JP5688055B2 - 回転電気機械 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電動自動二輪車その他電動車両や各種電気機械における駆動源用の電動モータとして好適に用いられる回転電気機械に関する。
従来、例えば電動自動二輪車その他電動車両用の駆動源に用いられる電動モータ、あるいはDVD等の各種電気製品における駆動源に用いられる電動モータとして、永久磁石を備え回転軸を中心に回転する回転子と、その回転子に対してその半径方向に間隙を隔てて配置された、固定子巻線を備えた固定子とを備えた回転電気機械が広く知られている。
ところで、近年、電動自動二輪車その他の車両の駆動源用電動モータとして、小型かつ高性能なものが求められている。この種の電動モータにおいて、高トルク低速回転領域から低トルク高速回転領域までの運転可能領域が広ければ、内燃機関の車両で通常必要とされる変速機を用いることなく、走行に必要な駆動力を得ることが可能である。
しかしながら、電動モータは、その特性上、低速度領域では高いトルクを発生することができるものの、高速度領域では回転速度の上限が制限されるという特性がある。即ち、電動モータにおいては、その回転数が低い領域では高いトルクを発生することができるものの、回転数が上昇すると回転子に設けられた永久磁石の磁束によって固定子に配置された固定子巻線に生じる誘起電圧(逆起電力)が増加する。そして、回転速度が上昇してある速度に達すると、固定子巻線に誘起される誘起電圧が電動モータの印加電圧と等しくなり、固定子巻線に電流を流せなくなって、それ以上回転数を上げることができなくなる。この問題を解決するために、たとえば弱め界磁制御を行って誘起電圧を低減することが行われている。
この弱め界磁制御は、前記誘起電圧を打ち消すための電流を固定子巻線に供給するものである。従って、外部から電力を供給できる状況で用いられる電動モータであれば、消費電力の増大が駆動可能時間の短縮をもたらすことはない。しかし、例えば電動自動二輪車のように、外部からの電力供給がなされず、バッテリーに蓄積された電力のみで駆動される電動モータを備えたものにあっては、そのバッテリー容量が有限である。そのため、固定子巻線に誘起される誘起電圧を打ち消すための電流を別途供給するとその分消費電力が増大し、それだけ駆動可能時間が短縮してしまう。従って、できるだけ消費電力を減らしたいという要請がある。
そこで、本発明者は、新たな電力消費を招く弱め界磁制御に代わる方法として、固定子の構造を工夫する方法を提案した。即ち、固定子における巻線が配置される歯部を少なくとも2つの歯部に分割し、その分割された2つの歯部を相対移動可能として、その相対移動によって磁束の流れを変えて高速回転時に固定子巻線に鎖交する、回転子に設けられた永久磁石の磁束の影響を減少させることを提案した。この提案によれば、高速回転時には固定子巻線の磁束鎖交数を物理的手段によって調整することができるので、弱め界磁制御の際に必要な電力を低減ないしは不要とすることができ、ひいては電力損失を低減することができる回転電気機械を提供することができた。
ところで、この種の回転電気機械においても、高トルク低速回転領域から低トルク高速回転領域までの運転可能領域をより一層拡大することが望まれていた。
特開2006−191782号公報
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、高トルク低回転速度から低トルク高回転速度に至る運転可能領域をより一層拡大することができる回転電気機械を提供することを目的とするものである。
本発明は、他の側面によると、回転子の永久磁石として強力な永久磁石を用いた場合であっても、高トルク低回転速度から低トルク高回転速度に至る運転可能領域を拡大することができ、かつ永久磁石に生ずるジュール損の発生を抑制することができる、いわゆるラジアルギャップ型回転電気機械を提供することを目的とするものである。
更に、この発明のその他の目的及び利点は、以下の好ましい実施形態から明らかになるであろう。
以下に、本発明に係る回転電気機械の構成について説明する。
本発明に係る回転電気機械は、回転子本体の外周縁部に複数の永久磁石が配置された回転子と、前記回転子本体の半径方向外側に配置された固定子とを備えている。
前記固定子は、周方向に所定間隔に配置された複数の歯部と、前記複数の歯部の外側に配置された固定子ヨーク部と、前記固定子ヨーク部と前記各歯部とで構成される固定子磁路を機械的に変更して該固定子磁路の磁気抵抗を変更する磁気抵抗変更機構とを備えている。
前記各歯部は、その回転子側端部における前記周方向の両側に側方突出状に延出した一対の側方突出部を有している。
周方向に隣り合う一対の歯部における隣り合う一対の側方突出部の間隙で形成される磁路の磁気抵抗が、a)前記磁気抵抗変更機構が、前記固定磁路の磁気抵抗値を最小値またはその近傍値となるように前記固定子磁路を変更した第一状態において、隣り合う一対の永久磁石における一方の永久磁石から出た磁束が他方の永久磁石に至る主たる磁路が、前記一対の永久磁石に対応する隣り合う一対の歯部および前記固定子ヨーク部を主として経由する磁路で形成される一方、b)前記磁気抵抗変更機構が、前記固定子磁路の磁気抵抗値を最大値またはその近傍値となるように前記固定子磁路を変更した第二状態において、前記主たる磁路が、前記歯部の回転子側端部側を主として経由する短絡磁路で形成されるような値を有するように設定されている。
更に、前記磁気抵抗変更機構が前記第二状態にあるときに、
隣り合う一対の永久磁石における隣り合う端部が前記各歯部の前記回転子側端部における周方向中間部に位置した第一相対位置において、前記周方向中間部を主たる磁路とする短絡磁路を構成する短絡磁気回路Cを第一短絡磁気回路C1と定義し、
前記永久磁石における隣り合う端部が前記歯部の前記回転子側端部における周方向のいずれか一方の周方向端部に位置した第二相対位置において、前記周方向端部を主たる磁路とする短絡磁路を構成する短絡磁気回路Cを第二短絡磁気回路C2と定義し、
前記永久磁石における隣り合う端部が前記隣り合う一対の側方突出部に対応して位置する第三相対位置において、前記隣り合う一対の側方突出部の間隙を主たる磁路とする短絡磁路を構成する短絡磁気回路Cを第三短絡磁気回路C3と定義した場合に、
前記第二短絡磁気回路C2は、前記第一短絡磁気回路C1の総磁気抵抗値と前記第三短絡磁気回路C3の総磁気抵抗値との間の総磁気抵抗値を有し、前記回転子の前記固定子に対する相対回転移動に伴って前記短絡磁気回路Cが前記第二短絡磁気回路C2から前記第三短絡磁気回路C3に切り替わる際および前記第三短絡磁気回路C3から前記第二短絡磁気回路C2に切り替わる際における前記短絡磁気回路Cの総磁気抵抗値の変化率を抑制するように構成されている。
前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面における前記周方向の両端部が、横断面形状において、前記回転子の外周面に最も近接する前記回転子対向端面における回転子最近接部位を通過する、前記回転子の回転軸を中心とする曲率半径R0を有する第一仮想曲線Aと、該第一仮想曲線Aの前記曲率半径R0と同一の曲率半径R0を有し、前記第一仮想曲線Aと前記回転子最近接部位において接する、前記回転子の外周面に向かって凸状の第2仮想曲線Bとの間に位置するようになされたものでも良い。
前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面は、横断面形状において、前記第一仮想曲線Aの曲率半径R0より大きな曲率半径を有する、前記回転子の外周面に向かって凹状の曲線に形成されたものでも良い。
前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面は、横断面形状において、その周方向の中間点から端部に至る従って、前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面と前記回転子の外周面との間隙が連続的又は段階的に大きくなるように形成されたものでも良い。
前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面は、横断面形状において、前記回転子の外周面に向かって凸状の鈍角をなす角状に形成されても良い。
前記複数の歯部を構成する各歯部は、前記半径方向に複数個に分割され、前記半径方向の最も内側に位置して前記回転子本体の外周縁部に対向するように配置された第一分割歯部と、前記半径方向の最も外側に位置して前記固定子ヨーク部に連結された第二分割歯部とを含む複数の分割歯部を有し、
前記各歯部における前記複数の分割歯部のうちの少なくともいずれか1の分割歯部が、他の分割歯部に対して前記周方向に相対移動自在な可動分割歯部を構成し、
前記可動分割歯部は、前記各歯部における前記複数の分割歯部で形成される磁路の磁気抵抗が相対的に異なる第一位置と第二位置との間で移動自在に構成されたものであっても良い。
更に好ましくは、前記各歯部は、前記半径方向に2分割されて、前記回転子本体の前記外周縁部に前記間隙を介して対向するように配置された第一歯部と、該第一歯部の前記半径方向外側に間隙を介して配置された第二歯部とを含み、
前記第二歯部が、前記第一歯部に対して前記周方向に相対移動自在となされたものとしても良い。
好ましくは、前記第一位置は、前記複数の分割歯部が前記半径方向に整列してこれら分割歯部で構成される磁路の磁気抵抗が最小になる磁気抵抗最小位置として定義されると共に、
