JP5690611B2 - 樹脂粒子及び電子写真用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、新規なポリエステル樹脂よりなる樹脂粒子、及び電子写真用トナーに関する。
ポリエステル樹脂は、繊維、包装材料、繊維強化プラスチック、塗料、接着剤、電子写真現像剤など様々な分野で使用され、その使用量も膨大なものになっている。そのため、これらのポリエステル樹脂に使用される化石資源由来の原料の量や、使用後のポリエステル樹脂が焼却処理される際に発生する二酸化炭素の量も無視できないレベルに達している。
このような状況下、再生可能なバイオマス資源より得られる原料を用いたポリエステル樹脂の開発が盛んになってきている。これらバイオマス資源を使用する意義の一つは、バイオマスを用いた樹脂やそれらの樹脂組成物の焼却処理時に発生する二酸化炭素を植物が吸収してバイオマスを数年で再生する点にある。つまり、実質的に環境中の二酸化炭素量に影響を及ぼさない、いわゆるカーボンニュートラルの実現である。しかしながら、最も開発が盛んなポリ乳酸系材料は、従来のポリエステル樹脂に比べ耐水性、耐湿性、耐薬品性、機械的物性面において劣っており用途が限定されているのが現状である。
ポリエステル樹脂の用途の1つである電子写真用トナー分野においては、近年、高画質化への要求の高まりから粒度分布の狭い小径トナーが求められている。粒径の揃った小径トナーを製造する方法として転相現象を利用した製造方法が知られている(特許文献1)。この方法は、樹脂を非水溶性有機溶媒に溶解させてなる樹脂溶液に、水性分散液を添加して転相を生じさせて乳化分散させ、O/W型エマルジョンを形成し、攪拌しながらO/W型エマルジョンに熱を加えて有機溶媒を蒸発させ、樹脂粒子を析出させることにより行われるものである。この転相乳化によれば工程が単純化され、比較的簡単な操作で粒径の揃った樹脂粒子を得る事ができ、生産効率が向上することと同時にコストダウンも図れる。また、粉砕法や懸濁重合法などに比べて、使用可能な樹脂の種類も多く、得られる樹脂粒子の用途が拡大される。
また、ポリ乳酸系樹脂を原料とした転相乳化法による小粒径トナーの製造方法が知られている(特許文献2)。
また、カルボキシル基含有ポリエステル系樹脂を原料とした転相乳化法による水分散体の製造方法が知られている(特許文献3)。
特開平4‐303849号公報 特開2008‐262179号公報 特開2004‐204033号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の技術においては、D体あるいはL体の同一モノマー成分で重合したポリ乳酸は結晶性が高いため、有機溶媒への溶解性が極めて低いという問題点があった。また、上記特許文献3においては、粒度分布の狭い水分散体を得るためにはポリエステル樹脂中のカルボキシル基に対して大過剰の中和剤を必要とし、過剰中和剤の洗浄のために排水が多く発生するなど、環境への負荷が大きいのが現状であった。
そこで、本発明の目的は、再生可能な資源を原料の一部に用いることが可能な樹脂粒子および電子写真用トナーを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は、次のとおりである。
すなわち、本発明の樹脂粒子は、下記化学式[化1]、
で示される化合物(但し、式中Xは、脂肪族または芳香族であり、Yは、精製ロジン残基、不均化ロジン残基、又は水添ロジン残基であり、n=0〜1である。)がアルコール成分の必須成分であるポリエステル樹脂からなることを特徴とする。
また、本発明の樹脂粒子の好ましい実施態様において、前記樹脂粒子の体積平均粒径が、0.01〜1μmの範囲であることを特徴とする。
また、本発明の樹脂粒子の好ましい実施態様において、前記ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液に、中和剤と水性媒体とを添加して転相を生ぜしめた後、O/W型樹脂乳化粒子を形成させ、更にO/W型樹脂乳化粒子分散液から有機溶剤を除去することによって得られることを特徴とする。
また、本発明の樹脂粒子の好ましい実施態様において、前記化合物が、下記化学式[化2]、
で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する化合物(但し、式中Xは、脂肪族または芳香族であり、n=0〜1である。)のエポキシ基に、精製ロジン、不均化ロジン、水添ロジンから選ばれる1種以上を付加反応させて得られることを特徴とする。
また、本発明の樹脂粒子の好ましい実施態様において、前記化学式[化1]で示される化合物が、ポリエステル原料として20重量%以上配合されていることを特徴とする。
また、本発明の樹脂粒子の好ましい実施態様において、前記中和剤が、該ポリエステル樹脂中に含まれるカルボキシル基に対して0.8〜1.7倍当量含有することを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーは、少なくともポリエステル樹脂および着色剤から成る電子写真用トナーであって、下記化学式[化3]、
で示される化合物(但し、式中Xは、脂肪族または芳香族であり、Yは、精製ロジン残基、不均化ロジン残基、又は水添ロジン残基であり、n=0〜1である。)がアルコール成分の必須成分であるポリエステル樹脂からなる樹脂粒子を含むことを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーは、前記樹脂粒子の平均粒径が、0.01〜1μmの範囲であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの好ましい実施態様において、前記ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液に、中和剤と水性媒体とを添加して転相を生ぜしめた後、O/W型樹脂乳化粒子を形成させ、更にO/W型樹脂乳化粒子分散液から有機溶剤を除去することによって得られる樹脂粒子を含むことを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの好ましい実施態様において、前記化合物が、下記化学式[化4]、
で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する化合物(但し、式中Xは、脂肪族または芳香族であり、n=0〜1である。)のエポキシ基に、精製ロジン、不均化ロジン、水添ロジンから選ばれる1種以上を付加反応させて得られることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの好ましい実施態様において、前記化学式[化3]で示される化合物が、ポリエステル原料として20重量%以上配合されていることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの好ましい実施態様において、前記中和剤が、該ポリエステル樹脂中に含まれるカルボキシル基に対して0.8〜1.7倍当量含有することを特徴とする。
本発明によれば、環境特性に優れ、粒度分布の狭い樹脂粒子および高画質化に対応可能な粒度分布の狭い小粒径トナーを提供できるという有利な効果を奏する。また、本発明によれば、製造プロセスにおける排水が少ない等の環境特性に加えて、粒度分布の狭い樹脂粒子、トナーを提供することができるという有利な効果をする。
