JP5654913B2 - フランジ付き筒形防振ゴムの製造方法 - Google Patents

フランジ付き筒形防振ゴムの製造方法 Download PDF

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Description

この発明はフランジ付き筒形防振ゴムの製造方法に関し、特に絞り加工の手法に特徴を有する製造方法に関する。
この種筒形防振ゴムの代表的な例として、車両のサスペンションメンバと車体とを弾性連結するメンバマウントがある。
サブフレーム等のサスペンションメンバは、サスペンションを取り付けるための車両の部分的な骨格部材で、サスペンションはこのサスペンションメンバを介して車体に組み付けられる。
メンバマウントは、サスペンションメンバと車体とを弾性連結するもので、この場合メンバマウントは、それらサスペンションメンバと車体との相対位置関係を正しく保つことと、サスペンションメンバを介して車体に伝達される懸架系の振動を遮断し、また逆に駆動力、制動力を車体に伝達する働きをなす。
またサブフレームの場合には、サスペンションに加えてエンジンやトランスミッション等も取り付けられ、この場合サブフレームと車体とを弾性連結するメンバマウントは、エンジンからの振動も遮断作用する。
一般にこの種メンバマウントは、円筒形状の剛性の内筒部材と、径方向に離隔した位置で内筒部材を取り囲む外筒金具と、それら内筒部材と外筒金具とを径方向に弾性連結する状態に一体に加硫接着された円筒形状のゴム弾性体とを有する形態をなし、外筒金具においてサスペンションメンバに、また内筒部材において車体に固定され、以てそれらサスペンションメンバと車体とを弾性連結し、防振作用する。
この筒形をなすメンバマウントでは、ゴム弾性体を内筒部材,外筒金具とともに一体に加硫した後に、絞りダイスを用いて外筒金具を外周面の側から径方向内方に押圧し、縮径させる絞り加工を行う。
この加硫工程の後の絞り加工の工程は、ゴム弾性体に予圧縮を与え、これによりゴム弾性体の加硫後の収縮応力を除去し、また実際の使用時において、振動入力によりゴム弾性体に引張りの応力が作用するのを防いで耐久性を高める目的で行われる。
一般にメンバマウントとしては、車両の前後方向と左右方向とでばね特性を異ならせるために、内筒部材を間にして軸直角方向に対向する位置に一対のすぐり部をゴム弾性体に設けたものが用いられる。
このようにゴム弾性体の軸直角方向に対向する位置に一対のすぐり部を設けた場合、加硫工程の後に絞り加工を行うと、その形状が楕円形状化してしまう問題が生ずる。
すぐり部とすぐり部とを結ぶ方向(これをX方向とする)では、絞り加工により生ずるゴム反力が小さい一方、これと直交する方向(Y方向とする)では、絞り加工により生ずるゴム反力が大となり、そしてX方向では外筒金具の剛性がゴム反力に打ち勝つ一方、Y方向ではゴム反力が外筒金具の剛性に打ち勝ってこれを変形させるため、外筒金具の形状(横断面形状)がゴム弾性体とともに全体として楕円形状化してしまう。詳しくはX方向を短軸とし、Y方向を長軸とする楕円形状に変形してしまう。
内筒部材を間にしてゴム弾性体の軸直角方向に対向する位置にすぐり部を有する筒形防振ゴムに生じる、上記の楕円形状化の問題を解決することを狙いとして、下記特許文献1,特許文献2には、内周面形状が楕円形状をなす絞りダイス、詳しくは上記のX方向の径を長径とし、Y方向の径を短径とする楕円形状をなす絞りダイスを用いて加硫後の絞り加工を行う点が開示されている。
ところで、外筒金具が軸方向一端側に径方向外方に張り出したフランジ部を有するものである場合、外筒金具の剛性がフランジ部側の軸方向端から反対側の軸方向端にかけて大から小へと変化する。
そしてその剛性の変化に伴って、上記の楕円形状化の程度が軸方向において異なってしまうといった困難な問題が生じる。
この場合、楕円形状化の程度が最も大きくなるのは、金具剛性が最も小となる、フランジ部とは反対側の軸方向端であり、しかもフランジ部とは反対側の軸方向端は、メンバマウントを円筒形状のホルダに圧入する際の圧入側端となる部分であり、その部分が大きく楕円形状化してしまうとホルダへの圧入が困難となり、場合によって圧入できなくなってしまう。
