JP5653288B2 - 定残圧弁 - Google Patents

定残圧弁 Download PDF

Info

Publication number
JP5653288B2
JP5653288B2 JP2011099108A JP2011099108A JP5653288B2 JP 5653288 B2 JP5653288 B2 JP 5653288B2 JP 2011099108 A JP2011099108 A JP 2011099108A JP 2011099108 A JP2011099108 A JP 2011099108A JP 5653288 B2 JP5653288 B2 JP 5653288B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
valve
passage
stopper
residual pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011099108A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012229668A (ja
Inventor
忍 及川
忍 及川
冨田 浩邦
浩邦 冨田
伊藤 栄次
栄次 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2011099108A priority Critical patent/JP5653288B2/ja
Publication of JP2012229668A publication Critical patent/JP2012229668A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5653288B2 publication Critical patent/JP5653288B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Description

本発明は、内燃機関へ燃料を供給する燃料供給装置に用いられる定残圧弁に関する。
従来、内燃機関へ燃料を圧送する高圧ポンプが知られている。高圧ポンプから圧送される燃料は、燃料レールに蓄圧され、燃料レールに接続するインジェクタから内燃機関の各気筒内に噴射される。
特許文献1には、リリーフ弁が記載されている。リリーフ弁は、内燃機関へ燃料を供給する燃料供給装置の燃料圧力が異常高圧になったとき開弁し、その高圧燃料を燃料タンクなどに排出する。これにより、燃料供給装置の構成部品等の損傷を防ぐと共に、インジェクタからの燃料噴射を可能にしている(特許文献1の明細書の段落「0004」参照)。特許文献1の明細書の段落「0030」〜「0036」及び図4では、リリーフ弁は、外側の弁体(特許文献1では「ピストン30」)と、その内側に設けられたもう一つの弁体(特許文献1では「ピストン80」)から構成されている。外側の弁体と、その内側の弁体とは、同一のスプリングで付勢されている。
特許文献2には、高圧ポンプの吐出通路と加圧室とを連通するリターン通路に設けられたリリーフ弁(特許文献2では「弁体32」)、及びそのリリーフ弁の内側に設けられた定残圧弁(特許文献2では「弁体部48」)が記載されている。定残圧弁は、吐出通路に接続される燃料レールの燃料圧力を所定の圧力に維持することが可能である。定残圧弁は、その弁体の上流側に円筒状の摺動部50を備えている。摺動部と、その摺動部の外側の燃料通路の内壁46との間に隙間S1が形成されている。この隙間S1により、定残圧弁を上流側から下流側、すなわち吐出通路側から加圧室側へ流れる流量が調節される。これにより、高圧ポンプの吐出効率の低下が抑制される。
特許文献3には、定残圧弁の上流側に設けられたオリフィス42が記載されている。このオリフィスにより、定残圧弁の上流側から下流側へ流れる流量が調節される。
特許文献4には、定残圧弁のオリフィス81の上流側に設けられたフィルタ40が記載されている。このフィルタにより、燃料中に存在する異物が捕獲され、定残圧弁の弁体と弁座との間又はオリフィスに異物が噛み込むことが抑制される。
本明細書において、燃料中の異物とは、燃料に含まれる粒子状のもののほか、ガム質燃料や金属性異物など、弁着座性や高圧ポンプの性能を悪化させる物質が含まれるものとする。
特表2002−515565号公報 特開2009−108847号公報 特表2009−121395号公報 特表2010−156255号公報
しかしながら、特許文献1では、外側の弁体と、その内側の弁体とが同一のスプリングで付勢されているので、外側の弁体が開弁した後、内側の弁体が開弁する。つまり、外側の弁体が開弁していないとき、内側の弁体は開弁することがない。したがって、内側の弁体にリリーフ弁と異なる定残圧弁の機能を持たせることはできない。
特許文献2では、摺動部50と燃料通路の内壁46との間の隙間の断面積が大きい場合、吐出通路側から加圧室側へ流れる流量が増加する。これにより、高圧ポンプの吐出効率が悪化することが懸念される。一方、隙間の断面積が小さい場合、その隙間に異物が堆積し、又は摺動部が傾くと、定残圧弁の開弁動作又は閉弁動作が悪化し、吐出通路側の燃料圧力が所定の圧力に維持されないことが懸念される。したがって、摺動部の外径及び燃料通路の内径の管理が困難になる。
特許文献3では、オリフィスを流れる流量が非常に小さい。これにより、定残圧弁は、その弁体が弁座からリフトするリフト量が10μ以下となる。このため、燃料中に存在する異物が弁体と弁座との間に噛み込むと、定残圧弁の圧力保持性能が低下することが懸念される。
特許文献4では、燃料中の異物がフィルタに堆積すると、フィルタが目詰まりすることが懸念される。
定残圧弁の閉弁動作が悪化し、圧力保持性能が低下する場合、以下のことが懸念される。アクセルオフ後または内燃機関の停止後、燃料レール内の燃圧の低下と共に、燃料の気化温度も低下する。さらに、内燃機関の冷却系統の停止等に伴うエンジンルーム内の温度上昇によって燃料レールが受熱し、燃料レール内の燃料温度が上昇する。これらにより、燃料レール内の燃料温度が燃料の気化温度を超えると、燃料レール内にベーパが発生することがある。このようにしてベーパが発生した場合、内燃機関の再始動時に高圧ポンプの昇圧不良が生じると共に、内燃機関の始動性が悪化するおそれがある。
