JP5682309B2 - 結晶化ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶化特性が良好で、かつ、加工性に優れるポリエステル樹脂およびその製造方法に関するものである。
結晶性ポリエステル、特に脂肪族ポリエステルやポリアルキレンテレフタレートは、結晶化することにより優れた機械特性および耐熱性を発現することから、広く利用されている。しかしながら、ポリエステル樹脂のうち、ポリ乳酸樹脂は結晶化速度が遅く、充分な結晶化度を得るためには長時間の結晶化処理を必要とする問題がある。そのため、その結晶性を向上する方法が様々と検討されている(特許文献1〜4など)。しかしながら、いずれの方法も結晶核剤などの結晶化促進剤を添加するものであり、結晶性を高めるために結晶化促進剤の添加量を多くすると、樹脂の機械物性低下を生じるといった課題を有している。
また、従来技術においては、ポリエステル樹脂を加工に供するにあたって、溶融状態のポリエステル樹脂を水浴等で冷却してペレット化する方法が、通常用いられている。しかし、この場合、ポリエステル樹脂は溶融状態から急冷されるために、非晶状態のペレットが得られる。このペレットの固相重合処理を行う場合には、非晶状態のままではペレット同士の融着を起こすため、事前に加熱処理等を行ってペレットの結晶化を行う工程が必要となる。またポリエステル樹脂の分子量が低い場合には軟化点が低いため、当該事前結晶化工程においてペレット同士の融着を起こしやすいなどの問題を有していた。
特開平2001−192442号公報 特開平2009−13352号公報 特開平2009−24058号公報 特開平2009−24081号公報 特開平2009−67856号公報
本発明は、溶融加工性に優れ、かつ、結晶化特性が良好なポリエステル樹脂の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明は脂肪族ポリエステルら選ばれたポリエステルを、該ポリエステルの融点をTmとして、Tm−70℃〜Tm+20℃の温度でせん断および/または圧力を付与することによって、該ポリエステルを結晶化度10%以上かつ1000Pa・s以下の溶融粘度を有する流動性を有する状態にする結晶化工程を有し、かつ、前記ポリエステルがポリ乳酸である結晶化ポリエステルの製造方法およびそれによって得られた結晶化ポリエステルである。

本発明によれば、結晶構造を有しているにもかかわらず、流動性を持つ結晶化ポリエステルを得ることができる。本発明の結晶化ポリエステルは、結晶化により適度な流動性を有しているため、溶融加工性に優れ、かつ、結晶化度が高い成形品を提供することができる。また、固相重合を行うにあたって、事前結晶化工程が不要なため、固相重合により高分子量のポリエステルを製造するのに適する。
本発明の結晶化ポリエステルの製造方法は、原料のポリエステルを、該ポリエステルの融点をTmとして、Tm−70℃〜Tm+20℃の範囲から選ばれた温度において、せん断および/または圧力を付与することによって、該ポリエステルを結晶化度10%以上かつ流動性を有する状態にする結晶化工程を経て製造されることを特徴とする。
原料のポリエステルの融点(Tm)は、示差走査熱量計測定を用いて昇温速度20℃/分で測定したときに現れる結晶融解ピークのピークトップ温度である。
得られる結晶化ポリエステルの結晶化度は15%以上であることが好ましく、20%以上であることがさらに好ましく、30%以上であることが特に好ましい。また、結晶化度は70%以下であることが好ましい。
結晶化度は、Tm−70℃〜Tm+20℃の温度範囲にあって、流動性を有する状態にあるポリマーを、氷水や液体窒素などで急冷することで結晶構造を凍結した後、広角X線回折測定を行い、非晶部のハロー領域と結晶部の回折ピーク領域の面積比より測定することができる。
また、結晶化の程度の判断としては、示差走査熱量計測定を行い、得られた昇温時結晶化エンタルピー(ΔHc)および結晶融解エンタルピー(ΔHm)の値を用いて下記式から結晶化の割合として算出した値も、指標として有用である。
[(ΔHm−ΔHc)/ΔHm]×100 (%)
式中、ΔHmは成形体の結晶融解エンタルピーを表し、ΔHcは成形体の昇温時結晶化エンタルピーを表す。
また、ポリマーが流動性を有する状態とは、ポリマーが粉体または固体状に固化することなく、溶融流動している状態である。流動性を有していることは、目視により観察することができる。また、流動性を有しているポリマーの溶融粘度は、溶融機に設置したオンラインレオメーターを用いて測定することができる。またオフラインのレオメーターを用いる場合、任意の温度およびせん断を設定して測定することが可能である。
流動性を有する状態としては、溶融粘度が10000Pa・s以下であることが好ましく、1000Pa・s以下であることがさらに好ましく、700Pa・s以下であることが特に好ましい。また、溶融粘度は、0.001Pa・s以上であることが好ましく、0.01Pa・s以上であることがさらに好ましく、0.1Pa・s以上であることが特に好ましい。
本発明の結晶化ポリエステルは、流動性を維持しながら、結晶化により溶融張力が大きくなるため、流動安定性および加工性が向上するという効果を有する。特に、供給するポリエステルとしてオリゴマーやプレポリマーを用いた場合には上記効果が顕著となる。従来技術においては、オリゴマーまたはプレポリマーを用いた場合には、溶融粘度が低いため、溶融時にドローダウンしやすいなど、溶融加工性に課題があった。しかし、本発明の方法によれば、オリゴマーやプレポリマーのような低分子量のポリエステルであっても、流動安定性および加工性に優れる結晶化ポリエステルが得られる。
通常、結晶化したポリエステルは、流動性を有さず、例えば、押出機内でポリエステルを結晶化させた場合には、固化することにより押出機が停止するか、もしくは、固化した不定形の塊状物や粉体としてポリエステルが吐出される。しかし、本発明の結晶化ポリエステルは安定した流動性を持つことから、そのまま一定の形状に加工することが可能である。
このように、原料のポリエステルに、特定の温度条件下でせん断および/または圧力を付与し、結晶化することで、結晶化速度の遅い脂肪族ポリエステルや、低分子量のオリゴマーまたはプレポリマーでも容易に結晶化できる。また、従来技術では困難であった、結晶化度の高いペレットを得ることができる。従来技術では、ポリエステルの重合工程終了後、ペレットを得る際に、ポリエステルは急冷されるため、結晶構造をほとんど有さない非晶状態のペレットしか得られなかった。そのため、溶融加工や固相重合等の後工程に用いる前に加熱結晶化を行う工程が必要であった。しかし、その加熱結晶化工程において、ペレット同士が融着する問題があった。一方、本発明の結晶化ポリエステルは、流動性を維持しつつ、高い結晶性を有する。従って、流動状態の結晶化ポリエステルを急冷固化しても、結晶化度の高いペレットが得られる。そのため、得られたペレットを、加熱結晶化工程を経ずに、そのまま固相重合工程に供しても、ペレットの融着の問題は生じない。それに加えて、結晶構造の制御が容易であることから、固相重合において高い反応性が得られるという優れた効果を有する。また、従来技術のペレットを加熱して結晶化させる方法では、ペレット内やペレット間での結晶化度のバラツキが大きくなるという問題もあった。本発明の方法によれば、結晶化度のバラツキが小さいペレットを得られるという優れた効果を有する。
本発明における結晶化工程に供する原料ポリエステルの結晶化度は、特に限定されるものではないが、結晶化度が10%未満であることが好ましく、5%未満であることがより好ましい。本発明の効果は、原料ポリエステルの結晶化度を効率的に増加することにあるので、原料ポリエステルの結晶化度が低いほど、発明の効果が高くなる。また、モノマーを重合して得られたポリエステルを、固化することなく溶融状態のまま本発明の結晶化工程に供することも可能であり、好ましく行われる。
本発明の結晶化ポリエステルの製造方法としては、溶融状態のポリエステル樹脂をTm−70℃〜Tm+20℃の溶融機内でせん断を付与しながら滞留する方法や、溶融状態のポリエステル樹脂をTm−70℃〜Tm+20℃の溶融機内で圧力を付与しながら滞留する方法などが挙げられる。このときの溶融機は、せん断あるいは圧力を付与することができれば限定されず、重合缶、ニーダー、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機などの多軸押出機、射出成形機などを用いることができる。結晶化工程においては、溶融物が均一に撹拌されていることが好ましい。反応槽などにおいて結晶化する場合、結晶化後の溶融粘度の違いが生じ、一部または全部が撹拌翼や壁面に付着したままになることがあるが、そのような状態を経ることは好ましくない。そのため、結晶化工程は、単軸押出機または多軸押出機で行うことが好ましく、より好ましくは単軸押出機または二軸押出機である。押出機の回転数は、得られる結晶化ポリエステルの結晶化度の均一性の点から、50〜1000rpmが好ましく、80〜500rpmがさらに好ましく、100〜400rpmが特に好ましい。
溶融機内で滞留する温度のより好ましい範囲は、Tm−50℃〜Tm+20℃であり、より好ましくはTm−40℃〜Tmであり、特に好ましくはTm−30℃〜Tm−5℃である。従来技術においては、溶融機の温度は、樹脂が溶融して良好な流動性を発現するためにTm+20℃を超える温度を設定する。しかし、本発明においては、Tm+20℃を超える温度で滞留した場合には、仮に結晶が生成したした場合でも再融解してしまうため好ましくない。一方、溶融機の温度がTm−70℃未満の場合には、結晶化ポリエステルの流動性が著しく低下するため好ましくない。
せん断の大きさは、せん断速度によって表される。本発明におけるせん断速度とは、既知の経験式により算出した値が用いられる。例えば下式のように二軸押出機の場合はスクリューの直径、スクリューと押出機とのクリアランス、およびスクリューの回転数から算出することができる。
(せん断速度)=π×(スクリュー直径)×(スクリュー回転数)/(スクリューと押出機のクリアランス)
付与するせん断速度については、せん断速度が1〜600/秒の範囲が好ましく、10〜400/秒であることがさらに好ましい。せん断速度が遅いと結晶化に長時間が必要となり、せん断速度が速すぎるとせん断発熱により樹脂温度が上昇して熱分解を生じやすくなる。
また、圧力とは、原料のポリエステルを溶融機内で滞留する際に溶融機にかかる樹脂圧であり、溶融機に設置した圧力計により測定することができる。
付与する圧力については、0.02〜50MPaが好ましく、0.05〜10MPaが特に好ましい。圧力が低すぎても、高すぎても結晶化に時間が必要になる。
さらに、せん断速度10〜400/秒のせん断と0.05〜10MPaの圧力を同時に付与して滞留した場合には、短時間で結晶化できるため特に好ましい。
また、溶融機内でポリエステルが滞留する時間は0.01分〜60分であることが好ましく、より好ましくは0.1分〜10分、さらに好ましくは0.5分〜5分の範囲である。滞留時間が短すぎるとポリエステルの結晶化が不十分となり、60分を超える場合には滞留により熱分解を生じやすくなる。
ポリマーが非晶状態で透明性を有する場合には、結晶化にともないポリマー濁度が変化し、白色化するため、例えば溶融機に内部のポリマーを観察できる観察窓を設置して、そこから内部のポリマーの濁度を観察して、濁度により結晶化の程度を判断することもできる。結晶化がほとんど進行していない状態では溶融機内の構造(混練スクリューなど)がはっきりと確認されるのに対して、結晶化の進行とともにポリマーは白濁を生じて溶融機内の構造がぼやけてくる。本発明のように結晶化度が10%を超え、結晶化が充分進行した場合には、ポリマーは白色不透明となり溶融機内の構造は全く確認できない。