前記第二位置は、前記可動分割歯部が他の分割歯部に対して前記周方向に相対移動してこれら分割歯部で構成される磁路の磁気抵抗が最大になる磁気抵抗最大位置として定義され、
前記可動分割歯部が前記磁気抵抗最小位置と前記磁気抵抗最大位置との間の任意の位置で連続的または不連続的に相対移動可能とする。
前記永久磁石として、ネオジウム磁石を用いても良い。
前記永久磁石は、前記回転子本体の外周縁部内に埋め込み状態に配置されているものであっても良く、また前記回転子本体の外周面に露出状態に固定されたものであっても良い。
この発明の他の側面によると、前記回転電気機械を備えた乗り物を提供することができる。
この発明の更に他の側面によると、前記回転電気機械を備えた電気製品を提供することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、磁気抵抗変更機構が前記固定子磁路の磁気抵抗値を最大値またはその近傍値となるように前記固定子磁路を変更した第二状態において、第二短絡磁気回路C2が回転子の回転に伴う短絡磁気回路Cの総磁気抵抗値の変化率を抑制する緩衝回路として機能する。従って、第二状態において回転子が高速で回転しても固定子巻線に誘起される誘起電圧のピーク値を抑制することができ、ひいては高速度回転領域における回転速度の上限を拡大して運転可能領域をより一層拡大することを可能とした回転電気機械を提供することができる。また、機械的な磁気抵抗変更機構を採用したことにより、従来の弱め界磁制御における界磁制御のための電力を不要ないしは低減することが可能な回転電気機械を提供することができる。更には強力な永久磁石を採用した場合においても、低速回転領域で高いトルクを得ることができると共に、高速度回転領域における回転速度の上限を拡大して運転可能領域を拡大することができる。しかも第二状態における回転子の高速回転時における磁束の変化を抑制することができるので、永久磁石に生ずるジュール損の発生を低減して効率の低下を抑制すると共に、ジュール損による発熱に起因する永久磁石自体の保磁力の低下を抑制し、ひいては電動モータの効率の低下を抑制することができる回転電気機械を提供することが可能となる。
図1は、この発明の第1実施形態に係る回転電気機械の概略構成を示す要部断面図である。 図2は、前記回転電気機械の主要構成部材を順次軸方向に引き出した状態で示す斜視図である。 図3は、前記回転電気機械の固定子と回転子の断面図である。 図4Aは、図3の4−4線に沿って切断した拡大断面図であり、第二歯部が第一歯部に対して正対した第一位置にある状態(第一状態)を示す。 図4Bは、図4Aに対応する断面図であり、第二歯部が第一歯部に対して相対移動して第二位置にある状態(第二状態)を示す。 図5は、歯部の回転子側端部付近を示す拡大断面図である。 図6は、固定子の歯部の回転子側端部と回転子の周縁部付近を断面で示す説明図であり、(A)は、隣り合う一対の永久磁石における隣り合う端部が前記歯部の前記回転子側端部における周方向中間部に位置した第一相対位置における短絡磁気回路C1を示し、(B)は、前記回転子が前記第一相対位置から前記周方向に回転し、前記永久磁石における隣り合う端部が前記歯部の前記回転子側端部における周方向一端部側に位置した第二相対位置における短絡磁気回路C2を示し、(C)は、前記回転子が前記第二相対位置から更に前記周方向に回転し、前記永久磁石における隣り合う端部が前記隣り合う一対の側方突出部に対応して位置する第三相対位置における短絡磁気回路C3を示す。 図7は、この発明の第2の実施形態を示す図5に対応する拡大断面図である。 図8は、この発明の第3の実施形態を示す図5に対応する拡大断面図である。 図9は、この発明の第4の実施形態を示す図5に対応する拡大断面図である。 図10Aは、比較例を示す図4Aに対応する断面図である。 図10Bは、上記比較例を示す図4Bに対応する断面図である。 図11は、上記比較例における固定子の歯部の回転子側端部と回転子の周縁部付近を断面で示す説明図であり、(A)は、隣り合う一対の永久磁石における隣り合う端部が前記歯部の前記回転子側端部における周方向中間部に位置した第一相対位置における短絡磁気回路C1を示し、(B)は、前記回転子が前記第一相対位置から前記周方向に回転し、前記永久磁石における隣り合う端部が前記歯部の前記回転子側端部における周方向一端部側に位置した第二相対位置における短絡磁気回路C2を示し、(C)は、前記回転子が前記第二相対位置から更に前記周方向に回転し、前記永久磁石における隣り合う端部が前記隣り合う一対の側方突出部に対応して位置する第三相対位置における短絡磁気回路C3を示し、(D)は、前記回転子が前記第三相対位置から更に前記周方向に回転し、前記永久磁石における隣り合う端部が、隣の歯部における回転子側端部の側方突出部が形成された周方向一端部側に位置した第二相対位置における短絡磁気回路C2を示す。 図12Aは、第1実施形態と比較例における、第一状態(分割歯部が第一位置)にあるときの固定子のコイルに鎖交する回転子の永久磁石の磁束の変化を比較して示すグラフである。 図12Bは、第1実施形態と比較例における、第一状態(分割歯部が第一位置)にあるときにおける、インバータ回路の電池側端子に発生する電圧を比較して示すグラフである。 図12Cは、実施形態1と比較例における、第二状態(分割歯部が第二位置)にあるときの固定子巻線に鎖交する回転子の永久磁石の磁束の変化を比較して示すグラフである。 図12Dは、第1実施形態と比較例における、第二状態(分割歯部が第二位置)にあるときにおける、インバータ回路の電池側端子に発生する電圧を比較して示すグラフである。 図13Aは、第2実施形態と比較例における、第一状態(分割歯部が第一位置)にあるときの固定子巻線に鎖交する回転子の永久磁石の磁束の変化を比較して示すグラフである。 図13Bは、第2実施形態と比較例における、第一状態(分割歯部が第一位置)にあるときにおける、インバータ回路の電池側端子に発生する電圧を比較して示すグラフである。 図13Cは、第2実施形態と比較例における、第二状態(分割歯部が第二位置)にあるときの固定子のコイルに鎖交する回転子の永久磁石の磁束の変化を比較して示すグラフである。 図13Dは、第2実施形態と比較例における、第二状態(分割歯部が第二位置)にあるときにおける、インバータ回路の電池側端子に発生する電圧を比較して示すグラフである。 図14は、この発明の実施形態に係る回転電気機械を装備した車輌を示す概略説明図である。 図15は、この発明の実施形態に係る回転電気機械を装備した電気製品の概略説明図である。 図16は、この発明の実施形態に係る回転電気機械を駆動する電気回路の概略説明図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態に係る回転電気機械としての電動モータは、高トルク・低速回転および低トルク・高速回転が要求される、例えば電動自動二輪車その他車輌を含む各種乗り物Vにおける主たる駆動源あるいは補助駆動源として好適に使用されるものである(図14参照)。もっとも、この発明に係る回転電気機械は、このような車輌用の用途に限定されるものではなく、他に例えば、洗濯機等の家電製品やDVDプレーヤ等のOA機器等の電気製品Eにおける駆動源としての電動モータRとしても好適に用いられるものである(図15参照)。
先ず、本発明の開発経緯について説明する。市場においては、より一層高性能な回転電気機械が望まれている。そこで本発明者は、例えばネオジム磁石のような、より強力な磁力を有する永久磁石片を採用することにより、更なる性能の向上を試みた。すなわち、本発明者は、いわゆるラジアルギャップ型回転電気機械において、前記永久磁石MGとして強力な永久磁石を採用すべく種々実験と研究を行った。具体的には、このラジアルギャップ型回転電気機械は、図10Aび図10Bに示すように、回転軸101を中心に回転する円筒状の回転子本体110の周縁部に複数個の永久磁石MGを周方向に一定の間隔を隔てて埋め込み状態に配置した回転子102と、その回転子102の外周縁部の半径方向外側に間隙を介して対向するように配置された円筒状の固定子103とで構成されたものを提案した。具体的には以下のような構成を有するものとした。
前記永久磁石片MGとして、軸方向に沿ってのびた断面矩形状の板状に形成されたものを用いた。この永久磁石片MGを、前記回転子本体110の外周縁部にその外周面から半径方向に所定距離だけ内側に位置するような態様で形成された対応断面形状のスリットS内に、軸方向に沿ってはめ込んだ状態で埋設固定した。従って、永久磁石片MGは、回転子本体110がその回転軸101を中心に高速で回転しても、スリットS内に固定されて遠心力で半径方向外側に飛び出さないようにされている。
前記固定子103を、前記回転子102の半径方向外側に該回転子の外周縁から所定の間隙を介して対向するように同軸状に配置した。前記固定子103は、前記回転子102の半径方向外側に前記間隙を隔てた状態で、前記回転子102の周方向に沿って所定間隔で配置された複数の歯部130を有するものとした。各歯部130は、その回転子側の端部とは反対側の端部に近い部位において、半径方向に分割して2つの分割歯部、即ち前記回転子側に近い第一歯部131とその外側に配置された第二歯部132とを有するものとした。これら第一歯部131と第二歯部132とは、周方向に相対移動が可能となるように所定の間隙を隔てて配置されている。
