JP2013257953A - 固体酸化物形燃料電池および固体酸化物形燃料電池の組み立て方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで容易にスタックをセルの積層方向に一様に押圧できる固体酸化物形燃料電池および固体酸化物形燃料電池の組み立て方法を提供する。
【解決手段】部部材4と押さえ部材6との間には、球状部材5が設けられている。これにより、例えば押さえ部材6がセル30の積層方向に対して斜めに押圧されても、上部部材4および押さえ部材6が球状部材5の球面に接触しているので、上部部材4がセル30の積層方向に押圧される。よって、スタック3をセル30の積層方向に一様に押圧することができる。また、バネやベローズなどを用いなくてもスタック3を積層方向に一様に押圧できるので、低コストを実現することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】部部材4と押さえ部材6との間には、球状部材5が設けられている。これにより、例えば押さえ部材6がセル30の積層方向に対して斜めに押圧されても、上部部材4および押さえ部材6が球状部材5の球面に接触しているので、上部部材4がセル30の積層方向に押圧される。よって、スタック3をセル30の積層方向に一様に押圧することができる。また、バネやベローズなどを用いなくてもスタック3を積層方向に一様に押圧できるので、低コストを実現することができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、固体酸化物形燃料電池に関するものであり、特に、単セルとこの単セルを収容する収容部材とを積層したスタックを押圧する固体酸化物形燃料電池に関するものである。
近年、規模の大小にかかわらず高い効率が得られることから、次世代のコジェネレーションシステムに用いられる発電手段として、燃料電池が注目されている(例えば、非特許文献1参照。)。燃料電池は、酸素などの酸化剤ガスと水素などの燃料ガスとの化学反応を利用した電池であり、空気極と呼ばれる陽極と、燃料極と呼ばれる陰極とで電解質の層を挟んだ単セルを、複数重ね合わせて用いている。一組のセル(単セル)で得られる電気の電圧は、約0.7[V]程度であるが、複数の単セルを重ね合わせて用いることで、所望とする電圧の供給が可能である。このような燃料電池には、高分子材料を電解質層に用いる固体高分子形や、セラミックスなどの酸化物を電解質層に用いる固体酸化物形がある。
固体高分子形燃料電池では、作動温度が高々90[℃]程度であり、自動車用や家庭用コジェネレーションシステムに適用可能とされている。これに対し、固体酸化物形燃料電池は、作動温度が600[℃]以上と高温であり、発電効率が45%以上と高いという特徴を備えている。このため、複数の単セルを組み合わせたスタック構造の固体酸化物形燃料電池は、タービン発電などを組み合わせてより高い効率のコジェネレーションシステムが構築できるという利点を有し、発電所としての用途などが期待されている。
ところで、固体酸化物形燃料電池において実用的な出力を得るためには、複数の単セルを直列、または並列に接続する必要がある。このとき、各単セルの燃料極側に供給される燃料ガスと、空気極側に供給される酸化剤ガスとが混合しない状態で、各単セルが電気的に接続された状態としている。このようにガスの混合を防いだ状態で電気的に接続するために、ガスが透過せず、電気伝導度が高い材料からなる部材が用いられている。この部材は、セパレータやインターコネクタなどと呼ばれる(以下、「インターコネクタ」と言う。)。単セルは、対となる2つのインターコネクタの間に挟み込まれた状態とされるのが一般的である。このような一対のインターコネクタと、単セルとにより1つのセルが構成される。このセルを複数積層することによりスタックが形成される。このとき、一対のインターコネクタと単セルはセルの積層方向に沿って重ねられている。
近年、発電温度の低温動作化により、金属材料をインターコネクタに使用できるようになっている。金属製のインターコネクタはセラミックス製のインターコネクタに比べると加工性が良く、電気電導度や熱電導度が高いが、高温酸化雰囲気化において表面に電気電導度の低い酸化被膜を形成するという問題がある。そこで、最近ではCrが16〜24%程度含まれたフェライト系の耐熱性ステンレス鋼が用いられる傾向にある。
このような固体酸化物形燃料電池には、単セルの形状により、円筒型や平板型が存在する。このうち平板型の固体酸化物形燃料電池では、高い出力を得るための一つの方法として、スタックをセルの積層方向に押圧することにより、インターコネクタと単セルの接触を良好にして接触による抵抗を低減することが行われている。このように接触による抵抗を低減するには、インターコネクタと単セルとの間に集電体を設けることも提案されているが、この集電体を設ける場合であっても上述したようにスタックを押圧してインターコネクタ、集電体および単セル等の間の接触を良好にすることにより、より高い出力を得ることができる。
このようにスタックを押圧する方法としては、バネやベローズを用いたり、スタック上下を挟み込む一対の板のうち一方の板を他方の板に向かってネジで締め付けたりする方法が提案されている。
田川博明著、固体酸化物燃料電池と地球環境、株式会社 アグネ承風社、P.25−P.30、1998年6月20日発行
しかしながら、上述した方法では次のような問題があった。
まず、バネやベローズを用いる方法では、600℃以上の高温環境で利用可能なバネやベローズが高価であるため、低コスト化が困難であった。
また、ネジで締め付ける方法では、ネジの座面における摩擦係数が各ネジで同じではない場合が多いので、同じトルクで各ネジを締め付けても各ネジの締め込み量が異なるので、これらのネジで締め付けられる板がスタックのセルの積層方向に対して斜めに押圧されてしまう。すると、単セルやインターコネクタ等の間の接触面を均一に押圧できなくなるので、単セルやインターコネクタ等の間の良好な接触を実現できず、結果として、高出力化が困難であった。
