JP5646173B2 - 分散方法 - Google Patents
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Description
【0001】
本願発明は、連続相、特に少なくとも一つの分散媒に、カーボンナノチューブ(CNT)を分散させる方法に関すると共に、この方法において得られる分散自身、及びそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(CNT:carbon nanotubes)は、微視的に小さいカーボンの管状構造(例えば、分子ナノチューブ)である。フラーレンの壁部又はグラファイトの平面のようなそれらの壁部は、カーボンから本質的に且つ排他的に構成され、六角形及びそれぞれの場合に3つの結合相手を有するハニカム状の構造を占有し、この構造は、炭素原子のsp2交雑によって示される。
【0003】
したがって、カーボンナノチューブは、いわゆるチューブを形成するために巻き上げられたグラファイトのカーボン面から得られる。前記炭素原子は、ハニカム状の六角形構造及びそれぞれの場合に3つの結合相手を形成する。理想的な六角形構造を有するチューブは、均等の厚さを有し、直線状であるが、曲げることも可能であり、五角形のカーボンリングを含む細くなるチューブであってもよい。グラファイトのハニカムネットワークがチューブ(「直線」又は「斜め」の)を形成するために巻かれる方法による螺旋状(例えば、ネジ状に巻かれたもの)及び非ミラー型対称構造、例えばキラル構造が存在する。
【0004】
単層カーボンナノチューブ(SWCNT又はSWNT)と多層カーボンナノチューブ(MWCNT又はMWNT)の間、開放又は閉鎖カーボンナノチューブ(すなわちフラーレン構造の一部である「キャップ」を有するもの)の間、空又は充填(すなわち、例えば銀、液体鉛、希ガス等で)カーボンナノチューブの間が、区別される。
【0005】
カーボンナノチューブ(CNT)の直径は、数ナノメータ(例えば、1〜50nm)の範囲内であるが、すでに唯一0.4nmのチューブ直径を有するカーボンナノチューブ(CNT)が提供されている。それぞれのチューブについて数ミクロンから数ミリメータ以上及び管巣については数センチメートルの範囲内の長さが、既に得られている。
【0006】
構造に詳細によって、カーボンナノチューブに関する電気的導通性は、金属的又は半導体的である。カーボンナノチューブが、低い温度で超伝導であることは公知である。
【0007】
半導体性のカーボンナノチューブを有するトランジスター及び簡単な回路は、既に製造されている。さらに、異なるカーボンナノチューブから複雑な回路を特別に製造することが試みられてきた。
【0008】
カーボンナノチューブの機械的特性は、優れている。カーボンナノチューブは、−例えば、1.3〜1.4g/cm3の密度について−数メガパルカル(MPa)の大きな引っ張り強度を有する。これと比較して、鋼の場合、少なくとも7.8g/cm3の密度で、単に約2MPaの最大引っ張り強度を有するものである。このように、密度に対する引っ張り強度の比率を数学的に与えるならば、所定のカーボンナノチューブについて、鋼の場合の135倍以上である。
【0009】
電子技術分野における特別な利点は、電流定格及び電気的熱的導通性である。電流定格は、銅線の場合に約1000倍高いことが推定され、室温時の熱伝導は、ダイヤモンドよりも約2倍である。カーボンナノチューブは半導体でもあるので、それは高電圧及び高温に耐え−これによってシリコントランジスターよりも高いクロック周波数を有する−優れたトランジスターを製造するために使用される。機能的なトランジスターは、既にカーボンナノチューブ(CNT)から製造されている。さらに、カーボンナノチューブ(CNT)は、不揮発性メモリを得るために使用される。また、カーボンナノチューブ(CNT)は計測学の分野においても使用される(例えば、トンネル顕微鏡をスキャンすること)。
【0010】
それらの機械的電気的特性に基づいて、カーボンナノチューブは、プラスチックにも適用できることがわかった。その結果として、たとえばプラスチックの機械的特性を大きく改善することができる。さらに、これによって、電気的に導通するプラスチックを製造することが可能となる。
【0011】
カーボンナノチューブ(CNT)は、商業的に利用性が高く、大企業(たとえば、Bayer Material Science AG,ドイツ;CNT Co. Ltd.,中国;Cheap Tubes Inc. アメリカ;及びNanocyl S. A.;ベルギー)によって供給される。対応する製造工程は、熟練者のそれと類似する。たとえば、カーボンナノチューブ(CNT)は、カーボン電極間のアーク放電によって準備され、たとえばレーザー除去(蒸発作用)によって、又は炭化水素の触媒分解によってグラファイトから開始される(化学的真空メッキ、短縮形CVD)。
【0012】
カーボンナノチューブ(CNT)に関する上述した特性及びこれらの特性から生じる可能な応用は、大きな興味を生じた。特に、応用の範囲について、容易に扱いやすい形で、好ましくは分散の形で、カーボンナノチューブ(CNT)が提供される必要がある。
【0013】
カーボンナノチューブ(CNT)の分散は、カーボンナノチューブ(CNT)が、大変高いアスペクト比を有し、高い凝集した且つ/又は螺旋状の形で存在することから、カーボンナノチューブ(CNT)が安定した分散に変換するのが大変難しいので、大きな挑戦を提案する。
【0014】
それゆえに、従来技術において、カーボンナノチューブ(CNT)を安定して分散させるためのたくさんの試みがあった。しかしながら、従来技術から知られた方法は、カーボンナノチューブ(CNT)の安定した凝縮された分散を生じるために適切でない:多くの場合、従来技術の方法は、貯蔵安定分散を生じず、さらに、従来の分散におけるカーボンナノチューブ(CNT)の濃度は、通常極端に小さい。
【0015】
このように、所定の従来技術による方法は、最初にカーボンナノチューブ(CNT)の表面を改質することを目的として、高価で不便な事前の前処理によって分散され、特に表面の極性を作成するために、連続した分散を促進する。カーボンナノチューブ(CNT)を改質するために最適な方法は、たとえば、酸化加工、特に化学的前処理、ハロゲン化、又はカーボンナノチューブ(CNT)の表面を改質する別の極性化加工である。たとえば、それらの分散に先立つカーボンナノチューブ(CNT)の表面の事前のフッ素処理を提供するこの種の方法は、たとえばアメリカ特許第6,827,918号に記載されている。
【0016】
これらの方法の不利益点は、高価であり且つ不便な前処理であり、特に工業的スケールで実行されるとき、それは結果としてより困難な方法の実行を生じ、非常に高い費用を必要とすることである。
【0017】
また、従来技術に記載された方法は、水溶性ポリマー材料の存在により、カーボンナノチューブ(CNT)を溶性分散に変換する(たとえば、アメリカ特許公開2004/0131859及び国際公開WO02/076888A1)。しかしながら、これらの方法は、一方で広く使用されることがなく、代わりに溶性分散媒体に制限されること、それらが単に相対的に低いカーボンナノチューブ(CNT)含有量を有する分散を生じるという不具合点を有するものである。2つの上述した公報の一般的な目的は、カーボンナノチューブ(CNT)の再分散粉末へのそこに記載された分散の転化である。
【0018】
通常、上述した従来技術の方法は、結果としてカーボンナノチューブ(CNT)の均質でない分散を生じ、また長い期間の安定性の欠如を生じるとともに、カーボンナノチューブ(CNT)の低い濃度又は含有量を生じる。さらに、純粋の分散媒体と比較して、従来技術の分散は、粘度の極端に高い上昇を示すとともに、約1重量%までのカーボンナノチューブ(CNT)の低い粒子含有量を示す。
【0019】
工業的実行に関して、これら従来技術の分散は、大きな不利益点を伴うため、結果としていろいろな媒体においてカーボンナノチューブ(CNT)の改善された分散についての要求が増えてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】 アメリカ特許第6,827,918号
【特許文献2】 アメリカ特許公開2004/0131859
