JP5686026B2 - 回転機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転機の端子を直流電圧源の正極および負極のそれぞれに選択的に接続するスイッチング素子を備える直流交流変換回路を操作対象とし、前記直流交流変換回路のスイッチング素子をオン・オフ操作することで前記回転機を流れる電流、前記回転機の磁束および前記回転機のトルクの少なくとも1つである制御量を制御する回転機の制御装置に関する。
この種の制御装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、インバータの操作状態を様々に設定した場合についての3相電動機の電流をそれぞれ予測し、予測される電流と指令電流との偏差を最小化することのできる操作状態にてインバータを操作する、いわゆるモデル予測制御を行うものが提案されている。これによれば、インバータの操作状態から予測される電流の挙動を最適化するようにインバータを操作するため、過渡時における指令電流への追従性を良好なものとすることができる。このため、モデル予測制御は、車載主機としてのモータジェネレータの制御装置等、過渡追従特性として特に高い性能が要求される用途にとっては、有用性が高いと考えられる。
ところで、インバータの出力線間電圧の基本波の変動量が入力電圧よりも大きくなるいわゆる過変調領域において上記モデル予測制御を行なうに際し、モデル予測制御の予測区間が6次の高調波の周期と比較して短く設定される場合には、実際の電流の平均値と指令電流との間に乖離が生じることが知られている。これは、過変調領域においては6次の高調波が支配的である一方、その周期よりも短いタイムスケールで予測される電流と指令電流との差を最小化するインバータの操作状態が選択されることで、変調率を大きくするうえで要求される操作状態の利用が回避されることに起因している。
そこで従来は、例えば下記非特許文献1に見られるように、変調率を入力として6次の高調波電流を予測し、これを指令電流に重畳することで、指令電流自体を6次の高調波を含んだものとすることも提案されている。これにより、変調率を大きくするうえで要求される操作状態に基づき予測される電流と指令電流との偏差が小さくなりやすくなり、ひいては実際の電流の平均値を指令電流に制御することができる。
特開2008−228419号公報
穂積、石田、道木、大熊、「インバータの過変調領域を考慮したモデル予測制御に基づくPMSMの高応答トルク制御系」、平成21年電気学会産業応用部門大会
ただし、上記非特許文献1に記載された技術では、指令電流が急変する過渡時において、実電流の指令電流への追従性が低下することが発明者らによって見出されている。
本発明は、上記課題を解決する過程でなされたものであり、その目的は、過変調領域においてモデル予測制御を行なうに際し、制御量の制御性を好適に向上させることのできる新たな回転機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、およびその作用効果について記載する。
第1の発明は、回転機の端子を直流電圧源の正極および負極のそれぞれに選択的に接続するスイッチング素子を備える直流交流変換回路を操作対象とし、前記直流交流変換回路のスイッチング素子をオン・オフ操作することで前記回転機を流れる電流、前記回転機の磁束および前記回転機のトルクの少なくとも1つである制御量を制御する回転機の制御装置において、前記スイッチング素子のオン・オフによって定まる固定座標系の電圧ベクトルで表現される前記直流交流変換回路の操作状態を仮設定した場合の前記回転機の制御量を予測する予測手段と、前記予測される制御量とその指令値との差を入力パラメータとして前記操作状態を評価する評価手段と、該評価手段の評価結果に基づき前記直流交流変換回路の操作状態を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された操作状態に前記直流交流変換回路を操作する操作手段と、前記評価手段の入力パラメータとしての前記予測される制御量とその指令値との差に含まれる高調波成分を低減する低減手段とを備え、前記低減手段は、前記制御量に含まれる高調波成分の大きさが規定値以下である場合に前記規定値を上回る場合と比較して前記高調波成分の低減度合いを大きくすることを特徴とする。
回転機を過変調領域において駆動する場合、制御量には、6次の高調波が重畳する。そして、モデル予測制御によれば、この高調波による制御量の制御性の低下を微視的なタイムスケールで最も低減できるように操作状態が選択されることで、制御量の平均値が指令値から乖離する問題が生じる。上記発明では、この点に鑑み、評価関数の入力パラメータとしての予想された制御量とその指令値と差に含まれる高調波成分を減衰させる。これにより、上記予測された制御量に高調波成分が顕著に含まれることに起因して、制御量の平均値の制御性が低下することを好適に抑制することができる。
ただし、この場合、過渡状態においては、制御量を急変させる必要が生じるにもかかわらず、上記差に含まれる高調波成分を低減する処理によって、問題となる6次の高調波成分とは関係なく上記過渡故の制御量の変化が評価手段によって適切に認識されなくなるおそれがある。そしてこの場合には、制御性が低下する等の問題を生じる。
ここで、過渡状態における高調波成分は、6次の高調波成分よりも大きくなりうる。上記発明では、この点に着目し、高調波成分の大きさが規定値を上回る場合には、入力パラメータとしての上記差に含まれる高調波成分が6次の高調波成分のみによるものではなく、過渡状態によるものであると判断し、低減する処理を制限する。
第2の発明は、第1の発明において、前記直流交流変換回路の出力線間電圧の基本波成分の変動量が前記直流電圧源の電圧未満である場合、前記低減手段による前記高調波成分の低減処理を禁止する禁止手段をさらに備えることを特徴とする。
上記発明では、禁止手段を備えることで、過変調領域に特有の6次の高調波の影響が生じえない状況下、高調波成分を低減する処理がなされることを回避することができる。
第3の発明は、第1または2の発明において、前記低減手段は、前記制御量および該制御量を予測するための初期値に利用される物理量の検出値のいずれかを入力とするローパスフィルタを備え、該ローパスフィルタの出力値を利用することで前記評価手段の入力パラメータに含まれる高調波成分を低減するものであって且つ、前記ローパスフィルタの出力値に基づき前記制御量に含まれる高調波成分の大きさが規定値以下であるか否かを判断する判断手段をさらに備えることを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、前記判断手段は、前記ローパスフィルタの入力値と出力値との差に基づき前記規定値以下であるか否かの判断を行うことを特徴とする。
ローパスフィルタの出力値は、入力値の平均値的な値となる。このため、入力値と出力値との差は、高調波成分の大きさと相関を有するパラメータとして利用可能である。
第5の発明は、第3の発明において、前記ローパスフィルタは、前記制御量が入力されるものであり、前記判断手段は、前記ローパスフィルタによってフィルタ処理された前記制御量とその指令値との差に基づき前記規定値以下であるか否かの判断を行うことを特徴とする。
