JP5646148B2 - プロジェクタ - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載の発明は、直交する方向に配置された2つの受光素子から検出されるX,Y方向それぞれの光量から、計算部による所定の導出式を経て上記光源の平面位置を導出するものであり、上記調整手段で2つの受光素子のゲインを調整してX,Y方向それぞれの光量のバラツキを抑えることで、より精確な光源の平面位置の算出を行うことが出来る。
したがって、プロジェクタに上記特許文献1に記載の位置測定装置を備えることで、指示位置を投影することができれば、指し棒やレーザポインタ等の指示装置、或いはタッチパネルやマウスなどの入力装置を用いて所望するポイントを指示する必要がない。
また、上記特許文献1記載の発明によっては、ポイントを指示するための外部障害物(例えば、指示棒の先端や指先等)の識別精度自体が問題となる。つまり、光強度の減衰率やS/N(Signal to Noise)比が外部障害物の存在する位置によって変動するため、外部障害物の識別精度が当該位置によってバラついたものとなり、外部障害物を誤って識別するおそれがある。
したがって、本発明は、外部障害物の位置検出を容易に実行可能で、かつ外部障害物の識別精度の高いプロジェクタであるといえる。
また、以下の説明では、図1におけるプロジェクタ100の左右方向をX方向、前後方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。
また、プロジェクタ100は、テーブル120の上面に対して、プロジェクタ100の使用者が参照し得るように、投影部380により分離されたレーザ光(第1のレーザ光)が、画像132Aと同様の画像122Aを投影する(画像122Aの大きさは、総じて画像132Aの大きさよりも小さい)。ここで、この画像122Aには、使用者が棒やペン等の外部障害物10を操作することで画像132Aの編集等を行うための画像122Fも含まれている。そして、上記外部障害物10からの反射光が受光センサ400により検出されて外部障害物10が識別されるように構成されている。
ビットデータ変換器313は、タイミングコントローラ311からの命令に基づいて、データコントローラ312から送出された画像信号を、レーザ光によって投影するための形式に適合したデータに変換し、変換した画像信号をデータ/階調変換器314に送出する。
なお、本実施の形態に係るLD362は、赤色のレーザ光を出射するLDと青色のレーザ光を出射するLDとが一体として構成されているが、別個に構成されているものでもよい。
レンズ371は、偏光ビームスプリッタ363を透過したレーザ光を集光する。
そのため、例えば、図3のテーブル120上に形成されるレーザ光(第1のレーザ光)の投影面123に示されるように、レンズ371を透過したレーザ光の反射方向をスキャナミラー372により順次調整することで、レーザ光の走査が可能となる。
ここで、図3は、投影面123において、スキャナミラー372によるレーザ光の走査位置が、タイミングコントローラ311にて取得される画素クロック信号及び水平同期信号に応じて、P(1)、P(2)、・・・、P(k)、P(k+1)、・・・、P(2k)、・・・、と変化していくことを示している。また、上記画素クロック信号(PCLK)及び水平同期信号(HSYNC)は、例えば、それぞれが図4に示されるようなパルス波形を示す信号であり、時間ΔT1が1画素を描画する時間、時間ΔT2が1走査線を切換えるまでの時間を示すものである。
つまり、画素クロック信号の時間ΔT1の間に、スキャナミラー372がX方向に傾斜し、図3に示すレーザ光の走査位置がX方向にずれる(例えば、P(1)からP(2)へと変化する)。そして、上記X方向への走査が繰り返され、走査位置が投影面123のX方向端部(例えば、P(k))に到達したタイミングで、水平同期信号の時間ΔT2が経過して水平同期信号が検出される。スキャナミラー372は、上記時間ΔT2の間に、Y方向に傾斜し、図3に示すレーザ光の走査位置がY方向にずれる(例えば、P(k)からP(k+1)へと変化する)。
したがって、スキャナミラー372が画素クロック信号及び水平同期信号に基づいて上記走査を繰り返し、投影面123全体に亘って走査が終了した時点で1フレーム分の画像投影が完了する。
駆動モータ374は、例えば、スキャナミラー372の2軸各々に接続された2つのパルスモータであり、それぞれが後述の駆動ドライバ373より指示される駆動周波数(共振周波数)に基づいて駆動し、スキャナミラー372を所定角回動させるように構成されている。
ミラー検出器376は、例えば、ハーフミラー375にて反射したレーザ光を受光し、スキャナミラー372の2軸方向の傾斜角(触れ角)を検出する傾斜角検出器である。このミラー検出器376にて検出された傾斜角はアナログ電気信号として調整部377に入力される。
