JP2010238808A - キャパシタ用セパレータ電極一体型素子及びそれを用いてなるキャパシタ - Google Patents

キャパシタ用セパレータ電極一体型素子及びそれを用いてなるキャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】内部抵抗が低く、緻密性に優れたキャパシタ用セパレータ電極一体型素子及び、それを用いてなるキャパシタを提供する。
【解決手段】電極表面にセパレータ層が一体的に接合されてなるキャパシタ用セパレータ電極一体型素子において、セパレータ層の少なくとも一部が解重合処理されてなる微小セルロースにより構成されていることを特徴とするキャパシタ用セパレータ電極一体型素子及びそれを用いてなるキャパシタ。
【選択図】なし

Description

本発明は、キャパシタ用セパレータ電極一体型素子及び、それを用いてなるキャパシタに関する。
近年、キャパシタは高電気容量化が進められており、本来の長所である長寿命であることや急速充放電が可能であることを生かし、2次電池の補助や代替等に用いられるようになってきた。キャパシタを構成する主な部品としては、電極、電解液、セパレータ、集電体等が挙げられる。セパレータに求められる性能としては、電極から脱落した導電性物質がセパレータを通過しない緻密性、電解液親和性、電解質イオンの透過性等が挙げられる。
キャパシタの高電気容量化及び内部抵抗の低減を行うには、セパレータの厚みを薄くすること(薄膜化)が有効な手段の一つとして挙げられる。現行のキャパシタ用セパレータとしては、再生セルロースや溶剤紡糸セルロースを主体とする紙製のセパレータが広く使用されているが(例えば、特許文献1、2参照)、これらのセルロースを主体とするセパレータは、厚みが薄くなると機械的強度が低下し、取り扱い性が著しく損なわれる。また、近年、高電気容量化を目的に、電極に用いられる導電性物質がますます微小化されてきているため、特許文献1及び2に記載されるセルロースセパレータでは、薄膜化した際に緻密性が不十分となり、自己放電率が増加する傾向となるため、ある程度の厚みを有することによって、機械的強度と緻密性を確保しなければならなかった。
これら一般的に使用される紙製のセパレータの代わりに、取り扱い性と緻密性を確保しながらセパレータを薄膜化する手段として、予め電極上にセパレータ層を一体的に接合する手段が挙げられる。セパレータ層が電極表面に一体的に接合されたものとしては、例えば、無機微粒子体とバインダーとを含むセパレータ層を電極表面に一体的に接合したキャパシタ用セパレータ電極一体型素子が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、特許文献3に記載のキャパシタ用電極一体型素子は、メチルセルロース等の水溶性高分子バインダーを用いるため、皮膜を形成しやすく、高内部抵抗となる傾向があった。また、水溶性バインダー配合量が少ない場合にはセパレータ層が脆くなるため、キャパシタ作製工程において、セパレータ層に剥離や亀裂が発生し、緻密性を損なうおそれがあった。
また、ミクロフィブリル化したバクテリアセルロースを電極表面にコーティングし、セパレータ層とするキャパシタ用セパレータ電極一体型素子が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、特許文献4記載のバクテリアセルロースは、微細な繊維状の集合体であることから凝集しやすいものであり、かなり微細化を進行させないと、均一なセパレータ層を得ることは困難であった。よって、採用されるバクテリアセルロースは繊維径が数十nmのオーダーまで微細化されており、これをコーティングしてなるセパレータ層は過剰に高密度な層となり、内部抵抗が高くなる傾向にあった。
特開平11−168033号公報 特開2000−3834号公報 特開2000−277386号公報 特開平11−186102号公報
本発明は、上記実情を鑑みたものであって、内部抵抗が低く、緻密性に優れたキャパシタ用セパレータ電極一体型素子及びそれを用いてなるキャパシタに関するものである。
本発明者は、この課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の材料を含有させることによって、内部抵抗が低く、緻密性に優れるキャパシタ用セパレータ電極一体型素子と、それを用いてなるキャパシタを実現できることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、電極表面にセパレータ層が一体的に接合されてなるキャパシタ用セパレータ電極一体型素子において、セパレータ層の少なくとも一部が解重合処理されてなる微小セルロースにより構成されていることを特徴とするキャパシタ用セパレータ電極一体型素子とそれを用いてなるキャパシタである。
本発明においては、解重合されてなる微小セルロースの平均粒径が0.50μm〜20.00μmであることが好ましい。
本発明においては、セパレータ層の厚みが、2〜30μmであることが好ましい。
本発明においては、セパレータ層を電極表面に一体接合してなるセパレータ電極一体型素子であるため、機械的強度を損なうことなく、セパレータ層を薄膜化することが可能となり、セパレータ層の薄層化は内部抵抗の低減に貢献することができる。
本発明において、セパレータ電極一体型素子に一体的に接合されたセパレータ層は、解重合されてなる微小セルロース(以下、「微小セルロース」と記載する)が水素結合によって強力に自己接着することによって形成されるため、薄膜化しても強固で緻密性に優れたセパレータ層の形成が可能となる。さらに、微小セルロースにより構成されているセパレータ層は電解液親和性に優れることから、セパレータ層の内部抵抗の低減にも貢献することができる。
本発明における微小セルロースは、解重合処理が施されたセルロースを微小化することにより得られる。解重合処理とは、酸加水分解処理、アルカリ酸化分解処理、酵素分解処理、スチームエクスプロージョン分解処理及び水蒸気蒸煮処理のうちから選ばれる少なくとも1つ以上の処理を示す。これらの処理によりセルロースを解重合することで、平均重合度が30〜400の範囲の解重合セルロースが得られる。平均重合度が400より大きいと、微小化しても平均粒径が20.00μm以下にならない場合があり、平均重合度が30より小さいと、微小セルロースの強度が著しく低下することがある。平均重合度は、粘度法や浸透圧法により測定が可能である。解重合させるセルロースとしては、木材繊維や木材パルプ、リンター、リント、麻、柔細胞繊維等の非木材パルプ等が挙げられる。柔細胞繊維とは、植物の茎、葉、根、果実等に存在する柔細胞を主体とした部分をアルカリで処理する等して得られるセルロースを主成分とし、水に不溶な繊維を指す。
微小化は、湿式ボールミル、湿式振動ミル、湿式ペイントシェーカー、ホモミキサー、リファイナー、ビーター、摩砕装置、高圧ホモジナイザー、超音波破砕器等を用いて行う。本発明における微小セルロースは、フィブリルを有さず、粒状、棒状、塊状となるため、分散性に優れた懸濁液(スラリー)とすることができる。
本発明における微小セルロースの平均粒径は、0.50μm〜20.00μmであることが好ましく、0.80μm〜10.00μmであることがより好ましい。微小セルロースの平均粒径が20.00μmより大きい場合、セパレータ層の緻密性が不十分となるおそれがある。一方、微小セルロースの平均粒径が0.50μmより小さいと、セパレータ層が過剰に高密度化し、電解質イオンの透過性が損なわれ、内部抵抗が増加するおそれがある。なお、本発明における微小セルロースの平均粒径は、特記しない限り、市販のレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したときの積算体積50%の粒径を指す。
