JP5660784B2 - N−(2−アミノエチル)アゾール系化合物の製造方法 - Google Patents

N−(2−アミノエチル)アゾール系化合物の製造方法 Download PDF

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本発明は、アゾール骨格の窒素原子上に2−アミノエチル基を有する化合物の製造方法に関するものである。
従来より、イミダゾール等のアゾール系化合物のN位に2−アミノエチル基を有する化合物は、医薬中間体や各種樹脂の触媒として有用に用いられることが知られていた。
かかる2−アミノエチル基をN位に有するアゾール系化合物の製造方法として、例えば特許文献1には、1−アシルアミノエチル基を有する化合物を加水分解する方法が記載されており、更に非特許文献1においては、アゾール系化合物と水酸化ナトリウムをトルエンまたはアセトニトリル中で撹拌した後、2−クロロエチルアミン・一塩酸塩、テトラブチルアンモニウム硫酸塩を加えて、24時間加熱還流するという製造方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法では、水溶液中で加水分解反応を行うため反応終了後に煩雑な抽出操作を必要とし、さらに該抽出操作では、最終生成物の有機溶媒への分配比率が悪いために水層側への分液ロスが多く、生産効率が低いという問題点があった。
また、非特許文献1に記載の製造方法では、反応に長時間を要し、収率も満足いくものではなく、さらに反応液中に2−クロロエチルアミン・一塩酸塩を一括仕込しているため、N−アルキル化反応が進行し得る温度以下では、反応途中で反応中間体であるアジリジンが大量に発生し、かかる反応中間体が溶媒中で発泡し反応溶液の液面上昇を引き起こすため、安全面での不安を有するものであった。
特開昭62−198668号公報
SYNTHETIC COMMUNICATIONS, 21(4), 535-544(1991)
そこで、本発明は、このような背景下において、反応時間が短く、最終生成物の精製効率もよい、生産効率の高い製造方法であり、反応溶液の発泡による液面上昇も起こらない安全性の高い、N−(2−アミノエチル)アゾール系化合物の製造方法を提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者等は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、アゾール系化合物と2位に脱離基を有するエチルアミン誘導体を反応させN−(2−アミノエチル)アゾール系化合物を製造するにあたり、従来は室温下で一括供給されていたエチルアミン誘導体を、N−アルキル化反応が進行し得る温度下で反応溶液中に分割供給することにより、反応溶液の温度低下を生ずることなく、効率的かつ安全にN−(2−アミノエチル)アゾール系化合物を製造することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の要旨は、アゾール系化合物(A)と2位に脱離基を有するエチルアミン誘導体(B)を塩基(C)存在下、溶媒(D)中で反応させることによりN−(2−アミノエチル)アゾール系化合物を製造するにあたり、反応系内の温度を50℃〜200℃の範囲に維持しながら、2位に脱離基を有するエチルアミン誘導体を0.1時間以上かけて分割供給することを特徴とするN−(2−アミノエチル)アゾール系化合物の製造方法に関するものである。
なお、上記製造方法は、1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾールの製造の場合を例として示すと、以下[図1]のように反応中間体であるアジリジンを経由して製造されるものである。
[図1]
本発明によれば、反応時間が短縮でき、高い収率で最終生成物を得ることができ、さらに最終生成物の精製効率もよいため生産効率が高く、反応溶液の発泡による液面上昇も起こらず高い安全性をもって、N−(2−アミノエチル)アゾール系化合物を製造することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、アゾール系化合物(A)と2位に脱離基を有するエチルアミン誘導体(B)を塩基(C)存在下、溶媒(D)中で反応させて、N−(2−アミノエチル)アゾール系化合物を製造するものである。以下、アゾール系化合物(A)、2位に脱離基を有するエチルアミン誘導体(B)(以下、単に「エチルアミン誘導体(B)」と略すことがある。)、塩基(C)、溶媒(D)について順次説明する。
