JP5695477B2 - 電気化学素子用セパレータ及びそれを用いてなる電気化学素子 - Google Patents

電気化学素子用セパレータ及びそれを用いてなる電気化学素子 Download PDF

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Description

本発明は、電気化学素子用セパレータ及びそれを用いてなる電気化学素子に関する。
電気化学素子の1種であるキャパシタは大きな電気容量を持つとともに、充放電の繰り返しに対する安定性が高いため、車輌や電気機器に使用される給電源等の用途に広く使用されつつある。キャパシタにはセパレータが内蔵されており、セパレータはキャパシタ内において正極と負極とが直接接触しないように、つまり、内部ショートしないように正極と負極を分離している。キャパシタにおける内部抵抗を下げるためには、電解質のイオンが効率よく透過できる空孔がセパレータの内部に形成されていなければならない。従って、セパレータは多孔質である必要がある。
キャパシタ用セパレータとしては、従来、溶剤紡糸セルロース繊維や再生セルロース繊維の叩解物を主体とする紙製セパレータ(例えば、特許文献1〜3参照)や合成繊維からなるセパレータ(例えば、特許文献4参照)が使用されている。
有機溶媒と電解質からなる電解液を備えたキャパシタにおいては、水分がわずかでも混入すると所定の電圧にならない、電圧がふらつく、内部抵抗が大きくなるなどキャパシタ特性に悪影響を及ぼすため、電極とセパレータを一緒に高温で長時間乾燥させて、これら部材に含まれる水分を除去してからキャパシタが製造されている。しかしながら、紙製のセパレータは、150℃以上の高温で処理すると、セルロース成分の炭化や分解により機械的強度が低下するため、充電時の体積膨張率が大きい電極を用いた場合には、充放電を繰り返すうちにセパレータが破れてしまい、内部短絡不良率が高くなる問題があった。
また、近年の電子部品の高機能化に伴い、キャパシタも低抵抗化が求められている。このため、セパレータには厚みの薄さと、電解液保液性の高さが要求されるが、合成繊維からなるセパレータは、厚みが薄くなると正極と負極との間の絶縁性が不十分となって内部短絡不良率が高くなる問題や、電解液の保液性が低いため、イオン伝導性が低く、内部抵抗が高くなる問題があった。
電気化学素子は今後ハイブリッド自動車や電気自動車の電源や補助電源としてますます利用されていく。このことから、蓄電素子には高容量であることが求められ、特に大電流で充放電しても高い容量維持率を持つことが重要になる。
特開平5−267103号公報 特開平11−168033号公報 特開2000−3834号公報 特開2003−45752号公報
本発明は、上記実情を鑑みたものであって、電解液の吸液性に優れる電気化学素子用セパレータ、内部抵抗特性及び放電容量維持率に優れた電気化学素子を提供することにある。
本発明では、この課題を解決するために鋭意研究を行った結果、セルロース繊維の種類と濾水度の最適化、さらにはセルロース繊維の繊維長分布を最適化することによって、電解液の吸液性に優れる電気化学素子用セパレータ、内部抵抗特性及び放電容量維持率に優れた電気化学素子を実現できることを見出し、下記の本発明に至ったものである。
(1)合成短繊維、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維を必須成分として含有する湿式不織布からなり、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の下記で定義される変法濾水度が0〜400mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜2.00mmであり、
変法濾水度が0〜400mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜2.00mmである叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維が下記の第一の繊維長分布又は第二の繊維長分布を有する電気化学素子用セパレータ。
第一の繊維長分布:叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が10%以上51%以下であり、1.00〜2.00mmの間における0.05mm毎の繊維長を有する繊維の割合の傾きが−3.0以上−0.5以下である。
第二の繊維長分布:叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が50%以上70%以下であり、最大頻度ピーク以外に1.50〜3.50mmの間にピークを有する。
変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した濾水度。
)(1)に記載の電気化学素子用セパレータを具備してなる電気化学素子。
本発明の電気化学素子用セパレータ(1)は、合成短繊維、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維を必須成分として含有する湿式不織布からなり、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度が0〜400mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜2.00mmであるため、セパレータの細孔が均一に形成され、適度な緻密性を有し、電解液の吸液性に優れる。そのため、該セパレータを具備してなる電気化学素子は、内部抵抗が低く、放電容量維持率に優れている。
また、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が10%以上である電気化学素子用セパレータ()では、吸液性が良く、さらに、1.00〜2.00mmの間における0.05mm毎の繊維長を有する繊維の割合の傾きが−3.0以上−0.5以下である電気化学素子用セパレータ()では、吸液性がより優れている。
そして、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が50%以上である電気化学素子用セパレータ()では、繊維間隙が狭くなりすぎず、広くもなりすぎず、抄紙性と吸液性とを両立できる。また、最大頻度ピーク以外に1.50〜3.50mmの間にピークを有する電気化学素子用セパレータ()では、このようなピークを有さない溶剤紡糸セルロース繊維よりも、吸液性が良くなる。
叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維のカナダ標準濾水度と変法濾水度(試料濃度を0.03%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した濾水度)の関係を表したグラフである。 叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度(ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した変法濾水度)を表したグラフの一例である。 本発明の実施例で用いた叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度(ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した変法濾水度)を表したグラフである。 叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維[I]の繊維長分布ヒストグラムである。 叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維[II]の繊維長分布ヒストグラムである。 叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維[I]及び[II]の繊維長分布ヒストグラムにおいて、1.00〜2.00mmの間における0.05mm毎の繊維長を有する繊維の割合のグラフと近似直線を示した図である。 0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有する叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維[i]の繊維長分布ヒストグラムの例である。 最大頻度ピーク以外に1.50〜3.50mmの間にピークを有する叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維[ii]の繊維長分布ヒストグラムの例である。
<電気化学素子用セパレータ>
本発明において、「セパレータ」と表記する場合は、電気化学素子用セパレータを意味する。
本発明における合成短繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリエステル、ポリエステル誘導体、アクリル系重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリテトラフルオロエチレン、これらの誘導体からなる単繊維、これら樹脂を2種類以上複合してなる複合繊維が挙げられる。
ポリエステル類としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレートなどが挙げられる。アクリル系重合体とは、アクリロニトリル100%の重合体からなるもの、アクリロニトリルに対して、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸誘導体、酢酸ビニル等を共重合させたものを指す。ポリアミドとは、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミドを指す。芳香族ポリアミドとは、主鎖の一部に脂肪鎖などを有する芳香族ポリアミドを指す。
複合繊維としては、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型、分割型が挙げられる。分割型複合繊維としては、異なる成分からなる樹脂が相互に隣接してなる繊維や海島型繊維が挙げられる。前者はパルパーやミキサーなどで攪拌する方法や高圧水流を当てる方法により機械的に、後者は海成分の樹脂を薬品で溶出する方法により化学的に分割させて、極細繊維を得ることができる。前者の分割型複合繊維の断面形状としては、放射状型、層状型、櫛型、碁盤型などが挙げられる。分割型複合繊維の平均繊維径は3.0〜18.0μmが好ましく、6.0〜16.0μmがより好ましい。3.0μm未満だと、分割しにくくなる場合があり、18.0μmより太いと、分割後の極細繊維断面の長軸が長くなるため、不織布の空隙を閉塞する場合がある。
分割型複合繊維以外の合成短繊維の各々の平均繊維径は、0.05〜12.0μmが好ましく、0.5〜10.0μmがより好ましく、1.0〜5.0μmがさらに好ましい。12.0μmより太いと、湿式不織布の厚みを薄くしにくい場合がある。0.05μm未満だと、繊維の安定製造が困難になる。さらに、本発明の湿式不織布は、平均繊維径とは、繊維断面の面積を真円の同じ面積の直径に換算した値を指す。合成短繊維の繊維長は、0.1〜10mmが好ましく、0.3〜6mmがより好ましい。繊維長が0.1mm未満だと、不織布の強度が不十分になる場合があり、10mmより長いと繊維同士が撚れて地合斑や厚み斑を生じる場合がある。
本発明においては、理論扁平度が1.0〜5.0の合成短繊維を含有することが好ましい。理論扁平度とは繊維断面の長軸の最大長さを短軸長さで除した値を意味する。理論扁平度が1.0〜5.0の合成短繊維とは、扁平の紡糸口から紡糸して得られる扁平繊維又は分割後に断面が扁平状となる分割型複合繊維を分割して得られる扁平繊維を意味する。直接紡糸して得られる扁平繊維の場合は、紡糸口の扁平度から理論扁平度を計算することができる。分割型複合繊維の場合は、分割前の分割型複合繊維の繊維径と分割数から理論扁平度を計算することができる。理論扁平度が5.0より大きいと、湿式不織布の空隙を閉塞する場合がある。理論扁平度1.0〜5.0の合成短繊維の断面の短軸長さは、1.0〜5.0μmであることが好ましく、1.0〜3.0μmであることがより好ましい。1.0μm未満だと、断面の理論扁平度が大きくなりすぎて不織布の空隙を閉塞する場合があり、5.0μmを超えると、不織布の厚みを薄くしにくくなる場合がある。短軸長さとは、極細繊維断面の短軸方向の最大長さを意味する。極細繊維の理論扁平度は、1.5〜3.0がより好ましい。
本発明における湿式不織布中の合成短繊維の含有率は、20〜70質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、41〜70質量%がさらに好ましい。20質量%未満だと、引張強度や突刺強度が不十分になる場合があり、70質量%を超えると、大きな貫通孔ができる場合や、毛羽立ちやすくなる場合がある。
本発明における溶剤紡糸セルロース繊維とは、セルロース誘導体を経ずに、直接、有機溶剤に溶解させて紡糸して得られるセルロース繊維を意味する。JIS L0204−2では、この繊維の名称として、「リヨセル」という用語が用いられている。本発明においては、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の濾水度を変法濾水度で表す。
本発明における変法濾水度とは、JIS P8121に規定されるカナダ標準濾水度の測定方法に対して、試料濃度もしくはふるい板の何れか、又は、試料濃度及びふるい板の両方を変更して測定した濾水度を意味する。これまで、針葉樹木材パルプ、広葉樹木材パルプ、麻パルプ、エスパルトパルプなどの天然セルロース繊維のカナダ標準濾水度と変法濾水度との関係については報告されているが、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維のカナダ標準濾水度と変法濾水度との関係は明らかになっていなかった。本発明では、リファイナーを用いて溶剤紡糸セルロース繊維を微細化していき、微細化の程度ごとにカナダ標準濾水度と変法濾水度を測定した結果、溶剤紡糸セルロース繊維の濾水挙動が、特開2000−331663号公報に開示されている天然セルロース繊維の濾水挙動と異なることを見出した。
