JP5662054B2 - 腐食電位センサ - Google Patents

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Description

本発明は原子力発電所の原子炉機器に取り付けられる腐食電位センサに関する。
原子力発電所の原子炉機器は、一般的にステンレス鋼及びニッケル基合金等の構造材料で構成されている。これらの構造材料は、特定の条件の下では応力腐食割れ(以下、SCCという)の感受性が表れる。したがって、原子炉の健全性を維持するためにはSCCの防止策が必須となっている。また近年、地球温暖化について全世界で活発な議論がなされている中、二酸化炭素を排出しない原子力発電の導入促進と、原子炉機器の長寿命化による経済性向上の観点からもSCCの予防策は重要な課題となっている。
SCCの防止策として、材料の耐食性向上、応力の改善、あるいは腐食環境の緩和を目的とした技術が適用されている。
沸騰水型原子炉(BWR)では構造材料が腐食環境となる原子炉冷却水(炉水)に曝されているため、SCC対策の一つとして水素注入が国内外で広く行われている。
水素注入の従来技術として、例えば特許第2687780号公報(特許文献1)が挙げられる。
原子炉圧力容器内(炉内)の炉水が放射線分解により腐食の原因となる酸素や過酸化水素が生成され、この酸素や過酸化水素によって腐食環境が形成してしまう。そこで特許文献1による水素注入では、給水系を通じて炉水に水素を添加し、酸素や過酸化水素と反応させて水に還元させている。その結果、酸素及び過酸化水素濃度が低下し、構造材料の腐食電位(Electrochemical Corrosion Potential)が低下するためにSCCの発生及び進展速度が緩和されるようになっている。
さらに、特開平4-223299号公報(特許文献2)では、水素注入時の腐食電位低下を促進する従来技術が開示されている。これは、白金族貴金属元素が有する水素の電気化学反応への触媒作用を利用して、水素注入適用時に腐食電位をより大きく低下させるものである。
また、特開平11−148909号公報(特許文献3)は電位検出部の側面を絶縁体で覆ったものである。
さらに、特開2009−42111号公報(特許文献4)は腐食電位センサの寿命を延ばすために、センサの接合部分外面を酸化イットリウム層で覆った構造が開示されている。
特許第2687780号公報 特開平4−223299号公報 特開平11−148909号公報 特開2009−42111号公報
ところで、腐食電位検出センサの電位検出部は先端の平面部だけでなく外周の側面部でも電位を検出することが可能である。ところが、特に特許文献3のように電位検出部の側面部を絶縁体で覆ってしまうと、電位の検出面積が狭くなり正確な計測ができないという問題がある。
本発明の目的は、腐食電位センサ側面の電位の影響を受けにくく、広範な条件で構造材料表面の腐食電位を正確に測定する事が可能な腐食電位センサを提供することにある。
原子炉を構成する配管と、この配管と直交するように設けられた分岐管と、配管内を通流する炉水に接触するように分岐管に固定された電位検出部と、この電位検出部の側面を覆う円筒状の絶縁体とを備えた腐食電位センサにおいて、電位検出部の上面は配管の内壁面と同一平面となるように分岐管に固定され、絶縁体が円筒状の絶縁部材であり、電位検出部の上面側が開放されている絶縁部材が、分岐管内に配置されて電位検出部を分岐管に固定するセンサボディ、び分岐管の内面のいずれかに取り付けられており、絶縁部材の、電位検出部の上面側の端面が、絶縁部材の軸方向において電位検出部の上面と同じ位置に位置し、電位検出部の側面と絶縁部材との間に、電位検出部を取り囲む隙間を設けたことにより達成される。
また上記目的は、前記円筒状の絶縁部材はジルコニア、サファイヤ、アルミナ、ダイヤモンドであることにより達成される。
