JP5694994B2 - 流体ハンドリング構造、液浸リソグラフィ装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents

流体ハンドリング構造、液浸リソグラフィ装置、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Description

[0001] 本発明は、流体ハンドリング構造、リソグラフィ装置、リソグラフィ装置を使用したデバイス製造方法、及びリソグラフィ装置の動作方法に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。既知のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0003] 投影システムの最終要素と基板の間の空間を充填するように、リソグラフィ投影装置内の基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に液浸することが提案されている。ある実施形態では、液体は蒸留水であるが、別の液体を使用することもできる。本発明の実施形態は、液体について説明されている。しかし別の流体、特にウェッティング流体、非圧縮性流体及び/又は屈折率が空気より高い、望ましくは屈折率が水より高い流体が適切なこともある。気体を除く流体が特に望ましい。そのポイントは、露光放射は液体中の方が波長が短いので、結像するフィーチャの小型化を可能にすることである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を大きくでき、焦点深さも大きくすることと見なすこともできる。)固体粒子(例えば石英)が懸濁している水、又はナノ粒子の懸濁(例えば最大10nmの最大寸法の粒子)がある液体などの他の液浸液も提案されている。懸濁粒子は、これが懸濁している液体と同様の屈折率又は同じ屈折率を有しても、有していなくてもよい。適切になり得る他の液体は、芳香族などの炭化水素、フルオロハイドロカーボン、及び/又は水溶液である。
[0004] 基板又は基板及び基板テーブルを液体の浴槽に浸すこと(例えば米国特許US4,509,852号参照)は、スキャン露光中に加速すべき大きい塊の液体があることでもある。これには、追加のモータ又はさらに強力なモータが必要であり、液体中の乱流が望ましくない予測不能な効果を引き起こすことがある。
[0005] 液浸装置では、液浸流体は、流体ハンドリングシステム、デバイス構造又は装置によってハンドリングされる。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、液浸流体を供給することができ、それ故、流体供給システムである。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、少なくとも部分的に液浸流体を閉じ込めることができ、それにより、流体閉じ込めシステムである。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、流体へのバリアを提供することができ、それにより、流体閉じ込め構造などのバリア部材である。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、ガスのフローを生成又は使用して、例えば、液浸流体のフロー及び/又は位置を制御するのを助けることができる。ガスのフローは、液浸流体を閉じ込める封止を形成することができ、したがって、流体ハンドリング構造を封止部材と呼ぶこともできる。このような封止部材は、流体閉じ込め構造であってもよい。ある実施形態では、液浸液は、液浸流体として使用される。この場合、流体ハンドリングシステムは、液体ハンドリングシステムであってもよい。上記説明に関して、本節で流体に関して定義されたフィーチャへの言及は、液体に関して定義されたフィーチャを含むと考えてもよい。
[0006] 液浸液が流体ハンドリングシステムによって投影システムの下にある表面の局所区域に閉じ込められると、流体ハンドリングシステムと表面との間にメニスカスが延在する。メニスカスが不安定であると、液浸液中に泡が生じることがあり、それが基板の結像中に例えば投影ビームとの干渉によって結像誤差を引き起こすことがある。
[0007] 例えば、泡混入の可能性が少なくとも低減されるリソグラフィ装置を提供することが望まれる。
[0008] 一態様によれば、リソグラフィ装置用の流体ハンドリング構造であって、該流体ハンドリング構造の外側の領域に液浸流体を封じ込めるように構成された空間の境界部に、該空間から半径方向外側方向への液浸流体の通過に抵抗するメニスカスピニングフィーチャと、メニスカスピニングフィーチャを少なくとも部分的に囲み、メニスカスピニングフィーチャの半径方向外側にある少なくとも1つのガス供給口と、任意選択としてガス供給口の半径方向外側の少なくとも1つのガス回収口と、を有し、1つ又は複数のガス供給口、1つ又は複数のガス回収口、又は1つ又は複数のガス供給口と1つ又は複数のガス回収口の両方が、前記空間の周囲で変動するメートル長さ当たりの開口面積を有する、流体ハンドリング構造が提供される。
[0009] 一態様によれば、リソグラフィ装置用の流体ハンドリング構造であって、該流体ハンドリング構造の外側の領域に液浸流体を封じ込めるように構成された空間の境界部に、該空間から半径方向外側方向への液浸流体の通過に抵抗するメニスカスピニングフィーチャと、メニスカスピニングフィーチャを少なくとも部分的に囲み、メニスカスピニングフィーチャの半径方向外側にある少なくとも1つのガス供給口と、任意選択として、(a)1つ又は複数のガス供給口の半径方向外側の少なくとも1つのガス回収口、及び/又は(b)メニスカスピニングフィーチャの半径方向内側の少なくとも1つの液浸流体供給口の一方又は両方と、を有し、(i)1つ又は複数の液浸流体供給口を通る線とメニスカスピニングフィーチャを通る線、(ii)1つ又は複数のメニスカスピニングフィーチャを通る線とガス供給口を通る線、及び/又は、(iii)1つ又は複数のガス供給口を通る線と1つ又は複数のガス回収口を通る線から選択された少なくとも1つの線の間の間隔が、前記空間の周囲で変動する、流体ハンドリング構造が提供される。
[0010] 一態様によれば、リソグラフィ装置用の流体ハンドリング構造であって、該流体ハンドリング構造の外側の領域に液浸流体を封じ込めるように構成された空間の境界部に、該空間から半径方向外側方向への液浸流体の通過に抵抗するメニスカスピニングフィーチャを有し、メニスカスピニングフィーチャが平面図で見てコーナーに第1の曲率半径を有する低半径部と、第1の曲率半径よりも高い第2の曲率半径を有するコーナーから離間した高半径部とを有するコーナーのある形状を有し、低半径部の領域での流体ハンドリング構造と液浸液との接触角は、高半径部の領域での流体ハンドリング構造と液浸液との接触角よりも小さい、流体ハンドリング構造が提供される。
[0011] 一態様によれば、リソグラフィ装置用の流体ハンドリング構造であって、該流体ハンドリング構造の外側の領域に液浸流体を封じ込めるように構成された空間の境界部に、該空間から半径方向外側方向への液浸流体の通過に抵抗するメニスカスピニングフィーチャを有し、任意選択として、(a)メニスカスピニングフィーチャを少なくとも部分的に囲み、メニスカスピニングフィーチャの半径方向外側にある少なくとも1つのガス供給口、(b)1つ又は複数のガス供給口の半径方向外側の少なくとも1つのガス回収口、及び/又は(c)メニスカスピニングフィーチャの半径方向内側の少なくとも1つの液浸液供給口から選択された少なくとも1つの開口を有し、メニスカスピニングフィーチャが平面図で見てコーナーに第1の曲率半径を有する低半径部と、第1の曲率半径よりも高い第2の曲率半径を有するコーナーから離間した高半径部とを有するコーナーのある形状を有し、(a)少なくとも1つのガス供給口、(b)メニスカスピニングフィーチャ、(c)少なくとも1つのガス回収口、及び/又は(d)少なくとも1つの液浸液流体供給口から選択された少なくとも1つの開口に、または開口から高半径部に対応する周辺位置で低半径部に対応する周辺位置とは異なる流速で流体を供給し、及び/又は回収するように構成された流体供給及び/又は回収システムを有する、流体ハンドリング構造が提供される。
[0012] 一態様によれば、リソグラフィ装置の流体ハンドリング構造であって、液浸流体を空間に封じ込めるように構成され、下面と、前記空間から半径方向外側方向への液浸流体の通過に抵抗する前記空間を少なくとも部分的に囲む複数の流体回収口と、複数の流体回収口のうちの少なくとも2つの間に延在するメニスカスピニングデバイスとを有する、流体ハンドリング構造が提供される。
[0013] 一態様によれば、デバイス製造方法であって、投影システムと基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターニングされた放射ビームを投影するステップと、少なくとも1つのガス供給口を通ってガスを液浸液のメニスカスの近傍位置に供給するステップと、1つ又は複数のガス供給口を通って1つ又は複数のガス供給口の半径方向外側の少なくとも1つのガス回収口を通過するガスを任意選択として回収するステップとを含み、1つ又は複数のガス供給口、及び/又は1つ又は複数のガス回収口の一方又は両方が、空間の周囲で変動するメートル長さ当たりの開口面積を有する、デバイス製造方法が提供される。
[0014] 一態様によれば、デバイス製造方法であって、投影システムと基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターニングされた放射ビームを投影するステップと、少なくとも1つのガス供給口を通ってガスを液浸液のメニスカスの近傍位置に供給するステップであって、メニスカスピニングフィーチャによってメニスカスの通過が抵抗されるステップと、任意選択として(a)少なくとも1つのガス供給口の半径方向外側の少なくとも1つのガス回収口を通って少なくとも1つのガス供給口を通過するガスを回収するステップ、及び/又は(b)メニスカスピニングフィーチャの半径方向内側の少なくとも1つの液浸流体供給口を通って液浸流体を空間に供給するステップの一方及び両方を含み、(i)1つ又は複数の液浸流体供給口を通る線とメニスカスピニングフィーチャを通る線、(ii)液浸液ピニングフィーチャを通る線と1つ又は複数のガス供給口を通る線、及び/又は(iii)1つ又は複数のガス供給口を通る線と1つ又は複数のガス回収口を通る線から選択された線の間の間隔が、前記空間の周囲で変動する、デバイス製造方法が提供される。
[0015] 一態様によれば、デバイス製造方法であって、投影システムと基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターニングされた放射ビームを投影するステップと、ガス供給口を通ってガスを液浸液のメニスカスの近傍位置に供給するステップであって、メニスカスピニングフィーチャによってメニスカスの通過が抵抗されるステップとを含み、メニスカスピニングフィーチャが平面図で見てコーナーに第1の曲率半径を有する低半径部と、第1の曲率半径よりも高い第2の曲率半径を有するコーナーから離間した高半径部とを有するコーナーのある形状を有し、低半径部の領域での流体ハンドリング構造と液浸液との接触角が、高半径部の領域での流体ハンドリング構造と液浸液との接触角よりも小さい、デバイス製造方法が提供される。
[0016] 一態様によれば、デバイス製造方法であって、投影システムと基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターニングされた放射ビームを投影するステップと、任意選択として、(a)メニスカスピニングフィーチャの半径方向外側の少なくとも1つのガス供給口を通ってガスを供給するステップ、(b)少なくとも1つのガス供給口の半径方向内側の少なくとも1つのガス回収口を通って少なくとも1つのガス供給口を通過するガスを回収するステップ、及び/又は(c)メニスカスピニングフィーチャの半径方向内側の少なくとも1つの液浸流体供給口を通って空間に液浸流体を供給するステップから選択された1つ又は複数のステップを含み、メニスカスピニングフィーチャが平面図で見てコーナーに第1の曲率半径を有する低半径部と、第1の曲率半径よりも高い第2の曲率半径を有するコーナーから離間した高半径部とを有するコーナーのある形状を有し、流体が、(a)少なくとも1つのガス供給口、(b)メニスカスピニングフィーチャ、(c)少なくとも1つのガス回収口、及び/又は(d)少なくとも1つの液浸液流体供給口から選択された少なくとも1つの開口に、または開口から低半径部に対応する周辺位置よりも高半径部に対応する周辺位置で異なる流速で供給され、及び/又は回収される、デバイス製造方法が提供される。
[0017] 一態様によれば、デバイス製造方法であって、投影システムと基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターニングされた放射ビームを投影するステップと、複数の流体回収口の少なくとも2つの間に延在するメニスカスピニングフィーチャと組み合わせて、前記空間から半径方向外側方向への液体のメニスカスの通過に抵抗する前記空間を少なくとも部分的に囲む複数の流体回収口を通して流体を回収するステップを含む、デバイス製造方法が提供される。
[0018] 一態様によれば、リソグラフィ装置用の流体ハンドリング構造であって、流体ハンドリング構造の外側の領域に液浸流体を閉じ込めるように構成された空間の、流体ハンドリング構造の下面と平行な面に少なくとも1つのコーナーを有する境界部に、前記空間から半径方向外側方向への液浸流体の通過に抵抗するメニスカスピニングフィーチャと、コーナーにおけるメニスカスピニングフィーチャの安定性を高めるように構成されたメニスカス安定化デバイスとを有する、流体ハンドリング構造が提供される。
[0019] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