一方、定残圧弁の開弁動作が悪化する場合、以下のことが懸念される。内燃機関の停止時にエンジンルーム内の温度上昇によって燃料レールが受熱する。これにより、燃料レール内の燃料温度が上昇すると共に燃圧が上昇する。このため、インジェクタの燃料漏れ許容値以下に燃圧を維持できなくなるおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、燃料中の異物が弁座と弁体との間に付着又は堆積することを抑制することの可能な定残圧弁を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、請求項1に係る発明によると、通路部材は、燃料通路および第1弁座を有する。第1弁座の下流側で通路部材の内壁に固定された筒状のストッパは、軸方向に通じる軸通路、およびこの軸通路の第1弁座側に設けられた第2弁座を有する。第1弁座とストッパとの間に形成された燃料室に設けられる弁体は、第1弁座に着座および離座可能な第1シート部、並びに第2弁座に着座および離座可能な第2シート部を有する。付勢手段が弁体を第1弁座側へ付勢する。ストッパまたは通路部材にオリフィスが設けられ、ストッパよりも下流側の下流通路と燃料室との燃料の流れを制御する。
内燃機関が停止し、弁体が第1弁座から離座する際、第1弁座よりも上流側の燃料が燃料室に流入すると、弁体は瞬時に第2弁座に着座する。その後、上流側の燃料は、燃料室からオリフィスを通り、下流通路へ流れる。このため、弁体のリフト量が大きくなるので、弁体の第1シート部と第1弁座との間に燃料中の異物が付着又は堆積することが抑制される。これにより、定残圧弁の圧力保持性能を維持することができる。
また、高圧ポンプの作動時、第2シート部が第2弁座に着座すると、燃料室から下流通路へ流れる燃料の流量がオリフィスによって制御される。このため、高圧ポンプのポンプ効率の低下を抑制することができる。
さらに、オリフィスを弁体に設けることなく、通路部材又はストッパに設けることで、弁体を小さく形成することが可能になる。このため、定残圧弁の体格を小さくすることができる。
請求項2に係る発明によると、ストッパは、燃料通路を形成する通路部材の内壁に固定される大径部、及びこの大径部の弁体側で大径部よりも外径が小さく形成される小径部を有する。オリフィスは、小径部の径方向に通じ、一端が燃料室に開口し、他端が軸通路に開口する。
これにより、簡素な構成でオリフィスをストッパに形成することが可能になる。したがって、製造コストを低減することができる。
請求項3に係る発明によると、オリフィスは、軸通路側から燃料室側に向かい内径が大きくなるように形成されたテーパ状の流路を有する。
これにより、燃料室からオリフィスに流れる燃料の流体抵抗を低減することが可能になる。したがって、オリフィスに燃料中の異物が堆積することを抑制することができる。
請求項4に係る発明によると、ストッパは、燃料通路を形成する通路部材の内壁に固定される大径筒部、及びこの大径筒部の下流側で大径筒部よりも外径が小さく形成される小径筒部を有する。オリフィスは、小径筒部に設けられ、一端が小径筒部の径外側に形成された下流通路に開口し、他端が燃料室に開口する。
これにより、請求項2に係る発明のようにストッパの大径部の弁体側に小径部を設けることなく、ストッパにオリフィスを設けることが可能になる。したがって、定残圧弁の軸方向の体格を小さくすることができる。
請求項5に係る発明によると、通路部材は、ストッパが固定される厚肉部、及びこの厚肉部よりも下流側で内径がストッパの外径よりも大きい薄肉部を有する。オリフィスは、ストッパに設けられ、一端がストッパと薄肉部との間に形成された下流通路に開口し、他端が燃料室に開口する。
これにより、請求項4に係る発明のようにストッパに大径筒部小径筒部とを設けることなく、オリフィスをストッパに設けることが可能になる。したがって、ストッパの構成を簡素にすることができる。
請求項6に係る発明によると、オリフィスは、ストッパの第2弁座の径方向に延び、下流側に凹む溝である。
これにより、弁体の第2シート部が第2弁座から離座しているとき、オリフィスの流路は燃料室に開放される。このため、燃料中の異物がオリフィスに付着又は堆積することが抑制される。したがって、定残圧弁の圧力保持性能を維持することができる。
請求項7に係る発明によると、オリフィスは、弁体の第2シート部の径方向に延び、第1弁座側に凹む溝である。この構成によっても、請求項6に係る発明と同様の作用効果を奏することができる。
本発明の第1実施形態による定残圧弁の用いられる燃料供給装置の構成図。 本発明の第1実施形態による定残圧弁が設けられる高圧ポンプの断面図。 図2のIII−III線の断面図。 図3の要部拡大図。 本発明の第1実施形態による定残圧弁の断面図。 本発明の第1実施形態による定残圧弁の用いられる燃料供給装置の特性図。 本発明の第1実施形態による定残圧弁の動作を示す説明図。 本発明の第2実施形態による定残圧弁の断面図。 本発明の第3実施形態による定残圧弁の断面図。 本発明の第4実施形態による定残圧弁の断面図。 本発明の第5実施形態による定残圧弁の断面図。 本発明の第6実施形態による定残圧弁の断面図。 本発明の第7実施形態による定残圧弁の断面図。 本発明の第8実施形態による定残圧弁の断面図。 図14のIV方向のストッパの平面図。 本発明の第9実施形態による定残圧弁のストッパの平面図。 本発明の第10実施形態による定残圧弁の断面図。 本発明の第11実施形態による定残圧弁の用いられる燃料供給装置の構成図。 本発明の第11実施形態による定残圧弁の断面図。 本発明の第12実施形態による定残圧弁の用いられる燃料供給装置の構成図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による定残圧弁が設けられた内燃機関の燃料供給装置を図1に示す。燃料供給装置1は、燃料タンク2、低圧ポンプ3、高圧ポンプ10、燃料レール4、および定残圧弁60等を備えている。本実施形態の定残圧弁60は、高圧ポンプ10に設けられている。
燃料タンク2から低圧ポンプ3によって汲み上げられた燃料は、低圧燃料配管5を通り、高圧ポンプ10に供給される。高圧ポンプ10は、加圧室121の容積を可変するプランジャ13を備えている。プランジャ13は、スプリング19によってカムシャフト6側に付勢され、カムシャフト6のカムプロフィールに沿って軸方向に往復移動する。これにより、加圧室121の容積が変化し、燃料が吸入、調量、加圧される。高圧ポンプ10で加圧された燃料は、高圧燃料配管7を通り、燃料レール4へ圧送される。燃料レール4に貯留された高圧燃料は、燃料レール4に接続するインジェクタ9により図示しない内燃機関の気筒内に噴射される。
定残圧弁60は、高圧ポンプ10の吐出通路114と加圧室121とを接続するリリーフ通路51に設けられている。なお、図1では、リリーフ弁50と定残圧弁60とを異なる燃料通路に記載しているが、後述するように、リリーフ弁50と定残圧弁60とは、同一のリリーフ通路51に設けることが可能である。
