JP5644906B2 - ナノインプリント方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ナノインプリントモールドを用いて被加工物を成形するナノインプリント方法およびその方法を用いて形成されたパターン形成体、並びにナノインプリント装置に関する。
近年、ナノオーダーの微細加工技術としてナノインプリント技術に注目が集まっている。このナノインプリント技術は、基材に微細な凹凸構造を形成した型部材(以下、モールドと呼ぶ)を用い、凹凸構造を被加工物に押し当てた状態で被加工物を硬化させ、モールドと被加工物とを引き離し(以下、離型と呼ぶ)、微細構造を等倍転写するパターン形成技術である。
ナノインプリントによるパターン形成の一例をより詳細に述べる。転写基材上に液状のレジストを形成し、モールドの凹凸構造をこのレジスト(転写樹脂層)に押し当て、押圧した状態で熱あるいは紫外線を印加してレジストを硬化させて凹凸構造の反転パターン形状をレジストに転写する。その後、レジストをアッシングして残膜部分を除去し、転写基材が露出した領域に対してエッチングを施すことにより、転写基材に微細な凹凸構造を形成できる。
ナノインプリントによるパターン形成を高精度に行うためには、モールドと転写基材の平坦性を高めるとともに両者の平坦性を一致させたり、あるいはインプリント装置のプレス条件などを制御して凹凸構造の凹部に正確に樹脂が充填されるように設定する必要がある。
上記のようにモールドと転写基材との平坦性やインプリント条件等を改善することで、転写樹脂層の厚みや転写された形状を均一にすることができる。しかしながら、その一方でモールドと転写樹脂層との密着性が高まり、転写樹脂層を硬化させた後にモールドを転写樹脂層から離型するのが困難となる。モールドや転写基材はシリコン、石英ガラスなどの剛性が高く、モールドと転写樹脂層との間に隙間ができにくく、離型することが非常に困難となる。また、シリコン、石英ガラスなどはその脆弱性ゆえに、離型時にモールドなどが破損する問題があった。
そこで従来、モールドと転写樹脂層とをスムーズに離型する技術として、例えば特許文献1に記載された離型方法およびナノインプリント装置が提案されている。特許文献1では光インプリント用モールドにおいて、パターン領域と該パターン領域の外側に位置し、かつパターンの凹部よりも大きいサイズ(開口寸法および深さが大きい)を有する離型用の凹形状を有するモールド、及びこのモールドを用い、モールド内に形成された通孔を通じて離型用凹部に高圧ガスを供給するように構成した離型方法等が開示されている。
特開2006−245072号公報
しかしながら、特許文献1によれば離型形状の凹部を形成するための工程が更に必要となり、モールドの作製工程の増加につながる。また、パターンの凹部と離型形状の凹部とを同時に形成する場合には、離型用の凹部の存在によってパターン開口率およびパターン分布が変化するため、パターンの凹部を所望の寸法・形状に加工することが困難になる。また、離型用凹部にガスを供給する場合には、モールドに気体通孔を作製する工程が更に増加するとともに、ナノインプリント装置側に高圧ガス供給装置を設ける必要がある。
本発明は、上記の実情に鑑み、より簡便にモールドと転写樹脂層を離型できるナノインプリント方法およびナノインプリント装置を提供することを目的とする。また本発明は、モールドと転写樹脂層とをスムーズに離型を行い、パターン精度が良好なパターン形成体を提供することを目的とする。
本発明に係るナノインプリント方法は、基材上に紫外線硬化樹脂からなり、第1の領域及び第2の領域を含む樹脂層を形成し、 前記樹脂層の前記第1の領域に対して、凹凸パターン部を有するモールドを、前記凹凸パターン部が前記樹脂層の前記第1の領域に接触するように押し当て、 前記樹脂層の前記第2の領域を、紫外線硬化樹脂の硬化を阻害する気体に曝しながら、前記樹脂層の前記第1の領域に紫外線を照射して前記樹脂層の前記第1の領域を硬化させ、次に前記樹脂層の前記第2の領域に対して、前記樹脂層の第1の領域を硬化させた際よりも濃度の低い前記紫外線硬化樹脂の硬化を阻害する気体に曝しながら、凹凸パターン部を有するモールドを、前記凹凸パターン部が前記樹脂層の前記第2の領域に接触するように押し当て、前記樹脂層の前記第2の領域に紫外線を照射して前記樹脂層の前記第2の領域を硬化させることを特徴とする。