ローパスフィルタの出力値は、入力値の平均値的な値となる。このため、指令値の変化が小さい場合には、6次の高調波があってもローパスフィルタの出力値と指令値との差は小さい。これに対し、一方、過渡状態においては、指令値が変化するため、ローパスフィルタの出力値と指令値との差は大きい。上記発明では、この点に鑑み、ローパスフィルタの出力値と指令値との差に基づき、高調波成分の大きさが6次の高調波特有のものよりも大きいか否かを判断する。
第6の発明は、第3の発明において、前記ローパスフィルタは、前記制御量が入力されるものであり、前記判断手段は、前記制御量の指令値および前記ローパスフィルタの入力値の加重平均値と、前記ローパスフィルタによってフィルタ処理された前記制御量との一対の値の差に基づき、前記規定値以下であるか否かの判断を行うことを特徴とする。
ローパスフィルタの出力値は、入力値の平均値的な値となる。このため、入力値と出力値との差は、高調波成分の大きさと相関を有するパラメータとして利用可能である。また、指令値の変化が小さい場合には、6次の高調波があってもローパスフィルタの出力値と指令値との差は小さい。これに対し、過渡状態においては、指令値が変化するため、ローパスフィルタの出力値と指令値との差は大きい。このため、ローパスフィルタの出力値と指令値との差も、高調波成分の大きさと相関を有するパラメータとして利用可能である。
以上から、制御量の指令値および前記ローパスフィルタの入力値の加重平均値と、前記ローパスフィルタによってフィルタ処理された前記制御量との一対の値の差も、高調波成分の大きさと相関を有するパラメータとして利用可能と考えられる。
第7の発明は、第3〜6のいずれか1つの発明において、前記低減手段は、前記予測される制御量とその指令値との差についての高調波成分の除去された値と除去されていない値との加重平均処理値を前記評価手段の入力パラメータとするものであって且つ、前記高調波成分の低減処理の開始に際しては、前記評価手段の入力パラメータに含まれる前記除去された値の割合を徐々に増加させる漸増手段をさらに備えることを特徴とする。
高調波成分の除去された値の割合を急激に増加させると、評価手段の入力パラメータが急激に変化するため、評価手段による評価が急激に変化し、ひいては制御性が低下するおそれがある。上記発明では、この点に鑑み、漸増手段を備えることで、評価手段の入力パラメータの変化を緩和した。
第8の発明は、第1または2の発明において、前記低減手段は、前記予測された制御量および該制御量を予測するための初期値に利用される物理量の検出値の少なくとも一方を入力とするハイパスフィルタを備え、該ハイパスフィルタの出力値を利用することで前記評価手段の入力パラメータに含まれる高調波成分を低減するものであって且つ、前記ハイパスフィルタの出力値に基づき前記制御量に含まれる高調波成分の大きさが規定値以下であるか否かを判断する判断手段をさらに備えることを特徴とする。
第9の発明は、第1〜8のいずれか1つの発明において、前記低減手段は、前記規定値を、前記直流交流変換回路の出力線間電圧の基本波振幅が前記直流電圧源の電圧の「1/2」を上回る度合い、前記回転機のトルク、および回転速度の少なくとも1つに応じて可変設定する可変手段を備えることを特徴とする。
6次の高調波成分は、過変調領域特有の現象であるが故、直流交流変換回路の出力線間電圧の基本波振幅が前記直流電圧源の電圧の「1/2」を上回る度合いに依存する。一方、回転機のトルクや回転速度は、直流交流変換回路の出力線間電圧の基本波振幅が前記直流電圧源の電圧の「1/2」を上回る度合いと相関を有するパラメータである。上記発明では、この点に鑑み、6次の高調波成分の大きさと相関を有するパラメータに応じて規定値を可変設定することで、6次の高調波成分が支配的であるか否かを高精度に判断することができる。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 インバータの操作状態を表現する電圧ベクトルを示す図。 上記実施形態にかかるモデル予測制御の手順を示す流れ図。 過変調領域において生じる問題を説明するための図。 ローパスフィルタを用いることで生じる問題を説明するためのタイムチャート。 上記実施形態にかかるモデル予測手法の切り替え処理の手順を示す流れ図。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかるモデル予測手法の切り替え処理の手順を示す流れ図。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 第3の実施形態にかかるモデル予測手法の切り替え処理の手順を示す流れ図。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 第4の実施形態にかかるモデル予測手法の切り替え処理の手順を示す流れ図。 第5の実施形態にかかるモデル予測手法の切り替え処理の手順を示す流れ図。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 第6の実施形態にかかるシステム構成図。 第7の実施形態にかかるシステム構成図。 第8の実施形態にかかるシステム構成図。
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる回転機の制御装置をハイブリッド車の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるモータジェネレータの制御システムの全体構成を示す。車載主機としてのモータジェネレータ10は、3相の永久磁石同期モータである。また、モータジェネレータ10は、突極性を有する回転機(突極機)である。詳しくは、モータジェネレータ10は、埋め込み磁石同期モータ(IPMSM)である。
モータジェネレータ10は、インバータIVを介して高電圧バッテリ12に接続されている。インバータIVは、スイッチング素子S*p,S*n(*=u,v,w)の直列接続体を3組備えており、これら各直列接続体の接続点がモータジェネレータ10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。これらスイッチング素子S*#(*=u,v,w;#=p,n)として、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。そして、これらにはそれぞれ、ダイオードD*#が逆並列に接続されている。
本実施形態では、モータジェネレータ10やインバータIVの状態を検出する検出手段として、以下のものを備えている。まずモータジェネレータ10の回転角度(電気角θ)を検出する回転角度センサ14を備えている。また、モータジェネレータ10の各相を流れる電流iu,iv,iwを検出する電流センサ16を備えている。更に、インバータIVの入力電圧(電源電圧VDC)を検出する電圧センサ18を備えている。
上記各種センサの検出値は、図示しないインターフェースを介して低電圧システムを構成する制御装置20に取り込まれる。制御装置20では、これら各種センサの検出値に基づき、インバータIVを操作する操作信号を生成して出力する。ここで、インバータIVのスイッチング素子S*#を操作する信号が、操作信号g*#である。
