JP5681500B2 - トルクリミッタ付き軸継手 - Google Patents

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Description

本発明は、所定のトルク値以下の動力を伝達しそれを超えるトルク値の動力を伝達しないいわゆるトルクリミッタ機能を備えた軸継手に関する。
この種のトルクリミッタ付き軸継手として、例えば原動機とそれによって回転駆動される被駆動機器との間に介装されるトルクリミッタ付きダンパがあり、代表的なものとして特許文献1に記載のものが提案されている。このトルクリミッタ付きダンパは、原動機の出力軸に固定されるフライホイールと、トルクリミッタアッセンブリと、摩擦ライニングを備えたダンパディスクとを主要素とするものである。そして、トルクリミッタアッセンブリは、摩擦ライニングを押し付けるためのプレッシャープレートと、押し付け荷重を発生させる皿ばねと、この皿ばねの座部を兼ねつつフライホイールへ取り付けるためのカバーと、プレッシャープレートにかしめ加工により固定されて、カバーに設けられた穴に対し軸方向に移動可能で且つ周方向に移動不能とした回り止め機能を有するストップピンとから構成されている。
特開2002−13547号公報
しかしながら、特許文献1に代表される従来の構造では、いわゆるトルクリミッタアッセンブリがプレッシャープレートと皿ばねおよびカバーのほか、かしめ加工にて固定されたストップピンとから構成されていて、そのストップピンで回り止めをする構造であるため、構成要素が多く、特にストップピンはトルク伝達のために周方向に複数(例えば6本や8本)配置する必要があり、部品点数の削減と構造の簡素化に限界がある。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、ストップピンに代わる回り止め機能を採用することで先に述べた従来技術の持つ不具合を解消し、部品点数の削減により構造の簡素化を図ったトルクリミッタ付き軸継手を提供するものである。
請求項1に記載の発明は、フライホイールと回転軸との間に介装され、回転軸に連結された摩擦ディスクをフライホイールに押し付けることでそのフライホイールと回転軸間のトルク伝達を行う一方、所定値以上のトルク入力があった場合は摩擦ディスクを滑らせて過大トルクの発生を防ぐようにしたトルクリミッタ付き軸継手において、上記フライホイールに重ね合わせるように装着されるカバーと、このカバーの内側に収容される弾性部材、およびこの弾性部材のばね力を受けて摩擦ディスクに押し付けられる円板状のプレッシャープレートの三者をもってトルクリミッタを構成してある。
そして、上記プレッシャープレートには径方向に突出してカバーに対する回り止めとして機能する係止爪部を形成してある一方、上記カバーには、係止爪部に対応して外周縁部の一部を小径化する方向に切除して形成した切欠開口部と、この切欠開口部の最小径部から連続して周方向に長穴状に切り欠いたスロット部とを形成してあり、上記カバーの切欠開口部で受容した係止爪部を当該切欠開口部からスロット部に差し込んでバヨネット結合構造とすることで、カバーからのプレッシャープレートの抜け止めを施してあるとともに、上記抜け止めが施されたプレッシャープレートの係止爪部をカバー側のトルク伝達部に係止させて回り止めを施してあることを特徴とする。
より具体的には、上記カバーにはトルク伝達部としてスリット開口部を形成してある一方、上記プレッシャープレートの係止爪部の先端には爪片を曲折形成してあり、この爪片をカバー側のスリット開口部に嵌合させてることで、カバーに対するプレッシャープレートの正逆転方向の回り止めを施してあることを特徴とする。
あるいは、請求項2に記載のように、上記カバーにスロット部を形成することで当該スロット部の外周側にアーム部を形成してあるとともに、このアーム部の先端にはスロット部の端部に対向する起立片を曲折形成してあることで、これらのスロット部の端部と起立片とがカバー側のトルク伝達部として機能するようになっていて、上記係止爪部における一方の回転方向の端面がスロット部の端部に、他方の回転方向の端面が起立片にそれぞれ当接していることにより、カバーに対するプレッシャープレートの正逆転方向の回り止めを施して、両者間でのトルク伝達が行われるようになっているものとする。