また本発明の別の態様として、前記樹脂層をスピンコート法により形成してもよい。
また本発明の別の態様として、前記樹脂層をインクジェット法により形成してもよい。
また本発明の別の態様として、前記樹脂層の前記第1の領域に紫外線照射を行う際、遮光構造により紫外線の斜入射成分を遮光してもよい。
また本発明の別の態様として、インプリント処理を大気圧よりも高い状態にして行なってもよい。
また本発明の別の態様として、紫外線硬化樹脂の硬化を阻害する前記気体を、前記樹脂層の前記第2の領域に供給することにより、前記樹脂層の前記第2の領域を前記気体に曝してもよい。
本発明によれば、凹凸パターン部の周囲を紫外線硬化樹脂の硬化を阻害する気体を含む雰囲気下に曝露した状態で、紫外線を照射して樹脂層を硬化させるので、硬化が阻害された部分の樹脂層を離型開始点として簡便にモールドと転写樹脂層を離型することができる。また本発明のナノインプリント方法を用いることにより、モールドと転写樹脂層とをスムーズに離型できるので、離型時におけるモールド及び転写樹脂層双方の凹凸構造の破損を抑え、パターン精度の良好なパターン形成体を得ることができる。
本発明に係るナノインプリント装置の構成を説明する概略図である。 本発明に係るナノインプリント装置の別の構成を説明する概略図である。 本発明に係るナノインプリント方法の一例を説明する工程断面図である。 本発明に係るナノインプリント工程中における酸素濃度の推移の一例を説明する概略図である。 本発明に係るナノインプリント方法の別の一例を説明する概略図である。 本発明に係るナノインプリント方法の変形例を説明する概略図である。 本発明に係るパターン形成体を説明する概略図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1のナノインプリント装置)
図1を参照して、本発明に係るナノインプリント装置について説明する。図1は本発明に係るナノインプリント装置の構成を説明する概略図である。ナノインプリント装置10は主要な構成として、ナノインプリントを実施する要素を内部に備えた転写部11(本実施形態では「密閉チャンバー」として図示している)、転写部11内を給排気する給排気装置17、および樹脂の硬化を阻害する気体を供給する気体供給装置(酸素供給装置18)を少なくとも具備している。
図1において、1は所期の凹凸パターン部2が形成されたモールドである。モールド1は、光インプリント用である場合には石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、青板ガラス、ソーダガラス、BK−7等の透明基材からなる。なお、上記材料だけでなく、透明樹脂フィルム、陽極酸化法により形成されたポーラスアルミナ等からなり、透光性を有するフレキシブル基材を用いることもできる。モールド1の厚み、大きさ、形状は用途に応じて適宜設定することができる。凹凸パターン部2は、例えばモールド1の基材にレジスト等をマスクとして形成しておき、そのマスクの露出部にエッチング等を施して形成されたマイクロ(μm)〜ナノ(nm)オーダーの凹凸構造である。
3は転写される側の基材(転写基材)であり、転写基材3上には樹脂層4が形成されている。転写基材3は、石英やソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基材、あるいは、これらの材料の組み合わせからなる複合材料基材からなる。転写基材3の厚み、大きさ、形状は用途等に応じて適宜設定することができる。
樹脂層4は、光硬化性の樹脂あるいはレジスト等であり、重合性化合物を少なくとも1種含有する光ラジカル硬化性樹脂からなる。光ラジカル硬化性樹脂としては、例えば紫外線の照射で速やかにラジカル重合して硬化するアクリレート類、メタクリレート類、ビニルエステル類、ビニルアミド類等含む液状モノマーに光ラジカル開始剤を混合したものを用いることができる。また、必要に応じて芳香族カルボニル化合物、ケトン類やフォスフィンオキサイド類等の硬化剤を添加する。なお、上記は例示であり、これらの材料に限定されるものではない。樹脂層4は、スピンコート法等の塗布法により、形成することができる。また、ナノインプリント装置内にインクジェット式吐出部(図示せず)を備える場合には、インクジェット法により樹脂層4を形成することも可能である。