そこで、本発明は、低コストで容易にスタックをセルの積層方向に一様に押圧できる固体酸化物形燃料電池および固体酸化物形燃料電池の組み立て方法を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明に係る固体酸化物形燃料電池は、板状の第1の部材と、燃料極、この燃料極上に配設された固体酸化物からなる電解質およびこの電解質上に配設された空気極からなる単セルと、この単セルを収容した収容部材とを含むセルを第1の部材上に複数積層したスタックと、スタック上に配設された板状の第2の部材と、スタック上方の第2の部材上に配設された第3の部材と、第2の部材と離間して第3の部材上に配設された板状の第4の部材と、この第4の部材を第1の部材に向かって押し付ける第5の部材とを備え、第3の部材は、第2の部材および第4の部材のうち少なくとも一方との接触面が球面からなることを特徴とするものである。
上記固体酸化物形燃料電池において、第5の部材は、スタックと離間して第1の部材に垂設され、開放端が第2の部材および第3の部材を貫通する複数の軸部材と、各軸部材の他端側に設けられ、第3の部材を軸部材に沿って当該軸部材の一端側に向かって押圧する押圧部材とから構成されるようにしてもよい。
ここで、収容部材および軸部材は、第2の部材、第3の部材および第4の部材よりも熱膨張係数が小さい材料から構成されるようにしてもよい。
また、収容部材および軸部材は、第1の値の熱膨張係数を有する材料から構成され、第2の部材および第4の部材は、第1の値よりも大きい第2の値の熱膨張係数を有する材料から構成され、第3の部材は、第2の値よりも大きい第3の値の熱膨張係数を有する材料から構成されるようにしてもよい。
ここで、収容部材および軸部材は、第2の部材、第3の部材および第4の部材よりも熱膨張係数が小さい材料から構成されるようにしてもよい。
また、収容部材および軸部材は、第1の値の熱膨張係数を有する材料から構成され、第2の部材および第4の部材は、第1の値よりも大きい第2の値の熱膨張係数を有する材料から構成され、第3の部材は、第2の値よりも大きい第3の値の熱膨張係数を有する材料から構成されるようにしてもよい。
また、上記固体酸化物形燃料電池において、第2の部材および第4の部材のうち少なくとも一方は、中央部に形成された凹部を有し、第3の部材は、球面が凹部上に配設されるようにしてもよい。
ここで、第3の部材は、第3の部材は、球体から構成されるようにしてもよい。
ここで、第3の部材は、第3の部材は、球体から構成されるようにしてもよい。
また、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の組み立て方法は、燃料極、この燃料極上に配設された固体酸化物からなる電解質およびこの電解質上に配設された空気極からなる単セルと、この単セルを収容した収容部材と含むセルを複数積層したスタックを、板状の第1の部材上に配設する第1のステップと、板状の第2の部材をスタック上に配設する第2のステップと、第3の部材をスタック上方の第2の部材上に配設する第3のステップと、板状の第4の部材を、第2の部材と離間した状態で第3の部材上に配設する第4のステップと、第4の部材を、第1の部材に向かって押し付ける第5のステップとを有し、第3の部材は、第2の部材および第4の部材のうち少なくとも一方との接触面が球面からなることを特徴とするものである。
本発明によれば、板状の第1の部材と、単セルと収容部材とを第1の部材上に複数積層したスタックと、このスタック上に配設された板状の第2の部材と、この第2の部材と離間して配設された板状の第4の部材と、第2の部材と第4の部材との間に配設された、第2の部材および第4の部材のうち少なくとも一方との接触面が球面からなる第3の部材と、第4の部材を第1の部材に向かって押圧する第5の部材とを設けるという構成により、例えば、第4の部材がセルの積層方向に対して斜めの方向から押圧されても、第2の部材および第4の部材の少なくとも一方が第3の部材の球面に接触しているので、第2の部材がセルの積層方向に押圧される。これにより、スタックを積層方向に一様に押圧することができる。また、バネやベローズなどを用いなくてもスタックを積層方向に一様に押圧できるので、低コストを実現することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[固体酸化物形燃料電池の構成]
図1,図2に示すように、本実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池1は、下部部材2と、この下部部材2上に配設されたスタック3と、このスタック3上に配設された上部部材4と、この上部部材4上に配設された球状部材5と、上部部材4と離間した状態で球状部材5上に配設された押さえ部材6と、一端が下部部材2に固定され、他端が上部部材4および押さえ部材6を貫通し、下部部材2の平面に対して垂設された4本の軸部材7と、この軸部材7の他端側に螺着されたナット8とを備えている。また、下部部材2とスタック3との間には、絶縁部材9が配設されている。同様に、スタック3と上部部材4との間には、絶縁部材10が配設されている。
図1,図2に示すように、本実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池1は、下部部材2と、この下部部材2上に配設されたスタック3と、このスタック3上に配設された上部部材4と、この上部部材4上に配設された球状部材5と、上部部材4と離間した状態で球状部材5上に配設された押さえ部材6と、一端が下部部材2に固定され、他端が上部部材4および押さえ部材6を貫通し、下部部材2の平面に対して垂設された4本の軸部材7と、この軸部材7の他端側に螺着されたナット8とを備えている。また、下部部材2とスタック3との間には、絶縁部材9が配設されている。同様に、スタック3と上部部材4との間には、絶縁部材10が配設されている。