図1に、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維のカナダ標準濾水度と変法濾水度の関係を表す。図1において、標準濾水度とは、JIS P8121のカナダ標準濾水度を意味している。変法濾水度とは、試料濃度を0.03%にした以外は、JIS P8121に準拠して測定した濾水度を意味する。図1の横軸は長さ加重平均繊維長を示しており、右に向かうほど微細化の程度が進んでいる。カナダ標準濾水度は、長さ加重平均繊維長が0.72mmまで濾水度が0.5mlであるが、長さ加重平均繊維長が0.55mm以下では短くなるほど濾水度が大きくなっている。一方、変法濾水度は、微細化の程度が進むに従って、濾水度が大きくなっている。この濾水挙動は、特開2000−331663号公報に開示されている天然セルロース繊維の濾水挙動、すなわち、微細化の程度が進むほど、カナダ標準濾水度と変法濾水度が減少する濾水挙動とは全く異なっている。
このように微細化の程度が進むほど濾水度が大きくなる理由は、微細化が進むに従って叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が短くなっていき、特に試料濃度が薄い場合に、繊維同士の絡みが少なくなり、繊維ネットワークが形成されにくくなるため、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維自体がふるい板の穴をすり抜けてしまうからである。つまり、微細化した溶剤紡糸セルロース繊維の場合は、JIS P8121の測定方法では正確な濾水度が計測できないのである。より詳細に説明すると、天然セルロース繊維は微細化の程度が進むほど繊維の幹から細いフィブリルが多数裂けた状態になるため、フィブリルを介して繊維同士が絡みやすく、繊維ネットワークを形成しやすいのに対し、溶剤紡糸セルロース繊維は微細化処理によって繊維の長軸に平行に細かく分割されやすく、分割後の繊維1本1本における繊維径の均一性が高いため、平均繊維長が短くなるほど繊維同士が絡みにくくなり、繊維ネットワークを形成しにくいと考えられる。
そこで、本発明では、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の正確な濾水度を測定するための検討を行った。図2は、試料濃度とふるい板の両方を変更して測定した変法濾水度の一例を表す。すなわち、JIS P8121に規定されているふるい板の代わりに80メッシュの金網を用い、試料濃度を0.1%にして測定した変法濾水度である。80メッシュの線径は直径0.14mmで、目開き0.18mmの金網(PULP AND PAPER RESEARCH INSTITUTE OF CANADA製)を使用した。図2から明らかなように、微細化の程度が進むほど、濾水度は小さくなっており、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の抜けが抑えられ、より正確な濾水度を計測できたことがわかる。以下、本発明における変法濾水度とは、ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した変法濾水度を意味し、特に断りのない限り、単に「変法濾水度」と表記する。
叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長及び繊維長分布ヒストグラムは、繊維にレーザー光を当てて得られる偏向特性を利用して求めることができ、市販の繊維長測定器を用いて測定することができる。本発明では、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.52「紙及びパルプの繊維長 試験方法(光学的自動計測法)」に準じてKajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して測定した。叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の「繊維長」、「平均繊維長」及び「繊維長分布」とは、上記に従って測定・算出される「長さ加重繊維長」、「長さ加重平均繊維長」及び「長さ加重繊維長分布」を意味する。
また、微細化の条件を変えることによって、変法濾水度0〜400mlの範囲内で長さ加重平均繊維長をいかようにも調節することができるため、同程度の変法濾水度であっても、長さ加重平均繊維長の異なる叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維を作製することができる。図3は、本発明の実施例11〜24で用いた叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度を表す。
変法濾水度が0〜400mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.20〜2.00mmの溶剤紡糸セルロース繊維は、繊維径が細く、均一性が高いため、セパレータの細孔が比較的均一に形成される。本発明の溶剤紡糸セルロース繊維は、変法濾水度が0〜300mlであることがより好ましく、0〜250mlであることがさらに好ましい。変法濾水度が400mlを超える場合は、微細化処理が不十分で、繊維の分割が十分に進まず、元の太い繊維径のまま残る割合が多くなるため、セパレータに大きな貫通孔が開きやすくなる。本発明の溶剤紡糸セルロース繊維は、長さ加重平均繊維長は、0.40〜1.80mmが好ましく、0.50〜1.50mmがより好ましい。0.20mm未満だと、濾水性が悪くなり、抄紙性が悪くなる場合がある。2.00mm超では、微細化が不十分で、太い繊維径の割合が多くなり、セパレータに大きな貫通孔が開きやすくなる、繊維の撚れが生じ、地合と厚みのばらつきが生じる。本発明における溶剤紡糸セルロース繊維の長さ加重平均繊維長は、繊維にレーザー光を当てて得られる偏向特性を利用して求める市販の繊維長測定器を用いて測定することができる。
さらに、本発明では、変法濾水度0〜400mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜2.00mmである叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維において、その繊維長分布ヒストグラムを詳細に検討した結果、下記に説明する第一の繊維長分布を有する場合、電解液の吸液性が向上する効果が得られ、第二の繊維長分布を有する場合、抄紙性と吸液性を両立させる効果が得られるため、より好ましいことを見出した。
叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維において、好ましい第一の繊維長分布は、該繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が10%以上である。このような叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維は、電解液の吸液性が良いことを見出した。また、1.00〜2.00mmの間における0.05mm毎の繊維長を有する繊維の割合の傾きが−3.0以上−0.5以下である場合、電解液の吸液性がより優れていて、さらに好ましいことを見出した。