この場合において、請求項3に記載のように、上記カバーの切欠開口部で受容した係止爪部を当該切欠開口部からスロット部に差し込んでバヨネット結合構造とすることで、トルクリミッタがサブアッセンブリされていることが組付性向上の上で望ましい。
言い換えるならば、請求項4に記載のように、上記カバーの切欠開口部で受容した係止爪部を当該切欠開口部からスロット部に差し込んでバヨネット結合構造とすることで、弾性部材とカバーおよびプレッシャープレートの三者からなるトルクリミッタが中間組立体として予めユニット化されていることが望ましい。
また、請求項5に記載のように、上記バヨネット結合構造とすることで弾性部材に予圧が付与されていることが望ましい。
さらに、トルク伝達のバランスの上では、請求項6に記載のように、上記係止爪部は、プレッシャープレートの周方向の等分位置に形成した三つ以上のものであることが望ましい。
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、カバーの切欠開口部で受容した係止爪部を当該切欠開口部からスロット部に差し込んでバヨネット結合構造とすることで、カバーからのプレッシャープレートの抜け止めを施すとともに、上記抜け止めが施されたプレッシャープレートの係止爪部をカバー側のトルク伝達部に係止させて回り止めを施すことで、別部品を用いることなしに従来のストップピンと同等の回り止め機能が発揮されることになる。
請求項1,2に記載の発明によれば、従来は必須とされた複数のストップピンを廃止して部品点数を削減することができ、結果としてトルクリミッタ付き軸継手の構造を簡素化できる。
請求項3,4に記載の発明によれば、弾性部材とカバーおよびプレッシャープレートの三者からなるトルクリミッタがサブアッセンブリされていて、より具体的には、弾性部材とカバーおよびプレッシャープレートの三者からなるトルクリミッタが中間組立体として予めユニット化されているので、組付時の作業性に優れたものとなる。
請求項5に記載の発明によれば、弾性部材に予圧が付与されていることにより、上記のサブアッセンブリ状態あるいは中間組立体としてユニット化されている状態での自己保持性に優れたものとなる。
本発明を実施するためのより具体的な第1の形態としてトルクリミッタ付きダンパ装置を示し、図2のA−A線に沿う断面説明図。 図1に示したトルクリミッタ付きダンパ装置の正面説明図。 図2のB方向矢視図。 図1におけるプレッシャープレートの詳細を示す図で、(A)はその正面説明図、(B)は同図(A)のC−C線に沿う断面説明図。 図1におけるカバーの詳細を示す図で、(A)はその正面説明図、(B)は同図(A)のD−D線に沿う断面説明図。 図1におけるトルクリミッタ単体の詳細を示す図で、(A)はその正面説明図、(B)は同図(A)のE−E線に沿う断面説明図。 本発明を実施するためのより具体的な第2の形態を示す図で、(A)は図6の(A)と同等部位の正面説明図、(B)は同図(A)のF−F線に沿う断面説明図。 本発明を実施するためのより具体的な第3の形態を示す図で、図3と同等部位の説明図。 本発明を実施するためのより具体的な第4の形態を示す図で、図3と同等部位の説明図。
図1〜6は本発明を実施するためのより具体的な第1の形態を示し、トルクリミッタ付き軸継手としてトルクリミッタ付きダンパ装置の例を示している。そして、特に図1は同ダンパ装置の断面図、すなわち図2のA−A線に沿う断面図を、図2は同ダンパ装置の正面図を、図3は図2のB方向矢視図をそれぞれ示している。
図1〜3に示すように、例えば内燃機関等の原動機の出力軸1の端部には出力側回転部材として外周縁部をマス部とした厚肉円板状のフライホイール2が固定されている。フライホイール2はその中心の取付穴を出力軸1のボス部1aに嵌合させることによりセンタリングされた上で複数のボルト3にて固定されている。また、出力軸1の延長軸線上には例えばモータジェネレータや被駆動機器等の回転軸としての入力軸4が配置される。そして、フライホイール2と入力軸4との間にトルクリミッタ付きダンパ装置5が介装されている。
