JP5645535B2 - 多端子送電系統の保護継電システム - Google Patents

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Description

本発明は、多端子送電系統の保護継電システムに係り、特に可変電源端や非電源端を含みかつ休止端処理を行う多端子送電系統の保護継電システムに関する。
多端子送電系統において、休止端処理を行う保護継電システムとして特許文献1のものが知られている。
特許文献1においては、送電線の各端子のうち2つ以上の端子に親装置を設け、各親装置で保護区間内の故障判別を行い、その結果を子装置に送っていわゆる転送遮断形式で送電線の保護を行う。
また、送電線端子の一部を休止端扱いとすることがあるが、この場合には1つの親装置が休止状態になっても、他の親装置が動いているので全体保護に支障が生じない。
特開平10−23654号公報
近年、分散型電源の普及などにより多端子送電系統が増えてきているが、多端子送電系統の中には、各端子の背後電源がない、あるいは存在しても規模が小さいといったものを含む場合がある。いわゆる可変電源端あるいは、非電源端と呼ばれるものであり、内部故障の場合に十分な故障電流が得られないという課題がある。
ここでの保護には、多くの場合に電流差動保護継電システムを採用しており、多端子各端で同時サンプリングして得た電流情報を、伝送路を介して伝送し保護演算に使用する。例えば、地絡保護のために零相電流差動方式を適用した場合は、零相電圧と零相差電流にて演算を実施するため、全端子の電圧データと、電流データが必要となる。このような内部故障の判定は、電源端に設置した保護継電装置で行い、可変電源端あるいは、非電源端に動作結果を伝送して、転送遮断の形を採用することが多い。
しかるに、親端とした電源端に実装される零相電流差動方式保護継電器の入力である零相電圧は、一般的に母線電圧を使用しているケースが多いが、母線電圧を使用した場合は、親端以外の子端(可変電源端あるいは、非電源端)は電圧を取込むことはできなかった。
また、伝送のための伝送帯域が狭いため、各端子に伝送できるのは電流データ、零相電圧データのみである。そのため、各相電圧取込方式の地絡電流差動保護継電器は適用できず、唯一母線電圧の取込を実施している親端にしか地絡電流差動保護継電器は実装できなかった。
また、零相電圧取込による地絡電流差動保護継電器においては零相電圧データの伝送が可能であるため各端に地絡電流差動保護継電器を設けることが可能であるが、スペックおよびCPU処理能力の関係で各端に地絡電流差動保護継電器を設ける思想が無く、各相電圧取込み方式の地絡電流差動保護継電器同様に、親端にしか地絡電流差動保護継電器を設けていなかった。
以上の理由により、親端に予め地絡電流差動保護継電器を設け、代表端とする必要があった。
前述したように地絡電流差動保護継電器用の零相電圧は、母線電圧を使用しているケースが多く、母線電圧を取込んでいる端子(親端)以外の端子(子端)においては、電圧を取込むことができない。
本発明の目的は、母線電圧を取込むことができない端子(子端)においても地絡電流差動保護継電器の実装、および演算を可能とし、系統の安定度を向上させることができる多端子送電系統の保護継電システムを提供することを目的とする。
本発明では、電源端以外に可変電源端あるいは非電源端を含む多端子送電系統の保護継電システムにおいて、各端子の保護継電装置は、電流作動演算を行う親装置回路と電流差動演算を行なわない子装置回路を含み、通常は電源端で親装置回路を選択して、他の端子で子装置回路を選択し、各端子の伝送部は、親装置回路の電流差動演算に必要な自端検出情報を伝送し、電源端の伝送部は、さらに電源端母線電圧を伝送し、電源端の保護継電装置は、親装置回路の電流差動演算結果で自端遮断器を操作するとともに、電流差動演算結果を他の端子に伝送し、他の端子の子装置回路は、電源端側から送られてきた電源端母線電圧と電流差動演算結果とから、自端遮断器を操作する。
また、各端子の伝送部は、自端が休止端であることの情報を伝送し、各端子の保護継電装置は、休止端の情報を用いて電源端を第1位とする優先順位判断に従い、自端を親装置回路と子装置回路のいずれとするかを決定する。