【特許文献3】 国際公開WO02/076888A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
それゆえに、本願発明の目的は、カーボンナノチューブ(CNT)の分散を行う方法を提供することであり、上述した不利益点及び従来技術による不利益点を少なくとも実質的に防止し又は少なくとも抑制することを目的とするものである。
【0022】
本願発明のさらなる目的は、対応する従来技術の分散と比較して改善された特性、特に貯蔵安定性、且つ/又は、有効な流動性のような良好な管理性を有するカーボンナノチューブ(CNT)の分散を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本出願人は、もしカーボンナノチューブ(CNT)が、連続相、特に少なくとも一つの分散媒体において、少なくとも一つの溶剤(分散剤)の存在において、分散に十分なエネルギーの入力を導入することで、分散させるならば、上述した課題が十分に解決できることを見いだした。
【0024】
高いエネルギー入力、特に高い剪断力と相互作用する適当な溶剤(分散剤)の組み合わせを介して、十分に高い濃度及びさまざまな分散媒体において、安定して分散するカーボンナノチューブ(CNT)の簡易で安価な方法を提供することが可能となることが、この方法において現実となったことが見いだされた。
【0025】
そのため、上述された課題を解決するために、本願発明は、請求項1に記載された分散方法を提案する。さらに、本願発明の方法の利益的な特徴は、対応する従属請求項の主題である。
【0026】
本願発明のさらなる主題は、本願発明の方法によって得られたカーボンナノチューブ(CNT)の分散であり、且つ分散自体を示す対応する請求項において定義され又は記載されたカーボンナノチューブ(CNT)の分散である。
【0027】
さらに、本願発明のさらなる主題は、本願発明の方法によって取得可能なカーボンナノチューブ(CNT)の分散の使用であり、そのような使用は対応する請求項において定義され又は記載されたものである。
【0028】
したがって、本願発明の第1の様相は、連続相、特に少なくとも一つの分散媒体においてカーボンナノチューブ(CNT)を分散する方法、言い換えると、連続相において、特に少なくとも一つの分散媒体において、カーボンナノチューブ(CNT)の分散を準備する方法であり、前記カーボンナノチューブ(CNT)が、カーボンナノチューブ(CNT)の事前の前処理なしに、連続相、特に少なくとも一つの分散剤において、分散するのに十分なエネルギー入力の導入によって、少なくとも一つの溶剤(分散剤)の存在において、分散されるものである。
【0029】
分散の概念に関して、本願発明の状況において使用されるように、分散の概念が、一つの相(いわゆる分散媒体)が連続し、且つ少なくとも一つのさらなる相(いわゆる分散された相又は分散質;この場合はカーボンナノチューブ)が微細に分割される2つ以上の相の系(すなわち分散系)に関する指摘であることによって、1972年7月のDIN53900で特に参照される。本願発明の状況において、分散の概念は、懸濁の状態、すなわち液体中に不溶性微粒子固体が分散している状態に関して排他的に指摘される。
【0030】
本願発明に関して使用されるように、分散剤、分散添加剤、界面活性剤(湿潤剤)等として同義語として示される溶剤の概念は、一般的に、2つの成分−分散される粒子及び溶剤−の間の界面張力を低下させることによって、且つ界面活性を低下させることによって、分散媒体に粒子の分散を容易にする物質を示す。結果として、使用において溶剤(分散剤)には、たくさんの同義語的意味があり、たとえば、それは、分散添加剤、反沈降剤、界面活性剤、洗浄剤、懸濁又は分散補助剤、乳化剤等である。溶剤の概念は、分散媒体の概念と混合させるべきではなく、後者は分散の連続相を意味する(いわゆる液体、連続した分散媒体)。本願発明に関して、溶剤は、付加的に、分散された粒子(いわゆるカーボンナノチューブ)を安定化させるために、いわゆる分散においてそれらを安定した状態に保持するために、及び効果的な方法においてそれらの再集合化を避けること又は少なくとも最小限にするために働くものであり、これにより、結果として生じる分散の所望の粘度を生じ、分散されたカーボンナノチューブ(CNT)の濃度が高い場合ですら、容易に管理可能な流体系を実際に生じることができるものである。反対に、溶剤の使用がない場合には、結果として生じる分散の粘度が上昇するものであり、少なくとも相対的に高いカーボンナノチューブ濃度において、分散されたカーボンナノチューブ(CNT)の望まれない再凝集化を生じ、それらの系が、あまりに高い粘度又はあまりに低い流動性を有することから、結果として決して処理しやすい系を生じないといえるものである。
【0031】
また、「分散質」、「分散する」、「溶剤(分散剤)」、「分散系」及び「分散」という言葉については、たとえばロンプ化学辞典、第10版、ゲオルグシーメ出版、シュタットガルト/ニューヨーク、第2巻、1997年、1014頁/1015頁を参照するとよい。また、そこに参照された文献については、その全体的な開示内容が引例によって示されているものである。
【0032】
本願発明の方法の特色は、本願発明によって、分散処理が十分なエネルギー入力で実行されるという事実にみることができる(たとえば、剪断エネルギーの入力);一方で、導入されるエネルギーは、分散に必要とされるエネルギーを提供し、カーボンナノチューブ(CNT)によって形成される塊、集塊、螺旋を粉砕するのに十分でなければならず、他方で、カーボンナノチューブ(CNT)の破壊が開始される以上の所定のレベルを超えてはならず、且つこれは、個々のカーボンナノチューブ(CNT)を安定化し、再凝縮化の発生を防止し、且つそれに続く分散を容易にする適当な溶剤(分散剤)の存在において、結果として生じる分散を安定化させる場合でなければならない。
【0033】
本願発明の方法において、結果として生じる分散においてカーボンナノチューブ(CNT)の相対的に高い濃度をえることが可能とする。特に、本願発明の方法は、結果として生じる分散に基づいて、カーボンナノチューブ(CNT)に関して、5重量%以上の固体含有量を有する分散を生成するために使用される。一般的に、カーボンナノチューブ(CNT)は、連続相において、結果として生じる分散に基づいて、1×10−5重量%〜30重量%、特に1×10−4重量%〜20重量%、好ましくは1×10−3重量%〜10重量%、より好ましくは1×10−2重量%〜7.5重量%、さらに好ましくは1×10−1重量%〜5重量%の量で分散される。
【0034】
経済的に合理的な応用をするために、本願発明の方法は、所定の相対的に短い時間で実行され終了するべきであり、単位時間当たり所定のエネルギー入力が要求される。一般的には、本願発明の方法又は分散処理は、0.01〜30分、特に0.1〜20分、好ましくは0.2〜15分、より好ましくは0.5〜10分、さらに好ましくは0.5〜5分間内で実行される。それにもかかわらず、特定の場合によって又は応用に関連して、本願発明の範囲から離れることなしに、上記に特定した時間から逸脱することも必要である。
【0035】
上述したように、分散処理を実行するために、分散媒体に十分なエネルギー入力を行う必要があり、それは一方でカーボンナノチューブ(CNT)の確実な分散を確保するのに十分でなければならず、他方で、カーボンナノチューブ(CNT)又はそれらの構造の破壊が生じるほど高くてはいけない。
【0036】
要求されたエネルギー入力の供給は、超音波処理によって達成される。それにもかかわらず、他の可能性が本願発明により実施され、たとえばそれは高圧ノズルの応用であり、本願発明によれば超音波による処理が好ましい。
【0037】
一般的に、導入されるエネルギー量は、広い範囲で変えることができる。特に、エネルギー量は、分散されるカーボンナノチューブの単位量当たりに導入されるエネルギーとして計算される導入されるように、5,000〜500,000KJ/Kg、特に10,000〜500,000KJ/Kg、好ましくは15,000〜100,000KJ/Kg、より好ましくは25,000〜50,000KJ/Kgである。それにもかかわらず、その応用に関して、又は特定の場合の結果として、本願発明の範囲から離れることなしに、上述した数値から外れることも必要である。
【0038】