<下部部材の構成>
下部部材2は、平面視略矩形の板状に形成されており、その外形はスタック3の平面形状よりも大きくされている。下部基板2上面の四隅近傍には、穴21が形成されている。この穴21の内周面には、軸部材7を固定するためのネジが形成されている。下部部材2は、例えば、SUS430などのフェライト系ステンレス鋼から構成されている。このような下部部材2は第1の部材に相当する。
下部部材2は、平面視略矩形の板状に形成されており、その外形はスタック3の平面形状よりも大きくされている。下部基板2上面の四隅近傍には、穴21が形成されている。この穴21の内周面には、軸部材7を固定するためのネジが形成されている。下部部材2は、例えば、SUS430などのフェライト系ステンレス鋼から構成されている。このような下部部材2は第1の部材に相当する。
<スタックの構成>
スタック3は、図2に示すように、実用的な出力を得るために、セル30を複数積層した構成を有する。各セル30は、図3,図4に示すように、円盤状の単セル31と、この単セル31の後述する燃料極311に対向配置され、その燃料極311に燃料ガスを供給するとともに燃料極311と電気的に接続された板状の燃料極インターコネクタ32と、単セル31の後述する空気極313に対向配置され、その空気極に酸化剤ガスを供給するとともに空気極313と電気的に接続された板状の空気極インターコネクタ33とを備えている。セル30の外形は、下部部材2の平面形状よりも小さく、下部部材2上面の四隅に形成された穴21に囲まれた領域よりも小さく形成されている。ここで、燃料極インターコネクタ32および空気極インターコネクタ33は、収容部材に相当する。このようなセル30は、そのセル30を複数組重ねたスタック3の一部として機能する。
スタック3は、図2に示すように、実用的な出力を得るために、セル30を複数積層した構成を有する。各セル30は、図3,図4に示すように、円盤状の単セル31と、この単セル31の後述する燃料極311に対向配置され、その燃料極311に燃料ガスを供給するとともに燃料極311と電気的に接続された板状の燃料極インターコネクタ32と、単セル31の後述する空気極313に対向配置され、その空気極に酸化剤ガスを供給するとともに空気極313と電気的に接続された板状の空気極インターコネクタ33とを備えている。セル30の外形は、下部部材2の平面形状よりも小さく、下部部材2上面の四隅に形成された穴21に囲まれた領域よりも小さく形成されている。ここで、燃料極インターコネクタ32および空気極インターコネクタ33は、収容部材に相当する。このようなセル30は、そのセル30を複数組重ねたスタック3の一部として機能する。
また、セル30には、この燃料極インターコネクタ32の上面の中央部に配設され、上面に単セル11が配設される円盤状の燃料極側集電体34と、燃料極インターコネクタ32の上面に配設され、中央部に形成された開口に単セル31および燃料極側集電体34を収容することにより単セル31および燃料極側集電体34を所定の位置に配設するリング状のセルホルダ35と、単セル31の後述する電解質312およびセルホルダ35の上面に配設されたリング状のシール部材36と、このシール部材36の上面に配設されたリング状の絶縁部材37と、単セル31の上面に配設され、上面に空気極インターコネクタ33が配設される円盤状の空気極側集電体38とを備えている。これらの構成要素は、燃料極インターコネクタ32と空気極インターコネクタ33とを互いに近づく方向に押圧することにより、隣り合う構成要素と密着することとなる。
このようなセル30には、燃料極インターコネクタ32や空気極インターコネクタ33の平面方向における単セル31の周囲に、燃料極インターコネクタ32、空気極インターコネクタ33、セルホルダ35、シール部材36および絶縁部材37の積層方向に貫通する複数の貫通孔が形成されている。これらの貫通孔は、外部から燃料ガスが供給される燃料ガスマニホールド39、外部から酸化剤ガスが供給される酸化剤ガスマニホールド40、単セル31で酸化されなかった未反応の燃料ガスを外部に排出する排気ガスマニホールド(図示せず)、および、単セル31で未反応の酸化剤ガスを外部に排出する未反応酸化剤ガスマニホールドを構成する。
≪単セルの構成≫
ここで、単セル31は、図3に示すように、円盤状に形成された燃料極311と、この燃料極311と同等の形状を有し、燃料極311の上面に形成された電解質312と、この電解質312よりも外形が小さな円盤状に形成され、電解質312の上面に形成された空気極313とから構成される。ここで、空気極313の上面には、空気極313と同等の形状を有する集電層314が設けられている。
ここで、単セル31は、図3に示すように、円盤状に形成された燃料極311と、この燃料極311と同等の形状を有し、燃料極311の上面に形成された電解質312と、この電解質312よりも外形が小さな円盤状に形成され、電解質312の上面に形成された空気極313とから構成される。ここで、空気極313の上面には、空気極313と同等の形状を有する集電層314が設けられている。
燃料極311は、例えば、ニッケル添加イットリア安定化ジルコニア(Ni−YSZ)、ニッケル添加サマリア安定化ジルコニア(Ni−SSZ)、ニッケル添加スカンジア安定化ジルコニア(Ni−ScSZ)などの金属Niと電解質312を構成する材料との混合物などから構成される。
電解質312は、例えば、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、サマリア安定化ジルコニア(SSZ)、コバルト添加ランタンガレート系酸化物(LSGMC)などから構成される。
空気極313は、例えば、ランタンニッケルフェライト(LNF)、ランタンマンガネート(LSM)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、ランタンストロンチウムコバルタイトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムフェライト(LSF)、サマリウムストロンチウムコバルタイト(SSC)などから構成される。