図4及び図5は、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムであり、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が10%以上である。吸液性という点で、より好ましくは、繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.30〜0.70mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が12%以上で高い方が好ましいが、50%程度あれば十分である。
叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、1.00〜2.00mmの間における0.05mm毎の繊維長を有する繊維の割合の傾きが−3.0以上−0.5以下であることが好ましく、−2.5以上−0.8以下がより好ましく、−2.0以上−1.0以下がさらに好ましい。傾きが−3.0より小さい場合、繊維間隙が狭くなり、吸液性が低くなる場合がある。また傾きが−0.5を超えるとセパレータの地合が悪くなる場合がある。図4及び図5に示すように「傾きが大きい」とは叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布が広い状態である。「傾きが小さい」とは叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布が狭く、より繊維長が揃っている状態である。なお、図4の叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維[I]の傾きは、−2.9であり、図5の叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維[II]の傾きは、−0.6である。
なお、「1.00〜2.00mmの間における0.05mm毎の繊維長を有する繊維の割合の傾き」とは、図6に示したように1.00〜2.00mmの間における0.05mm毎の繊維長を有する繊維の割合の値に対し、最小二乗法により近似直線を算出し、得られた近似直線の傾きを意味する。
叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維において、好ましい第二の繊維長分布は、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が50%以上である。このような叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維は、繊維間隙が狭くなりすぎず、広くなりすぎず、抄紙性と吸液性を両立できる。また、最大頻度ピーク以外に1.50〜3.50mmの間にピークを有する場合、このようなピークを有さない溶剤紡糸セルロース繊維よりも吸液性が良くなるため好ましい。
図7は、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムであり、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が50%以上である。吸液性という点において、繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.30〜0.70mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が55%以上であることがより好ましい。1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合は高い方が望ましいが、75%程度あれば十分である。
叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、図8に示したように、上記の最大頻度ピーク以外に、1.50〜3.50mmの間にピークを有することがより好ましく、1.75〜3.25mmの間にピークを有することがさらに好ましく、1.90〜3.00mmの間にピークを有することが特に好ましい。この範囲にピークを有することにより、さらに吸液性が良くなるため好ましい。該ピークの繊維長が1.50mmより短い場合、吸液性が悪くなる場合がある。また3.50mmを超えると、ダマが発生して厚み斑になり、セパレータの地合が悪くなる場合や、繊維間隙が広くなりすぎて吸液性が悪くなる場合がある。
変法濾水度0〜400ml、且つ、長さ加重平均繊維長0.20〜2.00mmの溶剤紡糸セルロース繊維を得るには、溶剤紡糸セルロースの短繊維を適度な濃度で水などに分散させ、これをリファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃により剪断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、高圧ホモジナイザーなどに通して、刃の形状、試料濃度、流量、処理回数、処理速度などの条件を調節して微細化処理すれば良い。
本発明のセパレータ中の変法濾水度0〜400mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.20〜2.00mmの溶剤紡糸セルロース繊維の含有率は、30〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、30〜59質量%がさらに好ましい。30質量%未満だと、大きな貫通孔ができる場合がある。80質量%より多いと、突刺強度が不十分になる場合や、抄紙性が悪くなる場合がある。
本発明のセパレータは、合成短繊維、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維以外の繊維を含有しても良い。例えば、天然セルロース繊維、天然セルロース繊維のパルプ化物やフィブリル化物、溶剤紡糸セルロースの短繊維、フィブリッド、合成樹脂からなるパルプ化物やフィブリル化物、無機繊維を含有しても良い。天然セルロース繊維のパルプ化物やフィブリル化物は、カナダ標準濾水度0〜700ml又は、変法濾水度0〜400mlが好ましい。無機繊維としては、ガラス、アルミナ、シリカ、セラミックス、ロックウールが挙げられる。無機繊維を含有する場合は、セパレータの耐熱寸法安定性や突刺強度が向上するため好ましい。
本発明のセパレータは、円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、傾斜型抄紙機、これらの中から同種又は異種の抄紙機を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機などを用いて抄紙する方法によって製造することができる。原料スラリーには、繊維原料の他に必要に応じて分散剤、増粘剤、無機填料、有機填料、消泡剤、剥離剤などを適宜添加し、5〜0.001質量%程度の固形分濃度にスラリーを調整する。この原料スラリーをさらに所定濃度に希釈して抄紙する。抄紙して得た電気化学素子用セパレータは必要に応じて、カレンダー処理、熱カレンダー処理、熱処理などが施される。
本発明のセパレータの厚みは、10〜50μmが好ましく、10〜45μmがより好ましく、10〜40μmがさらに好ましい。10μm未満では、十分な機械的強度が得られなかったり、正極と負極との間の絶縁性が不十分で内部短絡不良率が高くなったりする。50μmより厚いと、電気化学素子の内部抵抗が高くなる。