なお、フライホイール2の周縁部には、円周方向の三等分位置にてマス部の一部を切除して逃げ凹部2aを形成してある。また、フライホイール2のうち逃げ凹部2aが形成された部分よりも小径の内側部分が後述する摩擦ライニング13との摺動面2bとして機能することになる。
フライホイール2には、図2に示すように、それ自体で予めサブアッセンブリされたトルクリミッタ6を複数のノックピン10とボルト11にて取り付けてある。トルクリミッタ6は、フライホイール2とほぼ同じ直径であって且つ外側に張り出すフランジ部7aを有する円形浅皿状のカバー7と、このカバー7の内部に収容された弾性部材としての皿ばね8と、カバー7よりも一回り小さな円環状のプレッシャープレート9とを同心状に相互に重ね合わせたものであって、皿ばね8のばね力によってプレッシャープレート9がフライホイール2側に向けて押されるようになっている。そして、プレッシャープレート9とフライホイール2側の摺動面2bとの間にダンパディスク12側の摩擦ライニング13が挟まれている。
ダンパディスク12は、入力軸4にスプライン結合されたハブ14に対して相対回転可能に構成されているもので、ハブ14の両側に例えば樹脂製のシートスペーサ15を介して回転可能に装着された一対のリテーナプレート16,17と、双方のリテーナプレート16,17と共に複数のピン18にかしめ加工を施すことにより共締め固定された薄板円環状の摩擦ディスク19とから構成されている。そして、摩擦ディスク19の表裏両面に摩擦ライニング13がリベット締めにて固定してあり、一方の摩擦ライニング13がフライホイール2側の摺動面2bに、他方の摩擦ライニング13がプレッシャープレート9にそれぞれ圧接している。
また、ハブ14とその両側のリテーナプレート16,17にはそれぞれに円周方向の四箇所にスプリング収容部を開口形成してあり、各スプリング収容部には捻り吸収スプリング20を圧縮状態で収容して脱落しないように保持させてある。そして、出力軸1側からの出力として捻り振動が負荷された時には、双方のリテーナプレート16,17とハブ14とが捻り吸収スプリング20をさらに圧縮しながら相対回転してその捻り振動を吸収し、結果として捻り振動のためのダンパとして機能することになる。
図4は上記カバー7および皿ばね8と共にトルクリミッタ6を形成しているプレッシャープレート9の詳細を示している。図4のほか図1に示すように、プレッシャープレート9は、皿ばね8からのばね力を受けて摩擦ライニング13をフライホイール2側に押し付ける機能を有するもので、その周縁部の三等分位置には径方向に突出して回り止めとして機能する係止爪部9aを一体に形成してある。さらに、各係止爪部9aの外周側の先端をフライホイール2側に向けて直角に折り曲げることで爪片9bを形成してある。
図5は上記皿ばね8およびプレッシャープレート9と共にトルクリミッタ6を形成しているカバー7の詳細を示している。図5のほか図1に示すように、カバー7は、フライホイール2に対する取付部として機能するフランジ部7aと、そのフランジ部7aの内側の胴部7bを含む皿ばね受容部7cとを有するもので、フランジ部7aにはプレッシャープレート9側の三つの係止爪部9aに対応する位置に当該係止爪部9aよりも幅広で且つフランジ部7a自体の外周縁部の一部を小径化する方向に部分的に切除して切欠開口部21を形成してある。
また、この切欠開口部21の最小径部から連続して胴部7bの周方向にスリット状または長穴状に切り欠いてスロット部22を形成してあり、結果としてこれらの切欠開口部21とスロット部22とによりフランジ部7aから胴部7bにまたがるかたちで鉤形または略L字状に切り欠いてある。さらに、切欠開口部21から連続するスロット部22を形成することで、そのスロット部22の外周側にはフランジ部7aの一部として片持ち状のアーム部7dが残されている。そして、そのアーム部7dにはトルク伝達部として上記係止爪部9aの爪片9bを受容または嵌合可能な矩形長穴状のスリット開口部23を形成してある。