本発明におけるアゾール系化合物(A)としては、アゾール骨格内に無置換の窒素原子を有するアゾール系化合物であればよく、例えば、1H−ピロール誘導体、1H−イミダゾール誘導体、1H−ピラゾール誘導体、1H−インドール誘導体、9H−カルバゾール誘導体、1H−ベンゾイミダゾール誘導体、1H−トリアゾール誘導体、1H−ベンゾトリアゾール誘導体、1H−テトラゾール誘導体等が挙げられる。中でも本発明においては1H−イミダゾール誘導体の場合、反応性が良い点で特に有効である。
また、上記アゾール系化合物(A)は、固体であっても液体であってもよい。
本発明における2位に脱離基を有するエチルアミン誘導体(B)としては、エチルアミンの2位の炭素原子上に脱離基を有している化合物であればよく、また、上記アゾール系化合物(A)との反応性に影響を及ぼさない範囲内において、エチルアミンの1位および2位の水素原子がアルキル基等のその他置換基により置換されたものであってもよい。
かかるエチルアミン誘導体(B)の脱離基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等のスルホニルオキシ基、スルホン酸基等が挙げられ、これらの中でも、ハロゲン原子、スルホン酸基が好ましく、塩素原子、臭素原子、スルホン酸基が工業的に原料が入手し易い点で特に好ましい。
かかるエチルアミン誘導体(B)としては、2−クロロエチルアミン誘導体、2−ブロモエチルアミン誘導体、2−ヨードエチルアミン誘導体、2−フルオロエチルアミン誘導体、p−トルエンスルホン酸(2−アミノエチル)エステル誘導体、メタンスルホン酸(2−アミノエチル)エステル誘導体、トリフルオロメタンスルホン酸(2−アミノエチル)エステル誘導体、2−アミノエチル硫酸エステル誘導体から選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、中でも2−クロロエチルアミン誘導体の場合には反応性が良い点や工業的に原料が入手可能である点で特に有効である。
かかるエチルアミン誘導体(B)は、液体のもの、固体のもののどちらを用いてもよく、アゾール系化合物(A)、塩基(C)、溶媒(D)を含有する混合液中にそのまま分割供給、または適当な溶媒に溶解もしくは分散させて分割供給すればよい。
また、エチルアミン誘導体(B)が酸塩である場合には、かかる酸塩を溶媒中で塩基を用いて遊離アミンに変換し、副生塩を除去した後に、アゾール系化合物(A)、塩基(C)、溶媒(D)を含有する混合液中に分割供給することが好ましい。
かかるエチルアミン誘導体(B)の使用量は、アゾール系化合物(A)に対して、通常0.9〜3当量、好ましくは1〜2.5当量である。かかる使用量が多すぎると、未反応のエチルアミン誘導体(B)、または反応中間体であるアジリジンが反応系中に残存する傾向があり、少なすぎると未反応のアゾール系化合物(A)が残存し易く、収率および品質が低下する傾向がある。
本発明における塩基(C)としては、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化カリウムと炭酸カリウムの混合物等のアルカリ金属の水酸化物と炭酸塩の混合物等の無機塩基や、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド、DBU(ジアザビシクロウンデセン)、トリエチルアミン等の有機塩基を挙げることができ、前記塩基の中から1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、反応性が高い点で、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが特に好ましい。
かかる塩基(C)の使用量は、アゾール系化合物(A)に対して、通常1〜5当量、好ましくは1.1〜4当量、特に好ましくは1.2〜3.5当量である。エチルアミン誘導体の酸塩を使用する場合は、塩基(C)をエチルアミン誘導体の酸塩に対してさらに1当量追加して使用すればよい。かかる塩基(C)の使用量が多すぎると、スラリー濃度が高くなり撹拌しにくくなる傾向があり、少なすぎると未反応のアゾール系化合物(A)が残存するため収率および品質が低下する傾向がある。
