JP5670932B2 - 防護柵の施工方法 - Google Patents

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Description

この発明は、山間地の道路等の山側斜面に構築し、土砂崩れ、落石、積雪等を受け止めて道路等への落下、流入を阻止する防護柵施工方法に関する。
従来から、山腹の斜面部等に構築され、土砂崩れ等を受け止めて道路等への落下、流入を防止する防護柵が知られている。この種の防護柵として、例えば、特許文献1に開示されているように、複数の短い管を内外に重ねて成る支柱を地面に立設し、複数の支柱の間にネットを張設した防護体がある。支柱は、ケーシングとして全体が地中に埋設される下部管と、下部管の内側に下部が挿入される外側管と、外側管の内側に挿入され下部管の上端の上下に渡って配置される内側管とで構成され、上記三つの管の内側に充填材が充填され、一体化している。ネットは、端部が外側管の地表に突出する部分に取り付けられて張設されている。
特開2010−37765号公報
防護柵が斜面を流れ落ちる土砂等を受け止めたとき、最も衝撃を受けやすいのは、ネットの地表面に近い下側領域であり、その下側領域を取り付けた支柱の基端部分である。特許文献1の防護体の場合、三つの管で成る支柱は、下部管の全体が地中に埋設されているので、ネットの下側領域を取り付けた支柱の基端部分が外側管及び内側管の二重構造になっている。従って、この構造で土砂等に対する強度を一定以上にすることは難しく、耐衝撃性のさらなる向上が大きな課題となっていた。
また、この防護体を施工する場合、独立した三つの管を足場の悪い施工現場で組み立ててなくてはならず、施工時の作業性、安全性の向上が求められていた。
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、土砂等に対する耐衝撃性が高く、施工時の作業性、安全性に優れた防護柵施工方法を提供することを目的とする。
この発明は、山間地の山側斜面の施工現場に複数の支柱を立設し、前記複数の前記支柱に亘ってネットを張設する防護柵の施工方法であって、
中間管の内側に内側管を挿入し、前記内側管を前記中間管の内周壁面と隙間を空けて保持して成る二重管を形成する二重管形成工程と、前記二重管と外側管とを前記施工現場に搬入する搬入工程と、前記外側管の下端部を前記施工現場の地中に埋設する外側管埋設工程と、前記二重管の下端部を、前記埋設された前記外側管の内側であって地表よりも深い位置まで挿入し、前記二重管を前記外側管の内周壁面と隙間を空けて保持する二重管挿入工程と、前記外側管、前記中間管及び前記内側管の内側に充填剤を充填して硬化させ、これらが一体化して成る前記支柱を形成する支柱一体化工程と、前記ネットの上側部分を、前記中間管の前記外側管から上方に突出する部分に取り付け、前記ネットの下側部分を前記外側管の地表面から突出する部分に取り付けて、前記ネットを張設するネット張設工程とを備える防護柵の施工方法である。
内外に対向する前記中間管の内周壁面と前記内側管の外周壁面は、あらかじめ、少なくとも一方の壁面に複数のガイド用突起が設けられ、当該ガイド用突起により前記隙間が確保されている。また、内外に対向する前記外側管の内周壁面と前記中間管の外周壁面は、あらかじめ、少なくとも一方の壁面に複数のガイド用突起が設けられ、当該ガイド用突起により前記隙間が確保されている。
前記中間管及び前記内側管は、あらかじめ、各周壁に前記充填剤が通過可能な複数の通し孔が形成されている。また、前記内側管には、あらかじめ、前記内側管の長さ方向の補強用棒部材が複数固定され、前記複数の補強用棒部材は、前記内周壁面の周方向に等間隔に配置されている。
この発明の防護柵施工方法によれば、土砂等を受け止めたときに最も衝撃を受けやすい支柱の基端部分が三重構造になり、ケーシングの働きをする外側管も支柱の強度向上に寄与するので、支柱全体としての耐衝撃性を容易かつ確実に向上させることができる。さらに、中間管及び内側管とで成る二重管の組み立てを工場等で行うことにより、足場の悪い施工現場において重機を用いて行う煩雑な作業の一部が省略され、施工時の作業性、安全性が向上する。