定残圧弁60は、吐出通路114の燃料圧力と加圧室121との燃料圧力の差圧が定残圧弁60に設定された所定圧以上になると開弁し、吐出通路114側から加圧室121側へ燃料を流す。定残圧弁60に設定される所定圧は、任意に設定可能である。本実施形態では、定残圧弁60の所定圧は、例えば内燃機関の停止後に燃料レール4内に発生するベーパを許容値以下とし、かつインジェクタ9からの燃料漏れを許容値以下とすることの可能な圧力に設定されている。
高圧ポンプ10について説明する。
図2および図3に示すように、高圧ポンプ10は、ポンプボディ11、プランジャ13、ダンパ室201、吸入弁部30、電磁駆動部70、吐出弁部90及び圧力調整部40などを備えている。
ポンプボディ11及びプランジャ13について説明する。
ポンプボディ11には、円筒状のシリンダ14が設けられている。シリンダ14には、プランジャ13が軸方向に往復移動可能に収容されている。プランジャ13は、一端がシリンダ14の軸方向の一方に形成された加圧室121に臨むように設けられている。プランジャ13の他端には、スプリング座18が取り付けられている。スプリング座18と燃料シール外環との間に、スプリング19が設けられている。このスプリング19の軸方向に伸びる力により、スプリング座18はカムシャフト6側へ付勢される。
ダンパ室201について説明する。
ポンプボディ11には、シリンダ14の反対側に、筒部203に囲まれるダンパ室201が形成されている。ダンパ室201には、金属ダイアフラムダンパ210、第1支持部材211、第2支持部材212及び波ばね213が収容されている。
蓋部材12は、有底円筒状に形成されている。蓋部材12は、筒部203の外壁に固定され、ダンパ室201を塞いでいる。
ダンパ室201は、低圧燃料配管5に接続される燃料入口と連通している。このため、ダンパ室201には燃料入口から燃料タンク2の燃料が供給される。
吸入弁部30について説明する。
吸入弁部30は加圧室121の径外方向に設けられている。吸入弁部30に形成される供給通路100を燃料溜り101と称する。
弁ボディ31は、燃料溜り101の加圧室121側に収容されている。弁ボディ31の内側にテーパ状の弁座34が形成されている。
吸入弁35は弁座34の加圧室121側に配置されている。吸入弁35は、弁ボディ31に設けられた孔32の内壁に案内されて往復移動する。吸入弁35に形成された弁シートは、弁ボディ31の弁座34に着座および離座可能である。
吸入弁35の加圧室121側にストッパ39が固定されている。このストッパ39は、吸入弁35の開弁方向(図2の右方向)への移動を規制する。ストッパ39の内側と吸入弁35との間には第1スプリング21が設けられている。第1スプリング21は、吸入弁35を弁座34に着座させる方向、すなわち閉弁方向へ付勢している。
ストッパ39には、ストッパ39の軸に対して傾斜する傾斜通路104が周方向に複数形成されている。
電磁駆動部70について説明する。
電磁駆動部70は、コイル71、固定コア72、可動コア73、接続部材75などから構成される。
接続部材75は磁性体からなり、吸入弁部30の燃料溜り101を塞いでいる。接続部材75は、固定コア72及びコネクタ77を保持している。
接続部材75の加圧室121と反対側に磁性体からなる固定コア72が設けられている。固定コア72と接続部材75との間の磁気的な短絡を非磁性体からなる筒部材79が防止している。
固定コア72の径方向外側に樹脂製のスプール78が設けられている。スプール78の径外側にコイル71が巻回されている。
可動コア73は磁性体からなり、接続部材75の固定コア72側に設けられた収容室に軸方向に往復移動可能に収容されている。
接続部材75の中央に設けられた孔の内壁には、ガイド筒76が取り付けられている。
ニードル38は略円筒状に形成され、ガイド筒76の内壁に案内されて往復移動する。ニードル38は、一方の端部が可動コア73と一体に組み付けられ、他方の端部が吸入弁35の電磁駆動部70側の端面に当接するように設置されている。
固定コア72と可動コア73との間に第2スプリング22が設けられている。この第2スプリング22は、ストッパ39側の第1スプリング21が吸入弁35を閉弁方向に付勢する力よりも強い力で、可動コア73を吸入弁35側へ付勢している。
コイル71に通電していないとき、可動コア73は固定コア72に吸引されず、第2スプリング22の弾性力により互いに離れている。このため、可動コア73と一体のニードル38が吸入弁35側へ移動し、ニードル38の端面が吸入弁35を押圧することで吸入弁35が開弁する。
コネクタ77の端子74を通じてコイル71に通電されると、固定コア72、可動コア73、接続部材75などによって形成された磁気回路に磁束が流れ、可動コア73は固定コア72に吸引される。可動コア73と一体のニードル38が固定コア72側へ移動し、ニードル38は吸入弁35に対する押圧力を解除する。そのため第1スプリング21の弾性力によって、吸入弁35は閉弁することが可能となる。
吐出弁部90について説明する。
加圧室121と燃料出口91とを吐出通路114が連通している。
吐出弁92は、有底筒状に形成され、吐出通路114に往復移動可能に収容されている。吐出弁92は、吐出通路114に内壁に形成された弁座95に着座することで吐出通路114を閉塞し、弁座95から離座することで吐出通路114を開放する。
吐出弁92の燃料出口91側に筒状の規制部材93が設けられている。規制部材93は、吐出弁92の燃料出口91側への移動を制限する。
スプリング94は、一端が規制部材93に当接し、他端が吐出弁92に当接している。スプリング94は、吐出弁92を弁座95側へ付勢している。規制部材93の設置位置によって、スプリング94のばね荷重が設定され、吐出弁92の開弁圧が調整される。
加圧室121の燃料の圧力が上昇し、加圧室121側の燃料から吐出弁92が受ける力がスプリング94のばね力と弁座95の下流側の燃料から受ける力との和よりも大きくなると、吐出弁92は弁座95から離座する。これにより、加圧室121から吐出通路114を通り、燃料出口91から燃料が吐出される。
一方、加圧室121の燃料の圧力が低下し、加圧室121側の燃料から吐出弁92が受ける力がスプリング94のばね力と弁座95の下流側の燃料から受ける力との和よりも小さくなると、吐出弁92は弁座95に着座する。これにより、弁座95の下流側の燃料が加圧室121へ逆流することが防止される。
副加圧室122について説明する。
プランジャ13は、加圧室121側に設けられる大径部133と、この大径部133の加圧室121と反対側で大径部133よりも外径が小さく形成された小径部131を有している。大径部133と小径部131との接続部分に段差面132が形成される。