[0020]本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置を示す。 [0021]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムを示す。 [0021]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムを示す。 [0022]リソグラフィ投影装置に使用する別の液体供給システムを示す。 [0023]リソグラフィ投影装置に使用する別の液体供給システムを示す。 [0024]リソグラフィ投影装置に使用する別の液体供給システムの断面図を示す。 [0025]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムの平面図を示す。 [0026]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムのコーナーの平面図を示す。 [0027]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムのコーナーの平面図を示す。 [0028]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムのコーナーの平面図を示す。 [0029]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムのコーナーの平面図を示す。 [0030]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムのコーナーの平面図を示す。 [0031]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムのコーナーの平面図を示す。 [0032]y軸上のガスの半径方向速度とx軸上の位置とを対比して示すグラフである。 [0033]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムのコーナーの平面図を示す。 [0034]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムのコーナーの平面図を示す。 [0035]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムのコーナーの平面図を示す。 [0036]y軸上のガスの半径方向速度とx軸上の位置とを対比して示すグラフである。 [0037]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムのコーナーの平面図を示す。 [0038]y軸上のガスの半径方向速度とx軸上の位置とを対比して示すグラフである。 [0039]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムのコーナーの平面図を示す。 [0040]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムの一部の平面図を示す。 [0041]リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムの一部の平面図を示す。
発明の詳細な説明
[0042] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコート基板)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って例えば基板Wなどのテーブルの表面を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された1つ又は複数のセンサ又は基板テーブルWTを支持する例えばセンサテーブルなどの支持テーブルと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを備える。
[0043] 照明システムILは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電型等の光学コンポーネント、又はその任意の組合せなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0044] 支持構造MTはパターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスMAが真空環境で保持されているか否かに応じた方法でパターニングデバイスMAを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスMAを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスMAが例えば投影システムPSなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0045] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0046] パターニングデバイスMAは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0047] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電型光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0048] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0049] リソグラフィ装置は、2つ以上のテーブル(又はステージ若しくは支持体)、例えば、2つ以上の基板テーブル又は1つ又は複数の基板テーブルと1つ又は複数のセンサ若しくは測定テーブルの組合せを有するタイプであってもよい。このような「マルチステージ」機械では、複数のテーブルを並列に使用でき、あるいは1つ又は複数の他のテーブルを露光のために使用しながら、1つ又は複数のテーブル上で準備ステップを実行することができる。リソグラフィ装置は、基板、センサ及び測定テーブルと同様に並列に使用できる2つ以上のパターニングデバイステーブル(又はステージ若しくは支持体)を有していてもよい。
[0050] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源SOとリソグラフィ装置とは、例えば放射源SOがエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDを用いて、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源SOが水銀ランプの場合は、放射源SOがリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0051] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するアジャスタADを備えてもよい。通常、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。放射源SOと同様、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一部を形成すると考えてもよいし、又は考えなくてもよい。例えば、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一体化部分であってもよく、又はリソグラフィ装置とは別の構成要素であってもよい。後者の場合、リソグラフィ装置は、イルミネータILをその上に装着できるように構成することもできる。任意選択として、イルミネータILは着脱式であり、別に提供されてもよい(例えば、リソグラフィ装置の製造業者又は別の供給業者によって)。
[0052] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスMAによってパターニングされる。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)を用いて、基板テーブルWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めできるように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分Cの間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして知られている)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0053] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0054] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームBに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0055] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームBに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分Cの(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分Cの(スキャン方向における)高さが決まる。
[0056] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0057] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0058] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどのマイクロスケール、更にはナノスケールのフィーチャを有するコンポーネントの製造である。
[0059] 投影システムPSの最終要素と基板との間に液体を提供する構成は、3つの一般的なカテゴリに分類できる。これらは、浴槽タイプの構成、いわゆる局所液浸システムと、オールウェット液浸システムである。浴槽タイプの構成では、実質的に基板Wの全体と、任意選択で基板テーブルWTの一部が液体の浴槽に浸される。
[0060] 局所液浸システムは、液体が基板の局所区域にのみ提供される液体供給システムを使用する。液体によって充填された空間は、基板の上面より平面視で小さく、液体によって充填される区域は、その区域の下を基板Wが移動している間、投影システムPSに対して実質的に静止している。図2〜図7は、そのようなシステムで使用することができる異なった供給デバイスを示す。液体を局所区域に封止する封止特徴部が存在する。提案されているこれを配置する方法の1つが、PCT特許出願公開WO99/49504号に開示されている。
[0061] オールウェット構成では、液体は閉じ込められない。基板上面の全体と基板テーブルの全部又は一部が液浸液に覆われる。少なくとも基板を覆う液体の深さは小さい。液体は、基板上の液体の薄膜などの膜であってもよい。液浸液は、投影システムと投影システムに対向する対向面(そのような対向面は基板及び/又は基板テーブルの表面であってもよい)に、又はその領域内に供給することができる。図2〜図5の液体供給デバイスのいずれもそのようなシステムで使用することができる。しかし、封止特徴部が存在しないか、活性化されていないか、通常より効率が落ちるか、又はその他の点で液体を局所区域にのみ封止する効果がない場合がある。
[0062] 図2及び図3に図示されているように、液体は、少なくとも1つの入口によって基板上に、好ましくは最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給される。液体は、投影システムの下を通過した後に少なくとも1つの出口によって除去される。基板が−X方向にて要素の下でスキャンされると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて取り上げられる。図2は、液体が入口を介して供給され、低圧源に接続された出口によって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示したものである。図2の図では、液体が最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給されるが、こうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口の様々な方向及び数が可能であり、一例が図3に示され、ここでは両側に出口を持つ4組の入口が最終要素の周囲に規則的パターンで設けられる。液体のフローの方向は、図2及び図3に矢印で示されていることに留意されたい。
[0063] 局所液体供給システムを備える液浸リソグラフィの別の解決法が図4に示されている。液体が、投影システムPSのいずれかの側にある2つの溝入口によって供給され、入口の半径方向外側に配置された複数の別個の出口によって除去される。入口は、投影される投影ビームが通る穴が中心にあるプレートに配置することができる。液体は、投影システムPSの一方側にある1つの溝入口によって供給され、投影システムPSの他方側にある複数の別個の出口によって除去されて、投影システムPSと基板Wの間に液体の薄膜の流れを引き起こす。どの組合せの入口と出口を使用するかの選択は、基板Wの動作方向によって決定することができる(他の組合せの入口及び出口は動作しない)。流体のフローの方向と基板Wの方向は図4に矢印で示されていることに留意されたい。
[0064] 提案されている別の構成は、液体供給システムに液体閉じ込め構造を提供する構成である。液体閉じ込め構造は、投影システムの最終要素と基板テーブルとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する。そのような構成を図5に示す。
[0065]
図5は、局所的液体供給システム又は流体ハンドリング構造12を概略的に示す。流体ハンドリング構造はバリアとして機能し、液体を基板W、基板テーブルWT又はその両方の下面の局所表面に閉じ込める。流体ハンドリング構造は、投影システムの最終要素と基板テーブルWT又は基板Wとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する。(以下の説明で、基板Wの表面という表現は、明示的に断りのない限り、追加的に又は代替的に、基板テーブルの表面も意味することに留意されたい。)流体ハンドリング構造12はXY平面内で投影システムに対して実質的に静止しているが、Z方向(光軸の方向)には相対運動があってもよい。ある実施形態では、流体ハンドリング構造12と基板Wとの間に封止が形成され、封止はガスシール(ガスシールを備えたこのようなシステムが欧州特許出願公開EP−A−1,420,298号に開示されている)又は液体シールなどの非接触封止であってもよい。
[0066] 流体ハンドリング構造12は、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11内に少なくとも部分的に液体を封じ込める。液体が基板Wの表面と投影システムPSの最終要素との間の空間内に閉じ込められるように、基板Wへの非接触封止16を投影システムPSのイメージフィールドの周囲に形成することができる。空間11は、投影システムPSの最終要素の下に位置し、それを取り囲む流体ハンドリング構造12によって少なくとも部分的に形成される。液体は、液体入口13によって投影システムPSの下の空間及び流体ハンドリング構造12内に流し込まれる。液体は、液体出口13によって除去することができる。流体ハンドリング構造12は、投影システムの最終要素から上に少し延在することができる。液体のバッファが提供されるように、液面は最終要素より上に上昇する。ある実施形態では、流体ハンドリング構造12は、上端で、投影システム又はその最終要素の形状にぴったりと一致する、例えば円形の内周を有する。底部で、内周は、イメージフィールドの形状、例えば矩形にぴったりと一致するが、これはそうでなくてもよい。