合成例1で得られたポリエステル樹脂のIR(赤外線吸収スペクトル)チャートを示す。 合成例1で得られたポリエステル樹脂の1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを示す。 合成例1で得られたアルコール化合物の赤外線吸収スペクトルを示す。 合成例1で得られたアルコール化合物の1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを示す。
本発明は、樹脂粒子及び樹脂粒子を含む電子写真用トナーより成る。本発明の樹脂粒子は電子写真トナーに使用できるだけでなく、例えば、該樹脂粒子の水性分散体は塗料、インキ、接着剤、コーティング等の分野におけるバインダー成分としても有用である。
最初に、本発明の樹脂粒子および電子写真用トナーに用いられるポリエステル樹脂について説明する。本発明の樹脂粒子および電子写真用トナーに用いられるポリエステル樹脂は、下記化学式[化5]、
で示される化合物(但し、式中Xは脂肪族または芳香族であり、Yは精製ロジン残基、不均化ロジン残基、又は水添ロジン残基であり、n=0〜1である。)を必須成分とすることができる。
また、本発明の好ましい実施態様において、前記[化5]に示す化合物が、1分子中に2個のエポキシ基を有する下記化合物[化6]、
で示される化合物(但し、式中Xは、脂肪族または芳香族であり、n=0〜1である。)のエポキシ基に、精製ロジン、不均化ロジン、水添ロジンから選ばれる1種以上を付加反応させることによって得ることができる。
また、本発明の樹脂粒子の好ましい実施態様において、上記[化5]で示される化合物が、ポリエステル原料として20重量%以上配合されていることを特徴とする。
本明細書中において、ロジンとは、松類から得られる天然樹脂であり、その主成分は、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマル酸、デヒドロアビエチン酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸、ジヒドロアビエチン酸等の樹脂酸及びこれらの混合物のことを意味する。ロジンは、パルプを製造する工程で副産物として得られるトール油から得られるトールロジン、生松ヤニから得られるガムロジン、松の切株から得られるウッドロジン等に大別され、本発明に用いられるロジンは、精製ロジン、不均化ロジン、水添ロジンから選ばれる1種以上である。
まず、本発明の樹脂粒子及び電子写真用トナーを構成するポリエステル樹脂の製造方法について説明する。本発明を構成するポリエステル樹脂の製造方法の一つの例は、2段反応からなり、1段目の反応で下記化合物(a)を得てから、2段目に従来と同様の方法でポリエステル樹脂を製造するものである。
まず、本発明のポリエステル樹脂の必須アルコール原料となる下記化学式(2)で示した化合物(a)([化8])について説明する。化合物(a)は、例えば、化学式(1)([化7])で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する化合物のエポキシ基に精製ロジン、不均化ロジン、水添ロジンから選ばれる1種以上を公知の触媒の存在下、窒素下、温度130〜185℃で酸価が5mgKOH/g未満まで付加反応させて得ることができる。
化学式(1)([化7])
(式中Xは、脂肪族または芳香族であり、n=0〜1である。)
化学式(2)化合物(a)([化8])
(式中Xは、脂肪族または芳香族であり、Yは、精製ロジン、不均化ロジン残基、又は水添ロジン残基であり、n=0〜1である。)
反応温度について特に限定されるものではないが、1段目の反応温度が185℃以上になるとエポキシ化合物分子内に存在する水酸基または、ロジンが反応して生成した水酸基と未反応のロジンが脱水反応を起こし、ポリエステル樹脂の原料となるアルコールが得られないおそれがあるという観点から、好ましくは、1段目の反応温度は185℃未満である。
また、反応時間を短くする観点から、好ましくは、130℃以上で反応させることができる。1段目の反応終点は、酸価で規定しているが、酸価が5mgKOH/g以上で2段目の反応に移行すると未反応のロジンが分子鎖形成を妨げる反応を起こし、目的とする分子量のポリエステル樹脂が得られないおそれがある。また化学式(1)で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する化合物の繰り返し数nが1より大きいと生成した化合物が多官能アルコールとなり、ポリエステル樹脂が分岐し粘度が高くなったり、ゲル化を起こし、目的とするポリエステル樹脂が得られないおそれがある。1段目で生成した化合物(a)の添加量については特に限定されない。耐水性や物性面においてその効果が低く、且つ環境負荷低減効果も低くなるという観点から、1段目で生成した化合物(a)は、目的とするポリエステル原料中の重量で20%以上含まれるのが好ましい。
化学式(1)([化7])で示される1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物は、特に限定はされないが、1分子中に2個のフェノール性水酸基を有するフェノール類、1分子中に2個の水酸基を有するアルコール類を、単独又は2種以上を組み合わせて、公知の方法によりエピクロルヒドリンにてエポキシ化することにより製造することができる。また、市販のエポキシ化合物を使用することもできる。市販のエポキシ化合物としては、三菱化学社製の「JER828」、旭化成ケミカルズ社製の「AER260」、DIC社製「エピクロン840、850」、東都化成社製の「エポトート128」、ダウケミカル社製の「D.E.R.317」、「D.E.R.331」、住友化学工業社製の「スミエポキシESA−011」等のビスフェノールA型エポキシ化合物、DIC社製の「エピクロン830S」、三菱化学社製の「エピコート807」、東都化成社製の「エポトートYDF−170」、旭化成ケミカルズ社製の「アラルダイトXPY306」等のビスフェノールF型エポキシ化合物、日本化薬製の「EBPS−200」、旭電化工業社製の「EPX−30」、DIC社製の「エピクロンEXA1514」等のビスフェノールS型
エポキシ化合物、大阪ガスケミカル社製の「BPFG」等のビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物、三菱化学社製の「YL−6056」、「YX−4000」等のビキシレノール型、或いはビフェニル型エポキシ化合物、又はそれらの混合物、新日本理化社製の「HBE−100」、東都化成社製の「エポトートST−2004」等の水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、DIC社製の「エピクロン152」、阪本薬品工業社製の「SR−BSP」、東都化成社製の「エポトートYDB−400」、ダウケミカル社製の「D.E.R542」、旭化成ケミカルズ社製の「AER8018」、住友化学工業社製の「スミエポキシESB−400」等の臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、新日鉄化学社製の商品名「ESN−190」、DIC社製の商品名「HP−4032」等のナフタレン骨格を有するエポキシ化合物、共栄社化学社製の商品名「エポライト400E」、「エポライト400P」、「エポライト1600」、坂本薬品工業社製の「SR−NPG」、「SR−16HL」等の脂肪族エポキシ化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