以上メンバマウントについて述べたが、一般のフランジ付き筒形防振ゴムにおいても、上記の楕円形状化によって相手側の円筒形状の圧入部への圧入が困難化し又はできなくなってしまうなど同様の問題を生じる。
特開2007−224987号公報 特開2002−301531号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、外筒金具がフランジ付きのもので、軸方向に沿って剛性が変化するものであっても、軸方向全体に亘って絞りによる楕円形状化を良好に抑制し、真円形状に近づけることのできるフランジ付き筒形防振ゴムの製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1の製造方法は、円筒形状の剛性の内筒部材と、径方向に離隔した位置で該内筒部材を取り囲む、軸方向の一端側に径方向外方に張り出したフランジ部を有する円筒形状の外筒金具と、それら内筒部材と外筒金具とを弾性連結する状態に一体に加硫接着された、前記内筒部材を間にして軸直角方向に対向した位置にすぐり部の設けられた円筒形状のゴム弾性体と、を有し、前記外筒金具の外周面に、該外筒金具の軸周りに環状に延びる帯状ゴム部を該外周面から突出する状態に該軸方向に間隔を置いて複数個所に固着した形態のフランジ付き筒形防振ゴムを、(a)前記ゴム弾性体を加硫成形するとともに、前記内筒部材と外筒金具とに一体に加硫接着する加硫工程と、(b)該加硫工程の後において、絞りダイスを用いて前記外筒金具を外周面の側から径方向内方に押圧し、縮径させる絞り工程と、を経て製造するフランジ付き筒形防振ゴムの製造方法であって、前記絞り工程での絞り加工に際し、前記絞りダイスとして、前記外筒金具に直接接触して押圧する金具押圧部の、少なくとも前記フランジ部側の端部を押圧する部分を除いた部分の内周面の形状が、前記軸直角方向に対向した位置のすぐり部とすぐり部とを結ぶX方向の径を長径とし、軸直角方向且つ該X方向と直交するY方向の径を短径とする楕円形状をなし、且つ長径と短径との差を楕円度として、該楕円度が、前記フランジ部側の軸方向端から反対側の軸方向端に向って小から大に変化する形状であって、前記絞りダイスにおける内周面の前記帯状ゴム部に対応する軸方向の複数個所に、径方向外方への凹陥形状をなす、該帯状ゴム部を押圧するゴム押圧部を有するとともに、該ゴム押圧部とゴム押圧部との間の位置で前記外筒金具の外周面を直接押圧する前記金具押圧部を軸方向の複数個所に有し、該金具押圧部が前記外筒金具の軸方向にストレート形状をなし且つ該金具押圧部ごとに、前記フランジ部側の軸方向端から反対側の軸方向端に向って前記楕円度が小から大へと段階的に変化する形状の絞りダイスを用いて前記絞り加工を行うことを特徴とする。
請求項のものは、請求項において、前記筒形防振ゴムが車両のサスペンションメンバと車体とを弾性連結するメンバマウントであることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、絞り工程での絞り加工に際し、絞りダイスとして、金具押圧部の内周面の形状が、すぐり部とすぐり部とを結ぶX方向の径を長径とし、これと直交方向のY方向の径を短径とする楕円形状をなし、且つフランジ部側の軸方向端から反対側の軸方向端に向って楕円度が小から大に変化する形状の絞りダイスを用いて絞り加工を行うようになしたものである。
本発明によれば、外筒金具が軸方向に沿って剛性が変化するものであっても、軸方向全長に亘って外筒金具及びその内側のゴム弾性体の横断面形状が楕円形状化するのを良好に抑制し、軸方向の何れの位置においても、その横断面形状を真円形状に近づけることが可能となる。
特に本発明は、外筒金具の外周面に、その軸周りに環状に延びる帯状ゴム部を、軸方向に間隔を置いて複数個所に固着した形態のフランジ付き筒形防振ゴムを対象とした製造方法に関するものである。
