JP5684275B2 - エネルギー線硬化性樹脂組成物とそれを用いた接着剤及び硬化体 - Google Patents

エネルギー線硬化性樹脂組成物とそれを用いた接着剤及び硬化体 Download PDF

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Description

本願発明は、エネルギー線硬化性樹脂組成物とそれを用いた接着剤及び硬化体に関する。
近年のエレクトロニクス分野では、機器が高性能化している。特に、CD、DVD、青色半導体レーザに対応したBlu−rayディスク、HD−DVD等の光記録媒体の再生・記録に用いられる光ピックアップ装置や、液晶、有機エレクトロルミネッセンス等のディスプレイ部品や、CCD、CMOSといったイメージセンサー等の電子部品、更に半導体部品等で用いられる素子パッケージ等の接着においては、接着後に部材同士の位置がずれてしまうとこれらの電子部品の動作に不具合が生じる。そこで、高い接着性と低い硬化収縮性をあわせ持つ接着剤が求められている。
更には工芸ガラスの台座、皿の固定用途、レンズ、プリズム、カメラ、双眼鏡及び顕微鏡等に用いられる光学素子の接着においても部材同士の位置がずれてしまうと、美観を損ねたり、光学素子として不具合が生じたりする場合がある。そこで、エレクトロニクス以外の分野においても高い接着性と低い硬化収縮性が求められている。
このような技術の潮流の中で、高い接着性と低い硬化収縮性をあわせ持つエネルギー線硬化型カチオン重合性化合物が求められている。
特開平1−213304号公報(特許文献1)には、光学的造形用樹脂組成物にエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とエネルギー線感受性カチオン重合開始剤とを含有させることにより、接着性や硬化収縮性を改善することが提案されている。
しかし、このようなエネルギー線硬化性樹脂組成物はカチオン重合開始剤のアニオン部位にヒ素(As)やアンチモン(Sb)といった毒性の強い元素が用いられているため、取り扱いや環境に対する影響への懸念といった問題があった。更に該アニオン部位の分解によりフッ化物イオンを放出し、金属に対する腐食性(以下、「腐食性」と称する)を示すため、使用が限定されるといった問題があった。
この問題を解決するために、特表平11−501909号公報(特許文献2)では、光カチオン重合開始剤を添加したエネルギー線硬化性樹脂組成物を用いることにより、速硬化性を損なうことなく腐食性、安全性を改良することが提案されている。しかし、カチオン重合性化合物にカチオン重合開始剤を添加した状態で長期間にわたり保存すると、紫外線が遮断された状態でも、カチオン重合開始剤からカチオンが自然発生することがあった。このカチオンによりカチオン重合性化合物の重合が開始して増粘やゲル化が生ずるため、貯蔵安定性に乏しいという問題があった。
このような問題点を解決するために、特開2003−292606号公報(特許文献3)では、オキセタン化合物に塩基性化合物、例えば、アミン等の塩基性有機化合物を添加することにより、オキセタン化合物の重合性を損なうことなく貯蔵安定性を改良することが提案されている。しかし、アミン等の塩基性有機化合物の添加によっても依然としてカチオン重合性化合物の重合禁止効果が十分に得られない場合があり、実用に耐えうる十分な貯蔵安定性が得られないという問題があった。
貯蔵安定性の問題点を解決するために、特開2003−155413号公報(特許文献4)では、カチオン重合性基を有する化合物にホスフィンオキサイド誘導体を配合することにより、カチオン重合開始剤の重合性能を低下させることなく貯蔵安定性を向上させることが提案されている。また、特開2009−215329号公報(特許文献5)では、フィラーを含有する光カチオン重合開始剤を用いたエネルギー線硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性の問題を解決する方法として、1ppb以下のウラン含有シリカフィラーを用いることを提案している。さらに、特開2010−24364号公報(特許文献6)では、エレクトロニクス分野パッケージ接着において必要な高い接着性と塗布性と低透湿性をあわせ持つ接着剤が提案されている。しかし、本発明により十分な貯蔵安定性が得られることについて、記載はない。
特開平1−213304号公報 特表平11−501909号公報 特開2003−292606号公報 特開2003−155413号公報 特開2009−215329号公報 特開2010−24364号公報
本発明は、速やかな硬化性を示し、そして長期保管可能な貯蔵安定性を有するエネルギー線硬化性樹脂組成物とそれを用いた接着剤に関する。
本発明は、以下を要旨とするものである。
(1)(A)カチオン重合性化合物、(B)式(1)で表される光カチオン重合開始剤、(C)フェノール系酸化防止剤とキノン系酸化防止剤からなる群のうちの1種又は2種以上を含有することを特徴とするエネルギー線硬化性樹脂組成物。
Figure 0005684275
(2)前記(1)記載の式(1)におけるBが、CFで表されることを特徴とするエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(3)(A)成分100質量部、(B)成分0.1〜10質量部、(C)成分0.01〜20質量部を含有することを特徴とする(1)又は(2)のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(4)(D)式(2)で表される塩を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
Figure 0005684275
(5)(E)フィラーを含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(6)光増感剤を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(7)前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなる硬化体。