本発明において、電極表面に一体的に接合させたセパレータ層は、内部抵抗特性及び緻密性を損なわない範囲であれば、微小セルロース以外の微粒子体を含有しても良い。例えば、酸化アルミニウム、ベーマイト、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、ガラス、炭酸カルシウム、酸化ベリリウム、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン等からなる無機微粒子体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン及びポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アセタール樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂等の有機微粒子体が挙げられる。耐熱性が向上する点と電解液親和性に優れる点から、酸化物系もしくは水酸化物系の無機微粒子体が好ましい。但し、微小セルロース以外の微粒子体の平均粒径は、イオン透過性を良好に保つために0.50μm以上であることが好ましく、セパレータ層の緻密性を確保する点から20.00μm以下であることが好ましい。なお、微粒子体の平均粒径は市販のレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したときの積算体積50%の値を指す。
本発明におけるセパレータ層において、微小セルロースの配合量は10質量%以上とすることが好ましい。微小セルロースの配合量が10質量%未満の場合、微小セルロース間の水素結合力が減少するため、セパレータ層の強度が不十分となるおそれがある。
本発明において、セパレータ層を電極表面に一体接合する方法としては、微小セルロース単独、もしくは微小セルロースとその他の微粒子体を混合分散したスラリーを電極の表面に塗工した後、分散媒を蒸発させセパレータ層を形成する方法等が挙げられる。塗工方法としては特に限定されないが、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等を適用することができる。
セパレータ層の厚さは、2〜30μmであることが好ましく、3〜20μmであることがより好ましく、5〜10μmであることがさらに好ましい。多孔質層の厚さが2μm未満であると、セパレータ層の絶縁性が不十分となり、自己放電率が大きくなるおそれがある。一方、30μmを超えると、必要以上に厚くなり、内部抵抗が高くなるおそれがある。
本発明においてセパレータ層は、正極に一体接合されても良く、負極に一体接合されても良く、正極及び負極の両方に一体接合されても良い。
本発明におけるキャパシタとは、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタを意味する。電気二重層キャパシタは、電極と電解液との界面に電気二重層が形成され蓄電される。電極活物質とは、活性炭、カーボンブラック、カーボンエアロゲル、カーボンナノチューブ、非多孔性炭素等の炭素材料が主に用いられる。電解液としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルソルブ、これらの混合溶媒等の非プロトン性有機溶媒にイオン解離性の塩を溶融させたものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
リチウムイオンキャパシタは、負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能な物質であり、正極活物質がリチウムイオン及び/またはアニオンを可逆的に担持可能な物質であり、予め負極及び/または正極にリチウムイオンが担持されてなるキャパシタである。負極活物質としては、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、ポリアセン系有機半導体、チタン酸リチウム等が挙げられる。正極活物質としては、例えばポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン等の導電性高分子、活性炭、ポリアセン系有機半導体等が挙げられる。電解液としては、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒が用いられる。リチウム塩としては、例えばLiClO、LiAsF、LiBF、LiPF、Li(CSO)N等が挙げられる。非プロトン性有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルソルブ、これらの混合溶媒が挙げられる。
レドックスキャパシタは、蓄電と放電の機構が、電極活物質の酸化還元、電極表面でのイオンの吸脱着、電気二重層における充放電のすべて、あるいは一部を利用してなるものである。電極活物質としては、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化コバルト等の金属酸化物、これら金属酸化物の複合物、これら金属酸化物の水和物、これら金属酸化物と炭素材料との複合物、窒化モリブテン、窒化モリブテンと金属酸化物との複合物等が挙げられる。電解液としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルソルブ、これらの混合溶媒等の非プロトン性有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
キャパシタ用電極には導電剤を含むことが好ましい。導電剤としては特に制限されないが、カーボンブラック、ケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製、登録商標)、アセチレンブラック、カーボンウィスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛等の、導電性を有し細孔を有さないものや、二酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム、ニッケル、銀等の粒子及び金属ファイバー等の金属を含有するものが挙げられる。導電剤の配合量は、電極活物質100質量%に対し0.1〜20質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
キャパシタ用電極に用いるバインダーとしては、電極活物質と導電剤を十分に結合する必要があり、また、電解液に対する耐性、耐電圧性、酸化還元反応に対する耐性を有するものから選ばれる。その例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド等の非水溶性樹脂や、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、デンプン及びその誘導体、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリコール等の水溶性樹脂、また、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム等のゴムが挙げられる。バインダーの配合量は、電極活物質100質量%に対して0.05〜25質量%が好ましい。
キャパシタ用電極の厚みは、10〜300μmであることが好ましい。厚みが10μmより小さくなると、キャパシタにおいて十分な電気容量を得ることを困難にするおそれがあり、一方、厚みが300μmを超えると内部抵抗が増加する傾向となる。
