JP5672771B2 - 半導体光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体光素子とその製造方法に関する。
近年の通信容量の急激な増加により、高機能で安価な通信用光源が求められている。そうした中で、半導体レーザと光変調器、半導体光増幅器、光合波器などをモノリシックに集積した光集積素子は、同一基板上に形成した半導体パッシブ導波路で個々の機能素子を接続できるため、高度な位置合わせが要求される光学部品の接続を減らすことができ、小型で低コストの通信用光源として有望である。このような光集積素子の導波路パターンは斜めや曲線からなるパターンを含んでいる。たとえば、図1(A)に示すように、半導体レーザ101から延びる光変調器103は、基板上で[011]方向から[0−11]方向に湾曲している。
斜めや曲線からなるパターンを埋め込む場合、通常の埋め込み成長技術では異常成長が生じ、図1(B)に示すように、導波路メサ103Mの上部への数μmの突起状の被り成長107が発生する。これは、導波路メサ103Mの延伸方向が[011]方向成分以外の[0−11]方向成分を有するため、導波路メサ103Mの上端部で(111)A面方向への埋め込み層106の成長が生じ、導波路メサ103Mの上部へ被るように成長するためである。被り成長107は、製造プロセスでの電極途切れやパターニング不良を引き起こす障害となり、素子の製造が極めて困難になる。
被り成長を抑制しつつ斜めや曲線成分を含む積層構造体(例えば導波路メサ)を埋め込む技術として、埋め込み層106の原料の他に塩素を添加して埋め込み成長を行う技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この技術は、横方向の成長が支配的な成長モードにすることで異常成長を抑制するものである。この技術を用いると、図1(C)のような埋め込み形状が得られる。
特開2005−223300号公報
しかしながら、本願の発明者は、メサ側壁から横方向への成長が支配的な成長モードとする手法を採用した場合、新たな課題が生じることを見出した。すなわち、図2(A)及び図2(B)に示すように、横方向への成長が支配的な成長モードでは、異常成長の原因となる(111)A面方向の成長は抑制できるが、ウェハ底面での(100)面方向の成長をも抑制してしまう。そのため、ウェハ110の底面に埋め込み層106が堆積されずに原料が表面を拡散し、ウェハ底面に存在する意図せずに形成された微妙な凹凸やステップを核として横方向への成長が開始する。その結果、ウェハ110の底面に島状の成長部(凹凸)109が形成され、バックグラウンドのモホロジィが悪くなる。
このようなバックグラウンド荒れは、結晶欠陥やゴミに起因する成長不良の荒れと区別がつきにくい。製造途中でウェハの品質を簡便にチェックする外観検査では、結晶欠陥やゴミ起因による成長不良と、単なるバックグラウンド荒れとを区別して検査できない。そのため、成長不良の有無を別途精密な検査で調べる必要があり、製造コストが増大する。
そこで、本発明は、斜めや曲線など、[011]方向成分以外の方向成分を含んで延設された積層構造体を有する半導体光素子において、埋め込み層の被り成長を抑制しつつ、ウェハ底面のバックグラウンド荒れを抑制する構成及び手法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の側面では、半導体光素子を提供する。半導体光素子は、
(100)面を主面とする半導体基板上で[011]方向成分以外の方向成分を含んで延設されたメサ状の積層構造体と、
前記積層構造体の両側の前記半導体基板上に配置される複数の突起と、
前記前記積層構造体の両側面及び前記複数の突起の間を埋め込む埋め込み層と、
を有し、前記埋め込み層は、前記積層構造体の両側面に位置する第1埋込部と、前記突起と突起の間を埋め込む第2埋込部とを含み、前記第1埋込層の断面積(又は堆積量)と、前記第2埋込部の断面積(又は堆積量)は等しい。
第2の側面では、半導体光素子の製造方法を提供する。半導体光素子の製造方法は、
(A) (100)面を主面とする半導体基板上に、光素子を形成するための複数の層を成膜し、