次に2段目の反応で使用するポリエステル樹脂の原料であるカルボン酸とアルコール、グリコール酸は、従来の石油から熱化学的に製造されたもの、動植物原料から生化学的に製造された、または動植物原料から生化学的に製造された化合物を熱化学的処理して製造されたものを使用できるが、環境負荷、カーボンニュートラルの点から、動植物原料から生化学的に製造された、または動植物原料から生化学的に製造された化合物を熱化学的処理して製造されたものを使用するのが好ましい。
従来の石油から熱化学的に製造されたカルボン酸類としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、5‐
tert‐ブチル‐1,3‐ベンゼンジカルボン酸及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等のような誘導体等が挙げられる。これらの中でも、特にテレフタル酸、イソフタル酸及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。テレフタル酸及びイソフタル酸は、それらの低級アルキルエステルを用いても良く、テレフタル酸及びイソフタル酸の低級アルキルエステルの例としては、例えば、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル等があるが、コスト及び取り扱い(ハンドリング)の点で、テレフタル酸ジメチルやイソフタル酸ジメチルが好ましい。
動植物原料から生化学的に製造された、または動植物原料から生化学的に製造された化合物を熱化学的処理して製造されたカルボン酸としては、セバシン酸、ダイマー酸、コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、2,5−フランジカルボン酸などが挙げられる。
これらのカルボン酸又はその低級アルキルエステルは、単独で用いられても、2種以上が併用されても良い。また、本発明の効果を損なわない範囲で、3価以上の芳香族ポリカルボン酸も更に用いることができる。3価以上の芳香族ポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用しても良い。3価以上の芳香族ポリカルボン酸としては、反応性の観点から、無水トリメリット酸が好ましい。
従来の石油から熱化学的に製造されたアルコール類としては、脂肪族アルコール及びエーテル化ジフェノールが挙げられる。脂肪族アルコールの例としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1.3−プロパンジオール、1.2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパノエート、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。脂肪族アルコールとしては、酸との反応性及び樹脂のガラス転移温度の観点から、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコールが好ましい。
動植物原料から生化学的に製造された、または動植物原料から生化学的に製造された化合物を熱化学的処理して製造されたアルコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、グリセリン、2,5−ジヒドロキシメチルフランが挙げられる。
これら脂肪族アルコールは単独で用いても、二種以上を併用しても良い。また、本発明において、脂肪族アルコールとともに、エーテル化ジフェノールを更に用いても良い。エーテル化ジフェノールとは、ビスフェノールAとアルキレンンオキサイドを付加反応させて得られるジオールであり、該アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドであり、該アルキレンオキサイドの平均付加モル数がビスフェノールAの1モルに対して2〜16モルであるものが好ましい。環境負荷、カーボンニュートラルの点から、動植物原料から生化学的に製造されたエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールの使用が好ましい。更に、本発明の効果を損なわない範囲で、3価以上のポリオールも用いることができる。3価以上のポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用しても良い。3価以上のポリオールとしては、環境負荷、カーボンニュートラルの観点から、グリセリンが好ましく、反応性の観点からはトリメチロールプロパンが好ましい。
ポリエステル原料のその他の成分として、本発明の目的を損なわない範囲で、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等の脂環族ポリカルボン酸、ヘット酸、テトラブロム無水フタル酸等の含ハロゲンジカルボン酸、乳酸、3−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシ−4−エトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸、アマニ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸等の植物から得られる脂肪酸等を用いることもできる。
本発明を構成するポリエステル樹脂は、前記化合物(a)と所定のカルボン酸成分、アルコール成分を原料として、公知慣用の製造方法によって調製される。その反応方法としては、エステル交換反応又は直接エステル化反応の何れも適用可能である。また、加圧して反応温度を高くする方法、減圧法又は常圧下で不活性ガスを流す方法によって重縮合を促進することもできる。2段目の反応は、無触媒でも良いし、アンチモン、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム及びマンガンより選ばれる少なくとも1種の金属化合物等、公知慣用の反応触媒を用いて、反応を促進しても良い。これら反応触媒の添加量は、カルボン酸成分とアルコール成分の総量100重量部に対して、0.01〜1.0重量部が好ましい。
上記以外の本発明を構成するポリエステル樹脂の製造方法として、別装置で製造した前記化合物(a)を移送して、上記2段目で使用する原料類と共に1段反応で反応させる方法、あるいは製造した前記化合物(a)をタンク等の保管設備に保管しておき、必要量を移送して上記2段目で使用する原料類と共に1段反応で反応させる方法をとることもできる。
本発明に用いることが可能なポリエステル樹脂の好ましい軟化点は90℃〜160℃である。より一層好ましくは100〜150℃である。軟化温度が90℃未満では、樹脂の凝集力が極端に低下する傾向があり、一方、160℃を超えるとその樹脂を使用したトナーの溶融流動及び低温定着性が低下する傾向がある。
電子写真用トナーに望まれる基本的な性能として定着性と耐オフセット性がある。これらの相矛盾する性能を両立させる1つの手法は、原料となるトナー用ポリエステル樹脂として軟化点の異なる2種類以上のポリエステル樹脂を混合して用いることである。本発明においても得られるトナーの定着性と耐オフセット性を両立させるために軟化点の異なる2種類以上のポリエステル樹脂を混合して用いるのは好ましい態様の1つである。
本発明を構成するポリエステル樹脂は、示差走査熱量計(DSC)によって測定されるガラス転移温度(Tg)が45〜80℃であり、更に好ましくは50〜75℃である。Tgが45℃を下回る場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下して、トナーが凝集を起こすことがある。また、Tgが80℃を超える場合には、低温定着性が低下する傾向がある。