一般的に、適切な分散処理は、結果として生じる分散のためのカーボンナノチューブ(CNT)が、連続相、特に分散媒体、及び溶剤(分散剤)と、且つまた、適切な場合、さらに分散の構成要素又は成分と接触する方法段階に先立つものであり、これらの構成要素がお互いに、対応するエネルギーの入力で、好ましくは各範囲によって均質化される。しかしながら、この目的のために要求されるエネルギー入力は、分散処理のためのものよりも小さいものであり、通常の攪拌又は混合処理は、この目的のためにそれで十分である。
【0039】
一般的に、本願発明の方法は、連続相、特に分散媒体の沸点よりも低い温度で実行される。好ましくは、本願発明の方法は、10℃〜100℃、好ましくは15℃〜70℃の範囲内の温度で実行される。この場合、エネルギー入力は、結果として生じる分散の温度において増加するので、冷却することで分散処理を実行する必要がある。
【0040】
上述したように、本願発明の利点は、分散処理が、分散されるカーボンナノチューブ(CNT)の事前の前処理なしに、特に事前の酸化、化学処理(たとえば、硝酸、オゾン等のような酸化剤による)、熱処理、極性化、ハロゲン化等の処理なしに、実行されるという事実にみられる。
【0041】
本発明の方法に関して、従来技術から知られた方法によって調製され、又は商業製品(たとえば、Bayer MaterialScience AG, Leverkusen)として入手可能な所望のカーボンナノチューブを事実上使用することが可能である。
【0042】
本願発明に使用されるカーボンナノチューブ(CNT)は、たとえば、炭層カーボンナノチューブ(SWCNT又はSWNT)又は多層カーボンナノチューブ(MWCNT又はMWNT)、特に2層〜30層、好ましくは3層〜15層カーボンナノチューブであることが望ましい。
【0043】
本願発明によって使用されるカーボンナノチューブ(CNT)は、0.4〜50nm、特に1〜10nm、好ましくは2〜6nmの平均内部径、且つ/又は160nm、特に5〜30nm、好ましくは10〜20nmの平均外部径を有することが望ましい。本願発明に使用されるカーボンナノチューブは、0.01〜1000μm、特に0.1〜500μm、好ましくは0.5〜200μm、より好ましくは1〜100μmの平均長さを有することが望ましい。
【0044】
さらに、本願発明に使用されるカーボンナノチューブ(CNT)は、少なくとも1GPa、特に少なくとも5GPa、好ましくは少なくとも10GPaのカーボンナノチューブ当たりの引っ張り強さ、及び/若しくは、少なくとも0.1TPa、特に少なくとも0.5TPa、好ましくは少なくとも1TPaのカーボンナノチューブ当たりの弾性率、及び/若しくは、少なくとも500W/mK、特に少なくとも1,000W/mK、好ましくは少なくとも2,000W/mKの熱伝導率、及び/若しくは、少なくとも103S/cm、特に少なくとも0.5×104S/cm、好ましくは少なくとも104S/cmの導電率を有することが望ましい。
【0045】
一般的に、使用されるカーボンナノチューブ(CNT)は、0.1〜0.3g/cm3の範囲内、特に0.02〜0.2g/cm3の範囲内、好ましくは0.1〜0.2g/cm3の範囲内の嵩密度を有し、多数のカーボンナノチューブ(CNT)の塊又は集塊の形、特に高い螺旋状の形で存在する。
【0046】
発明に適したカーボンナノチューブ(CNT)は、商業的に入手可能であり、たとえば、Bayer MaterialScience AG, Leverkusenから入手可能である商品シリーズBaytubes(商標)(たとえば、Baytubes(商標)C150P)である。
【0047】
連続相又は分散媒体に関するかぎりでは、原則的に本願発明に関して、水性ベース、有機ベース又は水性−有機−ベースの分散媒体を使用することが可能であり、引例は有機分散媒体を使用することを提示する。一般的に、使用される連続相は、分散状態下で、特に大気圧(101.325KPa)下で、且つ10〜100℃、好ましくは15〜70℃の温度範囲内で、液体凝集状態で存在する分散媒体である。
【0048】
本発明の好ましい方法において、連続相として使用される分散媒体は、下記する基から選択される分散媒体である;(i) アルコール、特に、メタノール、エタノール、ブタノール、エチルヘキサノール、デカノール、イソトリデシルアルコール、ベンジルアルコール、プロパルギルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、オキソ法アルコール、ネオペンチルアルコール、シクロヘキサノール、脂肪酸アルコール及びジオール等の直鎖、分枝又は環式の一価又は多価アルコール、及びグリコール等のポリオール;(ii) 2−メトキシエタノール、モノフェニルジグリコール、フェニルエタノール、エチレングリコール、及びプロピレングリコールのようなエーテルアルコール;(iii) トルエン、キシレン及び脂肪族及び/若しくは脂環式ベンジン画分のような炭化水素、クロロホルム及びトリクロロエタンのような塩素化炭化水素;(iv) エーテル、特にジオキサン、テトラヒドロフラン及びポリアルキレングリコールジアルキルエーテルのような環式及び非環式エーテル;(v) カルボン酸エステル、特にエチルアセテート及びブチルアセテートのようなモノカルボン酸エステル、且つC2からC4ジカルボン酸(「二塩基エステル」)のジアルキルエステルのようなジカルボン酸又はポリカルボン酸エステル;(vi) エーテルエステル、特にエチルグリコールアセテート及びメトキシプロピルアセテートのようなアルキルグリコールエステル;(vii) ブチロラクトンのようなラクトン;(viii) 特にフタレンのような可塑剤;(ix) メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、及びアセトンのようなアルデヒド及びケトン;(x) ジメチルホルムアミドのようなアミド;(xi) N−メチルピロリドン;及び上述した分散媒体の混合物。
【0049】
さらに、原則的に、分散媒体として、イオン化した液体又は超臨界流体として知られるものを使用することができる。同様に水は、本願発明に関して適当な分散媒体である。
【0050】
発明に使用される分散剤に関する限りでは、それは、高分子分散剤、特に機能性ポリマーに基づく高分子分散剤であり、少なくとも500g/mol、好ましくは少なくとも1,000g/mol、より好ましくは2,000g/molの数平均分子量を有するものである。特に、本願発明に使用される分散剤は、官能基及び/若しくは顔料結合性を有する基を有するポリマー及びコポリマー、ポリマー及びコポリマーのアルキルアンモニウム塩、酸性基を有するポリマー及びコポリマー、顔料結合性を有する基、特に顔料結合性を有する塩基性の基を有するブロックコポリマーのようなコムコポリマー及びブロックコポリマー、任意に改質されたアクルラートブロックコポリマー、任意に改質されたポリウレタン、任意に改質され且つ/又は塩化されたポリアミン、リン酸エステル、エトキシラート、脂肪酸ラジカルを有するポリマー及びコポリマー、エステル交換ポリアクリラートのような付加的改質ポリアクリラート、酸官能性ポリエステル、ポリリン酸塩のような付加的改質ポリエステル、及びそれらの混合物からなる群から選択されることが望ましい。
【0051】
さらに、原則として、本願発明に最適な分散剤として、その目的のために知られているすべての分散剤、界面活性剤、湿潤剤等を使用することが可能である。
【0052】
本願発明の好ましい方法において、分散剤として選択された化合物は、公報EP1593700B1、EP0154678B1、EP0318999B1、EP0270126B1、EP0893155B1、EP0417490B1、EP1081169B1、EP1650246A1、EP1486524A1、EP1640389A1、EP0879860B1、WO2005/097872A1、及びEP1416019A1において記載された種類の化合物であり、たとえば、a)ウレタジオン基を有する1つ以上のポリイソシアナートと、b)XHがイソシアナート反応性基であり、且つ、Yが、イソシアナート反応性でなく、1つ以上の脂肪族、脂環式、脂肪族及び/若しくは芳香族基を具備するモノマー又はポリマー基であり、Yが、20,000g/mol以下の数平均分子量を有し、且つ、nは、1,2又は3である化学式(I)
