JP5696832B2 - 伝熱抑制結合構造とこれを備える可変ノズル付きタービン - Google Patents
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Description
このような構成は、例えば、可変ノズル付のタービンにおいて用いられる。可変ノズル付きタービンは、タービン翼への駆動ガスの流路を有する高温のタービンハウジング(第1の部材)と、前記流路に設けられタービン翼への駆動ガスの流速を調整するノズルと、ノズルを動作させるアクチュエータと、アクチュエータが結合された取り付け部材(第2の部材)とを備える。取り付け部材は、タービンハウジングにボルトで取り付けられる。高温側のタービンハウジングから低温側の取り付け部材への伝熱を抑制するために、両者の間に遮熱板を設ける。
また、本発明の目的は、このような伝熱抑制結合構造を備えた可変ノズル付きタービンを提供することにある。
第1の部材は、貫通孔が形成されている貫通孔形成部を有し、
前記貫通孔に通され、第2の部材に一端側が結合しているボルトと、
前記ボルトの他端側に螺合しているナットと、を備え、
前記ナットと第2の部材とで貫通孔形成部を挟み込むことにより、貫通孔形成部を第2の部材に結合しており、
前記貫通孔形成部と第2の部材との間で両者に接触する接触面を有し、両者間の熱伝導を抑制する第1の伝熱抑制部材と、
前記ナットと貫通孔形成部との間で両者に接触する接触面を有し、両者間の熱伝導を抑制する第2の伝熱抑制部材と、を備え、
前記ボルトは、貫通孔の内周壁と前記第1および第2の伝熱抑制部材とに接触することなく貫通孔と前記第1および第2の伝熱抑制部材とを貫通する、ことを特徴とする伝熱抑制結合構造が提供される。
上述の伝熱抑制結合構造を備え、
前記取り付け部材と前記アクチュエータのうち、一方は前記第1の部材であり、他方は前記第2の部材である、ことを特徴とする可変ノズル付きタービンが提供される。
図1の例では、取り付け部材11は、タービン10の軸方向に薄い板状であり、その前後面が該軸方向を向いている。
q=λ×A×(T1−T2) ・・・(1)
ここで、λは熱伝導率であり,Aは伝熱面積であり、T1−T2は2つの部材間の温度差である。2つの部材間の接触面が多数の凹凸を有した場合、上式(1)のAが小さくなる。また、熱伝導率が小さい材料を使用した場合、上式(1)のλが小さくなる。従って、第1および第2の伝熱抑制部材23、25の接触面23a、23b、25a、25bが多数の凹凸を有することにより、上式(1)のqを小さくすることが可能となる。
なお、多数の凹凸を有する接触面23a、23b、25a、25bの面粗さは、一例では、25Ra程度である
タービンハウジング5と取り付け部材11との間には、図1のように、スペーサ部材29が設けられる。図1の例では、スペーサ部材29は、取り付け部材11をタービンハウジング5に結合させるボルト31の位置に設けられる。すなわち、各ボルト31毎に、スペーサ部材29が設けられ、該スペーサ部材29には、該ボルト31が貫通するようになっている。そのために、スペーサ部材29は、ボルト31の軸方向から見た場合に、中心部にボルト31が貫通する環状であってよい。
このようなスペーサ部材29により、タービンハウジング5と取り付け部材11が直接接触しないようにすることができる。この構成1により、アクチュエータ9の温度を約4%下げることができる。
なお、図1、図2では、ボルト31の一端側部分がタービンハウジング5のボルト孔と螺合し、ボルト31の他端側部分にナット33を螺合させ、ナット33を締め付ける。これにより、取り付け部材11をタービンハウジング5に取り付けている。
取り付け部材11におけるタービンハウジング5側のタービン軸方向を向く受熱面11bに、インシュレータ(断熱材)35を設ける。図2において、インシュレータ35は、破線による斜線部分である。図1、図2の例では、取り付け部材11がボルト31でタービンハウジング5に結合されている部位の近傍にわたってインシュレータ35が存在している。また、インシュレータ35は、受熱面11bを覆うように受熱面11bに沿って延びている。インシュレータ35は、タービンハウジング5の材料および取り付け部材11の材料よりも熱伝導率が低い材料(例えば、ステンレス鋼(SUS))で形成されている。
このようなインシュレータ35により、タービンハウジング5から取り付け部材11への輻射熱を遮断することができる。この構成2により、アクチュエータ9の温度を約5%下げることができる。
図1、図2のように、取り付け部材11には、その厚み方向(タービン10の軸方向)に貫通する空気穴11cが形成されている。この空気穴11cは、タービン10の半径方向に関してアクチュエータ9とタービンハウジング5との間に存在する空間37に、タービン10の軸方向に連通している。これにより、取り付け部材11を設けても、空間37は、タービン10の軸方向両側に開放されるので、当該軸方向に関して、空間37を通した空気の流れを促進することができる。従って、空間37の温度を低下させることができる。
上述の構成3を採用する場合に、図1、図2のように、第1の遮熱板39が、タービン10の半径方向に関してタービンハウジング5と空間37との間に配置される。第1の遮熱板39は、タービン10の半径方向に関してタービンハウジング5と空間37とを遮断する。第1の遮熱板39は、タービンハウジング5の材料および取り付け部材11の材料よりも熱伝導率が低い材料(例えば、ステンレス鋼(SUS))で形成されている。従って、タービン10の半径方向に関して、空間37からアクチュエータ9へ伝わる熱量を減らすことができる。