本発明における溶媒(D)としては、溶媒の沸点、極性、原料化合物の溶解度等を考慮し、適宜選択すればよく、例えば、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、トルエンなどの炭化水素系溶媒等の有機溶媒を挙げることができ、これらの中でも、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、非プロトン性極性溶媒、炭化水素系溶媒を用いることが好ましく、アセトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエンが特に好ましい。これら特定溶剤の中から1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
かかる溶媒(D)の使用量は、アゾール系化合物(A)に対して、通常1〜20倍(重量基準)、好ましくは3〜15倍(重量基準)である。かかる使用量が多すぎると、反応時間が長期化する傾向があり、少なすぎるとスラリー濃度が高くなり撹拌しにくくなる傾向がある。
かくして、上記(A)〜(D)成分を用いてN−(2−アミノエチル)アゾール系化合物を製造するものであるが、本発明においては、アゾール系化合物(A)、塩基(C)、溶媒(D)を含有する混合液中に、反応系内の温度を50〜200℃の範囲に維持しながらエチルアミノ誘導体(B)を分割供給することを特徴とするものである。
上記反応系内の温度とは、反応液の液温を表すものであり、50〜200℃であることが必要であり、好ましくは55〜190℃、特に好ましくは60〜180℃である。かかる温度が低すぎると反応速度が遅くなり収率が低下し、温度が高すぎると副生物が増加し、収率および品質が低下することとなる。
エチルアミン誘導体(B)の分割供給方法としては、例えば、エチルアミン誘導体(B)が液体の場合にはそのまま滴下するか、もしくは溶媒(D)に溶解させたものを滴下する方法などがあり、エチルアミン誘導体(B)が固体である場合には、かかる固体を適当な溶媒に溶解もしくは分散させた後に、アゾール系化合物(A)、塩基(B)、溶媒(D)を含有する混合液中に滴下することが好ましい。
なお、本発明の反応は発熱反応であり、エチルアミン誘導体(B)の滴下により発熱が発生するため、エチルアミン誘導体(B)の滴下速度については、反応系内の温度が上記範囲内に収まる速度で滴下することが好ましい。
かかる供給時間は、0.1時間以上であり、好ましくは0.2時間以上かけて滴下すればよく、滴下時間が短すぎると、反応系中で発生した反応中間物のアジリジンが揮発してしまい発泡による液面上昇が生じたり、収率が低下する傾向がある。
滴下時間の上限としては通常5時間以内、好ましくは4時間以内であり、滴下時間が長すぎると、製造時間が長期化するため製造コストが増加し、不経済となる傾向がある。
分割供給終了後には、反応終了時まで上記温度範囲を維持したまま、撹拌下反応を進行させることが好ましく、分割供給終了後の反応時間としては、通常0.1〜10時間、好ましくは、0.5〜8時間反応を行なえばよい。
なお、本発明における反応終了時とは、アゾール系化合物(A)の仕込モル数に対する反応液中にある生成したN−(2−アミノエチル)アゾール系化合物のモル数が一定となった段階を意味するものである。
本発明の製造に用いる反応装置としては、例えば、温度計、還流冷却器、撹拌装置、不活性ガス流入設備、及び仕込装置を備えた反応装置を用いて行うことができる。
反応装置の材質は、例えば、ステンレス鋼(SUS)やガラス等が挙げられる。
撹拌方法としては、内容物が十分に混合できるものであれば、特に限定されない。製造時の圧力に関しては、通常、常圧で行なえばよい。
反応終了後、反応生成物の単離、精製、乾燥を行うことにより、所望のN−(2−アミノエチル)アゾール系化合物を得ることができる。
反応生成物の単離に際しては、ヌッチェ濾過や遠心分離濾過等の濾過操作により、副生する無機塩を濾別し、生成物を溶液として濾取すればよい。なお、濾過を行う際に、支障のない範囲で反応液を冷却しても良い。
生成物を含む濾取した溶液は、常圧または減圧下で濃縮すればよいが、製造効率の点で、減圧下で濃縮するのが好ましい。
上記濃縮処理で得られた生成物を含む濃縮液を、カラム精製、蒸留、再結晶等の常套手段で適宜精製することにより、精製されたN−(2−アミノエチル)アゾール系化合物が得られるのである。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
<製造例1>『2−クロロエチルアミンのアセトニトリル溶液の製造方法』