小径部131には、略円環状のプランジャストッパ23が設けられている。プランジャストッパ23は、燃料シールエレメント24とシリンダ14との間に設けられている。プランジャストッパ23の加圧室121側の端面は、シリンダ14に当接している。プランジャストッパ23は、径方向に延びる複数の溝路231を放射状に有している。
シリンダ14の内壁とプランジャストッパ23とプランジャ13の段差面132との間に副加圧室122が形成される。
プランジャストッパ23の径外側を燃料シール外環25が覆っている。燃料シール外環25は、ポンプボディ11に設けられた凹部105に固定されている。
燃料シール外環25とポンプボディ11との間には、筒状通路106および環状通路107が形成されている。ポンプボディ11には、環状通路107とダンパ室201とを連通する戻し通路108が形成されている。溝路231、筒状通路106、環状通路107および戻し通路108が連通することで、副加圧室122とダンパ室201とが連通する。
燃料シール外環25とプランジャストッパ23との間に設けられた燃料シールエレメント24は、小径部131周囲の燃料油膜の厚さを規制し、プランジャ13の摺動による内燃機関への燃料のリークを抑制する。
燃料シール外環25の加圧室121と反対側の端部には、オイルシール26が装着されている。オイルシール26は、小径部131周囲のオイル油膜の厚さを規制し、プランジャ13の摺動によるエンジンオイルのリークを抑制する。
副加圧室122は、プランジャ13の往復移動に応じて容積が変化する。
高圧ポンプ10の吸入行程でプランジャ13が下降すると、加圧室121の容積が増大し、副加圧室122の容積が減少する。すると、ダンパ室201から加圧室121へ燃料が吸入されると同時に、副加圧室122の燃料がダンパ室201へ送り出される。このとき、加圧室121が吸入する燃料の約60%が副加圧室122から供給され、残りの約40%が燃料入口から吸入される。したがって、加圧室121への燃料の吸入効率が向上するとともに、燃圧脈動が低減される。
一方、高圧ポンプ10の調量行程及び加圧行程でプランジャ13が上昇すると、加圧室121の容積が減少し、副加圧室122の容積が増大する。加圧室121がダンパ室201側へ排出した低圧燃料の容積の約60%が、ダンパ室201から副加圧室122に吸入される。これにより、脈動の伝達が約60%低減される。
次に、圧力調整部40について、図3および図4を参照して説明する
圧力調整部40は、リリーフ弁50及び定残圧弁60から構成されている。
ポンプボディ11には、シリンダ14の中心軸と略垂直にリリーフ通路51が形成されている。リリーフ通路51のポンプボディ11の外壁側の開口は、プラグ55によって閉塞されている。リリーフ通路51は、吐出弁92の弁座95よりも燃料出口91側の吐出通路114と、加圧室121とを連通している。
リリーフ弁50は、リリーフ弁体52、アジャストパイプ53、スプリング54を備えている。
リリーフ弁体52は、筒状に形成され、リリーフ通路51に往復移動可能に設けられている。リリーフ弁体52は、リリーフ通路51に設けられた弁座56に着座することによりリリーフ通路51を閉鎖し、弁座56から離座することによりリリーフ通路51を開放する。
アジャストパイプ53は、筒状に形成され、リリーフ弁体52のプラグ55側で、リリーフ通路51の内壁に固定されている。スプリング54は、一方の端部がリリーフ弁体52に接し、他方の端部がアジャストパイプ53に接している。リリーフ弁体52は、スプリング54の付勢力により、弁座56側へ付勢されている。
アジャストパイプ53の取り付け位置により、スプリング54の荷重が調整される。スプリング54の荷重は任意に設定可能である。本実施形態では、例えば内燃機関の通常運転における燃料レール4の燃圧以上、電磁式のインジェクタ9が燃料噴射不能となる圧力未満でリリーフ弁体52が開弁するようにスプリング54の荷重を設定することが例示される。
定残圧弁60を図5に基づいて説明する。
定残圧弁60は、リリーフ弁体52の内側に形成された燃料通路57に収容されている。定残圧弁60は、弁体61、ストッパ65、付勢手段としてのスプリング68及びオリフィス69などを備えている。
本実施形態では、リリーフ弁体52が特許請求の範囲に記載の「通路部材」に相当する。
リリーフ弁体52の内側に形成された燃料通路57には、上流側にテーパ状の第1弁座41が形成されている。第1弁座41によって、上流通路42と後述する燃料室43とが区画される。
第1弁座41の下流側に筒状のストッパ65が設けられている。ストッパ65は、リリーフ弁体52の燃料通路57の内壁に圧入固定されている。ストッパ65は、軸方向に通じる軸通路66を有している。ストッパ65の軸通路66は、ストッパ65よりも下流側の下流通路44に連通している。また、ストッパは、軸通路66の第1弁座41側に、テーパ状の第2弁座67を有している。
弁体61は、第1弁座41とストッパ65との間に形成された燃料室43に収容されている。弁体61は、環状の環状部62、この環状部62の第1弁座41側に設けられた第1軸部63、及び環状部62の第2弁座67側に設けられた第2軸部64から構成される。
弁体61は、軸方向に往復移動可能である。環状部62と燃料室43の内壁との間は、燃料が流通可能である。なお、環状部62の周方向の一部に燃料が流通可能な図示しない切欠部を設けてもよい。
弁体61は、第1軸部63の第1弁座41側に、第1弁座41に着座および離座可能な曲面状の第1シート部611を有する。第1シート部611が第1弁座41に着座することで、上流通路42と燃料室43との燃料流れが遮断される。第1シート部611が第1弁座41から離座することで、上流通路42と燃料室43との燃料流れが許容される。
弁体61は、第2軸部64の第2弁座67側に、第2弁座67に着座および離座可能な半球状の第2シート部612を有する。第2シート部612が第2弁座67に着座することで、燃料室43とストッパ65の軸通路66との燃料流れが遮断される。第1シート部611が第1弁座41から離座することで、燃料室43とストッパ65の軸通路66との燃料流れが許容される。
ストッパ65は、燃料通路57を形成するリリーフ弁体52の内壁に固定される大径部651、及び、この大径部651の弁体61側で大径部651よりも小径に形成された小径部652を有する。
スプリング68は、一端が弁体61の環状部62に係止され、他端がストッパ65の大径部651の燃料室43側の端面に係止されている。スプリング68は、弁体61を第1弁座41側に付勢している。
オリフィス69は、ストッパ65の小径部652を径方向に通じている。オリフィス69は、燃料室43とストッパ65の軸通路66とを連通し、燃料室43と下流通路44との燃料の流れを制御する。