集電層314は、例えば、ランタンニッケルフェライト(LNF)とLaCoO3(LC)の混合物などから構成される。
電解質312は、例えば、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、サマリア安定化ジルコニア(SSZ)、コバルト添加ランタンガレート系酸化物(LSGMC)などから構成される。
空気極313は、例えば、ランタンニッケルフェライト(LNF)、ランタンマンガネート(LSM)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、ランタンストロンチウムコバルタイトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムフェライト(LSF)、サマリウムストロンチウムコバルタイト(SSC)などから構成される。
集電層314は、例えば、ランタンニッケルフェライト(LNF)とLaCoO3(LC)の混合物などから構成される。
≪インターコネクタの構成≫
燃料極インターコネクタ32は、平面視略矩形の板状に形成されている。この燃料極インターコネクタ32には、平面方向に延在する空間からなり、一端が燃料ガスマニホールド39に接続された燃料ガス流路32aと、平面方向に延在する空間からなり、一端が排気ガスマニホールド(図示せず)に接続された排気ガス流路(図示せず)とが形成されている。また、燃料極インターコネクタ32の上面の中央部には、複数の溝を備え、燃料ガス流路32aの他端が接続された燃料ガス供給部32bが形成されている。このような燃料極インターコネクタ32は、所定の形状にプレス加工された平面視略矩形の薄板が複数毎積層されることにより構成される。
燃料極インターコネクタ32は、平面視略矩形の板状に形成されている。この燃料極インターコネクタ32には、平面方向に延在する空間からなり、一端が燃料ガスマニホールド39に接続された燃料ガス流路32aと、平面方向に延在する空間からなり、一端が排気ガスマニホールド(図示せず)に接続された排気ガス流路(図示せず)とが形成されている。また、燃料極インターコネクタ32の上面の中央部には、複数の溝を備え、燃料ガス流路32aの他端が接続された燃料ガス供給部32bが形成されている。このような燃料極インターコネクタ32は、所定の形状にプレス加工された平面視略矩形の薄板が複数毎積層されることにより構成される。
空気極インターコネクタ33は、平面視略矩形の板状に形成されている。この空気極インターコネクタ33には、平面方向に延在する空間からなり、一端が酸化剤ガスマニホールド40に接続された酸化剤ガス流路33aと、その平面方向に延在する空間からなり、一端が未反応ガスマニホールドに接続された未反応空気流路(図示せず)とが形成されている。また、下面の中央部には、複数の溝からなり、酸化剤ガス流路33aの他端が接続された酸化剤ガス供給部33bが形成されている。このような空気極インターコネクタ33は、所定の形状にプレス加工された平面視略矩形の薄板が複数毎積層されることにより構成される。
ここで、燃料極インターコネクタ32および空気極インターコネクタ33は、軸部材7と同等の熱膨張係数を有する材料から構成されることが望ましい。本実施の形態においては、燃料極インターコネクタ32および空気極インターコネクタ33の材料として、耐熱性ステンレス鋼が用いられている。
≪スタックにおけるその他の部材の構成≫
燃料極側集電体34は、白金、銀、金、パラジウム、イリジウム、ロジウム等の金属、フェライト系耐熱合金の細線からなるメッシュや不織布、エキスパンドメタル、発泡金属など、電子伝導性が高く、600〜1000℃で化学的に安定な材料から構成される。
燃料極側集電体34は、白金、銀、金、パラジウム、イリジウム、ロジウム等の金属、フェライト系耐熱合金の細線からなるメッシュや不織布、エキスパンドメタル、発泡金属など、電子伝導性が高く、600〜1000℃で化学的に安定な材料から構成される。
セルホルダ35は、例えば、クロムが16〜25%程度含まれているフェライト系の耐熱合金から構成されている。セルホルダ15の内部には、燃料極側集電体14ならびに単セル11の燃料極111および電解質112が収容され、これらの周面とセルホルダ15の内面との隙間には、シール部材16と同等の材料からなる隙間部材15aが設けられている。
シール部材36は、例えば、ホウ珪酸ガラスなどの軟化点が動作温度付近のガラス材料から構成されている。
絶縁部材37は、例えばアルミナなどの高温でも絶縁性のあるセラミックスや、マイカなどの絶縁材料から構成される。
空気極側集電体38は、白金、銀、金、パラジウム、イリジウム、ロジウム等の金属、フェライト系耐熱合金の細線などの材料を含むペースト材料から構成される。このペースト材料は、固体酸化物形燃料電池1の初回動作前に予め集電層の上に塗布し、その上に空気極インターコネクタ33を配置することで、初回動作時の昇温過程でより良好な電気的接続が形成される。また、空気極インターコネクタ33と単セル31間の接触面に圧力をかけることによってさらに良好な電気的接続を得ることができる。
<上部部材の構成>
上部部材4は、下部部材2と同等の平面視略矩形の板状に形成されており、四隅近傍に厚さ方向に貫通した孔41が形成されている。この孔41は、下部部材2の穴21と1対1に対応して形成されており、下部部材2と上部部材4とを平行に対向配置したときに、対応する穴21と同一直線上に位置することとなる。また、上部部材4上面には、球状部材5の形状に対応する球面状の凹部42が形成されている。この凹部42は、上部部材4上面に形成されるが、上部部材4をスタック3上に配設したときにスタック3上方の領域に形成されることが望ましく、特に、上部部材4の中央部に形成することがより望ましい。本実施の形態において、凹部42は、上部部材4の中央部に形成されている。