キャパシタ用電極の製法としては、一般的に、電極活物質と導電剤とバインダーを乾式混練または湿式混練し、これをプレス成形法や押出し成形法によりシート状もしくは棒状に成形し、打ち抜き、あるいはカッティングして集電体に貼り合わせる製法と、電極活物質と導電剤とバインダーを含む電極スラリーを集電体の表面に塗工、乾燥する製法が知られている。本発明においては、いずれの方法も適用できる。電極スラリーの塗工方法としては特に限定されないが、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等を適用することができる。
上記の集電体の材料は導電性材料を含むものであり、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、白金等が挙げられる。形状としては、板状、繊維状、シート状、フィルム状等が挙げられるが、これらに制限されない。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[微小セルローススラリー1の作製]
100℃に加熱した15質量%の塩酸水溶液で、針葉樹クラフトパルプを30分間加水分解し、平均重合度205の解重合セルロース1を得た。解重合セルロース1を濾過・洗浄した後、純水を加えて固形分10質量%の解重合セルロース分散液を調製した。該解重合セルロース分散液を湿式ペイントシェーカーで180分間微小化し、平均粒径2.00μmの微小セルローススラリー1を得た。湿式ペイントシェーカーによる微小化において、直径2mmのジルコニアビーズを用いた。
[微小セルローススラリー2の作製]
平均重合度205の解重合セルロース1を濾過・洗浄した後、純水を加えて固形分10質量%の解重合セルロース分散液を調製した。該セルロース分散液を湿式ペイントシェーカーで60分間微小化し、平均粒径5.00μmの微小セルローススラリー2を得た。湿式ペイントシェーカーによる微小化において、直径2mmのジルコニアビーズを用いた。
[微小セルローススラリー3の作製]
平均重合度205の解重合セルロース1を濾過・洗浄した後、純水を加えて固形分10質量%の解重合セルロース分散液を調製した。該セルロース分散液を湿式ペイントシェーカーで20分間微小化し、平均粒径10.00μmの微小セルローススラリー3を得た。湿式ペイントシェーカーによる微小化において、直径2mmのジルコニアビーズを用いた。
[微小セルローススラリー4の作製]
平均重合度205の解重合セルロース1を濾過・洗浄した後、純水を加えて固形分10質量%の解重合セルロース分散液を調製した。該セルロース分散液を湿式ペイントシェーカーで10分間微小化し、平均粒径20.00μmの微小セルローススラリー4を得た。湿式ペイントシェーカーによる微小化において、直径2mmのジルコニアビーズを用いた。
[微小セルローススラリー5の作製]
85℃に加熱した65質量%の硫酸水溶液で、針葉樹クラフトパルプを30分間加水分解し、平均重合度32の解重合セルロース2を得た。解重合セルロース2を濾過・洗浄した後、純水を加えて固形分1質量%の解重合セルロース分散液を調製した。該解重合セルロース分散液を高圧ホモジナイザーにて50MPaの圧力で10回微小化し、平均粒径0.50μmの微小セルローススラリー5を得た。
[微小セルローススラリー6の作製]
平均重合度32の解重合セルロース2を濾過・洗浄した後、純水を加えて固形分1質量%の解重合セルロース分散液を調製した。該解重合セルロース分散液を高圧ホモジナイザーにて50MPaの圧力で15回微小化し、平均粒径0.47μmの微小セルローススラリー4を得た。
[微小セルローススラリー7の作製]
130℃に加熱した1.5%の塩酸水溶液で針葉樹クラフトパルプを60分間加水分解し、平均重合度440の解重合セルロース3を得た。解重合セルロース3を濾過・洗浄した後、純水を加えて固形分10質量%の解重合セルロース分散液を調製した。該解重合セルロース分散液を湿式ペイントシェーカーにて60分間微小化し、平均粒径21.00μmの微小セルローススラリー7を得た。湿式ペイントシェーカーによる微小化において、直径2mmのジルコニアビーズを用いた。
微小セルロースの平均粒径を表1に示した。
Figure 2010238808
[無機微粒子体スラリーの作製]
酸化ケイ素粉末に純水を加え固形分10質量%とし、湿式ペイントシェーカーにて分散処理し、平均粒径0.50μmの酸化ケイ素スラリーを作製した。湿式ペイントシェーカーによる微小化において、直径2mmのジルコニアビーズを用いた。以下、これを無機微粒子体スラリーと表記する。
[バクテリアセルローススラリーの作製]
D−グルコース0.5質量%、マンニトール0.5質量%、酵母エキス0.5質量%、硫酸マグネシウム七水和物0.1質量%の組成の培地を120℃で20分間蒸気殺菌した。これにアセトバクター・アセチ・サブスピシース・キシリナム(Acetobacter aceti subsp. Xylinum)IFO13693を10質量%加え、30℃で7日間静置培養することにより、ゲル状のバクテリアセルロースを得た。得られたバクテリアセルロースに純水を加えて固形分濃度0.2質量%のバクテリアセルロース分散液を調製した。該バクテリアセルロース分散液を高圧ホモジナイザーにて50MPaの圧力で20回処理した後に脱水して、固形分濃度4質量%に調製した。以下、これをバクテリアセルローススラリーと表記する。なお、透過型電子顕微鏡でバクテリアセルロースの数平均繊維径を測定した結果、その値は0.05μmであった。
<電気二重層キャパシタ>
[電気二重層キャパシタ用電極の作製]
50℃に調製した1−メチル−2−ピロリドンに、ポリフッ化ビニリデンを撹拌しながら溶解し、固形分10質量%のポリフッ化ビニリデン溶液を調製した。次いで、フェノール樹脂を出発原料とする平均粒径5.00μm、比表面積2500m/gの粉末状活性炭80質量部と、平均粒径0.20μmのアセチレンブラック10質量部と、前記ポリフッ化ビニリデン溶液100質量部と、1−メチル−2−ピロリドン300質量部を混合撹拌機にて十分撹拌して電極スラリーを得た。塩酸により表面をエッチング処理した厚み30μmのアルミニウム箔集電体に、アプリケータを用いて上記の電極スラリーを塗布・乾燥した後に、ロールプレス装置を用いてプレス処理を行い、厚み150μmの電気二重層キャパシタ電極を得た。
(実施例1)
[セパレータ電極一体型素子の作製]
電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー1を塗布・乾燥し、厚み10μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。
[電気二重層キャパシタの作製]
得られたセパレータ電極一体型素子を負極側、電気二重層キャパシタ用電極を正極として、それぞれをセパレータ層が電極間に介するように巻回した。これをアルミニウム製収納袋に収納し、200℃で10時間真空加熱を行った。このアルミニウム製収納袋内に電解液を注入し、注入口を密栓して、電気二重層キャパシタを作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C(CH)NBFを溶解させたものを用いた。
(実施例2)
電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー2を塗布・乾燥し、厚み15μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側とし、実施例1と同様の方法で、電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例3)