調整部377は、例えば、図示は省略するが、四則算用の演算器、コンパレータ、アナログ信号増幅用のアンプ、A/D変換器、等を含んで構成され、ミラー検出器376より入力されるスキャナミラー372の傾斜角に関するアナログ電気信号について、増幅、四則算、比較等を介して所望の値に調整し、デジタル信号に変換してCPU341に送信するように構成されている。
つまり、スキャナミラー372は、設置環境(例えば、温度,湿度,気圧等)によって共振周波数が変動し、レーザ光の走査位置にずれが生じるおそれがあるため、ミラー検出器376及び調整部377によりスキャナミラー372の傾斜角を検出してCPU341に送信し、CPU341及びタイミングコントローラ311が駆動ドライバ373による駆動周波数を逐次調整出来る様に構成されている。
空間光変調器382は、例えば、所定の偏光方向の光のみを透過させるライトバルブ等であり、コリメートレンズ381を透過して平行光化されたレーザ光の透過率を画像信号に応じて変調し、ビームスプリッタ383に向けて出射する。
したがって、ビームスプリッタ383が配置された光路上を通過するレーザ光のうち一部は、ビームスプリッタ383を透過してテーブル120方向へ投影され、残りの一部は、ビームスプリッタ383にて反射(屈折)してスクリーン130方向へ投影される。その一方で、ビームスプリッタ383が配置されていない光路上を通過するレーザ光は、ビームスプリッタ383にて反射(屈折)することなくテーブル120方向にのみ投影される。
つまり、CPU341は、プレゼンテーション用の画像132Aを表示するためのレーザ光が、ビームスプリッタ383の配置された光路上を通過するように、画像132Aの編集等を行うための専用画像122Fを表示するためのレーザ光が、ビームスプリッタ383の配置されていない光路上を通過するように、FPGA310やレーザ出射部350を制御することで、スクリーン130上に画像132A、テーブル120上に画像122A、をそれぞれ投影することが可能となる。
なお、専用画像122Fは、たとえば、現在投影中の画像132Aに対応するコメントなどを入れたものであってもよい。これによって、画像132Aの表示中に使用者のみが専用画像122Fを参照することが可能になる。つまり、使用者が、画像132Aの表示中に話すべきコメントなどを覚えていなくても、スムーズにプレゼンテーションを進めることが可能になる。
そして、上記拡大レンズ384,385により拡大されたレーザ光は、図示しないミラーやレンズを介してスクリーン130,テーブル120に照射される。
また、CPU341は、操作パネル330から送信される信号に基づいて、ビデオI/F342、外部I/F343を介してプロジェクタ100に入力された画像信号に基づく映像の投影を制御する。つまり、CPU341は、FPGA310のタイミングコントローラ311と相互に通信を行い、ビデオRAM345に一時的に保持されている画像信号に基づく映像の表示を制御する。
また、受光センサ400は、スキャナミラー372が走査を行う度(1画素を描画する度)に、つまり、図4に示されるPCLKの時間ΔT1が経過するタイミングで、反射光を受光する(センシングする)ように構成されている。
つまり、上述のように受光センサ400は、スキャナミラー372が走査を行う度に受光を行うため、受光センサ400がセンシングを開始してから上記反射光を受光するまでの経過時間と、図4に示されるPCLKの時間ΔT1及びHSYNCの時間ΔT2と、の関係より、当該経過時間におけるスキャナミラー372の走査位置を算出することで、受光センサ400が上記反射光を受光した位置(反射位置)を特定することが出来る。
ここで、図6(A)(B)の実線は、それぞれ、投影面123上の各々の反射位置において、同程度の強度で反射した反射光が受光センサ400により受光されたときの、各Y座標,X座標における強度を模式的に示した線(つまり、各反射位置における受光センサ400の受光感度の分布)である。なお、図6(A)(B)における点Y0,Y1,X0,X1は、図3の投影面123の端点のY,X座標に対応しており、点X2は、上記X0とX1の中点であり、受光センサ400のX座標を示すものである。
そのため、例えば、図6(A)の点線で示されるように、反射位置と受光センサ400とのY方向距離が所定量増加するごとに増幅部410のアナログゲインをより大きな値に定めることで、受光感度をY方向位置に依らず所定値以上に保つことができる。さらに、図6(A)の破線で示されるようなデジタルゲインで、上記アナログゲインで増幅された反射光の強度を増幅することにより、図6(A)の一点鎖線で示されるように、反射光の強度は、傾斜直線的な変化が補正されてY軸に平行な直線に帰着する。つまり、増幅プログラム344aのデジタルゲインを図6(A)の破線で示されるような値に決定することで、受光感度をY方向位置に依らない均一のものにすることができる。