本発明で使用される脂肪族ポリエステルは、(1)ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体、(2)ヒドロキシカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体、(3)ラクトン、から選択された一種以上を重合してなる重合体または共重合体である。
上記ジカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸など、およびこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの2種以上を併用しても良い。
また、上記ジオールあるいはそのエステル形成性誘導体としては、炭素数2〜20の脂肪族グリコールすなわち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、イソソルバイド、ダイマージオールなど;分子量200〜100,000の長鎖グリコール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど、およびこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの2種以上を併用してもよい。
ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらの2種以上を併用してもよい。
ラクトンとしては、カプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−ジオキセパン−2−オンなどが挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体を主な構造単位とする脂肪族ポリエステルとしては、ポリエチレンオキサレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルグリコールアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリエチレンサクシネート/アジペート、ポリプロピレンサクシネート/アジペート、ポリブチレンサクシネート/アジペートなどが挙げられる。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を主な構造単位とする脂肪族ポリエステルとしては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリグリコール酸/乳酸、ポリヒドロキシ酪酸/β−ヒドロキシ酪酸/β−ヒドロキシ吉草酸などが挙げられる。好ましくはポリグリコール酸およびポリ乳酸であり、より好ましくはポリ乳酸である。
ラクトンを重合してなる脂肪族ポリエステルとしては、ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリプロピオラクトン、ポリカプロラクトン/バレロラクトンなどが挙げられる。
脂肪族ポリエステルがポリ乳酸である場合、モノマーである乳酸は分子内に不斉炭素を有するためD体およびL体が存在する。ポリ乳酸としては、L−乳酸単独の重合体であるポリ−L−乳酸、D−乳酸単独の重合体であるポリ−D−乳酸、L−乳酸とD−乳酸が共重合したランダム共重合体、L−乳酸とD−乳酸のブロック共重合体、およびそれらの重合体の混合物などのいずれも使用することができる。ブロック共重合体は、L−乳酸単位からなるセグメントとD−乳酸単位からなるセグメントにより構成される。L−乳酸単位からなるセグメントは、L−乳酸単位を70モル%以上含有していることが好ましく、90モル%以上含有していることがより好ましく、95モル%以上含有していることがさらに好ましく、98モル%以上含有していることが特に好ましい。またD−乳酸単位からなるセグメントは、D−乳酸単位を70モル%以上含有していることが好ましく、90モル%以上含有していることがより好ましく、95モル%以上含有していることがさらに好ましく、98モル%以上含有していることが特に好ましい。
本発明において、ポリ乳酸は、得られるポリ乳酸の性能を損なわない範囲で、L−乳酸またはD−乳酸単位以外の他の成分単位を含んでいてもよい。他の成分単位としては、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられる。具体的には、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類またはそれらの誘導体;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、イソソルビド、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを付加した多価アルコール、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類またはそれらの誘導体;グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類;グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などが挙げられる。
本発明で使用されるポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体を重合してなる重合体または共重合体である。ジオールまたはそのエステル形成性誘導体としては、脂肪族ポリエステルに用いられるのと同様の脂肪族グリコールなどが用いられる。また、ポリアルキレンテレフタレートは、性能を損なわない範囲で、テレフタル酸単位以外のジカルボン酸単位を含んでいてもよい。テレフタル酸以外のジカルボン酸単位としては、脂肪族ポリエステルに用いられるのと同様の脂肪族ジカルボン酸単位や、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸単位が挙げられる。
ポリアルキレンテレフタレートとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/ナフタレートなどが挙げられる。より好ましくはポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートである。
これら例示した脂肪族ポリエステルまたはポリアルキレンテレフタレートの中で、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリグリコール酸、およびポリ乳酸が好ましく用いられる。より好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリ乳酸であり、特に好ましくはポリ乳酸である。
本発明で結晶化工程に供するポリエステルは、o−クロロフェノール溶液を25℃で測定したときの固有粘度が0.20〜1.60dl/gの範囲であることが好ましく、0.30〜1.25dl/gの範囲であることがより好ましく、0.4〜0.8dl/gであることが特に好ましい。特に脂肪族ポリエステルの場合には、0.3〜1.00dl/gの範囲の範囲であることが好ましい。
また、本発明で結晶化工程に供するポリエステルは、重量平均分子量(以下、Mwとも呼ぶ)が、5,000〜100,000の範囲であることが好ましく、7,000〜80,000の範囲であることがより好ましい。得られる結晶化ポリエステルの結晶化度と流動性の関係から、ポリエステルが脂肪族ポリエステルの場合は、重量平均分子量は10,000〜60,000の範囲が好ましい。脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸の場合は、重量平均分子量は10,000〜40,000の範囲が特に好ましい。ポリエステルが、ポリアルキレンテレフタレート、特にポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートの場合には、重量平均分子量は7,000〜20,000範囲が好ましい。重量平均分子量が5,000未満の時は、機械強度が低いため好ましくない。重量平均分子量が100,000を越える場合には流動性が低く、特に結晶化度10%以上となったときの流動性が著しく低くなるため好ましくない。
なお、脂肪族ポリエステルの場合は、重量平均分子量が、5,000〜60,000程度の範囲のポリマー、ポリアルキレンテレフタレートの場合は、重量平均分子量が、5,000〜25,000程度の範囲のポリマーは、オリゴマーあるいはプレポリマーと呼ばれることもある。前述のように、従来技術においては、このような分子量範囲のポリマーは溶融加工性に課題があって使用することが困難であったが、本発明の方法を用いれば使用することができる。
本発明において、ポリエステルの重量平均分子量は、溶媒にヘキサフルオロイソプロパノールを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した、標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量である。
本発明で使用する脂肪族ポリエステルまたはポリアルキレンテレフタレートの重合方法は、特に限定されるものではなく、公知の重縮合法や開環重合法などを用いることができる。バッチ重合および連続重合のいずれでもよく、また、エステル交換反応および直接重合による反応のいずれでも適用することができる。カルボキシル末端基量を少なくすることができ、かつ、流動性および耐加水分解性向上効果が大きくなるという点で、連続重合が好ましい。不活性ガス雰囲気下、流通ガス雰囲気下、および/または減圧下で溶融重合反応することが好ましい。重合反応温度は、脱水重縮合反応の進行を維持できれば良く、特に制限されないが、具体的にはポリエステルの生成速度と熱分解速度を考慮して、反応系に存在する重合体の融点以上、融点+70℃以下の温度範囲で反応させることが好ましい。中でも融点以上、融点+50℃以下の温度範囲が好ましい。また重合工程には複数の反応槽からなる装置を用いることもでき、その場合は直列に配置された2個以上の反応槽からなる装置に溶融原料および必要に応じて触媒を含む反応液を供給し、加熱しながら順次、次反応槽へ反応液を供給することにより、製造することが好ましい。この場合、反応装置に含まれる反応槽の数は2個以上であればよいが、好ましくは3個以上である。
重合触媒としては、金属触媒や酸触媒が挙げられる。金属触媒としては、錫化合物、チタン化合物、鉛化合物、亜鉛化合物、コバルト化合物、鉄化合物、リチウム化合物、希土類化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、アンチモン化合物などが挙げられる。化合物の種類としては、金属アルコキシド、金属ハロゲン化合物、有機カルボン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酸化物などが挙げられる。
具体的には、錫粉末、塩化錫(II)、酢酸錫(II)、酢酸錫(IV)、オクチル酸錫(II)、アセチルアセトン錫(II)、シュウ酸錫(II)、乳酸錫(II)、ビス(メタンスルホン酸)錫(II)、酸化錫(II)、酸化錫(IV)、トリフルオロメタンスルホン酸錫(II)、モノブチル錫オキサイド等の錫化合物が挙げられる。