この外筒金具の外周面の帯状ゴム部は、筒形防振ゴムを相手側の圧入部に圧入する際の圧入性を高める目的で設けられる。
この帯状ゴム部にオイルを塗布し含浸させることで、圧入の際の抵抗を小さくし、圧入性を高めることができる。
一方圧入した後は、乾燥によりオイルが除去されることで抜け力を大とすることができる。
本発明では、このような帯状ゴム部を設けることに対応して、絞りダイスの内周面に、径方向外方への凹陥形状をなす、帯状ゴム部を押圧するゴム押圧部を設けておく。
そしてゴム押圧部とゴム押圧部との間の位置で外筒金具の外周面を直接押圧する金具押圧部を軸方向の複数個所に設けておく。
この場合、金具押圧部の内周面形状を、軸方向に連続的に楕円度を変化させる形状となしておくと、即ちその内周面の形状を外筒金具の軸方向に対し傾斜した傾斜面となしておくと、その金具押圧部の、外筒金具の側に迫り出した角部で外筒金具を押圧することとなってしまう。即ち外筒金具がその角部だけで絞られることとなってしまう。
そこで本発明では、金具押圧部の内周面の形状を、外筒金具の軸方向にストレート形状となし、且つ金具押圧部ごとに、フランジ部側の軸方向端から反対側の軸方向端に向って楕円度が小から大へと段階的に変化する形状とする。
これにより、金具押圧部が外筒金具の側に近く迫り出した角部で外筒金具を押圧してしまうといったことを良好に回避することができる。
本発明は、フランジ付き筒形防振ゴム一般に適用可能なものであるが、特に車両のサスペンションメンバと車体とを弾性連結するメンバマウントの製造に適用して好適である(請求項)。
本発明の適用対象の一例としてのメンバマウントを車両組付状態で示した図である。 同メンバマウントの縦断面図である。 同メンバマウントの軸直角方向の断面図及び底面図である。 本発明の実施形態の製造方法で用いる絞り加工用の絞りダイスを示した図である。 図4の絞りダイスの内周部の縦断面形状を示す図である。 図4の絞りダイスの軸方向異なる位置における内周部の形状を模式的に示した図である。 同実施形態の製造方法の要部工程を示した図である。 比較例として真円形状の絞りダイスを用いて絞り加工を行った場合の外筒金具の変形を模式的に示した図である。 本発明の実施形態の利点を説明するための比較例を模式的に示した図である。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10はパネル状をなす車体側部材で、12はサスペンションメンバとしてのサブフレーム(井型サブフレーム)に固設された円筒形状のホルダ、14はホルダ12を介してサブフレームと車体側部材10とを弾性連結し、それらの間で防振作用するメンバマウント(筒形防振ゴム)である。
ホルダ12は、軸方向一端側(図中下端側)に径方向外方に環状(ここでは円環状)に張り出したフランジ部13を有しており、また内側に、メンバマウント14を圧入させてこれを保持する保持孔16を有している。
18はアッパーストッパで、組付状態で車体側部材10に重ねられる板状且つ平面視円環状の保持金具20と、これに一体に加硫接着されて下向きに立ち下がるストッパゴム部22とを有している。
ここでストッパゴム部22は円環状(平面視)をなしており、ホルダ12のストッパ当り部24に当接してストッパ作用をなす。
ここでストッパ当り部24は、ホルダ12の図中上端の径方向内向きのフランジ部にて形成されている。
26は、ロアストッパ28の要部をなす金属製のストッパプレートで、このストッパプレート26は、アッパーストッパ18の上記の保持金具20とともにメンバマウント14の後述の内筒金具(内筒部材)40を軸方向に挟持する、中央部の円環状をなす挟持部30と、挟持部30の外周縁から立ち下がるテーパ部32と、テーパ部32に続いて径方向(軸直角方向)に拡がる円環状のストッパ当り部34とを有している。
メンバマウント14は、後述の外筒金具42においてホルダ12の保持孔16に圧入され、そこに保持された状態で、内筒金具40を挿通してストッパプレート26と車体側部材10とを締結する締結ボルト36及びナット38にて、サブフレームとともに車体側部材10に組み付けられる。