(B) 前記複数の層が成膜された基板を加工して、[011]方向成分以外の方向成分を含むメサ状の積層構造体と、前記積層構造体の両側に位置し前記積層構造体と異なる高さを有する複数の突起を、同時に形成し、
(C) 前記積層構造体と前記複数の突起を、(100)面方向の成長速度よりも横方向の成長速度が速い成長モードで埋め込む
工程を含む。
光半導体素子が、斜めや曲線など、[011]方向成分以外の方向成分を含んで延設された積層構造体を有する場合でも、積層構造体を埋め込む埋め込み層の被り成長を抑制しつつ、ウェハ底面の島状の凹凸の発生を抑えることができる。これにより、簡便な外観検査で、結晶欠陥やゴミ起因によるウェハの成長不良を判断して適切なウェハの選別が可能となる。従来と同等の製造コストで複雑なパターンを含む光集積素子の検査、製造が可能となる。
本発明の背景技術を説明するための概略図である。 本発明が解決しようとする課題を説明するための図である。 一実施形態による半導体光素子の概略断面図である。 実施例1の半導体光集積素子の製造工程図である。 実施例1の半導体光集積素子の製造工程図である。 実施例1の半導体光集積素子の製造工程図である。 実施例1の半導体光集積素子の製造工程図である。 実施例1の半導体光集積素子の製造工程図である。 実施例1の半導体光集積素子の製造工程図である。 実施例2の半導体光集積素子の製造工程図であり、図6に引き続く工程を示す図である。 実施例2の半導体光集積素子の製造工程図である。 実施例2の半導体光集積素子の製造工程図である。 実施例2の半導体光集積素子の製造工程図である。 実施例2の半導体光集積素子の製造工程図である。
図3(A)は、本発明の実施形態による半導体光素子1の構成を、[011]方向から見たときの概略断面図で表わした図である。半導体光素子1は、(100)面を主面とする半導体基板11上で、[0−11]方向の成分を含む方向に延設された積層構造体13を有する。積層構造体13は、たとえばメサ形状の導波路であり、図3の説明においてはこれを「導波路メサ13」と称する。半導体光素子1はまた、半導体基板11上の導波路メサ13の両側に配置される複数の突起12を有する。突起12は、後述するように帯状(ストライプ状)の突起であっても、チェッカーボード状に配置された島状の突起であってもよい。
導波路メサ13は、埋め込み層20により埋め込まれている。埋め込み層20は、導波路メサ13の両側の側面に位置する第1埋込部15と、突起12の間を埋め込む第2埋込部16とを含む。第1埋込部15は、導波路メサ13の上面にほぼ揃う平坦な埋込面15aと、埋込面15aから膜厚が減少する方向に傾斜する傾斜面15bとを有する。第2埋込部は第1埋込部15の傾斜面15bから連続する平坦な底面16aを有する。
埋め込み層20は、原料ガスに有機塩素系の原料を添加して形成されているため、横方向への成長が支配的なモードで成長している。これを考慮して、導波路メサ13の両側に配置される突起12の間隔と高さは、図3(B)を参照して、次の関係を満たすように設定されている。すなわち、(突起12の高さh2)と(突起12の間隔d)の積は、(導波路メサ13の高さh1)と(導波路メサ13の両側面を覆う平坦な埋込面15aの幅Waの和W=Wa+Wa)の積とほぼ等しくなるように設定されている。換言すると、両側の第1埋込部15の断面積(又は堆積量)の和と、第2埋込部の断面積(又は堆積量)がほぼ等しくなる関係にある。
導波路メサ13の両側の基板面上に、導波路メサ13と高さの異なる突起12を複数形成しておくことにより、埋め込み層20の第1埋込部15の傾斜面15bから連続する第2埋込部15を、凹凸のない平坦な面16aとすることができる。これは、横方向への成長が支配的な成長モードにおいては、原料が基板上の意図しない微細な凹凸でアトランダムに成長してバックグラウンド荒れの原因となっていたところ、本実施形態では、ウェハ底面に所定の高さ、間隔であらかじめ形成した突起12の側面に原料を成長させることによって、好ましくない島状の成長を抑制することができるからである。特に、突起12の高さh2と配置間隔dを、
h2×d≒(導波路メサ13の高さh1)×(メサ両側壁の平坦な埋込面15aの幅W=Wa+Wa)
となるように設定することで、導波路メサ13の両側の側面に位置する第1埋込部15の堆積量と、突起12間の第2埋込部16の堆積量がほぼ等しくなるため、突起12間に平坦な底面16aを得ることができる。
