いて解析した。
測定結果を解析する際には、2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線の最大ピークを中心として±5℃の範囲を指定し、データ解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求めた。次に、DSC曲線のピーク温度+5℃及び−5℃の範囲でデータ解析ソフトのピーク解析機能を用いて、DSC曲線の最大吸熱温度を求めた。この温度が融点に相当する。
昇温過程で得られる温度40℃〜100℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークにおいて、このときの吸熱ピークが出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をガラス転移温度(Tg)とした。
<<ワックス中のイソパラフィン含有量、及びワックスの重量平均分子量>>
ワックス中のイソパラフィン含有量(質量%)、及びワックスの重量平均分子量は、ガスクロマトグラフTOF型質量分析計としてJMS−T100GC“AccuTOF GC”(日本電子株式会社製)を用い、FD(Field Desorption)法で測定した。
〈樹脂溶液4A〉
攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、還流コンデンサを設備した、500mlの反応容器に、(2−エチルヘキシルアクリレート10部、2−ヒドロキシルアクリレート30部、ブチルメタクリレート50部、アクリル酸10部)からなるモノマーを合計100部、重合溶剤としてイソプロピルアルコールを100部、重合開始剤としてアゾビスイソブチルニトリルを1部加え、窒素ガス気流中、イソプロピルアルコール還流下に82℃で6時間重合せしめ、透明で粘稠性を有する樹脂成分(本発明に使用する(メタ)アクリル系共重合体)を50重量%含有する樹脂溶液4Aを得た。
得られたこの樹脂の重量平均分子量は、50,000であった。また、ガラス転移温度は−0.1℃であった。
〈中間前駆体4A〉
リポキシSP−1509(昭和高分子(株)社製エポキシアクリレートオリゴマー)40部、テトラエチレングリコールジアクリレート40部、アロニックスM−400(東亞合成(株)社製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)20部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル-プロパン−1−オン(BASF製)5部、メトキノン0.1部を攪拌混合し、中間前駆体4Aを得た。
〈中間前駆体4B〉
KAYARAD UX−2031(日本化薬(株)製ウレタンアクリレートオリゴマー)10部、アロニックスM−309(東亞合成(株)社製トリメチロールプロパントリアクリレート)40部、テトラエチレングリコールジアクリレート50部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル-プロパン−1−オン(BASF製)5部、メトキノン0.1部を攪拌混合し、中間前駆体4Bを得た。
〈エネルギー線硬化性前駆体41〉
樹脂溶液4Aを、前記中間製造体4A 105.1部に対し60部配合し、透明な溶液状態のエネルギー線硬化性前駆体41を得た。
〈エネルギー線硬化性前駆体42〉
樹脂溶液4Aを、前記中間製造体4B 105.1部に対し60部配合し、透明な溶液状態のエネルギー線硬化性前駆体42を得た。
(実施例41)
<トナー41の作製>
〔処方〕
・ポリエステル樹脂(重量平均分子量Mw:68,500、ガラス転移温度Tg:65.9℃)・・・89.5質量部
・マイクロクリスタリンワックス(イソパラフィン含有量:15質量%、重量平均分子量Mw:645)・・・5質量部
・カーボンブラック(三菱化成株式会社製、♯44)・・・5質量部
・帯電制御剤(スピロンブラックTR−H、保土谷化学株式会社製)・・・1質量部
以上の処方を混合し、二軸エクストルーダー(BCTA型、ビューラー社製)を用いて120℃で混練後、気流式粉砕機(ジェットミル、日清エンジニアリング株式会社製)により粉砕、分級し、重量平均粒径11.0μmとした後、ヘンシェルミキサー(FM型、三井三池化工株式会社製)を用い、シリカ(R−972、日本アエロジル株式会社製)2.2質量%を混合し、ブラックトナー41を作製した。
前記ブラックトナー41の製造において、前記カーボンブラックの代わりにC.I.Pigment Yellow 17を用いた以外は、前記ブラックトナー41の製造と同様にして、イエロートナー41を作製した。
前記ブラックトナー41の製造において、前記カーボンブラックの代わりにC.I.Pigment Red 57を用いた以外は、前記ブラックトナー41の製造と同様にして、マゼンタトナー41を作製した。
前記ブラックトナー41の製造において、前記カーボンブラックの代わりにC.I.Pigment Blue 15を用いた以外は、前記ブラックトナー41の製造と同様にして、シアントナー41を作製した。
得られたブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各色のトナー41について、以下のようにして測定した平均円形度は0.90、体積平均粒径Dvは8.0μmであった。
<現像剤41の作製>
体積平均粒径50μmのマグネタイト粒子にシリコン樹脂を平均厚みが0.5μmとなるように被覆したキャリアを用い、前記各色のトナー41をトナー濃度が5.0質量%となるように混合し、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各色の現像剤41を作製した。
<印刷物の作製>
記録媒体としてのOKトップコート110kg紙のA4版に、現像剤41を用いた株式会社リコー製のimagio MP C7500でベタ部付着量0.4mg/cmの条件で、ISO/IEC 15775:1999 準拠テストチャートNo.4を出力し、印刷物を得た。
<ワックスの被覆率の測定>
ISO/IEC 15775:1999準拠テストチャートNo.4を用いて、少なくとも2種のトナーにより形成した赤色、緑色、及び青色の定着ベタ画像を切り抜き、四酸化ルテニウム5質量%水溶液(TABB社製)の飽和蒸気に5分間暴露し、四酸化ルテニウムを化学修飾した。
次いで、化学修飾した印刷物の画像表面を、透過型電子顕微鏡/走査型電子顕微鏡(Garl Zeiss社製、ULTRA55)を用い、加速電圧0.8kV、倍率1,000倍で、反射電子SEM像を得た。
得られた反射電子SEM像の構成画素をPhotoshop(Adobe社製)により黒部と白部に区分けする(二値化する)画像処理を施して二値化画像を得た。該二値化画像全体の面積に占める黒部の面積の割合(ワックス被覆率)を測定した。結果を表5に示した。なお、赤色、緑色、及び青色のそれぞれの色の定着ベタ画像から求めたワックス被覆率のうち、最大値を示した。
上記印刷物上に広瀬鉄工製UVニスコーター(SAC−18E)を用いて5〜6g/cmの膜厚で片面にエネルギー線硬化性前駆体1のコーティングを行い、UV硬化させた。
