JP5673274B2 - リチウムイオン電池用正極活物質とその製造方法及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池 - Google Patents
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Description
リチウムイオン電池は、従来の鉛電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池等の二次電池と比べて、軽量かつ小型で高エネルギーを有しており、携帯用電話機、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯用電子機器の電源として用いられているが、近年、電気自動車、ハイブリッド自動車、電動工具等の高出力電源としても検討されている。これらの高出力電源として用いられる電池の電極活物質には、高速の充放電特性が求められている。
材料利用率が悪くなる問題点の1つとして、オリビン系リン酸塩系電極活物質の構造に由来する、活物質内部のLi拡散の遅さが挙げられる。
このオリビン系リン酸塩系電極活物質では、活物質内部のLi拡散は、LiMPO4(MはMn、Co、Niの群から選択される1種または2種以上)とMPO4(MはMn、Co、Niの群から選択される1種または2種以上)の二相の変換を伴いながら結晶格子のb軸方向のみに起こることが知られており(非特許文献2)、オリビン系リン酸塩系電極活物質は高速の充放電には不利だとされている。
このLiMPO4粒子を微粒子化する方法としては、このLiMPO4粒子を機械的な粉砕により微粒子化する方法が一般的である(特許文献1等参照)。
また、他の方法としては、グリコールやポリオール等の高沸点の多価アルコールを用いた微粒子化方法が提案されている(特許文献2等参照)。
この方法は、十分な量の前駆体をグリコールやポリオール等の高沸点の多価アルコール中で加熱しながら、LiMPO4粒子を沈澱させる方法である。
さらに好ましくないことには、機械的な粉砕がLiMPO4粒子に歪みや割れ等のダメージを与えてしまうことにより、充放電に不活性なLiMPO4を生成してしまい、その結果、十分な充放電特性が得られないという問題点があった。
本発明のリチウムイオン電池は、本発明のリチウムイオン電池用電極を備えてなることを特徴とする。
さらに、このリチウムイオン電池用正極活物質を用いてリチウムイオン電池用電極を作製し、さらには、このリチウムイオン電池用電極を用いてリチウムイオン電池を作製すれば、充放電容量及びハイレート特性を向上させたリチウムイオン電池を提供することができる。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態のリチウムイオン電池用正極活物質は、LiMPO4(但し、MはMn、Co、Niの群から選択される1種または2種以上)粒子からなるリチウムイオン電池用正極活物質であって、X線回折図形における回折角2θが17°付近の(200)面のX線強度I(200)と29°付近の(020)面のX線強度I(020)との比I(020)/I(200)が、3.00以上かつ5.00以下である。
なお、比I(020)/I(200)が上記の範囲を外れると、粒子の形状が球形に近くなり、その結果、LiMPO4粒子のb軸方向の結晶格子長さが長い状態のままとなる。
ここで、比表面積を15m2/g以上かつ50m2/g以下とした理由は、比表面積が15m2/g未満では、このLiMPO4粒子の微細化が不十分なものとなり、その結果、非常に微細であり、高純度かつ結晶性の良好なLiMPO4粒子が得られず、一方、比表面積が50m2/gを超えると、微細になり過ぎて結晶性を良好に保つことが難しくなり、その結果、やはり非常に微細な、高純度かつ結晶性の良好なLiMPO4粒子が得られないので、好ましくない。
本実施形態のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法は、上記のLiMPO4(但し、MはMn、Co、Niの群から選択される1種または2種以上)からなるリチウムイオン電池用正極活物質を水熱合成法にて製造する方法であり、Li源、P源及びM源(但し、MはMn、Co、Niの群から選択される1種または2種以上)を水を主成分とする溶媒と混合して得られた原料スラリーに、アンモニア及びアミン類化合物の群から選択される1種または2種を、前記アンモニアまたは前記アミン類化合物のアンモニア基の前記M源に対するモル%が1モル%以上かつ12モル%以下となるように加えて混合物とし、次いで、前記混合物を前記原料スラリーの沸点以上の温度に加熱する方法である。