図4〜図9は、実施例1による光集積素子の作製工程を示す図である。このうち、図4〜図6は、基板を[01−1]方向から見たときの概略断面図、図7〜図9が、基板を[011]方向から見たときの概略断面図である。実施例1では、半導体光集積素子の第1機能素子としてレーザ素子を、第2機能素子として変調器素子を集積した変調器集積型レーザを作製する。
まず、図4に示すように、MOVPE法により(100)面を主面とするn型InP基板21上に、DFBレーザを形成するための積層を形成する。n型InP基板21上に、厚さ0.3μmのn−InPクラッド層22、厚さ0.1μmのInGaAsP回折格子層、および厚さ0.01μmのn−InPキャップ層(不図示)を形成する。n−InPキャップ層上に図示しないレジストを塗布し、EB露光、現像、エッチングにより、ピッチが200nmの回折格子23Dをレーザ領域Lに形成する。回折格子23Dの熱変形がない温度範囲において、回折格子23Dをn−InPにより埋め込み、厚さ0.1μmのスペーサ層25を形成する。続いて、全面に厚さ0.2μmのi型AlGaInAs量子井戸活性層27、及び厚さ0.1μmのp−InPクラッド層28を積層する。この状態まで積層したならば、p−InPクラッド層28上のレーザ領域Lに[110]方向に延伸する幅20μm、長さ300μmのSiOマスクパターン29を形成する。
次に、図5に示すように、エッチングによりSiO2マスク29に覆われていない領域Mのp−InPクラッド層28と、i型AlGaInAs量子井戸活性層27を除去する。これにより、変調器領域Mに段差が形成される。
次に、図6に示すように、MOCVD法により、厚さ0.2μmのi型AlGaInAs電界吸収層31をバッドジョイント技術によりエピタキシャル成長し、さらに厚さ0.1μmのp−InPクラッド層32を形成する。i型AlGaInAs電界吸収層31の組成は、i型AlGaInAs量子井戸活性層27の組成とは異なっており、それぞれの素子の機能を果たすために最適な組成が選択されている。i型AlGaInAs量子井戸活性層27とi型AlGaInAs電界吸収層31とがバットジョイント接合されたエピ基板に対して、レーザ領域Lの上部のSiOマスク29を除去し、再びMOCVD法により、厚さ1.5μmのp−InPクラッド層33、p−InGaAsコンタクト層34を順次形成する。これにより、図6に示す積層構造が出来上がる。図示の便宜上、InGaAsP回折格子層23、スペーサ層25、及びi型AlGaInAsバッドジョイント層27/31の積層部分をコア層35と称する。
次に、図7(A)及び図7(B)に示すように、レーザ領域Lおよび変調器領域Mを含む基板の上面に、パターニングにより、導波路ストライプマスクパターン41と、その両側に平行に延びる突起用マスクパターン42を、たとえばシリコン酸化膜(SiO2)で形成する。ここで、図7(A)は図6の工程で積層されたエピ基板の上面図、図7(B)は図7(A)のB−B’断面図である。図7(A)からわかるように、延設されるSiO2マスクパターンは[0−11]方向成分(あるいは[01−1]方向成分)を含む。導波路ストライプマスクパターン41の幅w1は2.75μmとする。突起用マスクパターン42の幅w2は0.25μm、その間隔dは60μmとする。
次に、図8に示すように、ドライエッチングにより、例えば高さ3μmとなる導波路ストライプメサ50を形成する。このドライエッチング工程で、SiO導波路ストライプマスクパターン42の幅は0.75μm後退して、2μm(幅w3)となる。導波路ストライプマスクパターン42の両側に形成されていた突起用マスクパターン42は、その幅w2を0.25μmと設定したことによって、ドライエッチング工程でマスク41、42に覆われていない領域が深さ1μmまでエッチングされたときに、消失する。突起用マスク42が消失した後は、エピ基板が均等なレートでエッチングされることとなる。したがって、導波路ストライプメサ50が3μmの高さになるようにエッチングが完了した時点で、基板21の底面に突起用マスクパターン42が転写されて、高さ1μmの帯状の突起52が形成される。