図6は、上記カバー7と皿ばね8およびプレッシャープレート9の三者からなるトルクリミッタ6のサブアッセンブリ状態を示している。このトルクリミッタ6の組立手順としては、カバー7の皿ばね受容部7c(図5参照)の内部に皿ばね8を収容する。その際に、胴部7bの内径が自由状態の皿ばね8の外径よりもわずかに大きく設定してあることで、皿ばね8の外周縁が胴部7bの内周面に内接することで自律的にセンタリングされることになる。
こうして、カバー7に皿ばね8を収容したならば、プレッシャープレート9の各係止爪部9aをカバー7の切欠開口部21に合致させるようにしてそのプレッシャープレート9をカバー7のフランジ部7aに重ね合わせた上で、皿ばね8を圧縮変形させるべくプレッシャープレート9を押し込む。そして、図6に示すように、プレッシャープレート9側の係止爪部9aがカバー7側のフランジ部7aの板厚を乗り越えてスロット部22の入口側に至ったならば、各係止爪部9aをスロット部22に差し込む。
つまり、図6に示すように、各係止爪部9aの先端の爪片9bがカバー7側のスリット開口部23に合致するまで、いわゆるバヨネット結合構造をもってカバー7とプレッシャープレート9を相対回転させる。各係止爪部9aの先端の爪片9bがカバー7側のスリット開口部23に合致した時点でプレッシャープレート9の押し込み力を解除すると、皿ばね8のばね力を受けて各係止爪9aの爪片9bが自律的にカバー7側のスリット開口部23に落ち込んで嵌合することになる。この状態では皿ばね8に予圧が残っており、トルクリミッタ6はサブアッセンブリ状態となって、皿ばね8の予圧であるばね力によりサブアッセンブリ状態を自己保持することが可能となる。同時に、各係止爪部9aの先端の爪片9bがカバー7側のスリット開口部23に合致することで、カバー7とプレッシャープレート9とがセンタリングされる。
このサブアッセンブリ状態では皿ばね8に予圧が付与されていることにほかならず、言い換えるならば、皿ばね8に予圧が付与された状態で当該皿ばね8とカバー7およびプレッシャープレート9の三者からなるトルクリミッタ6が中間組立体として予めユニット化されていることになる。同時に、各係止爪部9aがアーム部7dと重なり合うことでカバー7からのプレッシャープレート9の抜け止めが施されるとともに、各係止爪部9aの爪片9bがスリット開口部23に係止または嵌合することでカバー7とプレッシャープレート9との正逆転方向の回り止めが施されて、当該部位をトルク伝達部として両者間でのトルク伝達が可能となる。
このようにサブアッセンブリされているトルクリミッタ6は、図1,2に示すように、フライホイール2との間にダンパディスク12を挟み込むようにして複数のボルト11にてフライホイール2に固定される。
この場合において、図1に示すように、摩擦ライニング13の厚みによりプレッシャープレート9が皿ばね8を圧縮変形させる方向に押し戻されるが、各係止爪部9aの先端の爪片9bはなおもカバー7側のスリット開口部23に嵌合した状態を維持することになる。また、カバー7側のスリット開口部23とそれに嵌合している係止爪部9aの先端の爪片9bの位置は、図3に示すようにフライホイール2に形成された逃げ凹部2aの位置と一致しており、これによって各係止爪部9aの先端の爪片9bとフライホイール2との干渉が回避される。
ここで、皿ばね8に予圧が付与された状態で当該皿ばね8とカバー7およびプレッシャープレート9の三者からなるトルクリミッタ6が図6の状態をもって予めサブアッセンブリされていて、そのサブアッセンブリ状態を自己保持できることは先に述べた。そのため、カバー7側のフランジ部7aとプレッシャープレート9側の係止爪部9aとの間には皿ばね8の予圧に基づく摩擦が生じていて、トルクリミッタ6をフライホイール2に取り付ける際に、トルクリミッタ6側にがたつきの発生がなく、組付作業性が良好なものとなる。
このように構成されたトルクリミッタ付きダンパ装置5では、トルクリミッタ6の入力形態としてドライブ側、すなわちフライホイール2側から入力軸4側へのトルク伝達形態と、コースト側(逆転方向)、すなわち入力軸4側からフライホイール2側へのトルク伝達形態とがある。