メンバマウント14は、図2及び図3に示しているように円筒形状の剛性の内筒金具40と、径方向に離隔した位置でこれを取り囲む円筒形状の剛性の外筒金具42と、それらを径方向に連結する円筒形状のゴム弾性体44とを有している。
ここでゴム弾性体44は、内筒金具40及び外筒金具42に一体に加硫接着されている。
外筒金具42は、車両上下方向即ち図2中上下方向にストレート形状で延びる本体部46と、その下端部で径方向外方に張り出した環状(ここでは円環状)のフランジ部48とを有している。
一方ゴム弾性体44は、内筒金具40と外筒金具42の本体部46とで径方向に挟まれた円筒形状の本体ゴム部50と、これに連続して形成され、外筒金具42のフランジ部48の下面に形成された、下向きに立ち下がる形態のストッパゴム部52を有している。
このストッパゴム部52は、上記のストッパプレート26のストッパ当り部34に当接してストッパ作用をなす。
図1におけるロアストッパ28は、このストッパゴム部52とストッパプレート26とで構成されている。
尚、ゴム弾性体44は外筒金具42における上記のフランジ部48を被覆する被覆ゴム部54を更に有している。
図3に示しているようにゴム弾性体44、詳しくは本体ゴム部50には、内筒金具40を間にして軸直角方向に対向する位置に一対のすぐり部56が設けられている。
これら一対のすぐり部56は、内筒金具40を間にして車両前後方向に配置されている。
これら一対のすぐり部56,56は、それぞれ略円弧形状をなしており、図中上下対称位置に且つ上下対称形状で設けられている。
これらすぐり部56は、図2に示しているようにゴム弾性体44を軸方向に貫通する形態でそれぞれ設けられている。
一方外筒金具42の外周面には、軸周りに全周に亘って環状に延びる帯状ゴム部58-1,58-2,58-3が軸方向に間隔を置いて複数個所に固着されている。
これら帯状ゴム部58-1,58-2,58-3もまた、外筒金具42に対し一体に加硫接着されている。
ここで帯状ゴム部58-1〜58-3は、それぞれメンバマウント14をホルダ12に圧入する際の圧入性を良くする目的で設けられている。
具体的には、これら帯状ゴム部58-1〜58-3にオイルを塗布し吸収させることで、メンバマウント14をホルダ12に対し小さな抵抗力で容易に挿入することができる。
一方その後の乾燥によりオイルが除かれることで、ホルダ12からのメンバマウント14の抜け力を高くすることができる。
上記メンバマウント14は、加硫工程でゴム弾性体44を加硫成形するとともに、内筒金具40と外筒金具42とに一体に加硫接着した後、絞り工程で外筒金具42を外周面の側から径方向内方に押圧し、縮径させる絞り加工を行うことで製造する。
而してその絞り加工に際して、絞りダイスとして内周面形状が真円形状の絞りダイスを用いると、外筒金具42及びゴム弾性体44の形状(横断面形状)が楕円形状に変形してしまう。
しかも長径と短径との差を楕円度としたとき、その楕円度が軸方向の位置に応じて異なってしまう。
詳しくは、外筒金具42のフランジ部48側の軸方向端(図中下端)から反対の軸方向端(図中上端)に向って楕円度が小から大へと変化してしまう。
図8はこれを模式的に表している。
図中イは、図2の軸方向位置Pにおいて生じる楕円形状を、ロは図2中軸方向位置Pにおいて生じる楕円形状を、ハは図2中軸方向位置Pにおいて生じる楕円形状を、またニは図2中軸方向位置Pで生じる楕円形状をそれぞれ模式的に表している。
図に示しているように外筒金具42及びゴム弾性体44は、すぐり部56と56とを結ぶ方向(厳密にはすぐり部56,56のそれぞれの周方向の中心を結ぶ方向)をX方向、これと直交方向をY方向としたとき、X方向を短軸とし、Y方向を長軸とする楕円形状に変形する。
これは、外筒金具42を絞りダイスを用いて絞り加工したときに、X方向においてはゴム反力が小さく、Y方向においてはゴム反力が大となり、その結果外筒金具42の剛性がY方向においてゴム反力に負けて、外筒金具42がY方向の外方に膨出するように変形を生じることによる。