本発明に用いるポリエステル樹脂には水への親和性を高めるためにイオン性官能基を導入する必要がある。イオン性官能基としてはカルボキシル基、スルホニル基等があげられる。これらのイオン性官能基の導入する方法には特に制限はなく、従来公知の方法により導入できる。例えば、本発明に用いるポリエステル樹脂の原料中のカルボキシル基総量に対するヒドロキシル基総量の比率を調整してカルボキシル基を導入する方法、ポリエステル樹脂の合成中あるいは合成後に無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水コハク酸等の酸無水物を添加してカルボキシル基を導入する方法、5−スルホイソフタル酸等のスルホニル基を有する化合物の金属塩を原料の一部とする方法等をあげることができる。
上記ポリエステル樹脂は、水への分散性から、酸価が3〜30mgKOH/gであることが好ましい。更に好ましくは5〜20mgKOH/gである。上記酸価が3mgKOH/g未満では水への分散性が低下するおそれがある。また、酸価が30mgKOH/gを超えると、得られる樹脂粒子あるいは電子写真用トナーの耐久性が劣るおそれがある。
本発明の樹脂粒子及び電子写真用トナーは、常法により公知慣用の任意の手段によって得ることができる。例えば、樹脂粒子の場合には、樹脂と必要に応じて各種添加剤を樹脂の融点(軟化点)以上で溶融混練した後、粉砕し、分級することにより得ることができる。また、例えば、電子写真用トナーの場合には、樹脂と着色剤と必要に応じて各種添加剤を樹脂の融点(軟化点)以上で溶融混練した後、粉砕し、分級することにより得ることができる。しかしながら、本発明の課題の一部である粒径分布の狭い小粒径トナーを得るためには、後述する転相現象を利用した手段を利用することが望ましい。
本発明の樹脂粒子は、上述したような、上記化学式[化1]で示される化合物(但し、式中Xは、脂肪族または芳香族であり、Yは、精製ロジン残基、不均化ロジン残基、又は水添ロジン残基であり、n=0〜1である。)がアルコール成分の必須成分であるポリエステル樹脂からなることを特徴とする。
また、本発明の樹脂粒子の好ましい実施態様において、前記樹脂粒子の平均粒径が、0.01〜1μmであることが好ましく、より好ましくは、0.03〜0.5μmの範囲であることを特徴とする。前記平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られる電子写真用トナーの粒径分布が広くなったり、樹脂粒子分散体の保存時に沈殿物が発生するなど保存安定性が悪化する虞がある。また、前記平均粒径が0.01μm未満では、樹脂粒子分散体が高粘度になり、固形分濃度を低くしなければならず、作業性が低下する虞がある。
本発明の樹脂粒子は、好ましい実施態様において、上記ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液に、中和剤と水性媒体とを添加して転相を生ぜしめた後、O/W型樹脂乳化粒子を形成させ、更にO/W型樹脂乳化粒子分散液から有機溶剤を除去することによって得ることができる。
本発明において、ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解する際の固形分濃度は30重量%以上80重量%以下であることが好ましい。より好ましくは45重量%〜70重量%である。30重量%より低いと、有機溶剤を多く使用するために、コスト的、環境的側面から好ましくない。固形分濃度が80重量%を超すと溶液の粘度が高まり、攪拌性が低下するため好ましくない。
本発明のポリエステル樹脂を溶解する際に用いる溶剤としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,3−オキソラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、などを用いることができる。樹脂粒子分散液から有機溶剤を短時間で除去するという観点から、特にメチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、イソプロピルアルコールのような沸点が100℃以下である溶媒が好ましい。これらの溶剤は2種以上を使用してもよい。
本発明において カルボキシル基を有するポリエステル樹脂を用いて水に分散した樹脂粒子を得る際、塩基性化合物によってカルボキシル基が中和されることが望ましく、その添加時期は、該ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解してから、水を加えて転相させるまでの間が望ましい。溶解時にポリエステル樹脂と有機溶剤と塩基性化合物を共存させると、溶解に時間を要するため好ましくない。また、転相後の塩基性物質の添加は、水を加えた転相後に塩基性物質を加えても粒子形成には寄与しないため好ましくない。
中和剤として使用できる塩基性物質として、アンモニア、トリエチルアミンなどのアミン化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基類などを用いることができる。
上記塩基性物質の使用量としては、ポリエステル樹脂中に含まれるカルボキシル基の量に対して、0.8〜1.7倍当量が好ましく、1.0〜1.5倍当量がより好ましい。0.8倍当量より低いと、樹脂に十分な親水性を付与できず、水分散化工程において沈殿を引き起こす可能性がある。また、1.7倍当量を超すと、粒度分布が広くなる傾向にある。
本発明の樹脂粒子の水分散体は、溶剤に溶解したポリエステル樹脂に上記塩基性物質を添加して中和した後、水を添加して転相させることにより得られる。転相時の内温は室温以上、有機溶剤または塩基性化合物の沸点以下が望ましい。
本発明の樹脂粒子の水分散体は、中和、転相の後、溶剤を除去することが好ましい。有機溶剤の除去は加熱、減圧など一般的な手法により行うことができる。本発明の樹脂粒子の水分散体の残存有機溶剤量は、分散体としての安定性を保持するという観点から、2%以下であることが望ましい。さらに好ましくは1%以下である。除去した有機溶剤は、再度樹脂の溶解に使用することができる。
次に、本発明の電子写真用トナーを説明する。本発明の電子写真用トナーは、本発明の樹脂粒子を含有する電子写真用トナーであり、本発明の樹脂粒子をそのまま用いてなる電子写真用トナーを挙げることができる。また、トナーサイズより小さい粒径の樹脂粒子が分散した分散体を得ることができるので、必要に応じて別途製造した他の樹脂粒子が分散した分散体と混合し、得られた分散体の温度、pH、電解質濃度などの条件を適宜制御することにより分散体中の樹脂粒子を会合させてトナーサイズの粒子とした後、粒子を分離し、乾燥して得られる樹脂粒子を用いてなる電子写真用トナーが挙げられる。
本発明の電子写真用トナーは、少なくともポリエステル樹脂および着色剤から成る電子写真用トナーであって、上記化学式[化3]で示される化合物(但し、式中Xは、脂肪族または芳香族であり、Yは、精製ロジン残基、不均化ロジン残基、又は水添ロジン残基であり、n=0〜1である。)がアルコール成分の必須成分であるポリエステル樹脂からなる樹脂粒子を含むことを特徴とする。したがって、基本的に、上述した本発明の樹脂粒子の説明を、以下の本発明の電子用トナーに適用することが可能である。