また、電源端の伝送部は、電源端以外の保護継電装置が、親装置回路を選択されたときにも、電源端母線電圧を伝送し、親装置回路を選択した端子の保護継電装置は、親装置回路の電流差動演算結果で自端遮断器を操作するとともに、電流差動演算結果を他の端子に伝送し、他の端子の子装置回路は、電流差動演算結果から自端遮断器を操作する。
また、各端子の伝送部は、伝送異常の情報を含めて伝送し、
他の端子の子装置回路は、電源端側から送られてきた電源端母線電圧を用いるに当り、伝送異常の情報を用いて電源端母線電圧を用いる保護継電器の不正動作を阻止する。
本発明の装置によれば、母線電圧を取込むことができない端子(子端)においても地絡電流差動保護継電器の実装、および演算を可能とし、系統の安定度を向上させることができるえることが可能である。
演算処理部が備える保護継電器、保護シーケンスロジックを示す図。 保護継電システムが適用される多端子送電系統の一例を示す図。 電流差動保護継電方式を採用するときの信号伝送系統を示す図。 信号伝送路を介して伝送される信号の伝送フォーマットを示す図。 電源端が送出する信号の伝送フォーマットを示す図。 電源端以外の端子端が送出する信号の伝送フォーマットを示す図。 従来の保護システム概要図 代表端の保護継電システム構成を示す図。 代表端以外の端子の保護継電システム構成を示す図。 従来の保護システム概要図
以下本発明の実施例を説明する。
図2は、本発明の保護継電システムが適用される多端子送電系統の一例を示す。この図では、送電線LにA端Ta、B端Tb、C端Tcが接続された3端子構成の例を示しており、A端Taには背後電源1を備えるが、B端TbとC端Tcは、非電源端2もしくは可変電源端3とされている。このため、A端Taでは母線電圧を検出する母線電圧検出器BPDを備えるが、背後電源の確立しないB端TbとC端Tcでは、母線電圧検出器BPDを備えない。
かかる多端子送電線の保護のために、電流差動保護継電方式を採用するときの信号伝送系統を図3に示している。図3において、8は各端子に設けられた信号伝送装置であり、各端子Ta、Tb、Tc間で、信号伝送路4を用いて信号の伝送を行う。各端子には保護継電装置RYが備えられ、保護継電装置RY内は、伝送部5と演算処理部6から構成される。上記の構成を用いて、信号伝送路4を介して各端子で検出した電流信号を送信しあい、演算処理部6で電流差動演算を実行することにより電流差動保護継電方式を実現している。
図4は、信号伝送路4を介して伝送される信号の伝送フォーマットを示している。但し、ここでは保護継電演算や各種の表示などに使用される情報を主体に表記し、同期信号部等を除外して示している。伝送フォーマットで伝送される主な情報は、各フレームF1−F7ごとに以下の通りである。
F1:休止端などの制御情報
F2:自端遮断器、ラインスイッチなどの機器開閉情報
F3:電流差動保護演算結果情報(地絡検出用87S、短絡検出用87G)
F4:地絡検出信号51(地絡過電流継電器)
F5:各端子電流(各相電流、零相電流)
F6:各端子電圧(各相電圧、零相電圧)
F7:伝送不良情報
なお、上記の伝送を実現するに当り、その背景には保護継電装置を構成するCPUの処理能力向上により伝送フォーマットの伝送帯域が広くなったことがあり、この結果、各相電流、零相電圧の他に零相電流、各相電圧を追加することができた。ここでは、零相電流差動方式を適用したディジタル形保護制御装置を例に記載しているが、保護制御の用途により、伝送フォーマットには電力、無効電力、皮相電力、周波数を追加しても良い。
図1は、図2の演算処理部6が備える保護継電器、および保護シーケンスロジックを示している。この演算処理部6は、各端子に共通に設置されるが、自端代表端信号Xにより、図7aの回路として作動するか、図7bの回路として作動するかが切り替えられる。詳細な動作説明は図7で行うが、要するに自端代表端信号Xが、「1」になっている端子の演算処理部6では、アンド回路A3、A4、A5の出力が選択され、否定回路N1、N2の出力が阻止される。以後の説明においては、A端子Taを代表端として説明する。自端が代表端でない、B端Tb、C端Tcでは、自端代表端信号Xが、「0」になっているので、演算処理部6では、アンド回路A3、A4、A5の出力が阻止され、否定回路N1、N2の出力が選択される。