次に試料を幅150mm、長さ150mmに裁断した。この試料2枚をエネルギー線硬化性前駆体1で表面加工した面同士を合わせ、由利ロール製卓上スーパーカレンダー、ゲージ圧100N/cmの荷重を加えて圧着した。
次に、図の加熱加圧装置の一対の加熱加圧ロールの画像面側に熱源としてハロゲンランプを設けた。また一対の加熱加圧ロールの面圧は40N/cmに設定し、加熱加圧装置1のロール表面を100mm/secとなるように設定した。加熱加圧装置1に圧着した試料を通し、再剥離性情報シートを作製した。
この再剥離性情報シートの150mm幅の圧着加工紙を6cm/secで剥離するときの引っ張り荷重を測定した(以後剥離荷重試験と記す)。
(実施例42)
<トナー42の作製>
実施例41において、前記マイクロクリスタリンワックスを、マイクロクリスタリンワックスとパラフィンワックスの混合ワックス(イソパラフィン含有量:9質量%、重量平均分子量Mw:520)に代えた以外は、実施例41と同様にして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各色のトナー42を作製した。
得られた各色のトナー2について、実施例1と同様にして測定した平均円形度は0.91、体積平均粒径Dvは6.8μmであった。
<現像剤42の作製>
体積平均粒径50μmのマグネタイト粒子にシリコン樹脂を平均厚みが0.5μmとなるように被覆したキャリアを用い、前記各色のトナー42をトナー濃度が5.0質量%となるように混合し、各色の現像剤42を作製した。
この現像剤を用いる以外は実施例41と同様にして再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
(実施例43)
<トナー43の作製>
実施例41において、マイクロクリスタリンワックスを、マイクロクリスタリンワックスとパラフィンワックスの混合ワックス(イソパラフィン含有量:4.1質量%、重量平均分子量Mw:550)に代えた以外は、実施例41と同様にして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各色のトナー43を作製した。
得られた各色のトナー43について、実施例41と同様にして測定した平均円形度は0.91、体積平均粒径Dvは7.9μmであった。
<現像剤43の作製>
体積平均粒径50μmのマグネタイト粒子にシリコン樹脂を平均厚みが0.5μmとなるように被覆したキャリアを用い、前記各色のトナー43をトナー濃度が5.0質量%となるように混合し、各色の現像剤43を作製した。
この現像剤を用いる以外は実施例41と同様にして再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
(実施例44)
<トナー44の作製>
実施例41において、前記マイクロクリスタリンワックスを、パラフィンワックス(重量平均分子量Mw:500)に代えた以外は、実施例41と同様にして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各色のトナー44を作製した。
得られた各色のトナー44について、実施例41と同様にして測定した平均円形度は0.89、体積平均粒径Dvは8.0μmであった。
<現像剤44の作製>
体積平均粒径50μmのマグネタイト粒子にシリコン樹脂を平均厚みが0.5μmとなるように被覆したキャリアを用い、前記各色のトナー44をトナー濃度が5.0質量%となるように混合し、各色の現像剤44を作製した。
この現像剤を用いる以外は実施例41と同様にして再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
(参考例45)
<トナー5の作製>
実施例41において、前記マイクロクリスタリンワックス5質量部を、パラフィンワックス(重量平均分子量Mw:500)1.4質量部に変えた以外は、実施例41と同様にして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各色のトナー45を作製した。
得られた各色のトナー45について、実施例41と同様にして測定した平均円形度は0.90、体積平均粒径Dvは7.8μmであった。
<現像剤45の作製>
体積平均粒径50μmのマグネタイト粒子にシリコン樹脂を平均厚みが0.5μmとなるように被覆したキャリアを用い、前記各色のトナー45をトナー濃度が5.0質量%となるように混合し、各色の現像剤45を作製した。
<評価>
実施例41において、前記現像剤41及び前記エネルギー線硬化性前駆体41を、前記現像剤45及び前記エネルギー線硬化性前駆体42に代えた以外は、実施例41と同様にして、再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
(実施例46)
<トナー46の作製>
実施例41において、前記マイクロクリスタリンワックスを、マイクロクリスタリンワックスとパラフィンワックスとの混合ワックス(イソパラフィン含有量:11.3質量%、重量平均分子量Mw:480)に代えた以外は、実施例41と同様にして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各色のトナー46を作製した。
得られた各色のトナー46について、実施例41と同様にして測定した平均円形度は0.91、体積平均粒径Dvは7.8μmであった。
<現像剤46の作製>
体積平均粒径50μmのマグネタイト粒子にシリコン樹脂を平均厚みが0.5μmとなるように被覆したキャリアを用い、前記各色のトナー46をトナー濃度が5.0質量%となるように混合し、各色の現像剤46を作製した。
<中間前駆体4Cの調製>
ウレタンアクリレートオリゴマー(EBECRYL5129、ダイセルサイテック株式会社製、重量平均分子量Mw:800)10質量部、重合性不飽和化合物として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート41質量部、重合性不飽和化合物としてシクロヘキシルアクリレート10質量部、重合性不飽和化合物としてエチルカルビトールアクリレート80質量部、重合性不飽和化合物としてエトキシジエチレングリコールアクリレート2.5質量部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.3質量部、及び光重合開始剤としてベンジル(1,2−ジフェニルエタンジオン)6質量部を混合し、60℃で20分間攪拌して、中間前駆体4Cを作製した。
現像剤41の代わりに現像剤46、中間前駆体4Aの代わりに中間前駆体4Cを用いる以外は実施例41と同様にして、再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
(実施例47)
<中間前駆体4Dの調製>