Y−(XH)n (I)
で示される1つ以上の化合物であって、nが化学式(I)の化合物の少なくとも50モル%については1であり、前記a)で示される化合物の自由イソシアナート基のすべてが、化学式(I)の化合物と反応して、ウレタジオン基を有する中間媒体を得ることができると共に、該ウレタジオン基がそれに続いて、c)Rが、水素又は1から4個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝アルキル基であり、且つ、Zが、脂肪族、脂環式及び/若しくは芳香族塩基性ラジカルである化学式(II)
Z−NHR (II)
で示される1つ以上の化合物と反応し、この反応の後、アミノ基に対して反応可能な化合物と反応する反応生成物に、反応性アミノ基がまだ存在する添加化合物から、且つ、これらの添加物の塩又は四級化生成物から、前記分散剤が選択されることが望ましい。
【0053】
また、前記Yは、O、S及び/若しくはNのヘテロ原子且つ/又はエーテル、ウレタン、炭酸塩、シロキサン及び/若しくはエステル基を有し、且つ水素がハロゲンの代わりに使用されることが望ましい。
【0054】
さらに、前記Zは、
A) 脂肪族及び/若しくは脂環式基が少なくとも1つの第三アミノ基を有すること、又は
B) ヘテロ環式基が、水素を有さない少なくとも1つの基礎環窒素原子を有し、ヘテロ環式基が、有機結合基を介して前記NHRに結合されること、又は
C) 任意に改質されたポリアミン及び/若しくはポリイミンのラジカルの少なくとも1つの限定を有することが望ましい。
【0055】
さらにまた、Z−NHRとして使用される化合物は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、n>5であるNH 2 -(C 2 H 4 NH) n -C 2 H 4 -NH 2 の化学式で示されるより高い線形凝縮物、分枝ポリ−(C 2 −C 4 )−アルキレンアミン、第三アミノ基及び1,000,000g/molまでの数平均分子量を有するポリ(C 2 −C 4 )−アルキレンアミン、又はそれらアミンの混合物からなる群から選択される化合物であることが望ましい。
【0056】
また、第三アミノ基を有する分枝ポリ−(C 2 −C 4 )−アルキレンアミンの場合、前記化合物が、アジリジンポリマー(ポリポリエチレンエチレンイミン)であること、且つ/又は、存在する自由反応性アミノ基が、エポキシ基、炭酸塩、カルボン酸及び/若しくはα,β−不飽和化合物と反応されること、且つ/又は、使用される化学式(I)の化合物が、ヒドロキシ官能性ポリエーテル、ヒドロキシ官能性ポリエステルであり、及び/若しくは2〜30個の炭素原子を有し、その水素原子のいくつかが、ハロゲン及び/若しくはアリールラジカルによって置換される脂肪族及び/若しくは脂環式アルコールであること、且つ/又は、ウレタジオン基を有するポリイソシアナートが、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート及び/若しくはトリレンジイソシアナートに基づいたジイソシアナートの環式二量化生成物であることが望ましい。
【0057】
さらに、使用される分散剤は、溶剤の存在で、且つ付加的に反応性触媒の存在で、ポリイソシアナート、ヒドロキシ化合物、ツェレビチノフ水素及び少なくとも1つの窒素含有塩基性基を含む化合物、及びアミン水素を含む化合物を反応させることで得られる、付加化合物及びその塩であり、
これらの付加化合物が、
2.5〜6の平均官能価を有するポリイソシアナートと、
a) Y’が、
(i)8個〜30個の炭素原子を有し、その水素原子のいくつかがハロゲン及び/若しくはアリールラジカルによって置換された脂肪族及び/若しくは脂環式炭化水素基、
(ii)少なくとも1つの−O−及び/若しくは−COO−基を有し且つ350〜8,000の分子量を有し、水素原子のいくつかがハロゲンによって置換されることが可能である脂肪族、脂環式及び/若しくは芳香族基、
のいずれかである化学式(I’)
Y’−OH (I’)
で示される一価ヒドロキシ化合物とが、NCO基の15%〜50%、好ましくは20%〜40%、より好ましくは20%〜35%が反応するような量において、反応することによって得られるものであり、
b)結果として生じる反応生成物が、
Eが−OH、−NH 2 及び/若しくは−NHR(Rが、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)であり、且つ、Gが少なくとも2個の炭素原子を有し、3000以下の分子量を有し、且つ−O−、−COO−、−CONH−、−S−及び/若しくは−SO 2 −基を有することができる脂肪族基である化学式(II’)
G−(E)n (II’)
で示される化合物と、使用されるポリイソシアナートのNCO基の15〜45%、好ましくは20%〜40%、より好ましくは20〜35%が反応する量で、且つ、反応a)及びb)におけるNCO反応の合計が少なくとも40%で且つ75%未満、好ましくは45%〜65%、より好ましくは45%〜55%の量で、反応し、
c) その結果として生じる生成物が、
Qが−OH、−NH 2 、NHR(Rが、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)若しくは−SHであり、且つ、Zが少なくとも1つの第三アミノ基と共に2〜10個の炭素原子を有する脂肪族基であり、ヘテロ環式基が、1〜10個までの炭素原子を有するアルキレン基を介して前記基Qに結合されることが可能である化学式(III’)
Z−Q (III’)
で示される化合物と、前記反応a)及びb)で残った未反応イソシアナート基について、少なくとも1つの化合物Z−Qの分子が存在するような量で、反応することが望ましい。
【0058】
さらに、使用される分散剤は、溶剤の存在において及び反応性触媒の存在において、2.5〜20の平均官能基を有するポリイソシアナートを、
a)Yが、(i)8個〜30個の炭素原子を有し、その水素原子のいくつかがハロゲン及び/若しくはアリールラジカルによって置換された脂肪族及び/若しくは脂環式炭化水素基、(ii)少なくとも1つの−O−及び/若しくは−COO−基を有し且つ200〜10,000の平均分子量を有し、水素原子のいくつかがハロゲンによって置換された脂肪族、脂環式及び若しくは芳香族基であるという限定を有する化学式(I”)
Y−OH (I”)
で示される一価ヒドロキシ化合物と、
NCO基の10%〜70%、好ましくは15%〜45%、より好ましくは20%〜40%が反応するような量で、反応させることによって得られる付加化合物及びその塩であり、
b) Eが−OH、−NH 2 、−NHR(Rが、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)又は−SHであり、nが2又は3であり、且つ、Gが、少なくとも2個の炭素原子を有し、3,000以下の平均分子量を有し、且つ−O−、−COO−、−CONH−、−S−及び/若しくは−SO 2 −基を有することができる脂肪族、脂環式及び若しくは芳香族基である化学式(II”)
G−(E)n (II”)
で示される化合物と、
使用されたポリイソシアナートのNCO基の1%〜50%、好ましくは5%〜45%、より好ましくは15%〜40%が反応し、反応a),b)が、全体的な反応において、使用されたポリイソシアナートのNCO基の少なくとも20%及び85%未満、好ましくは30%〜65%、より好ましくは40%〜60%を生じる量において、反応されるものであり、
c) Qが−OH、−NH 2 、−NHR(Rが、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)又は−SHであり、且つ、Zが、少なくとも1つの第三アミノ基と共に2〜10個の炭素原子を有する脂肪族基であり、又はZが、水素原子を有しない少なくとも1つの塩基性リング窒素原子を有するヘテロ環式基であり、該ヘテロ環式基が、10個までの炭素原子を有するアルキレン基を介して基Qに結合される可能性がある化学式(III”)
Z−Q (III”)
で示される化合物と、反応段階a),b)において残った未反応イソシアナート基について、少なくとも1つのZ−Q化合物の分子が存在するような量において、反応されるものであり、前記化学式(II”)に示される化合物の少なくとも1モル%が、