ドライブ側では、出力軸1側からフライホイール2に入力されたトルクは、摩擦ライニング13とプレッシャープレート9を介してダンパディスク12へ伝わり、入力軸4の回転トルクとなる。この時、プレッシャープレート9へのトルク伝達は、主としてカバー7側のスリット開口部23とプレッシャープレート9における係止爪部9aの先端の爪片9bとの嵌合をもって、より具体的には図2に示すように、スリット開口部23における一方の端部23aと係止爪部9aの爪片9bとの当接をもって行われる。そして、所定のトルク値以上のトルク入力があった場合には、フライホイール2とプレッシャープレート9およびカバー7の三者が一体的に回転するものであるが故に、摩擦ディスク19の両側の摩擦ライニング13がフライホイール2およびプレッシャープレート9に対してそれぞれ滑りを生じ、ダンパディスク12側に過大トルクが伝達されるのが阻止される。
他方、コースト側では、入力軸4側からダンパディスク12に入力されたトルクは、摩擦ライニング13とプレッシャープレート9を介してフライホイール2へ伝わり、出力軸1の回転トルクとなる。この時、プレッシャープレート9へのトルク伝達は、ドライブ側と同様に、主としてカバー7側のスリット開口部23とプレッシャープレート9における係止爪部9aの先端の爪片9bとの嵌合をもって、より具体的には図2に示すように、スリット開口部23における他方の端部23bと係止爪部9aの爪片9bとの当接をもって行われる。そして、所定のトルク値以上のトルク入力があった場合には、フライホイール2とプレッシャープレート9およびカバー7の三者が一体的に回転するものであるが故に、ドライブ側と同様に、摩擦ディスク19の両側の摩擦ライニング13がフライホイール2およびプレッシャープレート9に対してそれぞれ滑りを生じ、フライホイール2側に過大トルクが伝達されるのが阻止される。
また、トルクリミッタ付きダンパ装置5のダンパ機能としては、先に述べたように、ドライブ側およびコースト側共に、出力軸1側あるいは入力軸4側から捻り振動が負荷された時に、双方のリテーナプレート16,17とハブ14とが捻り吸収スプリング20をさらに圧縮しながら相対回転してその捻り振動を吸収することになる。
このように第1の形態によれば、プレッシャープレート9側の係止爪部9aの先端に形成した爪片9bとカバー7側のスリット開口部23との嵌合をもってトルク伝達を行うようにしているので、部品点数の削減をもってその構造の簡素化を図ることが可能となる。
ここで、第1の形態では、出力軸1側のフライホイール2と入力軸4とを繋げる軸継手をトルクリミッタ付きダンパ装置5として構成した場合について述べたが、適用されるシステム側の要求によっては、ダンパディスク12に代えてダンパ機能のないいわゆるリジッドディスクを採用し、実質的にダンパ機能のないトルクリミッタ付き軸継手として構成することもまた可能である。
図7は本発明に係るトルクリミッタ付き軸継手の第2の形態を示し、図6と同じトルクリミッタ単体の状態を示している。
この第2の形態では、図6と比較すると明らかなように、カバー7に形成した切欠開口部21の外周側にブリッジ部7eを残して、実質的にフランジ部7aの最外周側の連続性を持たせたものである。この第2の形態によれば、切欠開口部21の周辺部の強度向上を図ることができる。
図8は本発明に係るトルクリミッタ付き軸継手の第3の形態を示し、図3と同等部位の説明図を示している。
この第3の形態では、図5,6のようにカバー7側のフランジ部7aの一部であるアーム部7dにスリット開口部23を開口形成するのに代えて、アーム部7dの先端をプレッシャープレート9側に向けて直角に折り曲げることで起立片24を形成するとともに、プレッシャープレート9側の係止爪部9aの先端には図4のような爪片9bを形成しないものとし、スロット部22の端部22aと起立片24との間に係止爪部9aを挟み込むようにしたものである。