上部部材4は、下部部材2と同等の平面視略矩形の板状に形成されており、四隅近傍に厚さ方向に貫通した孔41が形成されている。この孔41は、下部部材2の穴21と1対1に対応して形成されており、下部部材2と上部部材4とを平行に対向配置したときに、対応する穴21と同一直線上に位置することとなる。また、上部部材4上面には、球状部材5の形状に対応する球面状の凹部42が形成されている。この凹部42は、上部部材4上面に形成されるが、上部部材4をスタック3上に配設したときにスタック3上方の領域に形成されることが望ましく、特に、上部部材4の中央部に形成することがより望ましい。本実施の形態において、凹部42は、上部部材4の中央部に形成されている。
このような上部部材4は、燃料極インターコネクタ32および空気極インターコネクタ33や軸部材7と同等、または、これらよりも熱膨張係数が大きい材料から構成されることが望ましい。本実施の形態においては、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼が用いられる。また、上部部材4は、後述するように組み立てた状態においても、変形が無視できる程度の剛性を有している。さらに、上部部材4の厚さは、少なくとも10[mm]以上あることが望ましい。このような上部部材4は第2の部材に相当する。
<球状部材の構成>
球状部材5は、直径が上部部材4の幅よりも小さな球状に形成されている。このような球状部材5は、上部部材4よりも熱膨張係数が大きい材料から構成されることが望ましい。具体的には、オーステナイト系のステンレス鋼が望ましく、中でもSUS304やSUS310がより望ましい。特にSUS310は、耐熱性が高いので望ましい。また、球状部材5は、後述するように組み立てた状態においても、変形が無視できる程度の剛性を有している。このような球状部材5は第3の部材に相当する。
球状部材5は、直径が上部部材4の幅よりも小さな球状に形成されている。このような球状部材5は、上部部材4よりも熱膨張係数が大きい材料から構成されることが望ましい。具体的には、オーステナイト系のステンレス鋼が望ましく、中でもSUS304やSUS310がより望ましい。特にSUS310は、耐熱性が高いので望ましい。また、球状部材5は、後述するように組み立てた状態においても、変形が無視できる程度の剛性を有している。このような球状部材5は第3の部材に相当する。
<押さえ部材の構成>
押さえ部材6は、下部部材2および上部部材4と同等の平面視略矩形の板状に形成されており、四隅近傍に厚さ方向に貫通した孔61が形成されている。この貫通孔61は、上部部材4の貫通孔61に対応して形成されている。したがって、上部部材4と押さえ部材6とを平行に対向配置すると、対応する孔41と孔61とは同一直線上に位置することとなる。このとき、上述したように下部部材2と上部部材4も平行に対向配置すると、対応する穴21,孔41および孔61が同一直線上に位置することとなる。また、押さえ部材6下面には、球状部材5の形状に対応する球面状の凹部62が形成されている。この凹部62は、押さえ部材6下面に形成されるが、押さえ部材6を上部部材4と対向配置したときに、スタック3上方の領域に形成されることが望ましく、特に、押さえ部材6の中央部に形成することがより望ましい。なお、本実施の形態において、凹部62は、押さえ部材62下面の中央部に形成されている。したがって、凹部62は、上部部材4と押さえ部材6とを対向配置したとき、上部部材4の凹部42と対向配置されることとなる。このような押さえ部材6は第4の部材に相当する。
押さえ部材6は、下部部材2および上部部材4と同等の平面視略矩形の板状に形成されており、四隅近傍に厚さ方向に貫通した孔61が形成されている。この貫通孔61は、上部部材4の貫通孔61に対応して形成されている。したがって、上部部材4と押さえ部材6とを平行に対向配置すると、対応する孔41と孔61とは同一直線上に位置することとなる。このとき、上述したように下部部材2と上部部材4も平行に対向配置すると、対応する穴21,孔41および孔61が同一直線上に位置することとなる。また、押さえ部材6下面には、球状部材5の形状に対応する球面状の凹部62が形成されている。この凹部62は、押さえ部材6下面に形成されるが、押さえ部材6を上部部材4と対向配置したときに、スタック3上方の領域に形成されることが望ましく、特に、押さえ部材6の中央部に形成することがより望ましい。なお、本実施の形態において、凹部62は、押さえ部材62下面の中央部に形成されている。したがって、凹部62は、上部部材4と押さえ部材6とを対向配置したとき、上部部材4の凹部42と対向配置されることとなる。このような押さえ部材6は第4の部材に相当する。
このような押さえ部材6は、上部部材4と同様、軸部材7よりも熱膨張係数が大きい材料から構成されることが望ましい。本実施の形態においては、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼が用いられる。また、押さえ部材6は、後述するように組み立てた状態においても、変形が無視できる程度の剛性を有している。
<軸部材の構成>
軸部材7は、棒状に形成されており、一端には下部部材2の穴21に螺着されるネジが形成され、他端にはナット8が螺着されるネジが形成されている。このような軸部材7は、燃料極インターコネクタ32および空気極インターコネクタ33と同等、上部部材4と同等、または、熱膨張係数が11×10-6[/℃]程度のSUS410やSUS430が望ましい。本実施の形態においては、軸部材7の材料として、上部部材4よりも熱膨張係数が小さい材料が用いられる。
