JP5667100B2 - 固体酸化物形燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、平板型の単セルと、この単セルを収容するインターコネクタとを備えた平板型固体酸化物形燃料電池の製造方法に関するものである。
平板状の燃料極と、この燃料極上に形成した固体酸化物からなる電解質層と、この電解質層上に形成した空気極とで単セルを形成し、燃料極と空気極に燃料ガスと酸化剤ガスをそれぞれ供給して酸化還元反応を行わせることにより、水の電気分解の逆の反応を利用して発電する固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cells)が従来から知られている。このような固体酸化物形燃料電池は、高いエネルギー変換効率を有するとともに、二酸化炭素の排出を抑えた発電が行えるため、多くの研究機関で開発が盛んに行われている。
単セルを実際に燃料電池として動作させる際には、実用上十分な発電量を得るために単セルを積層(スタック化)して直列接続し、燃料極側を還元雰囲気に、空気極側を酸化雰囲気に保つとともに、十分な発電効率を得るために電解質のイオン伝導性が確保され容易に電気化学反応が起こる800−1000℃程度の高温に燃料電池本体を保つ必要がある。これを実現するために、互いに異なる雰囲気に晒される燃料極と空気極間をガス不透過でかつ電気伝導性のある部品で電気的に接続し、各電極にそれぞれ燃料ガスと酸化剤ガスとを適正に分配および供給する目的で、各単セル間に金属で作られたインターコネクタ(セパレータ)が配置される。また、単セルとインターコネクタとの間には、これらの電気的な接続を確実にするために金属からなる集電部材が配設されている。単セルと、この単セルを収容するインターコネクタと、単セルとインターコネクタとの間に配設される集電部材とを備えた単セルスタックを積層し、当該インターコネクタを介してマニホールドから供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスを各単セルに供給し、上端と下端のインターコネクタを端子とする電池の電気回路を構成することにより、固体酸化物形燃料電池は、所定の電圧レベルの電圧を生成することができる。
このような固体酸化物形燃料電池において、一般的なインターコネクタには、作製工程で生じるセルの微妙な形状の差異に依ることなく燃料ガスをセルの反応界面まで均一に供給するために、集電部材と接触する面(以下、「接触面」と言う。)に複数個の溝や柱状の突起物が形成されている(例えば、特許文献1参照。)。その接触面に導かれた燃料ガスは、その溝や突起物の配置に沿ってインターコネクタと集電部材との間を流れて行くことにより、その接触面内に一様に広がる。このように一様に広がった後、燃料ガスや酸化剤ガスは、集電部材を透過して単セルに到達する。これにより、燃料ガスおよび酸化剤ガスは、単セルの燃料極または空気極に対して均一に供給されることとなる。
その接触面の溝や突起物は、金属平板に切削加工やエッチング処理を施すことによって形成されている(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、低コスト化を実現するには、インターコネクタを形成する金属板により薄いものを用いたり、加工方法についても切削加工やエッチング処理よりも例えばプレス加工やパンチング加工などを施したりすることが望ましい。
特開2008−117737号公報
マグネス株式会社、業務案内、燃料電池関連部品、[on line]、平成24年1月30日検索、インターネット<URL:http://magnex.co.jp/products/>
しかしながら、インターコネクタに溝や突起物を形成するには、ある程度の厚みを有する板を用いる必要があるとともに、複雑な精密加工を施さなければならないので、溝や突起物を形成することにより燃料ガスを均一に供給する方法では低コスト化を実現することが困難であった。
そこで、本発明は、低コスト化を実現することができる固体酸化物形燃料電池の製造方法を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の製造方法は、平板状の燃料極、この燃料極上に配設された固体酸化物からなる電解質およびこの電解質上に配設された空気極からなる平板型燃料極支持形の単セルと、この単セルを収容する凹部を有し、この凹部の底面が燃料極と対向配置され、燃料極に燃料ガスを供給する第1のインターコネクタと、空気極と対向配置され、空気極に酸化剤ガスを供給する第2のインターコネクタと、燃料極と第1のインターコネクタとの間に配設された集電部材とを備えた固