また、本発明の電子写真用トナーは、前記樹脂粒子の平均粒径が、0.01〜1μmの範囲であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの好ましい実施態様において、前記ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液に、中和剤と水性媒体とを添加して転相を生ぜしめた後、O/W型樹脂乳化粒子を形成させ、更にO/W型樹脂乳化粒子分散液から有機溶剤を除去することによって得られる樹脂粒子を含むことを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの好ましい実施態様において、前記化合物が、上記化学式[化4]で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する化合物(但し、式中Xは、脂肪族または芳香族であり、n=0〜1である。)のエポキシ基に、精製ロジン、不均化ロジン、水添ロジンから選ばれる1種以上を付加反応させて得られることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの好ましい実施態様において、前記化学式[化3]で示される化合物が、ポリエステル原料として20重量%以上配合されていることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの好ましい実施態様において、前記中和剤が、該ポリエステル樹脂中に含まれるカルボキシル基に対して0.8〜1.7倍当量含有することを特徴とする。
分散体中の樹脂粒子を会合させる方法について更に詳しく述べると、本発明の樹脂粒子が水性媒体中に分散した分散体を別途調製した着色剤の水性分散体もしくは別途調製した着色樹脂粒子の水性分散体と混合し、逆中和剤の添加などにより樹脂粒子の表面電位を低下させて分散している樹脂粒子と着色剤粒子もしくは着色樹脂粒子を会合させて、より大きな平均粒径を有する着色樹脂粒子の分散体とし、次いで粒子の分離を行った後、乾燥することにより得ることができる。この場合、前記着色剤と共にワックス等の添加剤、磁性粉、電荷制御剤等を併用することもでき、添加剤、磁性粉、電荷制御剤等を含有した樹脂粒子の水性分散体を添加して会合させることもできる。
更に、本発明の態様の1つとして、本発明のポリエステル樹脂を有機溶媒に溶解する際に、着色剤および/または他の添加剤を同時にあるいは工程上の任意の時点で添加し、溶解もしくは分散させる方法をとることもできる。
また、有機溶剤の除去は、樹脂粒子と着色剤粒子若しくは着色樹脂粒子の会合を行った後に行ってもよい。ここで用いる各分散体中の微粒子の平均粒径は、保存性や作業性という観点から、好ましくは、0.01〜1μm、より好ましくは、0.03〜0.5μmであり、会合後の着色樹脂粒子(トナー粒子)の平均粒径は、画像品質という観点から、好ましくは3〜15μm、より好ましくは4〜10μmである。
樹脂粒子や着色剤粒子等を会合させる方法として、樹脂粒子や着色剤粒子等が存在している水系分散体中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を添加した後の分散体を加熱する方法があげられる。
ここで用いられる塩析剤として、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム等の、塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等があげられる。
濾過・洗浄工程は、上記の工程で得られたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子から残存する界面活性剤や塩析剤などを除去する洗浄処理とを行う工程である。ここで、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法などをあげることができるが、これらに限定はされない。
乾燥工程において、使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などをあげることができるが、これらに限定はされない。乾燥されたトナー粒子同士が凝集している場合には、当該凝集体をジェットミル、ヘンシェルミキサー等の解砕装置により解砕することもできる。
別途調製した着色剤の水性分散体もしくは別途調製した着色樹脂粒子の水性分散体として、例えば、界面活性剤などを用いて着色剤を乳化処理した水性分散体、着色剤と樹脂を加熱溶融したのち、分散剤を含有する水中に分散した水性分散体、着色剤を分散させた樹脂を有機溶剤に溶解させた後、水を加えて転相乳化した水性分散体等があげられる。
本発明の電子写真用トナーにおいては従来より知られている着色剤が何れも使用可能である。これらの着色剤の例としては、黒用着色剤として、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、鉄黒等が、またカラー用着色剤として、フタロシアニン系、ローダミン系、キナクリドン系、トリアリルメタン系、アントラキノン系、アゾ系、ジアゾ系、メチン系、アリルアミド系、チオインジゴ系、ナフトール系、イソインドリノン系、ジケトピロロピロール系、ベンズイミダゾロン系等の各種染顔料化合物、これらの金属錯化合物、レーキ化合物等が挙げられる。これらは単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の電子写真用トナーには、正又は負の電荷制御剤が必要に応じ添加されても良い。電荷制御剤の代表的な例として、黒トナーにおいては、正帯電性トナー用にはニグロシン、負帯電性トナー用にはモノアゾ染料金属塩等が挙げられる。フルカラートナーにおいては、正帯電性トナー用には四級アンモニウム塩類、イミダゾール金属錯体類、負帯電性トナー用にはサリチル酸金属錯体類、有機ホウ素塩類等が挙げられる。
本発明の電子写真用トナーには、離型剤が添加されても良い。このような離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成ワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、蜜蝋等の天然ワックス等が挙げられる。
また、本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、必要に応じ磁性粉体が内添され、磁性トナーとされても良い。これらトナーに内添される磁性粉体としては、従来磁性トナーの製造において使用されている強磁性の元素を含む合金、酸化物、化合物等の粉体の何れのものも用いることができる。これら磁性粉体の例としては、マグネタイト、マグへマイト、フェライト等の磁性酸化鉄又は二価金属と酸化鉄との化合物、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金の粉体、及びこれら粉体の混合物が挙げられる。
本発明の電子写真用トナーは、キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることができる。本発明のトナーとともに用いることのできるキャリアとしては、従来公知のキャリアが何れも使用できる。使用することができるキャリアとしては、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のような磁性粉体やガラスビーズ等が挙げられる。これらのキャリア粒子は、必要に応じ、表面を樹脂等で被覆処理したものであっても良い。キャリア表面を被覆する樹脂としては、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、フッ素含有樹脂、シリコン含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。これらの中では、スペントトナーの形成が少ないため、フッ素含有樹脂、シリコン含有樹脂が特に好ましいものである。