次に高圧ポンプ10の作動について説明する。
(1)吸入行程
カムシャフト6の回転により、プランジャ13が上死点から下死点に向かって下降すると、加圧室121の容積が増加し、燃料が減圧される。吐出弁92は弁座95に着座し、吐出通路114を閉塞する。
一方、吸入弁35は、加圧室121と供給通路100との差圧により、第1スプリング21の付勢力に抗して加圧室121側へ移動し、開弁状態となる。このとき、コイル71への通電は停止されているので、可動コア73とニードル38は第2スプリング22の付勢力により加圧室121側へ移動する。したがって、ニードル38と吸入弁35とが当接し、吸入弁35は開弁状態を維持する。これにより、ダンパ室201から供給通路100を経由し、加圧室121に燃料が吸入される。
吸入行程では、加圧室121の燃料圧力と吐出通路114の燃料圧力との差圧が大きくなる。このため、定残圧弁60の上流通路42と燃料室43との差圧が大きくなる。上流通路42の燃料圧力が弁体61に作用する力が、燃料室43の燃料圧力が弁体61に作用する力とスプリング68の付勢力との和よりも大きくなると、定残圧弁60が開弁する。このとき、弁体61の第1シート部611が第1弁座41から離座し、上流通路42の燃料が弁体61の環状部62よりも上流側の空間45に流入すると、弁体61の第2シート部612が瞬時に第2弁座67に着座する。その後、オリフィス69によって、燃料室43からストッパ65の軸通路66を通り下流通路44へ流れる燃料の流量が制御される。このため、高圧ポンプ10のポンプ効率の低下を抑制することができる。
(2)調量行程
カムシャフト6の回転により、プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇すると、加圧室121の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル71への通電が停止されているので、第2スプリング22の付勢力によりニードル38と吸入弁35は開弁位置にある。これにより、供給通路100は開放された状態が維持される。このため、一度加圧室121に吸入された低圧燃料が供給通路100を経由し、ダンパ室201へ戻される。したがって、加圧室121の圧力は上昇しない。
(3)加圧行程
プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇する途中の所定の時刻に、コイル71へ通電される。するとコイル71に発生する磁界により、固定コア72と可動コア73との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力が第2スプリング22の弾性力と第1スプリング21の弾性力との差よりも大きくなると、可動コア73とニードル38は固定コア72側(図2の左方向)へ移動する。これにより、吸入弁35に対するニードル38の押圧力が解除される。吸入弁35は、第1スプリング21の弾性力、及び加圧室121からダンパ室201側へ排出される低圧燃料の流れによって生ずる力により、弁座34側へ移動する。したがって、吸入弁35は弁座34に着座し、供給通路100が閉塞される。
吸入弁35が弁座34に着座した時から、加圧室121の燃料圧力は、プランジャ13の上死点に向かう上昇と共に高くなる。加圧室121の燃料圧力が吐出弁92に作用する力が、吐出通路114の燃料圧力が吐出弁92に作用する力およびスプリング94の付勢力よりも大きくなると、吐出弁92が開弁する。これにより、加圧室121で加圧された高圧燃料は吐出通路114を経由して燃料出口91から吐出する。
なお、加圧行程の途中でコイル71への通電が停止される。加圧室121の燃料圧力が吸入弁35に作用する力は、第2スプリング22の付勢力より大きいので、吸入弁35は閉弁状態を維持する。
加圧行程では、加圧室121の燃料圧力と吐出通路114の燃料圧力とが略同じである。これにより、定残圧弁60の上流通路42の燃料圧力と、下流通路44及び燃料室43の燃料圧力とが略同じになる。このため、弁体61は、スプリング68の付勢力によって第1シート部611が第1弁座41に着座する。したがって、上流通路42と燃料室43との燃料流れが遮断される。
高圧ポンプ10は、(1)から(3)の行程を繰り返し、内燃機関に必要な量の燃料を加圧して吐出する。
コイル71へ通電するタイミングを早くすれば、調量行程の時間が短くなると共に、加圧行程の時間が長くなる。これにより、加圧室121から供給通路100へ戻される燃料が少なくなり、吐出通路114から吐出される燃料が多くなる。
一方、コイル71へ通電するタイミングを遅くすれば、調量行程の時間が長くなると共に、吐出行程の時間が短くなる。これにより、加圧室121から供給通路100へ戻される燃料が多くなり、吐出通路114から吐出される燃料が少なくなる。
このように、コイル71へ通電するタイミングを制御することで、高圧ポンプ10から吐出される燃料の量を内燃機関が必要とする量に制御することができる。
次に、内燃機関停止後の定残圧弁60の作動を図6及び図7に基づいて説明する。
図6の時刻t1以前は、内燃機関の作動中である。燃料レール4の燃料圧力は、所定の圧力に維持されている。このとき、高圧ポンプ10の加圧工程において、図7(A)に示すように定残圧弁60は閉弁している。
図6の時刻t1で内燃機関が停止されると、加圧室121の燃料圧力の低下とともに燃料室43の燃料圧力が低下する。上流通路42の燃料圧力が弁体61に作用する力が、燃料室43の燃料圧力が弁体61に作用する力とスプリング68の付勢力との和より大きくなると、図7(B)から(C)に示すように、弁体61は第1シート部611が第1弁座41から離座し、第2シート部612が瞬時に第2弁座67に着座する。
その後、図6の時刻t1からt2の間に、上流通路42の燃料は燃料室43からオリフィス69を通り、下流通路44へ流れる。これにより、燃料レール4の燃料圧力は次第に低下する。
図6の時刻t2以前で、上流通路42の燃料圧力が弁体61に作用する力が、燃料室43の燃料圧力が弁体61に作用する力とスプリング68の付勢力との和より小さくなると、図7(D)に示すように弁体61は第1弁座41側へ移動する。
図6の時刻t2で、図7(E)に示すように、弁体61の第1シート部611は第1弁座41に着座し、上流通路42と下流通路44との燃料流れが遮断される。これにより、燃料レール4の燃料圧力が所定圧に維持される。したがって、燃料レール4のベーパ発生が抑制され、内燃機関の始動性が向上する。
本実施形態では、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態では、弁体61のリフト量を大きくすることが可能である。このため、弁体61の第1シート部611と第1弁座41との間に燃料中の異物が付着又は堆積することが抑制される。これにより、定残圧弁60の圧力保持性能を維持することができる。