前記各第一歯部131は、その回転子側端部の回転子対向端面を回転子102の外周形状に対応した円弧状に形成(即ち、間隙が周方向に一定となるように形成)すると共に、その回転子側の端部の周方向の両側部にそれぞれ周方向に沿って延びた側方突出部131a、131aを一体的に形成した。前記各第一歯部131には、それぞれ巻線(図示略)を施した。
そして、図10Aに示すように第一歯部131と第二歯部132とが半径方向に一致して正対する位置と、図10Bに示すように、第二歯部132が周方向に隣り合う一対の第一歯部131、131の中間に位置する位置との間で、可動分割歯部としての第二歯部132を第一歯部131に対する相対位置を連続的に自在に変更することができるものとした。
これによって、図10Aに示すように、第一歯部131と第二歯部132とが半径方向に一致してこれら歯部相互間の磁気抵抗が小さい第一位置では、隣り合う永久磁石MGの一方から出た磁束が他方に至る磁路が、一対の隣り合う歯部130および固定子ヨーク部150を主として経由する主磁気回路Mを形成する。一方、図10Bに示すように、可動分割歯部としての第二歯部132およびこれが一体的に固定された固定子ヨーク部150が周方向に移動して第一歯部131と第二歯部132との間の磁気抵抗が大きな第二位置では、隣り合う永久磁石MGの一方から出た磁束が他方に至る磁路が、隣り合う歯部の隣り合う側方突出部131a、131aの間隙を主として経由する磁気短絡回路Cを形成する。
このように第二歯部132が第二位置にある状態において、固定子の回転子側端部に磁気短絡回路Cが形成されるため、回転子102が高速で回転してもその磁束によって固定子巻線に誘起される誘起起電力を低く抑えることができ、ひいては回転子102の回転数を上昇させることができると考えた。
上記構成の電動モータを用いて前記可動分割歯部としての第二歯部132を周方向に移動させて第一歯部131に対する相対位置を変更してシュミレーション解析を行った。その結果、可動分割歯部の第一歯部131に対する相対位置を変更することによって、従来の弱め界磁制御における界磁制御のための電力を必要とすることなく、高速度回転領域の上限を拡大して運転可能領域を拡大することができることを確認した。
本発明者は、上述の改良された回転電気機械において、更に高速度回転領域の上限を拡大して運転可能領域を拡大することを目的として、更なる実験、研究を行った。この実験、研究では、固定子の各歯部における回転子側端部の形状に着目した。その結果、発明者は、固定子の各歯部の回転子側端部の形状を工夫することにより、高速度回転領域の上限を拡大して運転可能領域を拡大することを知見するに至り、本発明を完成するに至ったのである。
即ち、発明者による上述の提案に係る改良された回転電気機械においては、可動分割歯部(第二歯部)132を周方向に移動させて、第一歯部132と第二歯部131との間の磁気抵抗が大きくなった状態においては、前述したとおり、隣り合う永久磁石の磁束は、固定子の回転子側端部を主として経由する磁路を磁気短絡回路Cとするものである。従って、固定子の第一歯部131の回転子側端部の回転子対向端面は、横断面において、回転子本体110の外周の形状に沿うような対応形状に形成(即ち、第一歯部131の回転子対向端面と固定子本体110の外周との間隙を周方向に一定に形成)して歯部の回転子対向端面と回転子本体の外周との間隙を可及的小さく設定することが望ましいと考えていた。しかし、本発明者による更なる実験と研究によれば、固定子130の各歯部の回転子側端部の形状をその周方向の一端から他端に至るまで、回転子本体の外周縁の形状に完全に対応する形状(即ち、前記間隙が周方向に一定な形状)とすると、高速回転領域の上限をむしろ制限することになることを知見するに至った。
即ち、可動分割歯部(第二歯部)132を周方向に移動させて、図10Bに示すように、第一歯部131と第二歯部132との間の磁気抵抗が大きくなった状態においては、回転子102の隣り合う永久磁石MG、MGの隣り合う端部が、固定子の第一歯部131の周方向中間部に位置する図11(A)に示す状態においては、短絡磁気回路C1は、歯部(第一歯部131)の回転子側端部の周方向中央部を主として経由する回路となる。この状態から、回転子102が反時計方向に回転して、回転子102の隣り合う永久磁石MG、MGの隣り合う端部が、固定子の第一歯部131の周方向左端部に位置する図11(B)に示す状態においても、図11(A)の状態と同様に、短絡磁気回路C2は、歯部(第一歯部131)の回転子側端部の一端部(側方突出部)131aを主として経由する回路となっている。従って、図11(A)の状態から図11(B)の状態に変化しても、固定子の歯部(第一歯部131)の回転子側端部と回転子本体110の外周縁との間の間隙Gは一定であり、従って短絡磁気回路C1およびC2の磁気抵抗に大きな変化は生じない。
しかし、図11(B)に示す状態から、回転子102が更に反時計方向に回転すると、短絡磁気回路C3が、隣り合う第一歯部131、131の隣り合う側方突出部131a、131aの間隙を主として経由する回路となる。この状態においては、隣り合う側方突出部131a、131aの間隙が短絡磁気回路Cの一部を構成することになるため、短絡磁気回路C3の総磁気抵抗は、図11(A)や図11(B)の状態における場合と較べて、大きいものとなる。
そして、図11(C)に示す状態から、更に回転子102が更に反時計方向に回転すると、短絡磁気回路Cが、再び固定子の歯部131の回転子側端部(側方突出部)を経由する回路となる。従って、この短絡磁気回路C2の総磁気抵抗は、図11(B)の状態における場合と同様の値となり、図11(C)の状態における総磁気抵抗と較べて、再び小さくなる。
このように、特に図11(B)の状態から図11(C)の状態に変化する際、および図11(C)から図11(D)の状態に変化する際に、短絡磁気回路Cの総磁気抵抗が急激に変化する。この急激な短絡磁気回路Cの磁気抵抗の変化に伴って固定子巻線に鎖交する、回転子102の永久磁石MG、MGの磁束数が急激に変化する。すると、この急激な鎖交磁束数の変化に伴って固定子巻線に発生する誘起電圧のピーク値が上昇する。従って、回転子102の回転数の更なる上昇が妨げられる。
本発明者は、上記知見に基づいて、固定子の各歯部の回転子側端部の形状を工夫することにより短絡磁気回路の磁気抵抗の変化率を低減させることにより、固定子巻線に発生する誘起電圧を低減することができ、ひいては回転子の回転数を更に上昇することができることを確認し、これに基づいて本発明を完成するに至ったのである。
以下、この発明を具体的な実施形態に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1ないし図6は、本発明の第1実施形態に係る、電動自動二輪車用の電動モータとして好適に使用されるラジアルギャップ型電動モータを示す概略説明図である。これら図面に示すように、このラジアルギャップ型電動モータは、主要構成部材として、複数個の永久磁石片MGを外周縁部に周方向に一定の間隔を隔てて配置され、回転軸1を中心に回転する円柱状の回転子2と、その回転子2の外周縁部の半径方向外側に間隙を隔てて対向するように配置された円筒状の固定子3と、この固定子3を構成する後述する可動分割歯部32を相対移動させるための回動機構4とを備えている。
前記回転子2は、図2に示すように、軸心に前記回転軸1が設けられた円筒状の回転子本体10を有する。この回転子本体10の外周縁部には、断面矩形状の板状の永久磁石片MGが周方向に沿って一定間隔を隔てて合計6個配置されている。
この各永久磁石片MGとしては、強力な磁場を作ることができる、例えばネオジム(ネオジウム)磁石等を好適に用いることができる。本発明者は、特にこのような強力な永久磁石を用いた場合、その永久磁石MG、回転子2および固定子3の形状や配置如何によっては、前記永久磁石MGにジュール損が発生して発熱し、効率が大幅に低下し、また永久磁石MGの保磁力が低減してモータの特性が悪化することがあることを見出した。もっともこのような問題は、必ずしも強力な永久磁石を用いる場合に限定されるものではなく、従来汎用されている通常の磁力を有する永久磁石を用いた場合にも程度の差こそあれ生ずるものである。本件発明に係る回転電気機械においては、後述する新たな構造に係る提案により、上記問題点が解消されるようになされている。
図2に示すように、前記永久磁石片MGは、軸方向Xに沿ってのびた断面矩形状の板状に形成されたものである。この永久磁石片MGは、図3に示すように、前記回転子本体10の外周縁部に、その外周面から半径方向内側に所定距離だけ位置するような態様で形成された断面横長矩形状スリットS内に軸方向に沿ってはめ込まれた状態で埋設固定されている。従って、永久磁石片MGは、回転子本体10がその回転軸1を中心に高速で回転しても、スリットS内に固定されて遠心力で半径方向外側に飛び出さないようになされている。
前記スリットSの幅寸法は、例えば図4Aに示すように、永久磁石片MGの幅寸法より若干長く形成されており、永久磁石片MGをはめ込んだ状態において該永久磁石片MGの両端にエアギャップS1が形成され、フラックスバリアを構成するものとなされている。
前記回転子本体10は、例えば打ち抜き加工により所定形状に成形された多数枚の薄いケイ素鋼板を軸方向Xに沿って張り合わせることにより形成されたものであり、これにより回転子本体10内の磁束の変化に起因する渦電流損の低減が図られている。この点は、後述する固定子30および固定子ヨーク部50も同様である。