軸部材7は、棒状に形成されており、一端には下部部材2の穴21に螺着されるネジが形成され、他端にはナット8が螺着されるネジが形成されている。このような軸部材7は、燃料極インターコネクタ32および空気極インターコネクタ33と同等、上部部材4と同等、または、熱膨張係数が11×10-6[/℃]程度のSUS410やSUS430が望ましい。本実施の形態においては、軸部材7の材料として、上部部材4よりも熱膨張係数が小さい材料が用いられる。
<ナットの構成>
ナット8は、公知の六角ナットから構成され、各軸部材7の他端に螺着される。このようなナット8は押圧部材に相当する。
ナット8は、公知の六角ナットから構成され、各軸部材7の他端に螺着される。このようなナット8は押圧部材に相当する。
<絶縁部材の構成>
絶縁部材9,10は、スタック3と同等の平面形状に形成されている。このような絶縁部材9,10は、マイカ、マグネシアまたはアルミナなどから構成される。中でも、マイカは低コストであるために望ましい。また、絶縁部材9,10の厚さは、下部部材2または上部部材4とより確実に絶縁するために、少なくとも1[mm]以上に形成されている。
絶縁部材9,10は、スタック3と同等の平面形状に形成されている。このような絶縁部材9,10は、マイカ、マグネシアまたはアルミナなどから構成される。中でも、マイカは低コストであるために望ましい。また、絶縁部材9,10の厚さは、下部部材2または上部部材4とより確実に絶縁するために、少なくとも1[mm]以上に形成されている。
[固体酸化物形燃料電池の組み立て方法]
次に、本実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池の組み立て方法について説明する。
次に、本実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池の組み立て方法について説明する。
まず、下部部材2を地面や基台などの上に配置した後、下部部材2の各穴21に軸部材7を螺着させる。これにより、軸部材7は、下部部材2に対して垂設されることとなる。
軸部材7を固定すると、下部部材2上面の軸部材7に囲まれた領域に絶縁部材9を載置した後、この絶縁部材9上にスタック3を配設する。ここで、スタック3は、図4に示すように組み立てられた状態で絶縁部材9上に配設される。また、スタック3は、セル30の積層方向と下部部材2の上面に対して垂直な方向、すなわち、鉛直方向とが一致するように絶縁部材9上に配設される。このとき、軸部材7とスタック3とは離間している。また、下部部材2とスタック3との間に絶縁部材9が設けられている。したがって、下部部材2とスタック3とは電気的に絶縁された状態となっている。
スタック3を配設すると、このスタック3上に絶縁部材10を載置した後、上部部材4の各孔41を対応する軸部材7の他端(開放端)に挿入して、上部部材4を絶縁部材10上に配設する。このとき、上部部材4の移動方向は、上部部材4の孔41に軸部材7が挿通されているので、軸部材7の延在方向、すなわち、下部部材2に対して垂直な方向(鉛直方向)に規制される。また、上部部材4と下部部材2とは、略平行になるとともに、スタック3のセル30の積層方向に対して垂直になっている。さらに、スタック3と上部部材4との間に絶縁部材10が設けられているので、スタック3と上部部材4とは電気的に絶縁された状態となっている。
上部部材4を配設すると、この上部部材4上面の凹部42上に球状部材5を配設する。ここで、凹部42を設けることにより、球状部材5が上部部材4上を移動するのを防ぎ、球状部材5を上部部材4上の所定の位置に配設することができる。
球状部材5を配設すると、押さえ部材6の各孔61を対応する軸部材7の他端に挿入した上で、押さえ部材6を球状部材5上に配設する。このとき、球状部材5と押さえ部材6とは、押さえ部材6の下面に形成した凹部62に接触する。また、押さえ部材6の移動方向は、押さえ部材6の孔61に軸部材7が挿通されているので、鉛直方向に規制される。
押さえ部材6を配設すると、ナット8を各軸部材7の他端に螺合させ、所定のトルクでナット8を締め付けて固定する。これにより、固体酸化物形燃料電池1が組み立てられることとなる。
このとき、押さえ部材6は、ナット8により軸部材7の延在方向に沿いかつ下部部材2に向かって、すなわち鉛直下方に向かって押圧される。この押さえ部材6は、ナット8および軸部材7を介して、下部部材2に接続されている。また、押さえ部材6の下面には球状部材5が当接しており、この球状部材5の押さえ部材6と反対側には上部部材4が当接している。そして、下部部材2と上部部材4との間には、絶縁部材9または絶縁部材10を介してスタック3が配設されている。したがって、ナット8を締め付けることにより、スタック3は、下部部材2と上部部材4によりこれらが互いに近づく方向に押圧される、すなわち、鉛直上下方向から押圧されることとなる。このとき、スタック3は、セル30の積層方向、すなわち、単セル31、空気極インターコネクタ32および燃料極インターコネクタ33などの積層方向が、下部部材2と上部部材4の移動方向(鉛直方向)と一致している。したがって、対となる空気極インターコネクタ32と燃料極インターコネクタ33とが近づく方向に押圧されるので、スタック3の各構成要素間の接触、具体的には、燃料極インターコネクタ31と燃料極側集電体34との間、燃料極側集電体34と単セル31の燃料極311との間、空気極インターコネクタ32と空気極側集電体38との間、空気極側集電体38と単セル31の集電層314との間の接触がそれぞれ良好となるので、より高い出力を得ることができる。
また、ナット8により押さえ部材6に付与された押圧力は、球状部材5を介して上部部材4に伝達される。ここで、球状部材5の押さえ部材6側の面は、押さえ部材6下面の凹部62と摺接している。また、球状部材5の上部部材4側の面は、上部部材4上面の凹部42と摺接している。したがって、上部部材4には軸部材7の延在方向、すなわち鉛直方向に沿った押圧力がかかることになる。これにより、各ナット8の座面抵抗が異なり、ナット8による締め付けにばらつきがあって押さえ部材6が鉛直方向に対して斜めに押圧されても、球状部材5の球面により、上部部材4は鉛直方向に沿って押圧されることとなる。よって、スタック3の各構成要素における接触面、具体的には、燃料極インターコネクタ32と燃料極側集電体34との接触面、燃料極側集電体34と単セル31の燃料極311との接触面、空気極インターコネクタ32と空気極側集電体38との接触面、空気極側集電体38と単セル3の集電層314との接触面に、それぞれ均一に荷重がかかるので、それらの構成材料間の接触が良好となり、結果として、高出力化を実現することができる。