この発明の防護柵の一実施形態を示す正面図(a)、右側面図(b)である。 この実施形態の防護柵の支柱の構造を説明する右側面図(a)、外側管の右側面図(b)、中間管の右側面図(c)、内側管の右側面図(d)である。 図2(b)の外側管のA部拡大図(a)、A1−A1断面図(b)である。 図2(c)の中間管のB部拡大図(a)、B1−B1断面図(b)である。 図2(c)の中間管のC部拡大図(a)、C1−C1断面図(b)である。 図2(c)の中間管のD部拡大図(a)、D1−D1断面図(b)である。 図2(d)の内側管のE部拡大図(a)、E1−E1断面図(c)、F部拡大図(c)である。 この発明の防護柵の施工方法の一実施形態を示すフローチャートである。 この実施形態の施工方法の二重管形成工程で形成された二重管の構造を説明する右側面図(a)、H部拡大図(b)、I部拡大図(c)、J部拡大部分断面図(d)である。 図9(a)のH1−H1断面図である。 この実施形態の施工方法の外側管埋設工程を説明する模式図(a)、二重管埋設工程を説明する模式図(b)、支柱一体化工程を説明する模式図(c)である。 図11(c)のK1−K1断面図(a)、K2−K2断面図(b)である。
以下、この発明の防護柵とその施工方法の一実施形態について、図面に基づいて説明する。この実施形態の防護柵10は、傾斜地である山間地の道路や線路等の山側の斜面下に設けられるもので、土砂崩れ等を防止するために危険箇所に沿って設置される。防護柵10は、図1に示すように、山側の斜面12下側のやや平らな地面14に立設された4本の支柱16を備えている。4本の支柱16は、略均等な間隔を空けて立設され、それぞれの上端側の約1/2が地表面14aから突出し、下端側の約1/2が地面14の中に埋まっている。そして、4本の支柱16の地表面14aから突出している部分に、主ネット18とサイドネット20とで成るネット22が張設されている。
支柱16は、図2に示すように、外側管24、中間管26及び内側管28で構成され、これらは、いずれも長さが支柱16の全長よりも短く両端が開口した円筒状の管であり、例えば高強度の鋼管などが適している。
外側管24は、地面14に施工されると、下端側の約4/5が地中に埋設され、上端側の約1/5が地表面14aから突出する。ちょうど地表面14aの位置にくる部分をP点とすると、図2(b)に示すように、外側管24の外周壁面のP点よりやや上方の位置に、ネット取付用部材30が設けられている。ネット取付用部材30は、図3に示すように、外側管24の外周壁面に固定された基板30aと、基板30aから外向きに突出する長ネジ30bと、長ネジ30bに螺合するナット30cとで構成されている。
外側管24の外形寸法は、ここでは、例えば長さが約4m、周壁の外径が約215mm、板厚が約8mmである。
中間管26は、外側管24よりも細く、地面14に施工されると、下端部26aが外側管24の内側の地表面14aより深い位置にあり、上端側の約2/3が地表面14aから突出する。ちょうど地表面14aの位置にくる部分をP点とすると、図2(c)に示すように、中間管26の外周壁面のP点より上方の位置であって、外側管24の上端に対応する位置に、ストッパ用突起32が設けられている。ストッパ用突起32は、図4に示すように、外周壁面から外向きに突出し、周方向に略等間隔の4箇所に配置されている。ストッパ用突起32の先端を結ぶ円周の径は、外側管24の外径よりも大きい。
中間管26の上端部26bの外周壁面には、図2(c)に示すように、ネット取付用部材34が設けられている。このネット取付用部材34は、上記のネット取付用部材30とほぼ同様のものであり、図5に示すように、中間管26の外周壁面に固定された基板34aと、基板34aから外向きに突出する長ネジ34bと、長ネジ34bに螺合するナット34cとで構成されている。上端部26bの内周壁面には、図5に示すように、ガイド用突起36が設けられている。ガイド用突起36は、中間管26の内周壁面に内向きに突出し、周方向に等間隔な4箇所に配置されている。4つのガイド用突起34の先端を結ぶ円周の径は、内側管28の内径よりも僅かに小さい。