この第3の形態のトルクリミッタ6をサブアッセンブリするにあたっては、カバー7に皿ばね8を収容した上で、カバー7側の切欠開口部21と係止爪部9aとを合致させるようにして、カバー7とプレッシャープレート9と重ね合わせる。そして、プレッシャープレート9をカバー7側に押し込みながら両者を相対回転させて、係止爪部9aをスロット部22側に差し込み、係止爪部9aが起立片24を乗り越えた時点でプレッシャープレート9の押し込み力を解除すれば図8の状態のものとなる。これにより、カバー7からのプレッシャープレート9の抜け止めが施されるとともに、両者の正逆転方向の回り止めが施されることになり、しかもスロット部22の端部22aおよび起立片24に対して係止爪部9aが当接するかたちとなって、これらの当接部位がトルク伝達部として機能することになる。
なお、図8に示すように、トルクリミッタ6をフライホイール2に取り付けた状態では、係止爪部9aはアーム部7dからわずかに浮上した状態となっている。
この第3の形態によれば、先に述べたように、係止爪部9aの先端に図4のような爪片9bを折り曲げて形成する必要がなくなるだけでなく、フライホイール2側に図1,2のような逃げ凹部2aを形成する必要もなくなる。
図9は本発明に係るトルクリミッタ付き軸継手の第4の形態を示し、図3と同等部位の説明図を示している。
この第4の形態では、第3の形態と同様に、プレッシャープレート9側の係止爪部9aには図4のような爪片9bを形成しないものとする一方、カバー7側に形成される切欠開口部21とスロット部22との間にカバー7の深さ方向で段差を持たせて、切欠開口部21よりも一段深いスロット部22に係止爪部9aを落とし込むようにしたものである。ただし、トルクリミッタ6単体の状態では係止爪部9aはスロット部22の最深部に落ち込まずに図9に仮想線Fで示す位置にあり、スロット部22の端部22aに対して係止爪部9aが当接しているだけである。この状態では、カバー7からのプレッシャープレート9の抜け止めが施されてはいても、スロット部22の端部22aに係止爪部9aが当接することで両者の回転方向の一方の回り止めが施されているにすぎない。
その一方、図9に示すように、トルクリミッタ6をフライホイール2に固定すると、摩擦プレート19側の摩擦ライニング13によってプレッシャープレート9が押されることから、この時点で初めて図9に実線で示すようにスロット部22に係止爪部9aが落とし込まれて、カバー7とプレッシャープレート9との正逆転方向での回り止めが施されることになる。これによって、カバー7とプレッシャープレート9との間での正逆転方向でのトルク伝達が可能となる。
この第4の形態によれば、第3の形態と同様に、係止爪部9aの先端に図4のような爪片9bを形成する必要がなくなるとともに、フライホイール2側に図1,2のような逃げ凹部2a形成する必要もなくなるほか、カバー7のうちでも胴部7b(図5参照)の根元部に近い位置でトルク伝達を行うことでより大きなトルク伝達が可能となる。
2…フライホイール
2a…突起部
4…入力軸(回転軸)
5…トルクリミッタ付きダンパ装置
6…トルクリミッタ
7…カバー
7d…アーム部
8…皿ばね(弾性部材)
9…プレッシャープレート
9a…係止爪部
9b…爪片(トルク伝達部)
12…ダンパディスク
13…摩擦ライニング
19…摩擦ディスク
21…切欠開口部
22…スロット部
22a…スロット部の端部(トルク伝達部)
23…スリット開口部(トルク伝達部)
24…起立片(トルク伝達部)

Claims (6)

  1. フライホイールと回転軸との間に介装され、回転軸に連結された摩擦ディスクをフライホイールに押し付けることでそのフライホイールと回転軸間のトルク伝達を行う一方、所定値以上のトルク入力があった場合は摩擦ディスクを滑らせて過大トルクの発生を防ぐようにしたトルクリミッタ付き軸継手において、
    上記フライホイールに重ね合わせるように装着されるカバーと、このカバーの内側に収容される弾性部材、およびこの弾性部材のばね力を受けて摩擦ディスクに押し付けられる円板状のプレッシャープレートの三者をもってトルクリミッタを構成してあり、
    上記プレッシャープレートには径方向に突出してカバーに対する回り止めとして機能する係止爪部を形成してある一方、