ポリエステルアクリレートオリゴマー(EBECRYL1830、ダイセルサイテック株式会社製、重量平均分子量Mw:1,500)60質量部、重合性不飽和化合物としてビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレート(V#700、大阪有機化学株式会社製)30質量部、重合性不飽和化合物として2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、重合性不飽和化合物として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート20質量部、重合性不飽和化合物としてエトキシジエチレングリコールアクリレート2.5質量部、重合禁止剤として2,6−ジtert−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.4質量部、及び光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカル社製)9質量部を混合し、60℃で20分間攪拌して、中間前駆体4Dを得た。
中間前駆体4Aの代わりに中間前駆体4Dを用いる以外は実施例41と同様にして、再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
(実施例48)
<中間前駆体4E>
重合性不飽和化合物としてペンタエリスリトールテトラアクリレート9質量部、重合性不飽和化合物としてエトキシジエチレングリコールアクリレート2.5質量部、重合性不飽和化合物としてトリメチロールプロパントリアクレート30質量部、及び重合禁止剤としてハイドロキノン0.3質量部をビーカーに入れ、攪拌しながら120℃まで加熱し、更にジアリルフタレートプレポリマー(ダイソーダップ100、ダイソー株式会社製)50質量部を溶解させた。更に、アルミニウムイソプロピレート2質量部をトルエン2質量部に分散させたものを除々に添加し、110℃で20分間攪拌した。この間、溶剤として加えたトルエンを系外に除去し、光硬化型ワニスベース剤を得た。
次に、前記光硬化型ワニスベース剤70質量部、重合性不飽和化合物として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート60質量部、光重合開始剤としてベンゾフェノン10質量部、p−ジメチルアミノアセトフェノン5質量部、粘度調整剤としてフェニルグリコールモノアクリレート10質量部、及び界面活性剤としてポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル4.5質量部を混合し、3本ロールミルで十分に混練し、中間前駆体4Eを得た。
中間前駆体4Aの代わりに中間前駆体4Eを用いる以外は実施例41と同様にして、再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
(実施例49)
<中間前駆体4Fの作製>
ポリエステルアクリレートオリゴマー(EBECRYL1830、ダイセルサイテック株式会社製、重量平均分子量Mw:1,500)60質量部、重合性不飽和化合物としてビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレート(V#700、大阪有機化学株式会社製)30質量部、重合性不飽和化合物として2−エチルヘキシルアクリレート3質量部、重合性不飽和化合物として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート20質量部、重合性不飽和化合物としてエトキシジエチレングリコールアクリレート2.5質量部、重合禁止剤として2,6−ジtert−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.4質量部、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカル社製)9質量部、及びアニオン系界面活性剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム2質量部を混合し、60℃で20分間攪拌して、中間前駆体4Fを得た。
中間前駆体4Aの代わりに中間前駆体4Fを用いる以外は実施例41と同様にして、再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
(実施例50)
<トナー47の製造>
−未変性ポリエステル(低分子ポリエステル)の合成−
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。
次いで、得られた反応液を10mmHg〜15mmHgの減圧下にて6時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,200、重量平均分子量Mwが5,700、ガラス転移温度Tgが56℃であった。
−マスターバッチ(MB)の調製−
水1,000質量部、及びカーボンブラック(Printex35、デグサ社製、DBP吸油量=42mL/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1,200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。
得られた混合物を二本ロールで150℃にて30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
−プレポリマーの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。
次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量Mnが2,100、重量平均分子量Mwが9,600、ガラス転移温度Tgが55℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が49mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
−ケチミン(活性水素基含有化合物)の合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、イソホロンジアミン30質量部、及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(活性水素基含有化合物)のアミン価は423であった。
−スチレン−アクリル共重合体樹脂の合成−
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル300質量部を仕込み、スチレン−アクリルモノマー混合物(スチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸/アクリル酸2−ヒドロキシルエチル=75/15/5/5)300質量部、及びアゾビスイソブチルニトリル10質量部を投入して、常圧下、窒素雰囲気、60℃で15時間反応させた。
次いで、反応液にメタノール200質量部を加え、1時間の攪拌後上澄みを除去し、減圧乾燥させてスチレン−アクリル共重合体樹脂を合成した。
−トナー材料の溶解乃至分散液の調製−
ビーカー内に、前記プレポリマー10質量部、前記未変性ポリエステル60質量部、酢酸エチル130質量部、及び前記スチレン−アクリル共重合体30質量部を入れ、攪拌し溶解させた。
次いで、マイクロクリスタリンワックス(イソパラフィン含有量:14.5%質量、重量平均分子量Mw:650)10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時間、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、前記ケチミン2.7質量部を加えて溶解させ、トナー材料の溶解乃至分散液を調製した。