(2)本実施形態では、高圧ポンプ10の作動時、第2シート部612が第2弁座67に瞬時に着座するので、燃料室43から下流通路44へ流れる燃料の流量がオリフィス69によって制御される。このため、高圧ポンプ10のポンプ効率の低下を抑制することができる。
(3)本実施形態では、ストッパ65の小径部652の径方向にオリフィス69を設けることで、オリフィス69を容易に形成することが可能になる。したがって、製造コストを低減することができる。
(4)本実施形態では、高圧ポンプ10の作動時に第1シート部611と第1弁座に異物を噛み込む、もしくは、燃料室43に異物がある場合、第2シート部612が第2弁座67に着座する寸前に、上流側からの燃料流れにより異物は軸通路66を通り下流側に排出することが可能である。これにより、定残圧弁60の圧力保持性能を維持することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による定残圧弁60を図8に示す。以下、複数の実施形態において上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、第2シート部612がテーパ状に形成されている。この構成においても、定残圧弁60は、第1実施形態と同様、第2シート部612が第2弁座67に着座すると、燃料室43とストッパ65の軸通路66との燃料の流れを確実に遮断することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による定残圧弁60を図9に示す。本実施形態では、第2シート部612と、第2弁座67とが、軸に対して垂直な平面状に形成されている。この構成においても、定残圧弁60は、第1、第2実施形態と同様、第2シート部612が第2弁座67に着座すると、燃料室43とストッパ65の軸通路66との燃料の流れを確実に遮断することができる。
また、本実施形態では、第2シート部612及び第2弁座67の加工が容易になるので、製造コストを低減することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による定残圧弁60を図10に示す。本実施形態では、弁体62の第1軸部63は、半球状に形成されている。
オリフィス69は、ストッパ65の小径部652の径外側に、軸通路66側から燃料室43側に向かい内径が大きくなるように形成されたテーパ状の流路691を有する。これにより、オリフィス69の燃料絞り流路の長さを調節することができる。また、燃料室43からオリフィス69のテーパ状の流路691に流入する燃料の流体抵抗が低減される。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による定残圧弁60を図11に示す。本実施形態では、ストッパ65は、第1弁座41側から大径筒部653、小径筒部654および係止部655を有する。
大径筒部653は、燃料通路57を形成するリリーフ弁体52の内壁に固定される。大径筒部653の内側に燃料室43が形成される。大径筒部の第1弁座側の端面は、リリーフ弁体53の段差521に当接している。これにより、燃料室43の軸方向の長さが正確に設定される。
小径筒部654は、大径筒部653の下流側に設けられ、大径筒部653よりも外径が小さく形成される。小径筒部654とリリーフ弁体52の内壁との間に下流通路44が通じている。
オリフィス69は、小径筒部654の径方向に通じ、燃料室43と小径筒部654の径外側の下流通路44とを連通する。また、オリフィス69は、小径筒部654の径外側に、燃料室43側から下流通路44側に向かい内径が大きくなるように形成されたテーパ状の流路691を有する。
係止部655は、大径筒部653および小径筒部654よりも外径が大きく形成され、リリーフ弁体52のスプリング54の一端を係止する。これにより、ストッパ65は、スプリング54の付勢力により、リリーフ弁体52の段差521に押し付けられる。
本実施形態では、第1〜第4実施形態のようにストッパ65の大径部651の弁体61側に小径部652を設けていない。ストッパ65は、大径筒部653および小径筒部654を有する。これにより、ストッパ65の小径筒部654にオリフィス69を設けることが可能になる。したがって、定残圧弁60の軸方向の体格を小さくすることができる。
また、ストッパ65の大径筒部653の長さにより、燃料室43の軸方向の長さが正確に設定される。したがって、定残圧弁60の弁体61のリフト量を正確に設定することができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態による定残圧弁60を図12に示す。本実施形態では、オリフィス69がリリーフ弁体52の径方向に設けられている。
下流通路44は、リリーフ弁体の径方向に設けられた穴58、59に連通している。このため、オリフィス69は、燃料室43と下流通路44との燃料の流れを制御することが可能である。
また、本実施形態では、スプリング68は、第1弁座41側よりも第2弁座67側の径が大きいテーパ状に形成されている。スプリング68の第1弁座41側は、弁体61の環状部62と第2軸部64との接続箇所に係止されている。スプリング68の第2弁座67側は、ストッパ65の燃料室43側の端面とリリーフ弁体52の内壁との接続箇所に係止されている。これにより、弁体61を燃料室43の中心に設置することが可能になり、第1シート部611と第1弁座41、及び第2シート部612と第2弁座67との着座安定性が維持される。
本実施形態では、ストッパ65にオリフィス69を設けることがないので、ストッパ65の構成を簡素にし、製造コストを低減することができる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態による定残圧弁60を図13に示す。本実施形態では、ストッパが、筒状の第1ストッパ656と、この第1ストッパ656の径内側に設けられる第2ストッパ657から構成されている。第1ストッパ656は、リリーフ弁体52の内壁に圧入されている。第1ストッパ656の下流側に設けられた係止部655にリリーフ弁体52のスプリング54が係止されている。
リリーフ弁体52は、第1ストッパ656が固定される厚肉部521と、厚肉部よりも下流側で内径が第1ストッパ656の外径よりも大きい薄肉部522とを有する。第1ストッパ656と薄肉部522との間に下流通路44が通じている。
オリフィス69は、第1ストッパ656の径方向に設けられる。オリフィス69は、一端が燃料室43に開口し、他端が下流通路44に開口している。