2lの反応器に窒素雰囲気下、2−クロロエチルアミン塩酸塩174.0g(1.50mol)、アセトニトリル650mlを仕込み、液温が5℃になるように冷却した。その後、トリエチルアミン151.8g(1.50mol)を0.5時間かけて滴下仕込みし、5℃で1時間反応させた。反応終了後、反応液から副生する有機塩を濾過にて除去し、2−クロロエチルアミンのアセトニトリル溶液(2−クロロエチルアミン含量:119.3g(1.50mol))を取得した。収率は100%であった。
<実施例1>『1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾールの製造方法』
2lの反応器に2−メチルイミダゾール(A)82.1g(1.00mol)、アセトニトリル(D)410mlを仕込み、この溶液中に水酸化ナトリウム(C)120.0g(3.00mol)を加え、25℃で0.5時間熟成させた。熟成終了後、液温を75℃へ昇温し、「製造例1」で調製した2−クロロエチルアミン(B)のアセトニトリル(D)溶液(2−クロロエチルアミン含量:119.3g(1.50mol))を0.5時間かけて滴下仕込した後、75℃で2時間反応させた。反応終了後、液温を30℃まで冷却し、反応液から副生した無機塩を濾過にて除去した。この濾過液を減圧下濃縮することで、粗1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾールを117.8g取得した。収率は94%であった。
<実施例2>『1−(2−アミノエチル)ピラゾールの製造方法』
200mlの反応器にピラゾール(A)5.5g(0.08mol)、アセトニトリル(D)27mlを仕込み、この溶液中に水酸化ナトリウム(C)9.6g(0.24mol)を加え、25℃で0.5時間熟成させた。熟成終了後、液温を75℃へ昇温し、「製造例1」で調製した2−クロロエチルアミン(B)のアセトニトリル(D)溶液(2−クロロエチルアミン含量:9.5g(0.12mol))を0.5時間かけて滴下仕込した後、75℃で5時間反応させた。反応終了後、液温を30℃まで冷却し、反応液から副生した無機塩を濾過にて除去した。この濾過液を減圧下濃縮することで、粗1−(2−アミノエチル)ピラゾールを8.4g取得した。収率は93%であった。
<実施例3>『1−(2−アミノエチル)ベンズイミダゾールの製造方法』
200mlの反応器にベンズイミダゾール(A)5.0g(0.04mol)、トルエン(D)25mlを仕込み、この溶液中に水酸化ナトリウム(C)5.1g(0.13mol)を加え、25℃で0.5時間熟成させた。熟成終了後、液温を75℃へ昇温し、「製造例1」で調製した2−クロロエチルアミン(B)のアセトニトリル(D)溶液(2−クロロエチルアミン含量:5.0g(0.06mol))を0.5時間かけて滴下仕込した後、75℃で7時間反応させた。反応終了後、液温を30℃まで冷却し、反応液から副生した無機塩を濾過にて除去した。この濾過液を減圧下濃縮することで、粗1−(2−アミノエチル)ベンズイミダゾールを5.5g取得した。収率は80%であった。
<比較例1>『1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾールの製造方法』
100mlの反応器に2−メチルイミダゾール6.6g(0.08mol)、アセトニトリル40mlを仕込み、この溶液中に水酸化ナトリウム11.5g(0.29mol)を加え、20℃で0.5時間熟成させた。熟成終了後、テトラブチルアンモニウム硫酸塩1.1g(3.2mmol)及び2−クロロエチルアミン塩酸塩10.0g(0.08mol)を加え、液温が75℃になるように加温し、同温度で24時間反応させた。反応終了後、液温を30℃まで冷却し、反応液から副生した無機塩を濾過にて除去し、濾過液を減圧下濃縮することで、粗1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾールを4.8g取得した。収率は48%であった。
比較例1の製造方法では、2−クロロエチルアミン塩酸塩の添加後に反応温度を上げる際、該反応中間体であるアジリジンが大量に発生し、アジリジンの沸点(約60℃)以上の75℃まで上昇させるため反応系内は還流状態となってしまい、その結果、発泡を伴う反応液の液面上昇や、揮発したアジリジンによる内圧の上昇が発生してしまう恐れがあった。
また、反応液中に副生する無機塩の量が多く、スラリー濃度が濃くなり、撹拌しづらくなるため、工業的生産に不利であった。
<比較例2>『1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾールの製造方法』