中間管26の下端部26aの内周壁面には、図6に示すように、下方にいくほど先端が突出するテーパ状のガイド用突起38が設けられている。ガイド用突起38は、内周壁面から内向きに突出し、周方向に等間隔な4箇所であって、図6(b)に示すように、ガイド用突起36と周方向に同じ位置に設けられている。4つのガイド用突起38の先端を結ぶ円周の径は、内側管28の外径よりも僅かに小さい。
中間管26のストッパ用突起32から下端部26aまでの周壁には、図2(c)に示すように、後述する充填材40が通過可能な通し孔42が形成されている。通し孔42は、中間管26の長さ方向にほぼ等間隔に、周方向にほぼ等間隔に分散して配置されている。
中間管26の外形寸法は、ここでは、例えば長さが約5m、周壁の外径が約190mm、板厚が約6mmである。
内側管28は、中間管26よりも細く、地面14に施工されると、下端部28aが中間管26の内側の地表面14aより深い位置にあり、上端側の約2/3が地表面14aから突出し、上下端部28a,28bを含む全体が中間管26の内側に収まっている。内側管28の上端部28bの外周壁面には、図2(d),図7に示すように、ガイド用突起44が設けられている。ガイド用突起44は、外周壁面から外向きに突設し、周方向に等間隔な4箇所に配置されている。ガイド用突起44の先端を結ぶ円周の径は、中間管26の内径よりも僅かに小さい。
内側管28の下端部28aの外周壁面には、ガイド用突起44と同様の形状のガイド用突起46が設けられている。ガイド用突起46は、外周壁面から外向きに突設し、周方向に等間隔な4箇所に配置されている。ガイド用突起44の先端を結ぶ円周の径は、中間管26の内径よりも僅かに小さい。また、ガイド用突起46は、ガイド用突起44と周方向に同じ位置に設けられている。
内側管28の上端部28bから下端部28aまでの周壁には、図2(d)に示すように、後述する充填材40が通過可能な通し孔48が形成されている。通し孔48は、内側管28の長さ方向にほぼ等間隔に、周方向にほぼ等間隔に分散して配置されている。
内側管28の内側には、内側管28の長さ方向の補強用棒部材50が複数設けられている。補強用棒部材50は、内側管28の板厚よりも太い鉄筋等であり、長さが内側管28よりも僅かに短い。ここでは、複数の補強用棒部材50が周方向に等間隔に配置され、内側管28の内周壁面に溶接などの方法で固定されている。
内側管28の外形寸法は、ここでは、例えば長さが約5m、周壁の外径が約165mm、板厚が約10mmである。補強用棒部材50は、例えば長さが約5m、直径が約20mmである。
なお、中間管26のストッパ用突起32及びガイド用突起36,38、及び内側管28のガイド用突起44,46は、所定形状の金具を各管の周壁に溶着して設ける方法が好適である。その他、各周壁に一体成形する等の方法で設けても構わない。場合によっては、ガイド用突起を省略してもよい。
支柱16は、上記の外側管24、中間管26及び内側管28を図2(a)のように組み合わせて構成され、さらに、各管24,26,28の内側に、図示しない充填剤40が充填され一体化している。支柱16の上端(中間管26と内側管26の上端)は、図示しない防塵、防水用のキャップで塞がれている。
支柱16の外形寸法は、ここでは、例えば全長が約6.3mであり、地面に埋設されている部分が約3m、地表面14aから突出している部分が約3.3mである。また、図1に示す4本の支柱16が立設されている間隔は、約4mである。
ネット22を構成する主ネット18、サイドネット20は、例えば、紫外線等に対する耐候性を有したポリエチレン等の柔軟な化学繊維製の網ロープを略矩形の網目に編み込んで形成されたものが好適である。例えば、落石等を受けた際の衝撃吸収性を高めることを重視した網目の粗いネットと、小石が通過するのを阻止することを重視した網目の細かいネットとを重ねた二重ネットを使用してもよい。
主ネット18の外形は略矩形であり、ここでは、縦寸法が、支柱16の地表面14aから突出している部分の長さと同様に約3.3mであり、横寸法が、隣り合う支柱16同士の間隔に合わせて約4mになっている。サイドネット20の外形も略矩形であり、縦寸法が、支柱16の地表面14aから突出している部分の長さと同様に約3.3mであり、横寸法が、支柱16の上側部16bから斜面12までを略水平に結ぶ間隔に合わせて約5mになっている。