Mn源としては、Mn塩が好ましく、例えば、塩化マンガン(II)(MnCl2)、硫酸マンガン(II)(MnSO4)、硝酸マンガン(II)(Mn(NO3)2)、酢酸マンガン(II)(Mn(CH3COO)2)及びこれらの水和物の中から選択された1種または2種以上が好ましい。
Ni源としては、Ni塩が好ましく、例えば、塩化ニッケル(II)(NiCl2)、硫酸ニッケル(II)(NiSO4)、硝酸ニッケル(II)(Ni(NO3)2)、酢酸ニッケル(II)(Ni(CH3COO)2)及びこれらの水和物の中から選択された1種または2種以上が好ましい。
水性溶媒としては、Li源、P源及びM源を溶解させることのできる溶媒であればよく、特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール:IPA)、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングルコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングルコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングルコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類等を挙げることができる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらLi源、P源及びM源を均一に混合する点を考慮すると、これらLi源、P源及びM源を水溶液とした後に混合する方法が好ましい。
この原料スラリーにおけるLi源、P源及びM源のモル濃度は、高純度であり、結晶性が高くかつ非常に微細なLiMPO4粒子を得る必要があることから、1.5mol/L以上かつ4.0mol/L以下が好ましい。
アミン類化合物としては、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、アニリン、トルイジン等から選択される1種のみ、または2種以上を混合して用いることができる。
特に、生成するLiMPO4粒子の結晶成長を効果的に抑制し、生成したLiMPO4粒子からの不純物の除去を容易にする点を考慮すると、アンモニアが好ましい。
一方、モル%が12モル%を超えると、アンモニアまたはアミン類化合物の添加効果が飽和してしまい、これ以上アンモニアまたはアミン類化合物を添加しても、さらなる添加効果が得られず、さらに悪いことには目的のLiMPO4とは異なる第2相の生成に繋がってしまうので、好ましくない。
この原料スラリーの沸点以上の温度に到達したときの耐圧容器内の圧力は、例えば0.1MPa以上かつ0.7MPa以下となる。
この場合、水熱処理時の温度及び時間を調整することにより、LiMPO4粒子の粒子径を所望の大きさに制御することが可能である。
以上により、非常に微細であり、高純度かつ結晶性の良好なLiMPO4粒子を得ることができる。
LiMnPO4の合成は以下のようにして行った。
Li源及びP源としてLi3PO4を、Mn源としてMnSO4水溶液を用い、これらをモル比でLi:Mn:P=3:1:1となるように混合して200mlの原料スラリーを作製した。
次いで、この原料スラリーにアンモニア水を、MnSO4のMnに対してアンモニア換算で5mol%となるように混合し、耐圧容器に入れた。その後、120℃にて2時間、水熱合成を行った。反応後、室温になるまで冷却し、ケーキ状態の反応生成物の沈殿物を得た。この沈殿物を蒸留水にて計5回十分に水洗し、乾燥しないように含水率30%に保持し、実施例1のケーキ状物質を得た。
この粉体をX線回折装置を用いて同定したところ、単相のLiMnPO4が生成していることが確認された。また、この粉体のX線回折図形における回折角2θが17°付近の(200)面のX線強度I(200)と29°付近の(020)面のX線強度I(020)との比I(020)/I(200)は3.38であった。
また、この粉体の比表面積を比表面積計 BelsorpII(日本ベル社製)を用いて測定したところ、30.1m2/gであった。
実施例1の粉体のX線回折図形を図1に示す。なお、図1の最下段に、JCPDSカードNo.33−0804に記載されているLiMnPO4の回折線の位置を示している。