上記制御装置20は、モータジェネレータ10のトルクを要求トルクTrに制御すべく、インバータIVを操作する。詳しくは、要求トルクTrを実現するための指令電流とモータジェネレータ10を流れる電流とが一致するように、インバータIVを操作する。すなわち、本実施形態では、モータジェネレータ10のトルクが最終的な制御量となるものであるが、トルクを制御すべく、モータジェネレータ10を流れる電流を直接の制御量として、これを指令電流に制御する。特に、本実施形態では、モータジェネレータ10を流れる電流を指令電流に制御すべく、インバータIVの操作状態を複数通りのそれぞれに設定した場合についてのモータジェネレータ10の電流を予測し、上記操作状態のうち予測電流が指令電流に近くなるものをインバータIVの実際の操作状態として採用するモデル予測制御を行う。
以下では、まず「1.低変調率での制御」について説明した後、「2.過変調領域での制御」について説明する。
「1.低変調率での制御」
電流センサ16によって検出された相電流iu,iv,iwは、dq変換部22において、回転座標系の実電流id,iqに変換される。また、角度センサ14によって検出される電気角θは、速度算出部23の入力となり、これにより、回転速度(電気角速度ω)が算出される。一方、指令電流設定部24は、要求トルクTrを入力とし、dq座標系での指令電流idr,iqrを出力する。これら指令電流idr,iqr、実電流id,iq、及び電気角θは、モデル予測制御部30の入力となる。モデル予測制御部30では、これら入力パラメータに基づき、インバータIVの操作状態を規定する電圧ベクトルViを決定し、操作部26に入力する。操作部26では、入力された電圧ベクトルViに基づき、上記操作信号を生成してインバータIVに出力する。
ここで、インバータIVの操作状態を表現する電圧ベクトルは、図2に示す8つの電圧ベクトルとなる。例えば、低電位側のスイッチング素子Sun,Svn,Swnがオン状態となる操作状態(図中、「下」と表記)を表現する電圧ベクトルが電圧ベクトルV0であり、高電位側のスイッチング素子Sup,Svp,Swpがオン状態となる操作状態(図中、「上」と表記)を表現する電圧ベクトルが電圧ベクトルV7である。これら電圧ベクトルV0,V7は、モータジェネレータ10の全相を短絡させるものであり、インバータIVからモータジェネレータ10に印加される電圧がゼロとなるものであるため、ゼロ電圧ベクトルと呼ばれている。これに対し、残りの6つの電圧ベクトルV1〜V6は、上側アーム及び下側アームの双方にオン状態となるスイッチング素子が存在する操作パターンによって規定されるものであり、有効電圧ベクトルと呼ばれている。なお、図2(b)に示すように、電圧ベクトルV1、V3,V5のそれぞれがU相、V相、W相の正側にそれぞれ対応している。
次に、モデル予測制御部30の処理の詳細について説明する。先の図1に示す操作状態設定部31では、インバータIVの操作状態を設定する。ここでは、先の図2に示した電圧ベクトルV0〜V7をインバータIVの操作状態として設定する。dq変換部32では、操作状態設定部31によって設定された電圧ベクトルをdq変換することで、dq座標系の電圧ベクトルVdq=(vd,vq)を算出する。こうした変換を行うべく、操作状態設定部31における電圧ベクトルV0〜V7を、例えば、先の図2において、「上」を「VDC/2」として且つ「下」を「−VDC/2」とすることで表現すればよい。この場合、例えば、電圧ベクトルV0は、(−VDC/2、−VDC/2、−VDC/2)となり、電圧ベクトルV1は、(VDC/2、−VDC/2、−VDC/2)となる。
予測部33では、電圧ベクトル(vd、vq)と、実電流id,iqと、電気角速度ωとに基づき、インバータIVの操作状態を操作状態設定部31によって設定される状態とした場合の電流id,iqを予測する。ここでは、下記(c1)、(c2)にて表現される電圧方程式を、電流の微分項について解いた下記の状態方程式(式(c3)、(c4))を離散化し、1ステップ先の電流を予測する。
vd=(R+pLd)id −ωLqiq …(c1)
vq=ωLdid +(R+pLq)iq +ωφ …(c2)
pid
=−(R/Ld)id +ω(Lq/Ld)iq +vd/Ld …(c3)
piq
=−ω(Ld/Lq)id−(Rd/Lq)iq+vq/Lq−ωφ/Lq…(c4)
ちなみに、上記の式(c1)、(c2)において、抵抗R、微分演算子p、d軸インダクタンスLd,q軸インダクタンスLq及び電機子鎖交磁束定数φを用いた。
上記電流の予測は、操作状態設定部31によって設定される複数通りの操作状態のそれぞれについて行われる。
一方、操作状態決定部34では、予測部33によって予測された予測電流ide,iqeと、指令電流idr,iqrとを入力として、インバータIVの操作状態を決定する。ここでは、操作状態設定部31によって設定された操作状態のそれぞれを評価関数Jによって評価し、評価のもっとも高かった操作状態を選択する。この評価関数Jとして、本実施形態では、評価が低いほど値が大きくなるものを採用する。具体的には、評価関数Jを、指令電流ベクトルIdqr=(idr,iqr)と、予測電流ベクトルIdqe=(ide,iqe)との差の内積値に基づき算出する。これは、指令電流ベクトルIdqrと予測電流ベクトルIdqeとの各成分の偏差が正、負の双方の値となりうることに鑑み、値が大きいほど評価が低いことを表現するための一手法である。これにより、指令電流ベクトルIdqrと予測電流ベクトルIdqeとの各成分の差が大きいほど、評価が低くなる評価関数Jを構築することができる。
図3に、本実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す。この処理は、所定周期(制御周期Tc)で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、電気角θ(n)と、実電流id(n),iq(n)とを検出するとともに、前回の制御周期で決定された電圧ベクトルV(n)を出力する。続くステップS12においては、1制御周期先における電流(ide(n+1),iqe(n+1))を予測する。これは、上記ステップS10によって出力された電圧ベクトルV(n)によって、1制御周期先の電流がどうなるかを予測する処理である。ここでは、上記の式(c3)、(c4)にて表現されたモデルを前進差分法にて制御周期Tcで離散化したものを用いて、電流ide(n+1)、iqe(n+1)を算出する。この際、電流の初期値として、上記ステップS10において検出された実電流id(n),iq(n)を用いるとともに、dq軸上の電圧ベクトルとして、電圧ベクトルV(n)を、上記ステップS10において検出された電気角θ(n)に「ωTc/2」を加算した角度によってdq変換したものを用いる。
続くステップS14〜S22では、次回の制御周期における電圧ベクトルを複数通りに設定した場合のそれぞれについて、2制御周期先の電流を予測する処理を行う。すなわち、まずステップS14において、電圧ベクトルを定める数jを「0」に設定する。続くステップS16においては、電圧ベクトルVjを、次回の制御周期における電圧ベクトルV(n+1)として設定する。続くステップS18においては、上記ステップS12と同様にして予測電流ide(n+2)、iqe(n+2)を算出する。ただし、ここでは、電流の初期値として、上記ステップS12において算出された予測電流ide(n+1),iqe(n+1)を用いるとともに、dq軸上の電圧ベクトルとして、電圧ベクトルV(n+1)を、上記ステップS10において検出された電気角θ(n)に「3ωTc/2」を加算した角度によってdq変換したものを用いる。