また、チタニウムイソプロポキシド、チタニウムブトキシド、チタニウムイソブトキシド等のチタン化合物;酢酸亜鉛等の亜鉛化合物;塩化コバルト、酢酸コバルト、酸化コバルト(II)等のコバルト化合物;塩化鉄(II)、酢酸鉄(II)、オクチル酸鉄(II)等の鉄化合物;酢酸ランタン、三酢酸イットリウム等の希土類化合物;塩化銅(II)、酢酸銅(II)等の銅化合物;酢酸ニッケル、オクチル酸ニッケル等のニッケル化合物;テトライソプロポキシジルコニウム(IV)、三塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物;酸化アンチモン(III)等のアンチモン化合物;乳酸マグネシウム、炭酸マグネシウム等のマグネシウム化合物;酢酸カルシウム、乳酸カルシウム等のカルシウム化合物;アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウム化合物;酸化ゲルマニウム(IV)等のゲルマニウム化合物などを挙げることができる。また、錫酸ナトリウム、錫酸マグネシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸アルミニウムなどの2種以上の金属元素からなる化合物なども好ましい。
また、酸触媒としては、プロトン供与体のブレンステッド酸でもよく、電子対受容体であるルイス酸でもよく、有機酸および無機酸のいずれでもよい。また、酸触媒は、形状は特に限定されず、固体酸触媒および液体酸触媒のいずれでもよい。例えば、ベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、4,4−ビフェニルジスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸などの芳香族スルホン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸、タウリンなどの脂肪族スルホン酸;シクロペンタンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸、カンファースルホン酸などの脂環式スルホン酸などのスルホン酸化合物;リン酸、メタリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、リン酸モノドデシルおよびリン酸モノオクタデシルなどのリン酸モノエステル;リン酸ジドデシルおよびリン酸ジオクタデシルなどのリン酸ジエステル;亜リン酸モノエステルおよび亜リン酸ジエステルなどのリン酸化合物;ホウ酸、硫酸などが


挙げられる。
また、固体酸触媒としては、酸性白土、ケイ酸ジルコニウムおよびゼオライトなどの天然鉱物;シリカ、アルミナ、チタニアおよびジルコニアなどの酸化物;シリカアルミナ、シリカマグネシア、シリカチタニアおよびシリカジルコニアなどの酸化物複合体;フッ素化アルミナ、陽イオン交換樹脂などが挙げられる。
また、ポリ乳酸の場合には、立体選択重合性を有する触媒を用いて、L−乳酸およびD−乳酸の等量混合物を原料として、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸をそれぞれ同時に製造することもできる。
重合性に優れ、高分子量のポリエステルを得ることができるという点で、錫化合物、チタン化合物、鉛化合物、亜鉛化合物、コバルト化合物、鉄化合物、リチウム化合物、希土類化合物、アンチモン化合物、ビスマス化合物、アルミニウム化合物および酸触媒が好ましい。生産性に優れるという点で、錫化合物、チタン化合物、亜鉛化合物、鉄化合物、希土類化合物、アンチモン化合物、スルホン酸化合物およびリン化合物がより好ましい。
これらの中で、脂肪族ポリエステル、特にポリ乳酸を製造する場合には、特に錫化合物、チタン化合物、希土類化合物、スルホン酸化合物およびリン化合物がさらに好ましい。また、熱安定性および色相にも優れる脂肪族ポリエステル樹脂を得ることができるという点で、金属触媒としては、配位子が2個である錫系の有機カルボン酸塩が好ましく、酢酸錫(II)またはオクチル酸錫(II)が特に好ましい。酸触媒としては、モノスルホン酸またはジスルホン酸が好ましく、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、プロパンジスルホン酸、タウリンおよびナフタレンジスルホン酸が特に好ましい。また、触媒は、1種でもよく、2種以上併用してもよい。錫化合物から選択される1種以上およびスルホン酸化合物から選択される1種以上を用いることがより好ましい。熱安定性や色相にも優れるポリエステルを得ることができるという点で、酢酸錫(II)および/またはオクチル酸錫(II)と、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンジスルホン酸、タウリンおよびナフタレンジスルホン酸から選択されるいずれか1種以上のスルホン酸化合物を用いることがさらに好ましい。酢酸錫(II)および/またはオクチル酸錫(II)とメタンスルホン酸を用いることが特に好ましい。
触媒量は、重合により高分子量および高融点を有するポリエステルを効率的に得ることができるという点で、使用する原料100重量部に対して、0.001〜2重量部が好ましく、0.001〜1重量部がより好ましい。熱安定性および色相にも優れるポリエステルを得ることができるという点で、触媒量は、0.001〜0.5重量部がさらに好ましく、0.01〜0.3重量部が特に好ましい。また、触媒を2種類以上併用する場合は、合計量が上記の範囲内であることが好ましい。
金属化合物とスルホン酸化合物を併用する場合には、両者の重量比が30:1〜1:30の範囲であることが好ましく、10:1〜1:10の範囲であることがより好ましい。
本発明の結晶化ポリエステルに、該ポリエステルが流動性を保った状態のまま、該ポリエステル以外の他の樹脂を混合することも好ましい。混合する方法は、特に制限されないが、溶融機が押出機の場合には、結晶化工程より下流に設置されたサイドフィーダーより他の樹脂を供給し、混合する方法が好ましく用いられる。混合する他の樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、アクリロニトリル・ブタンジエン・スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、酢酸セルロースなどのセルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂およびポリエーテルイミド樹脂などが挙げられる。結晶化ポリエステルと相溶しやすいポリマーが好ましく、具体的には、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、およびエポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、オキサゾリン基、イソシアネート基およびそれらから誘導される官能基を有するポリマーなどが好ましく用いられる。
本手法により結晶化ポリエステルと他の樹脂を混合したものは、相分離構造が制御されているため、良好な加工性および固相重合性を有する。混合物を冷却固化した後に固相重合を行うことで、優れた特性を有するポリマーアロイや共重合体を形成することができる。ポリエステル以外の他の樹脂の添加量は、ポリエステル100重量部に対して1〜1000重量部が好ましく、より好ましくは5〜500重量部である。
また、本発明の結晶化工程に供するポリエステルがポリ乳酸であり、かつポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する場合、原料のポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸を、結晶化工程により、結晶化度10%以上かつ流動性を有する状態とした後に、ポリエステルがポリ−L−乳酸の場合はポリ−D−乳酸を、ポリ−D−乳酸の場合はポリ−L−乳酸を混合する。すなわち、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸のうち、いずれか片方を本発明の方法によって結晶化した後に、他方を混合する。後段のポリ−D−乳酸またはポリ−L−乳酸を混合する方法は、特に制限されないが、溶融機が押出機の場合には、結晶化工程より下流に設置されたサイドフィーダーよりポリ−D−乳酸またはポリ−L−乳酸を供給し、混合する方法が好ましく用いられる。
本手法は、混合後におけるポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物の結晶化状態およびステレオコンプレックス形成率を制御できるという観点で特に好ましい。通常、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を溶融混合すると強固なステレオコンプレックスを形成するため分子運動が制限され、固相重合に供しても充分高分子量なポリマーが得られにくいことがある。しかし、本手法によりポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合した場合は、ステレオコンプレックス率を低くすることができる。この理由は、以下のように考えられる。本手法によれば、最初に供給されたポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸は、結晶化工程によって、流動性を有しながらも結晶化した状態にあり、その状態を保ったまま、後段のポリ−D−乳酸またはポリ−L−乳酸と混合される。そのため、両者が溶融状態で混合された場合と比較して、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とが強固なステレオコンプレックスを形成するほど混じり合わないためと考えられる。そのため、この態様の混合物は、強固なステレオコンプレックスを形成した混合物と比較して、分子運動性が高く、優れた固相重合性を有しているという特徴を持つ。
ここで、結晶化工程の後、混合する前のポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸を、氷水や液体窒素などで急冷することで結晶構造を凍結した後、示差走査熱量計により昇温測定した際の結晶融解熱量をΔHm(J/g)、昇温時結晶化熱量をΔHc(J/g)としたときに、下記式(1)を満たすことが好ましい。
(ΔHm−ΔHc)>20 (J/g) (1)。
また、得られた混合物のステレオコンプレックス率は、示差走査型熱量計で測定した際、低温側に観察されるポリ−L−乳酸単独結晶およびポリ−D−乳酸単独結晶の結晶融解に基づく熱量をΔHl、高温側に観察されるステレオコンプレックス結晶の結晶融解に基づく熱量をΔHhとしたときに、下記式(2)
Sc=ΔHh/(ΔHl+ΔHh)×100 (%) (2)
で算出することができる。
前記のように製造された結晶化ポリエステルは、冷却固化して、後の工程に供することができる。冷却固化された結晶化ポリエステルの形状は、特に限定されるものではなく、塊状、フィルム、ペレット、成形品および粉末などいずれでもよいが、固相重合を効率的に進めることができるという点で、ペレット化することが好ましい。
ペレット化する方法としては、結晶化ポリエステルを溶融機から吐出後、アンダーウォーターカッターもしくはホットカッターにより冷却固化と同時にペレット化する方法が挙げられる。また、溶融機から吐出された結晶化ポリエステルをストランド状にして冷却固化後、ストランドカッターによりペレット化することもできる。また、結晶化ポリエステルを溶融機から滴下ノズルを用いて液滴状に滴下し、気体または液体と接触させて冷却固化し、ペレット化する方法も挙げられる。また、結晶化ポリエステルを固化して、粉末にした後、得られた粉末を圧縮成形することでもペレットを得ることができるが、ペレット内の結晶化度の均一性の点から、直接ペレット化することが好ましい。ペレットの大きさは1mm以上10mm以下であることが好ましく、1.5mm以上6mm以下であることがさらに好ましい。