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、単セルの法線方向の反りの大きさの3倍以上であり、かつ、第1のインターコネクタと第2のインターコネクタとを組み合わせた状態における凹部底面と第2のインターコネクタとの距離から単セルの厚さを引いた値よりも大きい厚さの集電部材を、凹部に配設する集電部材配設ステップと、凹部に収容された集電部材上に単セルを配設し、第1のインターコネクタに向けて第2のインターコネクタを押圧して第1のインターコネクタと第2のインターコネクタとを組み合わせる組み合わせステップとを有し、前記集電部材は、95%以上98%以下の気孔率を有する発泡金属から構成されることを特徴とするものである。
また、上記固体酸化物形燃料電池の製造方法において、集電部材は、ニッケル合金、ニッケル、および、ステンレス鋼のうちの何れか一つから構成されるようにしてもよい。
また、上記固体酸化物形燃料電池の製造方法において、第1のインターコネクタと集電部材との間に配設された金属格子をさらに備えるようにしてもよい。
本発明によれば、単セルの法線方向の反りの大きさの3倍以上であり、かつ、第1のインターコネクタと第2のインターコネクタとを組み合わせた状態における凹部底面と第2のインターコネクタとの距離から単セルの厚さを引いた値よりも大きい厚さを有するとともに、95%以上98%以下の気孔率を有する発泡金属から構成される集電部材を用いることにより、溝や突起物を設けなくても燃料ガスを単セルに均一に供給することができるので、低コスト化を実現することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池のセルの構成を示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態と従来のセルにおいて定電流発電を行った際の燃料ガスの流量とセル電圧の関係を示す図である。 図3は、異なる厚さの集電部材を用いたときの定電流発電を行った際の燃料ガスの流量とセル電圧の関係を示す図である。 図4は、b/aを1.3から4.7まで変化させた場合のセル電圧の差を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態における燃料極側インターコネクタ内の二次元流速分布のシミュレーション結果を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池のセルに金属格子を設けた構成を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<固体酸化物形燃料電池の構成>
図1に示すように、本実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池は、単セル11と、上面の中央部に単セル11を収容する凹部121が形成され、この凹部121の底面が単セル11の燃料極に対向配置され、その燃料極に燃料ガスを供給するとともに燃料極と電気的に接続された平板状の燃料極インターコネクタ12と、単セル11の空気極に対向配置され、その空気極に酸化剤ガスを供給するとともに空気極と電気的に接続された平板状の空気極インターコネクタ13とを備え、これらを一組としたセル1が構成される。このようなセル1は、実用的な出力を得るために、そのセル1を複数組重ねた固体酸化物形燃料電池スタックの一部として機能する。
また、セル1には、単セル11と燃料極インターコネクタ12の凹部121との間に配設された集電部材14と、燃料極インターコネクタ12の上面に配設された絶縁部材15と、単セル11の電解質および絶縁部材15の上面に配設された金属箔16とを備えている。
単セル11は、平板状の燃料極と、この燃料極の上面に形成された電解質と、この電解質の上面に形成された空気極とから構成された燃料極支持形の構成を有する。このような単セル11は、全体として燃料極インターコネクタ12の凹部121と同等の平面形状を有する。
ここで、燃料極は、例えば、ニッケル添加イットリア安定化ジルコニア(Ni−YSZ)、ニッケル添加サマリア安定化ジルコニア(Ni−SSZ)、ニッケル添加スカンジア安定化ジルコニア(Ni−ScSZ)などの金属Niと電解質を構成する材料との混合物などから構成される。
電解質は、例えば、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、サマリア安定化ジルコニア(SSZ)、コバルト添加ランタンガレート系酸化物(LSGMC)などから構成される。