なお、モールドと転写基材とが同程度の大きさである場合には、凹凸パターン部を一括転写により樹脂層に転写できる。また、モールドが転写基材よりも小さい場合(例えば、所望の転写領域をN分割したうちの1区画程度)には、ステップアンドリピート方式によって凹凸パターン部を樹脂層の所望の領域に転写する。
モールド1はモールドチャック12によって保持される。モールドチャック12はモールド1の位置決めを行なうための可動式のモールドステージ13に載置されている。モールドステージ13は、例えばXYZ軸方向の駆動と各軸まわりの回転(ωx,ωy,θ)が可能である。
転写基材3は基材チャック14によって保持される。基材チャック14は転写基材3の位置決めを行なうための可動式の基材ステージ15に載置されている。基材ステージ15は、例えばXYZ軸方向の駆動と各軸まわりの回転(ωx,ωy,θ)が可能である。なお、モールドステージ13と基材ステージ15は、図示しないステージ駆動手段によって駆動させる。各ステージの双方あるいは一方にステージ間の距離を計測するための機構(図示せず)、加圧手段(図示せず)などを備えている。
モールド1の背面側には、樹脂層4を硬化させるための紫外線を照射する照明光学系16が配置されている。照明光学系16から照射される紫外線は、モールド1を透過して樹脂層4に照射される。
以上、転写部11内におけるインプリントを実施するための要素について説明を行った。次に、給排気装置17および気体供給装置(酸素供給装置18)について説明する。
転写部11には、転写部内を給排気するための給排気装置17が接続されている。給排気装置17によって、転写部11内の圧力調整を行う。
また、転写部11には、転写部内に樹脂層4の硬化を阻害する気体を供給するための酸素供給装置18が接続されている。酸素供給装置18にはバルブ(図示せず)が配置されており、バルブの開閉制御によって必要なタイミングで樹脂層4の硬化を阻害する気体を転写部11に送り込むことができる。また、流量センサ(図示せず)が配置されており、気体の供給量を適宜制御することもできる。気体の供給は、転写部内全体に略均一な濃度となるように気体を導入してもよいし、樹脂層の硬化させたくない部分に対してノズル等(後述する)により局所的に気体を吹き付けるようにしてもよい。
供給する気体としては、紫外線照射した際、発生する樹脂層に発生したラジカルを失活させる能力(ラジカル失活能)を有する気体を用いることができ、例えば、酸素を挙げることができる。ここで、上記の気体によって紫外線硬化性樹脂の硬化が阻害され、離型をスムーズに行うことができるメカニズムについて説明する。
ラジカル重合性を有する液状モノマーに光ラジカル開始剤を混合して紫外線を照射すると、光ラジカル開始剤が紫外線を吸収し、光ラジカル開始剤が電子励起状態を形成し、重合開始反応が始まる。ラジカルは、紫外線硬化樹脂が置かれた雰囲気中の酸素と反応する。そのため、樹脂の硬化に必要なラジカルが酸素によって消費され、樹脂の硬化が十分に促進されずに硬化不足となる。この硬化不足となった樹脂層は、硬化した樹脂に比べてモールドとの密着性が低いため、パターン部分の樹脂が硬化した後においても硬化不足となった部分を起点としてモールドと転写基材とをスムーズに離型することができる。
(第2のナノインプリント装置)
図2を参照して、本発明に係るナノインプリント装置の別の例について説明する。なお、第1のナノインプリント装置と略同様の構成については、同一符号、同一名称を付し、その説明を省略する。
第2のナノインプリント装置が第1のナノインプリント装置と相違する部分は、主に以下の2点である。
(1)転写部11が開放された空間である。
(2)酸素給装置18が樹脂層の硬化させたくない部分に対して、局所的に酸素を供給することができる構成である。
転写部11は、密閉チャンバーのような密閉された空間だけではなく、常温常圧下でナノインプリントを実施するための要素(モールド、転写基材等)を備えた空間であってもよい。