このとき、上部部材4上面の凹部42および押さえ部材6下面の凹部62を設けることにより、球状部材5が上部部材4と押さえ部材6との間の空間を移動することを防ぐことができる。結果として、より確実に上部部材4を鉛直方向に押圧することができる。
[固体酸化物形燃料電池の動作]
次に、上述したような手順で組み立てられる固体酸化物形燃料電池1の発電動作について説明する。
次に、上述したような手順で組み立てられる固体酸化物形燃料電池1の発電動作について説明する。
まず、ヒータ等により、固体酸化物形燃料電池1を所定の温度まで加熱した後、燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給する。ここで、ドライ水素等の燃料ガスは、燃料ガスマニホールド39から燃料極インターコネクタ32の燃料ガス流路32aおよび燃料供給部32aを通り、燃料極側集電体34を経由して、単セル31の燃料極311に供給される。一方、空気等の酸化剤ガスは、酸化剤ガスマニホールド40から空気極インターコネクタ33の酸化剤ガス流路33aおよび酸化剤ガス供給部33bを通り、空気極側集電体38を経由して、単セル31の集電層114から空気極113に供給される。このように燃料ガスおよび酸化剤ガスが所定の温度下において単セル31に供給されると、燃料極311と空気極313とにおいて電気化学反応が発生する。
このような状態で、スタック3の上端セル30における空気極インターコネクタ33と下端のセル30における燃料極インターコネクタ32とを端子として負荷回路に接続すると、電力を取り出すことができる。
このとき、球状部材5は、上部部材4および押さえ部材6よりも熱膨張係数が高い材料から構成されている。また、上部部材4および押さえ部材6は、軸部材7よりも熱膨張係数が高い材料から構成されている。したがって、発電のために固体酸化物形燃料電池1が加熱されると、球状部材5が上部部材4および押さえ部材6よりも膨張するので、上部部材4と押さえ部材6とが離間する方向の力が付与されてスタック3に荷重がかかるので、出力を向上させることができる。また、上部部材4および押さえ部材6が軸部材7よりも膨張するので、上部部材4および押さえ部材6が下部部材2に近づく方向の力が付与されてスタック3に荷重がかかるので、出力を向上させることができる。さらに、軸部材7と、燃料極インターコネクタ32および空気極インターコネクタ32とが同等の熱膨張係数の材料から構成されているので、発電のために固体酸化物形燃料電池1を加熱しても同様に膨張するため、固体酸化物形燃料電池1の破損を防ぐことができる。
ここで、本実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池1により実際に発電を行った際の測定結果を図5に示す。この図5において、パターン1は球状部材5にSUS430を用いた場合、パターン2は球状部材5にSUS310を用いた場合を示している。また、比較のため、パターン3として球状部材5を設けない場合についても示す。このパターン3においては、上部部材4と押さえ部材6とが接触している。なお、図5では、スタック3が1つのセル30から構成され、燃料利用率が60[%]、電圧が50[A]における測定結果を示している。
図5に示すように、球状部材5にSUS430を用いた場合(パターン1)の出力は34[W]、球状部材5としてSUS310を用いた場合(パターン2)の出力は42[W]であった。一方、球状部材5を用いない場合(パターン3)の出力は28[W]であった。このように、球状部材5を用いることにより、球状部材5を用いない場合よりも出力が向上することが確認された。また、球状部材5として熱膨張係数が大きいSUS310を用いた場合の方が、出力が高くなることも確認された。
以上説明したように、本実施の形態によれば、上部部材4と押さえ部材6との間に球状部材5を設けることにより、例えば押さえ部材6がセル30の積層方向に対して斜めに押圧されても、上部部材4および押さえ部材6が球状部材5の球面に接触しているので、上部部材4がセル30の積層方向に押圧される。これにより、スタック3をセル30の積層方向に一様に押圧することができる。また、バネやベローズなどを用いなくてもスタック3を積層方向に一様に押圧できるので、低コストを実現することができる。
なお、本実施の形態では、上部部材4と押さえ部材6との間に球体からなる球状部材5を設ける場合を例に説明したが、上部部材4および押さえ部材6の少なくとも一方との接触面が球面から構成される、すなわち、上部部材4および押さえ部材6の少なくとも一方と面で接触しなければ、上部部材4と押さえ部材6との間に設ける部材は球体に限定されず、適宜自由に設定することができる。したがって、例えば、半球体や回転楕円体などを球面を有する部材や、錐体など点で接触する部材を設けるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、軸部材7およびナット8により押さえ部材6を押圧する場合を例に説明したが、押さえ部材6を押圧するための構成はこれに限定されず、例えば、下部部材2と押さえ部材6とをクランプする装置を設けるなど、各種方法を適宜自由に用いることができる。