−水系媒体相の調製−
イオン交換水306質量部、リン酸三カルシウム10質量%懸濁液265質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を混合撹拌し、均一に溶解させて水系媒体相を調製した。
−乳化乃至分散液の調製−
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
−有機溶剤の除去−
攪拌機、及び温度計をセットしたコルベンに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分間で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
−洗浄及び乾燥−
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。
得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。
更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。
−外添処理−
得られたトナー母体粒子100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8質量部とをヘンシェルミキサーにて混合し、ブラックトナー47を得た。
前記ブラックトナー47の製造において、前記カーボンブラックの代わりにC.I.Pigment Yellow 17を用いた以外は、前記ブラックトナー47の製造と同様にして、イエロートナー47を作製した。
前記ブラックトナー47の製造において、前記カーボンブラックの代わりにC.I.Pigment Red 57を用いた以外は、前記ブラックトナー47の製造と同様にして、マゼンタトナー47を作製した。
前記ブラックトナー47の製造において、前記カーボンブラックの代わりにC.I.Pigment Blue 15を用いた以外は、前記ブラックトナー47の製造と同様にして、シアントナー47を作製した。
得られたブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各色のトナー47について、以下のようにして測定した平均円形度は0.94、体積平均粒径Dvは5.7μmであった。
<現像剤47の製造>
−キャリアの製造−
アクリル樹脂溶液(シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート=80/20(質量比)共重合体のトルエン溶液、三菱レイヨン株式会社製モノマーからの合成、固形分50質量%)21.0質量部、グアナミン溶液(スーパーベッカミンTD−126、DIC社製、固形分70質量%)6.4質量部、アルミナ粒子(スミコランダムAA−03、住友化学株式会社製、平均粒径0.3μm、固有抵抗値1014(Ω・cm))7.6質量部、シリコン樹脂溶液65.0質量部(SR2410、東レ・ダウコーニング・シリコン株式会社製、固形分23質量%)、アミノシラン(SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、固形分100質量%)1.0質量部、トルエン60質量部、及びブチルセロソルブ60質量部をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコン樹脂の被覆膜形成溶液を得た。
芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe48.0:平均粒径35μm]を用い、前記被覆膜形成溶液を芯材表面に厚み0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工株式会社製)により塗布し、乾燥した後、生成物を電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後を目開き106μmの篩を用いて解砕し、重量平均粒径35μmのキャリアを得た。
前記キャリア100質量部に対して、7質量部の前記各色のトナー47を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて、各色の現像剤47を得た。
実施例41において、前記現像剤41を、前記現像剤47に代えた以外は、実施例41と同様に再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
(実施例51)
実施例50において、画像形成装置(imagio MP C7500、株式会社リコー製)を改造し、前記<印刷物の作製>において印刷速度を30%遅くして印刷物を印刷した以外は、実施例50と同様にして、印刷物を作製し、実施例50と同様に再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
(実施例52)
中間前駆体4Dの調製において、エチルカルビトールアクリレート80質量部、及びエトキシジエチレングリコールアクリレート2.5質量部を、エチルカルビトールアクリレート25質量部、エトキシジエチレングリコールアクリレート40質量部、及びトリメチロールプロパントリアクリレート15質量部とした以外は同様にして、中間前駆体4Gを作製した。
実施例41において、前記中間前駆体4Aを、前記中間前駆体4Gに代えた以外は、実施例41と同様にして、再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
(実施例53)
中間前駆体4Cの調製において、エチルカルビトールアクリレート80質量部、及びエトキシジエチレングリコールアクリレート2.5質量部を、エチルカルビトールアクリレート50質量部、エトキシジエチレングリコールアクリレート20質量部、及びトリメチロールプロパントリアクリレート10質量部とした以外は、中間前駆体4Hを作製した。
実施例41において、前記中間前駆体4Aを、前記中間前駆体4Hに代えた以外は、実施例41と同様にして、再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
(参考例45)
ペンタエリスリトールテトラアクリレート10質量部、トリメチロールプロパントリアクレート30質量部、及び重合禁止剤としてハイドロキノン0.3質量部をビーカーに入れ、攪拌しながら120℃まで加熱し、更にジアリルフタレートプレポリマー(ダイソーダップ100、ダイソー株式会社製)50質量部を溶解させた。更に、アルミニウムイソプロピレート2質量部をトルエン2質量部に分散させたものを除々に添加し、110℃で20分間攪拌した。この間溶剤として加えたトルエンを系外に除去し目的とする光硬化型ワニスベース剤を得た。
次に、前記光硬化型ワニスベース剤75質量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート60質量部、光重合開始剤としてベンゾフェノン10質量部、p−ジメチルアミノアセトフェノン5質量部、及び粘度調整剤としてフェニルグリコールモノアクリレート10質量部を混合し、3本ロールミルで十分混練し、中間前駆体4Iを作製した。