前記固定子3は、前記回転子2の半径方向外側に所定の間隙を隔てて対向するように同軸状に配置されている。図2に示すように、この固定子3は、前記回転子2の外周に前記間隙を隔てて回転子2と同軸に配置された円筒状の第一固定子部3Aと、その第一固定子部3Aの半径方向外側に所定間隙を隔てて第一固定子部3Aに対して周方向に相対移動可能な状態で、前記回転子2と同軸に配置された円筒状の第二固定子部3Bとを有する。
前記固定子3は、図4Aに示すように、前記回転子2の半径方向外側に前記間隙を隔てた状態で、前記回転子2の周方向に沿って所定間隔で配置された複数の歯部30を有する。各歯部30は、その回転子側の端部とは反対側の端部に近い部位において、半径方向に分割されて2つの分割歯部、即ち前記回転子側に近い第一歯部31とその外側に配置された第二歯部32とを有する。
これら第一歯部31と第二歯部32とは、周方向に相対移動が可能となるように所定の間隙を隔てて配置されている。これら第一歯部31と第二歯部32との間隙は、第一歯部31の回転子対向端面と回転子2の外周縁との間隔よりも小さく設定されている。即ち、図4Aに示すように、第一歯部31と第二歯部32とが半径方向に一致して正対する状態における両歯部間の磁気抵抗Rk1は、第一歯部31の回転子対向端面と回転子2の外周縁との間の最小磁気抵抗Rhよりも小さく設定されている。
前記各第一歯部31は、図5に拡大して示すように、その回転子側端部の回転子対向端面が、その横断面形状において、回転子2の外周縁の曲率半径よりも大きい曲率半径R1を有する、回転子に向かって凹状の円弧状に形成されている。より詳細には、第一歯部31の回転子側端部の回転子対向端面が、その横断面形状において、回転子2の外周面に最も近接する前記回転子対向端面における回転子最近接部位を通過する、回転子2の回転軸を中心とする曲率半径R0を有する第一仮想曲線Aと、その第一仮想曲線Aの曲率半径R0と同一の曲率半径R0を有し、前記第一仮想曲線Aと前記回転子最近接部位において接する、回転子2の外周面に向かって凸状の第二仮想曲線Bとの間に位置するものとなされている。また、第一歯部31の回転子側の端部の周方向の両側部には、それぞれ周方向に沿って延びた側方突出部31a、31aが一体的に形成されている。
隣り合う第一歯部31、31の側方突出部31a、31a相互間の間隔は、図4Aに示すように、第一歯部31と第二歯部32との間隔よりも大きく設定されている。具体的には、隣り合う第一歯部31、31の側方突出部31a、31a間の磁気抵抗Rjが、第一歯部31と第二歯部32とが半径方向に一致して正対する状態における両歯部間の磁気抵抗Rk1の2倍の磁気抵抗2Rk1よりも大きくなるように、前記側方突出部31a、31a相互間の間隔が設定されている(図4A参照)。
図1に示すように、前記各第一歯部31には、それぞれ巻線40が施されている。図2に示すように、これら巻線40が施された複数の第一歯部31は樹脂モールドによって円筒状の第一固定子部3Aを構成している。前記巻線40としては、単一の巻線であっても良く、また複数の別個独立した巻線であっても良い。この実施形態では、単一の巻線が採用されている。
前記各第二歯部32は、図4Aに示すように、円筒状の固定子ヨーク部50の内周面から内側突出状に一体的に設けられたものであり、前記第一歯部31と対応するように配置されている。この実施形態では、第二歯部32は、固定子ヨーク部50と一体構造となされているが、固定子ヨーク部50とは別構造として形成し、第二歯部32を固定子ヨーク部50に連結固定するようにしても良い。図2に示すように、これら第二歯部32と固定子ヨーク部50は円筒状の第二固定子部3Bを構成している。
前記第二固定子部3Bを構成する前記固定子ヨーク部50の外周面には、図2に示すように、周方向の一部の領域に、複数の歯からなるギア部51が、固定子ヨーク部50の長さ方向の全長に亘って形成されている。このギア部51には、図1に示すように、前記回動機構4の駆動モータ4aによって減速機構4bを介して回転駆動される歯車4cが噛み合わされている。
前記駆動モータ4aは、コントローラCによって正逆両方向に回転駆動するように構成されており、このモータの回転力が減速機構4bを介して歯車4cに伝達される。この歯車4cの回転は、固定子ヨーク部50(第二固定子部3B)のギア部51に伝達され、第二固定子部3Bが、第一固定子部3Aに対して周方向に相対移動され、ひいては第二歯部32が第一歯部31に対して周方向に一定範囲で相対移動自在となされている。このように駆動モータ4aを制御することによって、第一歯部31と第二歯部32との相対位置を任意かつ連続的または非連続的に変更することができる。
而して、前記駆動モータ4aをコントローラCによって制御することによって、図4Aに示すように、第一歯部31と第二歯部32とが半径方向に一致して正対しこれら両歯部で構成される磁路の磁気抵抗Rkが最小値Rk1となる磁気抵抗最小位置と、図4Bに示すように、第二歯部32が隣り合う一対の第一歯部31、31の中間に位置して両歯部31、32で構成される磁路の磁気抵抗Rkが最大値Rk2となる磁気抵抗最大位置との間の任意の位置で、可動分割歯部としての第二歯部32を第一歯部31に対する相対位置を連続的または不連続的に自在に変更することができる。
図4Aに示す磁気抵抗最小位置を第一位置とし、図4Bに示す磁気抵抗最大位置を第二位置とそれぞれ定義すると、それら第一位置と第二位置との間で、前記可動分割歯部(第二歯部32)が移動するようにコントローラCで制御される。
もっとも、この発明においては、第一位置および第二位置は、必ずしも磁気抵抗最小位置と磁気抵抗最大位置にそれぞれ完全に一致させることを必要とするものではない。例えば、本発明は、磁気抵抗最小位置と磁気抵抗最大位置との間の任意の二点を設定し、これらの間で可動分割歯部(第二歯部)32を移動制御するように構成することも許容するものである。
この実施形態では、歯部30が半径方向に二分割されたものを例示しているが、これに限定されるものではない。この発明では、歯部30を、例えば半径方向に3つ以上に分割したものであっても良い。歯部30が3つ以上に分割されたものである場合、前記回転子2の最も近くに配置された分割歯部が第一歯部31、その反対側の最も外側に配置された分割歯部が第二歯部32として定義される。このように3分割あるいはそれ以上に分割されたものである場合、複数の分割歯部のうちの少なくともいずれか1の分割歯部を、他の分割歯部に対して相対移動自在な可動分割歯部として構成し、その相対移動によって分割歯部で構成される磁路の磁気抵抗を調整可能なものとすれば良い。
また、この実施形態では、各歯部を第一歯部31と第二歯部32とに分割したものとして把握したが、例えば第一歯部31が歯部30を構成し、第二歯部32と固定子ヨーク部50とが固定子ヨーク部を構成し、固定子ヨーク部の内周面に凹部50aが形成されたものとして、該固定子ヨーク部50を歯部(第一歯部31)に対して周方向に移動自在な構成として把握しても良い。この場合、歯部30は半径方向に分割されていない構成として把握される。要するに、本件発明においては、前記固定子ヨーク部50と前記各歯部30、30とで構成される固定子磁路を機械的に変更して該固定子磁路の磁気抵抗を変更する磁気抵抗変更機構を備えたものであれば、他の如何なる構成をも許容するものである。例えば、磁気抵抗変更機構の変形例として、固定子ヨーク部50の一部に磁気ギャップを設け、この磁気ギャップの間隔を調整可能としたものであっても良い。
前記可動分割歯部としての第二歯部32が、前記第一位置に配置された第一状態において、以下の関係式を満たすように構成されている(図4A参照)。
主磁気回路Mの総磁気抵抗(2Rh+2Rk1)<短絡磁気回路Cの総磁気抵抗(2Rh+Rj))
上記関係式において、Rhは、第一歯部31の回転子対向端面と回転子2の外周面との間の磁気抵抗、Rk1は、第一歯部31と第二歯部32との間の磁気抵抗、Rjは、隣り合う側方突出部31aの間の磁気抵抗である。
また、前記可動分割歯部としての第二歯部32が、前記第二位置に配置された第二状態おいて、以下の関係式を満たすように構成されている(図4B参照)。
短絡磁気回路Cの総磁気抵抗(2Rh+Rj)<主磁気回路Mの総磁気抵抗(2Rh+2Rk2))
上記関係式において、Rhは、第一歯部31の回転子対向端面と回転子2の外周面との間の磁気抵抗、Rk2は、第一歯部31と第二歯部32との間の磁気抵抗、Rjは、隣り合う側方突出部31aの間の磁気抵抗である。 ここに、主磁気回路M、短絡磁気回路Cは、それぞれ以下のように定義される。
前記主磁気回路Mは、図4Aに示すように、前記隣り合う一対の永久磁石片MG、MGのうちの一方の永久磁石片MGの一方の磁極(図では半径方向外側の磁極)から、隣り合う一対の前記歯部30、30のうちの一方の歯部30から前記固定子ヨーク部50を経て前記隣り合う一対の歯部30、30のうちの他方の歯部30、および前記一対の永久磁石MG、MGのうちの他方の永久磁石MGを経て、前記一方の永久磁石MGの他方の磁極(図では半径方向内側の磁極)に至る磁路を主たる磁路とする磁気回路として定義される。
一方、主磁気回路Mは、図4Bに示すように、前記可動分割歯部32が時計方向に移動して隣り合う第一歯部31、31の間に位置した第二位置にある場合には、前記隣り合う一対の永久磁石片MG、MGのうちの一方の永久磁石片MGの一方の磁極から、隣り合う一対の前記歯部30、30のうちの一方の歯部30の第一歯部31、該第一歯部31の固定子ヨーク部側端部、これに対応する第二歯部32の端部、同第二歯部32、同第二歯部32の反対側の端部、前記隣り合う一対の歯部30、30のうちの他方の歯部30の第一歯部31の固定子ヨーク部側の端部、該第一歯部31、前記一対の永久磁石MG、MGのうちの他方の永久磁石MGを経て、前記一方の永久磁石MGの他方の磁極に至る磁路を主たる磁路とする磁気回路として定義される。