なお、A端Taを代表端とした理由は、背後に電源を有する電源端であり、送電線故障時に、より確実な保護継電器動作が期待できることによる。この結果から明らかなように、代表端であるA端Taは、図7aとして保護継電動作を実行し、他の、B端Tb、C端Tcでは、図7bとして保護継電動作を実行する。以下各端子の保護継電器動作について説明する。
まず、代表端A端Taについて説明する。ここでの送電線故障判定には、4つの保護継電器動作と、1つの受信信号を使用する。これらは、以下のようなものである。
87S:短絡検出用電流差動保護継電器。全端子の電流、代表端の母線電圧情報を入力とする。
87G:地絡検出用電流差動保護継電器。全端子の電流、代表端の母線電圧情報を入力とする。
27:不足電圧継電器。代表端の母線電圧を入力とする。
64:地絡過電圧継電器。代表端の母線電圧を入力とする。
51受信:他端の過電流継電器51の動作信号。
このように、代表端が、代表端での保護継電演算並びに保護シーケンスロジックを実行するためには、代表端で取り込んだ情報以外に、伝送路4を介して得た他の端子の情報(電流、他端の過電流継電器51の動作信号)を使用している。
これらの信号を用いて、最終的にはアンド回路A4が成立したときに代表端Taの遮断器引き外しとなるが、これはオア回路OR1が成立したときである。オア回路OR1の成立条件は、アンド回路A1の成立と、アンド回路A2の成立の2つである。前者の成立条件は送電線の短絡故障発生であり、短絡検出用電流差動保護継電器87S動作、代表端の不足電圧検出27、かつ他の端子での短絡に伴う過電流検出(51受信)である。また、後者の成立条件は送電線の地絡故障発生であり、地絡検出用電流差動保護継電器87G動作、代表端の地絡過電圧検出64である。
代表端での遮断器引き外し操作には、上記のロジックを備えればよいが、他の端子での動作を確実に行わせるために、代表端では、アンド回路A3を用いて短絡検出用電流差動保護継電器87Sの動作信号を送信し、またアンド回路A5を用いて地絡検出用電流差動保護継電器87Gの動作信号を送信する。
次に、代表端以外のB端Tb、C端Tcについて説明する。ここでの送電線故障判定には、2つの保護継電器動作と、2つの受信信号を使用する。これらは、以下のようなものである。
51:過電流継電器。自端の電流を入力とする。
27:不足電圧継電器。代表端の母線電圧を入力とする。
87S受信:代表端の短絡検出用電流差動保護継電器動作。
87G受信:代表端の地絡検出用電流差動保護継電器動作。
これらの信号を用いて、最終的には否定回路N2が成立したときに代表端Ta
以外のB端Tb、C端Tcの遮断器引き外しとなるが、これはオア回路OR2が成立したときである。オア回路OR2の成立条件は、アンド回路A6の成立と、87G受信(代表端の地絡検出用電流差動保護継電器動作)の2つである。前者の成立条件は送電線の短絡故障発生であり、87S受信(代表端の短絡検出用電流差動保護継電器動作)、かつ自端の不足電圧継電器27動作である。このことから明らかなように、代表端以外のB端Tb、C端Tcにおける遮断器引き外しは、代表端の判断結果を受けてのいわゆる転送遮断である。
なお、ここで不足電圧継電器27動作を確認している。これは87S受信(代表端の短絡検出用電流差動保護継電器動作)との一致を図ることで短絡の確実な検出を行うものであるが、代表端Ta以外のB端Tb、C端Tcでは母線電圧を検出していないので、この確認のためにA端Taから送信された母線電圧情報を利用する。つまり、図6に実施例を示すように、図5aのA端伝送フォーマットのうち、フレームF6の各相電圧の情報を入力とする不足電圧継電器27を構成する。またフレームF7の伝送不良検知信号を入力して、伝送不良時に不足電圧継電器27の動作を阻止する。