また上記目的は、前記絶縁部材は表面に酸化被膜を付与したジルコニウムと、表面に酸化被膜を付与したアルミニウムの中から選択された物質であることにより達成される。
また上記目的は、前記腐食電位センサと前記絶縁部材は機械的締結、ロウ付け、溶接、高温はんだから選ばれた少なくとも1つの方法で結合されることにより達成される。
また上記目的は、前記分岐管の内面と前記絶縁部材は機械的締結、ロウ付け、溶接、高温はんだから選ばれた少なくとも1つの方法で結合されることにより達成される。
また上記目的は、沸騰水型原子炉の炉浄化系、ボトムドレン、再循環系、及び圧力容器内の中から選ばれた少なくとも一つ以上の場所に設置された腐食電位センサであることにより達成される。
また上記目的は、加圧水型原子炉の一次系、二次系に設置された腐食電位センサであることにより達成される。
本発明によれば、腐食電位センサ側面の電位の影響を受けにくく、広範な条件で構造材料表面の腐食電位を正確に測定する事が可能な腐食電位センサを提供できる。
原子力プラントの概略構成図である。 図1の再循環系配管に取り付けられた腐食電位センサを示す構成図である。 本発明の第1の実施例を備えた腐食電位センサの断面図である。 本発明の第2の実施例を備えた腐食電位センサの断面図である。 本発明の第3の実施例を備えた腐食電位センサの断面図である。 本発明の第4の実施例を備えた腐食電位センサの断面図である。 沸騰水型原子炉で実測した水素注入時の炉水溶存酸素濃度及び腐食電位の給水水素濃度依存性の一例を示すグラフ図である。 BWR条件で腐食電位の及ぶ範囲を調べた結果を示すグラフ図である。
実施例の説明をする前に原子力プラントの概要と腐食電位センサを図1、図2を用いて説明する。
図1は原子力プラントの概略構成図である。
図2は再循環系配管に取り付けられた腐食電位センサを示す構成図である。
図1において、原子力プラントは、原子炉30、給水系、再循環系、主蒸気系、タービン37、復水器38及び原子炉浄化系を備えている。原子炉30は、原子炉圧力容器31を有し、炉心32が原子炉圧力容器31内に配置されている。複数の燃料集合体(図示せず)が炉心32内に装荷されている。
給水系は復水器38と原子炉圧力容器31を連絡する給水配管39を有している。給水ポンプ40は給水配管39に設けられている。主蒸気系は、原子炉圧力容器31とタービン37を連絡する主蒸気配管36を有している。再循環系は、原子炉圧力容器31に連絡される再循環系配管34、及び再循環系配管34に設けられた再循環ポンプ35を有している。原子炉圧力容器31及び再循環系は原子炉格納容器46内に設置されている。原子炉浄化系は、再循環系配管34と給水配管36に接続される浄化系配管41、及び浄化系配管41に設けられた浄化系ポンプ42及び浄化装置43を有している。水素注入装置45は給水配管39に接続される。
原子炉圧力容器31内の冷却水(炉水)は、炉心32内で燃料集合体に含まれる核燃料物質の核***によって発生する熱で加熱され、一部が蒸気になる。この蒸気は、原子炉圧力容器31から排出されて主蒸気配管36を通ってタービン37に供給されてタービン37を回転させる。タービン37に連結された発電機が回転されて電力が発生するものである。
タービン37から排出された蒸気は、復水器38で凝縮されて水になる。この凝縮水である給水が、給水ポンプ40で昇圧され、給水配管39を通って原子炉圧力容器31に供給される。水素が、水素注入装置45から給水配管39内を流れる給水に注入され、給水と共に原子炉圧力容器31内に導かれる。炉水はこの水素を含んでいる。
蒸気にならなかった大部分の炉水は、原子炉圧力容器31内に設置された気水分離器(図示せず)によって蒸気から分離される。分離された炉水は、原子炉圧力容器31と炉心32の間に形成されるダウンカマ33内を下降して、再循環系配管34内に流入する。再循環ポンプ35は、この炉水を昇圧する。昇圧された炉水は、ダウンカマ33内に設置されたジェットポンプ(図示せず)内に噴出され、ダウンカマ33内の炉水をジェットポンプ内に吸い込む。