Y’が、200〜10,000の平均分子量を有し、水素原子のいくつかがハロゲンによって置換され、且つ少なくとも1つの−NHCOO−基を有する脂肪族、脂環式及び/若しくは芳香族基である化学式(Ia)
Y’−OH (Ia)
で示される化合物によって置換され、及び/若しくは
前記化学式(II”)で示される化合物の少なくとも1モル%が、モノマー単位に基づいて50モル%までのコポリマー、特にビニルエステル、ビニルエーテル、スチレン、ビニルトルエン及び若しくはビニルチクロヘキサンを有し、10,000以下の平均分子量を有するモノヒドロキシ官能性ポリアクリル酸エステル及び/若しくはポリメタルクリル酸エステル及び/若しくはそのコポリマーによって置換され、及び/若しくは、前記化学式(II”)に示される化合物の少なくとも1モル%が、
G’が、少なくとも2個の炭素原子を有し、3,000以下の平均分子量を有し、少なくとも1つの−NHCOO−及び/若しくは−Si(CH 3 ) 2 O−基を有する脂肪族、脂環式及び/若しくは芳香族基であり、且つnが2〜3の数値である化学式(IIa)
G’−(OH)n (IIa)
で示される化合物によって置換されたことが望ましい。
【0059】
さらにまた、 使用される分散剤が、ポリイソシアナート、ヒドロキシ化合物、及びツェレビチノフ水素を有する化合物と、少なくとも1つの酸官能性成分又はアルコキシシリル基とを、反応性触媒の存在において反応させることによって得られ付加化合物及びその塩であり、これらの付加化合物が、2.5〜10の平均官能基を有するポリイソシアナートと、
a) Yが、
(i) 8個〜30個の炭素原子を有し、その水素原子のいくつかがハロゲン及び/若しくはアリールラジカルによって置換された脂肪族及び/若しくは脂環式炭化水素基、
(ii) 少なくとも1つの−O−、−NHCOO−及び/若しくは−COO−基を有し、200〜10,000の平均分子量を有し、その水素原子のいくつかがハロゲンによって置換された脂肪族、脂環式及び/若しくは芳香族基という限定を有する化学式(I”’)
Y−OH (I”’)
に示されるモノヒドロキシ化合物と、
NCO基の10%〜70%が反応するような量において反応することによって得ることができるものであり、
b)Gが、少なくとも2個の炭素原子を有し、3,000以下の平均分子量を有し、且つ−O−、−COO−、−CONH−、−NHCOO−、−S−、−Si(CH 3 ) 2 O−及び/若しくは−SO 2 −基を有することができる脂肪族、脂環式及び/若しくは芳香族基であり、nが2又は3である化学式(II”’)
G−(E)n (II”’)
であって、G−(E)nが、ジオール、トリオール、ジヒドロキシジアルキル硫化物又はジヒドルキシスルホンを示す化学式(II”’)の化合物と、
使用されたポリイソシアナートのNCO基の1%〜50%が反応し、反応a)及びb)が、反応全体を通して、使用されたポリイソシアナートのNCO基の少なくとも20%及び85%以下と反応するような量において、反応させられるものであり、
c)Qが、−OH、−NH 2 、−NHR(Rが、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)又は−SHであり、同一又は異なるラジカルZのそれぞれが、少なくとも1つの酸官能性ラジカルを有し且つ/又は少なくとも1つのSi(OR) m (R’) 3−m 基(R及びR’が、1個から10個の炭素原子を有するアルキル基であり、m=1〜3である)を有する脂肪族及び/若しくは脂環式及び/若しくは芳香族ラジカルであり、又はZ−Qが、第1アミノ基を有するモノ又はポリヒドロキシ化合物である化学式(III”’)
Z−Q (III”’)
で示される化合物、
又は、化学式(IV”’)
Z−NH−Z (IV”’)
で示される化合物の少なくとも1つと、
反応a)及びb)において残った未反応イソシアナート基のそれぞれについて、Z−Q化合物及び/若しくはZ−NH−Z化合物の少なくとも0.8分子が存在するような量において、反応され、
d)その結果生じる反応生成物が、未反応ヒドロキシル基を有する場合、これらのヒドロキシル基が、少なくとも2つのカルボキシル基を有するポリカルボン酸又はそれらの無水物と、反応するOH基のそれぞれについて、使用されたポリカルボン酸又はポリカルボン酸無水物の少なくとも0.8分子が存在するような量において反応されることが望ましい。
【0060】
また、分散剤は、酸によってアミン官能性化合物を塩化することで得られるように使用され、使用される前記アミノ官能性化合物が、非改質脂肪族線形ポリアミン及び/若しくは非改質脂肪族分枝ポリアミン及び/若しくは改質ポリアミンの群から選択される少なくとも3個のアミノ基を有するポリアミンであり、後者はモノ又はポリイソシアナートと反応するポリアミン、エポキシ官能性物質と反応するポリアミン、環式炭酸塩と反応するポリアミン、α,β−不飽和化合物でのマイケル反応によって反応するポリアミン、アルキル化及び/若しくは四級化ポリアミン且つ/又はカルボン酸でアミド化された分枝脂肪族ポリアミンであり、改質の後、分子当たりに存在する3つの塩形成性のアミノ基が存在し、使用される酸は、少なくとも化学式(OH) 3−n PO(OR 1 ) n (n=1又は2)の少なくとも1つのリン酸エステルであり、該化学式において、R 1 が、少なくとも5個の炭素原子を有するアリール若しくはアラルキルラジカル、且つ/又は100〜5,000g/molの間の数平均分子量を有するオキシアルキル化されたアルコールのラジカル、且つ/又は少なくとも1つのカルボン酸エステル基及び/若しくは100〜5,000g/molの間の数平均分子量を有するウレタン基を有するラジカルであることが望ましい。
【0061】
さらに、下記する化学式1
【0062】
【化1】
で示されるリン酸エステル及びその塩が分散剤として使用され、前記化学式1において、Rは、少なくとも1つのエーテル酸素原子(−O−)及び少なくとも1つのカルボン酸エステル基(−COO−)及び/若しくはウレタン基(−NHCOO−)を有し、200〜10,000の平均分子量を有する脂肪族、脂環式及び若しくは芳香族ラジカルであり、脂肪族基の所定の水素原子がハロゲン原子で置換されることが可能であり、各々の基Rにおけるエーテル酸素原子の数に対するカルボン酸エステル基及び/若しくはウレタン基の数の比は、1:20〜20:1の範囲内であり、且つ、特にRがモノ官能性脂肪酸及びポリオールのウレタン基自由モノエステルであるそれらリン酸エステルをのぞいては、nが1又は2であることが望ましい。
【0063】
さらにまた、分枝ポリマーが、(A)50重量%〜93重量%の少なくとも1つのエチレン化不飽和モノマー、(B)1,000〜20,000の分子量を有する2重量%〜25重量%の少なくとも1つのエチレン化不飽和マクロモノマー、(C)5重量%〜25重量%の少なくとも1つのポリマー化イミダゾール誘導体、からなるモノマー混合物から由来する分散剤として使用され、成分(A),(B)及び(C)共に、15,000〜100,000分子量を有するポリマーを100重量%とすると共に、所定の塩の形で存在させることが望ましい。
【0064】
また、アルコキシル化されたエポキシド/アミン付加物は、500g/mol以上の数平均分子量を有し、且つ(A)少なくとも8個の炭素原子を有するモノ及び/若しくはポリエポキシド、及び(B)1以上の第2OH基を有する付加物を形成するための第1及び/若しくは第2アミン且つ/又は第1及び/若しくは第2アルカノールアミド且つ/又は第2アルキルアルカノールアミンとの反応、且つ、(C)アルキレン酸化物とのそれにつづくアルコキシル化を介して得られる分散剤として使用されることが望ましい。
【0065】
さらに、使用される分散剤は、(I)モノ又はポリ官能性芳香族エポキシドを、(II)400g/mol以上の数平均分子量を有するポリオキシアルキレンモノアミン又は分子当たり少なくとも4個のエーテル酸素を有する第2アミノ基との反応を介して得られる付加化合物であり、開始材料の90%〜100%のエポキシ基が反応し、付加化合物の芳香族基の重量画分が、50%以下であり、且つ前記付加化合物が分子当たり少なくとも1つの塩形成性アミノ基を有し、又は塩形状で存在することが望ましい。
【0066】