このように、突起用マスクパターン42の幅w2を、導波路ストライプマスクパターン41の幅方向の後退量(図8の例では0.75μm)よりも小さい値に設定することで、導波路ストライプメサ50の形成と同時に、導波路ストライプメサ50の両側に突起52を一括形成することができる。従来と同じメサ形成工程で、基板21に突起52を同時に形成することができるので、プロセス効率の点で有利である。この方法では、導波路ストライプメサ50と別工程で突起52を形成する必要がないので、導波路メサの活性層が表面に露出した状態でのパターニングが不要となる。したがって、突起形成プロセスでの活性層へのダメージや汚染の影響を回避することができる点でも有利である。
次に、図9に示すように、Feなどの深い不純物準位を形成する元素がドープされた半絶縁性InP膜を堆積して、高抵抗埋め込み構造(SI−BH構造)の埋め込み層60を形成する。埋め込み層60は、導波路ストライプメサ50の側面を覆う第1埋込部55と、第1埋込部55に連続して突起52の間を埋める第2埋込部56を含む。第1埋込部55は、導波路ストライプメサ50の上面とほぼ揃う平坦な埋込面55aと、導波路ストライプメサ50から離れるにつれて膜厚が減少する傾斜面55bとを有する。第2埋込部56の表面は平坦面56aとなっている。
このような埋め込み層60の形状は、たとえば、(411)B面の成長速度を急激に速めることで(111)A面の成長速度を著しく抑制する成長条件を設定することで、実現可能である。具体的には、たとえば、塩素系原料を埋め込み材料と一緒に添加する、酸素を埋め込み材料と一緒に添加する、あるいは低温・高圧の埋め込み成長条件とする、などである。実施例1では、埋め込み層60の原料の他に有機塩素系材料であるジクロロエチレンを添加する。
半絶縁性InP膜(埋め込み層)60の成長量は、第1埋込部55の平坦な埋め込み面(導波路ストライプメサ50の上面とほぼ揃う面)55aの幅Waが、片側10μmとなる量とする。ここで、導波路ストライプメサ50の両側に形成された突起52の高さh2と間隔dの関係は、図3(B)と関連して説明したように、h2×dが、(導波路ストライプメサ50の高さh1)×(メサ側壁の平坦な埋込面55aの両側の幅W=Wa+Wa)とほぼ等しくなる関係とする。これにより、第1埋込部55の堆積量と、第2埋込部56の堆積量が等しくなり、図9に示す平坦な底面56aが得られる。
次いで、図示はしないが、p型InGaAsコンタクト層34(図6参照)のうち、導波箇所を除く領域上に、SiOのような絶縁膜を厚さ0.6μm程度形成し、導波路箇所のレーザ領域Lにp型電極、基板裏面にn型電極を形成する。一方、変調器領域Mの導波路上にはp型電極を形成することにより、実施例1の光集積素子が完成する。この半導体光集積素子は、埋め込み層の被り成長が抑制され、かつウェハ底面の島状凹凸が低減された半導体光素子である。
次に、図10〜図14を参照して、実施例2の半導体光集積素子の構成および製造方法を説明する。実施例2では、実施例1の帯状の突起52に代えて、チェッカーボード状に配置された島状の突起72を形成する。なお、実施例2においても図6の積層構造を形成する工程までは実施例1と同じ工程であるため、その説明を省略し、以降の工程についてのみ述べることとする。
図10(A)及び図10(B)に示すように、図6までの工程で作製したエピ基板の上部に、例えばSiOで所定のマスクパターンを形成する。図10(A)はエピ基板の上面図、図10(B)は図10(A)のC−C’断面図である。このマスクパターンは、帯状マスク61と、チェッカーボード状マスク62とを含む。帯状マスク61は、後述するように斜め又は湾曲した導波路ストライプメサを形成する土台領域を形成するためのマスクパターンである。帯状マスク61の幅w1は100μmとする。チェッカーボード状マスク62の幅w2を5μm、間隔を120μmとする。
次に、図11(A)及びそのD−D’断面図である図11(B)に示すように、マスク61、62で覆われていない領域を0.5μmの深さとなるようにエッチングし、マスク61、62を除去する。これにより、帯状の突起領域64と、チェッカーボード状の転写用突起65がエピ基板に形成される。