空気極は、例えば、ランタンニッケルフェライト(LNF)、ランタンマンガネート(LSM)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、ランタンストロンチウムコバルタイトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムフェライト(LSF)、サマリウムストロンチウムコバルタイト(SSC)などから構成される。
燃料極インターコネクタ12は、板の形状を有し、上面の中央部に形成された凹部121が形成されている。また、この凹部121底面の中央部には、外部から供給された燃料ガスを集電部材14に向けて供給する燃料供給口122が形成されている。さらに、凹部121底面の外縁部には、未反応の燃料ガスを外部に排出する燃料排出口123が形成されている。このような燃料極インターコネクタ2は、例えば、クロムが16〜25%程度含まれているフェライト系の耐熱合金から構成されている。
空気極インターコネクタ13は、板の形状を有し、下面の中央部に外部から供給された空気などの酸化剤ガスを金属箔16に向けて供給する酸化剤供給口131が形成されている。このような空気極インターコネクタ13は、例えば、クロムが16〜25%程度含まれているフェライト系の耐熱合金から構成されている。
集電部材14は、凹部121の外形と同等の平面形状を有する板の形状を有する。この集電部材14の材料は、ニッケル合金、ニッケルおよびステンレス鋼の何れか1つから構成される。
絶縁部材15は、燃料極インターコネクタ12と同等の外形を有し、その中央部には凹部121と同等の開口が形成され、燃料極インターコネクタ12の凹部121周囲の上面に配設されている。このような絶縁部材15は、例えばアルミナなどの高温でも絶縁性のあるセラミックスや、マイカなどの絶縁材料から構成される。このような絶縁部材15を設けることにより、燃料極インターコネクタ12と空気極インターコネクタ13との短絡を防止することができる。
金属箔16は、燃料極インターコネクタ12と同等の外形を有しており、その中央部には単セル11の空気極と同等の開口が形成されており、外縁が絶縁部材15、内縁が単セル11の電解質に接合されている。これにより、単セル11の燃料極側と空気極側とを気密分離している。このような金属箔16は、例えばアルミ系SUSなどの金属から構成されている。
<固体酸化物形燃料電池の組立方法>
固体酸化物形燃料電池の組立方法の一例について説明する。
まず、耐熱合金からなる台座の上に、凹部121、燃料供給口122および燃料排出口123が形成された燃料極インターコネクタ12配設する。この燃料極インターコネクタ2の凹部121の底面上に、集電部材14を載置する。このときの集電部材14の厚さは、単セル11の反りの大きさの3倍以上であり、燃料極インターコネクタ12と空気極インターコネクタ13とを組み合わせた状態における凹部121底面と空気極インターコネクタ13の下面との距離から単セル11の厚さを引いた値よりも大きく形成されている。また、集電部材14は、95%以上98%以下の気孔率を有し、気孔の大きさが600μm以下の発泡金属から構成されることが望ましい。集電部材14をこのような構成とする理由については後述する。
凹部121内部に集電部材14が配設されると、この集電部材14の上に燃料極が位置するように、単セル11を集電部材14上に載置する。
単セル11が凹部121内部に収容された集電部材14上に配設されると、燃料極インターコネクタ12と空気極インターコネクタ13との電気的絶縁を得るために、燃料極インターコネクタ12上面、すなわち、凹部121の開口を除く燃料極インターコネクタ12上面の縁部に、絶縁部材15を配設する。
絶縁部材15が配設されると、単セル11の電解質上面から絶縁部材15上面にかけて金属箔16を配設する。
金属箔16が配設されると、酸化剤供給口131が形成された空気極インターコネクタ13を用意し、金属箔16上に空気極インターコネクタ13を配設する。
空気極インターコネクタ13が配設されると、空気極インターコネクタ13から燃料極インターコネクタ12に向けて荷重をかけ、燃料極インターコネクタ12と空気極インターコネクタ13とを組み合わせる。これにより、集電部材14が燃料極インターコネクタ12に圧接されるので、燃料極インターコネクタ12と集電部材14との電気的接続が良好となる。また、空気極インターコネクタ13が単セル11の空気極に圧接されるので、空気極インターコネクタ13と空気極との電気的絶縁も良好となる。
燃料極インターコネクタ12と空気極インターコネクタ13とを組み合わされた後、例えば発電状態まで加熱すると、単セル11が、集電部材14を介して燃料極インターコネクタ12と空気極インターコネクタ13との間に保持された1つのセル1からなる固体酸化物形燃料電池が完成する。