実施例44において、中間前駆体4Bを中間前駆体4Iに代え、画像形成装置(株式会社リコー製、imagio MP C7500)を改造し、前記<印刷物の作製>において印刷速度を21%遅くして印刷物を印刷した以外は、実施例44と同様にして、再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
(参考例46)
参考例45において、画像形成装置(株式会社リコー製、imagio MP C7500)を改造し、前記<印刷物の作製>において印刷速度を25%遅くし、ベタ画像部の単色トナーの付着量を0.5mg/cmとして印刷物を印刷した以外は、参考例45と同様にして、再剥離性情報シートを作製し、剥離強度を測定した。
以上の結果を下記表5に示す。
なお、実施例41でトナー画像がなく、エネルギー線硬化性前駆体41で表面加工した面同士を合わせた場合の剥離荷重は180〜190gであった。
以上のように、本発明によれば、優れた定着性と密着強度とを備える再剥離性情報シートの製造装置を提供することができる。
また、トナーがワックスを含有した場合、その含有の態様によっては接着性を劣化させる虞があるが、上述した実施例11〜30及び参考例11〜23から明らかなように、前記Ab/Aaが、3.0〜7.0であるか、または、前記Ab’/Aa’が、0.004〜0.014である本発明によれば、優れた定着性と密着密度とを備える再剥離性情報シートの製造装置を提供することができることがわかった。
1 紫外線硬化型(感圧)組成物
2 塗布ローラ
3 金属ローラ
4 記録媒体
5 圧接ローラ
6 搬送ベルト
7 トレイ
8 光源
9 スクレイバ
10 感光体ドラム
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14、15、16 支持ローラ
17 クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
30 露光光
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読み取りセンサ
42K、42Y、42M、42C 現像剤収容部
43K、43Y、43M、43C 現像剤供給ローラ
44K、44Y、44M、44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラー
50 中間転写体
51 ローラ
52 コロナ帯電器
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
58 分離ローラ
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写ローラ
63 クリーニング装置
64 除電ランプ
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録媒体
100A、100B 画像形成装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
151 手差しトレイ
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
L 露光光
特開2007−277547号公報 特許第3570853号公報 特許第2522333号公報 特許第3827124号公報 特許第4471334号公報 特開2009−169337号公報

Claims (26)

  1. 像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーにより可視化してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を前記像担持体から記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を、当該記録媒体に定着する定着手段と、を有する画像形成装置と、
    前記トナー像が定着された記録媒体上にエネルギー線硬化型組成物前駆体を塗布し、硬化し、エネルギー線硬化型組成物を被覆する塗布硬化手段と、
    前記エネルギー線硬化型組成物が被覆された記録媒体を加熱加圧する加熱加圧手段と、
    を備えることを特徴とする再剥離性情報シートの製造装置。
  2. 前記エネルギー線硬化型組成物は、紫外線硬化型感圧組成物であり、
    前記記録媒体に二つ折りまたは三つ折りを施す折り手段と、
    該折り手段により二つ折りまたは三つ折りが施された記録媒体を圧着する圧着手段と、
    を備え、
    下記(1)〜(3)のいずれかの順に各手段が動作するように配置されてなることを特徴とする請求項1に記載の再剥離性情報シートの製造装置。
    (1)塗布硬化手段、加熱加圧手段、折り手段、圧着手段の順
    (2)塗布硬化手段、折り手段、加熱加圧手段、圧着手段の順
    (3)塗布硬化手段、折り手段、圧着手段、加熱加圧手段の順
  3. 前記圧着手段は、トナーの軟化温度以上の温度を付与しながら圧着させることを特徴とする請求項2に記載の再剥離性情報シートの製造装置。
  4. 前記(3)の加熱加圧手段は、トナーの軟化温度以上の温度を付与することを特徴とする請求項2に記載の再剥離性情報シートの製造装置。
  5. 前記塗布硬化手段は、前記折り手段による折り曲げ部には前記紫外線硬化型感圧組成物を塗布しないことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造装置。
  6. 前記トナーが離型剤を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造装置。
  7. 前記記録媒体は、平均粒径0.1μm以上の白色顔料のコート層が1μm以上積層されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造装置。
  8. 前記加熱加圧手段は、加熱加圧の際の前記トナーの粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造装置。
  9. 前記トナーは、ワックスを含有し、
    前記定着手段は、離型剤を塗布せずに定着させるオイルレス定着方式であり、
    前記記録媒体に定着されたトナー画像の最もトナー付着量が多い箇所を、下記測定条件のもとATR法(減衰全反射法:attenuated total reflection)により測定されたFT−IR(フーリエ変換型赤外分光)スペクトルの、2896〜2943cm−1のピーク面積Aaと、2946〜2979cm−1のピーク面積Abとの比Ab/Aaが、3.0〜7.0であるか、または、791〜860cm−1のピーク面積Aa’と、2834〜2862cm−1のピーク面積Ab’の比Ab’/Aa’が、0.004〜0.014であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造装置。
    [ATR法FT−IR測定条件]
    ・クリスタル:Ge
    ・入射角:45°
    ・反射:一回反射