電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー3を塗布・乾燥し、厚み20μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側とし、実施例1と同様の方法で、電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例4)
[セパレータ電極一体型素子の作製]
電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー4を塗布・乾燥し、厚み30μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。
[電気二重層キャパシタの作製]
得られたセパレータ電極一体型素子を正極側、電気二重層キャパシタ用電極を負極として、それぞれをセパレータ層が電極間に介するように巻回した。これをアルミニウム製収納袋に収納し、200℃で10時間真空加熱を行った。このアルミニウム製収納袋内に電解液を注入し、注入口を密栓して、電気二重層キャパシタを作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C(CH)NBFを溶解させたものを用いた。
(実施例5)
固形分質量比1:1となるように、微小セルローススラリー1と無機微粒子体スラリーを混合した混合スラリーを、電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて塗布・乾燥し、厚み10μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。セパレータ電極一体型素子を正極側とし、実施例4と同様の方法で、電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例6)
固形分質量比1:9となるように、微小セルローススラリー4と無機微粒子体スラリーを混合した混合スラリーを、電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて塗布・乾燥し、厚み3μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側とし、実施例1と同様の方法で、電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例7)
電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー5を塗布・乾燥し、厚み2μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側とし、実施例1と同様の方法で、電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例8)
電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー5を塗布・乾燥し、厚み1μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側とし、実施例1と同様の方法で、電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例9)
電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー2を塗布・乾燥し、厚み33μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を正極側とし、実施例4と同様の方法で、電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例10)
電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー6を塗布・乾燥し、厚み2μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側とし、実施例1と同様の方法で、電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例11)
電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー7を塗布・乾燥し、厚み30μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を正極側とし、実施例4と同様の方法で、電気二重層キャパシタを作製した。
(比較例1)
無機微粒子体スラリーに、固形分10質量%メチルセルロース水溶液を添加し、無機微粒子体とメチルセルロースの固形分質量比を1:1とした、固形分10質量%混合スラリーを作製した。該混合スラリーを電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて塗布・乾燥し、厚み5μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を正極側とし、実施例4と同様の方法で、電気二重層キャパシタを作製した。
(比較例2)
無機微粒子体スラリーに、固形分10質量%メチルセルロース水溶液を添加し、無機微粒子体とメチルセルロースの固形分質量比を9:1とした、固形分10質量%混合スラリーを作製した。該混合スラリーを電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて塗布・乾燥し、厚み25μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側とし、実施例1と同様の方法で、電気二重層キャパシタを作製した。
(比較例3)
電気二重層キャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにてバクテリアセルローススラリーを塗布・乾燥し、厚み2μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側とし、実施例1と同様の方法で、電気二重層キャパシタを作製した。
(比較例4)
[セルロース製セパレータ1の作製]
繊度1.7dtex、繊維長5mmの溶剤紡糸セルロース(レンチング社製、商品名:テンセル)を固形分10質量%になるよう純水に分散させ、ダブルディスクリファイナーにて叩解処理して、カナディアンスタンダードフリーネス0mlのフィブリル化セルロース繊維を得た。このフィブリル化セルロース繊維を固形分0.1質量%になるよう純水に分散させ、長網抄紙機を用いて湿式抄紙して、坪量10g/m、厚み25μmのセルロース製セパレータ1を作製した。
[電気二重層キャパシタの作製]
電気二重層キャパシタ用電極2枚とセルロース製セパレータ1を用い、セルロース製セパレータ1が電極間に介するように巻回した。これをアルミニウム製収納袋に収納し、200℃で10時間真空加熱を行った。このアルミニウム製収納袋内に電解液を注入し、注入口を密栓して、電気二重層キャパシタを作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C(CH)NBFを溶解させたものを用いた。
(比較例5)
[微小セルロース製セパレータ1の作製]
微小セルローススラリー2、比較例4に記載の方法で得たフィブリル化セルロース繊維、繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維を、固形分質量比4:3:3の割合で混合し、純水を添加して固形分0.1質量%の抄紙スラリーを作製した。この抄紙スラリーを、長網抄紙機を用いて湿式抄紙して、坪量15g/m、厚み30μmの微小セルロース製セパレータ1を作製した。この微小セルロース製セパレータ1を用いて、比較例4と同様の方法で、電気二重層キャパシタを作製した。