(8)前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物からなる接着剤。
上記構成からなるエネルギー線硬化性樹脂組成物は、例えば、硬化性、接着性、貯蔵安定性を満足することができる。
<用語の説明>
本願明細書において、エネルギー線硬化性樹脂組成物とは、エネルギー線を照射することによって硬化させることができる樹脂組成物を意味する。ここで、エネルギー線とは、紫外線、可視光線等に代表されるエネルギー線を意味する。
本願明細書において、貯蔵安定性とは、長期間にわたる保存後も、増粘やゲル化が生じることがないことをいう。
以下、本願発明の実施の形態について詳細に説明する。
本実施形態に係るエネルギー線硬化性樹脂組成物は、以下に記載する(A)カチオン重合性化合物、(B)光カチオン重合開始剤、(C)フェノール系酸化防止剤とキノン系酸化防止剤からなる群のうちの1種又は2種を含有することを特徴とする。
上記構成からなるエネルギー線硬化性樹脂組成物は、優れた安全性、腐食性、硬化性、貯蔵安定性、接着性を有する。
次に、本実施形態に係るエネルギー線硬化性樹脂組成物の成分について説明する。
<(A)カチオン重合性化合物>
本実施形態に係るエネルギー線硬化性樹脂組成物は、(A)カチオン重合性化合物を必須成分とする。
(A)カチオン重合性化合物としては、環状エーテル類、カチオン重合性ビニル化合物等が挙げられる。環状エーテル類としては、エポキシ、オキセタン等の化合物が挙げられる。カチオン重合性ビニル化合物としては、ビニルエーテル、ビニルアミン、スチレン等が挙げられる。これらの化合物若しくは誘導体は、単独又は2種類以上を選択して使用してもよい。
ここで、カチオン性重合化合物としては、モノマー、オリゴマー又はポリマーのいずれも使用可能である。
エポキシ化合物としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、ノボラックフェノール型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、これらの変性物等の芳香族系、あるいは、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等の脂肪族系が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等の脂肪族系が挙げられる。
エポキシ化合物の中では、優れた接着性、低透湿性、接着耐久性が得られる点で、(a−1)脂環式エポキシ化合物及び/又は(a−2)芳香環を有するエポキシ樹脂が好ましく、(a−1)脂環式エポキシ化合物及び(a−2)芳香環を有するエポキシ樹脂を併用することがより好ましい。
(a−1)脂環式エポキシ化合物としては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環、ピネン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる化合物若しくはその誘導体や、ビスフェノールA型エポキシ化合物等の芳香族エポキシ化合物を水素化して得られる水素化エポキシ化合物等の脂環式エポキシ化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種又は2種以上を選択して使用してもよい。
これらの中では、1分子内に1個以上のエポキシ基と1個以上のエステル基を含有する脂環式エポキシ化合物が好ましい。このような脂環式エポキシ化合物は、特に接着性、光硬化性に優れるため、好ましい。
脂環式エポキシ化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート等が挙げられる。これらの中では、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートが好ましい。
(a−2)芳香環を有するエポキシ樹脂としては、モノマー、オリゴマー又はポリマーのいずれも使用可能であり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、これらの変性物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種又は2種以上を選択して使用してもよい。これらの中では、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂からなる群のうちの1種又は2種以上が、接着性、低透湿性に優れる点で、好ましい。これらの中では、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
光硬化性、高精度塗布性、接着性、透湿性、接着耐久性のバランスを考慮した場合、(a−1)と(a−2)の合計100質量部中、(a−2)成分が20〜80質量部の範囲であることが好ましく、40〜60質量部の範囲であることがより好ましい。
オキセタン化合物としては、特に限定されないが、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成(株)製商品名OXT101等)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン(同OXT121等)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(同OXT211等)、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル(同OXT221等)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(同OXT212等)等が挙げられる。オキセタン化合物とは、分子内に1以上のオキセタン環を有する化合物をいう。