    ・Aaベースライン,Aa領域:2896〜2943cm−1
    ・Abベースライン,Ab領域:2946〜2979cm−1
    ・Aa’ベースライン,Aa’領域:791〜860cm−1
    ・Ab’ベースライン,Ab’領域:2834〜2862cm−1
  10. 前記画像形成装置が形成したISO/IEC 15775:1999 準拠テストチャートNo.4のサンプルトナー画像の赤、青および緑のそれぞれにおける最もトナー濃度の高い箇所をATR法により測定した前記Ab/Aaの3つの値の最大値が、3.0〜7.0であるか、または、前記Ab’/Aa’の3つの値の最大値が、0.004〜0.014であることを特徴とする請求項9に記載の再剥離性情報シートの製造装置。
  11. 前記トナーは、ワックスを含有し、
    前記定着手段は、離型剤を塗布せずに定着させるオイルレス定着方式であり、
    前記記録媒体に定着されたトナー画像の最もトナー付着量が多い箇所を、四酸化ルテニウム水溶液の飽和蒸気で曝露した後、加速電圧0.8kVの電子線を照射し、得られた反射電子像を黒部と白部とからなる二値化画像に変換し、前記二値化画像全体の面積に対する前記黒部の面積の割合が40%〜70%であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造装置。
  12. 前記画像形成装置が形成したISO/IEC 15775:1999 準拠テストチャートNo.4のサンプルトナー画像の赤、青および緑のそれぞれにおける最もトナー濃度の高い箇所を四酸化ルテニウム水溶液の飽和蒸気で曝露した後、加速電圧0.8kVの電子線を照射し、得られた反射電子像を黒部と白部とからなる二値化画像に変換し、前記二値化画像全体の面積に対する前記黒部の面積の割合が40%〜70%となる設定で、トナー画像を形成することを特徴とする請求項11に記載の再剥離性情報シートの製造装置。
  13. 前記トナーは、ワックスを含有し、
    前記定着手段は、離型剤を塗布せずに定着させるオイルレス定着方式であり、
    前記エネルギー線硬化型組成物前駆体100gに対してベタ画像5cm2を浸漬し、40℃の暗所に24時間放置、ろ過する処理をしたエネルギー線硬化型組成物前駆体を、トナー画像がない記録媒体上に塗布並びに硬化させた後、当該処理をしたエネルギー線硬化型組成物前駆体を硬化させた面を貼り合わせ圧着させたものの剥離強度が、前記処理を行わないエネルギー線硬化型組成物前駆体の剥離強度に対して、80〜130%であるトナー及びエネルギー線硬化型組成物前駆体を用いることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造装置。
  14. 像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーにより可視化してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を前記像担持体から記録媒体上に転写する転写工程と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を、当該記録媒体に定着する定着工程と、を有する画像形成工程と、
    前記トナー像が定着された記録媒体上にエネルギー線硬化型組成物前駆体を塗布し、硬化し、エネルギー線硬化型組成物を被覆する塗布硬化工程と、
    前記エネルギー線硬化型組成物が被覆された記録媒体を加熱加圧する加熱加圧工程と、
    を備えることを特徴とする再剥離性情報シートの製造方法。
  15. 前記エネルギー線硬化型組成物は、紫外線硬化型感圧組成物であり、
    前記記録媒体に二つ折りまたは三つ折りを施す折り工程と、
    該折り工程により二つ折りまたは三つ折りが施された記録媒体を圧着する圧着工程と、
    を備え、
    下記(1)〜(3)のいずれかの順で各工程が行われることを特徴とする請求項14に記載の再剥離性情報シートの製造方法。
    (1)塗布硬化工程、加熱加圧工程、折り工程、圧着工程の順
    (2)塗布硬化工程、折り工程、加熱加圧工程、圧着工程の順
    (3)塗布硬化工程、折り工程、圧着工程、加熱加圧工程の順
  16. 前記圧着工程は、トナーの軟化温度以上の温度を付与しながら圧着させることを特徴とする請求項15に記載の再剥離性情報シートの製造方法。
  17. 前記(3)の加熱加圧工程は、トナーの軟化温度以上の温度を付与することを特徴とする請求項15に記載の再剥離性情報シートの製造方法。
  18. 前記塗布硬化工程は、前記折り工程による折り曲げ部には前記紫外線硬化型感圧組成物を塗布しないことを特徴とする請求項15乃至17のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造方法。
  19. 前記トナーが離型剤を含有することを特徴とする請求項14乃至18のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造方法。
  20. 前記記録媒体は、平均粒径0.1μm以上の白色顔料のコート層が1μm以上積層されていることを特徴とする請求項14乃至19のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造方法。
  21. 前記加熱加圧工程は、加熱加圧の際の前記トナーの粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下であることを特徴とする請求項14乃至20のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造方法。
  22. 前記トナーは、ワックスを含有し、
    前記定着工程は、離型剤を塗布せずに定着させるオイルレス定着方式であり、
    前記記録媒体に定着されたトナー画像の最もトナー付着量が多い箇所を、下記測定条件のもとATR法(減衰全反射法:attenuated total reflection)により測定されたFT−IR(フーリエ変換型赤外分光)スペクトルの、2896〜2943cm−1のピーク面積Aaと、2946〜2979cm−1のピーク面積Abとの比Ab/Aaが、3.0〜7.0であるか、または、791〜860cm−1のピーク面積Aa’と、2834〜2862cm−1のピーク面積Ab’の比Ab’/Aa’が、0.004〜0.014であることを特徴とする請求項14乃至21のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造方法。
    [ATR法FT−IR測定条件]
    ・クリスタル:Ge
    ・入射角:45°
    ・反射:一回反射
    ・Aaベースライン,Aa領域:2896〜2943cm−1
    ・Abベースライン,Ab領域:2946〜2979cm−1
    ・Aa’ベースライン,Aa’領域:791〜860cm−1
    ・Ab’ベースライン,Ab’領域:2834〜2862cm−1