続くステップS20においては、数jが「7」であるか否かを判断する。この処理は、インバータIVの操作状態を決定する電圧ベクトルV0〜V7の全てについて、電流の予測処理が完了したか否かを判断するためのものである。そして、ステップS20において否定判断される場合には、ステップS22において、数jをインクリメントし、ステップS16に戻る。これに対し、ステップS20において肯定判断される場合には、ステップS24に移行する。
ステップS24においては、次回の制御周期における電圧ベクトルV(n+1)を決定する処理を行う。ここでは、上記評価関数Jを最小化する電圧ベクトルを最終的な電圧ベクトルV(n+1)とする。すなわち、ステップS20において肯定判断される時点で、電圧ベクトルV0〜V7のそれぞれについての予測電流ide(n+2),iqe(n+2)が算出されている。このため、これら8通りの予測電流ide(n+2),iqe(n+2)を用いて、評価関数Jの値を8つ算出することができる。続くステップS26においては、電圧ベクトルV(n),V(n+1)を、それぞれ電圧ベクトルV(n−1),V(n)とし、電気角θ(n)を電気角θ(n−1)とし、実電流id(n),iq(n)を、それぞれ実電流id(n−1)、iq(n−1)とする。
なお、ステップS26の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
「2.過変調領域での制御」
ところで、上記の式(c1)、(c2)に、指令電流idr,iqr(固定値)を入力することで、指令電圧ベクトル(vdr、vqr)のノルムが一義的に定まる。このノルムは、モータジェネレータ10の電気角θが「360°」回転することで、図4(a)に示す2次元固定座標系において「360°」回転する。ここで、インバータIVによって実現可能な出力電圧は、図4(a)に示すように、1辺の長さが「√(2/3)×VDC」の6角形内の領域に制限される。このため、指令電圧ベクトル(vdr、vqr)の終点が描く曲線(円)としての上限は、図4(a)に示した半径「VDC/√2」の円(6角形の内接円)となる。この状態は、インバータIVの出力線間電圧の基本波成分が入力電圧と一致していることを意味し、このときの変調率を「2/√3」と定義する。
本実施形態では、変調率が「2/√3」よりも大きい領域を過変調領域とする。過変調領域においても変調率をさらに上昇させることができることが周知である。ただし、過変調領域である場合、すなわち、指令電流idr,iqrに応じた上記指令電圧ベクトルのノルムが上記円の半径よりも大きくなる場合、モータジェネレータ10の電気角によっては指令電流idr,iqrを実現することはできず、これに起因してモータジェネレータ10の制御量に電気角周波数の6倍の高調波成分が重畳される。すなわち、図4(b)に示す円にて表現される指令電圧ベクトルの場合、指令電圧ベクトルの終点が上記6角形の領域内に入る破線部分では指令どおりに電圧が出力され、6角形の領域からはみ出る1点鎖線部分は6角形に制約された電圧が出力され、これが電気角周波数の6倍の周期で繰り返される。このため、モータジェネレータ10の制御量に電気角周波数の6倍の高調波が重畳される。
この6次の高調波の重畳によって電流が変動したとしてもその平均値が指令電流idr,iqrとなるなら、モータジェネレータ10のトルクを要求トルクTrに制御することができる。ただし、上記評価関数Jを用いてインバータIVの操作状態を決定する場合、モータジェネレータ10の実際のトルクと要求トルクTrとの間に定常的な乖離が生じる。これは、予測電流ide(n+2),iqe(n+2)となると予測されるタイミングと現在時との間の時間間隔(予測間隔)が上記高調波の周期と比較して小さいことに起因している。すなわち、この場合、局所的なタイムスケースにおいて予測電流ide,iqeと指令電流idr,iqrとの差を最小にするための操作状態が選択される。例えば、インバータIVの出力電圧からの制約により実際の電流を指令電流とすることのできない領域とこれを上回る制御が可能な領域とが存在する。そして、上回る制御が可能な領域においては、指令電流と予測電流との差を最小とする操作状態が選択されるため、指令電流を上回る操作状態の使用が回避され、電流の平均値が指令電流に対して不足する。
ちなみに、上記定常偏差は、高調波の周期以上の長期間にわたって都度の予測電流ide,iqeと指令電流idr,iqrとの差を評価することで次回の操作状態を決定するなら解消しうる。ただし、この場合には演算負荷が過大となる。
そこで本実施形態では、先の図1に示した処理によって過変調領域における定常偏差の抑制を図る。
すなわち、dq変換部22の出力する実電流idは、例えば1次遅れフィルタ等のローパスフィルタ40に取り込まれる。ローパスフィルタ40は、実電流idの高調波成分を減衰させつつ基本波成分を選択的に透過させるものであり、カットオフ周波数を電気角速度ωに応じて可変設定する。切替部42は、ローパスフィルタ40の出力信号(平均実電流idL)を予測部33に出力するか否かを切り替える。一方、dq変換部22の出力する実電流iqは、例えば1次遅れフィルタ等のローパスフィルタ44に取り込まれる。ローパスフィルタ44は、実電流iqの高調波成分を減衰させつつ基本波成分を選択的に透過させるものであり、カットオフ周波数を電気角速度ωに応じて可変設定する。切替部46は、ローパスフィルタ44の出力信号(平均実電流iqL)を予測部33に出力するか否かを切り替える。
これにより、切替部42,46によって平均実電流idL,iqLが予測部33に入力される場合には、予測部33では、実電流id,iqに基づく予測電流ide,iqeの算出に加えて、平均実電流idL,iqLに基づく平均予測電流ideL,iqeLの算出を行なう。
そして、平均実電流idL,iqLに基づき予測部33によって予測された平均予測電流ideLに重み係数α(>0)を乗算した値と、実電流id,iqに基づき予測部33によって予測された予測電流ideに重み係数「1−α(>0)」を乗算した値とが加算部48において加算される。これにより、平均予測電流ideLと予測電流ideとの加重平均処理を行なう。そして、セレクタ52では、加算部48の値と、予測電流ideとのいずれかを操作状態決定部34に選択的に出力する。
また、平均実電流idL,iqLに基づき予測部33によって予測された平均予測電流iqeLに重み係数α(>0)を乗算した値と、実電流id,iqに基づき予測部33によって予測された予測電流iqeに重み係数「1−α(>0)」を乗算した値とが加算部50において加算される。これにより、平均予測電流iqeLと予測電流iqeとの加重平均処理を行なう。そして、セレクタ54では、加算部50の値と、予測電流iqeとのいずれかを操作状態決定部34に選択的に出力する。
ここで、加算部48,50の出力は、予測部33によって予測された予測電流ide,iqeの高調波成分を除去しつつも、基本波成分の位相遅れが低減されたものとなっている。これは、ローパスフィルタ40,44によるフィルタ処理のなされない成分を含むためである。ここで、位相遅れ補償の効果は、上記重み係数αをゼロに近づけるほど大きくなる。