ジェットポンプから吐出された炉水は、炉心32に供給される。給水配管39によって導かれた水素を含む給水は、気水分離器によって分離された炉水とダウンカマ33内で混合される。再循環系配管34内に流入した炉水の一部は、浄化系配管41に導かれ、浄化系配管41に設けられた浄化装置43によって浄化される。この浄化装置43から排出された炉水は、浄化系配管41及び給水配管39を通って原子炉圧力容器31内に戻される。原子炉圧力容器31の底部に接続されたボトムドレン配管44が炉浄化系配管41に接続される。
腐食電位センサ10a、10bは、再循環系配管34及びボトムドレン配管44にそれぞれ設置される。再循環系配管34に腐食電位センサ10aが設置され、ボトムドレン配管44に腐食電位センサ10bが設置される。
これらの腐食電位センサ10a,10bは、図2に示すような構成を有しているが、図2では腐食電位センサ10aを代表して図示して説明する。
図2において、腐食電位センサ10aを設置するための分岐管部47が再循環系配管34に取付けられている。腐食電位センサ10aは、電位検出部11が再循環系配管34の中心軸を向くように配置されて分岐管部47内に挿入されて固定されている。この分岐管部47の端部と腐食電位センサ10aとの間は、再循環系配管34内を流れる炉水が漏洩しないように、シール部材にてシールされている。
リード線19は分岐管部47の外部に達し、エレクトロメータ27に接続される。エレクトロメータ27に接続される他のリード線48は再循環系配管34に接続される。電位検出部11と再循環系配管34は電気的には接触されていない。
なお、腐食電位センサ10bは、図1に示したボトムドレン配管44に設けられた分岐管部47に、腐食電位センサ10aと同様に取り付けられる。
リード線19は電位検出部11に接続され、この電位検出部11及び金属筐体18が絶縁体15にろう付けされている。このリード線19は電位検出部11からリード線引き出し冶具20を貫通し、エレクトロメータ27に接続される。
このような腐食電位センサ10aは、電位検出部11と再循環系配管34の間で発生する電位差を検出する。この電位差はエレクトロメータ27により測定され、エレクトロメータ27は測定した電位差に基づいて電位検出部11近傍の再循環系配管34の腐食電位が求められる。
さて、電位検出部11と分岐管47との間に隙間があると、この隙間で炉水がよどんでしまい正確な電位を検出できない。そのため上述した特許文献3のように、腐食電位デンサ10aにある電位検出部の側面を管状絶縁体で覆うことが考えられる。
ところが、電位検出部11の側面が絶縁体で覆われてしまうと電位検出部11の検出面積が小さくなってしまい、検出精度が低下してしまうことが分かった。
そこで本発明の発明者らは電位検出部11の側面と絶縁体49との間に隙間を設けることを考えたものである。
以下、本発明の一実施例を図にしたがって説明する。
図3は、本発明の第1の実施例を備えた腐食電位センサの断面図である。
図3において、基準電位を発生する腐食電位センサとして、本実施例では銀/塩化銀電極48を内包した銀/塩化銀型腐食電位センサ10aを使用している。腐食電位センサ10aの金属部材の外周にネジ加工が施され、内周にネジ加工を施した高純度サファイヤ製絶縁体壁49が金属部材の外周に取り付けられている。
銀/塩化銀型の腐食電位センサ10aは、高純度サファイヤ製の絶縁体50とセンサボディ51が外部スリーブ52を介してロウ付けによって結合されている。絶縁体50内の水室には銀/塩化銀電極48が装荷され、高純度サファイヤ製の電位検出部11が絶縁体50の上部に固定されている。銀/塩化銀電極48が芯線19に接続され、芯線19は内部スリーブ53と鉱物絶縁ケーブル54を介して外部に導出されている。