本発明におけるセパレータの密度は、特に制限はないが、0.250〜0.700g/cmが好ましく、0.250〜0.650g/cmがより好ましく、0.300〜0.600/cmがさらに好ましい。0.250g/cm未満では、十分な機械的強度が得られなかったり、正極と負極との間の絶縁性が不十分で内部短絡不良率が高くなったりする場合がある。0.700g/cmを超えると、電気化学素子の内部抵抗が高くなる場合がある。密度は、カレンダー処理により調節する。
本発明におけるセパレータのガーレー透気度(JIS P8117)は、0.4〜20.0s/100mlが好ましく、1.0〜15.0s/100mlがより好ましく、1.0〜10.0s/100mlがさらに好ましい。0.4s/100ml未満では、内部短絡不良率が高くなり、20.0s/100mlより大きいと内部抵抗が高くなる。
本発明における電気化学素子としては、特にキャパシタに好適に挙げることができる。
キャパシタとは、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、レドックスキャパシタを意味する。電気二重層キャパシタは、電極と電解液との界面に電気二重層が形成され、蓄電される。電極活物質としては、活性炭、カーボンブラック、カーボンエーロゲル、カーボンナノチューブ、非多孔性炭素などの炭素材料が主に用いられる。電解液としては、イオン解離性の塩を溶解させた水溶液、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルソルブ、これらの混合溶媒などの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
リチウムイオンキャパシタは、負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能な物質であり、正極活物質がリチウムイオン及び/又はアニオンを可逆的に担持可能な物質であり、予め負極及び/又は正極にリチウムイオンが担持されてなるキャパシタである。負極活物質としては、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、ポリアセン系有機半導体、チタン酸リチウムなどが挙げられる。正極活物質としては、例えばポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレンなどの導電性高分子、活性炭、ポリアセン系有機半導体などが挙げられる。電解液としては、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒が用いられる。リチウム塩としては、例えばLiClO、LiAsF、LiBF、LiPF、Li(CSO)Nなどが挙げられる。非プロトン性有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルソルブ、これらの混合溶媒が挙げられる。
ハイブリッドキャパシタとは、正極と負極の反応機構又は電極材料が異なっているキャパシタである。例えば、負極が酸化還元反応で、正極が電気二重層型反応といった具合である。ハイブリッドキャパシタの負極活物質としては、例えば活性炭、黒鉛、ハードカーボン、ポリアセン、LiTi12などの金属酸化物、n型導電性高分子などが挙げられる。正極活物質としては、例えば活性炭、MnO、LiCoO、酸化ルテニウムなどの金属酸化物、黒鉛、p型導電性高分子などが挙げられる。カーボンブラック、カーボンエーロゲル、カーボンナノチューブ、非多孔性炭素などが挙げられる。
レドックスキャパシタは、蓄電と放電の機構が、電極活物質の酸化還元、電極表面でのイオンの吸脱着、電気二重層における充放電の全てあるいは一部を利用してなるものである。レドックスキャパシタの電極活物質としては、例えば、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化コバルトなどの金属酸化物、これら金属酸化物の複合物、これら金属酸化物の水和物、これら金属酸化物と炭素材料との複合物、窒化モリブデン、窒化モリブデンと金属酸化物との複合物、リチウムイオンをインターカレートできるグラファイトやLiTi12、LiFePOなどのリチウム金属酸化物、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセン、これらの誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、ポリインドール、サイクリックインドールポリマー、1,5−ジアミノアントラキノン、1,4−ベンゾキノン、グラファイトとこれらキノン系化合物との複合体、金属錯体高分子が挙げられる。電解液としては、イオン解離性の塩を溶解させた水溶液、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルソルブ、これらの混合溶媒などの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
キャパシタ用電極には導電剤を含むことが好ましい。導電剤としては特に制限されないが、カーボンブラック、ケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社登録商標)、アセチレンブラック、カーボンウィスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどの炭素材料、二酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム、ニッケル、銀などの粒子及び金属ファイバーなどの金属を含有するものが挙げられる。導電剤の配合量は、電極活物質100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。
キャパシタ用電極に用いるバインダーとしては、電極活物質と導電剤を十分に結合する必要があり、また、電解液に対する耐性、耐電圧性、酸化還元反応に対する耐性を有するものから選ばれる。その例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイドなどの非水溶性樹脂や、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、デンプン及びその誘導体、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリコールなどの水溶性樹脂、また、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムなどのゴムが挙げられる。バインダーの配合量は、電極活物質100質量部に対して、0.05〜25質量部が好ましい。
キャパシタ用電極の厚みは、10〜300μmであることが好ましい。厚みが10μmより小さくなると、キャパシタにおいて十分な電気容量を得ることが困難になる場合があり、また、厚みが300μmを超えると内部抵抗が増加する場合がある。