勿論、永久磁石MGの磁束は、第二歯部32の位置如何に拘わらず、前記磁路以外にも漏れ磁束として、例えば隣り合う第一歯部31、31間をも通過するものであるが、この発明においては、主たる磁束経路をもって磁気回路を定義している。これは、主磁気回路Mのみならず、短絡磁気回路Cにも当てはまるものとして理解されるべきである。
前記短絡磁気回路Cは、図4Aおよび図4Bに示すように、前記隣り合う一対の永久磁石片MG、MGのうちの一方の永久磁石片MGの一方の磁極から、主として歯部30の回転子側端部側を経由して、前記一方の永久磁石MGの他方の磁極に至る磁路を主たる磁路とする磁気回路として定義される。
前記短絡磁気回路Cは、例えば図4Aおよび図4Bに示すように、隣り合う永久磁石MG、MGの隣り合う端部が、隣り合う歯部30、30における第一歯部31、31の隣り合う側方突出部31a、31aに対応する位置にある場合には、前記隣り合う一対の永久磁石片MG、MGのうちの一方の永久磁石片MGの一方の磁極から、隣り合う一対の前記歯部30、30のうちの一方の歯部30の前記第一歯部31の回転子側の端部、該回転子側の端部の一方の前記側方突出部31a、該一方の側方突出部31aに隣り合う、前記隣り合う一対の歯部30、30のうちの他方の歯部30の前記第一歯部31の前記側方突出部31a、該他方の歯部30の第一歯部31の前記回転子側の端部、前記隣り合う一対の永久磁石片MG、MGのうちの他方の前記永久磁石片MGを経て、前記一方の永久磁石片MGの他方の磁極に至る磁路を主たる磁路とする磁気回路Cとして定義される。
このように短絡磁気回路Cは、回転子2の永久磁石MGと、固定子2の第一歯部31との相対位置によってその磁路は若干異なるが、前述したとおり、前記隣り合う一対の永久磁石片MG、MGのうちの一方の永久磁石片MGの一方の磁極から、前記第一歯部31の回転子側端部および前記側方突出部31aを除いた前記半径方向外側の部分を経由することなく、前記隣り合う一対の永久磁石MG、MGのうちの他方の前記永久磁石MGを経て、前記一方の永久磁石MGの他方の磁極に至る磁路を主たる磁路とする磁気回路として定義されるものである。
この実施形態に係る電動モータにあっては、可動分割歯部としての第二歯部32が第一歯部31と半径方向に一致して正対した第一位置にある状態(図4A参照)と、前記第二歯部32が第一歯部31に対して相対移動して第二位置にある状態(図4B参照)とでは、回転子2が回転した場合における前記永久磁石片MGの一方の磁極から出て他方の磁極に至る磁束の流れが異なる。
先ず、可動分割歯部としての第一歯部32が第一歯部31と半径方向に一致して正対した第一位置にある状態(図4A参照)において、回転子2が回転した場合における前記永久磁石片MGの一方の磁極から出て他方の磁極に至る磁束の流れについて説明する。
この状態においては、上述のとおり、(主磁気回路Mの総磁気抵抗)(2Rh+2Rk1))<(短絡磁気回路Cの総磁気抵抗(2Rh+Rj))という関係式を満たすものである。即ち、回転子2の回転位置如何に拘わらず、主磁気回路MGの総磁気抵抗(2Rh+2Rk1)が小さいものであるため、前記永久磁石片MG(図4Aにおいて右側の永久磁石片MG)の一方の磁極(同図において上側の磁極)から出た磁束の大半は、以下の磁路を経て他方の磁極(同図において下側の磁極)に戻る。
即ち、図4Aにおける右側の永久磁石片MGに着目すると、該永久磁石片MGの一方の磁極(同図において上側の磁極)から出た磁束は、左右一対の固定子30、30のうちの一方の固定子30(同図において上部中央に位置した固定子30)の第一歯部31、この外側に正対した第二歯部32、固定子ヨーク部50、他方の固定子30(同図において周方向左側に位置する固定子30)の第二歯部32(同図において周方向左側に位置した第二歯部32)、該第二歯部32に正対した前記一対の固定子30、30のうちの他方の固定子30(同図において左側に位置した固定子30)の第一歯部31、そして左側に隣り合って配置された永久磁石片MGを経由して、他方の磁極(同図において下側の磁極)に戻る。
勿論、上記磁路以外にも、例えば隣り合う歯部30、30相互間、特に隣り合う第一歯部31、31の側方突出部31a、31a相互間にも漏れ磁束が存在するが、これら相互間の磁気抵抗は主磁気回路Mにおける歯部30、30と固定子ヨーク部50との間の磁気抵抗2Rk1よりも遥かに大きいものであるため主磁気回路Mの磁束流に大きな影響を与えるものではない。また、前記永久磁石片MGの両端には、永久磁石片MGの上下の鉄心部分を連結する連結壁9が一体的に形成されている(例えば図5参照)。従ってこの連結壁9にも常に磁束流が存在するが、この磁束流は飽和状態で安定しているため主磁気回路Mの磁束流に大きな影響を与えるものではない。
従って、可動分割歯部としての第二歯部32が第一歯部31と半径方向に一致して正対した第一位置にある状態(図4A参照)において、回転子2が回転した場合、前記永久磁石片MGの一方の磁極から出て他方の磁極に至る磁束の流れは安定しており、従って、永久磁石片MG内の磁束の変化は少ない。その結果、該永久磁石片MGで発生するジュール損も小さいものとなっている。
次に、前記第二歯部32が第一歯部31に対して相対移動して第二位置にある状態(図4B参照)において、回転子2が回転した場合における前記永久磁石片MGの一方の磁極から出て他方の磁極に至る磁束の流れについて説明する。
この状態においては、上述のとおり、短絡磁気回路Mの総磁気抵抗(2Rh+Rj)<(主磁気回路Mの総磁気抵抗)(2Rh+2Rk2)という関係式を満たすものである。即ち、この第二位置の状態においては、回転子2の回転位置如何に拘わらず、短絡磁気回路Cの総磁気抵抗(2Rh+Rj)が主磁気回路Mの総磁気抵抗(2Rh+2Rk2)よりも小さいものである。このため、前記永久磁石片MG(図4Bにおいて右側の永久磁石片MG)の一方の磁極(同図において上側の磁極)から出た磁束の大半は、短絡磁気回路Cの磁路を経て他方の磁極(同図において下側の磁極)に戻ることになる。
ところで、この実施形態においては、図5に示すように、各固定子30(第一歯部31)の回転子側端部の回転子対向端面が、その横断面形状において、回転子2の外周面に最も近接する回転子対向端面における回転子最近接部位(周方向の中間の部位)を通過する、回転子2の回転軸を中心とする曲率半径R0を有する第一仮想曲線Aよりも曲率半径が大きな、回転子本体3に向かって凹状に形成された曲率半径R1の曲線に形成されている。
即ち、この形状においては、固定子30(第一歯部31)と回転子2(回転子本体10)との間の間隙が、固定子の回転子側端部の周方向中間部から周方向端部に至るに従って連続的に徐々に大きくなっている。換言すると、両者の間の磁気抵抗Rhが周方向中間部から周方向端部に至るに従って連続的に徐々に大きくなっている。もっとも、固定子30(第一歯部31)の回転子側端部の回転子対向端面の形状は、この実施形態のように連続的かつ徐々に変化するものであることに限定されるものではなく、不連続的に段階状に変化するものであっても良い。
この実施形態において、可動分割歯部(第二歯部)32を周方向に移動させて、図4Bに示すように、第一歯部31と第二歯部32との間の磁気抵抗が大きくなった第二状態においては、回転子2の隣り合う永久磁石MG、MGの隣り合う端部が、固定子の歯部30の周方向中間部に位置する図6(A)に示す第一相対位置においては、短絡磁気回路C1は、歯部30(第一歯部31)の回転子側端部の周方向中央部を経由する回路となる。この状態から、回転子102が反時計方向に回転して、回転子2の隣り合う永久磁石MG、MGの隣り合う端部が、固定子の歯部31の周方向左端部に位置する図6(B)に示す第二相対位置においては、図6(A)の状態と同様に、短絡磁気回路C2は、歯部30(第一歯部31)の回転子側端部の一端部(側方突出部)31aを主として経由する回路となっている。従って、図6(A)の状態から図6(B)の状態に変化した場合、固定子の歯部30(第一歯部31)の回転子側端部と回転子本体10の外周縁との間の間隙Gは若干増大しているが、短絡磁気回路C1およびC2の磁気抵抗に急激な大きな変化は生じない。
次に、図6(B)に示す状態から、回転子2が更に反時計方向に回転すると、短絡磁気回路C3が、隣り合う第一歯部31、31の隣り合う側方突出部31a、31aの間隙を主として経由する回路となる。この第三相対位置においては、隣り合う側方突出部31a、31aの間隙が短絡磁気回路C3の一部を構成することになるため、短絡磁気回路C3の総磁気抵抗は、図6(A)や図6(B)の状態における場合と較べて、大きいものとなっている。
換言すると、第二短絡磁気回路C2は、第一短絡磁気回路C1の総磁気抵抗値と前記第三短絡磁気回路C3の総磁気抵抗値との間の総磁気抵値を有し、回転子2の前記固定子3に対する相対回転移動に伴って前記短絡磁気回路Cが前記第二短絡磁気回路C2から前記第三短絡磁気回路C3に切り替わる際、および前記短絡磁気回路Cが前記第三短絡磁気回路C3から前記第二短絡磁気回路C2に切り替わる際における前記短絡磁気回路Cの総磁気抵抗値の変化率を抑制する緩衝回路として機能するように構成されている。