LiMnPO4の合成は以下のようにして行った。
Li源及びP源としてLi3PO4を、Mn源としてMnSO4水溶液を用い、これらをモル比でLi:Mn:P=3:1:1となるように混合して200mlの原料スラリーを作製した。
次いで、この原料スラリーにアンモニア水を、MnSO4のMnに対してアンモニア換算で10mol%となるように混合し、耐圧容器に入れた。その後、120℃にて2時間、水熱合成を行った。反応後、室温になるまで冷却し、ケーキ状態の反応生成物の沈殿物を得た。この沈殿物を蒸留水にて計5回十分に水洗し、乾燥しないように含水率30%に保持し、実施例2のケーキ状物質を得た。
この粉体をX線回折装置を用いて同定したところ、単相のLiMnPO4が生成していることが確認された。また、この粉体のX線回折図形における回折角2θが17°付近の(200)面のX線強度I(200)と29°付近の(020)面のX線強度I(020)との比I(020)/I(200)は4.31であった。
また、この粉体の比表面積を比表面積計 BelsorpII(日本ベル社製)を用いて測定したところ、43.2m2/gであった。
LiMnPO4の合成は以下のようにして行った。
Li源及びP源としてLi3PO4を、Mn源としてMnSO4水溶液を用い、これらをモル比でLi:Mn:P=3:1:1となるように混合して200mlの原料スラリーを作製した。
次いで、この原料スラリーを耐圧容器に入れ、その後、120℃にて2時間、水熱合成を行った。反応後、室温になるまで冷却し、ケーキ状態の反応生成物の沈殿物を得た。この沈殿物を蒸留水にて計5回十分に水洗し、乾燥しないように含水率30%に保持し、比較例1のケーキ状物質を得た。
この粉体をX線回折装置を用いて同定したところ、単相のLiMnPO4が生成していることが確認された。また、この粉体のX線回折図形における回折角2θが17°付近の(200)面のX線強度I(200)と29°付近の(020)面のX線強度I(020)との比I(020)/I(200)は2.87であった。
また、この粉体の比表面積を比表面積計 BelsorpII(日本ベル社製)を用いて測定したところ、12.6m2/gであった。
比較例1の粉体のX線回折図形を図1に示す。
LiMnPO4の合成は以下のようにして行った。
Li源及びP源としてLi3PO4を、Mn源としてMnSO4水溶液を用い、これらをモル比でLi:Mn:P=3:1:1となるように混合して200mlの原料スラリーを作製した。
次いで、この原料スラリーにアンモニア水を、MnSO4のMnに対してアンモニア換算で15mol%となるように混合し、耐圧容器に入れた。その後、120℃にて2時間、水熱合成を行った。反応後、室温になるまで冷却し、ケーキ状態の反応生成物の沈殿物を得た。この沈殿物を蒸留水にて計5回十分に水洗し、乾燥しないように含水率30%に保持し、比較例2のケーキ状物質を得た。
この粉体をX線回折装置を用いて同定したところ、生成物はLi3PO4とMn2P2O7水和物との混合物であることが確認された。
また、この粉体の比表面積を比表面積計 BelsorpII(日本ベル社製)を用いて測定したところ、32.1m2/gであった。
比較例2の粉体のX線回折図形を図1に示す。
LiCoPO4の合成は以下のようにして行った。
Li源及びP源としてLi3PO4を、Co源としてCoSO4水溶液を用い、これらをモル比でLi:Co:P=3:1:1となるように混合して200mlの原料スラリーを作製した。
次いで、この原料スラリーにアンモニア水を、CoSO4のCoに対してアンモニア換算で5mol%となるように混合し、耐圧容器に入れた。その後、180℃にて12時間、水熱合成を行った。反応後、室温になるまで冷却し、ケーキ状態の反応生成物の沈殿物を得た。この沈殿物を蒸留水にて計5回十分に水洗し、乾燥しないように含水率30%に保持し、実施例3のケーキ状物質を得た。
この粉体をX線回折装置を用いて同定したところ、単相のLiCoPO4が生成していることが確認された。また、この粉体のX線回折図形における回折角2θが17°付近の(200)面のX線強度I(200)と29°付近の(020)面のX線強度I(020)との比I(020)/I(200)は3.76であった。
また、この粉体の比表面積を比表面積計 BelsorpII(日本ベル社製)を用いて測定したところ、15.3m2/gであった。
実施例3の粉体のX線回折図形を図2に示す。なお、図2の最下段に、JCPDSカードNo.85−0002に記載されているLiCoPO4の回折線の位置を示している。