具体的には、例えば、受光センサ400にて検出され、ゲイン調整プログラム344bの実行により決定された増幅量に基づいて増幅部410及び増幅プログラム344aの実行により増幅された、投影面123のある走査線(例えば、図3の外部障害物10を通過する走査線L)上における各々の反射位置での反射光の強度が図9のような分布を取ったとする(図9における各点が各々の反射位置に対応する)。この場合、CPU341は判断プログラム344dを実行し、予め定められた反射光の強度の閾値と各々の反射位置での反射光の強度との比較を、受光センサ400にて反射光の強度が検出される度に行い、最初に閾値を超えたタイミング(つまり、図9における点Q1の強度が受光センサ400にて検出されたタイミング)で外部障害物10と判断する。
具体的には、例えば、CPU341が算出プログラム344eを実行すると、判断プログラム344dの実行による、受光センサ400にて検出される反射光の強度が最初に閾値を超えたタイミングに基づいて、受光センサ400がセンシングを開始してから上記タイミングまでの経過時間と、図4に示されるPCLKの時間ΔT1及びHSYNCの時間ΔT2と、の関係より、当該経過時間におけるスキャナミラー372の走査位置を算出することで、外部障害物10の位置(位置情報)を特定することが出来る。
具体的には、CPU341が更新プログラム344fを実行すると、例えば、図9に示されるような、判断プログラム344dの実行により外部障害物10であると判断された位置の含まれる走査線(例えば、図9における点Q1の含まれる図3の走査線L)上の各反射位置における反射光の強度を取得する。そして、CPU341は、当該強度のピーク値(例えば、図9における点Q2の強度)を抽出し、当該ピーク値と予め記憶部344に記憶された強度のピーク値(目標値)との差分量に基づいて新たなアナログ/デジタルゲインを算出し、当該算出した値に基づいて、ゲインデータ344cのゲインを更新する。なお、記憶部344に記憶された強度のピーク値は、CPU341が更新プログラム344fを実行した後に、上記抽出されたピーク値により更新される。
つまり、ゲインデータ344cのゲインを固定値とせず、変更前のゲイン(により増幅された反射光の強度のピーク値)を反映させて、所定期間毎に新たなゲインを定めることにより、受光センサ400による受光感度をより好適なものに改善していくことができる。
次に、図10のフローチャートを参照しながら、本実施形態のプロジェクタ100において行われるゲイン調整処理の流れについて説明する。
次いで、CPU341は、ゲイン調整プログラム344bを実行することにより、ステップS1にて受光センサ400が受光した位置(反射位置)を特定してゲインデータ344cを参照し、当該位置における増幅部410のアナログゲイン及び増幅プログラム344aのデジタルゲインの調整を行う(ステップS2)。
そして、CPU341は、ステップS6にて走査が終了したと判断した場合(ステップS6;Yes)、ステップS7の処理を実行し、走査が終了していないと判断した場合(ステップS6;No)、ステップS1以降の処理を繰り返す。
そして、CPU341は、ステップS7にて更新するタイミングであると判断した場合(ステップS7;Yes)、更新プログラム344fを実行してゲインデータ344cのゲインを更新し(ステップS8)、本処理を終了する。
一方で、CPU341は、ステップS7にて更新するタイミングではないと判断した場合(ステップS7;No)、ゲインデータ344cのゲインを更新することなく本処理を終了する。
本発明によれば、CPU341のゲイン調整プログラム344bの実行により、受光センサ400にて受光される反射光の反射位置が特定され、その特定された反射位置で反射され、受光センサ400で受光される反射光の強度のゲインが決定されるように構成されているので、反射位置に応じて反射光の光強度の減衰率等の影響を考慮して、ゲインを調整することが可能となり、反射位置による外部障害物10の識別精度のバラつきを抑えることができる。また、CPU341の算出プログラム344eの実行により、判断プログラム344dの実行で外部障害物10と判断されたタイミングと、水平同期信号及び画素クロック信号に基づいて、外部障害物10の位置情報が容易に算出できるので、外部障害物10の位置検出のための特別な構成を必要としない。また上記位置情報の算出は、受光センサ400で受光される反射光の光量に基づいて行われるものではないため、複雑な演算も要しない。