粉末にする方法としては、結晶化ポリエステルを冷却固化させた後に、ミキサー、ブレンダー、ボールミルおよびハンマー粉砕機を用いて粉砕する方法や溶融混練機内で固化と同時に粉砕する方法が挙げられる。粉末の場合は、効率的に固相重合できるという点で、平均粒子径0.01〜3mmであることが好ましく、0.1〜2mmであることがより好ましい。
これらの中で、アンダーウォーターカッターもしくはホットカッターによりペレット化する方法が好ましく用いられ、特に好ましくは、アンダーウォーターカッターである。アンダーウォーターカッターを用いる場合は、均一形状のペレットが得られるという点から、ダイ部における温度分布を25℃以内にすることが好ましく、10℃以内にすることがより好ましく、5℃以内にすることが特に好ましい。アンダーウォーターカッター用ダイの加熱方式については特に制限はなく、熱媒加熱型、電熱ヒーター加熱型、誘導加熱型などを用いることができるが、温度分布の観点から熱媒加熱型が好ましい。また、ペレットの互着を防止する観点から循環液体温度は、使用するポリエステルのガラス転移温度+50℃以下にすることが好ましく、ガラス転移温度+20℃以下にするこがさらに好ましく、ガラス転移温度以下にすることが特に好ましい。
また、上記のようにして得られたペレットを、さらに固相重合してもよい。固相重合工程は、ポリエステルの融点未満の温度でポリエステルの高分子量化を行う工程である。高分子量および高融点を有し、色相にも優れるポリエステルを効率的に得ることができるという点で、固相重合は、ガラス転移温度以上、融点未満の温度で行うことが好ましく、ガラス転移温度+10℃以上、融点−5℃以下の温度で行うことがより好ましく、ガラス転移温度+20℃以上、融点−10℃以下の温度で行うことがさらに好ましい。また、固相重合工程の温度制御は、1段階でも、多段階でもよいが、短時間で高分子量化しやすく、色相にも優れるという点で、2段階以上の多段階とすることが好ましく、反応の進行とともに温度を段階的または連続的に上げることがより好ましい。
また、固相重合前に結晶化度を高めるために不活性ガス雰囲気下または減圧下において、100〜130℃で0.5〜3時間の結晶化処理または予備固相重合を行うと、良好な固相重合反応が進行するため、好ましい。
高分子量および高融点を有し、熱安定性および色相にも優れるポリエステル樹脂を効率的に得ることができるという点で、固相重合工程の反応時間は1〜100時間が好ましく、3〜80時間がより好ましく、4〜50時間がより好ましく、6〜30時間がさらに好ましい。
また固相重合工程の温度制御を2段階以上の多段階で行う場合は、例えばポリ乳酸の場合には、第1段階として120〜140℃の温度で1〜50時間、第2段階として140〜160℃の温度で1〜50時間で行う方法が挙げられる。短時間で高分子量化しやすく、色相にも優れるという点で、第1段階として120〜140℃の温度で5〜20時間、第2段階として140〜150℃の温度で5〜20時間、第3段階として150〜160℃の温度で10〜30時間で行うことがより好ましい。なお、温度を2段階以上の多段階で行う場合であっても、固相重合工程の反応時間の合計は、1〜100時間が好ましい。
固相重合工程において、圧力条件は特に限定されることはなく、減圧、常圧および加圧のいずれでもよいが、高分子量を有するポリマーを効率的に得ることができるという点で、減圧条件または常圧条件であることが好ましい。減圧条件で行う場合には、0.13〜1300Paの圧力で行うことが好ましい。また、色相にも優れるポリマーを効率的に得ることができるという点で、圧力は、1〜1000Paが好ましく、10〜900Paがより好ましく、100〜800Paがさらに好ましく、500〜700Paが特に好ましい。また、固相重合工程の圧力制御は、1段階でもよく、2段階以上の多段階でもよいが、高分子量化でき、色相に優れるという点で、2段階以上の多段階とすることが好ましい。例えば、700〜1300Paの圧力で反応を行った後、0.13〜700Paの圧力で反応を行う方法などが挙げられる。また、乾燥窒素などの不活性気体気流下で固相重合を行うことも好ましい。不活性気体気流の線速は、0.1m/s以上が好ましく、0.2m/s以上がさらに好ましい。また、減圧下かつ不活性気流下で固相重合を行うこともできる。
固相重合工程は、バッチ法でも連続法でもよい。反応槽は、撹拌槽型反応槽、ミキサー型反応槽および塔型反応槽、キルン型反応槽などを用いることができ、これらの反応槽は2種以上組み合わせて使用することができる。
固相重合工程では、揮発成分を分離し、揮発成分の一部を反応系外に除去する働きをもつ気化部と、揮発成分を捕集する凝縮部とを有する装置を用いることが好ましい。具体的には、揮発成分のうち、水を除去し、低分子量重合体を回収できるものであれば、いずれの装置も用いることができる。ここで、凝縮部を構成する凝縮器としては、例えば、二重管式、多管式、コイル式、プレート式、プレートフィン式、渦巻式、ジャケット式、モレキュラーシーブ式、イオン交換式などの方式を挙げることができる。また、低分子量重合体を効率的に回収し、再利用できるように、凝縮器の温度を設定することが好ましい。例えば、ポリ乳酸の場合は、−10℃から160℃であることが好ましく、第1段を80〜120℃、第2段を10℃〜80℃と多段階で行うことも好ましい。
本発明において、脂肪族ポリエステルまたはポリアルキレンテレフタレートから選ばれたポリエステルのモノマーを反応させてオリゴマーまたはプレポリマーを製造する重合工程、そのオリゴマーまたはプレポリマーの融点をTmとして、Tm−70℃〜Tm+20℃の温度でせん断および/または圧力を付与することによって、結晶化度10%以上かつ流動性を有する状態にする結晶化工程、得られた結晶化ポリエステルを冷却固化しペレット化する工程、および得られたペレットを固相重合する工程をこの順に含むポリエステルの製造方法が好ましい。重合工程で得られたオリゴマーまたはプレポリマーは、一旦固化された後に、前記結晶化工程に供することもできるが、固化させることなく、直接前記結晶化工程に供することが、結晶化度が均一なペレットが得られるため好ましい。
また、本発明においては、前記結晶化工程または前記ペレット化工程において測定された樹脂の圧力に応じて、結晶化工程における溶融機の回転数や温度を制御することが好ましい。これにより、ペレット内やペレット間の結晶化度のバラツキが少ない均一ペレットが得られ、得られたペレットを連続的に固相重合することにより、優れた特性を有するポリエステルを安定的に得ることができる。具体的には、結晶化工程において、溶融機の先端に設置した圧力計の計測結果に対応して、圧力が低下したときは溶融機の温度を下げ、圧力が上昇したときは溶融機の温度を上げる制御を行うことが例示される。
このような製造方法を実現するための装置としては、限定されるものではないが、以下のような装置が好ましい例として挙げられる。脂肪族ポリエステルおよびポリアルキレンテレフタレートから選ばれるポリエステルのモノマーを反応させてオリゴマーまたはプレポリマーを製造する反応器と、オリゴマーまたはプレポリマーを結晶化させる結晶化装置と、結晶化ポリエステルをペレット化するペレット化装置、および、ペレットを固相重合する固相重合装置を備えた装置が好ましい。これらの装置を配置することにより、脂肪族ポリエステルおよびポリアルキレンテレフタレートから選ばれるポリエステルのモノマーを原料として、固相重合されたポリエステルを安定的かつ連続的に製造することができる。前記結晶化装置は、温度制御装置を備えた単軸または多軸の押出機が好ましい。温度制御装置は、結晶化装置の加熱および/または冷却を行うことができる装置である。結晶化装置および粒子化装置の少なくとも一方が圧力計を有するものであり、前記圧力計により測定した圧力に応じて結晶化装置の温度を制御することが好ましい。このような制御は、圧力と温度の関係についてシーケンスを組んで運転する方法などで行うことができる。粒子化装置としては、アンダーウォーターカッターまたはホットカッターを用いることが好ましい。また、反応器と結晶化装置の間に、別のペレット化装置を設置することも可能である。
本発明の結晶化ポリエステルを、溶融機からそのまま成形機に供給し、射出成形、射出圧縮、圧縮、押出成形などより選ばれる成形方法により賦形することで成形品を得ることもできる。このようにして得られる成形品は、従来の方法により得られる成形品と比較して結晶化度が高いため好ましい。また低分子量のポリエステル樹脂を成形する場合、従来の成形方法で成形した場合にはバリ等の成形不良を生じることが多いのに対して、本発明を用いて成形した場合には、結晶化により適度な溶融粘度を有しているためバリの発生を抑えることができる。
成形品としては、例えば、フィルム、シート、繊維、布、不織布、射出成形品、押出し成形品、真空圧空成形品、ブロー成形品、および他の材料との複合体などが挙げられる。これらの成形品は、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木建築用資材、文具、医療用品、自動車用部品、電気電子部品またはその他の用途として有用である。
本発明の結晶化ポリエステルまたは結晶化ポリエステルを固相重合したものには、安定剤が含有されていてもよい。安定剤を添加することで、ポリエステルの滞留安定性を改善することができる。本発明でいう安定剤としては、リン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、チオエーテル系化合物、ビタミン系化合物、トリアゾール系化合物、多価アミン系化合物、ヒドラジン誘導体系化合物などが挙げられ、これらを併用して用いてもよい。中でもリン系化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物の具体例としては、旭電化工業社の“アデカスタブ(登録商標)”AO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−70、AO−80、AO−330、チバスペシャリティケミカル社
の“イルガノックス(登録商標)”245、259、565、1010、1035、1076、1098、1222、1330、1425、1520、3114、5057、住友化学社の“スミライザー(登録商標)”BHT−R、MDP−S、BBM−S、WX−R、NW、BP−76、BP−101、GA−80、GM、GS、サイアナミド社の“サイアノックス”CY−1790などが挙げられる。
チオエーテル系化合物の具体例としては、旭電化工業社の“アデカスタブ(登録商標)”A0−23、AO−412S、AO−503A、チバスペシャリティケミカル社の“イルガノックス(登録商標)”PS802、住友化学社の“スミライザー(登録商標)”TPL−R、TPM、TPS、TP−D、吉富社のDSTP、DLTP、DLTOIB、DMTP、シプロ化成社の“シーノックス(登録商標)”412S、サイアミド社の“サイアノックス”1212などが挙げられる。
ビタミン系化合物の具体例としては、エイザイ社の“トコフェロール”、チバスペシャリティケミカル社の“イルガノックス(登録商標)”E201などが挙げられる。
トリアゾール系化合物の具体例としては、ベンゾトリアゾール、3−(N−サリシロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールなどが挙げられる。