  23. 前記画像形成工程により形成されたISO/IEC 15775:1999 準拠テストチャートNo.4のサンプルトナー画像の赤、青および緑のそれぞれにおける最もトナー濃度の高い箇所をATR法により測定した前記Ab/Aaの3つの値の最大値が、3.0〜7.0であるか、または、前記Ab’/Aa’の3つの値の最大値が、0.004〜0.014であることを特徴とする請求項22に記載の再剥離性情報シートの製造方法。
  24. 前記トナーは、ワックスを含有し、
    前記定着工程は、離型剤を塗布せずに定着させるオイルレス定着方式であり、
    前記記録媒体に定着されたトナー画像の最もトナー付着量が多い箇所を、四酸化ルテニウム水溶液の飽和蒸気で曝露した後、加速電圧0.8kVの電子線を照射し、得られた反射電子像を黒部と白部とからなる二値化画像に変換し、前記二値化画像全体の面積に対する前記黒部の面積の割合が40%〜70%であることを特徴とする請求項14乃至23のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造方法。
  25. 前記画像形成工程により形成されたISO/IEC 15775:1999 準拠テストチャートNo.4のサンプルトナー画像の赤、青および緑のそれぞれにおける最もトナー濃度の高い箇所を四酸化ルテニウム水溶液の飽和蒸気で曝露した後、加速電圧0.8kVの電子線を照射し、得られた反射電子像を黒部と白部とからなる二値化画像に変換し、前記二値化画像全体の面積に対する前記黒部の面積の割合が40%〜70%となる設定で、トナー画像を形成することを特徴とする請求項24に記載の再剥離性情報シートの製造方法。
  26. 前記トナーは、ワックスを含有し、
    前記定着工程は、離型剤を塗布せずに定着させるオイルレス定着方式であり、
    前記エネルギー線硬化型組成物前駆体100gに対してベタ画像5cm2を浸漬し、40℃の暗所に24時間放置、ろ過する処理をしたエネルギー線硬化型組成物前駆体を、トナー画像がない記録媒体上に塗布並びに硬化させた後、当該処理をしたエネルギー線硬化型組成物前駆体を硬化させた面を貼り合わせ圧着させたものの剥離強度が、前記処理を行わないエネルギー線硬化型組成物前駆体の剥離強度に対して、80〜130%であるトナー及びエネルギー線硬化型組成物前駆体を用いることを特徴とする請求項14乃至25のいずれかに記載の再剥離性情報シートの製造方法。
JP2013156966A 2013-03-08 2013-07-29 再剥離性情報シートの製造装置および再剥離性情報シートの製造方法 Active JP6163943B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013156966A JP6163943B2 (ja) 2013-03-08 2013-07-29 再剥離性情報シートの製造装置および再剥離性情報シートの製造方法
US14/191,822 US9052649B2 (en) 2013-03-08 2014-02-27 Apparatus for producing detachable information sheet and method of producing detachable information sheet

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013046804 2013-03-08
JP2013046804 2013-03-08
JP2013072360 2013-03-29
JP2013072360 2013-03-29
JP2013121025 2013-06-07
JP2013121025 2013-06-07
JP2013156966A JP6163943B2 (ja) 2013-03-08 2013-07-29 再剥離性情報シートの製造装置および再剥離性情報シートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015014771A JP2015014771A (ja) 2015-01-22
JP6163943B2 true JP6163943B2 (ja) 2017-07-19

Family

ID=51487973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013156966A Active JP6163943B2 (ja) 2013-03-08 2013-07-29 再剥離性情報シートの製造装置および再剥離性情報シートの製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9052649B2 (ja)
JP (1) JP6163943B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6237087B2 (ja) * 2013-10-08 2017-11-29 株式会社リコー 加熱加圧装置及び加熱加圧方法、並びに再剥離性情報シートの製造装置
JP6269071B2 (ja) * 2014-01-07 2018-01-31 株式会社リコー 再剥離性情報シートの製造装置及び加熱加圧方法
US9517636B2 (en) 2014-05-13 2016-12-13 Ricoh Company, Ltd. Image forming method, image forming apparatus, and print material production method to form an electrostatic latent image by selective light power exposure
JP6332623B2 (ja) 2014-06-05 2018-05-30 株式会社リコー 画像形成装置及び画像形成方法
US10261432B2 (en) 2016-03-11 2019-04-16 Ricoh Company, Ltd. Ester wax, toner, developer, toner storing unit, and image forming apparatus
US10324388B2 (en) 2016-03-18 2019-06-18 Ricoh Company, Ltd. Toner, toner stored unit, image forming apparatus, and image forming method
JP2022046027A (ja) 2020-09-10 2022-03-23 株式会社リコー 再剥離性情報シートの作製方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5236016A (en) 1975-09-17 1977-03-19 Hitachi Ltd Manufacturing method for floating magnetic head
JP2522333B2 (ja) 1987-08-31 1996-08-07 東洋製罐株式会社 表面に印刷された金属容器および金属容器の印刷方法
JPH09143442A (ja) 1995-11-27 1997-06-03 Dainippon Printing Co Ltd 光沢性再剥離型粘着剤及び光沢性再剥離型情報担持シート