なお、このようなセル1を複数積層したスタックでは、燃料極インターコネクタ12と空気極インターコネクタ13とは、それぞれ上下に隣接するセルの燃料極インターコネクタ12または空気極インターコネクタ13に電気的に接続されている。したがって、固体酸化物形燃料電池スタックの上端の空気極インターコネクタ13と下端の燃料極インターコネクタ12とを端子として負荷回路に接続することにより、電力を取り出すことができることとなる。
<固体酸化物形燃料電池の発電動作>
次に、上述したような手順で組み立てられる固体酸化物形燃料電池の発電動作は、以下に示す手順で行われる。
まず、ドライ水素等の燃料ガスは、燃料極インターコネクタ12の燃料供給口122から集電部材14を経由して、単セル11の燃料極に供給される。一方、空気等の酸化剤ガスは、空気極インターコネクタ13の酸化剤供給口131から単セル11の空気極に供給される。このように燃料ガスおよび酸化剤ガスが所定の温度下において単セル11に供給されると、燃料極と空気極とにおいて電気化学反応が発生する。このような状態で、固体酸化物形燃料電池スタックの上端の空気極インターコネクタ13と下端の燃料極インターコネクタ12とを端子として負荷回路に接続すると、電力を取り出すことができる。
<集電部材の構成>
次に、組み立て前の集電部材14の構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態におけるセルは、空気極インターコネクタ13側からの荷重に対して燃料極インターコネクタ12および空気極インターコネクタ13で単セル11を収容するための空間を確保するとともに、その荷重を利用して適度な荷重を単セル11および集電部材14にかけることにより、単セル11の燃料極と集電部材14との間の電気抵抗を低減させる構成となっている。このような構成のセル1において、集電部材14は、以下に示すように設定される。
まず、集電部材14の厚さは、下式(1)を満たすように設定される。これにより、従来の高価な加工により突起物を形成したインターコネクタを用いた場合と同等のガス拡散性が得ることができる。なお、下式(1)において、aは単セル11の反りの大きさ、bは集電部材14の厚さを示している。また、単セル11の反りとは、平板状の単セル11の法線方向への変形量を示している。
b≧3a ・・・(1)
図1に示すセル1において定電流発電を行った際の燃料ガスの流量とセル電圧の関係を図2に示す。この図2において、黒三角印で示す本実施の形態に係るセル1における測定値は、単セル11の反りの大きさに対する積層前の集電部材14の厚さの比、すなわちb/aが4.7である。参考のため、発泡金属からなる集電部材14を用いずに、高価な加工により突起物や溝を形成したインターコネクタを使用した場合の測定値(図2の黒菱形印)についても図2に示す。
一般的に、燃料ガスの流量を減少させたときでも電圧の低下が小さいセルほど、燃料の拡散がよいセルと言うことができる。図2に示すように、本実施の形態に係るセル1は、燃料ガス流量を減少させたときの電圧低下が、高価な加工により突起物等を形成したインターコネクタを使用した場合とほぼ等しいことがわかる。このことから、集電部材14の厚さを制御することにより、突起物等をインターコネクタに形成した場合と同様に、燃料ガスを均一に供給できることがわかる。
そこで、集電部材14の厚さをどの程度にするかを決めるために、2種類の異なる厚さの集電部材14を用いたセルにより定電流発電を行った際の燃料ガス流量とセル電圧の関係について測定を行った。この測定結果を図3に示す。
図3に示すように、b/aが1.3の場合(図3の黒四角印)は、燃料ガス流量を減少させたときに電圧が大きく低下しているので、ガスの拡散性に問題があることを示している。一方、b/aが4.7の場合(図3の黒三角印)は、燃料ガス流量を減少させたときの電圧低下が従来のように突起物等を形成したインターコネクタを使用した場合と同様に少ないので、ガスの拡散性に問題が見られないことがわかる。
図3から明らかなように、燃料ガス流量が多い場合にはセルの電圧に対するb/aの影響は小さく、燃料ガス流量が少なくなるにつれてb/aの値が小さな集電部材を用いたセルの電圧が急激に低下する。そこで、b/aが異なる集電部材14を用いた場合に、燃料ガス流量が467ml/minの場合のセル電圧と438ml/minの場合のセル電圧との差がどのように変化するかを検討した。図4にb/aを1.3から4.7まで変化させた場合のセル電圧の差を示す。