多価アミン系化合物の具体例としては、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、エチレンジアミン−テトラアセチックアシッド、エチレンジアミン−テトラアセチックアシッドのアルカリ金属塩(Li、Na、K)などが挙げられる。
ヒドラジン誘導体系化合物の具体例としては、デカメチレンジカルボキシリックアシッド−ビス(N’−サリシロイルヒドラジド)、イソフタル酸ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、N−ホルミル−N’−サリシロイルヒドラジンなどが挙げられる。
リン系化合物としては、例えば、ホスファイト系化合物、ホスフェート系化合物が挙げられる。ホスファイト系化合物の具体例としては、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,6−ヘキサメチレン−ビス(N−ヒドロキシエチル−N−メチルセミカルバジド)−ジホスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,10−デカメチレン−ジ−カルボキシリックアシッド−ジ−ヒドロキシエチルカルボニルヒドラジド−ジホスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,10−デカメチレン−ジ−カルボキシリックアシッド−ジ−サリシロイルヒドラジド−ジホスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−ジ(ヒドロキシエチルカルボニル)ヒドラジド−ジホスァイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド−ジホスファイトなどが挙げられる。少なくとも1つのP−O結合が芳香族基に結合しているものがより好ましく、具体例としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチル−フェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(フェニル−ジアルキルホスファイト)などが挙げられる。トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスホナイトなどが特に好ましく使用できる。ホスファイト系化合物の具体的な商品名としては、旭電化工業社の“アデカスタブ(登録商標)”PEP−4C、PEP−8、PEP−11C、PEP−24G、PEP−36、HP−10、2112、260、522A、329A、1178、1500、C、135A、3010、TPP、チバスペシャリティケミカル社の“イルガフォス(登録商標)”168、住友化学社の“スミライザー(登録商標)”P−16、クラリアント社の“サンドスタブ” P−EPQ、GE社の“ウエストン”618、619G、624などが挙げられる。
ホスフェート系化合物の具体例としては、モノステアリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、メチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェートなどが挙げられる。中でも、モノステアリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェートが好ましい。ホスフェート系化合物の具体的な商品名としては、チバスペシャリティケミカル社の“イルガノックス(登録商標)”MD1024、イーストマン・コダック社の“インヒビター”OABH、旭電化工業社の“アデカスタブ(登録商標)”CDA−1、CDA−6、AX−71、三井東圧ファイン社の“Qunox”、ユニロイアル社の“ナウガード”XL−1などを挙げることができる。
安定剤の配合割合は本発明のポリエステル100重量部に対して、0.001〜2重量部が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1重量部である。0.001重量部未満の添加量においては十分な耐熱効果が得られず、2重量部を超える場合は熱可塑性樹脂組成物の機械特性が低下するため好ましくない。添加方法についても特に制限無いが、好ましくは本発明の結晶化ポリエステルの製造中に添加する方法、または、固相重合して高分子量化した後の溶融加工時に添加する方法が、融点、機械物性、滞留安定性がバランスよく備わったポリエステル樹脂が得られるという観点から好ましい。
本発明の結晶化ポリエステルまたは結晶化ポリエステルを固相重合したものには、充填材やその他の添加剤を添加することができる。充填材は特に限定されるものでないが、繊維状、板状、粉末状、粒状などのいずれの充填剤も使用することができる。充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、炭酸カルシウムウィスカ、ワラステナイトウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填材;タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケートなどの珪酸塩;酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビ−ズ、ガラスフレーク、ガラス粉、カーボンブラックおよびシリカ、黒鉛などの非繊維状充填材;モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物;Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性雲母に代表される層状珪酸塩などが例示される。その他の添加剤としては、紫外線吸収剤、着色防止剤、滑剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤などが挙げられる。
結晶化を促進するために結晶核剤を添加しても良い。結晶核剤としては、特に制限はなく、無機系結晶核剤および有機系結晶核剤のいずれも使用することができる。無機系結晶核剤の具体例としては、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネート金属塩などを挙げることができる。これらの無機系結晶核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていることが好ましい。有機系結晶核剤の具体例としては、ラウリン酸ナトリウムなどの有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウムなどの有機スルホン酸塩、ラウリン酸アミドなどの有機カルボン酸アミド、低密度ポリエチレン、などのポリマー、アイオノマー、ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、リン化合物金属塩などを挙げることができる。本発明で使用する結晶核剤としては、上記に例示したもののなかでも、特にタルク、有機カルボン酸金属塩および有機カルボン酸アミドから選択された少なくとも1種が好ましい。好ましいタルクとしては、平均粒径0.5〜7μmであり、かつ燃焼時の損失分を除いた成分中のSiOとMgOの割合が93重量%以上であるタルクを挙げることができる。本発明で使用する結晶核剤は、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行ってもよい。
また、結晶核剤の配合量は、本発明のポリエステル100重量部に対して、0.01〜30重量部の範囲が好ましく、0.05〜20重量部の範囲がより好ましく、0.1〜15重量部の範囲がさらに好ましい。
また、ポリマーを柔軟化して動きやすくし結晶の成長を促進する目的で可塑剤を添加しても良い。可塑剤としては、例えばポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤およびエポキシ系可塑剤などを挙げることができる。ポリエステル系可塑剤の具体例としては、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの酸成分と、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール成分からなるポリエステルや、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなるポリエステルなどを挙げることができる。これらのポリエステルは単官能カルボン酸もしくは単官能アルコールで末端封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物などで末端封鎖されていてもよい。グリセリン系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレートおよびグリセリンモノアセトモノモンタネートなどを挙げることができる。多価カルボン酸系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル;トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシルなどのトリメリット酸エステル;アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシルアジピン酸エステルなどのアジピン酸エステルなどを挙げることができる。リン酸エステル系可塑剤の具体例としては、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレシルなどのリン酸エステルや脂肪族や芳香族の縮合リン酸エステルを挙げることができる。ポリアルキレングリコール系可塑剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロックおよび/またはランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体など、あるいはそれらの末端封鎖化合物などを挙げることができる。エポキシ系可塑剤とは、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリドなどを指すが、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。その他の可塑剤も用いることができる。また、上記の可塑剤にポリ乳酸をブロックまたはグラフト共重合したものも、可塑剤として有用に使用できる。
本発明で使用する可塑剤としては、上記に例示したもののなかでも、特にポリエステル系可塑剤およびポリアルキレングリコール系可塑剤から選択した少なくとも1種が好ましい。また、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステル系可塑剤の共重合体またはポリ乳酸とポリアルキレングリコール系可塑剤の共重合体も好ましく使用できる。本発明に使用する可塑剤は、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行ってもよい。可塑剤の配合量は、本発明のポリエステル100重量部に対して、0.01〜30重量部の範囲が好ましく、0.1〜20重量部の範囲がより好ましく、0.5〜10重量部の範囲がさらに好ましく、1重量部〜5重量部の範囲が特に好ましい。