本発明の電子写真用トナーには、流動性改良等を目的とした外添剤が添加されても良い。これら外添剤の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機微粒子、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂微粒子、乳化重合で製造されたアクリル樹脂、スチレン-アクリル樹脂の微粒子が挙げられる。
本発明の電子写真用トナーにおけるトナー粒子の平均粒径は3〜15μmであることが好ましく、画像品質の観点からは、トナー粒子の平均粒径が4〜10μmであることがより一層好ましい。なお、トナー粒子の平均粒径及び粒度分布測定は、例えば、コールターカウンターを用いて行うことができる。
ここで、トナー特性について述べる。 本発明の実施態様において、トナーの平均粒径は、3〜15μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。粒径が小さすぎると製造性が不安定になるばかりでなく、内包構造制御が難しく、帯電性が不十分になり、現像性が低下することがあり、大きすぎると画像の解像性が低下する。
また、本発明の実施態様において、トナーは体積平均粒度分布指標GSDvが1.30以下であることが好ましい。また、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比(GSDv/GSDp)が、0.95以上であることが好ましい。体積分布指標GSDvが1.30を超えた場合には、画像の解像性が低下する場合があり、また、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpの比(GSDv/GSDp)が0.95未満の場合、トナーの帯電性低下やトナーの飛散、カブリ等のが発生し画像欠陥を招く場合がある。
なお、本発明の実施態様において、トナーの平均粒径や、上記した体積平均粒度分布指標GSDv、数平均粒度分布指標GSDpの値は、次のようにして測定し算出した。まず、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)測定機を用いて測定されたトナーの粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のトナー粒子の体積及び数について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、体積平均粒子径D16v、及び、数平均粒子径D16pと定義し、累積50%となる粒径を、体積平均粒子径D50v、及び、数平均粒子径D50pと定義する。同様に、累積84%となる粒径を、体積平均粒子径D84v、及び、数平均粒子径D84pと定義する。この際、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、D84v/D16vとして定義され、数平均粒度指標(GSDp)は、D84p/D16pとして定義される。これらの関係式を用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)及び数平均粒度指標(GSDp)を算出できる。
本発明の電子写真用トナーは、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の従来公知の電子写真、静電記録あるいは静電印刷法等により形成された静電荷像を現像するための何れの現像方法あるいは現像装置に対しても適用できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何等制限されるものではない。なお、以下においては、部数は全て重量部を表す。
以下の実施例及び比較例における樹脂の酸価、ガラス転移温度(Tg)、軟化温度(Tm)は以下のとおりのものである。
(酸価)
酸価は、試料1g中に含まれる酸基を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度は、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC−6220)を用いて、昇温速度20℃/分で測定した時のTg以下のベースラインの延長線と、Tg近傍の吸熱カーブの接線の交点の温度をいう。
(軟化温度)
軟化温度は、高化式フローテスター(島津製作所社製CFT−500D)を用いて、測定条件を荷重30kg、ノズルの直径1mm、ノズルの長さ10mm、予備加熱80℃で5分間、昇温速度3℃/分とし、サンプル量1gとして測定した時、フローテスターのプランジャー降下量が4mmのときの温度をいう。
(バイオマス由来原料含有量)
バイオマス由来原料含有量は、以下の式より算出した。
バイオマス由来原料含有量=
(バイオマス成分仕込量)×100/(総仕込量−理論脱水量)
ただし、バイオマス成分仕込量は以下のように算出する。すなわち、バイオマス成分が酸の場合はその分子量よりOH相当分の分子量である17.01を、バイオマス成分がアルコールの場合にはH相当分の分子量である1.01をそれぞれ引いた値にモル数を掛けて算出した。
(樹脂粒子の粒径及び粒度分布測定法)
レーザ回折式粒度分布測定装置(LA−700 堀場製作所製)を用いて測定した。分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mLにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待ってセル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径(メジアン径)とした。粒度分布の広さの目安としてのスパンは、90%径から10%径の値を引き、メジアン径で割った数字を用いた。
(トナー粒子の粒径及び粒度分布測定法)
コールターマルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100ml中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザー−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求めた。測定する粒子数は50,000であった。また、トナーの粒度分布は以下の方法により求めた。測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積16%となる累積個数粒径をD16pと定義し、累積50%となる累積体積粒径をD50vと定義する。さらに累積84%となる累積個数粒径をD84pと定義する。本発明における体積平均粒径は該D50vであり、小径側個数平均粒度指標下GSDpは以下の式によって算出した。
式:下GSDp={(D84p)/(D16p)}0.5
(樹脂粒子分散液中の残存有機溶媒含有率)
ガスクロマトグラフ(GC−9A 島津製作所製)、充填カラム(G−300 化学物質評価研究機構)、インジェクション温度150℃、ディテクター温度150℃、内部標準物質として1−アセトキシ−2−メトキシエタンを用い、樹脂粒子分散体をイオン交換水で希釈したものを直接導入して、有機溶媒濃度を求めた。
(保存安定性)
樹脂粒子分散体を室温で90日放置し、沈殿物の発生の有無で保存安定性を判断した。
○:沈殿物なし、△:沈殿物わずかに見られる、×:沈殿物明らかに見られる