本実施形態では、第5実施形態のようにストッパに大径筒部小径筒部とを設けていない。リリーフ弁体52に厚肉部521と薄肉部522を設けることで、下流通路44薄肉部522の径外側に形成することが可能である。したがって、簡素な構成で第1ストッパ656にオリフィス69を設けることができる。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態による定残圧弁60を図14及び図15に示す。本実施形態では、オリフィス69は、第2弁座67に設けられている。オリフィス69は、下流側に凹む溝であり、第2弁座67の径方向に延びている。
これにより、弁体61の第2シート部612が第2弁座67から離座しているとき、オリフィス69の流路は燃料室43に開放される。このため、燃料中の異物がオリフィス69に付着又は堆積することが抑制される。したがって、定残圧弁60の圧力保持性能を維持することができる。
なお、オリフィス69は、第2シート部612に設けられていてもよい。この場合、オリフィス69は、上流側に凹む溝であり、第2シート部612の径方向に延びる。この構成によっても、燃料中の異物がオリフィス69に付着又は堆積することを抑制することができる。
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態による定残圧弁60のストッパ65の平面図を図16に示す。本実施形態では、オリフィス69は、第2弁座67に複数個設けられている。オリフィス69は、第2弁座67の直径方向に設けられている。
本実施形態では、オリフィス69を複数個設けることで、第2シート部612が第2弁座67に着座した際、燃料室43から下流通路44へ流れる流量を調節することができる。また、オリフィス69を複数個にする冗長性設計により、耐異物性に関し、定残圧弁60の信頼性を高めることができる。
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態による定残圧弁60を図17に示す。本実施形態では、第2弁座67及び第2シート部612がテーパ状に形成されている。この構成においても、第2弁座67又は第2シート部612に溝からなるオリフィス69を設けることが可能である。
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態による定残圧弁60を図18及び図19に示す。本実施形態では、定残圧弁60は、燃料レール4の端部に設けられている。定残圧弁60と燃料タンク2とを下流通路44が接続している。
定残圧弁60は、通路部材500の内側に形成された燃料通路57内に、弁体61、スプリング68及びストッパ65及びオリフィス69を備えている。通路部材500は、一端が筒状の第1取付部材510によって燃料レール4に取り付けられ、他端が第2取付部材520によって下流通路44を有する配管47に取り付けられている。
本実施形態においても、定残圧弁60の開弁時、弁体61のリフト量を瞬時に大きくすることが可能である。その後、燃料レール4の燃料はオリフィス69を通じて下流通路44へ流れる。これにより、弁体61の第1シート部611と第1弁座41との間に燃料中の異物が付着又は堆積することが抑制される。したがって、定残圧弁60の圧力保持性能を維持することができる。
(第12実施形態)
第12実施形態の定残圧弁60を図20に示す。本実施形態においても、定残圧弁60は燃料レール4の端部に設けられている。下流通路44は、一端が定残圧弁60に接続され、他端が高圧ポンプ10の供給通路100に接続されている。
本実施形態においても、定残圧弁60の圧力保持性能を維持することができる。
(他の実施形態)
上述した複数の実施形態では、リリーフ弁体52の内側の燃料通路57に定残圧弁60を設けた。これに対し、本発明は、吐出弁の内側に燃料通路を形成し、その燃料通路に定残圧弁を設けてもよい。
また、リリーフ弁又は吐出弁とは別に、ポンプボディに燃料通路を形成し、その燃料通路に定残圧弁を設けても良い。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、上記複数の実施形態を組み合わせることに加え、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態により実施することができる。
41 ・・・第1弁座
43 ・・・燃料室
44 ・・・下流通路
52 ・・・リリーフ弁体(通路部材)
57 ・・・燃料通路
60 ・・・定残圧弁
61 ・・・弁体
65 ・・・ストッパ
66 ・・・軸通路
67 ・・・第2弁座
68 ・・・スプリング(付勢手段)
69 ・・・オリフィス
611・・・第1シート部
612・・・第2シート部
651・・・大径部
652・・・小径部

Claims (7)

  1. 燃料通路および第1弁座を有する通路部材と、
    前記第1弁座の下流側で前記通路部材の内壁に固定され、軸方向に通じる軸通路、およびこの軸通路の前記第1弁座側に設けられた第2弁座を有する筒状のストッパと、
    前記第1弁座と前記ストッパとの間に形成された燃料室に設けられ、前記第1弁座に着座および離座可能な第1シート部、並びに前記第2弁座に着座および離座可能な第2シート部を有する弁体と、
    前記弁体を前記第1弁座側へ付勢する付勢手段と、
    前記ストッパまたは前記通路部材に設けられ、前記ストッパよりも下流側の下流通路と前記燃料室との燃料の流れを制御するオリフィスと、を備えることを特徴とする定残圧弁。
  2. 前記ストッパは、前記燃料通路を形成する通路部材の内壁に固定される大径部、及びこの大径部の前記弁体側で前記大径部よりも外径が小さく形成される小径部を有し、
    前記オリフィスは、前記小径部の径方向に通じ、一端が前記燃料室に開口し、他端が前記軸通路に開口することを特徴とする請求項1に記載の定残圧弁。
  3. 前記オリフィスは、前記軸通路側から前記燃料室側に向かい内径が大きくなるように形成されたテーパ状の流路を有することを特徴とする請求項2に記載の定残圧弁。
  4. 前記ストッパは、前記燃料通路を形成する前記通路部材の内壁に固定される大径筒部、及びこの大径筒部の下流側で前記大径筒部よりも外径が小さく形成される小径筒部を有し、
    前記オリフィスは、前記小径筒部に設けられ、一端が前記小径筒部の径外側に形成された前記下流通路に開口し、他端が前記燃料室に開口することを特徴とする請求項1に記載の定残圧弁。
  5. 前記通路部材は、前記ストッパが固定される厚肉部、及びこの厚肉部よりも下流側で内径が前記ストッパの外径よりも大きい薄肉部を有し、