即ち、各歯部30(第一歯部31)の回転子側端部の回転子対向端面が、固定子本体10の外周面に対応した曲面、即ち間隙が周方向に沿って一定に形成されている曲面を有するものである比較例の場合(図10Aおよび図10B参照)には、第一短絡磁気回路C1と第二短絡磁気回路C2との総磁気抵抗に大きな差はないが、第二短絡磁気回路C2と第三短絡磁気回路C3との総磁気抵抗には大きな差がある。従って、回転子2が周方向に回転した場合、回転子2の各歯部30に対する相対位置の変化によって短絡磁気回路が第一短絡磁気回路C1、第二短絡磁気回路C2、第三短絡磁気回路C3と変化する。この変化に伴って、短絡磁気回路が、第二短絡磁気回路C2から第三短絡磁気回路C3に切り替わる際および第三短絡磁気回路C3から第二短絡磁気回路C2に切り替わる際に、磁気抵抗が急変し、ひいては永久磁石MGの固定子巻線に鎖交する漏れ磁束鎖交数が変化して同固定子巻線に誘起される誘起電圧のピーク値が大きくなる。従って、回転子2の回転数の上限値が制限される。
これに対して、本実施形態においては、上述のとおり、各歯部30(第一歯部31)の回転子側端部の回転子対向端面が、固定子本体10の外周面に対応した曲面よりも曲率が若干大きく設定された曲面に形成されているものである。従って、第一短絡磁気回路C1の総磁気抵抗よりも、第二短絡磁気回路C2の総磁気抵抗は大きい。また、第二短絡磁気回路C2は、第一短絡磁気回路C1の総磁気抵抗値と前記第三短絡磁気回路C3の総磁気抵抗値との間の総磁気抵値を有する。従って、短絡磁気回路が、第二短絡磁気回路C2から第三短絡磁気回路C3に切り替わる際、また第三短絡磁気回路C3から第二短絡磁気回路C2に切り替わる際に、磁気抵抗の変化率が前記比較例の場合より小さくなり、ひいては永久磁石MGの固定子巻線に鎖交する漏れ磁束鎖交数が変化して同固定子巻線に誘起される誘起電圧のピーク値も前記比較例の場合よりも小さくなる。従って、比較例と較べて、回転子2の回転数の上限値を更に上昇させることができる。
なお、この第1実施形態において、記各歯部30の回転子側端部の回転子対向端面における周方向の両端部は、図5に示すように、横断面形状において、前記回転子2の外周面に最も近接する前記回転子対向端面における回転子最近接部位(この実施形態では周方向の中間部位)を通過する、前記回転子2の回転軸を中心とする曲率半径R0の第一仮想曲線Aと、この第一仮想曲線Aの前記曲率半径R0と同一の曲率半径R0を有し、前記第一仮想線Aと前記回転子最近接部位において接する、前記回転子2の外周面に向かって凸状の第2仮想曲線Bとの間に位置するものとなされている(図5参照)。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る回転電気機械も、第1実施形態と同様に、電動自動二輪車用の電動モータとして好適に使用されるラジアルギャップ型電動モータである。この第2実施形態に係るラジアルギャップ型電動モータは、前記第1実施形態に係る電動モータと基本的な構成はほぼ同一である。
この第2実施形態においては、図7に示すように、各歯部30(第一歯部31)の回転子側端部の回転子対向端面が、その横断面形状において、前記回転子2(回転子本体10)の外周面に向かって凸状の鈍角をなす全体として矢印形を呈する角状に形成されている。この実施形態においても、第一短絡磁気回路C1の総磁気抵抗よりも、第二短絡磁気回路C2の総磁気抵抗は大きい。また、第二短絡磁気回路C2は、第一短絡磁気回路C1の総磁気抵抗と前記第三短絡磁気回路C3の総磁気抵抗との間の総磁気抵値を有する。従って、この実施形態においても、短絡磁気回路が、第二短絡磁気回路C2から第三短絡磁気回路C3に切り替わる際、また第三短絡磁気回路C3から第二短絡磁気回路C2に切り替わる際に、磁気抵抗の変化率が前記比較例の場合より小さくなり、ひいては永久磁石MGの固定子巻線に鎖交する漏れ磁束鎖交数が変化して同固定子巻線に誘起される誘起電圧のピーク値も前記比較例の場合よりも小さくなる。従って、比較例と較べて、回転子2の回転数の上限値を更に上昇させることができる。他の構成は、前記第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
なお、この第2実施形態においても、記各歯部30の回転子側端部の回転子対向端面における周方向の両端部が、横断面形状において、前記回転子2の外周面に最も近接する回転子対向端面における回転子最近接部位(この実施形態においても周方向の中間部位)を通過する、前記回転子2の回転軸を中心とする曲率半径R0を有する第一仮想曲線Aと、該第一仮想曲線Aの前記曲率半径R0と同一の曲率半径R0を有し、前記第一仮想線Aと前記回転子最近接部位において接する、前記回転子の外周面に向かって凸状の第2仮想曲線Bとの間に位置するものとなされている(図7参照)。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る回転電気機械も、第1実施形態と同様に、電動自動二輪車用の電動モータとして好適に使用されるラジアルギャップ型電動モータである。この第3実施形態に係るラジアルギャップ型電動モータは、前記第1実施形態に係る電動モータと基本的な構成はほぼ同一である。
この第3実施形態においては、図8に示すように、各歯部30(第一歯部31)の回転子側端部の回転子対向端面が、その横断面形状において、前記回転子2(回転子本体10)の外周面に最も近接する回転子対向端面における回転子最近接部位(周方向の中間の部位)を通過する、回転子2の回転軸を中心とする曲率半径R0を有する、前記回転子の外周面に向かって凹状の第一仮想曲線Aと、前記曲率半径R0と同一の曲率半径を有し、前記歯部30(第一歯部31)の回転子最近接部位において前記第一仮想線Aと接する、前記回転子2(回転子本体10)の外周面に向かって凸状の第2仮想曲線Bとの間において、前記回転子2(回転子本体10)の外周面に向かって連続的に変化する凸状に形成されたものである。
この実施形態においても、第一短絡磁気回路C1の総磁気抵抗よりも、第二短絡磁気回路C2の総磁気抵抗は大きい。また、第二短絡磁気回路C2は、第一短絡磁気回路C1の総磁気抵抗と前記第三短絡磁気回路C3の総磁気抵抗との間の総磁気抵値を有する。従って、この実施形態においても、短絡磁気回路が、第二短絡磁気回路C2から第三短絡磁気回路C3に切り替わる際、また第三短絡磁気回路C3から第二短絡磁気回路C2に切り替わる際に、磁気抵抗の変化率が前記比較例の場合より小さくなり、ひいては永久磁石MGの固定子巻線に鎖交する漏れ磁束鎖交数が変化して同固定子巻線に誘起される誘起電圧のピーク値も前記比較例の場合よりも小さくなる。従って、比較例と較べて、回転子2の回転数の上限値を更に上昇させることができる。他の構成は、前記第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
なお、この第3実施形態においても、各歯部30の回転子側端部の回転子対向端面における周方向の両端部が、横断面形状において、回転子2の外周面に最も近接する回転子対向端面における回転子最近接部位(この実施形態においても周方向の中間部位)を通過する、回転子2の回転軸を中心とする曲率半径R0を有する第一仮想曲線Aと、該第一仮想曲線Aの前記曲率半径R0と同一の曲率半径R0を有し、前記第一仮想線Aと前記回転子最近接部位において接する、前記回転子の外周面に向かって凸状の第2仮想曲線Bとの間に位置するものとなされている(図8参照)。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る回転電気機械も、第1実施形態と同様に、電動自動二輪車用の電動モータとして好適に使用されるラジアルギャップ型電動モータである。この第2実施形態に係るラジアルギャップ型電動モータは、前記第1実施形態に係る電動モータと基本的な構成はほぼ同一である。
この第4実施形態においては、図9に示すように、各歯部30(第一歯部31)の回転子側端部が、その横断面形状において、周方向の中間部から周方向端部に至るに従って、段階状に前記回転子2(回転子本体10)の外周面からの距離が大きくなるように形成されている。
この実施形態においても、第一短絡磁気回路C1の総磁気抵抗よりも、第二短絡磁気回路C2の総磁気抵抗は大きい。また、第二短絡磁気回路C2は、第一短絡磁気回路C1の総磁気抵抗と前記第三短絡磁気回路C3の総磁気抵抗との間の総磁気抵値を有する。従って、この実施形態においても、短絡磁気回路が、第二短絡磁気回路C2から第三短絡磁気回路C3に切り替わる際、また第三短絡磁気回路C3から第二短絡磁気回路C2に切り替わる際に、磁気抵抗の変化率が前記比較例の場合より小さくなり、ひいては永久磁石MGの固定子巻線に鎖交する漏れ磁束鎖交数が変化して同固定子巻線に誘起される誘起電圧のピーク値も前記比較例の場合よりも小さくなる。従って、比較例と較べて、回転子2の回転数の上限値を更に上昇させることができる。他の構成は、前記第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
なお、この第4実施形態においても、歯部30の回転子側端部の回転子対向端面における周方向の両端部が、横断面形状において、回転子2の外周面に最も近接する前記回転子対向端面における回転子最近接部位(この実施形態においても周方向の中間部位)を通過する、回転子2の回転軸を中心とする曲率半径R0を有する第一仮想曲線Aと、該第一仮想曲線Aの前記曲率半径R0と同一の曲率半径R0を有し、前記第一仮想線Aと前記回転子最近接部位において接する、前記回転子の外周面に向かって凸状の第2仮想曲線Bとの間に位置するものとなされている(図9参照)。
(実施例1)