キャパシタ用電極の製法としては、一般的に、電極活物質と導電剤とバインダーを乾式混練又は湿式混練し、これをプレス成形法や押出し成形法によりシート状もしくは棒状に成形し、打ち抜き、あるいはカッティングして集電体に貼り合わせる製法と、電極活物質と導電剤とバインダーを含む電極スラリーを集電体の表面に塗工、乾燥する製法が知られている。本発明においては、何れの方法も適用できる。電極スラリーの塗工方法としては特に限定されないが、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法などを適用することができる。
上記の集電体の材料は導電性材料を含むものであり、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、白金などが挙げられる。集電体の形状としては、板状、繊維状、シート状、フィルム状、メッシュ状などが挙げられるが、これらに制限されない。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例1〜10、17、22〜24、30、35〜37は参考例である。
≪実施例1〜10、比較例1〜3≫
[叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の物性値]
叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維について、
(1)ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した変法濾水度:「変法濾水度」
(2)長さ加重平均繊維長:「平均繊維長」
を表1に示す。なお、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維C1〜C11は、叩解されていない溶剤紡糸セルロース短繊維(繊度1.7dtex、繊維長6mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて処理して作製した。
表1に、本発明の実施例及び比較例で使用した繊維を示した。表1のC12は、リンター繊維を高圧ホモジナイザーでフィブリル化したものを意味する。分割型複合繊維F6は、エチレン−ビニルアルコール共重合体とポリプロピレンが相互に隣接してなる16分割型の複合繊維を意味し、分割前の繊維径が16μm、分割後の断面の短軸長さが2.95μmである。表2の原料の記号は、表1の繊維の記号に該当する。表2に示した配合率に従って、抄紙用スラリーを調製した。
(実施例1)
F2をパルパーで水に分散させた後、C1を添加して所定時間攪拌し、スラリー1を調製した。スラリー1を円網抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を110℃にして乾燥させて実施例1のセパレータを作製した。
(実施例2、3、5〜7、9、10)
スラリー1の調製と同様に、合成短繊維をパルパーで水に分散させた後、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維を添加して所定時間攪拌し、スラリー2、3、5〜7、9、10を調製した。スラリー2、3、5〜7、9、10を用いて実施例1と同様にして湿式抄紙し、実施例2、3、5〜7、9、10のセパレータを作製した。
(実施例4、8)
C12をパルパーで水に分散させた後、合成短繊維を添加して所定時間攪拌し、さらに叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維を添加して所定時間攪拌し、スラリー4、8を調製した。スラリー4、8を用いて実施例1と同様にして湿式抄紙し、実施例4、8のセパレータを作製した。
(比較例1)
F1とF2をパルパーで水に分散させた後、C9を添加して所定時間攪拌し、スラリー11を調製した。スラリー11を円網抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を120℃にして乾燥させて、比較例1のセパレータを作製した。
(比較例2、3)
スラリー11と同様に、合成短繊維をパルパーで水に分散させた後、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維を添加して所定時間攪拌し、スラリー12、13を調製した。スラリー12、13を用いて比較例1と同様にして湿式抄紙し、比較例2、3のセパレータを作製した。
[評価]
実施例1〜10、比較例1〜3で作製したセパレータについて、下記の評価を行い、結果を表3に示した。
<厚み>
JIS P8118に準拠して厚みを測定し、その平均値を算出した。
<密度>
JIS P8124に準拠してセパレータの坪量を測定し、坪量を厚みで除して100倍した値を密度とした。
<抄紙性>
40m/min以上の抄紙速度でセパレータを安定して湿式抄紙できた場合を「◎」、20m/min以上、40m/min未満の抄紙速度で安定して湿式抄紙できた場合を「○」、10m/min以上、20m/min未満の抄紙速度で安定して湿式抄紙できた場合を「△」、10m/min未満の抄紙速度でしか安定して湿式抄紙できなかった場合を「×」とした。抄紙速度が速いほど、抄紙性が良いことを意味する。
<吸液性>
セパレータを20mm巾、150mm長さに切り揃えた試料を用意した。このとき、150mm長さに切る方向はCD方向、すなわち、セパレータ巻取りの巻き長さ方向に対して直角方向(巾方向)とした。電解液にセパレータ試料の下端10mmだけ浸漬して固定し、10分間静置したときの吸い上げ高さを計測した。吸い上げ高さが高いほど好ましい。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C(CH)NBFを溶解させたものを用いた。
<電気二重層キャパシタ>
[電極の作製]
ポリフッ化ビニリデン10質量部をN−メチル−2−ピロリドン90質量部に溶解し、これにフェノール樹脂を出発原料とする平均粒径5.0μm、比表面積2000m/gの粉末状活性炭80質量部と、平均粒径200nmのアセチレンブラック10質量部と、N−メチル−2−ピロリドン300質量部を添加し、混合撹拌機にて十分混合して、電極スラリーを得た。塩酸により表面をエッチング処理した厚み30μmのアルミニウム箔集電体に、アプリケータを用いて上記の電極スラリーを塗布・乾燥した後に、ロールプレス装置を用いてプレス処理を行い、厚み150μmの電極を作製した。
[電気二重層キャパシタの作製]
電極を30mm×50mm角に2枚カッティングし、実施例1〜10及び比較例1〜3のセパレータが電極間に介するようにそれぞれ積層した。これをアルミニウム製収納袋に収納し、150℃で10時間真空加熱を行った後、アルミニウム製収納袋内に電解液を注入し、注入口を密栓して実施例1〜10及び比較例1〜3の電気二重層キャパシタを作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C(CH)NBFを溶解させたものを用いた。
[評価]
実施例及び比較例で作製した電気二重層キャパシタについて、下記の評価を行い、結果を表3に示した。
[DC抵抗]
実施例及び比較例の電気二重層キャパシタを用い、充放電電圧範囲0〜2.7V、充放電電流200mAで、定電流充放電を10サイクル繰り返し、10サイクル目の放電開始直後の電圧低下より内部抵抗を算出し、電気二重層キャパシタ100個の平均値をDC抵抗とした。