高純度サファイヤ製絶縁体壁49の内面、及び外部スリーブ52の外面にはネジ加工を施され、ネジ込みによって外部スリーブ52に高純度サファイヤ製絶縁体壁49を固定している。このとき、高純度サファイヤ製絶縁体壁49の末端は電位検出部11と同じ高さとなるように固定されている。
銀/塩化銀型腐食電位センサ10aとアダプタ55は溶接によって固定され、アダプタ55を分岐管47に溶接によって固定する事で、腐食電位測定用配管母管34に対する腐食電位センサ10aの相対位置を固定する。
この腐食電位センサ10aは、電位検出部11と絶縁体50の摺動部が電位検出のための液絡として機能する。よって、電位を検出する部分は図3に示したように、電子検出部11と絶縁体49との間隙と電位検出部11の上面部分となる。腐食電位センサ10aは絶縁体50の外周を高純度サファイヤ製絶縁体壁49で覆うことで、腐食電位測定用配管母管34の内部を通流する炉水に接する電位検出部11の面を規制できる。すなわち、測定される腐食電位を、腐食電位測定用配管母管34の接液部内面に制御する事ができる。
次に、図4を用いて第2の実施例を説明する。
図4は本発明の第2の実施例を備えた腐食電位センサの断面図である。
図4において、本実施例は腐食電位センサとして白金の電位検出部11を具備した白金型腐食電位センサ10aを使用したものである。つまり、本実施例は白金型腐食電位センサ10aの金属部材の外周に、高純度サファイヤ製絶縁体壁49をロウ付けにより固定したものである。
白金型腐食電位センサ10aは、白金の電位検出部11と絶縁体50がロウ付けによって結合されている。この絶縁体50とセンサボディ51はロウ付けによって結合され、芯線19が白金の電位検出部11に接続されている。芯線19は鉱物絶縁ケーブル56とキャップ57を介して外部に導出されている。センサボディ51と絶縁体壁49はロウ付けによって固定され、センサボディ51とアダプタ55は溶接で結合されている。アダプタ155と分岐管47を溶接によって固定する事で、腐食電位測定用配管母管34に対する腐食電位センサ10aの相対位置固定される。
このとき、高純度サファイヤ製絶縁体壁49の末端が白金の電位検出部11の先端と同じ高さとなるように固定する。その他の構成は、第1の実施例と同一であるのでその説明は省略する。
白金型の腐食電位センサ10aには液絡部は無く、白金の電位検出部11部全体が電位検出部である。よって、電位検出部11の側面もセンサとして機能している。白金型の腐食電位センサ10aは絶縁体50の外周を絶縁体壁49で覆う事で、電位検出部に対する分岐管47の最近接位置を流れに接する面に制御できる。すなわち、測定される腐食電位を、腐食電位測定用配管母管34の接液内面とする事ができる。
次に、図5を用いて第3の実施例を説明する。
図5は本発明の第3の実施例を備えた腐食電位センサの断面図である。
図5において、本実施例は腐食電位センサとしてジルコニア隔膜型の腐食電位センサ10aに、ネジ切り等の加工を加えることなくそのまま使用したものである。つまり、分岐管47の内周に水蒸気中で酸化被膜を形成させたジルコニウム合金製円筒状絶縁部材49をネジ込みにより固定したものである。
分岐管47の内面の端部近傍に予めネジ加工を施しておき、腐食電位センサ10a、及びアダプタ55を取り付けるよりも前の工程で、ジルコニウム合金製円筒状絶縁部材49を分岐管47にネジ込みにより固定したものである。このとき、ジルコニウム合金製円筒状絶縁部材49の末端が、腐食電位測定用配管母管34の炉水流動面位置と同じになるように取り付ける。その他の構成は、第一の実施例と同様であるためその説明は省略する。