図1ないし図6に示す第1実施形態に係る回転電気機械(各歯部の回転子側端部の回転子対向端面が、回転子2の外周面に最も近接する回転子対向端面における回転子最近接部位を通過する、回転子2の回転軸を中心とする曲率半径R0を有する第一仮想曲線Aの曲率半径よりも大きな曲率半径R1に設定されている)を用いた。この回転電気機械に、図16に示すように、駆動源として電池および3相インバータ回路を備えた電源を接続し、可動分割歯部としての第二歯部32を第一位置および第二位置にそれぞれ移動させた第一状態および第二状態において、回転子2を回転させた。
そして、各位置における固定子30(第一歯部31)のU相の固定子巻線に鎖交する磁束および図16に示すインバータ回路の電池側の端子電圧を調べた。また、比較例として、図10Aおよび図10Bに示す回転電気機械を用いて、同様に各位置における固定子30(第一歯部31)のU相の固定子巻線に鎖交する磁束および同インバータ回路の電池側の端子電圧を調べた。これらの結果を、それぞれ図12Aないし図12Dに示すグラフに示した。なお、比較例における固定子30(第一歯部31)の回転子側端部の曲率を1とした場合、第1実施形態においては、固定子30(第一歯部31)の回転子側端部の曲率を0.4に設定した。
これらの結果から、特に可動分割歯部が周方向に移動して主磁気回路Mの磁気抵抗が大きくなった第二位置(第二状態)において、図12Cに示すように、固定子巻線に鎖交する磁束の波形の局部的な変化率が抑制され、波形が滑らかになっていることがわかる。このため、図12Dに示すように、インバータ回路の電池側の端子に誘起される誘起電圧(電池側端子電圧)のピーク値が、比較例より低下している。このことより、固定子巻線に誘起される誘起電圧のピーク値を抑え、ひいては回転子2の回転数の上限値を、比較例よりも更に上昇させることができることを確認した。
(実施例2)
図7に示すように、固定子30の歯部30(第一歯部31)の回転子側端部が、回転子2に向かって凸の鈍角をなす角状に形成され、他の構成は第1実施形態と同じの回転電気機械を用いて、実施例1と同様に図16に示すように、駆動源として電池および3相インバータ回路を備えた電源を接続し、その可動分割歯部としての第二歯部32を第一位置および第二位置にそれぞれ移動させた第一状態および第二状態において、回転子2を回転させた。そして、各位置における固定子30(第一歯部31)のU相の固定子巻線に鎖交する磁束および同インバータ回路の電池側の端子電圧を調べた。また、比較例として、図10Aおよび図10Bに示す回転電気機械を用いて、同様に各位置における固定子30(第一歯部31)のU相の固定子巻線に鎖交する磁束およびインバータ回路の電池側の端子を調べた。これらの結果を、それぞれ図13Aないし図13Dに示すグラフに示した。
これらの結果から、特に可動分割歯部が周方向に移動して主磁気回路Mの磁気抵抗が大きくなった第二位置において、図13Cに示すように、固定子巻線に鎖交する磁束の波形の局部的な変化率が抑制され、波形が滑らかになっていることがわかる。このため、図13Dに示すように、インバータ回路の電池側の端子に誘起される誘起電圧(電池側端子電圧)のピーク値が、比較例より低下している。このことより、固定子巻線に誘起される誘起電圧のピーク値を抑え、ひいては回転子2の回転数の上限値を、比較例よりも更に上昇させることができることを確認した。
なお、上記いずれの実施形態においても、永久磁石片MGとして断面矩形状に形成されたものを用い、これに対応するスリットを回転子本体の周縁部に形成して、該スリットに永久磁石をはめ込んだものを例示した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば回転子本体の外周に対応する断面弧状に形成した永久磁石を用い、この永久磁石を回転子本体の外周面に固定した構造のものをも許容するものである。この場合、回転子の回転に伴って永久磁石が遠心力で回転子本体から外れないようにしっかり固定しなければならないことは言うまでもない。
また、本件発明は、従来の弱め界磁制御に変わるものとして用いることができるものであるが、もとより弱め界磁制御との併用を妨げるものではない。
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではなく、ここに示され且つ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、この発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。
本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものであるが、この開示は本発明の原理の実施例を提供するものと見なされるべきであって、それら実施例は、本発明をここに記載しかつ/または図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、多くの図示実施形態がここに記載されている。
本発明の図示実施形態を幾つかここに記載したが、本発明は、ここに記載した各種の好ましい実施形態に限定されるものではなく、この開示に基づいていわゆる当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、各種実施形態に跨る特徴の組み合わせ)、改良及び/又は変更を有するありとあらゆる実施形態をも包含するものである。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施例に限定されるべきではなく、そのような実施例は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、この開示において、「好ましくは」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」ということを意味するものである。
この発明にかかる回転電気機械は、例えば電動二輪車等の車輌あるいは各種電気機械における駆動源用の電動モータとして好適に用いられる。
1 回転軸
2 回転子
3 固定子
4 回動機構
30 歯部
31 第一歯部(分割歯部)
32 第二歯部(分割可動歯部)
40 巻線
50 固定子ヨーク部
51 ギア部
C コントローラ
MG 永久磁石
R 回転電気機械(電動モータ)
V 車両(電動自動二輪車)
M 主磁気回路
C 短絡磁気回路
C1 短絡磁気回路
C2 短絡磁気回路
C3 短絡磁気回路
Rh 回転子の外周縁部と歯部の第一歯部との間の磁気抵抗
Rk1 第一位置における第一歯部と第二歯部との間の磁気抵抗
Rk2 第二位置における第一歯部と第二歯部との間の磁気抵抗
Rj 周方向に隣り合う一対の第一歯部における隣り合う側方突出部相互間の磁気抵抗

Claims (18)

  1. 回転子本体の外周縁部に複数の永久磁石が配置された回転子と、
    前記回転子本体の半径方向外側に配置された固定子とを備えた回転電気機械であって、
    前記固定子は、
    周方向に所定間隔に配置された複数の歯部と、
    前記複数の歯部の外側に配置された固定子ヨーク部と、
    前記固定子ヨーク部と前記各歯部とで構成される固定子磁路を機械的に変更して該固定子磁路の磁気抵抗を変更する磁気抵抗変更機構とを備え、
    前記各歯部は、その回転子側端部における前記周方向の両側に側方突出状に延出した一対の側方突出部を有し、
    隣り合う一対の歯部における隣り合う一対の側方突出部の間隙で形成される磁路の磁気抵抗が、
    a)前記磁気抵抗変更機構が、前記固定子磁路の磁気抵抗値を最小値またはその近傍値となるように前記固定子磁路を変更した第一状態において、隣り合う一対の永久磁石における一方の永久磁石から出た磁束が他方の永久磁石に至る主たる磁路が、前記一対の永久磁石に対応する隣り合う一対の歯部および前記固定子ヨーク部を主として経由する磁路で形成される一方、
    b)前記磁気抵抗変更機構が、前記固定子磁路の磁気抵抗値を最大値またはその近傍値となるように前記固定子磁路を変更した第二状態において、前記主たる磁路が、前記歯部の回転子側端部側を主として経由する短絡磁路で形成されるような値を有するように設定されると共に、
    更に、前記磁気抵抗変更機構が前記第二状態にあるときに、
    隣り合う一対の永久磁石における隣り合う端部が前記各歯部の前記回転子側端部における周方向中間部に位置した第一相対位置において、前記周方向中間部を主たる磁路とする短絡磁路を構成する短絡磁気回路Cを第一短絡磁気回路C1と定義し、
    前記永久磁石における隣り合う端部が前記歯部の前記回転子側端部における周方向のいずれか一方の周方向端部に位置した第二相対位置において、前記周方向端部を主たる磁路とする短絡磁路を構成する短絡磁気回路Cを第二短絡磁気回路C2と定義し、
    前記永久磁石における隣り合う端部が前記隣り合う一対の側方突出部に対応して位置する第三相対位置において、前記隣り合う一対の側方突出部の間隙を主たる磁路とする短絡磁路を構成する短絡磁気回路Cを第三短絡磁気回路C3と定義した場合に、
    前記第二短絡磁気回路C2は、前記第一短絡磁気回路C1の総磁気抵抗値と前記第三短絡磁気回路C3の総磁気抵抗値との間の総磁気抵抗値を有し、前記回転子の前記固定子に対する相対回転移動に伴って前記短絡磁気回路Cが前記第二短絡磁気回路C2から前記第三短絡磁気回路C3に切り替わる際および前記第三短絡磁気回路C3から前記第二短絡磁気回路C2に切り替わる際における前記短絡磁気回路Cの総磁気抵抗値の変化率を抑制するように構成されている、ことを特徴とする回転電気機械。