また、本実施の形態では、球状部材5と当接する上部部材4および押さえ部材6に球面状の凹部42または凹部62を設ける場合を例に説明したが、それらの代わりに孔を形成するようにしてもよい。このようにしても、球状部材5と上部部材4および押さえ部材6とは、摺接することになり、実質的に一点で当接することになるので、本実施の形態と同等の作用効果を実現することができる。なお、凹部42および凹部62を設けないようにしてもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態では、上部部材4、球状部材5、押さえ部材6および軸部材7が金属から構成される場合を例に説明したが、それぞれ本実施の形態で説明した熱膨張係数を有するのであればその材料は金属に限定されず、例えばセラミックスなど各種材料を用いることができる。
また、本実施の形態では、ナット8により押さえ部材6が押圧して固定する場合を例に説明したが、押さえ部材6を固定するための構成はナット8に限定されず、例えば、かしめ、クランプ、溶接など、各種方法を用いることができる。
なお、本実施の形態では、下部基板2、上部基板4、押さえ板6、燃料極インターコネクタ32および空気極インターコネクタ33が平面視略矩形に形成された場合を例に説明したが、それらの平面形状は矩形に限定されず、例えば円形など適宜自由に設定できることは言うまでもない。同様に、単セル31についても、平面視略円形に形成された場合を例に説明したが、それらの平面形状は円形に限定されず、例えば矩形など適宜自由に設定できることは言うまでもない。
本発明は、固体酸化物形燃料電池に適用することができる。
1…固体酸化物形燃料電池、2…下部部材、3…スタック、4…上部部材、5…球状部材、6…押さえ部材、7…軸部材、8…ナット、9,10…絶縁部材、21…穴、30…セル、31…単セル、32…燃料極インターコネクタ、32a…燃料ガス流路、32b…燃料ガス供給部、33…空気極インターコネクタ、33a…酸化剤ガス流路、33b…酸化剤ガス供給部、34…燃料極側集電体、35…セルホルダ、36…シール部材、37…絶縁部材、38…空気極側集電体、39…燃料ガスマニホールド、40…酸化剤ガスマニホールド、41…孔、42…凹部、61…孔、62…凹部、311…燃料極、312…電解質、313…空気極、314…集電層。
Claims (7)
- 板状の第1の部材と、
燃料極、この燃料極上に配設された固体酸化物からなる電解質およびこの電解質上に配設された空気極からなる単セルと、この単セルを収容した収容部材とを含むセルを前記第1の部材上に複数積層したスタックと、
前記スタック上に配設された板状の第2の部材と、
前記スタック上方の前記第2の部材上に配設された第3の部材と、
前記第2の部材と離間して第3の部材上に配設された板状の第4の部材と、
この第4の部材を前記第1の部材に向かって押し付ける第5の部材と
を備え、
前記第3の部材は、前記第2の部材および前記第4の部材のうち少なくとも一方との接触面が球面からなる
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項1記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記第5の部材は、
前記スタックと離間して前記第1の部材に垂設され、開放端が前記第2の部材および前記第3の部材を貫通する複数の軸部材と、
各前記軸部材の他端側に設けられ、前記第3の部材を前記軸部材に沿って当該軸部材の前記一端側に向かって押圧する押圧部材と
から構成されることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項2記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記収容部材および前記軸部材は、前記第2の部材、前記第3の部材および前記第4の部材よりも熱膨張係数が小さい材料から構成される
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項2または3記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記収容部材および前記軸部材は、第1の値の熱膨張係数を有する材料から構成され、
前記第2の部材および前記第4の部材は、前記第1の値よりも大きい第2の値の熱膨張係数を有する材料から構成され、
前記第3の部材は、前記第2の値よりも大きい第3の値の熱膨張係数を有する材料から構成される
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記第2の部材および前記第4の部材のうち少なくとも一方は、中央部に形成された凹部を有し、
前記第3の部材は、前記球面が前記凹部上に配設される
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項1乃至5の何れか1項に記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記第3の部材は、球体から構成される
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 燃料極、この燃料極上に配設された固体酸化物からなる電解質およびこの電解質上に配設された空気極からなる単セルと、この単セルを収容した収容部材と含むセルを複数積層したスタックを、板状の第1の部材上に配設する第1のステップと、
板状の第2の部材を前記スタック上に配設する第2のステップと、
第3の部材を前記スタック上方の前記第2の部材上に配設する第3のステップと、
板状の第4の部材を、前記第2の部材と離間した状態で前記第3の部材上に配設する第4のステップと、
前記第4の部材を、前記第1の部材に向かって押し付ける第5のステップと
を有し、
前記第3の部材は、前記第2の部材および前記第4の部材のうち少なくとも一方との接触面が球面からなる
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池の組み立て方法。
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