また軸方向位置がP→P→P→Pと変化するのに伴って楕円形状がイ→ロ→ハ→ニへと形状変化し、楕円度が小から大へと変化するのは、外筒金具42の剛性がフランジ部48側において最も高く、反対の軸方向端に進むにつれて剛性が小さくなって、ゴム反力に耐えて形状保持する力が弱くなることによる。
そこでこの実施形態では、絞り加工の際の絞りダイスとして、後述する金具押圧部64-1,64-2,64-3(図5参照)の内周面の形状が、上記X方向の径を長径とし、Y方向の径を短径とする楕円形状をなし、且つその楕円度が、フランジ部48側の軸方向端から反対の軸方向端に向って小から大に変化する形状の絞りダイスを用いて絞り加工を行うようにしている。
図4において、60はその絞りダイスを表している。
ここでは絞りダイス60は、16個のダイス片60hに均等分割されている。
そしてその内周面の形状(詳しくは金具押圧部64-1,64-2,64-3の内周面の形状)が、図6に示しているように、図8に示した楕円形状とは短径と長径とが逆転した逆楕円形状とされ、且つその楕円度が、フランジ部48側の軸方向端から反対の軸方向端に向って小から大へと変化する形状とされている。
図6において、bは図2の軸方向位置Pにおける楕円形状を、cは図2の軸方向位置Pにおける楕円形状を、またdは図2の軸方向位置Pにおける楕円形状をそれぞれ模式的に示している。
尚aは、図2の軸方向位置Pにおける絞りダイス60の内周面の形状を表しており、ここではaの形状は真円形状とされている。
これは、軸方向位置Pにおいてはフランジ部48によって外筒金具42の剛性が高剛性となっているため、ここでは敢えて同位置における絞りダイス60の内周面の形状を真円形状となしている。但し軸方向位置Pにおける絞りダイス60の内周面の形状を、楕円度の小さな楕円形状となしておくことも、もとより可能である。
以上のように、この実施形態では図8において楕円度の大きい楕円形状を生じる部位においては、長径と短径との関係が逆転した上で楕円度の大きい楕円形状(逆楕円形状)となるように、また楕円度の小さい楕円形状を生じる部位については、これに対応して楕円度の小さい楕円形状となるように、図4の絞りダイス60の内周面の形状が軸方向において異なった形状で予め定めてある。
尚、図2におけるP,P,P,Pにおけるダイス60の内周面の周長は均等となるようにしてある。
図5は、ダイス60の内周部の縦断面形状を示している。
図中(イ)は、図4のB-B断面,即ちY方向で切断した縦断面の形状を、また(ロ)は、図4中C-C断面、即ちX方向で切断した縦断面の形状を示している。
これらの図において、62-1,62-2,62-3は、それぞれ図2における帯状ゴム部58-1,58-2,58-3を押圧する、径方向に凹陥形状をなしたゴム押圧部であり、これらゴム押圧部62-1,62-2,62-3は、それぞれの内部に帯状ゴム部58-1,58-2,58-3を挿入させた状態で、それらを押圧作用する。
一方64-1,64-2,64-3,64-4は、それぞれ図2の軸方向位置P,P,P,Pのそれぞれの位置で外筒金具42を直接押圧する金具押圧部である。
ここで図5(イ)のY方向(短軸側)の径DY,DY,DY,DYの関係は、DY<DY<DY<DYである。
即ち外筒金具42におけるフランジ部48側の軸方向端から反対の軸方向端に向って、径が段階的に小さくなっている。
ここでDY,DY,DYは楕円形状(逆楕円形状)における短軸側の径(短径)であり、DYは真円形状における直径である。
一方図5(ロ)のX方向の径DX,DX,DX,DXの関係はDX>DX>DX>DXである。
即ちフランジ部48側の軸方向端から反対の軸方向端に向って、径が段階的に大きくなっている。
ここでDX,DX,DXは楕円形状(逆楕円形状)における長軸側の径(長径)であり、DXは真円形状における直径である。
従って最もフランジ部48側に近い軸方向位置Pにおける寸法DY,DXは、何れも真円形状の直径を示すもので、互いに等しい寸法である。
具体的には、ここではDY=DX=φ78mmである。