ところで、上記高調波成分を除去する場合には、図5に例示されるように、指令電流idr,iqrが急変される過渡状態における実電流id,iqの指令電流idr,iqrへの制御性の低下を招く。図5では、指令電流iqrを急減少させる場合において、実電流id,iqが指令電流idr,iqrの変化をはるかに上回るオーバーシュート現象が生じることを示している。これは、評価関数Jに入力される上記加算部48,50の出力が、実電流id,iqの急激な変化を反映しないためである。すなわち、この場合、加算部48,50の出力を指令電流idr,iqrに追従させるべく、インバータIVの操作状態として、不適切なものの評価が高くなり、これが選択される。
そこで本実施形態では、過変調領域において高調波成分が過変調制御特有のものよりも大きい場合、上記加算部48,50の出力を用いることなく、予測電流ide,iqeを用いてインバータIVの操作状態を決定する。
図6に、上記モデル予測手法の切り替え処理の手順を示す。この処理は、制御装置20において、たとえば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS30において、平均電圧ベクトルVaを算出する。これは、上記の式(c1)、(c2)において微分演算子pを除去したものに、指令電流ベクトルIdqrを入力することで行なわれる。ここで、平均電圧ベクトルVaとは、インバータIVの出力電圧のうち電気角周波数を有する基本波成分のことである。すなわち、インバータIVは、1電気角周期よりも短い時間間隔でスイッチング状態を切り替えることで、その出力電圧が、電気角周波数成分を有する正弦波形状の電圧を模擬したものとなっている。インバータIVの模擬する上記正弦波形状の電圧が平均電圧ベクトルVaである。ちなみに、この平均電圧ベクトルVaのノルムは、変調率や電圧利用率と比例関係にある物理量である。ここで、変調率は、インバータIVの出力電圧についての基本波成分のフーリエ係数のことである。なお、このフーリエ係数の算出に際しては、基本波の振幅中心とインバータIVの出力電圧の変動幅の中央値とを一致させる。
続くステップS32においては、変調率Mを算出する。これは、電源電圧VDCと、平均電圧ベクトルVaとを用いて、「(|Va|/VDC)√(8/3)」となる。続くステップS34では、過変調領域である旨の第1条件と、平均実電流idL,iqLと実電流id,iqとのノルム同士の差の絶対値が規定値Δth以下である旨の第2条件との論理積が真であるか否かを判断する。ここで、第2条件は、実電流id,iqに含まれる高調波成分が過変調領域特有のものであるか否かを判断するためのものである。すなわち、実電流id,iqに含まれる高調波成分は、平均実電流idL,iqLと実電流id,iqとの差によって定量化できるため、その絶対値が、過変調領域特有の高調波成分の上限値を超えない場合に過変調領域特有のものであると判断する。
そしてステップS34において肯定判断される場合には、ステップS36において、平均予測電流ideL,iqeLを用いて(加算部48,50の出力信号に基づき)インバータIVの操作状態を評価する。これに対し、ステップS36において否定判断される場合には、ステップS38において、予測電流ide,iqeを用いてインバータIVの操作状態を評価する。
なお、上記ステップS36,S38の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図7に、本実施形態の効果を示す。図示されるように、上記切り替え処理を行なうことで、q軸電流を変化させる過渡時においてもオーバーシュートを好適に抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)過変調領域において、実電流id,iqに含まれる高調波成分の大きさが規定値以下である場合に、平均予測電流ideL,iqeLを利用して評価を行い、規定値を上回る場合には、予測電流ide,iqeによって評価を行なった。これにより、高調波成分が6次の高調波成分のみによるものではなく、過渡状態によるものも含まれる場合に、制御性の低下を抑制することができる。
(2)平均実電流idL,iqLと実電流id,iqとの差の絶対値に基づき、高調波成分が規定値以下であるか否かを判断した。これにより、高調波成分の大きさを適切に定量化することができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図8に、本実施形態にかかるモデル予測手法の切り替え処理の手順を示す。この処理は、制御装置20において、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図8において、先の図6に示した処理に対応するものについては、便宜上、同一のステップ番号を付している。
図中、ステップS34aに示されるように、本実施形態では、高調波成分の大きさを規定する規定値Δthを変調率Mに応じて可変設定する。ここで、変調率Mは、高調波電圧の利用度合い(先の図4(a)に示した6角形の内接円からの電圧のはみ出し度合い)を示すパラメータである。これが大きいほど、高調波成分も大きくなると考えられるため、変調率Mに応じて規定値Δthを可変設定する。詳しくは、本実施形態では、変調率Mと6次の高調波電圧との関係を示すマップによって、変調率Mから6次の高調波電圧をマップ演算し、6次の高調波電圧から6次の高調波電流を算出することで規定値Δthを算出する。
ここで、6次の高調波電圧を、振幅Vh6を用いて(Vh6・exp(jφ),Vh6・exp{j(φ+π/2)})とすると、上記の式(c1)、(c2)において、誘起電圧の項を無視することで、6次の高調波電流(id6,iq6)は、以下の式にて表現される。なお、以下の式の導出において、上記の式(c1),(c2)における微分演算子pを、「j6ω」としている。
Figure 0005686026
上記の式において、R<<ωLd、ωLqの場合、高調波電流id6の振幅は、「Vh6/5ωLd」と、また、高調波電流iq6の振幅は、「Vh6/5ωLq」とそれぞれ近似できる。
このため、この近似式を用いて算出される6次の高調波電流(id6,iq6)のノルムに、所定のマージン量を加算したものを規定値Δthとすることができる。
図9に、本実施形態の効果を示す。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1),(2)の効果の加えて、さらに以下の効果が得られるようになる。
(3)規定値Δthを、変調率Mに応じて可変設定した。これにより、実電流id,iqに含まれる高調波成分が、過変調領域特有の6次の高調波成分であるか否かを高精度に判断することができる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図10に、本実施形態にかかるモデル予測手法の切り替え処理の手順を示す。この処理は、制御装置20において、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図10において、先の図8に示した処理に対応するものについては、便宜上、同一のステップ番号を付している。
図中、ステップS34bに示されるように、本実施形態では、平均実電流idL,iqLと指令電流idr,iqrとの差の絶対値が規定値Δth以下であるか否かを判断する。ここで、指令電流idr,iqrが変化していない場合、平均実電流idL,iqLは、指令電流idr,iqrに追従すると考えられる。このため、これらの間に差が生じる場合には、指令電流idr,iqr等が変化する過渡時であると考えられる。