実施例及び比較例で得られた電気二重層キャパシタを用い、下記評価を行った。
[不良率測定]
電気二重層キャパシタを100個作製し、巻回工程におけるセパレータ層の破損や、セパレータの破断によって内部ショートし、動作不良となった電気二重層キャパシタの割合を算出して、不良率測定として表2に示した。
[DC抵抗評価]
電気二重層キャパシタに対して、充放電範囲0〜2.7V、充放電電流100mAで、定電流充放電を500サイクル繰り返し、500サイクル目の放電開始直後の電圧降下より内部抵抗を算出し、100個の平均値をDC抵抗評価として表2に示した。
[自己放電率測定]
電気二重層キャパシタに対して、100mAの電流にて2.7Vまで定電流充電を行い、2.7V到達後、定電圧充電に切り替えて、24時間定電圧充電を継続した。充電終了後、放電せずに24時間放置し、24時間後の電圧減衰率を自己放電率測定(%)とし、100個の平均値を表2に示した。
Figure 2010238808
実施例1〜11で作製した電気二重層キャパシタは、解重合処理されてなる微小セルロースにより少なくとも一部が構成されたセパレータ層が電極表面に一体的に接合されてなるキャパシタ用セパレータ電極一体型素子を用いてなるため、不良率測定において低い値を示した。
実施例1〜7の電気二重層キャパシタは、平均粒径が0.50μm〜20.00μmの微小セルロースで構成され、厚みが2〜30μmのセパレータ層を有するセパレータ電極一体型素子を具備したキャパシタであるため、DC抵抗評価において低い値を示し、自己放電率測定においても低い値を示した。
実施例8の電気二重層キャパシタは、セパレータ層の厚みが2μmより小さいため、DC抵抗評価では小さい値を示すが、自己放電率測定ではやや高い値を示した。一方、実施例9の電気二重層キャパシタは、セパレータ層の厚みが30μmを超えるため、自己放電率測定では小さい値を示すが、DC抵抗評価ではやや高い値を示した。
実施例10の電気二重層キャパシタは、セパレータ層が平均粒径0.50μm未満の微小セルロースで構成されているため、自己放電率測定では小さい値を示すものの、DC抵抗評価においてやや高い値を示した。一方、実施例11の電気二重層キャパシタは、セパレータ層が平均粒径20.00μmを超える微小セルロースで構成されるため、DC抵抗評価では小さい値を示すが、自己放電率測定ではやや高い値を示した。
比較例1の電気二重層キャパシタは、セパレータ層が多量の水溶性高分子バインダーを含む構成であるため、電解液親和性が低く、イオン透過性が不良であるため、DC抵抗評価において高い値を示した。一方、比較例2の電気二重層キャパシタは、水溶性バインダー配合量の少ない脆いセパレータ層であったため、巻回工程にて発生したセパレータ層の亀裂により自己放電率が増大する結果となり、また、セパレータ層が剥離してしまうものが多く、高い不良率を示す結果となった。
比較例3の電気二重層キャパシタとは、バクテリアセルロースからなるセパレータ層が過剰に緻密であるため、DC抵抗評価において非常に高い値を示した。
比較例4の電気二重層キャパシタは、セルロース製セパレータ1の機械的強度が不十分であったため、巻回工程においてセパレータの破断が発生し、高い不良率を示した。また、薄膜化したセルロース製セパレータ1は緻密性が不十分であったため、自己放電率測定において高い値を示した。
比較例5の電気二重層キャパシタは、微小セルロース製セパレータ1の機械的強度が不十分であったため、巻回工程においてセパレータの破断が発生し、高い不良率を示した。また、微小セルロース製セパレータ1は緻密性が不十分であったため、自己放電率測定において高い値を示した。
<レドックスキャパシタ>
[レドックスキャパシタ用電極の作製]
50℃に調製したN−メチル−2−ピロリドンに、ポリフッ化ビニリデンを撹拌しながら溶解し、固形分10質量%のポリフッ化ビニリデン溶液を調製した。次いで、平均粒径0.50μmの酸化ルテニウム粉末30質量部と、フェノール樹脂を出発原料とする平均粒径5.00μm、比表面積2500m/gの粉末状活性炭60質量部と、平均粒径0.20μmのアセチレンブラック10質量部と、前記ポリフッ化ビニリデン溶液100質量部と、N−メチル−2−ピロリドン300質量部を混合撹拌機にて十分混合して電極スラリーを得た。塩酸により表面をエッチング処理した厚み30μmのアルミニウム箔集電体に、アプリケータを用いて上記の電極スラリーを塗布・乾燥した後に、ロールプレス装置を用いてプレス処理を行い、厚み100μmのレドックスキャパシタ用電極を得た。
(実施例12)
[セパレータ電極一体型素子の作製]
レドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー1を塗布・乾燥し、厚み10μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。
[レドックスキャパシタの作製]
セパレータ電極一体型素子を負極側、レドックスキャパシタ用電極を正極として、それぞれをセパレータ層が電極間に介するように巻回した。これをアルミニウム製収納袋に収納し、200℃で10時間真空加熱を行った。このアルミニウム製収納袋内に電解液を注入し、注入口を密栓して、レドックスキャパシタを作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C(CH)NBFを溶解させたものを用いた。
(実施例13)
レドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー2を塗布・乾燥し、厚み15μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側とし、実施例12と同様の方法で、レドックスキャパシタを作製した。
(実施例14)
レドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー3を塗布・乾燥し、厚み20μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側とし、実施例12と同様の方法で、レドックスキャパシタを作製した。
(実施例15)
[セパレータ電極一体型素子の作製]
レドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー4を塗布・乾燥し、厚み30μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。
[レドックスキャパシタの作製]
セパレータ電極一体型素子を正極側、レドックスキャパシタ用電極を負極として、それぞれをセパレータ層が電極間に介するように巻回した。これをアルミニウム製収納袋に収納し、200℃で10時間真空加熱を行った。このアルミニウム製収納袋内に電解液を注入し、注入口を密栓して、レドックスキャパシタを作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C(CH)NBFを溶解させたものを用いた。
(実施例16)
固形分質量比1:1となるように、微小セルローススラリー1と無機微粒子体スラリーを混合した混合スラリーを、レドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて塗布・乾燥し、厚み10μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を正極側とし、実施例15と同様の方法で、レドックスキャパシタを作製した。
(実施例17)