具体的には、電圧低下を検出して不足電圧継電器27が動作し、かつ伝送不良検出しない一致条件でフリップフロップFFをセットし、電圧低下しておらず不足電圧継電器27が不動作、かつ伝送不良を検出しない一致条件でフリップフロップFFをリセットして最終出力とする。この工夫により、母線電圧を取り込むことができないB端Tb、C端Tcでも、伝送路を介して入手したA端母線電圧を活用することができ、この結果電圧要素を用いた事故検出判断とすることができるので、装置信頼性を高めることができる。
なお、伝送データを使用する場合、伝送データの異常を考慮する必要がある。例えば、各相電圧データ伝送の際、伝送データが異常となったことを想定すると、誤動作・誤不動作が懸念される。対策手法の一つとして電圧データを利用した保護継電器に、伝送異常時の誤動作・誤不動作を考慮したロジックを施すのがよい。通常電流差動方式において、休止となった端子は電流値を零化し不要動作防止を図っている。しかし電圧データを利用した不足電圧継電器27に関しては、電圧値を零化してしまうと保護継電器が不要に動作となるため、別の対策が必要となる。そのため電圧データを利用した保護継電器では、各相電圧に伝送異常の条件を組合せることによって、伝送異常の場合は不足電圧継電器27条件の前置保持を実施し、異常が無い場合は通常動作が可能となるようロジックを確立することにより、ライン電圧(LPD)取込みによる装置と同等の保護機能を備えることを可能とした。
B端Tb、C端Tcでの遮断器引き外し操作には、上記のロジックを備えればよいが、代表端での動作を確実に行わせるために、否定回路N1を介して51(過電流継電器)の動作信号を送信する。
上記の多端子保護継電システムにおいては、各端子の情報を相互に伝送し、利用しあっているが、この実現のために図4の伝送フォーマットは、各端子が送出するときには、図5のように利用されている。図5aは、代表端であるTaが送出する伝送フォーマットを示しており、図5bは、代表端Ta以外のB端Tb、C端Tcが送出する伝送フォーマットを示している。
まず、代表端であるTaが送出する伝送フォーマットFaについて説明する。但し、図5で○は、保護動作に利用する情報、△は表示などのための参考情報、×は、不使用情報を意味している。
代表端Taの場合、フレームF1の休止端の情報と、フレームF3の電流差動保護継電器の動作情報(87S、87G)と、フレームF6の各相電圧(含む零相)と、フレームF7の伝送不良情報が保護動作に利用する情報であり、フレームF4は使用しない(載せるべき情報がない)。そのほかのフレームには情報は載せるが、受信側での利用は、あくまでも参考情報である。B端Tb、C端Tcの場合、フレームF1の休止端の情報と、フレームF4の過電流継電器51の動作情報と、フレームF5の電流情報が、保護動作に利用する情報であり、フレームF3、F6は使用しない。これらのフレームには載せるべき情報がない。フレームF2には情報は載せるが、あくまでも参考情報である。なお、このフレームのうちF1の休止端情報については、各端子が事故の状態を乗せて伝送しあうものとする。
本発明に係る多端子送電系統の保護継電システムは、可変電源端あるいは非電源端を有する場合にも上記のようにして確実な保護動作を行い得る。そして、代表端が休止端となったときには、以下のような運転態様に変化することで運転を継続することができる。
次に、代表端が変更されたときの動作について説明する。なお、代表端が休止端となる条件には、保護継電装置の点検、遮断器開放など幾つかあるが、ここでは保護継電装置の点検時における保護継電システムの運転継続を可能とすることについて説明する。なお、本発明で対象とする多端子送電系統の保護継電システムは、可変電源端あるいは非電源端を有する場合を想定しているので、唯一の電源端である代表端が遮断器開放の条件で休止端となった状態では、代表端を変更しての保護継電器動作の継続運転は行えない。
代表端Taの保護継電装置が点検となり休止端扱いとなった場合に、後で図8で説明するように、優先度によりB端を代表端にするものとする。なお、代表端Taが休止端となったことは、図4のフレームF1に記載されて他端に通知され、各端子の優先度判定により、各端子の図1の回路の自端代表端信号Xが、「1」または「0」に変更される。この場合、A端では自端代表端信号Xが、「1」から「0」に変更され、回路構成が図7bとされる。B端では自端代表端信号Xが、「0」から「1」に変更され、回路構成が図7aとされる。C端は図7bのままである。