図4に示すように、b/aが3より小さい場合にはセル電圧の差が大きく、燃料ガス流量の低下に伴いセル電圧が急激に低下するのに対して、b/aが3より大きい場合にはセル電圧の差が小さく、燃料ガス流量を低下させても十分な燃料ガスが燃料極全体に供給されていることがわかる。このようにb/aの値が3より小さいと燃料ガス流量の低下に伴いセル電圧が急激に低下する理由としては、図1に示されているように単セル11の反りによりセル外周部に接する集電部材14がセル中央部と比較して強く圧縮されることが挙げられる。b/aが3より大きければセルの外周部にも燃料極インターコネクタ12と単セル11との間に集電部材14の領域が残存するが、b/aが3より小さい場合には単セル11の外周部付近の集電部材14の厚さ、言い換えればガス流路の厚さが薄い上に、集電部材14内部の細孔が圧縮によりつぶされてしまうので、十分なガス流路を確保することができない。これに対してb/aが3より大きい場合には、単セル11の外周部付近において集電部材14内部の細孔の一部がつぶれはするものの、加圧後も十分な細孔径を保持している細孔がある程度の厚さで残存するので、十分なガス流路が確保されるものと考える。そこで、本実施の形態では、集電部材14の厚さについて上式(1)を満たすように設定している。
また、集電部材14の厚さは、燃料電池スタックを組み立てるために燃料極インターコ
ネクタ12と空気極インターコネクタ13とを組み合わせた際に、これらのインターコネ
クタの内部に形成されるセルを収納するための空間(以下、「収納部」と言う。)の深さ
から単セル11の厚さを引いた値よりも大きく設定される。この理由は以下の通りである。
図1における収納部の深さdは、燃料極インターコネクタ12の凹部121の深さに絶縁部材15と金属箔16の厚さを加えたものとなる。集電部材14の厚さがその収納部の深さよりも薄いと、図1に示したようにセルを組み立てた際に、空気極インターコネクタ13を単セル11に押し付ける力が十分に発生せず、集電部材14の単セル11に接する側の面を単セル11の形状に合わせて変形させて両者を密着させることができない。このような状態では、燃料極と集電部材14間の導電性が低く、燃料電池としての発電出力に大きなロスが発生してしまう。なお、図1において、空気極インターコネクタ13は平板状に形成されているが、空気極インターコネクタ13に単セル11と集電部材14とを収納するための凹部が設けられている場合には、収納部の深さdに空気極インターコネクタ13に設けた凹部の深さも加えられる。また、二つのインターコネクタ間にガスシール材等が配設される場合には、これらの部材の厚さも収納部の深さdに加えられる。
一方、集電部材14の厚さが大きすぎると、集電部材14と単セル11を収納部に収納するには、集電部材14を大幅に圧縮するための非常に大きな力が必要となる。このため、燃料電池スタックを組み立てる際に通常の圧力でスタックを上から加圧した場合、集電部材14が収納部に収納可能なサイズまで圧縮されず、燃料極インターコネクタ12と空気極インターコネクタ13との間に空隙が生じてしまう。このような状態では、集電部材14全体の気孔が圧縮によりつぶされてしまうので、十分な通気性が確保できなくなるとともに、過剰な圧力により単セル11に亀裂が発生したり、空気極インターコネクタ13が変形したりする可能性が高く、セル1が破損してしまう恐れがある。そこで、適切な集電部材14の厚さを検討するために、直径120mmの単セルと、組み立て前の厚さが1.4mmの集電部材とを用いて、収納部の深さを変えた場合のセルの発電特性や破損状況に関して実験を行った。その結果、収納部の深さdに対して3.5%〜6.9%程度大きい場合に、特に良好な発電特性を得られることが確認できた。
また、集電部材14に用いる発泡金属としては、組立前の状態で95%以上98%以下の気孔率と600μm以下の細孔径を有するものが望ましい。この理由は以下の通りである。
図5は、b/a値を3以上としたセル1において、集電部材14として気孔率95%、細孔径600μmの発泡金属を用いた場合の燃料極側インターコネクタ12内の二次元流速分布のシミュレーション結果である。この図5において、集電部材14の多孔質部分は、通気時の差圧から粘性近似することにより流速分布を算出した。また、図5において、中央部に記載された円形部分は毎分467mlの水素が流入する燃料供給口122、両端の2個所に記載された矩形部分は大気圧開放された燃料排出口123である。