[0067] 液体は、流体ハンドリング構造12の底部と基板Wの表面との間に使用時に形成されるガスシール16によって空間11内に封じ込められてもよい。ガスシールは気体によって形成される。ガスシール内の気体は、圧力を受けて入口15を介して流体ハンドリング構造12と基板Wの間のギャップに提供される。気体は出口14を介して抽出される。気体入口15での正圧力、出口14の真空レベル、及びギャップのジオメトリは、液体を閉じ込める内側への高速の気体フロー16が存在するように構成される。流体ハンドリング12と基板Wとの間の液体にかかる気体の力が液体を空間11に封じ込める。入口/出口は、空間11を取り囲む環状の溝であってもよい。環状の溝は連続していてもよいし、又は不連続であってもよい。気体フロー16は、空間11内に液体を封じ込める効果がある。このようなシステムは、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。ある実施形態では、流体ハンドリング構造12はガスシールを有さない。
[0068] 図6は、液体供給システムの一部である流体ハンドリング構造12を示す。流体ハンドリング構造12は、投影システムPSの最終要素の周辺(例えば周囲)の周りに延在する。
[0069] 部分的に空間11を画定する表面の複数の開口20が液体を空間11に提供する。液体は、空間11に流入する前にそれぞれのチャンバ24、26をそれぞれ通って側壁28、22の開口29、20を通過する。
[0070] 流体ハンドリング構造12の底面と、例えば基板W、又は基板テーブルWT、又は両方である対向面の間にシールが設けられる。図6では、シールデバイスは非接触シールを形成するように構成され、幾つかのコンポーネントから成っている。投影システムPSの光軸から半径方向外側に、空間11内に延在する(任意選択の)フロー制御板51が設けられている。制御板51は、液体がそれを通って流れることができる開口55を有していてもよい。開口55は、制御板51が(例えば投影システムPSの光軸と平行な)Z方向に変位する場合に有利であり得る。例えば基板Wである対向面に面する(例えば反対側)流体ハンドリング構造12の底面上にフロー制御板51の半径方向外側には、液浸流体供給口180があってもよい。液浸流体供給口180は対向面に向かう方向に液浸流体(例えば、水溶液又は水などの液体)を供給することができる。この液浸流体は、結像中に基板Wと基板テーブルWTとの間のギャップを満たすことによって液浸液中に泡が形成されることを防止するのに有用であり得る。
[0071] 液浸流体供給口180の半径方向外側に、流体ハンドリング構造12と対向面との間から液体を抽出するための抽出器アセンブリ70があってもよい。抽出器アセンブリ70は単相抽出器として、又は二相抽出器として動作してもよい。抽出器アセンブリ70はメニスカスピニングフィーチャとして動作する。
[0072] 抽出器アセンブリの半径方向外側にはガスナイフ90を設けてもよい。抽出器アセンブリとガスナイフの配置は、参照により全体を本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2006/0158627号に詳細に開示されている。
[0073] 単相抽出器としての抽出器アセンブリ70は、参照により全体を本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2006−0038968号に開示されているような液体除去デバイス、抽出器、又は入口を含んでもよい。ある実施形態では、液体除去デバイス70は、単一の液相の液体抽出を可能にするために液体をガスから分離するために使用される多孔質材料111で覆われた入口を含んでもよい。多孔質材料111の穴内に形成されるメニスカスが、周囲ガスが液体除去デバイス70のチャンバ121内に引き込まれることを実質的に防止するようなチャンバ121内の負圧が選択される。しかし、多孔質材料111の表面が液体と接触すると、フローを制限するメニスカスがなくなり、液体は液体除去デバイス70のチャンバ121内に自由に流入することができる。
[0074] 多孔質材料111は、例えば直径などの幅などが5〜50マイクロメートルの範囲の寸法を各々が有する多数の小さな穴を有している。多孔質材料111は、例えば基板Wの表面のような、液体がそこから除去される対向面などの表面から50〜300マイクロメートルの範囲の高さに保持されてもよい。ある実施形態では、多孔質材料111は少なくともやや親液性であり、すなわち例えば水などの液浸液に対するその動的接触角は90°以下、望ましくは85°以下、又は望ましくは80°以下である。
[0075] ある実施形態では、液体供給システムは液体レベルの変動に対処する配置を有している。これは投影システムPSと液体閉じ込め構造12との間に溜まり(例えばメニスカス400を形成する)液体が処理され、逸出しないようにするためである。この液体を処理する方法の1つは、疎液性(例えば疎水性)コーティングを施すことである。コーティングは、開口を囲む流体ハンドリング構造12の上部の周囲、及び/又は投影システムPSの最終光学要素の周囲に帯を形成してもよい。コーティングは投影システムPSの光軸の半径方向外側に施されてもよい。疎液性(例えば疎水性)コーティングは液浸液を空間11内に保つことに役立つ。この液体に対処する追加の、又は代替の方法は、液体閉じ込め構造及び/又は投影システムPSに対するある一定のポイント(例えば高さ)に達する液体を除去するために出口201を設けることである。
[0076] 別の局所区域の配置は、気体抗力原理を利用する流体ハンドリング構造である。いわゆる気体抗力原理は、例えば米国特許出願公開US2008−0212046号、US2009−0279060号、及びUS2009−0279062号に記載されている。このシステムでは、抽出穴は望ましくはコーナーを有する形状で配置される。コーナーがある形状は、高半径部(すなわちコーナーの間の部分及び/又はコーナーから離間した部分)の第2の曲率半径よりも低い第1の曲率半径を有する少なくとも1つの低半径部(すなわちコーナーにある部分)を有している。低半径部は、高半径部にある第2の曲率半径よりも低い第1の曲率半径を有している。第2の曲率半径は無限であってもよく、すなわち高半径部は直線的であってもよい。コーナーはステップ方向、又はスキャン方向などの好ましい移動方向と位置合わせされてもよい。これによって、2つの出口が好ましい方向に垂直に位置合わせされた場合と比較して、好ましい方向での所与の速度の場合、流体ハンドリング構造の表面の2つの開口の間のメニスカスに加わる力が低減する。しかし、本発明のある実施形態は、平面図でみて任意の形状を有し、又は任意の形状で配置された抽出口などのコンポーネントを有する流体ハンドリングシステムに適用されてもよい。このような形状としては、円のような楕円、例えば四角形などの矩形のような直線形状、ひし形のような平行四辺形、又は4点星以上の星形のような5つ以上のコーナーを有するコーナー付きの形状が挙げられるが、これらに限定されない。
[0077] 本発明の実施形態が関連する米国特許出願公開US2008/0212046A1号のシステムの変化形態では、開口が配置されているコーナーを有する幾何形状によって、スキャン方向とステップ方向の両方向に位置合わせされたコーナーにとって鋭角のコーナー(約60°〜90°、望ましくは75°〜90°、最も望ましくは75°〜85°)が存在できる。それによって位置合わせされた各コーナーの方向での速度を高めることが可能になる。これは、例えば臨界速度を超えるなど、スキャン方向での不安定なメニスカスによる液滴の生成が低減するからである。コーナーがスキャン方向とステップ方向の両方向に位置合わせされる場合は、これらの方向で速度上昇を達成し得る。スキャン方向とステップ方向での移動速度は実質的に等しいことが望ましい。
[0078] 図7は、気体抗力原理を実現した抽出器を有し、本発明の実施形態が関連する流体ハンドリングシステム又は流体ハンドリング構造12のメニスカスピニングフィーチャの概略平面図である。メニスカスピニングフィーチャは、空間11から半径方向外側への流体の通過に抵抗し、望ましくは(出来るだけ)防止するように設計されている。メニスカスピニングデバイスの特徴は図7に示されており、これは図5のメニスカスピニング配置14、15、16、又は少なくとも図6に示す抽出器アセンブリ70の代わりに使用されてもよい。図7のメニスカスピニングデバイスは抽出器の形態のものである。メニスカスピニングデバイスは複数の別個の開口50を含んでいる。各開口50は円形であるように示されているが、これは必ずしもそうである必要はない。実際、1つ又は複数の開口は、円、楕円、直線形状(例えば四角形、矩形)、三角形などから選択された形状のものでよく、1つ又は複数の開口は細長い形状でもよい。各々の開口は平面図で見て0.2mm以上、0.5mm以上、又は1mm以上の長さ寸法(すなわち1つの開口から隣接する開口までの方向の寸法)を有している。ある実施形態では、長さ寸法は0.1mm〜10mmの範囲から選択され、又は0.25mm〜2mmの範囲から選択される。ある実施形態では、各開口の幅は0.1mm〜2mmから選択される。ある実施形態では、各開口の幅は0.2mm〜1mmから選択される。ある実施形態では、長さ寸法は0.2mm〜0.5mmの範囲から選択され、又は0.2mm〜0.3mmの範囲から選択される。図6の(180の参照番号が付された)入口開口のような入口開口を開口50の半径方向内側に設けてもよい。
[0079] 図7のメニスカスピニングデバイスの各々の開口50は、別個の負圧源に接続されてもよい。代替的に又は追加的に、各々の、又は複数の開口50は、それ自体が負圧に保たれている(環状であってもよい)共通のチャンバ又はマニホールドに接続されてもよい。このようにして、各々の、又は複数の開口50で均一な負圧が達成されてもよい。開口50は、真空源に接続されることができ、及び/又は流体ハンドリングシステム(又は閉じ込め構造)の周囲の大気の圧力を上昇させて所望の圧力差を生じるようにしてもよい。
[0080] 図7の実施形態では、開口50は流体抽出口である。各開口はガス、液体、又は2相のガス流体と液体とを流体ハンドリングシステムへと通過させるための入口である。各入口は空間11からの出口であると見なしてもよい。
[0081] 開口50は流体ハンドリング構造12の表面に形成される。表面は使用時には基板W及び/又は基板テーブルWTと対面する。ある実施形態では、開口50は流体ハンドリング構造12の実質的に平坦な表面にある。ある実施形態では、基板部材の底面に***部を設けてもよい。開口のうちの少なくとも1つが***部にあってもよく、又は図23を参照して後述するように、***部の縁部にあってもよい。開口50はニードル又はチューブによって画定されてもよい。例えば隣接するニードルなどの幾つかのニードルのボデーを互いに接合してもよい。ニードルを互いに接合して1つのボデーを形成してもよい。1つのボデーがコーナーのある形状を形成してもよい。
[0082] 開口50は、例えばチューブ又は細長い通路の端部である。望ましくは、開口は使用時に例えば基板Wなどの対向面に向けられ、望ましくは対向面に対面するように位置決めされる。開口50のリム(すなわち表面からの出口)は対向面の一部の上面と実質的に平行でよい。開口50が接続される通路の長手軸は対向面の上面、例えば基板Wの上面と実質的に垂直(垂直から±45°以内、望ましくは35°、25°、又は更には15°以内)であってもよい。
[0083] 各開口50は液体とガスの混合物を抽出するようの設計されている。液体は空間11から抽出され、一方、ガスは液体への開口50の他方の側の大気から抽出される。これによって矢印100で示されるようにガスフローが生成され、このガスフローは開口50の間のメニスカス320を図7に示すような所定位置に保持するために、例えばピニング(固定)するために有効である。ガスフローは瞬時のブロッキングにより、ガスフローに誘発される圧力勾配により、及び/又は液体上での気体(例えば空気)抗力(せん断)により液体の閉じ込め状態を保つのに役立つ。
[0084] 開口50は、流体ハンドリング構造が液体を供給する空間を囲む。開口50は、流体ハンドリング構造の下面に分散されていてもよい。開口50は、(隣接する開口50間の間隔は変動することがあるものの)空間の周囲で実質的に連続的な間隔で離隔されてもよい。ある実施形態では、液体はコーナーのある形状の周囲の全体から抽出され、且つ実質的にコーナーのある形状に当たるポイントで抽出される。これが達成されるのは、開口50が(コーナーのある形状内の)空間の周囲全体に形成されるからである。このようにして、液体が空間11内に閉じ込められる。動作中、メニスカスは開口50によってピニングされ得る。
[0085] 図7から分かるように、開口50は平面図で見てコーナーのある形状(すなわちコーナー52を有する形状)を形成するように位置決めされる。図7の場合は、これは湾曲した縁部又は辺54を有するひし形、望ましくは四角形の形状である。縁部54は湾曲している場合は負の半径を有する。縁部54は、コーナー52から離れた領域でコーナーのある形状の中心に向かって湾曲してもよい。本発明の実施形態は、平面図で見て例えばひし形、四角形又は矩形のような例えば直線形状、又は円形、三角形、又は星形、楕円形などの図示した形状を含むがそれに限定されない任意の形状に適用することができる。
[0086] コーナーのある形状は、投影システムPSの下の基板Wの主要な進行方向に位置合わせされた基本軸110、120を有している。これが、臨界スキャン速度以下では、開口50が円形に配置された場合よりも最高スキャン速度が確実に速くなることに役立つ。これは、2つの開口50間のメニスカスに加わる力がcosθ分の1に低減する。ここで、θは基板Wの移動方向に対する2つの開口50を結ぶ線の角度である。
[0087] 四角形のコーナーのある形状を使用することによって、ステップ及びスキャン方向の移動を等しい最高速度にすることが可能になる。これは形状の各コーナーをスキャン方向及びステップ方向に位置合わせすることによって達成し得る。一方向、例えばスキャン方向での移動がステップ方向での移動よりも速いことが好ましい場合は、ひし形の形状を使用できる。このような配置では、ひし形の主軸をスキャン方向と位置合わせしてもよい。ひし形の形状の場合、各コーナーは鋭角であるが、例えばステップ方向でのひし形の隣接する2つの辺がなす角度は鈍角、すなわち90°以上であってもよい(例えば約90°〜120°の範囲から選択され、ある実施形態では約90°〜105°の範囲から選択され、ある実施形態では約85°〜105°の範囲から選択される)。