[容量維持率]
実施例及び比較例の電気二重層キャパシタを用い、充電電流200mAで2.7Vまで定電流充電し、2.7V到達後、1時間定電圧充電した。充電完了後、25℃、放電電流200mAで0Vまで放電したときの静電容量を初期容量とした。次いで、60℃、電流1Aで1000時間充放電を繰り返し、初期容量に対する1000時間後の静電容量の割合を算出し、電気二重層キャパシタ100個の平均値を容量維持率とした。
実施例1〜10のセパレータは、合成短繊維、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維を必須成分として含有する湿式不織布からなり、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度が0〜400mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜2.00mmであるため、電解液の吸液性に優れていた。実施例1〜10のセパレータを用いてなる電気二重層キャパシタは、DC抵抗が低く、放電容量維持率が高く優れていた。
一方、比較例1のセパレータは、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が0.20mm未満であるため、濾水性が悪く、抄紙性が悪く、繊維間隙が狭いため、吸液性がやや悪かった。該セパレータを用いてなる電気二重層キャパシタは、DC抵抗が高く、放電容量維持率が悪かった。
比較例2のセパレータは、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が2.00mmを超えていたため、抄紙性は良かったが、地合斑があり、吸液性が悪かった。該セパレータを用いてなる電気二重層キャパシタは、DC抵抗が高く、放電容量維持率が悪かった。
比較例3のセパレータは、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度が400mlを超え、且つ、長さ加重平均繊維長が2.00mmを超えているため、抄紙性は良かったが、地合斑があり、吸液性が悪かった。該セパレータを用いてなる電気二重層キャパシタは、DC抵抗が高く、放電容量維持率が悪かった。
≪実施例11〜24≫
[叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の物性値]
叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維について、
(1)繊維長分布ヒストグラムにおける最大頻度ピークの繊維長:「最大頻度ピークの繊維長」
(2)1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合:「1.00mm以上の繊維割合」
(3)繊維長分布ヒストグラムにおいて、1.00〜2.00mmの間における0.05mm毎の繊維長を有する繊維の割合の傾き:「割合の傾き」
(4)長さ加重平均繊維長:「平均繊維長」
(5)ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した変法濾水度:「変法濾水度」
を表4に示す。なお、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維C13〜C24は、叩解されていない溶剤紡糸セルロース短繊維(繊度1.7dtex、繊維長6mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて処理して作製した。
表5に示したスラリーを調製し、実施例11〜24に対応するスラリーを2連式の円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を110℃にして乾燥させて湿式不織布を作製した。次いで、表6に示した熱処理温度と熱処理時間に従って金属ロールに湿式不織布の表裏面を接触させて熱処理し、さらにカレンダー処理して厚み調整し、実施例11〜24のセパレータを作製した。実施例1と同様の方法で、セパレータの評価を行い、評価の結果を表6に示した
表5中の原料の記号は、表1及び表4の記号に該当する。
[評価]
実施例11〜24で作製したセパレータを用いて作製した電気二重層キャパシタについて、実施例1と同様にして評価を行い、結果を表6に示した。
実施例11〜22で作製したセパレータは、合成短繊維、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維を必須成分として含有する湿式不織布からなり、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度が0〜400mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜2.00mmであり、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が10%以上であるため、電解液の吸液性に優れていた。該セパレータを具備してなる電気二重層キャパシタは、DC抵抗が低く、容量維持率が高く優れていた。
実施例23で作製したセパレータは、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有さないため、繊維間隙がやや広く、吸液性が実施例11〜22より劣っていた。該セパレータを具備してなる電気二重層キャパシタのDC抵抗は、実施例11〜21より劣っており、容量維持率は、実施例11〜22より劣っていた。
実施例24で作製したセパレータは、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が10%未満であるため、繊維間隙が狭く、吸液性が実施例11〜22より劣っていた。該セパレータを具備してなる電気二重層キャパシタのDC抵抗と容量維持率が、実施例11〜22より劣っていた。
実施例11〜16、18〜21で作製したセパレータは、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、1.00〜2.00mmの間における0.05mm毎の繊維長を有する繊維の割合の傾きが−3.0以上−0.5以下であるため、吸液性がより優れていた。
実施例17で作製したセパレータは、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、1.00〜2.00mmの間における0.05mm毎の繊維長を有する繊維の割合の傾きが−3.0よりもマイナス側であるため、繊維間隙がやや狭く、吸液性が実施例11〜16、18〜21より劣っていた。該セパレータを具備してなる電気二重層キャパシタのDC抵抗と容量維持率が、実施例11〜16、18〜21より劣っていた。
実施例22で作製したセパレータは、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、1.00〜2.00mmの間における0.05mm毎の繊維長を有する繊維の割合の傾きが−0.5よりもプラス側であるため、抄紙性は良かったが、吸液性が実施例11〜16、18〜21より劣っていた。該セパレータを具備してなる電気二重層キャパシタのDC抵抗と容量維持率が、実施例11〜16、18〜21より劣っていた。