ビニルエーテル化合物としては、特に限定されないが、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
ビニルアミン化合物としては、特に限定されないが、N−ビニルジメチルアミン、N−ビニルエチルブチルアミン、N−ビニルジフェニルアミン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド化合物等が挙げられる。
(A)カチオン重合性化合物の中では、優れた接着性、低透湿性、接着耐久性が得られる点で、エポキシ化合物が好ましい。
<(B)光カチオン重合開始剤>
光カチオン重合開始剤は、エネルギー線を照射することによりカチオン種が発生する以下に記載の化合物である。
光カチオン重合開始剤のカチオン種としては、オニウムカチオンが好ましい。オニウムカチオンとしては、アリールスルホニウム塩誘導体、アリールヨードニウム塩誘導体等が挙げられる。光カチオン重合開始剤のアニオン種としては、発ガン等の安全性、腐食性、硬化性、接着性、貯蔵安定性の点で、式(1)で表される化合物を使用する。
Figure 0005684275
これらの中では、式(1)のBがCFであることが好ましい。式(1)のBがCFである光カチオン重合開始剤としては、これらに限定されるものではないが、チバジャパン社製のビス−(4−t−ブチル−フェニル)−ヨードニウム−トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(CGIBBI C1)、トリフェニルスルホニウム−トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(CGITPS C1)、トリス−{4−アセチル−スルファニル}−フェニル}−スルホニウム−トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(GSID26−1)等が挙げられる。これらの中では、ビス−(4−t−ブチル−フェニル)−ヨードニウム−トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、トリフェニルスルホニウム−トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド及びトリス−{4−アセチル−スルファニル}−フェニル}−スルホニウム−トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドからなる群のうちの1種又は2種以上が好ましく、ビス−(4−t−ブチル−フェニル)−ヨードニウム−トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドがより好ましい。
(B)光カチオン重合開始剤としては、例えば、アリールスルホニウム塩誘導体(例えば、チバジャパン社製のCGITPS C1、GSID26−1等)、アリールヨードニウム塩誘導体(例えば、チバジャパン社製のCGIBBI C1)等が挙げられる。光カチオン重合開始剤は、1種又は2種以上を選択して任意の割合で使用してもよい。
(B)光カチオン重合開始剤は、(A)光カチオン重合化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部の割合で含有させることが好ましい。この範囲にあれば硬化性が悪くなることもないし、貯蔵安定性も低下しない。硬化性と貯蔵安定性の点で、光カチオン重合開始剤の使用量は、0.5〜5質量部がより好ましく、1〜3質量部が最も好ましい。
<(C)フェノール系酸化防止剤およびキノン系酸化防止剤>
本実施形態に係るエネルギー線硬化性樹脂組成物は、酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤とキノン系酸化防止剤からなる群のうちの1種又は2種を含有することが必須である。
フェノール系酸化防止剤としては、フェノチアジン、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、カテコール、tert−ブチルカテコール、2−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、3,9−ビス〔2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド〕、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−C7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕フォスフォネート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス〔〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕フォスフォネート、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、ヘキサメチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス〔(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル〕−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,6−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、ピクリン酸、クエン酸等が挙げられる。
キノン系酸化防止剤としては、β−ナフトキノン、2−メトキシ−1,4−ノフトキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−p−ベンゾキノン等が挙げられる。