図5から明らかなように集電部材14に気孔率95%、細孔径600μmの発泡金属を用いた場合には、燃料極の面積に対して燃料供給口122と燃料排出口123が小さい場合でも、ほぼ全面にわたり1[mm/sec]以上の半径方向の流速を得られることがわかる。これにより、その発泡金属を集電部材14として用い、かつb ≧ 3aとして組立加圧後も集電部材14の通気性を確保できる構造を用いることにより、高価な加工による溝や突起が不要となり、セル1の加工費を低減させることが可能である。このとき気孔率が95%より著しく小さい、または細孔径が600μmより著しく小さいと、燃料ガスが通過する流路の閉塞が生じたり、その流路上流に高圧がかかることによるガスリークが起こったりしやすくなる。さらに、気孔率が95%より著しく大きい、または細孔径が600μmより著しく大きいと、ガスが燃料排出口123をもたない外縁付近に拡散しなくなる。そのため、発泡部材の気孔率は、95%以上98%以下、細孔径は600μmが望ましい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、単セル11の反りの大きさの3倍以上であり、かつ、燃料極インターコネクタ12と空気極インターコネクタ13とを組み合わせた状態における凹部121底面と空気極インターコネクタ13との距離から単セル11の厚さを引いた値よりも大きい厚さの集電部材14を用いることにより、従来のようにインターコネクタに溝や突起物を設けなくても燃料ガスを単セル11に均一に供給することができるので、インターコネクタの製造コストを大幅に低減することができ、結果として、低コスト化を実現することができる。また、単セル11の作製時の反りに関する許容限度が緩和されるので、単セル11の作製が容易となるため、結果として、単セル11の作製工程の低コスト化も実現することができる。
なお、図6に示すセル2のように、燃料極セパレータ12と集電部材14との間に例えばニッケルなどからなる金属格子21を設けるようにしてもよい。このような金属格子12は、凹部121内部に集電部材14を配設する前にその凹部121底面に載置することにより配設される。
金属格子21を設けることにより、燃料供給口122等の開口部外周領域における応力の集中により、その領域において時間経過と共に集電部材14の気孔が徐々につぶれて行き、集電部材14の通気性が低下することを防ぐことができる。これにより、長期発電においても燃料ガスの安定的な供給経路を確保することができる。なお、図6のセル2の場合にはセル2の収納部の深さdは、金属格子12と集電部材14が接する面から空気極インターコネクタ14と単セル11が接する面までの距離である。
本発明は、燃料極支持形の単セルを有する固体酸化物形燃料電池に適用することができる。
1,2…セル、11…単セル、12…燃料極インターコネクタ、13…空気極インターコネクタ、14…集電部材、15…絶縁部材、16…金属箔、21…金属格子、121…凹部、122…燃料供給口、123…燃料排出口、131…酸化剤供給口。

Claims (3)

  1. 平板状の燃料極、この燃料極上に配設された固体酸化物からなる電解質およびこの電解質上に配設された空気極からなる平板型燃料極支持形の単セルと、この単セルを収容する凹部を有し、この凹部の底面が前記燃料極と対向配置され、前記燃料極に燃料ガスを供給する第1のインターコネクタと、前記空気極と対向配置され、前記空気極に酸化剤ガスを供給する第2のインターコネクタと、前記燃料極と前記第1のインターコネクタとの間に配設された集電部材とを備えた固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
    前記単セルの法線方向の反りの大きさの3倍以上であり、かつ、前記第1のインターコネクタと前記第2のインターコネクタとを組み合わせた状態における前記凹部底面と前記第2のインターコネクタとの距離から前記単セルの厚さを引いた値よりも大きい厚さの前記集電部材を、前記凹部に配設する集電部材配設ステップと、
    前記凹部に収容された前記集電部材上に前記単セルを配設し、前記第1のインターコネクタに向けて前記第2のインターコネクタを押圧して第1のインターコネクタと前記第2のインターコネクタとを組み合わせる組み合わせステップと
    を有し、
    前記集電部材は、95%以上98%以下の気孔率を有する発泡金属から構成されることを特徴とする固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  2. 前記集電部材は、ニッケル合金、ニッケル、および、ステンレス鋼のうちの何れか一つから構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  3. 前記集電部材配設ステップの前に、前記凹部に金属格子を配設する金属格子配設ステップをさらに有し、
    前記集電部材配設ステップは、前記凹部に配設された前記金属格子上に前記集電部材を配設する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
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