(ポリエステル樹脂の製造 A−1)
化合物(a)のエポキシ樹脂としてビスフェノールA型樹脂1175gと不均化ロジン(酸価156mgKOH/g、バイオマス由来)2281g及び反応触媒としてトリフェニルホスフィン1.7gを撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら180℃で5時間反応させ、酸価が5mgKOH/g未満に達したことを確認し化合物(a)を得た。反応式については以下の通りである。すなわち、下記[化9]に示すように、まずビスフェノールA型エポキシ樹脂と不均化ロジンを反応させ、化合物(a)を合成した。
次いでエチレングリコール(バイオマス由来)382g、テレフタル酸1481gを仕込み、反応温度250℃で14時間重縮合反応させ、所定の酸価に達したところで反応を終了し、ポリエステル樹脂(A−1)を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示す。反応式については、以下の通りである。すなわち、下記[化10]に示すように、化合物(a)をポリエステル原料のアルコール成分として、従来どおりの反応を行った。
(ポリエステル樹脂の製造 A−2)
化合物(a)のエポキシ樹脂としてビスフェノールA型樹脂1095gと不均化ロジン(酸価156mgKOH/g、バイオマス由来)2023g及び反応触媒としてトリフェニルホスフィン1.6gを撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら180℃で5時間反応させ、酸価が5mgKOH/g未満に達したことを確認し化合物(a)を得た。
次いで1,3−プロパンジオール(バイオマス由来)624g、テレフタル酸802g、イソフタル酸802gを仕込み、反応温度250℃で10時間重縮合反応させ、所定の酸価に達したところで反応を終了し、ポリエステル樹脂(A−2)を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示す。
(ポリエステル樹脂の製造 A−3)
化合物(a)のエポキシ樹脂としてビスフェノールA型樹脂1284gと不均化ロジン(酸価156mgKOH/g、バイオマス由来)2373g及び反応触媒としてトリフェニルホスフィン1.8gを撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら180℃で5時間反応させ、酸価が5mgKOH/g未満に達したことを確認し化合物(a)を得た。
次いで1,2−プロパンジオール(バイオマス由来)282g、イソフタル酸923g、ダイマー酸(酸価193mgKOH/g、バイオマス由来)359gを仕込み、反応温度250℃で15時間重縮合反応させ、所定の酸価に達したところで反応を終了し、ポリエステル樹脂(A−3)を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示す。
(ポリエステル樹脂の製造 B−1)
ポリエステル樹脂原料アルコール成分としてエチレングリコール590g、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物2530g、原料酸成分としてテレフタル酸1308g、イソフタル酸700g、無水トリメリット酸378g及び反応触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート1.7gを撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら250℃で12時間重縮合反応させ、所定の酸価に達したところで反応を終了し、ポリエステル樹脂(B−1)を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示す。
(ポリエステル樹脂の製造 B−2)
ポリエステル樹脂原料アルコール成分としてエチレングリコール1082g、1,3−プロパンジオール813g、原料酸成分としてテレフタル酸3966g及び反応触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート1.7gを撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら250℃で14時間重縮合反応させ、所定の酸価に達したところで反応を終了し、ポリエステル樹脂(B−2)を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示す。
(ポリエステル樹脂の製造 B−3)
ポリエステル樹脂原料アルコール成分としてエチレングリコール562g、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物2435g、原料酸成分としてテレフタル酸1023g、イソフタル酸1535g及び反応触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート1.7gを撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら250℃で13時間重縮合反応させ、所定の酸価に達したところで反応を終了し、ポリエステル樹脂(B−3)を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示す。
(実施例 1)
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた容器に、粗粉砕したポリエステル樹脂(A−1)70重量部、粗粉砕したポリエステル樹脂(A−2)30重量部を投入した後、メチルエチルケトン60重量部とイソプロピルアルコール20重量部を添加した。窒素を送気し、系内の雰囲気を窒素で置換した。次いで、系内を攪拌しながら、60℃に加熱しポリエステル樹脂を溶解した。これに中和剤として、10%アンモニア水2.58重量部を添加した後、定量ポンプを用い、攪拌しながらイオン交換水240重量部を4.8g/分の速度で投入した。乳化系内が乳白色を呈し、且つ攪拌粘度が低下した時点を乳化終了とした。
次いで、反応容器に真空ポンプによる減圧装置を具備し、反応槽内壁温度50℃、反応槽6kPa[abs]の減圧下で攪拌し、樹脂粒子分散液中の残溶媒総量が1000ppm未満になった時点を終点とし、反応槽内圧を常圧にして攪拌しながら常温まで冷却した。得られた樹脂粒子分散液(1)の特性値を表2に示す。
(実施例 2〜6)
表2に示す配合割合とすることを除き、実施例1と同様にして樹脂粒子分散液(2)〜(6)を作成した。得られた樹脂粒子分散液の特性値を表2に示す。
(比較例 1〜6)
表3に示す配合割合とすることを除き、比較例1と同様にして樹脂粒子分散液(7)〜(12)を作成した。得られた樹脂粒子分散液の特性値を表3に示す。
表2及び表3の結果から、本発明の樹脂を用いた樹脂粒子分散液はスパンが0.8〜1.2の間であり、粒度分布が狭い。また、その分散液は保存性がよく、アンモニア水量が少量でも粒度分布の均一な分散液を得られる事がわかる。
(ワックス分散液の調製)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオゲンSC;第一工業製薬製)25部を溶解した蒸留水1000部に、パラフィンワックス(HNP0190;日本精蝋社製)268部を加えて乳化分散させ、ワックス分散液を得た。
(着色剤粒子分散液)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオゲンSC;第一工業製薬製)56部を溶解した蒸留水1000部に、着色剤粒子としてカーボンブラック(リーガル330R;キャボット社製)139部を加えて分散させ、着色剤粒子分散液を得た。