さらにまた、コポリマーが、(a)1〜80モル%の少なくとも1つのエチレン化された不飽和1,2−ジカルボン酸誘導体、(b)1〜90モル%の12個から30個の炭素原子を有する少なくとも1つの不飽和モノカルボン酸誘導体、(c)1〜90モル%の5,000g/molまでの数平均分子量を有する少なくとも1つのポリアルキレンオキシアルリルエーテル、及び(d)0〜30モル%の前記(a),(b),(c)によって包囲されなかった不飽和モノマーのコポリマー化によって得られ、さらに任意にこれらのコポリマーとアンモニア、水、アルコール、アミノアルコール、及び/若しくはアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物と反応させることによって得られる分散剤として使用されることが望ましい。
【0067】
また、アクリル酸アルキルエステルポリマーが、エポキシ官能性から自由である分散剤として使用され、1〜50%のポリマーのエステル基が酸アミドを形成するために実行される反応を有し、前記アクリル酸アルキルエステルポリマーがアミンによってポリマーのエステル基のアミノリシスによって得られ、該アミノリシスが、(a)R 1 が2個〜4個の炭素原子を有する二価アルキレンラジカルであり、R 2 及びR 3 が1個〜12個の炭素原子を有する脂肪族及び/若しくは脂肪族アルキルラジカルであり且つ同一又は異なるものである化学式NH 2 −R 1 -NR 2 R 3 で示されるアミン、及び、(b)R 1 が2個〜4個の炭素原子を有する二価アルキレンラジカルであり、Zが2個までの窒素原子又は付加的な酸素を有する5−又は6−部分からなるN含有ヘテロ環である化学式NH 2 -R 1 -Zで示されるアミンの群から選択された少なくとも1つのアミンを使用することで実行されることが望ましい。
【0068】
さらに、化学式2
【0069】
【化2】
で示される分散剤が分散剤として使用され、その化学式において、R 1 が、分子当たり1〜3個のヒドロキシル基を有する化合物の有機ラジカル、又はシリコン原子に結合しない1〜3個のヒドロキシル基を有するポリシロキサンのラジカルであり、R 2 が、二価の直鎖又は分枝脂肪酸又はシクロ脂肪酸ラジカルであり、xが2〜8,nが10〜500,且つmが1〜3であり、前記分散剤が、1,000〜20,000g/molの分子量及び3〜180mgKOH/Gの酸価を有し、室温時に固体であることが望ましい。
【0069】
さらにまた、勾配コポリマーが、分散剤として使用され、該勾配コポリマーが、ポリマーでないモノ官能性発動因子を使用するエチレン化不飽和モノマーのリビング制御ポリマー化によって取得可能であり、且つ前記勾配コポリマーが、親水性から疎水性特性へ前記ポリマー鎖に沿った移行を所有し、そこで、a)モノマー(I)が反応下においてモノマー(II)に連続的に変化し、又は、b)モノマー(I)及びモノマー(II)が反応のための反応容器へ、異なる計量率で連続的に変化し、前記モノマー(I)又はモノマー(II)の一方が、勾配コポリマーの化学反応の後、分散されるカーボンナノチューブと反応する勾配コポリマーに基を導入し、且つ他方のモノマーが、連続相、特に分散媒体に適合する勾配コポリマーに基を導入し、且つ、前記モノマー(I)若しくはモノマー(I)の化学反応による生成物、又は、前記モノマー(II)若しくはモノマー(II)の化学反応による生成物の一方が疎水性特性を有し、且つ他方のモノマー若しくは他方のモノマーの化学反応による生成物が親水性特性を有し、疎水性及び親水性の特性は、親水性特性が22J 1/2 /cm 3/2 以上の溶解度パラメータの場合に存在し、且つ疎水性特性が、22J 1/2 /cm 3/2 未満の溶解度パラメータの場合に存在し、且つ、「モノマー(I)」及び「モノマー(II)」という言葉が、一方でモノマー(I)とモノマー(II)の混合物を含むことが望ましい。
【0070】
本願発明の方法に関する限りでは、原則として、それは、連続した処理又は非連続の処理において実行され、相対的に短い時間で行われる。その低いレベルの複雑さのために、本願発明の方法は、工業的に容易に用いることができ、汎用的に且つ経済的に実行することが可能であり、且つトンスケールの製品まで適合させることが可能となるものである。
【0071】
原則として、本願発明の方法は、広い範囲のいろいろな溶剤又は分散剤の分散媒体、且つカーボンナノチューブ(CNT)に使用可能であり、さらなる方法又は方法ステップと容易に結合することができる。
【0072】
最初に述べたように、カーボンナノチューブ(CNT)の分散は、たとえば3〜25nmの径範囲であるが、約10nmまでの長さ範囲であるカーボンナノチューブが大きなアスペクト比を有し且つ高螺旋化形状で存在することから、非常に難しい処理である。高いレベルの螺旋化に関して、大変高いエネルギー入力又は剪断力が、カーボンナノチューブを分離するために必要である。非螺旋化は適当な分散剤の同時の使用なしに高いエネルギー入力によってのみ達成されるので、カーボンナノチューブは単にサイズ減少であり、十分な安定性がなく、結果として生じる分散は、不均一で長時間の安定性に欠ける。分散剤の使用は、一方で、簡単に且つより優しい非螺旋化を確保するためにカーボンナノチューブ(CNT)を湿潤することを目的とし、且つ他方で、分散剤でコーティングすることによって、結果として分解されたカーボンナノチューブを安定化することを目的とし、その結果として、本発明の方法で、安定して均一な分散が得られるものである。理論的にいえば、分散は、粘度の少しの上昇を示し、且つカーボンナノチューブ(CNT)の高い活性化を示す。
【0073】
これに対して、従来技術に開示された方法は、通常、長時間の安定性に欠ける不均一な分散を生じる。さらに、従来技術の分散は、約1%だけの低い粒子含有量で、粘度の高い上昇を示す。
【0074】
本願発明に関して、適当な分散剤を高いエネルギー入力又は剪断力と結合させることによって、簡易でコスト効果の高い方法が、広い範囲のいろいろな媒体のいずれかで、且つ十分に高い濃度で、安定して分散するカーボンナノチューブ(CNT)を提供することが見いだされた。
【0075】
本願発明の方法は、高いカーボンナノチューブ(CNT)含有量又は高い充填レベル(結果として生じる分散に基づいて約5重量%)を有し、且つ低い粘度と同じ時間でこれを達成し、これによって容易に管理することができるものである。
【0076】
さらに、本願発明の方法によって取得可能な分散は、高い貯蔵安定性を示す。
【0077】
したがって、本願発明の第2の様相によれば、本願発明は、上述したような本願発明の方法によって取得可能である連続相、特に少なくとも一つの分散媒体におけるカーボンナノチューブ(CNT)の分散を提供する。
【0078】
本願発明の分散に関するさらに関連した詳細については、分散自体を示す対応する請求項を参照することが望ましい。
【0079】
本願発明の方法によって得られる本願発明による分散は、特別な安定性、特に貯蔵安定性を有する。特に、本願発明の分散は、少なくとも1週間、好ましくは少なくとも1ヶ月、より好ましくは少なくとも3ヶ月、もっとも好ましくは少なくとも6ヶ月に亘る貯蔵安定性を有する。上述したように、本願発明の分散は、室温で流体であり、これによって、容易に管理可能となる。本願発明よって調製された分散は、ニュートン又はほとんどチクソトロープ及び/若しくは構造的粘性反応、好ましくはニュートン反応を示す。
【0080】
本願発明によって得られる分散は、さまざまな応用に適している。本願発明の第3の様相によれば、本願発明は、本願発明の方法によって得られる分散の特許的使用であり、対応する使用の請求項において定義される。
【0081】
このように、たとえば、本願発明の分散は、電子工学の分野において、たとえばコンピュータ工学及びコンピュータ産業、半導体工学及び半導体産業、及び係属学及び計測産業の分野において、導体又は半導体構造、ナノ電子構造及び装置、トランジスター、不揮発性メモリ、ディスプレイ及びスクリーン及びそれらの構成要素、及び、回路、ダイオード等のような計測学的及びコンピュータ部品及び構成要素等の分野における応用について最適である。
【0082】
さらに、本願発明の分散は、プラスチック及びポリマー合成物、コーティング、ペンキ、インク、合成構造物等における応用又は結合に最適である。
【0083】