[0088] 開口50の形状の主軸を(通常はスキャン方向である)基板の主要な進行方向と位置合わせし、第2の軸を(通常はステップ方向である)基板の別の主要進行方向と位置合わせすることによって、スループットを最適化することができる。θが90°とは異なるどの配置も少なくとも1つの移動方向に利点をもたらすことを理解されたい。したがって、基本軸を主要な進行方向と正確に位置合わせすることは不可欠ではない。
[0089] 負の半径を有する縁部を設けることの利点は、コーナーをより尖鋭にできることにある。75°〜85°の範囲から選択される角度、又は更に小さい角度は、スキャン方向に位置合わせされたコーナー52と、ステップ方向に位置合わせされたコーナー52の両方について達成し得る。この特徴がない場合は、両方向に位置合わせされたコーナー52が同じ角度を有するためには、これらのコーナーは90°の角度を有する必要があろう。90°未満の角度が望ましい場合は、一方向が90°未満のコーナーを有するように選択する必要があり、その結果、他方のコーナーは90°以上の角度を有することになろう。
[0090] 開口50の半径方向内側にメニスカスピニングフィーチャがなくてもよい。メニスカスは開口50へのガスフローによって引き起こされる抵抗力で開口50の間にピニングされる。約15m/s以上、望ましくは約20m/sの気体抗力速度で十分であろう。基板からの液体気化量は低減され、それによって液体の飛抹と熱膨張/収縮作用の両方を低減し得る。
[0091] メニスカスピニングフィーチャとして作用する開口50の半径方向内側には、図6の実施形態のように複数の液浸流体供給口180がある。液浸流体供給口180は平面図で見て、平面図で見た開口50と同じ形状を有してもよい。ある実施形態では、液浸流体供給口180は例えば125μm程度の(円形の場合)直径を、又は(四角形の場合は)辺の長さを有してもよい。図示の通り、コーナーの領域ではコーナーではない領域よりも多くの液浸流体供給口180があってもよい。
[0092] 流体ハンドリング構造12の底部は別の幾何形状のものも可能である。例えば、参照により全体を本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2004−0207824号、又は米国特許出願公開US2010−0313974号に開示されているいずれの構造も本発明の実施形態で使用することができる。
[0093] 米国特許出願公開US2010/0313974号に記載されているような流体ハンドリング構造12では、スリット状開口(例えば連続する線形開口)の形態のガスナイフを開口50の周囲に設けられる。スリットの幅は約30又は50μmでよい。スリット状開口の形態のガスナイフを図6の実施形態の抽出器70の周囲にも設けてもよい。スリット状開口の形態のガスナイフの幅は50μmでよいであろう。
[0094] ある実施形態では、スリット状開口の形態のガスナイフをメニスカスピニングフィーチャ(例えば図6の実施形態の抽出器70、又は図7の実施形態の開口50)の周囲に設けてもよい。このような実施形態は図10に示されている。本発明の実施形態はメニスカスピニングフィーチャを囲むスリットの形態の開口に限定され、以下に記載するように、スリット状開口の代わりに複数の別個の開口部でもよい。参照により全体を本明細書に組み込むものとする2011年7月11に出願された米国特許出願第61/506,442号に記載されているように、スリットと比較して別個のガス供給口を使用することが有利である。
[0095] 図6及び図7に示される実施形態では、複数のガス供給口61(すなわち別個の開口部)が線形アレイで設けられている。ガス供給口61は空間に対してメニスカスピニングフィーチャ(それぞれ抽出器70及び開口50)に半径方向外側に設けられている。ガス供給口61によって形成される線形アレイは開口50を結ぶ線と実質的に平行である。使用時には、ガス供給口61は正圧力に接続され、メニスカスピニングデバイスを囲むガスナイフ(例えば空気などのガスを供給)を形成する。線形アレイ(例えば一次元又は二次元の線形アレイ)の複数のガス供給口61はメニスカスピニングフィーチャを少なくとも部分的に囲む。
[0096] 線形アレイの例はフィーチャがそれに沿って位置する線である。線形アレイの例は2列以上の開口を含んでいる。このような線形アレイは二次元の線形アレイと呼ばれ、フィーチャが線又は配列に沿って、且つ線に垂直な方向に配置されている。開口は線形アレイに沿って周期的に配置されてもよい。例えば、列に沿った開口は互い違いでもよい。1列以上の開口では、各々の開口は直線的に整列されてもよい。2列の開口は互い違いに配列されてもよい(すなわち2列の穴)。
[0097] ある実施形態では、ガス供給口61は、流体ハンドリング構造12の下の通路内の基板W又は基板テーブルWTなどの対向面に残される液膜の厚さを減少させる機能を果たす。例えば、ガス供給口は線形アレイの半径方向外側からメニスカス320に向かって相対的に移動する液滴、又はメニスカス320から半径方向外側に相対的に移動する液滴に厚さを縮小する機能を果たしてもよい。(例えば直径90μm、ピッチが200μmの)複数のガス供給口61を通る流量が実質的に同じである場合、同じ流量を用いてスリット幅が例えば50μmのスリット状ガスナイフで達成されるよりも高い開口の下の平均圧力ピークを達成し得る。したがって別個のガス供給口61によって、流体ハンドリング構造12の下の液膜を通過後により薄い液膜が対向面上に残されることになる。平均圧力ピークがより高いと、メニスカス320に対して移動する液滴を止める効率を高めることができる。平均圧力ピークがより高いと、基板Wと基板テーブルWTとの間のギャップが交差する場合に性能が更に高まる結果をもたらす。スリット状ガスナイフを使用すると、スリットから流出するガスフローが開口50を通して外側に吸い出されるので、スリットの下の圧力ピークが崩壊することがある。複数のガス供給口61の圧力ピークは開口50を通って外側に吸い出される可能性が低くなる。その結果、圧力ピークがより安定化するにつれ、性能がより高まる。
[0098] ガス供給口61は、液膜が壊れて液滴になるのではなく、液体が開口50の方向に駆動され、抽出されることを確実にすることに役立つ。ある実施形態では、ガス供給口61は膜の形成を防止するように動作する。ガス供給口61が配置される線形アレイは基本的にメニスカスピニングフィーチャ(例えば開口50)の線を辿る。したがって、隣接するメニスカスピニングフィーチャ(例えば開口50)とガス供給口61との間の間隔は0.5mm〜4.0mm以内であり、望ましくは2mm〜3mmである。ガス供給口61と開口50との間隔は小さくてもよく、それでもスリット状ガスナイフと比較して液滴のメニスカス320との衝突から泡が誘発されるリスクが少ない。
[0099] ある実施形態では、ガス供給口61が配置される線形アレイはメニスカスピニングフィーチャ(例えば開口50)の線に対して実質的に平行な方向に細長い。ある実施形態では、隣接するメニスカスピニングフィーチャ(例えば開口50)とガス供給口61との分離間隔は実質的に一定に保たれる。
[00100] ある実施形態では、線形アレイの複数のガス供給口61はガスナイフとして作用する。
[00101] 流体ハンドリング構造は以下に記載すること以外は2011年7月11日に出願された米国特許出願公開US61/506,442号に記載のような構造である。液浸流体供給口180、ガス供給口61(又はガスナイフ)及び抽出口210の組合せはなくてもよく、又はいずれかの組合せがあってもよい。すなわち、抽出口210は任意選択である。ガス供給口61は任意選択である。液浸流体供給口180は任意選択である。液浸流体供給口180、ガス供給口61及び抽出口210のいずれかの組合せがあってもよい(ただし互いの相対位置、特にメニスカスピニングフィーチャ(すなわち開口50)に対する位置は固定されている)。
[00102] 個別のガス供給口61がガスナイフのような機能を果たすためには、メートル長さ当たりの開口面積が6.0×10−5以下であることが望ましい。これはスリット幅が60μmのガスナイフの単位長当たりの開口面積に匹敵する。ある実施形態では、メートル長さ当たりの開口面積は5.0×10−5以下、4.0×10−5以下、又は3.5×10−5以下である。開口面積比が低いほど、各々の開口の下の達成可能な最大圧力は高くなり、レーキング作用を達成できる可能性が高まる。しかし、開口面積が小さすぎると、隣接するガス供給口間のピッチを180μm以下に縮小することが実際的ではないため、ガスナイフの機能性は失われる。ある実施形態では、メートル長さ当たりの開口面積は1.0×10−5以上、2.0×10−5以上、又は2.5×10−5以上である。開口面積が大きいと、ガスフローが大きくなり、したがって達成可能な圧力が高まるのでより大きい開口面積が望ましい。
[00103] ある実施形態では、ガス供給口61は断面が円形(丸形)である。ある実施形態では、非円形の開口61の場合の直径又は最大寸法は125μm以下、望ましくは115μm以下である。これは(四角形の開口の場合に計算した最大1.6×10−8、望ましくは最大1.3×10−8の開口面積に匹敵する。
[00104] 理論上の計算は、非円形の開口61の直径又は最大寸法は作動距離の1/2であるべきであることを示している。作動距離とは流体ハンドリング構造12の底面と対向面(例えば基板W)との距離である。流体ハンドリング構造12の底面と対向面との距離(作動距離又はフライング高さ)は150μmでよく、ある実施形態では非円形の開口61の場合は最小直径又は最小寸法が75μmであることを示している。この要件が満たされると、ガスジェットが浸透する停滞する環境によって乱されないガス供給口61から出るガスジェットのコアは対向面に到達し、したがって大きな圧力勾配が生ずる。
[00105] ある実施形態では、個別のガス供給口61は非円形の開口61の場合の直径又は最小寸法は80μm以上であり、望ましくは90μm以上である。したがってメートル長さ当たりの断面積は5.0×10−9以上、又はメートル長さ当たりの断面積は6.4×10−9以上であることが望ましい。この範囲の穴のサイズは(小さいサイズ範囲での)製造可能性と(より大きいサイズ範囲での)隣接するガス供給口61間の許容されるピッチとの平衡をとる。すなわち、最大許容ピッチは、隣接する開口61間の所与の最小値(例えば50mbar)以上の最低圧力をもたらすことができるピッチに関連する。更に、隣接する開口に間に小さすぎる材料が残されると、結果として隣接する開口間の材料の脆弱性と破壊の可能性が生ずることがある。これは非円形の穴の場合、最大の穴径又は最大寸法につながる。
[00106] ある実施形態では、隣接するガス供給口61間のピッチは180μm以上であり、望ましくは200μm以上である。逆に、ピッチは300μm以下、望ましくは280μm以下であるべきである。これらの範囲は隣接する開口からのガス流の強さと相互結合とをうまく両立させ、それによって開口間の(少なくとも30mbar、望ましくは最低50mbarの)大きい最低圧をもたらす。
[00107] ある実施形態では、一列の複数のガス供給口61の隣接する穴間の所望の最小圧力を達成するには、隣接する穴間の材料の長さは最長で流体ハンドリング構造12の底面と対向面との間の距離の半分にするべきである。それによって最長の材料長さ75μmになる。ある実施形態では、ピッチは各々の個別ガス供給口61から出るガスジェットが隣接する個別のガス供給口と重なるように選択される。ガスジェットは縁部で1:4の勾配で拡散する傾向がある。したがって、ある実施形態では、ジェットが重なるにはガス供給口61は作動距離の1/4の2倍以下だけ離間するか、又は作動距離の1/2以下だけ離間する必要がある。
[00108] ある実施形態では、十分な強度を付与するには隣接する開口61間にある材料の長さは少なくとも80μm、又は少なくとも90μmである必要がある。
[00109] 隣接する開口61間の材料を200μm以上にする必要はなく、そうするとガスジェットの分離が生じ、それによって開口間に圧力が30mbar以下になる。ある実施形態では、隣接する開口61間の距離を150μmにしてもよい。
[00110] ある実施形態では、ガス供給口61は、高半径部に対応する周辺(例えば周囲)では直径125μm、ピッチは300μmであり、その結果、メートル長さ当たりの開口面積は5.8×10−5となる。ピッチを180μmまで縮小すると、開口面積は9.8×10−5まで拡大するが、環境によってはこれは大きすぎ、開口61間の材料の長さは55μmしか残らない。ある実施形態では、開口61の直径は80μmであり、それによって80μmのピッチで開口面積がメートル当たり2.79×10−5となり、これは30μmnスリット幅と同等に近い。
[00111] ある実施形態では、隣接する開口61間に向かう方向に大きい圧力勾配があり、その結果、液滴が開口61間の最低圧のポイントに移動する。この場合、液滴は凝集することがある。液滴の一部はガス供給口61間の最低圧のポイントを通過することがある。したがって、図6に断面図で、図7に平面図で示すように、ある実施形態では、少なくとも1つの抽出口210が線形アレイの複数の個別のガス供給口61の半径方向外側に設けられる。
[00112] ある実施形態では、少なくとも1つの抽出口210は複数の抽出口210であってもよい。ある実施形態では、少なくとも1つの抽出口210はスリット状の(すなわち連続的な)開口である。この実施形態は、液滴が複数のガス供給口61のどこを通過するかに関わらず収集されるということが利点である。ある実施形態では、隣接する開口61間の各空間が対応する抽出口210を有している。ある実施形態では、抽出口210は線形アレイ(例えば一列)の複数のガス抽出口である。
[00113] 少なくとも1つの抽出口210が複数の抽出口210であるある実施形態では、ガスナイフはスリット状の、又は連続的な開口の形態のものでよい。すなわち、図7に示す複数のガス供給口61はスリット状の(すなわち連続的な)開口を含んでいる。
[00114] 線形アレイのガス供給口61を通過する液滴は、最低圧の位置で通過する。その結果、液滴は隣接する開口61間を実質的に等間隔で通過する。したがって、抽出口210は、上述のように隣接する開口61間に実質的に等間隔に位置している。すなわち、隣接する開口61間の空間を分岐する位置である。その結果、線形アレイのガス供給口61を通過する液滴は、液滴がそれを通って移動する空間に対応する抽出口210の下を通過する可能性が高い。その結果、液滴は抽出口210によって抽出される可能性が高い。液滴が抽出口210に接触すると抽出がなされる。したがって、液滴の凝集を生ずる接線勾配の作用が有利であるが、それは抽出口210に接触する可能性がより高いより大きい液滴を生み出すからである。