なお、この状態においてもA端の伝送部(図3、5a)は、従前どおりに伝送フォーマット(図5)を形成し、A端で検出できた全ての情報を送出し続けている。つまり、図5aのフレームのF3が×、F4が○に変化し、かつF5の扱いが△から○になった状態でフォーマット形成して信号伝送を継続している。従って、新たに代表端になったB端での保護継電動作に必要な情報は、確保されており、その保護継電動作に支障は生じない。
また、休止端のA端についてみると、点検中であるが代表端からの転送遮断信号に対応して、遮断器の引き外し動作を行う必要がある。このことを可能とするには、図7b回路以外の部分を点検対象として、図7b回路を活かしておく、あるいは休止端点検中、かつ転送遮断信号受信を条件に強制遮断に入ることなどが考えられる。
次に、他端情報を伝送して保護継電器動作に活用する他の事例として、地絡検出用電流差動保護継電器87Gの例について説明する。
図1の装置構成において、多端子送電系統の内部故障を検出する主要な要素である地絡検出用電流差動保護継電器87Gは、図8のように構成される。87Gの具体的な処理としては、図2の各端子で同時刻にサンプリングした電流データを伝送装置8により代表端Taに収集し、これを用いて各端子電流のベクトル和(零相電流)を動作量、スカラー和を抑制量として処理部6aにて電流差動保護を行う。図8において、この処理を行うのが差電流演算部30である。また、位相特性については、位相比較部31にて零相電圧と零相差電流にて演算を実施し動作域を越えた場合にリレー動作とする。
図8では、位相比較部31で使用する零相電圧を、代表端選択回路32で選択して使用する。代表端選択回路32は、各端子で検出した零相電圧33と各端子の休止情報34を有し、優先選択回路35において、優線度の順に1つの端子の零相電圧を選択する。図示の優先選択回路35は、A端、B端、C端の順に優先度が設定されている。
これにより、当初はA端(親端)が代表端であるため、A端の87Gリレーの位相比較部31にはA端零相電圧が入力されて、A端(代表端)の故障判定に使用できる。仮に代表端であるA端が休止となった場合は、次に優先順位が高いB端(子端)が代表端に選択され、B端の87Gリレーの使用が可能となり、このときに使用する零相電圧としてはB零相電圧が入力されて、B端(代表端)の故障判定に使用できる。以下、C端が選択された場合にも、C端の87Gリレーの使用が可能となり、このときに使用する零相電圧としてはC端零相電圧が入力されて、C端(代表端)の故障判定に使用できる。
但し、B端、C端の母線電圧がとれない条件の場合には、零相電圧33として、伝送路経由のA端電圧を代替使用することで継続運転を可能とする。
なお、この優線選択回路34の考え方は、ここでは87Gリレーで使用する零相電圧の切替に使用したが、図1の自端代表端信号Xの作成条件としてもよい。つまり、各端子の申告する休止端情報から代表端を決定する為の論理として、優先順位に基づく選択論理とすることができる。
更に各相電圧データの伝送を可能とすることで、母線電圧取込みによる系統において、従来まで実装できなかった電圧要素のリレーを適用することができる。図1の電圧データを利用した保護継電装置では不足電圧リレーを例に記載しているが、保護制御の用途および、伝送フォーマットの内容により、電圧要素、電流要素の各種保護継電器に適用しても良い。
以上説明した本発明によれば、以下の効果が期待できる。まず、従来の技術では、休止となった端子は電流値を零化し不要動作防止を図っている。87Gリレーを実装しているA端が休止端となった場合は、演算が実施できなくなり、不要動作防止のため伝送装置を介して、電流値を零化すると共に、各端にロック信号を送信していた。この点、本発明装置では複数端子で電圧・電流データを伝送することにより保護継電演算を実施するので母線電圧取込みによる系統においても、各端で87Gリレー演算が可能である。