これらの中では、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート及び2,5−ジ−tert−ブチル−ハイドロキノンからなる群のうちの1種又は2種以上が好ましく、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]がより好ましい。
(C)フェノール系酸化防止剤とキノン系酸化防止剤からなる群のうちの1種又は2種は、(A)光カチオン重合化合物100質量部に対して、0.01〜20質量部の割合で含有させることが好ましい。0.01質量部以上であれば貯蔵安定性が向上し、20質量部以下であれば硬化性を低下させることもない。硬化性と貯蔵安定性の点で、フェノール系酸化防止剤とキノン系酸化防止剤からなる群のうちの1種又は2種の使用量は、0.05〜10質量部がより好ましく、0.1〜5質量部が最も好ましい。
<(D)式(2)で表される塩>
本実施形態に係るエネルギー線硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性の点で、(D)式(2)で表されるホスフィンオキサイド誘導体を使用しても良い。(D)式(2)で示される塩は、1種のみ又は2種以上を選択して任意の割合で使用することができる。
Figure 0005684275
式(2)で表される化合物としては、これに限定されるものではないが、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、リン酸三カルシウム、リン酸銀等が挙げられる。これらの中では、トリポリリン酸ナトリウムが好ましい。
ホスフィンオキサイド誘導体は、(A)光カチオン重合化合物100質量部に対して、0.01〜10質量部の割合で含有させることが好ましい。0.01質量部以上であれば貯蔵安定性が向上し、10質量部以下であれば硬化性を低下させることもない。硬化性と貯蔵安定性の点で、ホスフィンオキサイド誘導体の使用量は、0.05〜5質量部がより好ましく、0.1〜3質量部が最も好ましい。
<(E)フィラー>
本実施形態に係るエネルギー線硬化性樹脂組成物は、フィラー(無機充填剤)を更に含有していてもよい。
フィラーとしては、シリカ粒子、ガラスフィラー、球状アルミナ、破砕アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の酸化物類、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物類、炭化ケイ素等の炭化物類、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物類、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属類や合金類、ダイヤモンド、カーボン等の炭素系充填材、シリカ粒子等が挙げられる。フィラーの50%粒子径は、0.1μm以上15μm以下の範囲であることが好ましく、90%粒子径が3μm以上20μm以下の範囲であることが好ましい。これらの範囲であることにより、粒子径が小さすぎて凝集し易くなってしまうこともないし、粒子径が大きすぎて沈降し易くなってしまうこともない。これらの中では、シリカ粒子が好ましい。
ここでいう50%粒子径及び90%粒子径とは、体積累積頻度50%時及び90%時の粒子径のこという。
粒子径の測定方法としては、特に限定されないが、例えば、レーザー回折粒度分布計、レーザードップラー粒度分布計、動的光散乱粒度分布計、超音波粒度分布計等が挙げられる。
シリカ粒子とは、化学組成としてSiO(1≦X≦2)で表される99%以上の純度であるシリカ粒子のことであり、ウラン含量1ppb以下の低ウランシリカ粒子のことを言う。
シリカ粒子の合成法としては、特に限定されないが、ケイ酸アルカリを中和、ゲル乾燥、粉砕後火炎溶融する方法、アルコキシシランを火炎分解する方法、四塩化ケイ素等の揮発性ケイ素化合物を気相加水分解する方法、低ウラン水晶を粉砕しそれを溶融して製造する方法等が挙げられる。これらの方法は、安定した低ウランシリカ粒子を容易に得ることができるので好ましい。
(E)フィラーは、(A)光カチオン重合化合物100質量部に対して、50〜300質量部の割合で含有させることが好ましい。50質量部以上であれば低透湿性を得ることができ、300質量部以下であればフィラーが凝集することなく分散状態を維持することが可能である。効果が大きい点で、フィラーの使用量は、100〜200質量部がより好ましく、120〜180質量部が最も好ましい。
<その他の成分>
(光増感剤)
本実施形態に係るエネルギー線硬化性樹脂組成物は、各種光増感剤を併用してもよい。光増感剤とは、エネルギー線を吸収して、光カチオン重合開始剤からカチオンを効率よく発生させる化合物をいう。
光増感剤としては、特に限定されないが、ベンゾフェノン誘導体、フェノチアジン誘導体、フェニルケトン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ナフタセン誘導体、クリセン誘導体、ペリレン誘導体、ペンタセン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサンテン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、トリアリルメタン誘導体、フタロシアニン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、有機ルテニウム錯体等が挙げられる。これらに限定されず、公知の光増感剤を適用することができる。これらの中では、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン等のフェニルケトン誘導体が好ましく、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンがより好ましい。