主ネット18は、図1の状態で、下側部分18aの左右端部が、外側管24の地表面14aから突出する部分に取り付けられ、上側部分18bの左右端部が、中間管26の外側管24から突出する部分(ストッパ用突起32から上端部26bまでの部分)に取り付けられている。また、サイドネット20は、図1の状態で、下側部分20aの一端部が、外側管24の地表面14aから突出する部分に取り付けられ、上側部分20bの一端部が、中間管26の外側管24から突出する部分に取り付けられている。ネット22の取り付け構造については、施工方法を説明する中で詳しく説明する。
次に、防護柵10の施工方法の一実施形態について説明する。この実施形態の施工方法は、図8のフローチャートに示すように、二重管形成工程S11、搬入工程S12、外側管埋設工程S13、二重管挿入工程S14、支柱一体化工程S15、及びネット張設工程S16の6つ工程で構成されている。
まず、二重管形成工程S11で、中間管26の内側に内側管28を挿入し、図9に示すように、内側管28を中間管26の内周壁面と隙間を空けて保持して成る二重管52を形成する。この工程は、山間地等の施工現場ではなく、クレーン等の設備が整った工場で行なわれる。中間管26の内側に内側管28を挿入するときは、中間管26を固定しておき、内側管28の下端部28aを中間管26の上端部26bの開口から軸方向に挿し込む。このとき、内側管28のガイド用突起46が中間管26のガイド用突起36にぶつからないように、周方向の角度をずらしておく。内側管28の下端部28aが中間管26の内側に入ると、内側管28の周壁が、中間管26のガイド用突起36及び自己のガイド用突起36によってガイドされ、スムーズに奥に進んでいく。内側管28の上端部28bが中間管26の内側に収まり、互いのP点が一致したところで、下端部28aが中間管26のガイド用突起38の傾斜面に乗り上げて係止される。
図9に示す二重管52が形成された状態で、内側管28の外周壁面は、図10に示すように、中間管26のガイド用突起38、及び内側管28のガイド用突起44,46により、中間管26の内周壁面と隙間を空けて保持される。ガイド用突起を設けていない場合は、中間管26に内側管28を挿入した後、中間管26の外周壁面と内側管28の内周壁面との間にスペーサを差し込む等して隙間を確保すればよい。この段階で、中間管26及び内側管28が必ずしも強固に一体化している必要はなく、後述する搬入工程S12、二重管挿入工程S14を支障なく行える程度に係止又は仮固定されていればよい。
次に、搬入工程S12で、二重管52、外側管24、ネット22、およびその他の部材を輸送トラックに載せ、山間地等の施工現場に搬入する。支柱16の完成体は全長が約6.3mだが、二重管52と外側管24とに分離した状態では、約4m又は約5mと短く、また各管の内側が中空で軽量なので、一般的なトラック等に支障なく積載でき、容易に輸送できる。
次に、外側管埋設工程13を行い、図11(a)に示すように、外側管24の下端部24aを施工現場の地面14に埋設する。その際、ボーリング等の方法で地面14にガイド孔を先堀りしておくと、外側管24の埋設を円滑に行うことができる。外側管24は、ネット取付用部材30が斜面12側になる向きにして、自己のP点が地表面14aに位置する深さまで埋設される。
次に、二重管挿入工程S14を行い、図11(b)に示すように、埋設された外側管24の内側に二重管52を挿入し、二重管52を外側管24の内周壁面と隙間を空けて保持する。外側管24の内側に二重管52を挿入するときは、二重管52の下端部を外側管24の上端開口から同軸に挿し込む。そして、二重管52のストッパ用突起32が外側管24の上端に到達すると、ストッパ用突起32の下面が外側管24の上端面に係止される。
二重管52は、中間管26のネット取付用部材34が斜面12側になる向きにして、自己のP点が地表面14aに位置する深さまで挿入される。従って、二重管52の下端部が、外側管24の内側であって地表面14aよりも深い位置まで挿入されて保持されることになる。このとき、二重管52が外側管24の内周壁面と隙間を空けて対向するように位置決めする。この実施形態では、二重管52の水平方向の位置をハンマリング等の方法で微調整し、ストッパ用突起32の各先端部が外側管24の外周壁面から外向きに突出する量を等しくすることにより、所定の隙間を確保する。この位置決め方法では都合が悪い場合、あらかじめ、上記のガイド用突起36,38,44,46と同様の突起を外側管24の内周壁面と中間管26の外周壁面に設けておき、そのガイド用突起により二重管52と外側管24との隙間を確保する構造を使用してもよい。