[00115] 抽出口210は、上述のガス供給口61と同じ特徴及び/又は寸法を有していてもよい。少なくとも1つの抽出口210は断続的、連続的、二次元の線形アレイ(例えば実質的に平行な開口の列)などの抽出口でよい。
[00116] ある実施形態では、少なくとも1つの抽出口210と複数のガス供給口61の間の距離は少なくとも0.2mm、最大で1.0mmである。この比較的短い距離が有利であるのは、液滴が捕捉される可能性が高いからである。距離が短すぎると、ガス供給口61から流出して抽出口210に流出するガスフローどうしの干渉を引き起こすことがあり、これは望ましくない。
[00117] 極めて微小な気泡は、空間11の露光区域に達する前に液浸液中に融解することがある。その他のいずれかの実施形態と組み合わせることができるある実施形態では、融解速度が閉じ込められるガスと液浸液の特性によって左右されるという事実が利用される。
[00118] 二酸化炭素(CO)の泡は通常は空気の泡よりも速く溶解する。窒素の泡よりも55倍溶解性が高く、窒素の拡散性の0.86倍の拡散性を有するCOの泡は、通常は同じサイズの窒素の泡が溶解する時間よりも37分の1だけ短い時間で溶解する。
[00119] 参照により全体を本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2011−0134401号は、20℃で空間11に隣接する領域での全圧力が1atmの場合、液浸液中の溶解性が5×10−3mol/kg以上であるガスの供給を記載している。この文献は更に、20℃で空間11に隣接する領域での全圧力が1atmの場合、液浸液中の拡散性が3×10−5cm−1以上であるガスの供給を記載している。この文献は更に、20℃で空間11に隣接する領域での全圧力が1atmの場合、液浸液中の拡散性と溶解性との積が空気の場合よりも高いガスの供給を記載している。
[00120] 気泡が液浸液中の拡散性、溶解性、又は拡散性と溶解性との積が高い気泡である場合は、この気泡は大幅に速く液浸液中に溶解する。したがって、本発明の実施形態を使用すると、結像の欠陥数が低減し、それによってより高いスループットが可能になり(例えば液体ハンドリング構造12に対する基板Wの速度がより速くなる)、欠陥度が低下する。
[00121] したがって、本発明の実施形態は空間11の近傍の領域(例えば容積、又は区域に向けてガスを供給するように構成されたガス供給デバイスを提供する。例えば、ガスが対向面と液体ハンドリング構造12との間に延在するメニスカス320の近傍領域に存在するようにガスが提供される。
[00122] 例示的なガスは二酸化炭素であり、これが望ましいのは入手し易く、液浸システムで別の目的にも使用できるからである。二酸化炭素の20℃、1atmで水中での溶解性は1.69×10−3kg/kg又は37×10−3mol/kgである。液浸液中で融解し易い非反応性ガスも適している。
[00123] 本明細書に記載の本発明の実施形態は、液浸液のメニスカス320の周囲のCO大気を形成して、液浸液中にガスを含有させると、液浸液中に溶解するガス含有物が生成されるようにしてもよい。
[00124] 気相のCOを使用することで、液滴と衝突するメニスカスに関連する問題点は解消されないまでも軽減される。通常は、300マイクロメートルの液滴は直径30マイクロメートルの泡(すなわち10分の1のサイズ)を生成する筈である。このような二酸化炭素の泡は、通常は露光区域に達する前に溶解するであろう。(このようなサイズの液滴は1つ又は複数の別の問題点を生ずることに留意されたい。)したがって、液滴に起因する問題点はそれほど重要ではない。液浸システムは、空間から漏れ出る液浸液との相互作用に対する許容性をより高めることができるであろう。
[00125] 二酸化炭素はガス供給口61を通して供給されることができる。ある実施形態では、ガスは第2の配列のガス供給口を通して、又はガス供給口と第2の配列のガス開口の両方を通して供給される。
[00126] ある実施形態では、開口50から流出する二酸化炭素の流量と、抽出口210から流出するガスの流量を加えた流量は、ガス供給口61から流出されるガスの流量以上である。ある実施形態では、合計のガス抽出流量はガス供給流量の1.2倍、又は望ましくは1.4倍である。例えば、開口50に流入するガス流量は毎分60リットルであり、抽出口210に流入するガス流量は毎分60リットルであり、ガス供給口61から流出するガス流量は毎分90リットルであってもよい。ガス供給口61から供給されるガスが二酸化炭素である場合は、(以下に記載するように)この配置構成は有利である。これは、二酸化炭素が流体ハンドリング構造12の外側の干渉計と干渉することがあるからである。記載のように流量を配置構成することによって、流体ハンドリング構造12から流出する二酸化炭素の損失を低減又は防止することができる。二酸化炭素の閉じ込めを所望通りに向上させることができる。
[00127] ガスナイフ内にCOを使用する場合は、ガスフロー中の不均一さによるフローの変動の結果、COではないガス(例えば空気)が流体ハンドリング構造12の外側の大気からフローに混入し、その後、開口50に達することがある。これは望ましくないことがある。
[00128] 二酸化炭素がガス供給口61から供給される場合は、抽出口210とガス供給口61との間の距離は少なくとも1又は2mm、又は1.0mm〜4.0mmの範囲内、望ましくは2mm〜3mmの範囲内である。設計上の原則は作動距離の4倍プラス0.2〜0.5mmである。これは流体ハンドリング構造12の外側のガス(例えば抽出口210の軽方向外側の空気)がメニスカス320の近傍の二酸化炭素と混合することを防止するために効果的に役立つ。
[00129] ある実施形態では、液体を例えば液滴の形態で対抗面から除去する際の抽出口210の効果は、ガス供給口61からのしきい値距離の拡大と共に低減する。所望の動作条件での液滴除去のためのしきい値距離は抽出口210とガス供給口61との間の所望距離未満であってもよい。ガス供給口61から流出するガスとして二酸化炭素を使用する場合、流体閉じ込め構造12の下面の溝220(図7では単に明快にするために少数だけが示されている)を使用することが有利であるが、それは溝220が液滴除去のためにガス供給口61と抽出口210とのしきい値距離を延ばすのに役立つからである。したがって、溝200は外側の抽出器を経て有効な二酸化炭素ガスの除去、及び液滴除去を達成することを助ける。
[00130] 上記実施形態はメニスカスピニングフィーチャを囲む1つの線形アレイのガス供給口61だけが存在する場合について記載されてきた。しかし、第1の複数のガス供給口61を少なくとも部分的に囲む第2の(又はそれ以上の)複数のガス供給口61が線形アレイで配置されている場合も本発明の実施形態を等しく適用することができる。この配置は、2つのスリット状ガスナイフの代わりに上述のような複数の個別ガス供給口を使用すること以外は、参照により全体を本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2011−0090472号に記載されている配置と同様のものでよい。このことは、流体ハンドリングシステム12と対抗面とのあいだで特に急速な相対移動が行われる場合に有利であり得る。このようなより急速な相対速度は、現在の工業規格である300mm以上の直径を有する基板、例えば直径が450mmの基板を露光するリソグラフィ装置で使用し得る。
[00131] メニスカスピニングフィーチャ(例えば開口50又は抽出器70)によってピニングされるメニスカス320の安定性を高めることが望ましい。メニスカスが不安定だと液体損失と液滴の発生を引き起こすことがあり、それによって後述のように泡が含まれることがあり、又は後述のようにメニスカス320に気泡が含まれることがある。
[00132] 例えばスキャン方向601への流体ハンドリング構造の移動中、メニスカス600は前縁部、特の前縁部のコーナー(低半径部)で図7に示すように開口50から分離することがある。この離脱は流体ハンドリング構造の幾何形状の結果であることがあり、CO又はその他の溶解度が高いガスがガス供給口61から供給されてもされなくても、又、更にはガス供給口61、抽出口210、及び液浸流体供給口180があってもなくても生じることがある。メニスカス600は開口50の幾つかから分離することがある。開口50は図7に示すように円形でもよく、例えば図8に示すように、コーナーの先端に位置するスロット状開講を有する略四角形でもよい。メニスカス600はコーナーのスロット50a、並びに1つ又は複数の近接する開口50から離脱し得る。
[00133] 支えられていない長いメニスカス600の離脱及び発生は、それによって空間11から液体が損失することがあるので問題になることがある。その結果、液滴が発生することがある。メニスカス320と液滴、例えば空間11から漏れ出した液体の液滴とが衝突すると、気泡が空間11に含まれることがある。泡が空間11に含まれると、気泡が結像誤差を生ずることがあるので悪影響を及ぼすことがある。代替的に又は追加的に、メニスカスが開口50、50aに戻る際にメニスカスの長さ故にメニスカス600に気泡が含まれることがある。したがって、メニスカス320が隣接する開口50から分離する公算を減らすことが望ましい。
[00134] 2011年7月11日に出願された米国特許出願第61/506,442号では、複数のガス供給口61(及び抽出口210)が同様のサイズ(互いに5%以内)であり、隣接の開口間に実質的に一定のピッチを有するものとして記載されている。本発明の実施形態では、メニスカスピニングフィーチャでのメニスカス320の安定性はメニスカス安定化デバイスによって(特にコーナーで)安定化される。ある実施形態では、メニスカス安定化デバイスは、空間11の周辺(例えば周囲)での変化(例えばピッチの変動、開口サイズの変動、フィーチャ間の距離の変動、フィーチャ数の変動などの形態の非対称性)である。この変動はガス供給口61、抽出口210、及び液浸流体供給口180の少なくとも1つに適用することができる。変動は特に、そうしないとメニスカス320の安定性が損なわれることがある区域の周囲で行われる。しかし、その他の周辺位置、例えばギャップとメニスカピニングフィーチャとが互いに平行な方向、又は平行に近い方向に延びる基板と基板テーブル(又は基板テーブル又は別のテーブル上の別のオブジェクト)間で対抗面のギャップを横切る周辺区域でメニスカス320の安定性を高める措置を講じる必要があることがある。
[00135] メニスカスが開口50から分離する位置でメニスカス600に加わる経方向内側への力を軽減する措置を講ずることができる。基本的に、液浸流体供給口180から不安定なメニスカス600への液浸液を増加することが、メニスカス600が開口50から分離する公算を減らすことに役立つ。追加的に又は代替的に、不安定なメニスカス600の方向へのガスの流速を低下させることがそのことに役立つ。ガスの流速の低下は幾つかの方法によって達成可能である。図8〜図11に4つの方法が示されている。これらは全てガス供給口61の幾何形状の変動に関わるものである。しかし、以下に記載のように、抽出口210に対抗措置を講じても同じ効果を達成し得る。
[00136] 図8では、ガス供給口61の開口寸法(例えば直径)はほぼ一定であるが、ガス供給口61のピッチ(隣接する開口間の距離)は不安定なメニスカス600の近傍区域で変化する。すなわち、ガス供給口61は別の区域(高半径部に対応する周囲の区域)ではほぼ一定のピッチを有している。コーナー(低半径部)ではピッチが拡大される。したがって、空間11の周囲のメートル長さ当たりの開口面積は変動されている。これは単位長さ当たりの開口の数を変動することによって達成される。(例えば各開口61が開口の上流側の共通のチャンバ又はチャネル又はマニホールドを共用するように配置することによって)各々の開口61が同じ加圧を受ける場合、コーナー(低半径部)でのガス速度は低下し、それによってその位置でのメニスカス600の安定性が高まる。低半径部に対応する周辺位置で抽出口210のピッチを短縮することによって同じ効果を達成し得る。したがって、各抽出口210が(例えば共通のチャンバ又はチャネル又はマニホールドに接続されることによって)同じ負圧を受ける場合、低半径部で不安定なメニスカス600からより多くのガスフローが流出することを予期することができ、それによってメニスカス600が開口61から分離する公算が低減する。高半径部に対応する周辺位置に2列のガス供給口61を設け、低半径部(すなわちコーナー)に対応する周辺位置には1列のガス抽出口61のみを設けることによって同じ効果を達成できる。これは以下に記載の図16に示す配置とは逆である。図16に示す配置は、低半径部に対応する周辺位置での開口の数を減らすために抽出口210に適用できる。すなわち、開口のピッチ(及び/又は図9を参照して以下に記載するように面積)を付加的に増減する代わりに、低半径部で開口の数又は列を増減することができる。
[00137] 図9はガス供給口61のピッチはほぼ一定に保たれているが、低半径部に対応する周辺位置で開口の面積が縮小されている実施形態を示す。したがって、空間11の周囲のメートル長さ当たりの開口面積は変動されている。これは、開口の幅(例えば直径)を変動することによって達成される。低半径部に対応する周辺位置で抽出口210の面積を拡大することによって同じ効果を達成できる。
[00138] ガス供給口61と抽出口210の一方又は両方のピッチの変動及び/又は面積の変動の組合せが可能である。例えば、低半径部でのガス速度を低下させるために以下のうちの1つ以上、すなわちガス供給口61のピッチの拡大、ガス供給口61の面積の縮小、ガス抽出口210のピッチの縮小、及び/又はガス抽出口210のサイズの拡大の1つ以上を実施してもよい。
[00139] 図10は、スリットの形態の少なくとも1つのガス供給口61(又は少なくとも1つの抽出口210)の場合の空間11の周囲のメートル長さ当たりの開口面積の変動を以下に実施し得るかを示している。図示の通り、スリットの幅は低半径部に対応する周辺位置(ガス供給口61の場合)で縮小されている。スリットの形態の抽出口の場合、低半径部に対応する周辺位置でスリット幅が拡大されよう。
[00140] 図8〜図10を参照して記載した実施形態は全て、空間11の周囲でガスを供給/抽出できる単位長さ当たりの有効開口面積が変動している。図11及び図12を参照して記載した措置に加えてこれらの措置を講じてもよい。
[00141] 追加的に又は代替的に、上述の及び後述の同様の措置を((例えばメートル長さ当たりの開口面積の拡大など)反対の意味ではあるが)液浸流体供給口180の低半径部に対応する経方向位置に講じてもよい。すなわち、変動は高半径部に対応し、低半径部には対応しない周辺位置で変動がなされてもよい。例えば、図8を参照すると、液浸流体供給口180のピッチは低半径部に対応する周辺位置で実質的に一定でもよいが、高半径部に対応する周辺位置では変動(例えばほぼ同じ割合で互いに接近させる)してもよい。