また、従来のスペックでは87Gリレーを設ける代表端を予め決定し、動作情報を各端に伝送していたが、本発明では、各端で87Gリレーを設けており、各端の休止を検出することにより、代表端を選定する手法を確立した。これにより、従来の考えを踏襲し、且つ系統の安定度を向上させることが可能である。
更に各相電圧データの伝送を可能とすることで、母線電圧取込みによる系統において、従来まで実装できなかった不足電圧リレー等の電圧要素のリレーを適用することができ、系統の安定度を向上させることが可能である。
可変電源端あるいは非電源端を含む多端子送電系統が増えてきているので、この場合の保護継電システムとして広く採用することができる。
1:背後電源
2:非電源端
3:可変電源端
4:信号伝送路
5:伝送部
6:演算処理部
8:信号伝送装置
L:送電線
Ta:A端
Tb:B端
Tc:C端
RY:保護継電装置
BPD:母線電圧検出器
F1:休止端などの制御情報
F2:自端遮断器、ラインスイッチなどの機器開閉情報
F3:電流差動保護継電装置の演算結果情報(地絡検出用、短絡検出用)
F4:地絡検出信号51(地絡過電流継電器)
F5:各端子電流(各相電流、零相電流)
F6:各端子電圧(各相電圧、零相電圧)
F7:伝送不良情報
A1−A6:アンド回路
N1、N2:否定回路
OR1、OR2:オア回路
X:自端代表端信号
27:不足電圧継電器
51:過電流継電器
64:地絡過電圧継電器
87S:短絡検出用電流差動保護継電器
87G:地絡検出用電流差動保護継電器

Claims (3)

  1. 電源端以外に可変電源端あるいは非電源端を含む多端子送電系統の保護継電システムにおいて、
    電源端、可変電源端あるいは非電源端の各端子の保護継電装置は、各端子で検出した電流を用いた電流差動演算を行う親装置回路と前記電流差動演算を行なわない子装置回路を含み、電源端では親装置回路を選択し、可変電源端あるいは非電源端では子装置回路を選択し、電源端、可変電源端あるいは非電源端の各端子の伝送部は、前記親装置回路の電流差動演算に必要な自端検出電流情報を伝送し、
    電源端の伝送部は、さらに電源端母線電圧を伝送し、
    電源端の保護継電装置は、前記親装置回路の電流差動演算結果で自端遮断器を操作するとともに、前記電流差動演算結果を可変電源端あるいは非電源端に伝送し、
    可変電源端あるいは非電源端の子装置回路は、電源端側から送られてきた前記電源端母線電圧と前記電流差動演算結果とから、自端遮断器を操作するとともに、
    前記電源端の伝送部は、電源端以外の保護継電装置が、親装置回路を選択されたときにも、電源端母線電圧を伝送し、
    親装置回路を選択した端子の保護継電装置は、親装置回路の電流差動演算結果で自端遮断器を操作するとともに、電流差動演算結果を他の端子に伝送し、
    他の端子の子装置回路は、電源端側から送られてきた前記電源端母線電圧と電流差動演算結果から自端遮断器を操作することを特徴とする多端子送電系統の保護継電システム。
  2. 請求項1記載の多端子送電系統の保護継電システムにおいて、
    前記電源端、可変電源端あるいは非電源端の各端子の伝送部は、自端が休止端であることの情報を伝送し、
    前記電源端、可変電源端あるいは非電源端の各端子の保護継電装置は、前記休止端の情報を用いて電源端を第1位とする優先順位判断に従い、自端を親装置回路と子装置回路のいずれとするかを決定することを特徴とする多端子送電系統の保護継電システム。
  3. 請求項1記載の多端子送電系統の保護継電システムにおいて、
    前記電源端、可変電源端あるいは非電源端の各端子の伝送部は、伝送異常の情報を含めて伝送し、
    前記可変電源端あるいは非電源端の子装置回路は、電源端側から送られてきた電源端母線電圧を用いるに当り、前記伝送異常の情報を用いて電源端母線電圧を用いる保護継電器の不正動作を阻止することを特徴とする多端子送電系統の保護継電システム。
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