次に、図12(A)及びそのE−E’断面図である図12(B)に示すように、帯状の突起領域64上に、パターニングにより導波路ストライプのためのマスクパターン66を形成する。マスクパターン66は、その延設される方向に[0−11]方向成分を含む。
次に、図13に示すように、マスクパターン66を用いてドライエッチングにより、例えば高さ3μmとなる導波路ストライプメサ70を形成する。このドライエッチング工程で、エピ基板表面の突起領域64と転写用突起65がそのまま底面の形状に転写されるため、基板21の底面に0.5μmの突起72が形成される。実施例2においても、エピ基板の表面にあらかじめ帯状突起領域64と転写用突起65を形成した後に導波路メサストライプメサ70を形成し、底面に突起を転写する。導波路ストライプメサを形成した後に突起を形成する方法と異なり、導波路ストライプメサ70の活性層又はコア層35が表面に露出した状態でのパターニングが不要となるため、導波路ストライプメサ70の両側に突起72を形成するパターニング工程での活性層(コア層35)へのダメージや汚染の影響を回避できる。
次に、図14に示すように、Feなどの深い不純物準位を形成する元素をドープされた半絶縁性InP膜を堆積することにより、高抵抗埋め込み構造(SI−BH構造)の埋め込み膜80を形成する。埋め込み層80は、導波路ストライプメサ70の側面を覆う第1埋込部75と、第1埋込部75に連続して突起72の間を埋める第2埋込部76を含む。第1埋込部75は、導波路ストライプメサ70の上面とほぼ揃う平坦な埋込面75aと、導波路ストライプメサ70から離れるにつれて膜厚が減少する傾斜面75bとを有する。第2埋込部76の表面は平坦面76aとなっている。
このような埋め込み層80の形状は、例えば(411)Bの成長速度を急激に速めることで(111)A面の成長速度が著しく低下する成長条件(例えば、塩素系原料を埋め込み材料と一緒に添加する、酸素を埋め込み材料と一緒に添加する、あるいは低温・高圧の埋め込み成長条件とする等)を用いることで、導波路ストライプメサ70に沿って、導波路ストライプメサ70の上面に揃う平坦な埋め込み面76aから両側に末広がりに広がる平坦な埋め込み層80が実現する。
実施例2では、半絶縁性InP膜の成長量を、導波路ストライプメサ70の側面に位置する第1埋込部75の上面の平坦な埋め込み面75aの幅が片側10μmとなる量で形成する。導波路ストライプメサ70の両側の全面に形成された突起72の高さh2と間隔dの関係は、図3(B)を参照して説明したのと同様に、
h2×d≒(導波路ストライプメサ70の高さh1)×(第1埋込部上面の平坦面75aの両側の幅W=Wa+Wa)
を満たす関係となる。これにより、導波路ストライプメサ70の側面に位置する第1埋込部75の堆積量と、突起72と突起72の間の第2埋込部76の堆積量とがほぼ等しくなるため、図14に示すような平坦面76aが得られる。
次いで、図示はしないが、p型InGaAs電極コンタクト層34(図6参照)のうち、導波路箇所を除く領域上に、マスクとしてSiO等の絶縁膜を厚さ0.6μm程度形成し、導波路箇所のレーザ領域Lにはp型電極、基板裏面にはn型電極を形成し、導波路箇所の変調器領域Mにp型電極を形成することによって、実施例2の光集積素子が得られる。
以上、特定の実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでなく、種々の変更が可能である。光集積素子として、半導体レーザと変調器を集積した素子を例にとって説明したが、この例に限定されるものではなく、単体の半導体レーザ、光変調器、半導体光増幅器、光合波器でもよい。また、集積する光機能素子の種類も2つに限られるものではなく、3つ以上を集積した光集積素子に用いてもよい。量子井戸層としてAlGaInAsを用いた構造について説明しているが、InGaAsP,AlGaInP,InGaAs,InGaAsSbなどの混晶半導体を用いても良い。半絶縁体の埋め込み層としてFeドープInPを例に挙げているが、例えばRuドープInPあるいはTiドープInPなどの半絶縁性半導体を使うことも可能である。また、埋め込み層の原料の他に添加する有機塩素系原料として、ジクロロエチレンを挙げているが、塩化エチル、塩化メチル、ジクロロエタン、ジクロロプロパンなどを用いても同様の効果を得ることができる。また、酸素を添加してもよい。