[00142] 図11では、一組の開口180、50、61、210を通る線と、別の組の開口180、50、61、210を通る線との最短の経方向距離が空間の周辺で変動される。開口面積と単位長さ当たりのピッチ数は実質的に一定に保たれる。図11の実施形態では、メニスカスピニングフィーチャの開口50を通る線801と、ガス供給口61を通る線との最短経方向距離は低半径部に対応する周辺位置で拡大される。開口50とガス供給口61との間の距離が変動されない場合、ガス供給口61から流出する流量が同じであれば、メニスカス600の方向に向かうガスの速度は低半径部で低下する。したがって、高半径部D1での周辺位置の線801、802間の最短距離D1は低半径部での周辺位置の線810、802間の最短距離D2よりも短い。追加的に又は代替的に、隣接する抽出口210を通る線と線802との最短距離が高半径部に対応する経方向位置での対応する最短距離よりも長くなるように配置することによって同じ効果を達成できる。
[00143] 低半径部に対応する経方向位置での液浸流体供給口を、高半径部に対応する経方向位置での液浸流体供給口180よりも開口50に近接するように移動することによって同様の効果を達成できる。
[00144] ガス供給口61からCOが供給される場合、図11の距離D1は、1.5〜3mm程度である。D1とD2の長さの変動は1mm程度でよい。ある実施形態では、D1とD2との変動は少なくとも20%、望ましくは少なくとも30%、又は望ましくは40%以上である。ある実施形態では、D1とD2との変動は100%未満である。ガス供給口61から空気が供給される場合は、長さD1とD2は大幅に短い(1mm未満)。しかし、距離D1とD2との変動は、ガス供給口61からCOが供給される実施形態と百分比が同じであることが必要である。
[00145] 二酸化炭素がガス供給口61から供給される場合は、抽出口210とガス供給口6との距離は1〜2mmでよい。変動は1mmに及んでもよく、距離D1、D2の変動に関する上記の百分比は、ガス供給口61と抽出口210との距離にも該当する。ガス供給口61から空気が供給される場合は、ガス供給口61と抽出口210とを隔てる距離は1mm未満であり、距離変動の百分比は上記のとおりである。
[00146] 液浸液供給口180とメニスカスピニングフィーチャの開口50との距離は約2.5mmでよい。1mm又は更には1.5mmの距離変動を用いることができる。したがって、メニスカスピニングフィーチャの開口50と液浸流体供給口180との距離変動は40%以上、望ましくは50%以上、又は望ましくは60%以上である。変動は200%未満である。
[00147] ガス供給口61からCOが供給される場合、メニスカスピニングデバイスの開口50とガス供給口61と抽出口210との距離は、メニスカス320の位置でのガス(流体ハンドリングシステムの外側からメニスカス320に達することがある)空気に対するCOの比率が確実に高くなるようにするため、それ以外の場合よりみも高くてもよい。開口50及び抽出口210から流出する60リットル/分の流量、及びガス供給口61から流出する90リットル/分の流量を使用してもよい。それによってメニスカス320における99.9%のCO濃度が生ずる。
[00148] 上記の及び下記の実施形態における変動のタイプは上述の形態に限定されない。例えば、変動は段階的な変化、漸次的な変化、一様に拡大する変化、増分的に拡大する変化などでよい。
[00149] 図12はそれ自体で、又は図8〜図11を参照して上述したいずれかの措置との組合せで使用することができる実施形態を示す。図12では、メニスカス安定化デバイスは流体ハンドリング構造のした面の一部650であり、液浸液がそれに対して高半径部に位置する流体ハンドリング構造の下面の一部よりも小さい接触角を有する表面を有している。部分650での流体ハンドリング構造の下面の親液性(水の場合は親水性)の性質は、低半径部にある開口50のあいだにメニスカス320が付着した状態を保つために役立つ。部分650は低半径部のコーナー又は頂点から3mm以内、2mm以内、又は1mm以内でよい。
[00150] どのような方法で流体ハンドリング構造の下面を親液性にしてもよい。例えば、区域650を例えば粗さを他の区域よりも少なくし、すなわちより平滑にするように表面処理を施して親液性にしてもよい。追加的に又は代替的に、例えば下面に塗布される層、又は接着されるシールの形態で区域650にコーティングを施してもよい。ある実施形態では、追加的に又は代替的に、流体ハンドリング構造の下面の、低半径部の開口50にある部分650と反対の開口50とガス供給口61との間に疎液性(水の場合は疎水性)の性質を与えてもよい。これは低半径部での開口50間にメニスカス320が付着した状態を保つのに役立つ。疎液性の表面は低半径部のコーナー又は頂点から3mm以内、2mm以内、又は1mm以内でよい。
[00151] ある実施形態では、追加的に又は代替的に、流体ハンドリング構造は、液浸流体供給口180、開口50、ガス供給口61及び抽出口210の1つ又は全てを含む存在する開口から流体を供給し、及び/又は回収するように構成された流体供給及び/又は回収システム500を有している。システムは周辺位置に応じて異なる流速で流体を供給/回収するように構成されている。例えば、以下の条件、すなわち液浸流体供給口180から流出する液浸流体の拡大された流量、ガス供給口61から流出する低減された流量、及び/又は抽出口210への拡大された流量の少なくとも1つを高半径部と比較した低半径部に対応する経方向位置で適用してもよい。したがって、流体供給及び/又は回収システム500は、低半径部に対応する経方向位置で異なる流量で流体を供給/回収する。
[00152] 高半径部又は低半径部に対応する半径方向位置の全ての位置で、複数のガス供給口61は同様の、例えば同じサイズである。ある実施形態では、ガス供給口61は所定サイズの例えば5%のような百分比内にある。ある実施形態では、複数のガス供給口61は線に沿って周期的パターンで配置される。例えば、ガス供給口は、各々の穴の間に異なるギャップを有する反復する一連の穴、例えば密な離隔間隔の2つの穴の後にギャップが入り、次に、密な離隔間隔の2つの穴の後にギャップが入るなどの構成で配置される。ある実施形態では、複数のガス供給口61は等間隔で離間されている。
[00153] 液浸流体供給口180と抽出口210とは、複数のガス供給口61の特徴に関して上述したように、高半径部又は低半径部に対応する半径方向位置で複数のガス供給口61と同様の特性を有してもよい。
[00154] 図8及び図9に関連して記載したような実施形態では、ガス供給口61の断面寸法は円形開口又は同等の開口面積(7.8×10−9)の場合、直径が100μm〜200μmの範囲、望ましくは直径が約100μmであってもよい。隣接するガス供給口61の中心間の距離、又は隣接するガス供給口61のピッチは、200〜400μmの間、望ましくは200〜300μmの間であってもよい。このような値は、メートル長さ当たり10.0×10−5以下の、望ましくはメートル長さ当たり6.0×10−5以下の、又は望ましくは4.0×10−5以下の、又は望ましくは3.5×10−5以下の開口面積をもたらす。開口のピッチを拡大し、又は開口のサイズを縮小することによって、高半径部又は低半径部の他方での開口面積の変文は望ましくは少なくとも10%、望ましくは少なくとも15%、望ましくは少なくとも20%、又は望ましくは少なくとも30%である。開口の平均サイズでの少なくとも5%の、望ましくは少なくとも10%の、又は少なくとも15又は20%の変動がある。この程度の大きさの変動を行う結果、開口50間に延在するメニスカス320に加わる力が大幅に低減し、しかも変動が加えられるポイントでのガス供給口61の機能性が保たれる。単位長さ当たりの開口面積などのガス供給口のこのような寸法の変動は供給される二酸化炭素ガス及び/又は液浸液も閉じ込めを所望の通りに向上させる。
[00155] 抽出口210に変動がある場合は、この変動はガス供給口61に関して上述した大きさと同様の、又は同一の変動であるものとする。標準の抽出口210のサイズは上述の通りガス供給口61のサイズと同様である。
[00156] 液浸流体供給口180の変動がある場合は、この変動はガス供給口61に関して上述した大きさと同様の変動であるものとする。
[00157] 図10に示したような実施形態でスリット状開口の幅が変動する場合は、スリット幅はガス供給口61に関して上述した百分比だけ変動するものとする。
[00158] 図13は、メニスカスピニングフィーチャの開口50とガス供給口61だけが存在する配置を示している。すなわち、スロット状開口50aは存在しない。上述のように、メニスカス600はコーナースロット50a並びに1つ又は複数の隣接する開口50から分離することがある。実質的に等しいサイズの開口50を有し、スロット状開口50aを有していないメニスカスピニングフィーチャを使用する際は、メニスカスはメニスカスピニングフィーチャから分離する公算は少ないであろう。しかし、メニスカスが分離するリスクは依然としてある。点線901は低半径部を示し、実線902は高半径部を示す。線905は低半径部901の大まかな範囲を示す。物質移動が接線方向で制約されるので、物質は半径方向のみに移動可能であると想定した計算がなされた。その結果得られた図14は、(開口50及びガス供給口61の符号を付した)x軸と、y軸上の(半径方向の)ガス速度とをグラフで示している。実線は高半径部の結果を示し、点線は低半径部の結果を示している。図示の通り、単位長さ当たりの相対的なフローは高半径部と低半径部で異なっている。
[00159] ガスの平均速度はメニスカスピニングフィーチャの周囲で同様であることが最適であろう。これは、特定の流体供給/回収システムを使用して空間11の周囲のガス供給口61及び(存在する場合は)抽出口210から流出するフローを変化させることによって達成可能であろう。追加的に又は代替的に、メニスカスピニングフィーチャ、ガス供給口61、及び抽出口50の開口面積の変動及び/又は相互間の距離の変動によって同じ効果、又は同様の効果を達成できる。
[00160] 可能な変動のタイプは図8〜図11に示したタイプ、及び上述のタイプと同一である。
[00161] 以下のような別の変動も可能である。すなわち、低半径部に対応する位置でガス供給口61のピッチを縮小する(図15)、又は例えばコーナーに関連する2列の開口を有するガス供給口61の数を拡大する(図16)、又はガス供給口61のサイズ、すなわち単位長さ当たりの断面積を拡大する(図17)、又は低半径部にあるスリットの形態のガス供給口61の幅を拡大する(図19)、又は低半径部での線形アレイのガス供給口61とメニスカスピニングフィーチャの間の大胆距離を短縮する(図21)。これらの変動は、図15、図16、図17、図19及び図21に示されている。それが存在する場合、抽出口210については(ガス供給口61の変更に加えて、又は代替的に)変更を逆にすることができる。図8〜図11の実施形態を参照して記載したものと同じ効果を達成するには、図示した低半径部ではなく高半径部にこれらの変動を加えることができる。更に、これらの配置は、図13に示すようにコーナースロット50aを有していないメニスカスピニングフィーチャ内の開口50を有することができる。
[00162] 図18及び図20は、ある相違点を除いて図14に示したグラフを作成するために用いられたものと同じ計算から導き出されたグラフである。図18の場合は、抽出口210は、余剰ガスを除去するために直径が150μmに拡大される低半径部を除いて100μmの直径を有している。図20の場合は、図19に示されるようなスリット状ガスナイフが使用され、その幅は高半径部で35μmであり、低半径部(すなわちコーナー)ではコーナーでのガスフローを低減するため50μmである。これらの結果は、コーナーでのガスの流速の向上と、達成可能な一種の効果とを示している。
[00163] 図15〜図21の実施形態の変動量は、(逆方向であるが)図8〜図11の実施形態に関連して上述した変動量と同じであってもよい。
[00164] 図8〜図11の実施形態はこれらのグループ(例えば図8〜図11及び図15〜図21)の他のいずれかの実施形態と同様に図15〜図21の実施形態と正反対であるように見えるが、これらの二組の実施形態を1つの流体ハンドリング構造で組み合わせてもよい。すなわち、メニスカスピニングフィーチャの周囲に異なる区域、すなわち逆の変更(例えば低半径部では図8〜図11の変動を施し、高半径部では図15〜図17、図19、及び図21の変動を施す)により利点が得られることになる異なる問題点があるメニスカスピニングフィーチャの長さ又は部分があってもよい。
[00165] これまで変動は高半径部及び/又は低半径部で行われるものと記載してきたが、これは必ずしもそうでなくてもよく、変動がどこで行われるかを判断する別の判断基準を適用することもできる。上述のように、その一例として、基板のスキャン中に前縁部又は後縁部がそこを通過する細長いギャップと実質的に同一面にある縁部を有する流体ハンドリング構造の前縁部又は後縁部がある。
[00166] 追加的に又は代替的に、メニスカスピニングフィーチャの同じ周辺位置で両方の問題が生じる場合は、変動の組合せを選択することによってこれらの両方の問題に対処することもできる。例えば、低半径部のガス供給口の面積を拡大し、同時に低半径部のこれらのガス供給口61をメニスカスピニングフィーチャの開口50から更に離れるように移動することが可能である(図17と図11のそれぞれの実施形態の組合せ)。例えば、同じ実施形態で液浸液供給口180と開口50との間の距離を短縮し、ガス供給口61と開口50との距離を短縮することができる。
[00167] 図22及び図23は、メニスカスピニングフィーチャの隣接する開口50の間に延在するメニスカス320を安定化させるために講じられる更に別の措置を示している。この実施形態はそれ自体で実装されてもよく、又は実施形態のいずれかの組合せを含む他のいずれかの実施形態と組み合わせてもよい。この実施形態では、メニスカスピニングデバイス1000は流体ハンドリング構造の下面にあり、少なくとも2つの開口50から延在する。メニスカスピニングデバイス1000は、望ましくは1つの開口から隣接する開口の中心部に延在する。例えば、メニスカスピニングフィーチャは開口50の直径の中心から50%以内、望ましくは中心から40%以内、又は更には30%以内で開口50と接触する。開口180、61及び210は任意選択であり、いずれかの組合せで存在してもよい。開口61、180及び210は本明細書の別の個所で記載して機能と同じ機能を有しているもよい。開口61は1つのスリット状開口であってもよい。開口61、180及び210は存在してもしなくてもよく、又いずれかの組合せで存在してもよい。