200mlの反応器に2−メチルイミダゾール6.6g(0.08mol)、アセトニトリル35mlを仕込み、この溶液中に水酸化ナトリウム9.6g(0.24mol)を加え、25℃で0.5時間熟成させた。熟成終了後、液温を75℃へ昇温し、「製造例1」と同様に調製した2−クロロエチルアミンのアセトニトリル溶液(2−クロロエチルアミン含量:9.5g(0.12mol))を一括で仕込み、75℃で2時間反応させた。反応終了後、液温を30℃まで冷却し、反応液から副生した無機塩を濾過にて除去した。この濾過液を減圧下濃縮することで、粗1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾールを7.4g取得した。収率は74%であった。
比較例2のように、2−クロロエチルアミンのアセトニトリル溶液を75℃で一括仕込した場合は、添加後、比較例1の場合と同様に反応中間体であるアジリジンが大量に発生してしまい、反応途中からアジリジンが還流状態となり、発泡を伴う反応液の液面上昇や内圧の上昇を伴うため、工業的生産に不利であった。
<比較例3>『1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾールの製造方法』
200mlの反応器に2−メチルイミダゾール6.6g(0.08mol)、アセトニトリル35mlを仕込み、この溶液中に水酸化ナトリウム9.6g(0.24mol)を加え、25℃で0.5時間熟成させた。熟成終了後、「製造例1」と同様に調製した2−クロロエチルアミンのアセトニトリル溶液(2−クロロエチルアミン含量:9.5g(0.12mol))を0.5時間かけて滴下仕込し、液温を75℃へ昇温した。75℃で2時間反応させた後、液温を30℃まで冷却し、反応液から副生した無機塩を濾過にて除去した。この濾過液を減圧下濃縮することで、粗1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾールを7.7g取得した。収率は77%であった。
比較例3のように、2−クロロエチルアミンのアセトニトリル溶液を25℃で分割仕込した後75℃へ昇温し反応を進行させた場合も、昇温後、比較例1の場合と同様に反応中間体であるアジリジンが大量に発生してしまい、反応途中からアジリジンが還流状態となり、発泡を伴う反応液の液面上昇や内圧の上昇を伴うため、工業的生産に不利であった。
以上より、実施例1〜3のように、反応溶液を75℃という高温状態にし、かつ2−クロロエチルアミンのアセトニトリル溶液を滴下により反応液に供給した場合に、高収率で、かつ高い安全性を保ちながら、N−(2−アミノエチル)アゾール系化合物を製造することが可能であることが分る。
本発明の製造方法を用いると、N−(2−アミノエチル)アゾール系化合物を生産性よく製造することが可能であり、得られるN−(2−アミノエチル)アゾール系化合物は医薬中間体や各種樹脂の触媒として有用なものである。

Claims (3)

  1. アゾール系化合物(A)と2位に脱離基を有するエチルアミン誘導体(B)を塩基(C)存在下、溶媒(D)中で反応させることによりN−(2−アミノエチル)アゾール系化合物を製造するにあたり、反応系内の温度を50〜200℃の範囲に維持しながら、2位に脱離基を有するエチルアミン誘導体(B)を0.1時間以上かけて分割供給することを特徴とするN−(2−アミノエチル)アゾール系化合物の製造方法。
  2. アゾール系化合物(A)が、1H−ピロール誘導体、1H−イミダゾール誘導体、1H−ピラゾール誘導体、1H−インドール誘導体、9H−カルバゾール誘導体、1H−ベンゾイミダゾール誘導体、1H−トリアゾール誘導体、1H−ベンゾトリアゾール誘導体、1H−テトラゾール誘導体から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載のN−(2−アミノエチル)アゾール系化合物の製造方法。
  3. 2位に脱離基を有するエチルアミン誘導体(B)が、2−クロロエチルアミン誘導体、2−ブロモエチルアミン誘導体、2−ヨードエチルアミン誘導体、2−フルオロエチルアミン誘導体、p−トルエンスルホン酸(2−アミノエチル)エステル誘導体、メタンスルホン酸(2−アミノエチル)エステル誘導体、トリフルオロメタンスルホン酸(2−アミノエチル)エステル誘導体、2−アミノエチル硫酸エステル誘導体から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または2記載のN−(2−アミノエチル)アゾール系化合物の製造方法。
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