    上記カバーには、係止爪部に対応して外周縁部の一部を小径化する方向に切除して形成した切欠開口部と、この切欠開口部の最小径部から連続して周方向に長穴状に切り欠いたスロット部とを形成してあり、
    上記カバーの切欠開口部で受容した係止爪部を当該切欠開口部からスロット部に差し込んでバヨネット結合構造とすることで、カバーからのプレッシャープレートの抜け止めを施してあるとともに、
    上記抜け止めが施されたプレッシャープレートの係止爪部をカバー側のトルク伝達部に係止させて回り止めを施してあり、
    さらに、上記カバーにはトルク伝達部としてスリット開口部を形成してある一方、
    上記プレッシャープレートの係止爪部の先端には爪片を曲折形成してあり、
    この爪片をカバー側のスリット開口部に嵌合させてることで、カバーに対するプレッシャープレートの正逆転方向の回り止めを施してあることを特徴とするトルクリミッタ付き軸継手。
  2. フライホイールと回転軸との間に介装され、回転軸に連結された摩擦ディスクをフライホイールに押し付けることでそのフライホイールと回転軸間のトルク伝達を行う一方、所定値以上のトルク入力があった場合は摩擦ディスクを滑らせて過大トルクの発生を防ぐようにしたトルクリミッタ付き軸継手において、
    上記フライホイールに重ね合わせるように装着されるカバーと、このカバーの内側に収容される弾性部材、およびこの弾性部材のばね力を受けて摩擦ディスクに押し付けられる円板状のプレッシャープレートの三者をもってトルクリミッタを構成してあり、
    上記プレッシャープレートには径方向に突出してカバーに対する回り止めとして機能する係止爪部を形成してある一方、
    上記カバーには、係止爪部に対応して外周縁部の一部を小径化する方向に切除して形成した切欠開口部と、この切欠開口部の最小径部から連続して周方向に長穴状に切り欠いたスロット部とを形成してあり、
    上記カバーの切欠開口部で受容した係止爪部を当該切欠開口部からスロット部に差し込んでバヨネット結合構造とすることで、カバーからのプレッシャープレートの抜け止めを施してあるとともに、
    上記抜け止めが施されたプレッシャープレートの係止爪部をカバー側のトルク伝達部に係止させて回り止めを施してあり、
    さらに、上記カバーにスロット部を形成することで当該スロット部の外周側にアーム部を形成してあるとともに、このアーム部の先端にはスロット部の端部に対向する起立片を曲折形成してあることで、これらのスロット部の端部と起立片とがカバー側のトルク伝達部として機能するようになっていて、
    上記係止爪部における一方の回転方向の端面がスロット部の端部に、他方の回転方向の端面が起立片にそれぞれ当接していることにより、カバーに対するプレッシャープレートの正逆転方向の回り止めを施して、両者間でのトルク伝達が行われるようになっていることを特徴とするトルクリミッタ付き軸継手。
  3. 上記カバーの切欠開口部で受容した係止爪部を当該切欠開口部からスロット部に差し込んでバヨネット結合構造とすることで、トルクリミッタがサブアッセンブリされていることを特徴とする請求項1または2に記載のトルクリミッタ付き軸継手。
  4. 上記カバーの切欠開口部で受容した係止爪部を当該切欠開口部からスロット部に差し込んでバヨネット結合構造とすることで、弾性部材とカバーおよびプレッシャープレートの三者からなるトルクリミッタが中間組立体として予めユニット化されていることを特徴とする請求項3に記載のトルクリミッタ付き軸継手。
  5. 上記バヨネット結合構造とすることで弾性部材に予圧が付与されていることを特徴とする請求項3または4に記載のトルクリミッタ付き軸継手。
  6. 上記係止爪部は、プレッシャープレートの周方向の等分位置に形成した三つ以上のものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のトルクリミッタ付き軸継手。
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