好ましくは、第2の遮熱板41が、タービン10の半径方向に関してアクチュエータ9と空間37との間に配置される。第2の遮熱板41は、タービン10の半径方向に関してアクチュエータ9と空間37とを遮断する。第2の遮熱板41は、タービンハウジング5の材料および取り付け部材11の材料よりも熱伝導率が低い材料(例えば、ステンレス鋼(SUS))で形成されている。従って、タービン10の半径方向に関して空間37からアクチュエータ9へ伝わる熱量を減らすことができ、その結果、タービン10の半径方向に関して、タービンハウジング5から空間37を介してアクチュエータ9に伝わる熱量を減らすことができる。
なお、第1または第2の遮熱板39、41を取り付け部材11に結合するために、例えば、タービン10の軸方向に薄い板状部分42(図2を参照)を遮熱板39、41に固定し、この板状部分42をボルトなどで取り付け部材11に結合してよい。
伝動機構43は、図1、図2、図4の例では、第1〜3連結部材45、47、49、連結シャフト51、第1の揺動部材53、回動リング55、第2の揺動部材57、および回動ピン59を有する。
第1の連結部材45の他端部は、第2の連結部材47に対して中心軸C1回りに回転可能に、第2の連結部材47の一端部に連結される。
第2の連結部材47の他端部は、第3の連結部材49に対して中心軸C2回りに回転可能に第3の連結部材49の一端部に連結される。
第3の連結部材49の他端部は、図1、図4のように、タービン10の軸方向と平行に配置された連結シャフト51の一端部に固定されている。連結シャフト51は、自身の軸回りに回転自在に取り付け部材11に支持されている。
連結シャフト51の他端部は、第1の揺動部材53の一端部に固定されている。
第1の揺動部材53の他端部は、回動リング55に係合している。
回動リング55は、タービンハウジング5に対しタービン10の中心軸Ct回りに回転可能に、タービンハウジング5に取り付けられている。
回動リング55には、タービン10の軸方向に延びる複数のピン55aが一体的に結合されており、各ピン55aには、第2の揺動部材57の一端部が係合している。
第2の揺動部材57の他端部には、回動ピン59の一端部が固定されている。回動ピン59は、自身の軸周りに回転可能に、タービンハウジング5に支持されている。
回動ピン59の他端部には可動翼7が固定されている。
図3において、取り付け部材11の代わりに、アクチュエータ9のフランジ部9aが、貫通孔が形成されている貫通孔形成部を有していてもよい。この場合、ボルト19は、当該貫通孔に通され、取り付け部材11に一端側が結合し、ボルト19の他端側にナット21が螺合し、ナット21と取り付け部材11とでフランジ部9aの前記貫通孔形成部を挟み込むことにより、当該貫通孔形成部を取り付け部材11に結合させ、第1の伝熱抑制部材23は、当該貫通孔形成部と取り付け部材11との間で両者に接触する接触面を有し両者間の熱伝導を抑制し、第2の伝熱抑制部材25は、ナット21と貫通孔形成部との間で両者に接触する接触面を有し両者間の熱伝導を抑制する。
上述の実施形態では、第1の部材は、タービンハウジング5であり、第2の部材は、取り付け部材11であったが、第1および第2の部材は、互いに温度差があり、本発明の伝熱抑制結合構造30により両者の熱伝導が抑制される他のものであってもよい。
第1および第2の伝熱抑制部材23、25の接触面23a、23b、25a、25bが多数の凹凸を有する代わりに、上述の相手側部材が上述した多数の凹凸を有していてもよい。
7 可動翼、9 アクチュエータ(サーボモータ)、
10 可変ノズル付きタービン、11 取り付け部材、
11a 貫通孔形成部、19 ボルト、20 過給機、
21 ナット、23 第1の伝熱抑制部材、
23a、23b 接触面、25 第2の伝熱抑制部材、
25a、25b 接触面、27 貫通孔、30 伝熱抑制結合構造
Claims (4)
- 温度差がある第1および第2の部材を結合し両者間の熱伝導を抑制する伝熱抑制結合構造であって、
第1の部材は、貫通孔が形成されている貫通孔形成部を有し、
前記貫通孔に通され、第2の部材に一端側が結合しているボルトと、
前記ボルトの他端側に螺合しているナットと、を備え、
前記ナットと第2の部材とで貫通孔形成部を挟み込むことにより、貫通孔形成部を第2の部材に結合しており、
前記貫通孔形成部と第2の部材との間で両者に接触する接触面を有し、両者間の熱伝導を抑制する第1の伝熱抑制部材と、
前記ナットと貫通孔形成部との間で両者に接触する接触面を有し、両者間の熱伝導を抑制する第2の伝熱抑制部材と、を備え、
前記ボルトは、貫通孔の内周壁と前記第1および第2の伝熱抑制部材とに接触することなく貫通孔と前記第1および第2の伝熱抑制部材とを貫通する、ことを特徴とする伝熱抑制結合構造。 - 第1の伝熱抑制部材若しくは第2の伝熱抑制部材の前記接触面は、または、当該接触面に接触する接触面は、表面粗さとしての多数の凹凸を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の伝熱抑制結合構造。
- 第1または第2の伝熱抑制部材は、第1および第2の部材の材料よりも熱伝導率が低い材料で形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の伝熱抑制結合構造。
- 駆動用ガスにより回転駆動されるタービン翼と、タービン翼を内部に収容するとともにタービン翼へ駆動用ガスを供給する流路が内部に形成されたタービンハウジングと、前記流路に設けられた可動翼と、該可動翼を駆動することにより駆動用ガスの流速を調節するアクチュエータと、前記アクチュエータに結合された取り付け部材と、を備え、該取り付け部材は、前記タービンハウジングに取り付けられている可変ノズル付きタービンであって、
請求項1、2または3に記載の伝熱抑制結合構造を備え、
前記取り付け部材と前記アクチュエータのうち、一方は前記第1の部材であり、他方は前記第2の部材である、ことを特徴とする可変ノズル付きタービン。
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