したがって、本発明は、外部障害物の位置検出を容易に実行可能で、かつ外部障害物の識別精度の高いプロジェクタであるといえる。
つまり、各々の反射位置に対応するアナログ/デジタルゲインを、反射位置と受光センサ400との距離に基づいてアナログ/デジタルゲインを定めたゲインデータ344cより抽出することで、各々の反射位置での受光感度を均一化することができる。
つまり、ゲインデータ344cを、各々の反射位置での受光感度が所定値以上となるように、投影面123をエリアで区分し、アナログ/デジタルゲインをそれぞれのエリアに適した値に設定しておくことにより、反射位置ごとにゲインを変更する必要がないためCPU341の処理負担増加が抑えられ、かつ、各々の反射位置での受光感度を確保することが可能となる。
つまり、受光センサ400にて受光される反射光の強度を増幅部410にて所定値以上まで増幅した上で、CPU341の増幅プログラム344aの実行により、きめ細かな増幅調整を行うことができる。
つまり、ゲインデータ344cのゲインを固定値とせず、変更前のゲインにより増幅された反射光の強度のピーク値を反映させて、所定期間毎に新たなゲインを定めることにより、受光センサ400による受光感度をより好適なものに改善していくことができる。
例えば、上記実施形態において、増幅部410によるアナログ光強度信号の増幅と、増幅プログラム344aの実行によるデジタル光強度信号の増幅と、の双方を介して受光センサ400にて検出される反射光の強度を増幅するように構成されているが、アナログ光強度信号又はデジタル光強度信号の何れか一方のみを増幅するように構成したものであってもよい。
また、受光センサ400にて検出される反射光の強度のデジタル光強度信号は、増幅プログラム344aの実行により増幅されることとしたが、例えば、変換部420の後段(つまり、図2における変換部420とCPU341の間)にデジタルアンプ等を設けたものであっても勿論よい。
さらに、上記実施形態において、スキャナミラー372としてガルバノミラーを例示しているが、レーザ光を2軸方向に独立して制御可能な2次元のMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーを用いてもよい。
361,362 LD(レーザ光源)
372 スキャナミラー(走査部)
383 ビームスプリッタ
400 受光センサ
410 増幅部(増幅手段、アナログ増幅手段)
341 CPU(決定手段、増幅手段、デジタル増幅手段、判断手段、算出手段、更新手段)
344 記憶部
344a 増幅プログラム(増幅手段、デジタル増幅手段)
344b ゲイン調整プログラム(決定手段)
344d 判断プログラム(判断手段)
344e 算出プログラム(算出手段)
344f 更新プログラム(更新手段)
Claims (5)
- レーザ光を出力する光源と、
前記レーザ光を走査する走査手段と、
前記走査手段により走査される前記レーザ光を、第1方向と第2方向とに分割して出力するビームスプリッタと、
前記走査手段により走査され、前記光源から前記第1方向の投影面に対して照射されるレーザ光の領域にある外部障害物により反射された前記レーザ光を検出する受光センサと、
前記受光センサの反射光の受光量を増幅する増幅手段と、
前記走査の水平同期信号及び画素クロック信号に基づいて、前記受光センサの受光タイミングにより、前記外部障害物の位置を算出する算出手段と、
前記算出された位置に基づいて増幅量を決定する決定手段と、
を備え、
前記第1方向の前記投影面に画像を表示するためのレーザ光と、前記外部障害物によって反射されて検出されるためのレーザ光とが、同一のレーザ光源によるものであることを特徴とするプロジェクタ。 - 前記決定手段は、
前記算出された位置と前記受光センサとの距離に基づいて増幅量を決定することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。 - 前記増幅量は、前記算出された位置と前記受光センサの距離が大きくなるにつれて、増幅量を大きくすることを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ。
- 前記決定手段は、
前記投影面を複数のエリアに分割し、前記算出された位置が前記分割されたエリアのどのエリアに属するか判断し、前記判断されたエリアの増幅量を決定することを特徴とする請求項3に記載のプロジェクタ。 - 前記決定手段は、
前記増幅手段により増幅される受光信号のピーク値に基づいて、所定の期間毎に、増幅量を更新する更新手段を備えることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載のプロジェクタ。
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