LiCoPO4の合成は以下のようにして行った。
Li源及びP源としてLi3PO4を、Co源としてCoSO4水溶液を用い、これらをモル比でLi:Co:P=3:1:1となるように混合して200mlの原料スラリーを作製した。
次いで、この原料スラリーにアンモニア水を、CoSO4のCoに対してアンモニア換算で10mol%となるように混合し、耐圧容器に入れた。その後、180℃にて12時間、水熱合成を行った。反応後、室温になるまで冷却し、ケーキ状態の反応生成物の沈殿物を得た。この沈殿物を蒸留水にて計5回十分に水洗し、乾燥しないように含水率30%に保持し、実施例4のケーキ状物質を得た。
この粉体をX線回折装置を用いて同定したところ、単相のLiCoPO4が生成していることが確認された。また、この粉体のX線回折図形における回折角2θが17°付近の(200)面のX線強度I(200)と29°付近の(020)面のX線強度I(020)との比I(020)/I(200)は3.21であった。
また、この粉体の比表面積を比表面積計 BelsorpII(日本ベル社製)を用いて測定したところ、19.4m2/gであった。
LiCoPO4の合成は以下のようにして行った。
Li源及びP源としてLi3PO4を、Co源としてCoSO4水溶液を用い、これらをモル比でLi:Co:P=3:1:1となるように混合して200mlの原料スラリーを作製した。
次いで、この原料スラリーを耐圧容器に入れ、その後、180℃にて12時間、水熱合成を行った。反応後、室温になるまで冷却し、ケーキ状態の反応生成物の沈殿物を得た。この沈殿物を蒸留水にて計5回十分に水洗し、乾燥しないように含水率30%に保持し、比較例3のケーキ状物質を得た。
この粉体をX線回折装置を用いて同定したところ、単相のLiCoPO4が生成していることが確認された。また、この粉体のX線回折図形における回折角2θが17°付近の(200)面のX線強度I(200)と29°付近の(020)面のX線強度I(020)との比I(020)/I(200)は1.91であった。
また、この粉体の比表面積を比表面積計 BelsorpII(日本ベル社製)を用いて測定したところ、8.2m2/gであった。
比較例3の粉体のX線回折図形を図2に示す。
LiCoPO4の合成は以下のようにして行った。
Li源及びP源としてLi3PO4を、Co源としてCoSO4水溶液を用い、これらをモル比でLi:Co:P=3:1:1となるように混合して200mlの原料スラリーを作製した。
次いで、この原料スラリーにアンモニア水を、CoSO4のCoに対してアンモニア換算で15mol%となるように混合し、耐圧容器に入れた。その後、180℃にて12時間、水熱合成を行った。反応後、室温になるまで冷却し、ケーキ状態の反応生成物の沈殿物を得た。この沈殿物を蒸留水にて計5回十分に水洗し、乾燥しないように含水率30%に保持し、比較例4のケーキ状物質を得た。
この粉体をX線回折装置を用いて同定したところ、生成物はLi3PO4とCo2P2O7水和物との混合物であることが確認された。
また、この粉体の比表面積を比表面積計 BelsorpII(日本ベル社製)を用いて測定したところ、16.3m2/gであった。
比較例4の粉体のX線回折図形を図2に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜4各々にて得られた各粉体、導電助剤としてアセチレンブラック(AB)、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)、溶媒としてN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を用い、これらを混合し、実施例1〜4及び比較例1〜4各々の正極材料ペーストを作製した。なお、ペースト中の質量比、すなわち粉体:AB:PVdFは80:10:10であった。
次いで、これらの正極材料ペーストを厚み30μmのアルミニウム(Al)箔上に塗布し、乾燥した。その後、30MPaの圧力にて圧密し、正電極板とした。
一方、負電極には、市販のLi金属板を、セパレーターには多孔質ボリプロピレン膜を、非水電解質溶液には1mol/LのLiPF6溶液を、それぞれ用い、また、このLiPF6溶液の溶媒としては、炭酸エチレンと炭酸ジエチルとの体積比が1:1の混合溶液を用い、2032コイン型セルを用いて、実施例1〜4及び比較例1、3各々のリチウムイオン電池を作製した。