固形分質量比1:9となるように、微小セルローススラリー4と無機微粒子体スラリーを混合した混合スラリーを、レドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて塗布・乾燥し、厚み3μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側とし、実施例12と同様の方法で、レドックスキャパシタを作製した。
(実施例18)
レドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー5を塗布・乾燥し、厚み2μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側として、実施例12と同様の方法で、レドックスキャパシタを作製した。
(実施例19)
レドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー5を塗布・乾燥し、厚み1μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側として、実施例12と同様の方法で、レドックスキャパシタを作製した。
(実施例20)
レドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー2を塗布・乾燥し、厚み33μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を正極側として、実施例15と同様の方法で、レドックスキャパシタを作製した。
(実施例21)
レドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー6を塗布・乾燥し、厚み2μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側として、実施例12と同様の方法で、レドックスキャパシタを作製した。
(実施例22)
レドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー7を塗布・乾燥し、厚み30μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を正極側として、実施例15と同様の方法で、レドックスキャパシタを作製した。
(比較例6)
無機微粒子体スラリーに、固形分10質量%メチルセルロース水溶液を添加し、無機微粒子体とメチルセルロースの固形分質量比を1:1とした、固形分10質量%混合スラリーを作製した。該混合スラリーをレドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて塗布・乾燥し、厚み5μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を正極側として、実施例15と同様の方法で、レドックスキャパシタを作製した。
(比較例7)
無機微粒子体スラリーに、固形分10質量%メチルセルロース水溶液を添加し、無機微粒子体とメチルセルロースの固形分質量比を9:1とした、固形分10質量%混合スラリーを作製した。該混合スラリーをレドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにて塗布・乾燥し、厚み25μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側として、実施例12と同様の方法で、レドックスキャパシタを作製した。
(比較例8)
レドックスキャパシタ用電極の電極表面に、ワイヤーバーにてバクテリアセルローススラリーを塗布・乾燥し、厚み2μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を負極側とし、実施例12と同様の方法で、レドックスキャパシタを作製した。
(比較例9)
レドックスキャパシタ用電極2枚と、比較例4で作製したセルロース製セパレータ1を用い、セルロース製セパレータ1が電極間に介するように巻回した。これをアルミニウム製収納袋に収納し、200℃で10時間真空加熱を行った。このアルミニウム製収納袋内に電解液を注入し、注入口を密栓して、レドックスキャパシタを作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C(CH)NBFを溶解させたものを用いた。
(比較例10)
レドックスキャパシタ用電極2枚と、比較例5で作製した微小セルロース製セパレータ1を用い、比較例9と同様の方法で、レドックスキャパシタを作製した。
実施例及び比較例で得られたレドックスキャパシタを用い、下記評価を行った。
[不良率測定]
レドックスキャパシタを100個作製し、巻回工程におけるセパレータ層の破損や、セパレータの破断によって内部ショートし、動作不良となったレドックスキャパシタの割合を算出して、不良率測定として表3に示した。
[DC抵抗評価]
レドックスキャパシタに対して、充放電範囲0〜2.7V、充放電電流100mAで、定電流充放電を500サイクル繰り返し、500サイクル目の放電開始直後の電圧降下より内部抵抗を算出し、100個の平均値をDC抵抗評価として表3に示した。
[自己放電率測定]
レドックスキャパシタに対して、100mAの電流にて2.7Vまで定電流充電を行い、2.7V到達後、定電圧充電に切り替えて、24時間定電圧充電を継続した。充電終了後、放電せずに24時間放置し、24時間後の電圧減衰率を自己放電率(%)とし、100個の平均値を表3に示した。
Figure 2010238808
実施例12〜22で作製したレドックスキャパシタは、解重合処理されてなる微小セルロースにより少なくとも一部が構成されたセパレータ層が電極表面に一体的に接合されてなるキャパシタ用セパレータ電極一体型素子を用いてなるため、巻回不良率測定において低い値を示した。
実施例12〜18のレドックスキャパシタは、平均粒径が0.50μm〜20.00μmの微小セルロースで構成され、厚みが2〜30μmのセパレータ層を有するセパレータ電極一体型素子を具備したキャパシタであるため、DC抵抗評価において低い値を示し、自己放電率測定においても低い値を示した。
実施例19のレドックスキャパシタは、セパレータ層の厚みが2μmより小さいため、DC抵抗評価では小さい値を示すが、自己放電率測定ではやや高い値を示した。一方、実施例20のレドックスキャパシタは、セパレータ層の厚みが30μmを超えるため、自己放電率測定では小さい値を示すが、DC抵抗評価ではやや高い値を示した。
実施例21のレドックスキャパシタは、セパレータ層が平均粒径0.50μm未満の微小セルロースで構成されるため、自己放電率測定では小さい値を示すが、DC抵抗評価ではやや高い値を示した。一方、実施例22のレドックスキャパシタは、セパレータ層が平均粒径20.00μmを超える微小セルロースで構成されるため、DC抵抗評価では小さい値を示すが、自己放電率測定ではやや高い値を示した。
比較例6のレドックスキャパシタは、セパレータ層が多量の水溶性高分子バインダーを含む構成であるため、電解液親和性が低く、イオン透過性が不良であるため、DC抵抗評価において高い値を示した。一方、比較例7のレドックスキャパシタは、水溶性バインダー配合量の少ない脆いセパレータ層であったため、巻回工程にて発生したセパレータ層の亀裂により自己放電率が増大する結果となり、また、セパレータ層が剥離してしまうものが多く、高い不良率を示す結果となった。
比較例8のレドックスキャパシタとは、バクテリアセルロースからなるセパレータ層が過剰に緻密であるため、DC抵抗評価において非常に高い値を示した。
比較例9のレドックスキャパシタは、セルロース製セパレータ1の機械的強度が不十分であったため、巻回工程においてセパレータの破断が発生し、高い不良率を示した。また、セルロース製セパレータ1は緻密性が不十分であったため、自己放電率測定において高い値を示した。