光増感剤は、(A)光カチオン重合化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部の割合で含有させることが好ましい。この範囲にあれば硬化性が悪くなることもないし、貯蔵安定性も低下しない。硬化性と貯蔵安定性の点で、光増感剤の使用量は、0.5〜5質量部がより好ましく、1〜3質量部が最も好ましい。
(添加剤)
本実施形態の目的を損なわない範囲で、アクリルゴム、ウレタンゴム等の各種エラストマー、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体等のグラフト共重合体、溶剤、増量材、補強材、可塑剤、増粘剤、染料、顔料、難燃剤及び界面活性剤等の添加剤が含有されても良い。
また、公知のシランカップリング剤を任意の割合で含有することができる。
上記構成からなるエネルギー線硬化性樹脂組成物は、エネルギー線の照射により硬化させ、硬化体としてもよい。
上記構成からなるエネルギー線硬化性樹脂組成物は接着剤として用いてもよい。この接着剤は、CD、DVD、青色半導体レーザに対応したBlu−rayディスク、HD−DVD等の光記録媒体の再生・記録に用いられる光ピックアップ装置や、液晶、有機エレクトロルミネッセンス等のディスプレイ部品や、CCD、CMOSといったイメージセンサー等の電子部品、更に半導体部品等で用いられる素子パッケージ等のエレクトロニクス分野での接着等に、好適に用いることができる。更には工芸ガラスの台座、皿の固定用途、2個以上のレンズやプリズム、カメラ、双眼鏡及び顕微鏡等に用いられる光学素子の接着においても好適な接着剤となる。
[製造方法]
本実施形態に係るエネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法については、上記の材料を十分に混合できれば特に制限はない。材料の混合方法としては、特に限定されないが、プロペラの回転に伴う撹拌力を利用する撹拌法、自転公転による遊星式撹拌機等の通常の分散機を利用する方法等が挙げられる。これらの混合方法は、低コストで、安定した混合を行えるので好ましい。
上記の混合を行った後、下記の光源を用いたエネルギー線の照射により、エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化を行ってもよい。
(光源)
本実施形態において、エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化、接着に用いられる光源としては、特に限定されないが、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ(インジウム等を含有する)、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、キセノンエキシマランプ、キセノンフラッシュランプ、ライトエミッティングダイオード(以下、LEDという)等が挙げられる。これらの光源は、それぞれの光重合開始剤の反応波長に対応したエネルギー線の照射を効率よく行える点で、好ましい。
上記光源は、各々放射波長、エネルギー分布が異なる。そのため、上記光源は光重合開始剤の反応波長等により適宜選択される。又、自然光(太陽光)も反応開始光源になり得る。
上記光源は、直接照射、反射鏡等による集光照射、ファイバー等による集光照射を行ってもよい。低波長カットフィルター、熱線カットフィルター、コールドミラー等も用いることもできる。
以上、本発明の実施形態について述べてきたが、これらは本発明の例示であり、本発明の目的を損なわない範囲において上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例および比較例においては、以下の化合物を使用した。
(A)成分のカチオン重合性化合物として下記を用いた。
(A−1)3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学社製「セロキサイド2021P」)
(A−2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「YL−938U」)
(A−3)ノボラックフェノール型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製 「EP−152」)
(A−4)ポリプレングリコール型エポキシ樹脂(阪本薬品工業社製「SR−PTMG」)
(A−5)ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル(東亜合成社「OXT221」)
(B)成分の光カチオン重合開始剤として下記を用いた。
(B−1)ビス-(4-t-ブチル-フェニル)-ヨードニウム-トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(チバジャパン社製「CGIBBI C1」)
(B−2)トリフェニルスルホニウム-トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド (チバジャパン社製「CGITPS C1」)
(B−3)トリス-{4-アセチル-スルファニル}-フェニル}-スルホニウム-トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(チバジャパン社製「GSID26−1」)
比較のために、下記の光カチオン開始剤(B−4およびB−5)を用いた。
(B−4)ヨードニウム{4−(2−メチルプロピル)フェニル}(ヘキサフルオロフォスフェイト)(プロピレンカーボネート溶媒中に75質量%含有)(チバジャパン社製「Irgacure−250」)
(B−5)芳香族スルホニウムPF塩(アデカ社製「アデカオプトマーSP−150」)
(C)フェノール系酸化防止剤またはキノン系酸化防止剤として下記を用いた。
(C−1)ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバジャパン社製「Irganox−1010」)
(C−2)オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバジャパン社製「Irganox−1076」)