実施例1、2及び比較例1各々のリチウムイオン電池の電池特性試験を、環境温度25℃、充電電流0.1CAで、正電極の電位がLiの平衡電位に対して4.3Vになるまで充電し、続いてLiの平衡電位に対して4.3Vで充電電流0.01CAとなるまで充電した。1分間休止の後、0.1CAの放電電流で2.0Vになるまで放電させて行った。
実施例1、2及び比較例1各々の環境温度25℃における0.1C放電容量及び1C放電容量を表1に示す。また、図3に実施例1及び比較例1各々の0.1CAの充放電曲線を示す。
実施例3、4及び比較例3各々のリチウムイオン電池の電池特性試験を、環境温度25℃、充電電流0.1CAで、正電極の電位がLiの平衡電位に対して5.0Vになるまで充電し、続いてLiの平衡電位に対して5.0Vで充電電流0.01CAとなるまで充電した。1分間休止の後、0.1CAの放電電流で2.0Vになるまで放電させて行った。
実施例3、4及び比較例3各々の環境温度25℃における0.1C放電容量及び1C放電容量を表2に示す。また、図4に実施例3及び比較例3各々の0.1CAの充放電曲線を示す。
また、単相のLiMnPO4あるいはLiCoPO4の替わりに、これらにMn、Co、Niのいずれかをドープしたものについても、同様の結果が得られたことが確認された。
また、負電極に市販のLi金属板を用いたが、このLi金属板の替わりに天然黒鉛、人造黒鉛、コークス等の炭素材料、リチウム合金、Li4Ti5O12等の負極材料を用いてもよい。
また、電解液とセパレーターの替わりに固体電解質を用いてもよい。
Claims (5)
- 機械的な粉砕により微粒子化する方法によらずに得られたLiMPO4(但し、MはMn、Co、Niの群から選択される1種または2種以上)からなるリチウムイオン電池用正極活物質であって、
X線回折図形における回折角2θが17°付近の(200)面のX線強度I(200)と29°付近の(020)面のX線強度I(020)との比I(020)/I(200)は、3.00以上かつ5.00以下であり、
比表面積は15m2/g以上かつ50m2/g以下であることを特徴とするリチウムイオン電池用正極活物質。 - LiMPO 4 (但し、MはMn、Co、Niの群から選択される1種または2種以上)からなり、Li源、P源及びM源(但し、MはMn、Co、Niの群から選択される1種または2種以上)を水を主成分とする溶媒と混合して得られた原料スラリーに、アンモニア及びアミン類化合物の群から選択される1種または2種を、前記アンモニアまたは前記アミン類化合物のアンモニア基の前記M源に対するモル%が1モル%以上かつ12モル%以下となるように加えて混合物とし、次いで、前記混合物を前記原料スラリーの沸点以上の温度に加熱して得られるリチウムイオン電池用正極活物質であって、
X線回折図形における回折角2θが17°付近の(200)面のX線強度I(200)と29°付近の(020)面のX線強度I(020)との比I(020)/I(200)は、3.00以上かつ5.00以下であることを特徴とするリチウムイオン電池用正極活物質。 - LiMPO4(但し、MはMn、Co、Niの群から選択される1種または2種以上)からなり、X線回折図形における回折角2θが17°付近の(200)面のX線強度I(200)と29°付近の(020)面のX線強度I(020)との比I(020)/I(200)は、3.00以上かつ5.00以下であるリチウムイオン電池用正極活物質を水熱合成法にて製造する方法であって、
Li源、P源及びM源(但し、MはMn、Co、Niの群から選択される1種または2種以上)を水を主成分とする溶媒と混合して得られた原料スラリーに、アンモニア及びアミン類化合物の群から選択される1種または2種を、前記アンモニアまたは前記アミン類化合物のアンモニア基の前記M源に対するモル%が1モル%以上かつ12モル%以下となるように加えて混合物とし、次いで、前記混合物を前記原料スラリーの沸点以上の温度に加熱することを特徴とするリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。 - 請求項1または2記載のリチウムイオン電池用正極活物質を含有してなることを特徴とするリチウムイオン電池用電極。
- 請求項4記載のリチウムイオン電池用電極を備えてなることを特徴とするリチウムイオン電池。
Priority Applications (4)
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