但し前述したようにDYに対してDXを大きくしておいても良い。
尚ゴム押圧部62-1〜62-3については、何れもここでは直径Dの真円形状とされている。
尚この実施形態において、金具押圧部64-1,64-2,64-3,64-4は、押圧面が外筒金具42の軸方向にストレート形状とされており、外筒金具42の対応する位置の外面が、それら金具押圧部64-1,64-2,64-3,64-4のそれぞれにより、面で径方向内方に押圧され、縮径せしめられる。
即ちこの実施形態では、ダイス60における内周面の楕円形状の楕円度が、金具押圧部64-3→64-2→64-1へと段階的に小から大へと変化せしめられている。
図7は、絞りダイス60を用いたメンバマウント14の絞り加工の方法を示している。
図において66は加圧部で、テーパ面68を備えている。
ここでは加圧部66を図中下向きに移動させ、絞りダイス60を加圧すると、加圧部66のテーパ面68と絞りダイス60、詳しくはダイス片60hのテーパ面70との作用で、各ダイス片60hが求心方向に押動され、外筒金具42を外周面の側から径方向内方に押圧し、外筒金具42の塑性変形を伴ってこれを縮径させる。
これとともにゴム弾性体44、詳しくは本体ゴム部50が軸直角方向に予圧縮される。
以上のような本実施形態によれば、外筒金具42が軸方向に沿って剛性が変化するものであっても、軸方向全長に亘って外筒金具42及びその内側のゴム弾性体44の横断面形状が楕円形状化するのを良好に抑制し、軸方向の何れの位置においても、その横断面形状を真円形状に近づけることができる。
因みに、表1は本実施形態の絞りダイス60を用いて絞り加工をしたときのメンバマウント14の軸方向各部の楕円度改善率の一例を、内周面の形状がφ78mmの直径の真円形状の絞りダイスを用いて絞り加工した場合との比較で示している。
また表2は、軸方向位置P〜Pの平均楕円度を示している。
Figure 0005654913
Figure 0005654913
ここで楕円度改善率は、(真円絞りダイス使用時の楕円度−本実施形態の絞りダイス使用時の楕円度)を、真円絞りダイス使用時の楕円度で除したものをパーセンテージ(百分率)で表したものである。
尚表1の本実施形態の楕円度の値は、絞りダイス60における軸方向位置Pの内周面の楕円形状(逆楕円形状)の楕円度を2.8(2.8mm)とし、同じくPでの楕円度を2.3,Pでの楕円度を2.2としたときの結果である。
表1及び表2から明らかなように、本実施形態に従って絞り加工を行うことで、メンバマウント14の楕円形状化を良好に抑制することができ、絞り加工後の形状を真円形状に近づけることができる。
注目すべきは、表2の軸方向位置P〜Pでの平均楕円度の変化である。真円形状の絞りダイスを用いた絞り加工にあっては、平均楕円度が2.66であるのに対し、本実施形態の絞りダイス60を用いた絞り加工では平均楕円度が0.97と大幅に楕円度が小さくなっている。
表1において軸方向位置Pは、ホルダ12に対してメンバマウント14を圧入する際の圧入側の端部となる部分であり、この部分の楕円度は圧入性に対して大きな影響を及ぼす。本実施形態ではこの軸方向位置Pの部分での楕円度が、軸方向位置P,Pの部分での楕円度とともに大きく改善されている。
本実施形態では、ゴム押圧部62-1,62-2,62-3の間の位置で、金具押圧部64-1,64-2,64-3により外筒金具42の外周面を直接押圧するようになしている。
この場合金具押圧部64-1〜64-4、例えば図9(イ),(ロ)に示しているように金具押圧部64-2,64-1の内周面形状を、軸方向に連続的に楕円度を変化させる形状、即ち外筒金具42の軸方向に対し傾斜した傾斜面となしておくと、その金具押圧部64-2,64-1の、外筒金具42の側に迫り出した角部Kで外筒金具42を押圧することとなってしまう。即ち外筒金具42がその角部だけで絞られることとなってしまう。
尚図9において(イ)はダイス60AをY方向で切断した縦断面を、また(ロ)はX方向で切断した縦断面をそれぞれ表している。