また、本発明のポリエステルに難燃性を付与する目的で難燃剤を添加しても良い。難燃剤としては、リン系難燃剤、窒素系難燃剤および水酸化マグネシウムなどのハロゲン原子を含まない非ハロゲン系難燃剤も、臭素系難燃剤に代表されるハロゲン系難燃剤も用いることができる。これらの難燃剤は単独で使用しても良いし、複数を併用して用いても良い。難燃剤の添加量はポリエステル100重量部に対して、1〜150重量部が好ましく、より好ましくは3〜100重量部、より好ましくは5〜70重量部、さらに好ましくは5〜50重量部である。添加量が1重量部に満たない場合は難燃性に劣る傾向にある。また150重量部を越える場合には、流動性が低下し、難燃性もかえって悪化するようになる。
リン系難燃剤としては、赤リン、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミンなどのポリリン酸系化合物、芳香族ホスフェート系化合物、芳香族ビスホスフェート系化合物などが挙げられる。窒素系難燃剤としては、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩が挙げられる。シアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩とは、シアヌール酸またはイソシアヌール酸とトリアジン系化合物との付加物であり、通常は1対1(モル比)、場合により1対2(モル比)の組成を有する付加物である。トリアジン系化合物のうち、特に好ましい例としてはメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンが挙げられる。水酸化マグネシウムは、特に限定されるものではないが、好ましくは粒子径が0.1〜20μm、比表面積が3〜75m/g、形状は球状、針状または小板状のものがよい。臭素系難燃剤としては、例えばヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールAなどのモノマー系有機臭素化合物、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ化合物などのポリマー系臭素化合物が挙げられる。なかでもエチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、臭素化エポキシポリマー、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートが好ましく、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートが最も好ましく使用できる。
また、上記の臭素系難燃剤と併用することによって、相乗的に難燃性を向上させるために使用される難燃助剤を添加することも好ましい。例えば三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、四酸化アンチモン、十三酸化六アンチモン、結晶性アンチモン酸、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸リチウム、アンチモン酸バリウム、リン酸アンチモン、硼酸亜鉛、錫酸亜鉛、塩基性モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム亜鉛、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、赤リン、膨潤性黒鉛、カーボンブラック等を例示できる。これらのうち三酸化アンチモン、五酸化アンチモンがより好ましい。難燃助剤の配合量は、難燃性改良効果の点から、本発明のポリエステル100重量部に対して、0.2〜30重量部が好ましい。
また、ポリエステル以外のポリマーを添加してポリマーアロイとしても良い。ポリエステル以外のポリマーとしては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、アクリロニトリル・ブタンジエン・スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、酢酸セルロースなどのセルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂およびポリエーテルイミド樹脂などが挙げられる。ポリエステル以外の他のポリマーの添加量はポリエステル100重量部に対して1〜1000重量部であり、好ましくは5〜500重量部である。
以下、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[参考例1]
撹拌装置および還流装置のついた反応容器中に、90%L−乳酸水溶液100部を入れ、温度を150℃にした。徐々に減圧して800Paとし、水を除去しながら3.5時間反応させた後、触媒として酢酸錫(II)0.08部およびメタンスルホン酸0.22部を添加し、温度170℃、圧力400Paで6時間重合反応させ、融点151℃、Mw23,000のポリ−L−乳酸(PLA−1)を得た。
[参考例2]
参考例1で得たPLA−1を窒素下110℃で1時間結晶化処理を行った後、50Paの圧力下、140℃で3時間、150℃で3時間、160℃で9時間固相重合を行い、融点165℃、Mw85,000のポリ−L−乳酸(PLA−2)を得た。
[参考例3]
参考例1で得たPLA−1を窒素下110℃で1時間結晶化処理を行った後、50Paの圧力下、140℃で3時間、150℃で3時間、160℃で12時間固相重合を行い、融点169℃、Mw105,000のポリ−L−乳酸(PLA−3)を得た。
[参考例4]
撹拌装置および還流装置のついた反応容器中に、90%L−乳酸水溶液100部を入れ、温度を150℃にした。徐々に減圧して800Paとし、水を除去しながら3.5時間反応させた後、触媒として酢酸錫(II)0.04部およびメタンスルホン酸0.10部を添加し、温度170℃、圧力400Paで6時間重合反応させ、融点145℃、Mw11,000のポリ−L−乳酸(PLA−4)を得た。
[参考例5]
撹拌装置および還流装置のついた反応容器中に、90%L−乳酸水溶液100部を入れ、温度を150℃にした。徐々に減圧して800Paとし、水を除去しながら3.5時間反応させた後、触媒として酢酸錫(II)0.04部およびメタンスルホン酸0.06部を添加し、温度170℃、圧力400Paで5時間重合反応させ、融点139℃、Mw4,800のポリ−L−乳酸(PLA−5)を得た。
[参考例6]
撹拌装置と還流装置を備えた反応容器中に、90%L−乳酸水溶液を50部入れ、温度を150℃にした。徐々に減圧して水を留去しながら3.5時間反応した。その後、窒素雰囲気下で常圧にし、触媒として酢酸錫(II)0.05部を添加した後、170℃にて13Paになるまで徐々に減圧しながら7時間重合反応を行い、ポリ−L−乳酸(PLA−6)を得た。PLA−6の重量平均分子量は18,000、融点は149℃であった。
[参考例7]
参考例6で得られたPLA−6を、窒素雰囲気下110℃で1時間結晶化処理を行った後、60Paの圧力下、140℃で3時間、150℃で3時間、160℃で6時間固相重合を行い、ポリ−L−乳酸(PLA−7)を得た。PLA−7の重量平均分子量は52,000、融点は160℃であった。
[参考例8]
参考例6で得られたPLA−6を、窒素雰囲気下110℃で1時間結晶化処理を行った後、60Paの圧力下、140℃で3時間、150℃で3時間、160℃で9時間固相重合を行い、ポリ−L−乳酸(PLA−8)を得た。PLA−8の重量平均分子量は84,000、融点は170℃であった。
[参考例9]
撹拌装置と還流装置を備えた反応容器中に、90%D−乳酸水溶液を50部入れ、温度を150℃にした。徐々に減圧して水を留去しながら3.5時間反応した。その後、窒素雰囲気下で常圧にし、触媒として酢酸錫(II)0.05部を添加した後、170℃にて13Paになるまで徐々に減圧しながら7時間重合反応を行い、ポリ−D−乳酸(PDA−1)を得た。PDA−1の重量平均分子量は15,000、融点は148℃であった。
[参考例10]
参考例9で得られたPDA−1を、窒素雰囲気下110℃で1時間結晶化処理を行った後、60Paの圧力下、140℃で3時間、150℃で3時間、160℃で6時間固相重合を行い、ポリ−D−乳酸(PDA−2)を得た。PDA−2の重量平均分子量は,49,000、融点は158℃であった。
[参考例11]
参考例9で得られたPDA−1を、窒素雰囲気下110℃で1時間結晶化処理を行った後、60Paの圧力下、140℃で3時間、150℃で3時間、160℃で9時間固相重合を行い、ポリ−D−乳酸(PDA−3)を得た。PDA−3の重量平均分子量は81,000、融点は167℃であった。
(1)オンライン溶融粘度
押出機において、各表に記載の温度、せん断速度および圧力を付与したポリマーを、押出機に設置したオンラインレオメーターに導入して測定した値である。
(2)溶融粘度
結晶化工程を経てアンダーウォーターカッターにてペレット化したペレットを用いて、アントン・パール製レオメーターMCR501を用いて、各表に記載の温度およびせん断速度に設定し、25mm径パラレルプレート、ギャップ間1mmにて回転法で測定した。所定温度および所定せん断速度下において3分間の流動状態を確認して、その値を溶融粘度とした。
(3)ポリマー濁度
押出機ベント口から下記の基準で目視観察したポリマーの濁り具合であり、濁りが大きいほど結晶化が進行していることを示している。
A:白色不透明でスクリュー表面が全く見えない。
B:白く濁りはあるがスクリュー表面がぼんやりと見える程度。
C:透明で押出機のスクリュー表面がはっきりと見える。
(4)結晶化度
結晶化工程を経て流動性を有しつつ、結晶化したポリマーを氷浴で冷却することで結晶構造を凍結した後、広角X線回折測定を行い、非晶部のハロー領域と結晶部の回折ピーク領域の面積比より測定した。なお射出成形品については成形品より測定サンプルを切り出してそのまま測定した。
(5)示差走査熱量測定
結晶化工程を経て流動性を有しつつ、結晶化したポリマーを氷浴で冷却することで結晶構造を凍結した後、TAインスツルメンツ製Q200を用いて、試料約5mgを窒素雰囲気下中、昇温速度20℃/分でポリエステルがポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸の場合は30℃から200℃まで、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレート/イソフタレートの場合は30℃から280℃まで昇温したファーストランにおいて、示差走査熱量分析を行った。得られた昇温時結晶化エンタルピー(ΔHc)および結晶融解エンタルピー(ΔHm)を用いて下記式(1)から結晶化の割合を求めた。射出成形品については成形品より測定サンプルを切り出してそのまま測定した。
[(ΔHm−ΔHc)/ΔHm]×100 (1)
[式中、ΔHmは成形体の結晶融解エンタルピーを表し、ΔHcは成形体の昇温時結晶化エンタルピーを表す。]
(6)重量平均分子量(Mw)
本発明の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、得られた標準ポリメチルメタクリレート換算の分子量分布から計算した重量平均分子量の値である。GPCの測定は、検出器にWATERS社示差屈折計WATERS410を用い、ポンプにMODEL510高速液体クロマトグラフィーを用い、カラムにShodex GPC HFIP−806MとShodex GPC HFIP−LGを直列に接続したものを用いて行った。測定条件は、流速0.5mL/minとし、溶媒にヘキサフルオロイソプロパノールを用い、試料濃度1mg/mLの溶液を0.1mL注入した。