≪実施例25〜37≫
[叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の物性値]
叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維について
(1)1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合:「1.00mm以上の繊維割合」
(2)繊維長分布ヒストグラムにおける最大頻度ピークの繊維長:「最大頻度ピークの繊維長」
(3)最大頻度ピーク以外のピークの繊維長:「第2ピークの繊維長」
(4)長さ加重平均繊維長:「平均繊維長」
(5)ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した濾水度:「変法濾水度」
を表7に示す。なお、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維C25〜C35は、叩解されていない溶剤紡糸セルロース短繊維(繊度1.7dtex、繊維長6mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて処理して作製した。
スラリー1と同様にして、表8に示したスラリー28〜40を調製した。表8の繊維の記号は、表1及び表7の記号に該当する。実施例25〜37に対応するスラリーを円網抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を110℃にして乾燥させて、実施例25〜37のセパレータを作製した。実施例1と同様の方法で、セパレータの評価を行い、評価の結果を表9に示した。
実施例25〜37で作製したセパレータを用いて、実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを作製し、実施例1と同様の方法で、電気二重層キャパシタの評価を行い、評価の結果を表9に示した。
実施例25〜35で作製したセパレータは、合成短繊維、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維を必須成分として含有する湿式不織布からなり、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度が0〜400mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜2.00mmであり、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が50%以上であるため、抄紙性と電解液の吸液性に優れていた。
実施例36で作製したセパレータは、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有さず、1.00mm超に最大頻度ピークを有するため、抄紙性は良かったが、吸液性が実施例25〜35より劣っていた。該セパレータを具備してなる電気二重層キャパシタのDC抵抗と容量維持率が、実施例25〜35より劣っていた。
実施例37で作製したセパレータは、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が10%未満であるため、繊維間隙が狭く、電解液の吸液性が実施例25〜35より劣っていた。該セパレータを具備してなる電気二重層キャパシタは、DC抵抗と容量維持率が、実施例25〜35より劣っていた。
実施例25〜29、31〜34で作製したセパレータは、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、最大頻度ピーク以外に1.50〜3.50mmの間にピークを有するため、抄紙性に優れていた。該セパレータを具備してなる電気二重層キャパシタは、DC抵抗が低く、容量維持率が高く優れていた。
実施例30で作製したセパレータは、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、最大頻度ピーク以外に存在するピークが1.50mmより短いため、繊維間隙が狭く、吸液性が実施例25〜29、31〜34より劣っていた。該セパレータを具備してなる電気二重層キャパシタのDC抵抗と容量維持率が、実施例25〜29、31〜34より劣っていた。
実施例35で作製したセパレータは、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、最大頻度ピーク以外に存在するピークが3.50mmより長いため、抄紙性は良かったが、吸液性が実施例25〜29、31〜34より劣っていた。該セパレータを具備してなる電気二重層キャパシタのDC抵抗と容量維持率が、実施例25〜29、31〜34より劣っていた。
本発明の活用例としては、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどの電気化学素子用セパレータ、該セパレータを用いてなる電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどの電気化学素子が好適である。

Claims (2)

  1. 合成短繊維、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維を必須成分として含有する湿式不織布からなり、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の下記で定義される変法濾水度が0〜400mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜2.00mmであり、
    変法濾水度が0〜400mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜2.00mmである叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維が下記の第一の繊維長分布又は第二の繊維長分布を有する電気化学素子用セパレータ。
    変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した濾水度。
    第一の繊維長分布:叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が10%以上51%以下であり、1.00〜2.00mmの間における0.05mm毎の繊維長を有する繊維の割合の傾きが−3.0以上−0.5以下である。
    第二の繊維長分布:叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布ヒストグラムにおいて、0.00〜1.00mmの間に最大頻度ピークを有し、1.00mm以上の繊維長を有する繊維の割合が50%以上70%以下であり、最大頻度ピーク以外に1.50〜3.50mmの間にピークを有する。
  2. 請求項1に記載の電気化学素子用セパレータを具備してなる電気化学素子。
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