比較例10のレドックスキャパシタは、微小セルロース製セパレータ1の機械的強度が不十分であったため、巻回工程においてセパレータの破断が発生し、高い不良率を示した。また、微小セルロース製セパレータ1は緻密性が不十分であったため、自己放電率測定において高い値を示した。
<リチウムイオンキャパシタ>
[リチウムイオンキャパシタ用負極の作製]
ポリフッ化ビニリデン10質量部をN−メチル−2−ピロリドン80質量部に溶解し、これに難黒鉛化炭素粉末(クレハ製、商品名:カーボトロンP)100質量部を添加し、混合撹拌機にて十分混合して負極用スラリーを得た。厚さ30μm(気孔率57%)の銅製エキスパンドメタルからなる負極集電体に、アプリケータを用いて上記の負極用スラリーを塗布・乾燥した後に、ロールプレス装置を用いてプレス処理を行い、厚み80μmのリチウムイオンキャパシタ用負極を得た。
[リチウムイオンキャパシタ用正極の作製]
50℃に調製した1−メチル−2−ピロリドンに、ポリフッ化ビニリデンを撹拌しながら溶解し、固形分10質量%のポリフッ化ビニリデン溶液を調製した。次いで、フェノール樹脂を出発原料とする平均粒径5.00μm、比表面積2500m/gの粉末状活性炭80質量部と、平均粒径0.20μmのアセチレンブラック10質量部と、前記ポリフッ化ビニリデン溶液100質量部と、1−メチル−2−ピロリドン300質量部を混合撹拌機にて十分撹拌して電極スラリーを得た。塩酸により表面をエッチング処理した厚み30μmのアルミニウム箔集電体に、アプリケータを用いて上記の電極スラリーを塗布・乾燥した後に、ロールプレス装置を用いてプレス処理を行い、厚み90μmのリチウムイオンキャパシタ用正極を得た。
(実施例23)
[セパレータ電極一体型素子の作製]
リチウムイオンキャパシタ用電極の負極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー1を塗布・乾燥し、厚み10μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。
[リチウムイオンキャパシタの作製]
得られたセパレータ電極一体型素子とリチウムイオンキャパシタ用正極とを、セパレータ層が電極間に介するように巻回した。これをアルミニウム製収納袋に収納し、200℃で10時間真空加熱を行った。このアルミニウム製収納袋内にリチウム金属を収納し、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるようにLiPFを溶解した電解液を注入後、注入口を密栓した。その後、リチウム金属と負極の間で1mAの定電流充電を16時間行うことにより、負極へのリチウムイオンの吸蔵を行い、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(実施例24)
リチウムイオンキャパシタ用電極の負極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー2を塗布・乾燥し、厚み15μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を用いて、実施例23と同様の方法で、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(実施例25)
リチウムイオンキャパシタ用電極の負極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー3を塗布・乾燥し、厚み20μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を用いて、実施例23と同様の方法で、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(実施例26)
[セパレータ電極一体型素子の作製]
リチウムイオンキャパシタ用電極の正極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー4を塗布・乾燥し、厚み30μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。
[リチウムイオンキャパシタの作製]
得られたセパレータ電極一体型素子とリチウムイオンキャパシタ用負極とを、セパレータ層が電極間に介するように巻回した。これをアルミニウム製収納袋に収納し、200℃で10時間真空加熱を行った。このアルミニウム製収納袋内にリチウム金属を収納し、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるようにLiPFを溶解した電解液を注入後、注入口を密栓した。その後、リチウム金属と負極の間で1mAの定電流充電を16時間行うことにより、負極へのリチウムイオンの吸蔵を行い、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(実施例27)
固形分質量比1:1となるように、微小セルローススラリー1と無機微粒子体スラリーを混合した混合スラリーを、リチウムイオンキャパシタ用電極の正極表面に、ワイヤーバーにて塗布・乾燥し、厚み10μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を用いて、実施例26と同様の方法で、リチウムキャパシタを作製した。
(実施例28)
固形分質量比1:9となるように、微小セルローススラリー1と無機微粒子体スラリーを混合した混合スラリーを、リチウムイオンキャパシタ用電極の正極表面に、ワイヤーバーにて塗布・乾燥し、厚み3μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を用いて、実施例26と同様の方法で、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(実施例29)
リチウムイオンキャパシタ用電極の正極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー5を塗布・乾燥し、厚み2μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を用いて、実施例26と同様の方法で、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(実施例30)
リチウムイオンキャパシタ用電極の正極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー5を塗布・乾燥し、厚み1μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を用いて、実施例26と同様の方法で、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(実施例31)
リチウムイオンキャパシタ用電極の正極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー2を塗布・乾燥し、厚み33μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を用いて、実施例26と同様の方法で、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(実施例32)
リチウムイオンキャパシタ用電極の正極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー6を塗布・乾燥し、厚み2μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を用いて、実施例26と同様の方法で、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(実施例33)