(C−3)2,5−ジ−tert−ブチル−ハイドロキノン(川口化学工業社製「DBHQ」)
(C−4)4,4‘−チオビス(6−テトラ−ブチル1−3−メチルフェノール)(住友化学社製SUMILIZER WX−R)
光増感剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバジャパン社製「ダロキュア1173」)を使用した。
(D)式(2)で表されるホスフィンオキサイド誘導体として下記を用いた。
(D−1)ポリリン酸ナトリウム(関東化学社製)
比較のために、リンオキサイド化合物である亜リン酸ジエチル(D−2)を用いた。
(D−2)亜リン酸ジエチル(和光純薬工業社製)
(E)フィラーとしては、デンカ溶融シリカ FB−3SDX(電気化学工業社製、50%粒子径2.8μm、90%粒子径6.2μm)を使用した。
(実施例1〜9)
表1に示す種類の原材料を、表1に示す組成割合で混合し、実施例1〜9の樹脂組成物を調製した。光硬化性、引張剪断接着強さおよび保存貯蔵安定性について、後述する評価を行い、結果を表1に示した。
Figure 0005684275
(比較例1〜3)
表2に示す種類の原材料を、表2に示す組成割合で混合し、比較例1〜3の樹脂組成物を調製した。評価の結果を表2に示した。
Figure 0005684275
(実施例10〜13)
表3に示す種類の原材料を、表3に示す組成割合で混合し、実施例10〜13の樹脂組成物を調製した。評価の結果を表3に示した。
Figure 0005684275
〔光硬化性評価〕
レオメーター(アートンパール社製「MCR−301」)ではUV照射下の剛性率を測定することができる。測定は、調製した樹脂組成物を直径8mmの円形のプレートで両面から挟み、該樹脂組成物にUV(365nmの照度:150mW/cm)を照射しながら25℃(±0.5℃)、周波数10Hzで行った。UV照射開始後200秒までに、貯蔵剛性率G’が1.00E+4(1.00×10)以上に増加したものを良好と判断して、記号「○」を付した。一方、UV照射開始後200秒までに、貯蔵剛性率G’が1.00E+4に満たなかったものを不良と判断して、記号「×」を付した。
〔引張剪断接着強さの評価〕
引張せん断接着強さ:JIS K 6850に従い測定した。具体的には被着材とした耐熱ガラス(商品名「耐熱パイレックス(登録商標)ガラス」、25mm×25mm×2.0mm)を用いて、接着部位を直径8mmの円形として、作製した該樹脂組成物にて、2枚の耐熱ガラスを張り合わせ、UV照射器を使用し、積算光量52000mJ/cm(365nmの照度:400mW/cm、ウシオ電機社製「SP−7(水銀キセノンランプ搭載UV硬化装置)」)の条件にて硬化させ、引張り強さ試験片を作製した。作製した試験片は、23℃、湿度50%の環境で、万能試験機を使用して、引張せん断接着強さを測定した。
〔保存貯蔵安定性の評価〕
組成物の初期粘度(V)を測定した後、容器に入れて蓋をした状態(密閉系)で、40℃の高温環境下における養生促進試験を行い、4週間後の組成物の粘度(V)を測定した。そして、式:V/Vに従って粘度変化率を求めた。粘度変化率が4以下のものを保存貯蔵安定性良好と判断した。
〔粘度の測定〕
組成物の粘度はE型粘度計を用い、温度25℃、回転数10rpmの条件下で測定した。
以上のように、本発明によれば、(A)カチオン重合性化合物、(B)光カチオン重合開始剤、(C)フェノール系酸化防止剤とキノン系酸化防止剤からなる群のうちの1種又は2種を含有することを特徴とするエネルギー線硬化性樹脂組成物が提供される。上記構成からなるエネルギー線硬化性樹脂組成物は、高い接着性と低い硬化収縮性を併せ持つだけでなく、腐食性、安全性、硬化性、貯蔵安定性を満足することができる。(D)ホスフィンオキサイド誘導体を使用すると、貯蔵安定性がより向上する。
エネルギー線硬化性樹脂組成物は接着剤として用いることができる。この接着剤は、CD、DVD、青色半導体レーザに対応したBlu−rayディスク、HD−DVD等の光記録媒体の再生・記録に用いられる光ピックアップ装置や、液晶、有機エレクトロルミネッセンス等のディスプレイ部品や、CCD、CMOSといったイメージセンサー等の電子部品、更に半導体部品等で用いられる素子パッケージ等のエレクトロニクス分野、更には工芸ガラスの台座、皿の固定用途、レンズ、プリズム、カメラ、双眼鏡及び顕微鏡等に用いられる光学素子の接着において、安全性、腐食性、硬化性、接着性、貯蔵安定性を満足することができる好適な接着剤となる。

Claims (7)

  1. (A)カチオン重合性化合物、(B)式(1)で表される光カチオン重合開始剤、(C)フェノール系酸化防止剤とキノン系酸化防止剤からなる群のうちの1種又は2種を含有し、さらに(D)式(2)で表される塩を含有することを特徴とするエネルギー線硬化性樹脂組成物。
    Figure 0005684275

    Figure 0005684275
  2. 請求項1記載の式(1)におけるBが、CFで表されることを特徴とするエネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. (A)成分100質量部、(B)成分0.1〜10質量部、(C)成分0.01〜20質量部を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. (E)フィラーを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
  5. 光増感剤を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなる硬化体。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物からなる接着剤。
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