本実施例による腐食電位センサ10aの電位検出部11は、センサの頭頂部に位置する円筒状のジルコニア隔膜57の内部に触媒が充填された領域である。したがって、電位検出部11の領域はセンサ頭頂部から側面にかけて位置している。
分岐管47の内周にジルコニウム合金製円筒状絶縁部材49を配置させる事で、電位検出部11に対する分岐管47の最近接位置を、流れに接する面に制御できる。すなわち、測定される腐食電位を腐食電位測定用配管母管34の接液内面とする事ができる。
次に、図6を用いて第4の実施例を説明する。
図6は本発明の第4の実施例を備えた腐食電位センサの断面図である。
図6において、本実施例は第1の実施例と同様に、腐食電位センサとして銀/塩化銀型の腐食電位センサ10aを使用したものである。ただし第1の実施例とは異なり、外部スリーブ52にネジ加工をする事なく、腐食電位測定用配管母管34の内周にプラズマスプレイコーティングにより酸化アルミニウム膜49aを形成したものである。
分岐管47の内壁面に腐食電位センサ10a、及びアダプタ55を取り付けるよりも、前の工程でプラズマスプレイコーティングにより酸化アルミニウム膜49aを形成させたものであり、その他の構成は、第3の実施例と同様であるためその説明は省略する。
本実施例によれば、分岐管47の内周に酸化アルミニウム膜49aを形成したことにより、電位検出部に対する腐食電位測定用配管母管34の最近接位置を流れに接する面に制御できる。つまり、測定される腐食電位を腐食電位測定用配管母管34の接液内面とする事ができる。
さて、腐食環境緩和技術では構造材料の腐食電位を高い精度であることが望ましい。そこで、炉内あるいは炉外配管に腐食電位センサを設置し、構造材料の腐食電位を測定することが一般的に行われている。このような腐食電位センサは、使用条件下で腐食電位測定の基準となる一定の電位(基準電位)を発生させるため、この腐食電位センサのことを基準電極、参照電極、あるいは照合電極とも呼ばれている。
上述した構造材料が炉水の温度、酸素濃度、過酸化水素濃度、及び流速の条件の下で有する電位と腐食電位センサが有する基準電位との電位差を電位差計で測定する事により構造材料の腐食電位を知る事ができる(腐食電位は通常、どのような基準電極を基準にして得た値かを表示する)。
基準として標準水素電極電位が広く用いられ、各温度における水素の酸化還元反応(0V)を基準としている事を意味するvs.SHE(versus Standard Hydrogen Electrode)を電位差の単位である、Vの直後に付し、Vvs.SHEのように表記する。
そこで、本発明の発明者らは沸騰水型原子炉(BWR)で水素注入を実施した。
図7は沸騰水型原子炉で実測した水素注入時の炉水溶存酸素濃度及び腐食電位の給水水素濃度依存性の一例を示すグラフ図である。
図7において、BWRで水素注入を実施したときの給水中水素濃度に対するサンプリング系で測定した溶存酸素濃度の変化と、ECPの変化を測定した結果、給水水素濃度が上昇すると溶存酸素濃度が低下し、それに追従してECPが低下する様子が分かる。したがって、ECPを精度良く評価するには、腐食電位センサの設置が不可欠であり、原子炉の運転条件で使用可能である事が求められる。
すなわち、図7で表した−0.2Vvs.SHE以下の範囲の腐食電位(ECP)であればひび割れが進んでいないことが分かる。
図8は沸騰水型原子炉で実測した水素注入時の炉水溶存酸素濃度及び腐食電位の給水水素濃度依存性の一例を示すグラフ図である。
図8において、BWRのような炉水の導電率に低い環境においては、電位の及ぶ範囲が極めて限定されている事になる。つまり、SUS304ステンレス鋼の試験片において、一部を白金蒸着し、残りの部位はSUS304鋼のままの状態とした試験片の試験片表面の腐食電位の分布を、280℃のBWR条件を模擬した環境で腐食電位センサを走査しながら測定した。