JP3570853B2 (ja) * 1997-05-12 2004-09-29 株式会社リコー 樹脂層形成装置及び該装置を備えた画像形成装置
JP3827124B2 (ja) * 1998-06-11 2006-09-27 互応化学工業株式会社 紫外線硬化型ニス組成物及び再剥離性接着加工紙
JP4471334B2 (ja) 2003-01-31 2010-06-02 トッパン・フォームズ株式会社 紫外線硬化型感圧接着剤組成物およびそれを用いた液体トナー受容性に優れた情報担持用シート
US7139521B2 (en) * 2003-12-23 2006-11-21 Eastman Kodak Company Gloss and differential gloss control methodology
JP2006078545A (ja) * 2004-09-07 2006-03-23 Fuji Xerox Co Ltd 画像構造及び記録媒体並びに画像形成装置及び後処理装置
US7486914B2 (en) 2005-05-30 2009-02-03 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic image forming apparatus, process cartridge and image forming method wherein lubricant is supplied to a surface of an image bearing member
US7521165B2 (en) 2006-04-05 2009-04-21 Xerox Corporation Varnish
JP5009073B2 (ja) 2007-07-23 2012-08-22 株式会社リコー 画像形成装置
JP2009169337A (ja) 2008-01-21 2009-07-30 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
US9302498B2 (en) * 2009-05-06 2016-04-05 Xerox Corporation Microstructured image overcoat layer for improved image uniformity applied with blanket overcoater and functional embossing roller
JP5521664B2 (ja) 2010-03-15 2014-06-18 株式会社リコー 画像形成装置
JP5640617B2 (ja) 2010-09-30 2014-12-17 株式会社リコー トナー、印刷物、印刷物の製造方法およびワニス塗布手段を有する画像形成装置
JP5696843B2 (ja) 2011-03-23 2015-04-08 株式会社リコー 電子写真用オーバーコート組成物の評価方法、並びに電子写真用オーバーコート組成物、電子写真形成方法、及び電子写真形成装置
JP5477406B2 (ja) * 2012-02-13 2014-04-23 コニカミノルタ株式会社 グロス処理装置
JP6051625B2 (ja) 2012-07-05 2016-12-27 株式会社リコー 電子写真用オーバーコート組成物、電子写真形成方法、電子写真形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015014771A (ja) 2015-01-22
US20140255069A1 (en) 2014-09-11
US9052649B2 (en) 2015-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5521664B2 (ja) 画像形成装置
JP6163943B2 (ja) 再剥離性情報シートの製造装置および再剥離性情報シートの製造方法
JP3948716B2 (ja) 画像形成用カラートナー、画像形成装置及びトナー容器
JP5009073B2 (ja) 画像形成装置
JP5640617B2 (ja) トナー、印刷物、印刷物の製造方法およびワニス塗布手段を有する画像形成装置
JP2005265886A (ja) トナー、現像剤、現像装置、画像形成装置
JP4152904B2 (ja) 乾式トナー及び該トナーを用いた画像形成装置
JP4190813B2 (ja) 画像形成方法
JP2007155926A (ja) 画像形成用マゼンタトナー、静電潜像現像用一成分現像剤、静電潜像現像用二成分現像剤、画像形成用マゼンタトナーの製造方法
JP2003167382A (ja) 乾式トナー及びそれを用いる画像形成方法
JP6171687B2 (ja) 再剥離性情報シート用エネルギー線硬化性前駆体及び再剥離性情報シートの製造方法、再剥離性情報シートの製造装置
US11635724B2 (en) Method for manufacturing removable information sheet
JP6237087B2 (ja) 加熱加圧装置及び加熱加圧方法、並びに再剥離性情報シートの製造装置
JP6269071B2 (ja) 再剥離性情報シートの製造装置及び加熱加圧方法
JP2008225237A (ja) 保護剤塗布装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5315620B2 (ja) 保護剤塗布装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5915018B2 (ja) トナー、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP6299246B2 (ja) 加熱加圧装置及び加熱加圧方法、並びに再剥離性情報シートの製造装置
JP5062741B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法およびプロセスカートリッジ
JP4938583B2 (ja) 像担持体保護剤、保護層形成装置、画像形成方法、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP2015099261A (ja) 加熱加圧装置および加熱加圧方法、並びに再剥離性情報シートの製造装置
JP6398202B2 (ja) 再剥離性情報シート及び該再剥離性情報シートの製造方法
JP6287251B2 (ja) 加熱加圧方法及び再剥離性情報シートの製造方法
JP2010066733A (ja) 電子写真用像担持体用保護剤、層形成装置、並びに画像形成装置
JP2015079037A (ja) 加熱加圧装置及び加熱加圧方法、並びに再剥離性情報シートの製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170321

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170605

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6163943

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151