なお、上記規定値Δthは、実電流id,iqに含まれる高調波成分が過変調領域に特有な6次の高調波成分である場合に生じうる差の上限値以上に設定される。なお、本実施形態では、規定値Δthを、変調率Mに応じて可変設定する。これは、6次の高調波電流が大きいほど、平均実電流idL,iqLと指令電流idr,iqrとの差が大きくなりうるとの考えに基づくものである。すなわち、加算部48,50の出力信号に基づきインバータIVの操作状態を評価する以前には、平均実電流idL,iqLと指令電流idr,iqrとの間にオフセット誤差が生じ、しかもこの誤差は、6次の高調波電流が大きいほど大きくなる。このため、加算部48,50の出力信号に基づきインバータIVの操作状態を評価する処理に適切に移行する上では、移行する条件を定める規定値Δthを可変設定することが有効である。この処理は、変調率Mと規定値Δthとの関係を定めたマップに基づき行なうことができる。
図11に、本実施形態の効果を示す。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図12に、本実施形態にかかるモデル予測手法の切り替え処理の手順を示す。この処理は、制御装置20において、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図12において、先の図6に示した処理に対応するものについては、便宜上、同一のステップ番号を付している。
図中、ステップS34cに示されるように、本実施形態では、平均実電流idL,iqLと、指令電流idr,iqrおよび実電流id,iqの平均値との差の絶対値が規定値Δth以下であるか否かを判断する。これによっても、実電流id,iqに含まれる高調波成分にとって、過変調領域特有の6次の高調波成分によるものが支配的か否かを判断することができる。
<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、加算部48,50の出力を用いたインバータIVの操作状態の評価処理に切り替える場合、加算部48,50の出力に対する平均予測電流ideL,iqeLの寄与度を漸増させる処理を行なう。
図13に、本実施形態にかかるモデル予測手法の切り替え処理の手順を示す。この処理は、制御装置20において、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図13において、先の図6に示した処理に対応するものについては、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、先の図6のステップS34と同様の処理を行なう。そして、ステップS34において肯定判断される場合、ステップS40において、平均予測電流ideL,iqeLに乗算する重み係数αを増加させた回数をカウントするカウンタCが閾値Cth(>1)以上であるか否かを判断する。そして、閾値Cth未満である場合、ステップS42において、重み係数αを規定量Δαだけ増加させるとともに、カウンタCをインクリメントする。これにより、ステップS34において肯定判断される状況下、重み係数αは、カウンタCが閾値Cthに達するまで漸増されることとなる。
一方、ステップS34において否定判断される場合、ステップS44において、カウンタCがゼロ以下であるか否かを判断する。この処理は、重み係数αがゼロとなったか否かを判断するためのものである。そして、カウンタCがゼロよりも大きい場合、ステップS46において、重み係数αを規定量Δαだけ減少させ、カウンタCをデクリメントする。これにより、ステップS34において否定判断される状況下、重み係数αはゼロに達するまで漸減されることとなる。
なお、上記ステップS42,S46の処理が完了する場合や、ステップS40,S44において肯定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図14、図15に、本実施形態の効果を示す。
図示されるように、q軸の電流を変化させる過渡時において、オーバーシュートが好適に抑制されている。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(2)の効果に加えて、さらに以下の効果が得られるようになる。
(4)加算部48,50の出力信号によりインバータIVの操作状態を評価する処理を開始する場合、重み係数αを漸増させた。これにより、評価関数Jの入力パラメータの変化を緩和することができる。
<第6の実施形態>
以下、第6の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図16に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図16において、先の図1に示した部材や処理に対応するものについては、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、平均実電流idL,iqLは用いない。これに代えて、実電流id,iqに基づき算出される予測電流ide,iqeを、位相遅れ補償器60,62に入力し、位相遅れ補償器60,62の出力と予測電流ide,iqeとのいずれかを、操作状態決定部34に入力する。
ここで、位相遅れ補償器60,62は、予測電流ide,iqeの基本波成分を選択的に透過させて且つ、高調波成分を減衰させるものであり、カットオフ周波数を電気角速度ωに応じて可変設定する。本実施形態では、位相遅れ補償器60,62として、電気角速度ωに応じて可変設定される時定数τと、重み係数α(0<α<1)とによって「(1+ατs)/(1+τs)」にて表現されるものを用いる。なお、これは、予測電流ide,iqeをローパスフィルタ処理したものに重み係数αを乗算した値と、予測電流ide,iqeに重み係数(1−α)を乗算した値とを加算したものと同一である。
<第7の実施形態>
以下、第7の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図17に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図17において、先の図1に示した処理に対応する処理については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、トルク/磁束予測部64では、予測電流ide,iqeに基づき、モータジェネレータ10の磁束ベクトルΦとトルクTとを予測する。ここで、磁束ベクトルΦ=(Φd、Φq)は、下記の式(c5)、(c6)にて予測され、トルクTは、下記の式(c7)にて予測される。
Φd=Ld・id+φ …(c5)
Φq=Lq・iq …(c6)
T=P(Φd・iq−Φq・id) …(c7)
ちなみに、上記の式(c7)においては、極対数Pを用いている。
一方、磁束マップ24aでは、要求トルクTrに基づき、指令磁束ベクトルΦrを設定する。ここで、指令磁束ベクトルΦrは、要求トルクTrを満たすもののうち、例えば最小の電流で最大のトルクが得られる最大トルク制御を実現する等の要求によって設定されるものである。