  2. 前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面における前記周方向の両端部が、横断面形状において、前記回転子の外周面に最も近接する前記回転子対向端面における回転子最近接部位を通過する、前記回転子の回転軸を中心とする曲率半径R0を有する第一仮想曲線Aと、該第一仮想曲線Aの前記曲率半径R0と同一の曲率半径R0を有し、前記第一仮想線Aと前記回転子最近接部位において接する、前記回転子の外周面に向かって凸状の第2仮想曲線Bとの間に位置することを特徴とする、請求項1に記載の回転電気機械。
  3. 前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面が、横断面形状において、前記第一仮想曲線Aの曲率半径R0より大きな曲率半径を有する、前記回転子の外周面に向かって凹状の曲線に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の回転電気機械。
  4. 前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面が、横断面形状において、その周方向の中間点から端部に至る従って、前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面と前記回転子の外周面との間隙が連続的又は段階的に大きくなるように形成されている、請求項1に記載の回転電気機械。
  5. 前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面が、横断面形状において、前記回転子の外周面に向かって凸状の鈍角をなす角状に形成されている、請求項1に記載の回転電気機械。
  6. 前記複数の歯部を構成する各歯部は、前記半径方向に複数個に分割され、前記半径方向の最も内側に位置して前記回転子本体の外周縁部に対向するように配置された第一分割歯部と、前記半径方向の最も外側に位置して前記固定子ヨーク部に連結された第二分割歯部とを含む複数の分割歯部を有し、
    前記各歯部における前記複数の分割歯部のうちの少なくともいずれか1の分割歯部が、他の分割歯部に対して前記周方向に相対移動自在な可動分割歯部を構成し、
    前記可動分割歯部は、前記各歯部における前記複数の分割歯部で形成される磁路の磁気抵抗が相対的に異なる第一位置と第二位置との間で移動自在となされている、請求項1に記載の回転電気機械。
  7. 前記各歯部は、前記半径方向に2分割されて、前記回転子本体の前記外周縁部に前記間隙を介して対向するように配置された第一歯部と、該第一歯部の前記半径方向外側に間隙を介して配置された第二歯部とを含み、
    前記第二歯部が、前記第一歯部に対して前記周方向に相対移動自在となされている、請求項6に記載の回転電気機械。
  8. 前記第一位置は、前記複数の分割歯部が前記半径方向に整列してこれら分割歯部で構成される磁路の磁気抵抗が最小になる磁気抵抗最小位置として定義されると共に、
    前記第二位置は、前記可動分割歯部が他の分割歯部に対して前記周方向に相対移動してこれら分割歯部で構成される磁路の磁気抵抗が最大になる磁気抵抗最大位置として定義され、
    前記可動分割歯部が前記磁気抵抗最小位置と前記磁気抵抗最大位置との間の任意の位置で連続的または不連続的に相対移動可能となされている、請求項6に記載の回転電気機械。
  9. 前記永久磁石は、ネオジウム磁石である、請求項1に記載の回転電気機械。
  10. 前記複数の永久磁石は、前記回転子本体の外周縁部内に埋め込み状態に配置されている、請求項1に記載の回転電気機械。
  11. 前記複数の永久磁石は、前記回転子本体の外周縁部に外部露出状態に配置されている、請求項1に記載の回転電気機械。
  12. 請求項1に記載の回転電気機械を備えた乗り物。
  13. 請求項1に記載の回転電気機械を備えた電気製品。
  14. 円柱状の回転子本体の外周縁部に周方向に所定間隔で配置された複数の永久磁石を有し、回転軸を中心に回転する回転子と、
    前記回転子の半径方向の外側に、間隙を隔てて配置された円筒状の固定子とを備えた回転電気機械であって、
    前記固定子は、
    周方向に間隔を隔てて配置された複数の歯部と、
    該複数の歯部の外側に配置された円筒状の固定子ヨーク部とを備え、
    前記複数の歯部を構成する各歯部は、前記半径方向に複数個に分割され、前記半径方向の最も内側に位置して前記回転子本体の外周縁部に対向するように配置された第一分割歯部と、前記半径方向の最も外側に位置して前記固定子ヨーク部に連結された第二分割歯部とを含む複数の分割歯部を有し、
    前記各歯部は、前記第一分割歯部の回転子側端部における前記周方向の両側に側方突出状に延出した一対の側方突出部を備え、
    前記各歯部における前記複数の分割歯部のうちの少なくともいずれか1の分割歯部が、他の分割歯部に対して前記周方向に相対移動自在な可動分割歯部を構成し、
    前記可動分割歯部は、前記各歯部における前記複数の分割歯部で形成される磁路の磁気抵抗が相対的に異なる第一位置と第二位置との間で移動自在となされ、前記第一位置における前記磁気抵抗が前記第二位置における前記磁気抵抗よりも相対的に小さいものであり、
    隣り合う一対の前記永久磁石における一方の永久磁石から出た磁束が他方の永久磁石に至る際に、これら一対の永久磁石に対応する隣り合う一対の歯部および前記固定子ヨーク部を経由する磁路を主たる磁路とする磁気回路を主磁気回路MGと定義する一方、前記固定子の回転子側端部側を経由する磁路を主たる磁路とする磁気回路を短絡磁気回路Cと定義する一方、
    前記短絡磁気回路Cを、更に、
    隣り合う一対の永久磁石における隣り合う端部が前記歯部の前記回転子側端部における周方向中間部に位置した第一相対位置において、前記周方向中間部を主たる磁路とする短絡磁路を構成する短絡磁気回路Cを第一短絡磁気回路C1と定義し
    前記永久磁石における隣り合う端部が前記歯部の前記回転子側端部における周方向のいずれか一方の端部に位置した第二相対位置において、前記周方向一端部を主たる磁路とする短絡磁路を構成する短絡磁気回路Cを第二短絡磁気回路C2と定義し、
    前記永久磁石における隣り合う端部が前記隣り合う一対の側方突出部に対応して位置する第三相対位置において、前記隣り合う一対の側方突出部の間隙を主たる磁路とする短絡磁路を構成する短絡磁気回路Cを第三短絡磁気回路C3と定義した場合に、
    前記可動分割歯部が前記第一位置に配置された状態において、
    (前記主磁気回路MGの総磁気抵抗値)<(前記第三短絡磁気回路C3の総磁気抵抗値)
    の関係式を満たす一方、
    前記可動分割歯部が前記第二位置に配置された状態において、
    (前記第三短絡磁気回路C3の総磁気抵抗値)<(前記主磁気回路MGの総磁気抵抗値)
    の関係式を満たすと共に、
    (第一短絡磁気回路C1の総磁気抵抗値)<(第三短絡磁気回路C3の総磁気抵抗値)
    の関係式を満たし、かつ
    前記第二短絡磁気回路C2が、前記第一短絡磁気回路C1の総磁気抵抗値と前記第三短絡磁気回路C3の総磁気抵抗値との間の総磁気抵値を有し、前記回転子の前記固定子に対する相対回転移動に伴って前記短絡磁気回路Cが前記第二短絡磁気回路C2から前記第三短絡磁気回路C3に切り替わる際および前記第三短絡磁気回路C3から前記第二短絡磁気回路C2に切り替わる際における前記短絡磁気回路Cの総磁気抵抗値の変化率を抑制するように構成されていることを特徴とする、回転電気機械。
  15. 前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面における前記周方向の両端部が、横断面形状において、前記回転子の外周面に最も近接する前記回転子対向端面における回転子最近接部位を通過する、前記回転子の回転軸を中心とする曲率半径R0を有する第一仮想曲線Aと、該第一仮想曲線Aの前記曲率半径R0と同一の曲率半径R0を有し、前記第一仮想線Aと前記回転子最近接部位において接する、前記回転子の外周面に向かって凸状の第2仮想曲線Bとの間に位置することを特徴とする、請求項14に記載の回転電気機械。
  16. 前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面が、横断面形状において、前記第一仮想曲線の曲率半径R0より大きな曲率半径を有する、前記回転子の外周面に向かって凹状の曲線に形成されていることを特徴とする、請求項14に記載の回転電気機械。
  17. 前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面が、横断面形状において、その周方向の中間点から端部に至る従って、前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面と前記回転子の外周面との間隙が連続的又は段階的に大きくなるように形成されている、請求項14に記載の回転電気機械。
  18. 前記各歯部の回転子側端部の回転子対向端面が、横断面形状において、前記回転子の外周面に向かって凸状の鈍角をなす角状に形成されている、請求項14に記載の回転電気機械。
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