以上の説明に対し、以下の付記を提示する。
(付記1)
(100)面を主面とする半導体基板上で[011]方向成分以外の方向成分を含んで延設されたメサ状の積層構造体と、
前記積層構造体の両側の前記半導体基板上に配置され、前記積層構造体と異なる高さを有する複数の突起と、
前記前記積層構造体の両側面及び前記複数の突起と突起の間を埋める埋め込み層と、
を有し、前記埋め込み層は、前記積層構造体の両側面に位置する第1埋込部と、前記突起と突起の間を埋め込む第2埋込部とを含み、前記第1埋込層の断面積又は堆積量と、前記第2埋込部の断面積又は堆積量は等しいことを特徴とする半導体光素子。
(付記2)
前記複数の突起は、所定の間隔で前記積層構造体と平行に延設されていることを特徴とする付記1に記載の半導体光集積素子。
(付記3)
前記複数の突起は、前記積層構造体の両側で、所定の間隔のチェッカーボーパターンに配置されていることを特徴とする付記1に記載の半導体光素子。
(付記4)
前記第1埋込部は、前記積層構造体の上面にほぼ揃う平坦な埋め込み面と、前記積層構造体から離れるにつれて膜厚が減少する傾斜面とを有し、前記第2埋込部は、前記傾斜面から連続して前記突起と突起の間に広がる平坦面を有することを特徴とする付記2又は3に記載の半導体光素子。
(付記5)
前記突起は、前記突起の高さをh2、前記突起の間隔をd、前記積層構造体の高さをh1、前記第1埋込部の平坦な埋め込み面の両片側の和をWとしたときに、h2×dが、h1×Wとほぼ等しくなるように構成されることを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の半導体光素子。
(付記6)
前記積層構造体は、前記[011]方向成分の他に[0−11]又は[01−1]方向成分を含んで延設される導波路ストライプメサであることを特徴とする付記1〜5のいずれかに記載に半導体光素子。
(付記7)
(100)面を主面とする半導体基板上に光素子を形成するための複数の層を成膜し、
前記複数の層が成膜された基板を加工して、[011]方向成分以外の方向成分を含むメサ状の積層構造体と、前記積層構造体の両側に位置し前記積層構造体と異なる高さを有する複数の突起を、同時に形成し、
前記積層構造体と前記複数の突起を、(100)面方向の成長速度よりも横方向の成長速度が速い成長モードで埋め込む
工程を含むことを特徴とする半導体光素子の製造方法。
(付記8)
前記成膜された基板上に、第1の幅を有する帯状のマスクパターンと、前記帯状のマスクパターンの両側に配置され前記第1の幅よりも狭い第2の幅を有する突起用マスクパターンとを形成する工程をさらに含むことを特徴とする付記7に記載の半導体光素子の製造方法。
(付記9)
前記突起用マスクパターンの第2の幅を、前記加工により帯状のマスクパターンの第1の幅が幅方向に減少する量よりも小さい値に設定し、
前記基板の一度の加工により、前記積層構造体と前記複数の突起を同時に形成することを特徴とする付記8に記載の半導体光素子の製造方法。
(付記10)
前記帯状のマスクパターン及び前記突起用マスクパターンを介して前記基板を加工して浅い段差を形成した後に、前記帯状のマスクパターンと前記突起用のマスクパターンを除去し、
前記帯状のマスクパターンを除去した領域に、前記積層構造体用のマスクパターンを形成する
工程をさらに含み、前記積層構造体用のマスクパターンを介して前記基板をさらに加工することによって、前記積層構造体と前記複数の突起を同時に形成することを特徴とする付記8に記載の半導体光素子の製造方法。
(付記11)
前記突起用マスクパターンは、前記帯状のマスクパターンの両側に所定の間隔で前記帯状マスクパターンと平行に延びるように形成されることを特徴とする付記8又は9に記載の半導体光素子の製造方法。
(付記12)
前記突起用マスクパターンは、前記帯状のマスクパターンの両側に所定の間隔でチェッカーボード状に形成されることを特徴とする付記8又は10に記載の半導体光素子の製造方法。
(付記13)
前記帯状のマスクパターン及び前記突起用マスクパターンは、シリコン酸化膜で形成されることを特徴とする付記8〜12のいずれかに記載の半導体光素子の製造方法。
半導体光素子の構成及び製造プロセスに適用することができる。