(実施例7)
(トナーの製造)
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた容器に、樹脂粒子分散液(1)を100重量部(固形分換算)、着色剤分散液を39重量部、ワックス分散液を23重量部を入れ、内温を30℃に調整した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pHを11.0に調整した。次いで、1.2重量%の塩化マグネシウム6水和物水溶液240部を、攪拌しながら添加した。添加後、90℃まで昇温し、3時間保持した。生成した粒子を濾過した。得られたケーキを洗浄水が中性を示すまでイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の熱風乾燥機で乾燥することによりトナー粒子(1)を得た。トナー粒子(1)の体積平均粒径は5.8μm、体積平均粒度分布指標GSDVは1.21であった。
(実施例8)
(ポリエステル樹脂 A−4)新規ポリエステル樹脂及び比較例用樹脂合成例
化合物(a)のエポキシ樹脂としてビスフェノールA型樹脂1316gと不均化ロジン(酸価156mgKOH/g、バイオマス由来)2506g及び反応触媒としてトリフェニルホスフィン1.9gを撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら180℃で5時間反応させ、酸価が5mgKOH/g未満に達したことを確認し化合物(a)を得た。反応式については以下の通りである。すなわち、下記[化11]に示すように、まずビスフェノールA型エポキシ樹脂と不均化ロジンを反応させ、化合物(a)を合成した。
次いでエチレングリコール(バイオマス由来)273g、テレフタル酸1157gを仕込み、反応温度250℃で14時間重縮合反応させ、所定の酸価に達したところで反応を終了し、ポリエステル樹脂(A−4)(合成配合については、表1を参照。)を得た。反応式については、以下の通りである。すなわち、下記[化12]に示すように、化合物(a)をポリエステル原料のアルコール成分として、従来どおりの反応を行った。
(ポリエステル樹脂 A―5及びA−6)
表4は、合成配合を示す。表の数値は、重量部を示す。
表4に示す配合割合とすることを除き、合成例1と同様にして、ポリエステル樹脂(A−5)、(A−6:参照例)を合成した。
(ポリエステル樹脂 B−4)比較用ポリエステル樹脂合成例
ポリエステル樹脂のアルコール成分としてネオペンチルグリコール813g、エチレングリコール1082g、酸成分としてテレフタル酸3966g及び反応触媒としてテトラ-n-ブチルチタネート4.7gを撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら250℃で16時間重縮合反応させ、所定の酸価に達したところで反応を終了し、ポリエステル樹脂(B−4)を得た。
(ポリエステル樹脂 B−5)
表4に示す配合割合とすることを除き、合成例3と同様にして、ポリエステル樹脂(B−5)を合成した。
表4には、合成配合に加え、化合物(a)の割合、終点酸価、水酸基当量を示した。バイオマス含有量は、以下の式より算出した。
バイオマス由来原料含有量=
(バイオマス成分仕込量)×100/(総仕込量−理論脱水量)
ただし、バイオマス成分仕込量は以下のように算出する。すなわち、バイオマス成分が酸の場合はその分子量よりOH相当分の分子量である17.01を、バイオマス成分がアルコールの場合にはH相当分の分子量である1.01をそれぞれ引いた値にモル数を掛けて算出した。

Claims (12)

  1. 下記化学式[化1]、
    で示される化合物(但し、式中Xは、脂肪族または芳香族であり、Yは、精製ロジン残基、不均化ロジン残基、又は水添ロジン残基であり、n=0〜1である。)がアルコール成分の必須成分であるポリエステル樹脂からなる樹脂粒子。
  2. 前記樹脂粒子の平均粒径が、0.01〜1μmの範囲である請求項1記載の樹脂粒子。
  3. 前記ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液に、中和剤と水性媒体とを添加して転相を生ぜしめた後、O/W型樹脂乳化粒子を形成させ、更にO/W型樹脂乳化粒子分散液から有機溶剤を除去することによって得られることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂粒子。
  4. 前記化合物が、下記化学式[化2]、
    で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する化合物(但し、式中Xは、脂肪族または芳香族であり、n=0〜1である。)のエポキシ基に、精製ロジン、不均化ロジン、水添ロジンから選ばれる1種以上を付加反応させて得られることを特徴とする請求項1〜3項のいずれか1項に記載の樹脂粒子。
  5. 前記化学式[化1]で示される化合物が、ポリエステル原料として20重量%以上配合されていることを特徴とする請求項1〜4項のいずれか1項に記載の樹脂粒子。
  6. 前記中和剤が、該ポリエステル樹脂中に含まれるカルボキシル基に対して0.8〜1.7倍当量含有することを特徴とする請求項3〜5項のいずれか1項に記載の樹脂粒子。
  7. 少なくともポリエステル樹脂および着色剤から成る電子写真用トナーであって、下記化学式[化3]、
    で示される化合物(但し、式中Xは、脂肪族または芳香族であり、Yは、精製ロジン残基、不均化ロジン残基、又は水添ロジン残基であり、n=0〜1である。)がアルコール成分の必須成分であるポリエステル樹脂からなる樹脂粒子を含むことを特徴とする電子写真用トナー。
  8. 前記樹脂粒子の平均粒径が、0.01〜1μmの範囲である請求項7記載の電子写真用トナー。
  9. 前記ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液に、中和剤と水性媒体とを添加して転相を生ぜしめた後、O/W型樹脂乳化粒子を形成させ、更にO/W型樹脂乳化粒子分散液から有機溶剤を除去することによって得られる樹脂粒子を含むことを特徴とする請求項7又は8項に記載の電子写真用トナー。
  10. 前記化合物が、下記化学式[化4]、
    で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する化合物(但し、式中Xは、脂肪族または芳香族であり、n=0〜1である。)のエポキシ基に、精製ロジン、不均化ロジン、水添ロジンから選ばれる1種以上を付加反応させて得られることを特徴とする請求項7〜9項のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
  11. 前記化学式[化3]で示される化合物が、ポリエステル原料として20重量%以上配合されていることを特徴とする請求項7〜10項のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
  12. 前記中和剤が、該ポリエステル樹脂中に含まれるカルボキシル基に対して0.8〜1.7倍当量含有することを特徴とする請求項9〜11項のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
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