酸素に対して水素が化学量論比で2以上となる条件に制御したので、白金蒸着部の腐食電位は-0.4〜-0.3V vs SHEの一定値を示した。白金蒸着部とSUS304鋼の境界部からSUS304鋼側にセンサを移動させると腐食電位は次第に上昇し、12mm離れた位置では完全にSUS304鋼と同じ値を指示した。このとき、白金の電位が及んだ範囲は、高々5mm程度までであった。さらに、白金の電位と同じ値の領域は白金蒸着境界のごく近傍でのみ見られ、数mm離れると白金の電位とSUS304鋼の電位が混成している事が判った。このことから、再循環系配管の電位を正確に測定するためには、腐食電位センサの電極部は分岐管の内壁面よりも再循環系配管との距離が近くなければならない事が分かる。
以上のごとく、本発明の請求項1によれば、センサ側面に電位検知部を有する場合であっても、絶縁体壁を設置する事で電位測定のための閉回路の形成経路を制御する事が可能となるため、所望位置の腐食電位を検知できる腐食電位センサが提供できる。
また、固定用配管の内径と腐食電位センサの外径との間隔が狭い場合においても、絶縁材壁によって電気力線の経路を制御できるために、固定用配管の内面の電位の影響を大きく受ける事なく、最近接の母管の内表面の電位を検知する事が可能となり、広い環境条件で構造材料の腐食電位を正確に測定する事が可能な腐食電位センサ装荷構造を提供できる。
また、本発明の請求項2によれば、ジルコニア、サファイヤ、アルミナ、ダイヤモンドは、BWR炉水条件でも高い抵抗率を有し、また、高温水中でも化学的に不活性であるために、絶縁体としての機能を長時間維持できる腐食電位センサ、及び装荷構造を提供できる。
また、本発明の請求項3によれば、ジルコニウムやアルミニウムは、金属の表面に緻密な酸化被膜を形成させる事で絶縁材として機能する。これらは金属であり機械的強度が高いためにルースパーツの懸念が無く、絶縁体としての機能を長時間維持できる腐食電位センサ、及び装荷構造を提供できる。
また、本発明の請求項4によれば、溶接、及び高温はんだによる結合が可能である。もちろん金属製の該絶縁体壁を、機械的締結法で該腐食電位センサの胴と接合しても良い。このような方法を用いる事によって、原子炉の環境中で、長期間に渡って所望位置の腐食電位を検知できる腐食電位センサを提供する事ができる。
また、本発明の請求項5によれば、溶接、高温はんだによる結合が可能である。もちろん金属製の該絶縁体壁を、機械的締結法で該固定用配管と接合しても良い。このような方法を用いる事によって、原子炉の環境中で長時間に渡って、所望位置の腐食電位を検知できる腐食電位センサ装荷構造を提供する事ができる。
また、本発明の請求項6によれば、固定用配管内面のうち該腐食電位センサが設置される領域に対して、該絶縁体壁を、CVD、PVD、ゾルゲル法、プラズマスプレイコーティングから選ばれた少なくとも1つの方法で形成されるものであるから、固定用配管の腐食電位を検知したい位置を制御する事が可能となり、原子炉の環境中で長時間に渡って、所望位置の腐食電位を検知できる腐食電位センサ装荷構造を提供する事ができる。
また、本発明の請求項7によれば、沸騰水型原子炉の炉浄化系、ボトムドレン、再循環系、及び圧力容器内の中から選ばれた少なくとも一つ以上の場所に設置されることにより、原子炉の腐食環境を把握し、原子炉の長期的な安全性、健全性及び信頼性を確保するための保全策を提供する事ができる。BWRの炉内の腐食環境は、炉内の領域によって異なるため、SCCから保護したい部位の近傍で腐食電位を測定する事により、より正確に精度良く腐食環境を把握する事ができる。
また、本発明の請求項8によれば、加圧水型原子炉の一次系、二次系に本発明の腐食電位センサが設置される事により原子炉の腐食環境を把握し、原子炉の長期的な安全性、健全性及び信頼性を確保するための保全策を提供する事ができる。PWRの炉内の腐食環境は、一次系及び二次系でそれぞれ異なるだけでなく、一つの系であっても部位によって異なるため、SCCやFACから保護したい部位の近傍において腐食電位を測定する事により、より正確に精度良く腐食環境を把握する事ができる。