1 半導体光素子
11、21 半導体基板
12、52、72 突起
13 積層体構造
15、55、75 第1埋込部
15a、55a、75a 平坦な埋め込み面
15b、55b、75b 傾斜面
16、56、76 第2埋込部
16a、56a、76a 平坦面
20、60.80 埋め込み層
41、66 導波路ストライプマスクパターン
42 突起用マスクパターン
50、70 導波路ストライプメサ
61 帯状マスク
62 チェッカーボード状マスク
64 帯状の突起領域
65 転写用突起

Claims (6)

  1. (100)面を主面とする半導体基板上で[011]方向成分以外の方向成分を含んで延設されたメサ状の積層構造体と、
    前記積層構造体の両側の前記半導体基板上に配置され、前記積層構造体よりも低い高さを有する複数の突起と、
    前記積層構造体の両側面及び前記複数の突起と突起の間を埋める埋め込み層と、
    を有し、
    前記複数の突起は、所定の間隔で前記積層構造体と平行に配置され、
    前記埋め込み層は、前記積層構造体の各片側の側面に位置する第1埋込部と、前記突起と突起の間を埋め込む第2埋込部とを含み、
    前記第1埋込部は、前記積層構造体の上面にほぼ揃う平坦な埋め込み面と、前記積層構造体から離れるにつれて膜厚が減少する傾斜面とを有し、前記第2埋込部は、前記傾斜面から連続して前記突起と突起の間に位置し前記突起の高さに対応する膜厚を有する平坦面を有し、
    前記第1埋込部の断面積又は堆積量と、前記第2埋込部の断面積又は堆積量は等しいことを特徴とする半導体光素子。
  2. 前記複数の突起は、前記積層構造体と平行に配置されるストライプまたはチェッカーボード状の突起であることを特徴とする請求項1に記載の半導体光素子。
  3. 前記突起は、前記突起の高さをh2、前記突起の間隔をd、前記積層構造体の高さをh1、前記第1埋込部の平坦な埋め込み面の両片側の幅の和をWとしたときに、h2×dが、h1×Wと等しくなるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体光素子。
  4. (100)面を主面とする半導体基板上に光素子を形成するための複数の層を成膜し、
    前記複数の層が成膜された基板上に、第1の幅を有する帯状のマスクパターンと、前記帯状のマスクパターンの両側に配置され前記第1の幅よりも狭い第2の幅を有する突起用マスクパターンとを形成し、
    前記帯状のマスクパターンと前記突起用マスクパターンを用いて前記複数の層が成膜された基板を加工して、[011]方向成分以外の方向成分を含むメサ状の積層構造体と、前記積層構造体の両側に位置し前記積層構造体よりも高さの低い複数の突起を、同時に形成し、
    前記積層構造体と前記複数の突起を、(100)面に対して垂直な方向の成長速度よりも水平方向の成長速度が速い成長モードで埋め込んで、前記積層構造体の上面にほぼ揃う平坦な埋め込み面から膜厚が減少する傾斜面を有する第1埋込部と、前記傾斜面から連続して前記突起と突起の間に位置し前記突起の高さに対応する膜厚を有する第2埋込部とを形成する、
    ことを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  5. 前記突起用マスクパターンの第2の幅を、前記加工により前記帯状のマスクパターンの第1の幅が幅方向に減少する量よりも小さい値に設定し、
    前記基板の一度の加工により、前記積層構造体と前記複数の突起を同時に形成することを特徴とする請求項4に記載の半導体光素子の製造方法。
  6. 前記帯状のマスクパターン及び前記突起用マスクパターンを介して前記基板を加工して浅い段差を形成した後に、前記帯状のマスクパターンと前記突起用のマスクパターンを除去し、
    前記帯状のマスクパターンを除去した領域に、前記積層構造体用のマスクパターンを形成する
    工程をさらに含み、前記積層構造体用のマスクパターンを介して前記基板をさらに加工することによって、前記積層構造体と前記複数の突起を同時に形成することを特徴とする請求項4に記載の半導体光素子の製造方法。
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