[00168] メニスカスピニングデバイス1000は、どの種類のメニスカスピニングデバイス1000であってもよい。望ましくは、メニスカスピニングフィーチャは、移動部品又は流体のフローを供給する必要がないという点で受動的メニスカスピニングフィーチャである。図22の例では、メニスカスピニングデバイス1000は表面特性に段階的変化、例えば区域1001から1002への粗さの変化及び/又は区域1001と2001との間で液浸液と流体ハンドリング構造の下面との間の異なる接触角を生ずる表面特性の変化を含んでいる。
[00169] 図23では、メニスカスピニングデバイス1000は、縁部1012によって形成される。望ましくは、縁部1012は、使用時に流体ハンドリング構造の下面の半径方向外側部分が流体ハンドリング構造の半径方向内側の下面よりも対向面(例えば基板W)に近いような縁部である。このように、半径方向内側の、したがって空間11内の液体に直面する各開口の開口面積は、(平均して開口の直径の半分が湿潤であるものと想定すると)ガスに開かれた開口の面積よりも大きい。
[00170] 縁部の高さは例えば約30ミクロン、例えば10〜50ミクロンの間である。
[00171] 縁部は、実際には図示のように溝又は凹部又は溝1020であってもよい。溝1020は、望ましくは、ガスに対するよりも液体に対する開口50の開口面積が大きいという利点があるように、複数の開口50の半径方向内側に延在する。
[00172] メニスカスピニングフィーチャ1000を隣接する開口50の間に設けることによって、メニスカス320が真っ直ぐになり、それによって開口50への液体のフローが平滑になる。その結果、メニスカスがより安定化し、それによって欠陥性が低下する。それによってスキャン速度が高まる可能性が増す。
[00173] 上記フィーチャのいずれかを任意の他のフィーチャと共に使用することができ、本出願に記載する明示された組合せのみではないことを理解されたい。例えば、本発明の実施形態を図2〜図4の実施形態に適用することができる。
[00174] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」というより一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、上記及びその他の基板処理ツールに適用することができる。更に、基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[00175] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組合せを指す。
[00176] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。更に機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実現することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
[00177] 本発明は、直径が300mm、450mm又はその他の任意のサイズの基板に適用し得る。
[00178] 1つ又は複数のコンピュータプログラムがリソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内にある1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって読み出されるときに、本明細書に記載するあらゆるコントローラは各々、又は組み合わせて動作可能になる。コントローラは各々、又は組み合わせて、信号を受信、処理、送信するのに適した任意の構成を有する。1つ又は複数のプロセッサは、コントローラの少なくとも1つと通信するように構成されている。例えば、各コントローラは、上記方法のための機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。コントローラは、そのようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はそのような媒体を収容するハードウェアを含むことができる。したがって、コントローラは、1つ又は複数のコンピュータプログラムの機械読み取り式命令に従って動作することができる。
[00179] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、任意の液浸リソグラフィ装置に、特に、液浸液が槽の形態で提供されるか、基板の局所的な表面領域のみに提供されるか、又は閉じ込められないかにかかわらず、上述したタイプに適用することができるが、それに限定されない。閉じ込められない構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上に流れることができ、したがって実質的に基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面全体が濡れる。このように閉じ込められていない液浸システムでは、液体供給システムが液浸液を閉じ込めることができない、又はある割合の液浸液閉じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の閉じ込めを完成しない。
[00180] 本明細書で想定するような液体供給システムは、広義に解釈されたい。特定の実施形態では、これは、液体を投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に提供する機構又は構造の組合せでよい。これは、1つ又は複数の構造、1つ又は複数の液体開口を含む1つ又は複数の流体開口、1つ又は複数の気体開口あるいは1つ又は複数の2相流用の開口の組合せを含んでもよい。これらの開口は、各々、液浸空間への入口(又は流体ハンドリング構造からの出口)あるいは液浸空間からの出口(又は流体ハンドリング構造への入口)であってもよい。ある実施形態では、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの一部でよいか、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆ってよいか、又は空間が基板及び/又は基板テーブルを囲んでもよい。液体供給システムは任意選択で、液体の位置、量、品質、形状、流量又は任意の他の特徴を制御する1つ又は複数の要素を更に含むことができる。
[00181] ある実施形態では、リソグラフィ装置は、投影システムの露光側に位置する2つ以上のテーブルを備え、各テーブルが1つ又は複数のオブジェクトを備え、及び/又は保持する多段装置である。ある実施形態では、1つ又は複数のテーブルは放射感応性基板である。ある実施形態では、1つ又は複数のテーブルは、投影システムからの放射を測定するセンサを保持してもよい。ある実施形態では、多段装置は放射感応性基板を保持するように構成された第1のテーブル(すなわち、基板テーブル)と、放射感応性基板を保持するように構成されていない第2のテーブル(以下では限定的にではなく一般に測定及び/又は洗浄テーブルと呼ばれる)とを備えている。第2のテーブルは放射感応性基板以外の1つ又は複数のオブジェクトを備え、及び/又はこれを保持してもよい。このような1つ又は複数のオブジェクトは以下から選択された1つ又は複数のオブジェクト、すなわち投影システムからの放射を測定するセンサ、1つ又は複数のアライメントマーク、及び/又は(例えば液体と機米構造を洗浄するための)洗浄デバイスを含んでもよい。
[00182] ある実施形態では、リソグラフィ装置は装置のコンポーネントの位置、速度などを測定するエンコーダシステムを備えていてもよい。ある実施形態では、コンポーネントは基板テーブルを含んでいる。ある実施形態では、コンポーネントは測定及び/又は洗浄テーブルを含んでいる。エンコーダシステムは本明細書に記載のテーブル用の干渉計システムの追加、又はその代替であってもよい。エンコーダシステムは、センサ、トランスデューサ、又は目盛又はグリッドを有する例えば1対の関連する読み取りヘッドを備えている。ある実施形態では、可動コンポーネント(例えば基板テーブル及び/又は測定及び/又は洗浄テーブル)は1つ又は複数の目盛又はグリッドと、コンポーネントがそれに対して移動するリソグラフィ装置のフレームは1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、又は読み取りヘッドを有している。1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、又は読み取りヘッドは、1つ又は複数の目盛又は1つ又は複数のグリッドと連係してコンポーネントの位置、速度などを判定する。ある実施形態では、コンポーネントがそれに対して移動するリソグラフィ装置のフレームは1つ又は複数の目盛又はグリッドを有し、可動コンポーネント(例えば基板テーブル及び/又は測定及び/又は洗浄テーブル)は1つ又は複数の目盛又は1つ又は複数のグリッドと連係してコンポーネントの位置、速度などを判定する1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、又は読み取りヘッドを有している。
[00183] ある実施形態では、リソグラフィ装置は、メッシュ又は同様の多孔質材料で覆われた入口を有する液体除去デバイス(又はメニスカスピニングフィーチャ)を有する液体閉じ込め構造を備えている。メッシュ又は同様の多孔質材料は、投影システムの最終要素と可動テーブル(例えば基板テーブル)との間の空間で液浸液と接触する二次元配列の穴を備えている。ある実施形態では、メッシュ又は同様の多孔質材料はハニカムメッシュ又はその他の多角形メッシュを含んでいる。ある実施形態では、メッシュ又は同様の多孔質材料はリソグラフィ装置の投影システムの画像フィールドの周囲全体に延在する。ある実施形態では、メッシュ又は同様の多孔質材料は液体閉じ込め構造の底面に位置し、テーブルの方向に面する表面を有している。ある実施形態では、メッシュ又は同様の多孔質材料は、テーブルの上面と全体的に平行な底面の少なくとも一部を有している。
[00184] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
[00185]
1.リソグラフィ装置用の流体ハンドリング構造であって、該流体ハンドリング構造の外側の領域に液浸流体を封じ込めるように構成された空間の境界部に、
前記空間から半径方向外側への液浸流体の通過に抵抗するメニスカスピニングフィーチャと、
前記メニスカスピニングフィーチャを少なくとも部分的に囲み、前記メニスカスピニングフィーチャの半径方向外側にあるガス供給口と、
任意選択として前記ガス供給口の半径方向外側のガス回収口と、
を有し、
前記ガス供給口、前記ガス回収口、又はガス供給口とガス回収口の両方は、前記空間の周囲で変動するメートル長さ当たりの開口面積を有する、流体ハンドリング構造。
2.前記変動は、開口の幅を変更することによって少なくとも部分的に達成される、条項1に記載の流体ハンドリング構造。
3.前記変動は、単位周囲長さ当たりの開口の数を変更することによって少なくとも部分的に達成される、条項1又は2に記載の流体ハンドリング構造。
4.前記ガス供給口は、線形アレイの複数のガス供給口を含み、及び/又は前記ガス回収口は、線形アレイの複数のガス回収口を備える、条項1〜3に記載の流体ハンドリング構造。
5.前記変動は、隣接する開口間のピッチを変更することによって、任意選択として単位周囲長さ当たりの開口の数を変更することによって少なくとも部分的に達成される、条項1〜4に記載の流体ハンドリング構造。
6.前記変動は、開口列の数を変更することによって、任意選択として単位周囲長さ当たりの開口の数を変更することによって、少なくとも部分的に達成される、条項1〜5に記載の流体ハンドリング構造。
7.前記開口面積の変動は、開口の平均サイズの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、又は少なくとも20%の開口サイズの変動である、条項1〜6のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
8.前記開口面積の変動は、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、又は少なくとも30%の変動である、条項1〜6のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
9.前記メニスカスピニングフィーチャが平面図で見て、コーナーに第1の曲率半径を有する低半径部と、前記第1の曲率半径よりも高い第2の曲率半径を有する前記コーナーから離間した高半径部とを有するコーナーのある形状を有し、開口面積の前記変動は、低半径部に対応する半径方向位置と高半径部に対応する半径方向位置との間で行われる、条項1〜8のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
10.前記開口面積の変動は、前記低半径部での拡大である、条項9に記載の流体ハンドリング構造。
11.前記開口面積の変動は、前記低半径部での縮小である、条項9に記載の流体ハンドリング構造。

12.任意選択として前記メニスカスピニングフィーチャの半径方向内側の液浸流体供給口を更に備え、
以下、すなわち、
(i)前記液浸流体供給口を通る線と前記メニスカスピニングフィーチャを通る線、
(ii)前記メニスカスピニングフィーチャを通る線と前記ガス供給口を通る線、及び/又は
(iii)前記ガス供給口を通る線とガス回収口を通る線
から選択された少なくとも1つの線の間の間隔が、前記空間の周囲で変動する、条項1〜11のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
13.前記メニスカスピニングフィーチャは、平面図で見て、コーナーに第1の曲率半径を有する低半径部と、前記第1の曲率半径よりも高い第2の曲率半径を有する前記コーナーから離間した高半径部とを有するコーナーのある形状を有し、
前記距離の変動は、低半径部に対応する半径方向位置と高半径部に対応する半径方向位置との間で行われる、条項12に記載の流体ハンドリング構造。
14.前記距離の変動は、低半径部での拡大である、条項13に記載の流体ハンドリング構造。
15.前記距離の変動は、低半径部での縮小である、条項13に記載の流体ハンドリング構造。
16.リソグラフィ装置用の流体ハンドリング構造であって、前記流体ハンドリング構造の外側の領域に液浸液を封じ込めるように構成された空間の境界部に、
前記空間から半径方向外側への液浸流体の通過に抵抗するメニスカスピニングフィーチャと、
前記メニスカスピニングフィーチャを少なくとも部分的に囲み、前記メニスカスピニングフィーチャの半径方向外側にあるガス供給口と、
任意選択として、(a)前記ガス供給口の半径方向外側のガス回収口、及び/又は(b)前記メニスカスピニングフィーチャの半径方向内側の液浸流体供給口の一方又は両方と、