(7)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物におけるステレオコンプレックス形成率(Sc)
サンプルを示差走査熱量計を用いて昇温速度20℃/分で30℃から240℃まで昇温し、測定した。ファーストラン測定において、150℃以上190℃未満に現れるポリ−L−乳酸単独結晶およびポリ−D−乳酸単独結晶の結晶融解に基づく熱量をΔHl、190℃以上250℃未満に現れるステレオコンプレックス結晶の結晶融解に基づく熱量をΔHhとした。ステレオコンプレックス形成率(Sc)は、下記式(3)から算出した。
Sc=ΔHh/(ΔHl+ΔHh)×100 (3)。
(8)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合した後のポリマーのステレオコンプレックス形成率(Sc)
ステレオコンプレックス形成率(Sc)は、前記式(3)から算出した。ただし、この場合は示差走査型熱量計を用いた測定において、昇温速度20℃/分で30℃から240℃まで昇温し、さらに降温速度20℃/分で240℃から30℃まで降温した後に、昇温速度20℃/分で30℃から240℃まで昇温したセカンドランにおいて、150℃以上190℃未満に現れるポリ−L−乳酸単独結晶およびポリ−D−乳酸単独結晶の結晶融解に基づく熱量をΔHl、190℃以上250未満に現れるステレオコンプレックス結晶の結晶融解に基づく熱量をΔHhとして算出した。
(実施例1〜22、比較例1〜2)
表1および2に記載のとおり、ポリエステル樹脂を日本製鋼所社製TEX30型2軸押出機(L/D=45.5)に供給し、本発明の結晶化を行った。押出機の樹脂供給口よりL/D=10の部分に表1および2記載の温度に設定した可塑化部分を設けた。また、可塑化部分よりも後段に、表1および2記載の温度に設定した結晶化部分を設けた。結晶化部のスクリューエレメントには複数のニーディングディスクを組合せてL/D=4の長さとしたニーディングブロックを2箇所設けてせん断を付与できるスクリューとした。下式を用いてニーディングブロック部のせん断速度の値を算出した。
(せん断速度)=π×(スクリュー直径)×(スクリュー回転数)/(スクリューと押出機のクリアランス)
まず、押出機ダイよりポリマーを氷浴中に吐出して、溶融粘度および結晶化度測定用にサンプリングを行った。その後、押出機ダイにアンダーウォーターカッターを設置して、ダイから吐出されたポリマーのペレット化を行った。得られたサンプルの溶融粘度、結晶化度等は表1および2に示すとおりである。比較例1〜2については、いずれも結晶化度が低く、溶融粘度が低く、アンダーウォーターカッターによるカッティングは困難であった。それに対して、実施例1〜18および21〜22については、溶融粘度が高く、アンダーウォーターカッターによるカッティングが容易であり、加工性に優れることが明らかであった。実施例19および20については、カッティングは可能であったが、一部のペレットでペレット同士の融着やペレット大きさのバラツキがあった。
Figure 0005682309
Figure 0005682309
(比較例3)
ペレット流動加熱型乾燥機(ホソカワミクロン社製トーラスディスク)を用いて、ポリエステル樹脂(A−1)を130℃で結晶化処理を実施したが、ペレット温度が60℃になったときにパレット間の融着が発生し、それ以上の処理を継続することができなかった。
(比較例4)
比較例3と同様に、ポリエステル樹脂(A−5)を130℃で結晶化処理を実施した。結晶化度35%、結晶化の割合90%のペレットを得るために60分の処理時間が必要であった。
(実施例23〜26、比較例5〜6)
表3に記載のとおり、ポリエステル樹脂を日本製鋼所社製TEX30型2軸押出機(L/D=45.5)に供給し、本発明の結晶化を行った。押出機の樹脂供給口よりL/D=10の部分に温度180℃に設定した可塑化部分を設けた。また、可塑化部分よりも後段に、表3記載の温度に設定した結晶化部分を設けた。実施例では結晶化部のスクリューエレメントにシールリングを導入することで圧力を付与できるスクリューとした。一方、比較例5〜6では結晶化部も通常のフルフライトエレメントとした。押出機に設置した圧力計を用いて処理時の圧力を計測した。
まず、押出機ダイよりポリマーを氷浴中に吐出して、溶融粘度および結晶化度測定用にサンプリングを行った。その後、押出機ダイにアンダーウォーターカッターを設置して、ダイから吐出されたポリマーのペレット化を行った。得られたサンプルの溶融粘度、結晶化度等は表3に示すとおりである。比較例5〜6はいずれも結晶化度が低く、溶融粘度が低いためカッティングが困難であったのに対して、実施例についてはカッティングが容易であった。
Figure 0005682309
(実施例27〜52、比較例7〜8、10〜11)
実施例1〜26および比較例1〜2、5〜6により得られたペレットを真空乾燥機に入れ、140℃にて圧力13.3Paで4時間固相重合を行い、次いで150℃に昇温して4時間、さらに160℃に昇温して10時間固相重合を行った。
(比較例9)
比較例1により作成した結晶化していないペレットを使用して、110℃の熱風オーブンにて1時間静置下で熱結晶化処理を行った後、真空乾燥機に入れ、140℃にて圧力13.3Paで4時間固相重合を行い、次いで150℃に昇温して4時間、さらに160℃に昇温して10時間固相重合を行った。
表4〜6に示すように、実施例27〜52については、いずれも固相重合後に著しい高分子量化が観察され、高融点化しているのに対して、比較例7〜11では充分な分子量のポリマーが得られなかった。実施例が優れていることは明らかである。
Figure 0005682309
Figure 0005682309
Figure 0005682309
(実施例53〜67、比較例12〜13)
ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を処理する工程として、表7および8に記載のとおり、ポリ−L−乳酸を、日本製鋼所社製TEX30型二軸押出機(L/D=45.5)に供給し、本発明の結晶化処理を行った。二軸押出機は、樹脂供給口よりL/D=10の部分に温度180℃に設定した可塑化部分を設けた。また、可塑化部分よりも後段に、表7および8に記載の温度に設定した結晶化部分を設けた。結晶化部のスクリューエレメントとしてニーディングディスクを備えてせん断を付与できるスクリューとした。
一方、ポリ−D−乳酸は、窒素雰囲気下で加熱することにより結晶化の処理を行った。このときの処理温度と時間は表7および8に記載のとおりである。
まず、押出機ダイよりポリ−L−乳酸を氷浴中に吐出して、結晶化の割合測定用にサンプリングを行った。サンプリングしたポリ−L−乳酸と上記加熱結晶化処理後のポリ−D−乳酸につき、それぞれ結晶化の割合および(ΔHm−ΔHc)は表7および8に示すとおりである。実施例53〜66はポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸両方で、結晶化の割合および(ΔHm−ΔHc)が高くて結晶化特性に優れていたのに対し、実施例67と比較例12は結晶化の割合および(ΔHm−ΔHc)がポリ−D−乳酸のみ高く、比較例13はポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸両方で結晶化の割合および(ΔHm−ΔHc)が低かった。
続いて、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程として、前記の二軸押出機によりせん断結晶化しているポリ−L−乳酸に対して、樹脂供給口よりL/D=30の部分に設けたサイド供給口より、前記の加熱処理を行ったポリ−D−乳酸を添加して混合を行った。混合部のスクリューエレメントとしてニーディングディスクを備えてせん断付与できるスクリューとし、せん断付与下で混合を行った。混合時の温度設定、ポリマー濁度および結晶化度は表7および8に示すとおりである。また、混合後の混合物の結晶化の割合とステレオコンプレックス形成率(Sc)についても表7および8に記載したとおりである。
表7および8の結果より、実施例53〜65は、混合時および混合後における混合物の高融点化が観測され、結晶化度、結晶化の割合等の結晶化特性に優れていた。また、ステレオコンプレックス形成率についてはいずれも80%以下であった。実施例66〜67は、混合時および混合後における混合物は結晶化しているものの、結晶化特性は低かった。また、ステレオコンプレックス形成率は高かった。比較例12〜13は、混合物の高融点化が観測されて、ステレオコンプレックス形成率は80%以上であったが、結晶化度、結晶化の割合等の結晶化特性はいずれも低い値であった。
Figure 0005682309
Figure 0005682309
(実施例68〜80、参考例12〜13、比較例14〜15)
実施例53〜67および比較例12〜13により得られた混合物を真空乾燥機に入れ、140℃にて圧力13.3Paで4時間固相重合を行い、次いで150℃に昇温して4時間、さらに160℃に昇温して10時間固相重合を行った。表9に示すように、実施例68〜80については、いずれも固相重合後に分子量が10万以上と高分子量化しており、高融点化およびステレオコンプレックス形成率も70%以上が観測された。これに対して参考例12〜13および比較例14〜15については、高融点化およびステレオコンプレックス形成率も70%以上と観測されたが、固相重合後の分子量は10万以上に増加しなかった。
Figure 0005682309
(実施例81〜100)
ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を処理する工程として、表10および11に記載のとおり、ポリ−L−乳酸を、日本製鋼所社製TEX30型二軸押出機(L/D=45.5)に供給し、本発明の結晶化処理を行った。二軸押出機は、樹脂供給口よりL/D=10の部分に温度180℃に設定した可塑化部分を設けた。また、可塑化部分よりも後段に、表10および11に記載の温度に設定した結晶化部分を設けた。結晶化部のスクリューエレメントとしてニーディングディスクを備えてせん断を付与できるスクリューとした。
ポリ−D−乳酸についてもポリ−L−乳酸と同様、日本製鋼所社製TEX30型二軸押出機(L/D=45.5)を用い、本発明の結晶化処理を行った。二軸押出機のスクリューアレンジは、ポリ−L−乳酸を結晶化処理した場合と同様で、結晶化部分の温度設定は表10および11に記載したとおりである。
まず、押出機ダイよりポリマーを氷浴中に吐出して、結晶化の割合測定用にサンプリングを行った。サンプリングしたポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸につき、それぞれ結晶化の割合および(ΔHm−ΔHc)を表10および11に示した。実施例81〜98は、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸両方で結晶化の割合および(ΔHm−ΔHc)が高くて結晶化特性に優れていたのに対し、実施例99および100は結晶化の割合および(ΔHm−ΔHc)がポリ−D−乳酸のみ高かった。
ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程として、前記の二軸押出機にて結晶化しているポリ−L−乳酸に対して、樹脂供給口よりL/D=30の部分に設けたサイド供給口より、前記の結晶化処理を行ったポリ−D−乳酸を添加して混合を行った。混合部のスクリューエレメントとしてニーディングディスクを備えてせん断付与できるスクリューとし、せん断付与下で混合を行った。混合時の温度設定、ポリマー濁度および結晶化度は表10および11に示すとおりである。また、混合後の混合物の結晶化の割合とステレオコンプレックス形成率(Sc)についても表10および11に記載したとおりである。