好ましくは上述した物質(たとえば、プラスチック及びポリマー合成物、コーティング、ペンキ、インク、合成構造物等)に関して、本願発明の分散は、伝導性を向上させるために、及び/若しくは、機械的特性、特に強度を改善するために使用される。このように、たとえば本願発明の分散は、上述した材料の補強された材料として適している。
【0084】
さらに、本願発明によって用意された分散は、カーボンナノチューブ(CNT)の束、繊維、マット、及び他の凝集性構造を生成するために適している(たとえば、分散媒体の除去後)。
【0085】
その上、発明の分散は、航空宇宙工学の分野の応用に適している。
【0086】
発明の分散の応用に関するさらなる分野は、冷却工学の分野であり、特に大変広い種類の応用のいずれかのためのヒートシンクの製造に関するものである(たとえば、CPU冷却装置等のGSMベースステーションに関する)。
【0087】
最後に、本願発明の分散は、特に前述した材料(たとえば、プラスチック及びポリマー合成物、コーティング、ペンキ、インク、合成構造物等)において、電気及び/若しくは電磁放射線からシールドするために使用される。
【0088】
本願発明のさらなる具体例、改良及び変形は、本願発明の範囲から離れることなしに、明細書を読むことにおいて当業者にとって、容易に明白且つ実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】 図1は、異なるCNT含有量を有するPMA分散の粘度を示す。
【図2】 図2は、CNTの濃度に対して異なるCNT含有量を有するPMA分散の粘度の対応する対数図を示す。
【図3】 図3は、DISP−Iの異なる量を有するPMAにおけるCNTの1%分散の粘度の比較を示す。
【図4】 図4は、PMAにおける0.1%(最も下の曲線)及び1.0%(最も上の曲線)分散の粘度を示す。
【図5】 図5は、分散剤なしで超音波処理した後のPMAにおけるCNTの0.1%分散の10倍拡大図である。
【図6】 図6は、50%の分散剤(DISP−II)の存在で超音波処理した後のPMAにおけるCNT0.1%分散の10倍拡大図である。
【図7】 図7は、100%の分散剤(DISP−I)の存在で超音波処理した後のPMAにおけるCNT0.1%分散の10倍拡大図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0090】
本願発明は、下記する例を参照することによって説明されるが、それは本願発明を減縮するものではない。
【実施例1】
【0091】
実施例A:
本願発明の特別な利点は、下記に記載され、たとえば、分散媒体としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテル又はメトキシプロピルアセテート)においてカーボンナノチューブ(以下、CNT)の分散を使用すること、異なる分散剤及び超音波分散ユニットを使用することである。
【0092】
最初に、分散機のみで、分散剤のあるなしでいろいろな比較実験が実行されるが、すべての場合において、その結果は失望するものであった。この分散は、大変な不均一であり、数時間から1日の時間の後で、完全に沈降する。
【0093】
これに対して、超音波トランスデューサーでの同様の比較可能な実験は、良好な結果を示すものであり、これによって、CNTの0.1%分散がほんの少しの沈降で実行されるが、まだ不均一なままである。この場合、凝集物は事実粉砕されるが、CNTは、高い段階まで損傷され、且つ十分な安定性が得られない。この方法で用意された分散は、工業的使用に適していない。分散剤の付加は、結果を著しく上昇させる。
【0094】
このように、超音波だけ又は分散剤だけが使用されるならば、実験は結果として不安定な且つ不均一な分散又は十分な沈降作用を有する懸濁を生じる。
【0095】
本願発明の実験において、異なる分散剤が、異なる量において、超音波の入力とともに、使用され、所望の結果を生じた。
【0096】
【表1】
【0097】
第1の実験シリーズとして、メトキシプロパルアセテート(以下、PMA)の多層カーボンナノチューブ(以下、MWCNT)の1%分散が、超音波(表2)の使用で調製される。その結果は、分散処理の後の直接目視、沈降作用及び粘度に基づいて評価された。前記分散は、下記する例Bに記載される同じ方法で調製される。
【0098】
【表2】
【0099】
特に、沈降作用のより良い評価を得るために、第2段階は、より高い希釈分散が、これらの分散剤(表3)で調製されたことを調べる。0.1%の濃度で、DISP-Iで安定化された分散が最良の結果を示した。
【0100】
【表3】
【0101】
実験の途中で、DISP−Iと超音波の結合が、大変良い結果を示したことが明確となった。その結果は、大変良好であり、その系が5%のCNT含有量まで上昇され、分散が顕著な特性を示し、且つ優れた貯蔵安定性を示した。さらに10%以上のCNT含有量までの上昇が同様に得られた。
【0102】
さらに、CNTの調製方式に関係なく、本願発明の方法は、成功裏に達成された。言い換えると、本願発明の方法は、CNTの一般的な使用に適しており、且つCNTの前表面改質を要求せず(本来のまま又は後合成)、それによって大きな省コストが達成される。
【0103】
これは、前記分散が下記する利点を有するので、多種多様な応用においてCNTを産業的に使用する大きな機会をもたらす:
・高い充填量、又は5重量%以上のCNT
・長時間の安定性を有する均一な分散
・簡単な分散方法(CNTの優しい非螺旋化)
・すべての商業的に利用可能なCNTについて一般的に使用可能であること
・バッチ及び連続した処理に等しく平均以上且つ最適である費用効果の高い分散方法
・さらなる加工段階と結合可能であること
・必要ならば、達成可能な低い粘度
・より機能的にする添加剤の付加を可能にすること
・分散剤の機能化を可能にすること
【0104】
さらになる実験において、本願発明の方法は、また別の溶剤に置き換えることも可能である。水又は極端に無極性の媒体を使用するときには、もちろん、分散剤の官能基に関する要求が異なるものである。
【0105】
さらに、本願発明によって調製された分散は、たとえば分散媒体マトリクスのCNTの指向性についてさらに加工される。これによって、電界内において平行に整列したCNTを実行することが可能となる。しかしながら、この目的のために、CNTは、個別化され均一化された分散状態、理想的には高い濃度で存在しなければならない。これは、本願発明の方法を会して最初に確保される。そのため、その後の平行指向性が可能であり、多くの応用についてもっとも重要なものである。
【0106】
対応する実験装置は、下記するように設計される。タンクにおいて、所望の分散媒体において凝集化されたCNTが、分散剤とともに導入され、フローセルを介して回路にポンプで送られ、そこで分散処理が、超音波によって実行される。その結果として生じる分散は、所望のレベルの分散が達成される(バッチ処理)までタンクに再循環されて回路で分散されるか、超音波分散ユニットを有するさらなるフローセルにポンプで送られる(連続処理)。それから、これは、たとえば、樹脂(又は、ペンキ、コーティング液等)と混合することによって次に進み、電界を通る次の通路がCNTの平行整列を提供する。平行整列は、二者択一的に、遅い時点で実行されることが望ましい。先行条件は、単に個別化されたCNTの安定した分散であり、本願発明の方法によって確保されたものである。
【実施例2】
【0107】
実施例B:
100%のDISP−Iを有するメトキシプロプルアセテート(PMA)のCNT(Baytubes(商標)、たとえば、Baytubes(商標)C150P)1.0%分散の調製
350mlPEビーカには、196gのPMAと2gのDISP−Iが加えられ、この最初の充填が、歯付ディスク(d=40mm)を有して1,000rpmの回転速度の分散機を使用して均一化される。2gのCNTが、前記混合物に加えられ、前記PEビーカが、ステンレス鋼二重壁容器に入れられて、冷却媒体としての水によって5℃まで冷却される。分散は、媒体内に約2〜3cm延出するウルトラソノトロード(d=38mm)を使用することで実行される。約500±20Wの電力で、懸濁は、温度が70℃以下が保たれた状態で、1.5〜2分間分散される。その結果、均一化、貯蔵安定性、低い粘度のブラック分散を生じる。
【0108】
粘度
CNT充填度の機能としての粘度