操作状態決定部34aでは、評価関数Jに基づき最終的な操作状態を決定する。ここで、評価関数Jは、予測トルクTeと要求トルクTrとの差と、予測磁束ベクトルΦeと指令磁束ベクトルΦrとの各成分の差とに基づき定量化される。詳しくは、これらの差の2乗のそれぞれに重み係数a,bを乗算した値同士の和に基づき決定される。ここで、重み係数a,bは、トルクと磁束との大きさが相違することに鑑みたものである。すなわち例えば、トルクの数値の方が大きくなる単位設定をする場合、トルク偏差の方が大きくなりやすいため、重み係数a,bを用いない場合には、磁束の制御性が低い電圧ベクトルであっても評価がさほど低くならない等、デメリットが生じるおそれがある。このため、重み係数a、bを、評価関数Jの複数の入力パラメータの絶対値の大きさの相違を補償する手段として用いる。なお、トルクと磁束との関係式が「T=P×Ia×Φ×sin(θv−θi);Ia:電流振幅、θv:電圧位相角、θi:電流位相角」であることに鑑みれば、「a=1、b=|P×Ia×sin(θv−θi)|」とすることが望ましい。
ここで、本実施形態では、過変調領域において過渡状態でない場合には、評価関数Jの入力パラメータを、磁束予測部64によって予測された予測トルクTeと予測磁束Φde,Φqeのそれぞれを位相遅れ補償器66,68,70によってフィルタ処理したものへと切り替える。なお、変調率が小さい領域等では、セレクタ72,72,76の操作によって、評価関数Jの入力パラメータを、磁束予測部64によって予測された予測トルクTeと予測磁束Φde,Φqeとに切り替える。なお、過変調領域において高調波成分が規定値以下であるか否かは、上記第1の実施形態に記載した手法等によって判断すればよい。もっともこれに代えて、磁束予測部64の出力する予測トルクTeや予測磁束Φde,Φqeとそのローパスフィルタ値との差に基づき判断するなどすることも可能である。
<第8の実施形態>
以下、第8の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図18に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図18において、先の図1に示した部材や処理に対応するものについては、便宜上、同一の符号を付している。
ハイパスフィルタ80は、実電流idを入力として、電気角周波数よりも大きい周波数成分を抽出する。ここでは、実際には、電気角周波数成分(望ましくは電気角周波数以下の全成分)を十分に減衰させ、6次成分を十分に透過させるべく、カットオフ周波数の調整等がなされる。なお、カットオフ周波数は、電気角速度ωに応じて可変設定される。一方、乗算部82では、ハイパスフィルタ80の出力信号にゲインKを乗算する。これが高調波電流補正量idhである。そして、セレクタ84では、指令電流idrが評価関数Jに入力されるに先立ち、補正部86によって高調波電流補正量idhを加算するか否かを切り替える。
一方、ハイパスフィルタ90は、実電流iqを入力として、電気角周波数よりも大きい周波数成分を抽出する。ここでは、実際には、電気角周波数成分(望ましくは電気角周波数以下の全成分)を十分に減衰させ、6次成分を十分に透過させるべく、カットオフ周波数の調整等がなされる。なお、カットオフ周波数は、電気角速度ωに応じて可変設定される。一方、乗算部92では、ハイパスフィルタ90の出力信号にゲインKを乗算する。これが高調波電流補正量iqhである。そして、セレクタ94では、指令電流iqrが評価関数Jに入力されるに先立ち、補正部96によって高調波電流補正量iqhを加算するか否かを切り替える。
ここで、指令電流idr,iqrに、高調波電流補正量idh,iqhが加算される場合、評価関数Jの入力パラメータとしての予測電流ide,iqeと指令電流idr,iqrとの差から高調波成分が好適に低減される。
なお、本実施形態では、先の図6のステップS34において、ハイパスフィルタ80,90の出力信号や、高調波電流補正量idh,iqhのノルムを規定値と比較すればよい。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
「低減手段について」
上記第1の実施形態(図1)において、平均予測電流ideL,iqeLをローパスフィルタ処理したものと瞬時の予測電流ide,iqeとの加重平均処理を行なうものであってもよい。また、第1の実施形態において、瞬時の予測電流ideと指令電流idrとの差と、平均予測電流ideLと指令電流idrとの差との加重平均処理値を評価関数Jに入力しても、上記第1の実施形態と数学的に等価である。
高調波成分が大きい場合に高調波成分の低減処理を禁止するものに限らず、低減処理を行ないつつも低減度合いを小さくするものであってもよい。これは、たとえば先の図6のステップS34において否定判断される場合、重み係数αを減少させつつもゼロよりも大きい値に設定することで行なうことができる。
「判断手段について」
上記4の実施形態(図12)において、指令電流idr,iqrと実電流id,iqとの単純移動平均値と平均実電流idL,iqLとの差に基づき高周波成分の大きさが規定値以下であるか否かを判断するものに限らず、指令電流idr,iqrと実電流id,iqとのそれぞれに互いに相違する重み係数を乗算したもの同士の和に基づくものであってもよい。
また、電流ベクトルのノルム同士の差に基づくものに限らず、たとえばq軸成分同士の差およびd軸成分同士の差のいずれかに基づき規定値以下であるか否かを判断するものであってもよい。
「禁止手段について」
たとえば回転機の起動処理時および停止処理時を除いて変調率1以上で回転機を駆動するものであるなら、禁止手段を備えなくてもよい。
「可変手段について」
規定値Δthを、変調率Mを直接の入力パラメータとして可変設定するものに限らない。変調率Mが電気角速度ωや電流に応じて定まるものであることに鑑みれば、電気角速度ωや、電流、トルクを直接の入力パラメータとしてこれらに応じて可変設定してもよい。
「漸増手段について」
上記第8の実施形態(図18)において、高調波電流補正量idh,iqhを指令電流idr,iqrに加算する処理を開始するに際し、乗算部82,92のゲインを漸増させてもよい。
「平均電圧ベクトルVaの算出について」
平均電圧ベクトルVaの算出手法としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、モデル予測制御によって操作状態として都度決定された電圧ベクトルのdq軸成分をローパスフィルタ処理する手段としてもよい。また例えば、モデル予測制御によって操作状態として都度決定された電圧ベクトルのdq軸成分の電気角60度分の平均値を算出する手段であってもよい。
「評価手段について」
上記第7の実施形態(図17)において、磁束ベクトルΦのd軸成分とq軸成分とのそれぞれに互いに相違する重み係数を乗算する等、これらの絶対値の大きさの相違を補償する手段を備えてもよい。また、第1〜6,8の実施形態においても、d軸電流とq軸電流との絶対値の大きさの相違を補償する手段を備えてもよい。
また、評価関数としては、入力パラメータとしての制御量とその指令値との差の各成分の2乗の加重平均値にも限らない。例えば制御量とその指令値との差の絶対値であってもよい。要は、入力パラメータとしての制御量とその指令値との差が大きいほど評価が低いことを定量化するものであればよい。
「予測手段について」
・上記各実施形態では、インバータIVの操作状態についての次の更新タイミング(1制御周期先のタイミング)におけるインバータIVの操作による制御量を予測したがこれに限らない。例えば数制御周期先の更新タイミングにおけるインバータIVの操作による制御量まで順次予測することで、1制御周期先の更新タイミングにおける操作状態を決定してもよい。この場合であっても、予測区間が6次の高調波の周期よりも短いなら、評価関数Jの入力パラメータとしての予測された制御量の高調波成分を減衰させることは有効である。