    前記オリフィスは、ストッパに設けられ、一端が前記ストッパと前記薄肉部との間に形成された前記下流通路に開口し、他端が前記燃料室に開口することを特徴とする請求項1に記載の定残圧弁。
  6. 前記オリフィスは、前記ストッパの前記第2弁座の径方向に延び、下流側に凹む溝であることを特徴とする請求項1に記載の定残圧弁。
  7. 前記オリフィスは、前記弁体の前記第2シート部の径方向に延び、前記第1弁座側に凹む溝であることを特徴とする請求項1に記載の定残圧弁。
JP2011099108A 2011-04-27 2011-04-27 定残圧弁 Active JP5653288B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011099108A JP5653288B2 (ja) 2011-04-27 2011-04-27 定残圧弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011099108A JP5653288B2 (ja) 2011-04-27 2011-04-27 定残圧弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012229668A JP2012229668A (ja) 2012-11-22
JP5653288B2 true JP5653288B2 (ja) 2015-01-14

Family

ID=47431401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011099108A Active JP5653288B2 (ja) 2011-04-27 2011-04-27 定残圧弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5653288B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015163245A1 (ja) * 2014-04-25 2015-10-29 日立オートモティブシステムズ株式会社 高圧燃料供給ポンプ
JP2015218678A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 日立オートモティブシステムズ株式会社 リリーフ弁を備えた高圧燃料供給ポンプ
JP6365180B2 (ja) * 2014-09-25 2018-08-01 株式会社デンソー リリーフバルブ及び燃料供給システム
JP2017008806A (ja) 2015-06-22 2017-01-12 株式会社デンソー 高圧ポンプ
JP6384461B2 (ja) * 2015-12-03 2018-09-05 株式会社デンソー リリーフ弁装置、及び、それを用いる高圧ポンプ
JP6897173B2 (ja) * 2017-03-07 2021-06-30 株式会社デンソー 高圧ポンプ
DE102018209399A1 (de) * 2018-06-13 2019-12-19 Continental Automotive Gmbh Rückschlagventil, hochdruckführendes Bauteil und Kraftstoffhochdruckpumpe

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5832168U (ja) * 1981-08-26 1983-03-02 三菱重工業株式会社 燃料噴射ポンプ
JPH08296528A (ja) * 1995-04-25 1996-11-12 Yanmar Diesel Engine Co Ltd 燃料噴射装置の調圧機構
DE19541507A1 (de) * 1995-11-08 1997-05-15 Bosch Gmbh Robert Kraftstoffeinspritzeinrichtung für Brennkraftmaschinen
JP4380739B2 (ja) * 2007-07-06 2009-12-09 株式会社デンソー 高圧燃料ポンプ
JP4413260B2 (ja) * 2007-10-12 2010-02-10 株式会社日本自動車部品総合研究所 高圧燃料ポンプ
JP4595996B2 (ja) * 2007-11-16 2010-12-08 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の高圧燃料供給装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012229668A (ja) 2012-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5198511B2 (ja) 定残圧弁
JP5653288B2 (ja) 定残圧弁
JP5158219B2 (ja) リリーフ弁及びこれを用いた高圧ポンプ
JP4842361B2 (ja) 高圧燃料ポンプ
JP5136919B2 (ja) 高圧ポンプ
US20150078922A1 (en) High pressure pump
JP5472395B2 (ja) 高圧ポンプ
JP5051279B2 (ja) 定残圧弁
JP2006207451A (ja) 燃料ポンプ及びその燃料ポンプに備えられる吐出弁
JP6689178B2 (ja) 高圧燃料供給ポンプ
JP5577270B2 (ja) 高圧ポンプ
JP5933423B2 (ja) 高圧ポンプ
JP2010156255A (ja) 高圧ポンプ
JP2012154296A (ja) 高圧ポンプ
JP5529615B2 (ja) 高圧ポンプ
JPWO2018012211A1 (ja) 高圧燃料供給ポンプ
WO2016088340A1 (ja) 高圧ポンプ
JP5577269B2 (ja) 高圧ポンプ
JP5529681B2 (ja) 定残圧弁
US8608456B2 (en) High pressure pump
JP5703893B2 (ja) 高圧ポンプ
JP2009108783A (ja) 高圧燃料ポンプ
JP5482855B2 (ja) 高圧ポンプ
JP6770193B2 (ja) 高圧燃料供給ポンプ
JP7397729B2 (ja) 燃料ポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140724

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5653288

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250