CNT充填度を向上することで粘度を向上させることを説明するために、0.1%〜5%の範囲内のCNT含有量を有するPMAにおける異なる分散の粘度が測定された(図1及び図2)。図1は、CNTに対して200重量%の一定量の分散剤で、異なるCNT含有量を有するPMA分散の粘度を示しており(0.1%、0.5%、1.0%、2.0%、3.0%及び5.0%;順次下から上へ考慮される曲線)、図2は、CNTの濃度に対する異なるCNT含有量を有するPMA分散の粘度の対応する対数作図である。
【0109】
分散剤画分の機能としての粘度
CNTの大きな表面積及び螺旋を形成するためのそれらの付勢力について、高い分散画分が使用されなければならない。その結果として、50重量%〜200重量%(CNTに基づいて)の分散濃度が使用された。分散のための使用された測定は、粘度である。図3から、150%の分散濃度から、粘度は低いままであることが証明された。十分に低い濃度は、高い粘度を生じる。図3は、異なる量のDISP−I(CNTに基づいて50重量%、100重量%、150重量%及び200重量%;順次上から下に考慮される曲線)を有するPMAのCNT1%分散の濃度を比較したものである。
【0110】
異なるCNTの比較
図4から明らかなように、分散するCNTに関する本願発明の方法は、広い範囲のいろいろな異なる種類のCNTに、ほとんど適用することが可能である。図4は、例によって、一方でBaytubes(商標)C150Pに関して、他方でCNT Co.,Ltd.のCNTに関して、PMAのCNTの0.1%(一番下の曲線)及び1%(一番上の曲線)分散の粘度を示す。粘度は、CNTが製造される事業所に関係なく、事実上同一である。
【0111】
結果の概要
本結果は、サンプルの「壁すべり」を「迂回し」且つ低い濃度と高い濃度のCNT懸濁を比較させる測定状態下で測定される。その測定結果は、正直なところ絶対値として考えるべきではなく、前記サンプルの経験的な比較のための基礎として役立つものである。
【0112】
PMAにおいてBaytubes(商標)の0.1%と1.0%の分散剤なしの不安定懸濁は、沈降作用によって測定できない。
【0113】
本願発明の方法を介して、5重量%以上のCNT含有量を有する流体ペーストを調製することができる。
【0114】
テストされる湿潤剤について、DISP−Iは、それ自体粘度レベルに関してもっとも効果であることを示した。
【0115】
粘度は、CNTの固体含有量の上昇に伴って且つ分散剤の同じ適用量(DISP−Iの200重量%)で、指数関数的に上昇する。
【0116】
測定条件
UTCE/C電気温度状態ユニットを有するThermoHaakeRS300
測定装置:35mm 1°コーン/プレートシステム
実験モード:CSR(Controlled Shear Rate)モードの回転
【0117】
サンプルのすべては、明らかに明白な降伏点を示す。さらに、視覚感覚テストは、サンプルの一部に、チキソトロピー又は構造的に粘着性作用を反映する。
【0118】
光学顕微鏡映像
凝集レベルの効果及び分散の品質を得るために、顕微鏡写真は異なる分散について示される。下記する写真は、特に良好で且つ特に良くない分散のサンプルを選択したものである。
【0119】
図5は、分散剤なしで、超音波処理した後、PMAにおけるCNTの0.1%分散の10倍の拡大写真を示す(大変良くない分散、大きな凝集)。
【0120】
図6は、50%の分散剤(DISP−II)の存在において超音波処理した後、PMAにおけるCNTの0.1%分散の10倍の拡大写真を示す(良好で安定した分散、すこしの凝縮、十分な均一性)。
【0121】
図7は、100%の分散剤(DISP−I)の存在において超音波処理した後、PMAにおけるCNTの0.1%分散の10倍の拡大写真を示す(大変良好で十分な均一性の分散、ほとんど凝集せず、安定)。
【0122】
安定性
本願発明によって調製された分散は、約4ヶ月間室温で安定し、CNTの沈降を示さなかった。3%以上のCNT含有量を有する分散ですら、むしろチキソトロピーであるが、相対的に長い期間にわたっていかなるCNTの沈降も示さない。これに対して、別の方法で調製された分散は、数時間後に完全な相分離を示すものである。
Claims (6)
- 少なくとも1つの分散媒体にカーボンナノチューブを分散する方法において、
所定の分散処理前に、カーボンナノチューブが分散媒体及び下記のA又はBから選択される少なくとも1つの高分子分散剤に接触して均一化されること、
前記高分子分散剤が、少なくとも2000g/molの数平均分子量を有する機能性ポリマーであること、前記高分子分散剤が、分散されるカーボンナノチューブに基づいて25重量%〜200重量%の量で使用されること、
前記カーボンナノチューブが、分散媒体に分散するのに十分なエネルギー入力を導入し、結果として生じる分散に基づいて1×10−1重量%〜10重量%の量で、分散されるカーボンナノチューブの単位量当たりに導入されるエネルギーとして演算されるエネルギー量が、15,000〜100,000KJ/Kgである、
ことを特徴とする方法。
分散剤A
a) ウレタジオン基を有する1つ以上のポリイソシアナートと、
b) XHがイソシアナート反応性基であり、且つ
Yが、イソシアナート反応性でなく、1つ以上の脂肪族、脂環式、脂肪族及び/若しくは芳香族基を具備するモノマー又はポリマー基であり、
Yは、20,000g/mol以下の数平均分子量を有し、且つ
nは、1,2又は3である化学式(I)
Y−(XH)n (I)
で示される1つ以上の化合物であって、
nが化学式(I)の化合物の少なくとも50モル%については1であり、
前記a)で示される化合物の自由イソシアナート基のすべてが、化学式(I)の化合物と反応して、ウレタジオン基を有する中間媒体を得えると共に、
該ウレタジオン基がそれに続いて
c) Rが、水素又は1から4個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝アルキル基であり、且つ
Zが、脂肪族、脂環式及び/若しくは芳香族塩基性ラジカルである化学式(II)
Z−NHR (II)
で示される1つ以上の化合物と反応し、この反応の後、アミノ基に対して反応可能な化合物と反応する反応生成物に、反応性アミノ基がまだ存在する添加化合物から、且つ
これらの添加物の塩又は四級化生成物から、選択される分散剤
分散剤B
酸によってアミン官能性化合物を塩化することで得られるように使用され、使用される前記アミノ官能性化合物が、非改質脂肪族線形ポリアミン及び/若しくは非改質脂肪族分枝ポリアミン及び/若しくは改質ポリアミンの群から選択される少なくとも3個のアミノ基を有するポリアミンであり、後者はモノ又はポリイソシアナートと反応するポリアミン、エポキシ官能性物質と反応するポリアミン、環式炭酸塩と反応するポリアミン、α,β−不飽和化合物でのマイケル反応によって反応するポリアミン、アルキル化及び/若しくは四級化ポリアミン且つ/又はカルボン酸でアミド化された分枝脂肪族ポリアミンであり、改質の後、分子当たりに存在する3つの塩形成性のアミノ基が存在し、使用される酸は、少なくとも化学式(OH)3−nPO(OR1)n(n=1又は2)の少なくとも1つのリン酸エステルであり、
該化学式において、R1が、少なくとも5個の炭素原子を有するアリール若しくはアラルキルラジカル、且つ/又は100〜5,000g/molの間の数平均分子量を有するオキシアルキル化されたアルコールのラジカル、且つ/又は少なくとも1つのカルボン酸エステル基及び/若しくは100〜5,000g/molの間の数平均分子量を有するウレタン基を有するラジカルである分散剤 - 分散媒体としての連続相におけるカーボンナノチューブの分散体であって、請求項1記載の方法によって得られるカーボンナノチューブの分散体。
- 前記分散は、少なくとも1週間の貯蔵安定性を有することを特徴とする請求項2記載の分散体。
- プラスチック及びポリマー混合物、コーティング、ペンキ、インキ又は混合材料における請求項2記載の分散体の使用。
- カーボンナノチューブの束、繊維、マット及び他の凝集性構造を製造するための請求項2記載の分散体の使用。
- 電子工学、航空宇宙工学及び冷却工学における請求項2記載の分散体の使用。
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