また、本発明の請求項9によれば、分岐管の内周に酸化アルミニウム膜を形成したことにより、電位検出部に対する腐食電位測定用配管母管の最近接位置を流れに接する面に制御できる。つまり、測定される腐食電位を腐食電位測定用配管母管の接液内面とする事ができる。
このように本発明によれば、腐食電位センサ側面の電位の影響を受けにくく、広範な条件で構造材料表面の腐食電位を正確に測定する事が可能な腐食電位センサ、及び装荷構造を提供する事ができる。これにより、原子炉の腐食電位が長期に渡って様々な水質の下で適切に測定する事が可能となり、原子炉構造材料の応力腐食割れあるいは流動加速腐食の対策の効果を精度良く評価する事ができるようになり、原子炉の健全性及び信頼性の向上につながる。
10a、10b・・・腐食電位センサ、11・・・電位検出部、15・・・絶縁体、18・・・金属筐体、19・・・リード線、27・・・エレクトロメータ、30・・・原子炉、31・・・原子炉圧力容器、32・・・炉心、33・・・ダウンカマ、34・・・腐食電位測定用配管母管、35・・・再循環ポンプ、36・・・主蒸気配管、37・・・タービン、38・・・復水器、39・・・給水配管、40・・・給水ポンプ、41・・・浄化系配管、42・・・43・・・浄化装置、44・・・ボトムドレン配管、45・・・水素注入装置、46・・・原子炉格納容器、47・・・分岐管部、48・・・他のリード線。

Claims (7)

  1. 原子炉を構成する配管と、この配管と直交するように設けられた分岐管と、前記配管内を通流する炉水に接触するように前記分岐管に固定された電位検出部と、この電位検出部の側面を覆う円筒状の絶縁体とを備えた腐食電位センサにおいて、
    前記電位検出部の上面は前記配管の内壁面と同一平面となるように前記分岐管に固定され、
    前記絶縁体が円筒状の絶縁部材であり、前記電位検出部の上面側が開放されている前記絶縁部材が、前記分岐管内に配置されて前記電位検出部を前記分岐管に固定するセンサボディ、及び前記分岐管の内面のいずれかに取り付けられており、前記絶縁部材の、前記電位検出部の上面側の端面が、前記絶縁部材の軸方向において前記電位検出部の上面と同じ位置に位置し、
    前記電位検出部の側面と前記絶縁部材との間に、前記電位検出部を取り囲む隙間を設けたことを特徴とする腐食電位センサ。
  2. 請求項1記載の腐食電位センサにおいて、
    前記円筒状の絶縁部材はジルコニア、サファイヤ、アルミナ、ダイヤモンドであることを特徴とする腐食電位センサ。
  3. 請求項1記載の腐食電位センサにおいて、
    前記絶縁部材は表面に酸化被膜を付与したジルコニウムと、表面に酸化被膜を付与したアルミニウムの中から選択された物質であることを特徴とする腐食電位センサ。
  4. 請求項1記載の腐食電位センサにおいて、
    前記腐食電位センサと前記絶縁部材は機械的締結、ロウ付け、溶接、高温はんだから選ばれた少なくとも1つの方法で結合されることを特徴とする腐食電位センサ。
  5. 請求項1記載の腐食電位センサにおいて、
    前記分岐管の内面と前記絶縁部材は機械的締結、ロウ付け、溶接、高温はんだから選ばれた少なくとも1つの方法で結合されることを特徴とする腐食電位センサ。
  6. 請求項1記載の腐食電位センサにおいて、
    沸騰水型原子炉の炉浄化系、ボトムドレン、再循環系、及び圧力容器内の中から選ばれた少なくとも一つ以上の場所に設置された腐食電位センサ。
  7. 請求項1記載の腐食電位センサにおいて、
    加圧水型原子炉の一次系、二次系に設置された腐食電位センサ。
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