を有し、以下、すなわち、
(i)前記液浸流体供給口を通る線と前記メニスカスピニングフィーチャを通る線、
(ii)前記メニスカスピニングフィーチャを通る線と前記ガス供給口を通る線、及び/又は、
(iii)前記ガス供給口を通る線と前記ガス回収口を通る線
から選択された少なくとも1つの線の間の間隔が、前記空間の周囲で変動する、流体ハンドリング構造。
17.前記メニスカスピニングフィーチャが平面図で見て、コーナーに第1の曲率半径を有する低半径部と、前記第1の曲率半径よりも高い第2の曲率半径を有する前記コーナーから離間した高半径部とを有するコーナーのある形状を有する、条項16に記載の流体ハンドリング構造。
18.前記距離の変動は、拡大である、条項17に記載の流体ハンドリング構造。
19.前記距離の変動は、縮小である、条項17に記載の流体ハンドリング構造。
20.複数のガス供給口の各々に同じ圧力でガスを供給するように構成されたガス供給源を更に備える、条項1〜19のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
21.複数のガス回収口の各々に同じ負圧をかけるように構成されたガス回収システムを更に備える、条項1〜20のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
22.前記距離の変動は、最短距離の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、又は少なくとも50%である、条項16〜21のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
23. リソグラフィ装置用の流体ハンドリング構造であって、前記流体ハンドリング構造の外側の領域に液浸流体を封じ込めるように構成された空間の境界部に、
前記空間から半径方向外側への液浸流体の通過に抵抗するメニスカスピニングフィーチャを有し、
前記メニスカスピニングフィーチャは、平面図で見てコーナーに第1の曲率半径を有する低半径部と、前記第1の曲率半径よりも高い第2の曲率半径を有するコーナーから離間した高半径部とを有するコーナーのある形状を有し、前記低半径部の領域での流体ハンドリング構造と液浸液との接触角は、前記高半径部の領域での前記流体ハンドリング構造と液浸液との接触角よりも小さい、流体ハンドリング構造。
24.リソグラフィ装置用の流体ハンドリング構造であって、前記流体ハンドリング構造の外側の領域に液浸流体を封じ込めるように構成された空間の境界部に、
前記空間から半径方向外側への液浸流体の通過に抵抗するメニスカスピニングフィーチャを有し、
任意選択として以下から、すなわち
(a)前記メニスカスピニングフィーチャを少なくとも部分的に囲み、前記メニスカスピニングフィーチャの半径方向外側にあるガス供給口、
(b)前記ガス供給口の半径方向外側のガス回収口、及び/又は
(c)前記メニスカスピニングフィーチャの半径方向内側の液浸液供給口
から選択された少なくとも1つの開口を有し、
前記メニスカスピニングフィーチャ平面図で見てコーナーに第1の曲率半径を有する低半径部と、前記第1の曲率半径よりも高い第2の曲率半径を有するコーナーから離間した高半径部とを有するコーナーのある形状を有し、
以下から、すなわち(a)前記ガス供給口、(b)前記メニスカスピニングフィーチャ、(c)少前記ガス回収口、及び/又は(d)前記液浸液供給口
から選択された少なくとも1つの開口に、または開口から前記低半径部に対応する周辺位置よりも前記高半径部に対応する周辺位置で異なる流速で流体を供給し、及び/又は回収するように構成された流体供給及び/又は回収システムを有する、流体ハンドリング構造。
25.前記メニスカスピニングフィーチャは、線形アレイの複数の開口を設ける、条項1〜24のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
26.前記メニスカスピニングフィーチャは、単相抽出器を備える、条項1〜24のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
27.リソグラフィ装置用の流体ハンドリング構造であって、液浸流体を空間に封じ込めるように構成され、その下面に、
前記空間から半径方向外側方向への液浸流体の通過に抵抗する前記空間を少なくとも部分的に囲む複数の流体回収口と、
前記複数の流体回収口のうちの少なくとも2つの間に延在するメニスカスピニングデバイスと、
を有する、流体ハンドリング構造。
28.前記メニスカスピニングデバイスは、縁部である、条項27に記載の流体ハンドリング構造。
29.前記縁部は、前記下面の凹部の縁部である、条項28に記載の流体ハンドリング構造。
30.前記凹部は、前記複数の流体回収口の半径方向内側に延在する、条項29に記載の流体ハンドリング構造。
31.前記メニスカスピニングデバイスは、少なくとも2つの複数の流体回収口の一方の中心部から前記少なくとも2つの複数の流体回収口の他方の中央部へと延在する、条項27〜30のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
32.液浸リソグラフィ装置であって、
条項1〜31のいずれかに記載の流体ハンドリング構造を備える装置。
33.デバイス製造方法であって、
投影システムと基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターニングされた放射ビームを投影するステップと、
ガス供給口を通ってガスを前記液浸液のメニスカスの近傍位置に供給するステップと、
前記ガス供給口を通って前記ガス供給口の半径方向外側のガス回収口を通過するガスを任意選択として回収するステップと、
を含み、
前記ガス供給口、又は前記ガス回収口、又は前記ガス供給口と前記ガス回収口の両方が、前記空間の周囲で変動するメートル長さ当たりの開口面積を有する、デバイス製造方法。
34.デバイス製造方法であって、
投影システムと基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターニングされた放射ビームを投影するステップと、
ガス供給口を通ってガスを液浸液のメニスカスの近傍位置に供給するステップであって、メニスカスピニングフィーチャによって前記メニスカスの通過が抵抗されるステップと、
任意選択として(a)前記ガス供給口の半径方向外側のガス回収口を通って前記ガス供給口を通過するガスを回収するステップ、及び/又は(b)前記メニスカスピニングフィーチャの半径方向内側の液浸流体供給口を通って液浸流体を空間に供給するステップの一方及び両方を含み、以下、すなわち
(i)液浸流体供給口を通る線と前記メニスカスピニングフィーチャを通る線、
(ii)前記液浸ピニングフィーチャを通る線と前記ガス供給口を通る線、及び/又は
(iii)前記ガス供給口を通る線と前記ガス回収口を通る線
から選択された少なくとも1つの線の間の間隔が前記空間の周囲で変動する、デバイス製造方法。
35.デバイス製造方法であって、
投影システムと基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターニングされた放射ビームを投影するステップと、
ガス供給口を通ってガスを前記液浸液のメニスカスの近傍位置に供給するステップであって、メニスカスピニングフィーチャによって前記メニスカスの通過が抵抗されるステップと、
を含み、
前記メニスカスピニングフィーチャが平面図で見てコーナーに第1の曲率半径を有する低半径部と、前記第1の曲率半径よりも高い第2の曲率半径を有するコーナーから離間した高半径部とを有するコーナーのある形状を有し、
前記低半径部の領域での前記流体ハンドリング構造と液浸液との接触角は、前記高半径部の領域での前記流体ハンドリング構造と液浸液との接触角よりも小さい、デバイス製造方法。
36.デバイス製造方法であって、
投影システムと基板との間の空間にメニスカスピニングフィーチャによって閉じ込められた液浸液を通してパターニングされた放射ビームを投影するステップと、
任意選択として以下、すなわち(a)前記メニスカスピニングフィーチャの半径方向外側のガス供給口を通ってガスを供給するステップ、(b)前記ガス供給口の半径方向外側のガス回収口を通ってガス供給口を通過するガスを回収するステップ、及び/又は(c)前記メニスカスピニングフィーチャの半径方向内側の液浸流体供給口を通って前記空間に液浸流体を供給するステップから選択された1つ又は複数のステップと、
を含み、
前記メニスカスピニングフィーチャが平面図で見てコーナーに第1の曲率半径を有する低半径部と、前記第1の曲率半径よりも高い第2の曲率半径を有するコーナーから離間した高半径部とを有するコーナーのある形状を有し、
流体が、以下、すなわち(a)前記ガス供給口、(b)前記メニスカスピニングフィーチャ、(c)前記ガス回収口、及び/又は(d)前記液浸流体供給口から選択された少なくとも1つの開口に、または開口から前記高半径部に対応する周辺位置で前記低半径部に対応する周辺位置とは異なる流速で流体が供給され、及び/又は回収される、デバイス製造方法。
37.デバイス製造方法であって、
投影システムと基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターニングされた放射ビームを投影するステップと、
複数の流体回収口の少なくとも2つの間に延在するメニスカスピニングフィーチャと組み合わせて、前記空間から半径方向外側への液体のメニスカスの通過に抵抗する前記空間を少なくとも部分的に囲む複数の流体回収口を通して流体を回収するステップと、
を含むデバイス製造方法。
38.デバイス製造方法であって、
投影システムと基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターニングされた放射ビームを投影するステップと、
前記空間の周辺で変動する速度でガスを前記空間内の前記液浸液のメニスカスの近傍位置に向けるステップと、
を含むデバイス製造方法。
39.リソグラフィ装置用の流体ハンドリング構造であって、該流体ハンドリング構造の外側の領域に液浸流体を封じ込めるように構成された空間の、前記流体ハンドリング構造の下面と平行な面に少なくとも1つのコーナーを有する境界部に、
前記空間から半径方向外側への液浸流体の通過に抵抗するメニスカスピニングフィーチャと、
前記コーナーにおける前記メニスカスピニングの安定性を高めるように構成されたメニスカス安定化デバイスと、
を有する流体ハンドリング構造。

Claims (14)

  1. リソグラフィ装置用の流体ハンドリング構造であって、該流体ハンドリング構造の外側の領域に液浸流体を封じ込める空間の境界部に、
    前記空間から半径方向外側への液浸流体の通過に抵抗するメニスカスピニングフィーチャを有し、
    前記メニスカスピニングフィーチャを少なくとも部分的に囲み、前記メニスカスピニングフィーチャの半径方向外側にあるガス供給口、及び/又は、
    前記ガス供給口の半径方向外側のガス回収口、を備え、
    前記ガス供給口、前記ガス回収口、又は前記ガス供給口と前記ガス回収口の両方は、前記空間の周囲で変動する単位長さ当たりの開口面積を有する、流体ハンドリング構造。
  2. 前記変動は、開口の幅を変更することによって少なくとも部分的に達成される、請求項1に記載の流体ハンドリング構造。
  3. 前記変動は、単位長さ当たりの開口の数を変更することによって少なくとも部分的に達成される、請求項1又は2に記載の流体ハンドリング構造。
  4. 前記ガス供給口は、線形アレイの複数のガス供給口を備え、及び/又は前記ガス回収口は、線形アレイの複数のガス回収口を備える、請求項1〜3に記載の流体ハンドリング構造。
  5. 前記変動は、隣接する開口間のピッチを変更することによって、少なくとも部分的に達成される、請求項1〜4のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
  6. 前記変動は、開口列の数を変更することによって、少なくとも部分的に達成される、請求項1〜5のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
  7. 前記メニスカスピニングフィーチャの半径方向内側の液浸流体供給口を更に備え、
    (i)前記液浸流体供給口を通る線と前記メニスカスピニングフィーチャを通る線、
    (ii)前記メニスカスピニングフィーチャを通る線と前記ガス供給口を通る線、及び
    (iii)前記ガス供給口を通る線とガス回収口を通る線
    から選択された少なくとも1つの線の間の間隔が、前記空間の周囲で変動する、請求項1〜6のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
  8. 前記メニスカスピニングフィーチャは、平面図で見て、コーナーに第1の曲率半径を有する低半径部と、前記第1の曲率半径よりも高い第2の曲率半径を有する前記コーナーから離間した高半径部とを有するコーナーのある形状を有し、
    前記距離の変動は、低半径部に対応する半径方向位置と高半径部に対応する半径方向位置との間で行われる、請求項7に記載の流体ハンドリング構造。
  9. 前記距離の変動は、低半径部での拡大である、請求項8に記載の流体ハンドリング構造。
  10. 複数のガス供給口の各々に同じ圧力でガスを供給するガス供給源を更に備える、請求項1〜9のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
  11. 複数のガス回収口の各々に同じ負圧をかけるガス回収システムを更に備える、請求項1〜10のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
  12. 前記メニスカスピニングフィーチャは、単相抽出器を備える、請求項1〜11のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
  13. 液浸リソグラフィ装置であって、
    請求項1〜12のいずれかに記載の流体ハンドリング構造を備える装置。
  14. デバイス製造方法であって、
    投影システムと基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターニングされた放射ビームを投影するステップを含み、
    ガス供給口を通ってガスを前記液浸液のメニスカスの近傍位置に供給するステップ、及び/又は、
    前記ガス供給口の半径方向外側のガス回収口を通過するガスを回収するステップ、を更に含み、
    前記ガス供給口、又は前記ガス回収口、又は前記ガス供給口と前記ガス回収口の両方は、前記空間の周囲で変動する単位長さ当たりの開口面積を有する、デバイス製造方法。
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