次に、支柱一体化工程S15を行い、図11(c)に示すように、外側管24、二重管52の中間管26及び内側管28の内側にモルタル等の充填剤40を充填して硬化させ、これらが一体化して成る支柱16を形成する。充填剤40を二重管52の上端開口から内側管28の内側に注入すると、内側管28の通し孔48及び中間管16の通し孔42,48を通じて広がる。外側管24の上端の隙間からも充填剤40を注入すれば、さらに効率よく充填できる。そして、図12に示すように、充填剤40が外側管24、中間管26及び内側管28の内側(各管24,26,28が対向する隙間を含む)に行き渡った状態で養生し、一体化させる。そして、必要に応じて、支柱16の上端(中間管26と内側管26の上端)を、図示しない防塵、防水用のキャップで塞ぐ。
次に、ネット張設工程S16を行い、支柱16の地表面14aから突出した部分にネット22を張設する。主ネット18は、図1に示すように、縦方向の一対の端部を隣り合う2本の支柱16の間に張り渡す。主ネット18の下側領域18aは、下端角部を外側管24のネット取付用部材30にナット30cで締め付け固定し、当該下端角部から連続する縦方向の端部を、図示しないロープ等を用いて外側管24に縛り付ける。主ネット18の上側領域18bは、上端角部を中間管26のネット取付用部材34にナット34cで締め付け固定し、当該下端角部から連続する縦方向の端部を、図示しないロープ等を用いて中間管26に縛り付ける。
また、サイドネット20は、図1に示すように、縦方向の一対の端部を支柱16と斜面12との間に張り渡す。サイドネット20の下側領域20aは、支柱16側の下端角部を外側管24のネット取付用部材30にナット30cで締め付け固定し、当該下端角部から連続する縦方向の端部を、図示しないロープ等を用いて外側管24に縛り付ける。サイドネット20の上側領域20bは、支柱16側の上端角部を中間管26のネット取付用部材34にナット34cで締め付け固定し、当該上端角部から連続する縦方向の端部を、図示しないロープ等を用いて中間管26に縛り付ける。一方、地面14(斜面12を含む)側の端部は、張設される台形状部分以外の余剰部分を内側に折り込み、複数のアンカー54を用いて地面14に固定する。
以上説明したように、この実施形態の防護柵10とその施工方法によれば、土砂等を受け止めたとき最も衝撃を受けやすい支柱16の基端部分が、外側管24のP点から上端までの部分、中間管26のP点から上端側の部分、及び内側管28のP点から上端側の部分の三重構造になり、ケーシングの働きをする外側管24も、支柱16の強度向上に寄与する。従って、特許文献1の防護体の利点を活かしつつ、支柱16全体としての耐衝撃性を向上させることができる。
また、中間管26,内側管28の周壁に充填剤40の通し孔42,48が形成されているので、三つの管24,26,28の内側の隅々まで充填剤40が回りやすくなり、支柱16の品質が向上する。また、内側管28の内周壁面に設けた複数の補強用棒部材50により、充填剤40の回りやすさに悪影響を与えることなく、さらに支柱16全体の強度を向上させることができる。
また、立設前の支柱16は、独立した三つの短い管24,26,28の状態なので、各管に表面コーティング(例えば、防錆処理)などの前処理を行う場合でも取り扱いが容易である。また、山間地の施工現場に支柱部材をトラック輸送する際も、長くて重い完成体の支柱16よりも輸送しやすい。
また、中間管26及び内側管28とで成る二重管52の組み立てる工程を工場等で行うことにより、足場の悪い施工現場において重機を用いて行う煩雑な作業の一部が省略され、施工時の作業性、安全性が向上する。また、中間管26と内側管28とが対向する互いの周壁面にガイド用突起36,38,44,46を設けられているので、二重管52を形成する際、中間管26の内側に内側管28を挿入する作業性がよく、内側管28の位置決めも容易である。