そこでこの実施形態では、金具押圧部64-1〜64-4の内周面の形状を、外筒金具42の軸方向にストレート形状となし、且つ金具押圧部64-3から64-1へと、フランジ部48側の軸方向端から反対側の軸方向端に向って楕円度が小から大へと段階的に変化する形状となしている。
これにより、金具押圧部64-1〜64-4が外筒金具42の側に近く迫り出した角部で外筒金具42を押圧してしまうのを効果的に回避することができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上記実施形態では、軸方向位置Pにおける絞りダイスの内周面形状を真円形状となしているが、これを楕円形状(逆楕円形状)となすことも可能であるし、ゴム押圧部の形状を楕円形状とすること、更にその楕円度を軸方向に段階的に変化させることも場合によって可能である。
また上記実施形態では外筒金具42におけるフランジ部48が周方向に連続した円環状をなしているが、場合によって周方向所定個所で分断された形態のフランジ部を有するものに対しても本発明の適用は可能である。
その他本発明はメンバマウント以外のフランジ付き筒形防振ゴム一般の製造に適用することが可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。


10 車体側部材
13,48 フランジ部
14 メンバマウント(筒形防振ゴム)
40 内筒金具
42 外筒金具
44 ゴム弾性体
56 すぐり部
58-1,58-2,58-3 帯状ゴム部
60 絞りダイス
62-1,62-2,62-3 ゴム押圧部
64-1,64-2,64-3,64-4 金具押圧部

Claims (2)

  1. 円筒形状の剛性の内筒部材と、径方向に離隔した位置で該内筒部材を取り囲む、軸方向の一端側に径方向外方に張り出したフランジ部を有する円筒形状の外筒金具と、それら内筒部材と外筒金具とを弾性連結する状態に一体に加硫接着された、前記内筒部材を間にして軸直角方向に対向した位置にすぐり部の設けられた円筒形状のゴム弾性体と、を有し、前記外筒金具の外周面に、該外筒金具の軸周りに環状に延びる帯状ゴム部を該外周面から突出する状態に該軸方向に間隔を置いて複数個所に固着した形態のフランジ付き筒形防振ゴムを、
    (a)前記ゴム弾性体を加硫成形するとともに、前記内筒部材と外筒金具とに一体に加硫接着する加硫工程と、
    (b)該加硫工程の後において、絞りダイスを用いて前記外筒金具を外周面の側から径方向内方に押圧し、縮径させる絞り工程と、
    を経て製造するフランジ付き筒形防振ゴムの製造方法であって、
    前記絞り工程での絞り加工に際し、前記絞りダイスとして、
    前記外筒金具に直接接触して押圧する金具押圧部の、少なくとも前記フランジ部側の端部を押圧する部分を除いた部分の内周面の形状が、前記軸直角方向に対向した位置のすぐり部とすぐり部とを結ぶX方向の径を長径とし、軸直角方向且つ該X方向と直交するY方向の径を短径とする楕円形状をなし、
    且つ長径と短径との差を楕円度として、該楕円度が、前記フランジ部側の軸方向端から反対側の軸方向端に向って小から大に変化する形状であって、
    前記絞りダイスにおける内周面の前記帯状ゴム部に対応する軸方向の複数個所に、径方向外方への凹陥形状をなす、該帯状ゴム部を押圧するゴム押圧部を有するとともに、
    該ゴム押圧部とゴム押圧部との間の位置で前記外筒金具の外周面を直接押圧する前記金具押圧部を軸方向の複数個所に有し、
    該金具押圧部が前記外筒金具の軸方向にストレート形状をなし且つ該金具押圧部ごとに、前記フランジ部側の軸方向端から反対側の軸方向端に向って前記楕円度が小から大へと段階的に変化する形状の絞りダイスを用いて前記絞り加工を行うことを特徴とするフランジ付き筒形防振ゴムの製造方法。
  2. 請求項1において、前記筒形防振ゴムが車両のサスペンションメンバと車体とを弾性連結するメンバマウントであることを特徴とするフランジ付き筒形防振ゴムの製造方法。
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