・上記各実施形態では、インバータIVの操作状態の更新タイミングから1制御周期先の制御量を予測したがこれに限らない。例えば、操作状態の更新タイミングから1制御周期経過するまでの期間内の中間の時点における制御量を予測してもよい。
・電流を予測するために用いるモデルとしては、鉄損を無視したモデルに限らず、これを考慮したモデルであってもよい。
・電流の予測としては、モデルを用いるものに限らず、入力パラメータについての離散的な値に対応した出力パラメータの値が記憶された記憶手段(マップ)を用いるものであってもよい。
・上記各実施形態では、可能な操作状態(電圧ベクトルV0〜V7)の全てを仮設定の対象として、これら全てについて制御量を予測したがこれに限らない。例えばゼロベクトルについては、V0,V7のいずれか一方に限って予測対象としてもよい。また例えば、同時にスイッチング状態が切り替えられるモータジェネレータ10の端子数を低減すべく、現在の操作状態からのスイッチング状態の切替端子数が規定値(≦2)以下の操作状態のみを仮設定の対象としてもよい。
「制御量について」
・指令値と予測値とに基づきインバータIVの操作を決定するために用いる制御量としては、トルクおよび磁束と、電流とのいずれかに限らない。例えば、トルクのみまたは磁束のみであってもよい。また例えば、トルクおよび電流であってもよい。ここで、制御量を電流以外とする場合等において、センサによる直接の検出対象を電流以外としてもよい。
・上記各実施形態では、回転機の究極の制御量(予測対象であるか否かにかかわらず、最終的に所望の量とされることが要求される制御量)を、トルクとしたが、これに限らず、例えば回転速度等としてもよい。
「そのほか」
・回転機としては、埋め込み磁石同期機に限らず、表面磁石同期機や、界磁巻線型同期機等、任意の同期機であってよい。更に、同期機にも限らず、誘導モータ等、誘導回転機であってもよい。
・回転機としては、ハイブリッド車に搭載されるものに限らず、電気自動車に搭載されるものであってもよい。また、回転機としては車両の主機として用いられるものに限らない。
・直流電圧源としては、高電圧バッテリ12に限らず、例えば高電圧バッテリ12の電圧を昇圧するコンバータの出力端子であってもよい。
10…モータジェネレータ、12…高電圧バッテリ(直流電源の一実施形態)、14…制御装置(回転機の制御装置の一実施形態)。

Claims (9)

  1. 回転機の端子を直流電圧源の正極および負極のそれぞれに選択的に接続するスイッチング素子を備える直流交流変換回路を操作対象とし、前記直流交流変換回路のスイッチング素子をオン・オフ操作することで前記回転機を流れる電流、前記回転機の磁束および前記回転機のトルクの少なくとも1つである制御量を制御する回転機の制御装置において、
    前記スイッチング素子のオン・オフによって定まる固定座標系の電圧ベクトルで表現される前記直流交流変換回路の操作状態を仮設定した場合の前記回転機の制御量を予測する予測手段と、
    前記予測される制御量とその指令値との差を入力パラメータとして前記操作状態を評価する評価手段と、
    該評価手段の評価結果に基づき前記直流交流変換回路の操作状態を決定する決定手段と、
    前記決定手段によって決定された操作状態に前記直流交流変換回路を操作する操作手段と、
    前記評価手段の入力パラメータとしての前記予測される制御量とその指令値との差に含まれる高調波成分を低減する低減手段とを備え、
    前記低減手段は、前記直流交流変換回路の出力線間電圧の基本波成分の変動量が前記直流電圧源の電圧以上である旨の第1条件と、前記制御量に含まれる高調波成分の大きさが規定値以下である旨の第2条件との論理積が真である場合に前記高調波成分低減し、前記第1条件と前記第2条件との論理積が真でない場合に前記高調波成分の低減処理を禁止するものであることを特徴とする回転機の制御装置。
  2. 前記規定値は、変調率に応じて可変設定されることを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
  3. 前記低減手段は、
    前記制御量および該制御量を予測するための初期値に利用される物理量の検出値のいずれかを入力とするローパスフィルタを備え、該ローパスフィルタの出力値を利用することで前記評価手段の入力パラメータに含まれる高調波成分を低減するものであって且つ、
    前記ローパスフィルタの出力値に基づき前記制御量に含まれる高調波成分の大きさが規定値以下であるか否かを判断する判断手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1または2記載の回転機の制御装置。
  4. 前記判断手段は、前記ローパスフィルタの入力値と出力値との差に基づき前記規定値以下であるか否かの判断を行うことを特徴とする請求項3記載の回転機の制御装置。
  5. 前記ローパスフィルタは、前記制御量が入力されるものであり、
    前記判断手段は、前記ローパスフィルタによってフィルタ処理された前記制御量とその指令値との差に基づき前記規定値以下であるか否かの判断を行うことを特徴とする請求項3記載の回転機の制御装置。
  6. 前記ローパスフィルタは、前記制御量が入力されるものであり、
    前記判断手段は、前記制御量の指令値および前記ローパスフィルタの入力値の加重平均値と、前記ローパスフィルタによってフィルタ処理された前記制御量との一対の値の差に基づき、前記規定値以下であるか否かの判断を行うことを特徴とする請求項3記載の回転機の制御装置。
  7. 前記低減手段は、
    前記予測される制御量とその指令値との差についての高調波成分の除去された値と除去されていない値との加重平均処理値を前記評価手段の入力パラメータとするものであって且つ、
    前記高調波成分の低減処理の開始に際しては、前記評価手段の入力パラメータに含まれる前記除去された値の割合を徐々に増加させる漸増手段をさらに備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  8. 前記低減手段は、
    前記予測された制御量および該制御量を予測するための初期値に利用される物理量の検出値の少なくとも一方を入力とするハイパスフィルタを備え、該ハイパスフィルタの出力値を利用することで前記評価手段の入力パラメータに含まれる高調波成分を低減するものであって且つ、
    前記ハイパスフィルタの出力値に基づき前記制御量に含まれる高調波成分の大きさが規定値以下であるか否かを判断する判断手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1または2記載の回転機の制御装置。
  9. 前記低減手段は、前記規定値を、前記直流交流変換回路の出力線間電圧の基本波振幅が前記直流電圧源の電圧の「1/2」を上回る度合い、前記回転機のトルク、および回転速度の少なくとも1つに応じて可変設定する可変手段を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
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