また、中間管26にストッパ用突起32が設けられているので、埋設された外側管24の内側に二重管52を挿入する際、二重管52の位置決めが容易である。
なお、この発明の防護柵とその施工方法は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、外側管、中間管及び内側管の位置決め構造は、上記のガイド用突起36,38,44,46、及びストッパ用突起32を用いた構造に限定されるものではなく、地面に打ち込んだとき、各管のP点が地表面の位置に置かれ、各管の間に所定の隙間が確保できるものであれば、他の構造又は方法を用いてもよい。
また、ネットは、上記のように複数の主ネットとサイドネットとを組み合わせたネットに代えて、それらを一体にした大きなネットを使用してもよいし、金網式のネットを使用してもよい。また、ネットを支柱に取り付ける構造は、上記のネット取付部材30,34を使用した構造に限定されず、公知の取り付け構造を自由に使用することができる。例えば、ネットの上端部が垂れないように、強く張架した上ワイヤで支持する構造にしてもよい。また、主ネットの下端と地面との隙間から土砂がすり抜けるのを防止するため、主ネットの縦寸法を長めにしておき、地面側の端部を斜面の側にL字状に折り込んでアンカー固定する構造にしてもよい。
また、支柱の長さや本数、支柱を立設する間隔、ネットの網目サイズ、外形寸法や枚数についても特に限定されず、施工現場の地形、受け止める対象物(石、土砂、雪)等に鑑みて、自由に設定することができる。必要に応じてサイドネットを省略してもよい。
10 防護柵
14 地面
14a 地表面
16 支柱
18 主ネット
18a 下側領域
18b 上側領域
20 サイドネット
20a 下側領域
20b 上側領域
22 ネット
24 外側管
24a 下端部
24b 上端部
26 中間管
26a 下端部
26b 上端部
28 内側管
28a 下端部
28b 上端部
32 ストッパ用突起
36,38,44,46 ガイド用突起
40 充填剤
42,48 通し孔
50 補強用棒部材
52 二重管

Claims (5)

  1. 傾斜地の山側斜面の施工現場に複数の支柱を立設し、前記複数の前記支柱に亘ってネットを張設する防護柵の施工方法において、
    中間管の内側に内側管を挿入し、前記内側管を前記中間管の内周壁面と隙間を空けて保持して成る二重管を形成する二重管形成工程と、
    前記二重管と外側管とを前記施工現場に搬入する搬入工程と、
    前記外側管の下端部を前記施工現場の地中に埋設する外側管埋設工程と、
    前記二重管の下端部を、前記埋設された前記外側管の内側であって地表よりも深い位置まで挿入し、前記二重管を前記外側管の内周壁面と隙間を空けて保持する二重管挿入工程と、
    前記外側管、前記中間管及び前記内側管の内側に充填剤を充填して硬化させ、これらが一体化して成る前記支柱を形成する支柱一体化工程と、
    前記ネットの上側部分を、前記中間管の前記外側管から上方に突出する部分に取り付け、前記ネットの下側部分を前記外側管の地表面から突出する部分に取り付けて、前記ネットを張設するネット張設工程とを備えることを特徴とする防護柵の施工方法。
  2. 内外に対向する前記中間管の内周壁面と前記内側管の外周壁面は、あらかじめ少なくとも一方の壁面に複数のガイド用突起が設けられ、当該ガイド用突起により前記隙間が確保されている請求項1記載の防護柵の施工方法。
  3. 内外に対向する前記外側管の内周壁面と前記中間管の外周壁面は、あらかじめ少なくとも一方の壁面に複数のガイド用突起が設けられ、当該ガイド用突起により前記隙間が確保されている請求項1記載の防護柵の施工方法。
  4. 前記中間管及び前記内側管は、あらかじめ各周壁に前記充填剤が通過可能な複数の通し孔が形成されている請求項1記載の防護柵の施工方法。
  5. 前記内側管には、あらかじめ前記内側管の長さ方向の補強用棒部材が複数固定され、前記複数の補強用棒部材は、前記内周壁面の周方向に等間隔に配置されている請求項1乃至4のいずれか記載の防護柵の施工方法。
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