表10および11の結果より、実施例81〜97は、混合時および混合後における混合物の高融点化が観測され、結晶化度、結晶化の割合等の結晶化特性は優れていた。また、ステレオコンプレックス形成率についてはいずれも80%以下であった。実施例99および100は、混合時および混合後における混合物は結晶化しているものの、結晶化特性は低かったが、ステレオコンプレックス形成率は80%以上と高かった。実施例98は、混合物の高融点化が観測されて、ステレオコンプレックス形成率は80%以上であったが、結晶化度、結晶化の割合等の結晶化特性はいずれも低い値であった。
Figure 0005682309
Figure 0005682309
(実施例101〜117、参考例14〜16)
ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程として、実施例81〜100により得られた混合物を真空乾燥機に入れ、140℃にて圧力13.3Paで4時間固相重合を行い、次いで150℃に昇温して4時間、さらに160℃に昇温して10時間固相重合を行った。表12に示すように、実施例101〜117については、いずれも固相重合後に分子量が10万以上と高分子量化しており、高融点化およびステレオコンプレックス形成率は70%以上が観測された。これに対して参考例14〜16については、高融点化およびステレオコンプレックス形成率も70%以上と観測されたが、固相重合後の分子量は10万以上に増加しなかった。
Figure 0005682309
(実施例118)
実施例5により作成したペレットより無作為に10個のペレットを選んだ。約3mm径のペレットにおいて、ペレットを表層部(表層0〜0.5mm部分)と中心部(表層から1〜2mm部分)に切削してそれぞれの結晶化度の差について評価したところ、表層の結晶化度の平均値と中心部の結晶化度の平均値の差は、5%であった。また、中心部の結晶化度について、各ペレット間の差を比較したところ、最大のものと最小のものの差は3%であった。
(比較例16)
比較例1により作成した結晶化していないペレットを使用して、110℃の熱風オーブンにて1時間静置下で熱結晶化処理を行った。実施例118と同様に処理後のペレットから無作為に10個のペレットを選び、それぞれを表層部、中心部に切削加工して結晶化度を評価した。その結果、表層の結晶化度の平均値と中心部の結晶化度の平均値の差は、25%であった。また、中心部の結晶化度について、各ペレット間の差を比較したところ、最大のものと最小のものの差は15%であった。
本発明の手法により結晶化した実施例118は、従来の熱結晶化処理を行った比較例16と比較して、結晶化状態が均一であることがわかる。このような均一な結晶化状態であると物性が安定し、例えば固相重合を行った場合にも重合反応が均一に進行するため好ましい。
(実施例119)
[重合工程]
4つの反応槽が送液ポンプを介して直列に接続された連続溶融重合装置に、90%L−乳酸水溶液を7kg/hrの流量で連続供給し、第1槽〜第4槽の温度を、それぞれ150℃、160℃、170℃、175℃、減圧度をそれぞれ150torr、50torr、20torr、10torrとし、触媒としてメタンスルホン酸ならびに酢酸錫(II)を第2槽に供給される乳酸に対して各々0.07wt%、0.05wt%になるように連続的に供給した。水を除去しながら各槽合計の滞留時間が15時間となるように各槽の内容量を調整しながら連続重合を行った。第4槽から出たプレポリマーは固化することなく次の結晶化工程へと供給した。また、プレポリマーの一部をサンプリングし、評価したところ、融点は150℃、Mwは20,000であった。
[結晶化工程]
得られたポリ−L−乳酸プレポリマーを、ニーディングディスクを備えたスクリューを備え、シリンダー温度を130℃に設定した同方向回転2軸押出機(L/D=35)に供給し、せん断速度150/秒のせん断および4.5MPaの圧力を付与しながら結晶化処理をおこなった。運転中のシリンダー温度は、押出機先端に設置した圧力計の計測結果に対応して、圧力が低下したときは温度を下げ、圧力が上昇したときは温度を上げる制御を行い、結晶化処理を行った。押出機ダイより吐出した結晶化ポリ乳酸は、アンダーウォーターカッターによりカッティングしてペレット化した。
[固相重合工程]
前行程にて得られたペレットを、110℃で乾燥後、塔式の連続固相重合装置に供給し、160℃の窒素を固重装置の下部から供給し、滞留時間が30時間になるようにペレットを滴下させて連続固相重合を行った。その結果、融点182℃、Mw213,000のポリ−L−乳酸樹脂が得られ、ペレット間の融点の差は1℃以下、分子量の差は6,000以下であった。
(比較例17)
結晶化工程を以下の条件で行った以外は、実施例119と同様にして、ポリ−L−乳酸樹脂を得た。その結果、融点175℃、Mw125,000であり、ペレット間の融点の差は5℃、分子量の差は54,000であった。
[結晶化工程]
得られたポリ−L−乳酸プレポリマーを、連続して移動するベルト上に滴下し固化させた後、ベルト上部および下部から110℃の温風を送風することで結晶化処理を行った。
(実施例120)
熱可塑性樹脂A−1を射出成形機(住友重機社製SG75H−MIV)において、シリンダー温度をホッパー側180℃に設定して、熱可塑性樹脂をいったん可塑化した後、シリンダー温度を145℃に設定して、スクリュー回転数160rpmで溶融滞留することで熱可塑性樹脂を結晶化した。続いて、結晶化した熱可塑性樹脂を金型(金型温度40℃)に射出し、20秒間冷却後、取り出して試験片(ASTM1号ダンベル)を作成した。試験片はバリの発生もなく良品であった。試験片の特性を表13に示す。
(比較例18)
シリンダー温度をホッパー側からノズル側まで一律180℃に設定した以外は実施例120と同様に試験片を調整した。結果は表13に示すとおりである。比較例18は溶融粘度が低いため成形時バリが多量に発生した。
実施例120は比較例18と比べて成形加工性が優れ、得られた成形品の結晶性が高いことは明らかであった。
Figure 0005682309
本実施例および比較例に用いた熱可塑性樹脂は以下の通りである。
A−1:参考例1のポリ−L−乳酸樹脂。
A−2:参考例2のポリ−L−乳酸樹脂。
A−3:参考例3のポリ−L−乳酸樹脂。
A−4:参考例4のポリ−L−乳酸樹脂。
A−5:参考例5のポリ−L−乳酸樹脂。
A−6:融点260℃、重量平均分子量16,000のポリエチレンテレフタレート樹脂。
A−7:融点243℃、重量平均分子量14,000のポリエチレンテレフタレート/イソフタレート(94/6モル%)樹脂。
A−8:参考例6のポリ−L−乳酸樹脂。
A−9:参考例7のポリ−L−乳酸樹脂。
A−10:参考例8のポリ−L−乳酸樹脂。
A−11:参考例9のポリ−D−乳酸樹脂。
A−12:参考例10のポリ−D−乳酸樹脂。
A−13:参考例11のポリ−D−乳酸樹脂。
本発明によれば、結晶構造を有しているにもかかわらず、流動性を持つ結晶化ポリエステルを得ることができる。本発明の結晶化ポリエステルは、結晶化により適度な流動性を有しているため、溶融加工性に優れ、かつ、結晶化度が高い成形品を提供することができる。また、固相重合を行うにあたって、事前結晶化工程が不要なため、固相重合により高分子量のポリエステルを製造するのに適する。

Claims (13)

  1. 脂肪族ポリエステルら選ばれたポリエステルを、該ポリエステルの融点をTmとして、Tm−70℃〜Tm+20℃の温度でせん断および/または圧力を付与することによって、該ポリエステルを結晶化度10%以上かつ1000Pa・s以下の溶融粘度を有する流動性を有する状態にする結晶化工程を有し、かつ、前記ポリエステルがポリ乳酸である結晶化ポリエステルの製造方法。
  2. 前記結晶化工程に供するポリエステルの重量平均分子量が5,000〜100,000である請求項1記載の結晶化ポリエステルの製造方法。
  3. 前記結晶化工程に供するポリエステルの結晶化度が10%未満である請求項1または2に記載の結晶化ポリエステルの製造方法。
  4. せん断速度10〜400/秒のせん断および/または0.05〜10MPaの圧力を付与する請求項1〜のいずれかに記載の結晶化ポリエステルの製造方法。
  5. せん断および/または圧力を付与する時間が0.1〜10分である請求項1〜のいずれかに記載の結晶化ポリエステルの製造方法。
  6. 結晶化工程に供するポリエステルがポリ−L―乳酸またはポリ−D−乳酸であり、結晶化工程により、該ポリエステルを、結晶化度10%以上かつ流動性を有する状態とした後に、該ポリエステルがポリ−L−乳酸である場合はポリ−D―乳酸を、ポリ−D−乳酸である場合にはポリ−L−乳酸を混合する工程をさらに含む請求項1〜のいずれかに記載の結晶化ポリエステルの製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の方法で得られた結晶化ポリエステルに、他の樹脂を混合する工程をさらに含む結晶化ポリエステルの製造方法。
  8. 結晶化工程の後に、結晶化ポリエステルを冷却固化し、ペレット化する工程をさらに有する請求項1〜のいずれかに記載の結晶化ポリエステルの製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の方法で得られた結晶化ポリエステルを固相重合する工程をさらに含む結晶化ポリエステルの製造方法。
  10. 請求項記載の結晶化ポリエステルを固相重合する工程をさらに含み、かつ、ポリ−L―乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程において、ポリ−L―乳酸とポリ−D−乳酸のうち、少なくともいずれか一方が、下記式(1)を満たす結晶化ポリエステルの製造方法:
    (ΔHm−ΔHc)>20(J/g) (1)
    ΔHm:結晶融解エンタルピー(J/g)
    ΔHc:昇温時結晶化エンタルピー(J/g)。
  11. 前記結晶化工程に供するポリエステルが、ポリ乳酸のオリゴマーまたはプレポリマーである請求項1〜10のいずれかに記載の結晶化ポリエステルの製造方法。
  12. 脂肪族ポリエステルら選ばれたポリエステルのモノマーを反応させてオリゴマーまたはプレポリマーを製造する重合工程、そのオリゴマーまたはプレポリマーの融点をTmとして、Tm−70℃〜Tm+20℃の温度でせん断および/または圧力を付与することによって、結晶化度10%以上かつ1000Pa・s以下の溶融粘度を有する流動性を有する状態にする結晶化工程、得られた結晶化ポリエステルを冷却固化しペレット化する工程、および得られたペレットを固相重合する工程をこの順に含むポリエステルの製造方法であって、前記ポリエステルがポリ乳酸であり、かつ、前記重合工程により得られたオリゴマーまたはプレポリマーを固化させることなく、前記結晶化工程に供する請求項1〜11のいずれかに記載の結晶化ポリエステルの製造方法。
  13. 前記結晶化工程を溶融機を用いて行い、該溶融機および前記ペレット化工程に用いるペレット化装置の少なくとも一方に設けた圧力計により測定された樹脂の圧力に応じて、前記結晶化工程における溶融機の回転数や温度を制御する請求項12記載の結晶化ポリエステルの製造方法。
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