リチウムイオンキャパシタ用電極の正極表面に、ワイヤーバーにて微小セルローススラリー7を塗布・乾燥し、厚み30μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を用いて、実施例26と同様の方法で、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(比較例11)
無機微粒子体スラリーに、固形分10質量%メチルセルロース水溶液を添加し、無機微粒子体とメチルセルロースの固形分質量比を1:1とした、固形分10質量%混合スラリーを作製した。該混合スラリーをリチウムイオンキャパシタ用電極の正極表面に、ワイヤーバーにて塗布・乾燥し、厚み5μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を用いて、実施例26と同様の方法で、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(比較例12)
無機微粒子体スラリーに、固形分10質量%メチルセルロース水溶液を添加し、無機微粒子体とメチルセルロースの固形分質量比を9:1とした、固形分10質量%混合スラリーを作製した。該混合スラリーをリチウムイオンキャパシタ用電極の正極表面に、ワイヤーバーにて塗布・乾燥し、厚み25μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を用いて、実施例26と同様の方法で、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(比較例13)
リチウムイオンキャパシタ用電極の正極表面に、ワイヤーバーにてバクテリアセルローススラリーを塗布・乾燥し、厚み2μmのセパレータ層を形成させ、セパレータ電極一体型素子を得た。このセパレータ電極一体型素子を用いて、実施例26と同様の方法で、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(比較例14)
[リチウムイオンキャパシタの作製]
リチウムイオンキャパシタ用正極及び負極と、比較例4で作製したセルロース製セパレータ1を用い、セルロース製セパレータ1が電極間に介するように巻回した。これをアルミニウム製収納袋に収納し、200℃で10時間真空加熱を行った。このアルミニウム製収納袋内にリチウム金属を収納し、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるようにLiPFを溶解した電解液を注入後、注入口を密栓した。その後、リチウム金属と負極の間で1mAの定電流充電を16時間行うことにより、負極へのリチウムイオンの吸蔵を行い、リチウムイオンキャパシタを作製した。
(比較例15)
[リチウムイオンキャパシタの作製]
リチウムイオンキャパシタ用正極及び負極と、比較例5で作製した微小セルロース製セパレータ1を用い、比較例14と同様の方法で、リチウムイオンキャパシタを作製した。
実施例及び比較例で得られたリチウムイオンキャパシタを用い、下記評価を行った。
[不良率測定]
リチウムイオンキャパシタを100個作製し、巻回工程におけるセパレータ層の破損や、セパレータの破断によって内部ショートし、動作不良となったリチウムイオンキャパシタの割合を算出して、不良率測定として表4に示した。
[DC抵抗評価]
リチウムイオンキャパシタに対して、充放電範囲0〜2.7V、充放電電流100mAで、定電流充放電を500サイクル繰り返し、500サイクル目の放電開始直後の電圧降下より内部抵抗を算出し、100個の平均値をDC抵抗評価として表4に示した。
[自己放電率測定]
リチウムイオンキャパシタに対して、100mAの電流にて2.7Vまで定電流充電を行い、2.7V到達後、定電圧充電に切り替えて、24時間定電圧充電を継続した。充電終了後、放電せずに24時間放置し、24時間後の電圧減衰率を自己放電率(%)とし、100個の平均値を表4に示した。
Figure 2010238808
実施例23〜33で作製したリチウムイオンキャパシタは、解重合処理されてなる微小セルロースにより少なくとも一部が構成されたセパレータ層が電極表面に一体的に接合されてなるキャパシタ用セパレータ電極一体型素子を用いてなるため、巻回不良率測定において低い値を示した。
実施例23〜29のリチウムイオンキャパシタは、平均粒径が0.50μm〜20.00μmの微小セルロースで構成され、厚みが2〜30μmのセパレータ層を有するセパレータ電極一体型素子を具備したキャパシタであるため、DC抵抗評価において低い値を示し、自己放電率測定においても低い値を示した。
実施例30のリチウムイオンキャパシタは、セパレータ層の厚みが2μmより小さいため、DC抵抗評価では小さい値を示すが、自己放電率測定ではやや高い値を示した。一方、実施例31のリチウムイオンキャパシタは、セパレータ層の厚みが30μmを超えるため、自己放電率測定では小さい値を示すが、DC抵抗評価ではやや高い値を示した。
実施例32のリチウムイオンキャパシタは、セパレータ層が平均粒径0.50μmを未満の微小セルロースで構成されるため、DC抵抗評価では小さい値を示すが、自己放電率測定ではやや高い値を示した。一方、実施例33のリチウムイオンキャパシタは、セパレータ層が平均粒径20.00μmを超える微小セルロースで構成されるため、DC抵抗評価では小さい値を示すが、自己放電率測定ではやや高い値を示した。
比較例11のリチウムイオンキャパシタは、セパレータ層が多量の水溶性高分子バインダーを含む構成であるため、電解液親和性が低く、イオン透過性が不良であるため、DC抵抗評価において高い値を示した。一方、比較例12のリチウムイオンキャパシタは、水溶性バインダー配合量の少ない脆いセパレータ層であったため、巻回工程にて発生したセパレータ層の亀裂により自己放電率が増大する結果となり、また、セパレータ層が剥離してしまうものが多く、高い不良率を示す結果となった。
比較例13のリチウムイオンキャパシタとは、バクテリアセルロースからなるセパレータ層が過剰に緻密であるため、DC抵抗評価において非常に高い値を示した。
比較例14のリチウムイオンキャパシタは、セルロース製セパレータ1の機械的強度が不十分であったため、巻回工程においてセパレータの破断が発生し、高い不良率を示した。また、セルロース製セパレータ1は緻密性が不十分であったため、自己放電率測定において高い値を示した。
比較例15のリチウムイオンキャパシタは、微小セルロース製セパレータ1の機械的強度が不十分であったため、巻回工程においてセパレータの破断が発生し、高い不良率を示した。また、微小セルロース製セパレータ1は緻密性が不十分であったため、自己放電率測定において高い値を示した。

Claims (4)

  1. 電極表面にセパレータ層が一体的に接合されてなるキャパシタ用セパレータ電極一体型素子において、セパレータ層の少なくとも一部が解重合処理されてなる微小セルロースにより構成されていることを特徴とするキャパシタ用セパレータ電極一体型素子。
  2. 解重合されてなる微小セルロースの平均粒径が0.50μm〜20.00μmである請求項1記載のキャパシタ用セパレータ電極一体型素子。
  3. セパレータ層の厚みが、2〜30μmである請求項1記載のキャパシタ用セパレータ電極一体型素子。
  4. 請求項1〜3に記載のセパレータ電極一体型素子を用いてなることを特徴とするキャパシタ。
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