酸素供給装置18は、樹脂層4の硬化させたくない部分に対して、その硬化を阻害する気体を局所的に供給する。そのような構成として例えば、噴射用のノズルを備えたものを挙げることができる。酸素供給装置18は単数あるいは複数設けることができる。
このようなナノインプリント装置は、一括転写方式、ステップアンドリピート方式に適用できる。なお、モールドがフレキシブルかつロール状である場合には、前記モールドと前記樹脂層が接触する領域の外縁部に対して、ロールの回転方向から樹脂の硬化を阻害する気体を供給すれば、ロールトゥーロール方式のナノインプリントを行うことができる。
(第1のナノインプリント方法)
次に図面を参照して、本発明に係るナノインプリント方法の手順の一例を説明する。図3は本発明に係るナノインプリント方法を説明する工程断面図であり、モールドの凹凸パターン部を樹脂層に一括転写する形態を示す。図4は本発明に係るナノインプリント工程中における酸素濃度の推移の一例を説明する概略図である。
従来のナノインプリント方法では、モールドと転写基材(樹脂層を含む)を窒素で満たされた転写部内において、インプリント処理を行っていた。しかし、本発明に係るナノインプリント方法では、樹脂を硬化させる時に樹脂の硬化を阻害する気体を、意図的に転写部内に導入してインプリント処理を行うことを特徴とする。
(1)モールド及び転写基材の準備(図3(A)参照)
転写基材3上にインプリント材料をスピンコート法により塗布し、樹脂層4を形成する。そして、樹脂層4が形成された転写基材3を基材チャック14上に載置する。なお、樹脂層4をインクジェット方式で転写基材3に供給する場合には、転写基材3を基材チャック14上に配置した後に、図示しない塗布ヘッドから樹脂を吐出して樹脂層4を形成する。そしてモールド1をモールドチャック12上に載置する。
モールド1、転写基材3の配置順序はいずれが先あるいは後でも構わない。また、モールド1の凹凸パターン部2は予めシランカップリング剤などからなる離型剤によって修飾されていてもよい。
転写部11内にモールド1、転写基材3を配置した後、転写部内の圧力を給排気装置17によって調整する。転写部11内を排気し、真空度の低い状態で、後述のようにモールド1と樹脂層4を接触させる。これにより、モールド1の表面を脱泡することができ、凹凸パターン部2中に気泡が残ることを防ぐことができる。転写部11内は主に窒素で満たされており、酸素濃度は、図4に示すように非常に少ない状態(NA )である。
なお、本実施形態では転写部内の圧力を大気圧よりも低い状態にしてナノインプリントを行う場合について説明するが、転写部内の圧力を大気圧よりも高い状態にして樹脂層4の溶剤が揮発するのを防止し、樹脂層4の膜厚変動を抑制するようなインプリント処理を行なってもよい。
(2)モールドと樹脂層の接触(図3(B)参照)
転写部11内を真空引きし、モールド1および転写基材3をそれぞれに位置決めを行なった後、モールドステージ13あるいは基材ステージ15を移動させ、モールド1を樹脂層4に接触させる。モールドの押圧条件等を調整して、凹凸パターン部2内に漏れなくインプリント材料を充填する。モールド1と転写基材3の大きさが同程度である場合には、モールド1と転写基材3との間に存在する樹脂層4の側面が転写部11内の雰囲気に曝されている。このとき、転写部11内における酸素濃度(NB )は、図4に示すように前工程(NA )と略同様である。
(3)樹脂層の硬化および離型開始点の作成(図3(C)参照)
モールド1を樹脂層4に接触させた状態で照明光学系16によって紫外線を照射して樹脂層4の硬化を行う。本発明に係るナノインプリント法では、少なくとも紫外線により樹脂層4を硬化させる時点において、転写部内に樹脂層4の紫外線による硬化を阻害する気体を供給し、モールド1の外縁部に位置する樹脂層に対して硬化が不十分な部分を作成することを特徴とする。転写部11内における酸素濃度は、図4に示すように意図的にモールドと樹脂層の接触時よりも高い状態(NC )が実現されている。効果的に樹脂の硬化を阻害するには、例えば5×104 ppm以上程度含むことが好ましい。より好ましくは1×105 ppm以上であり、さらに好ましくは2×105 ppm程度の酸素を含むことが好ましい。紫外線硬化を阻害する気体(酸素)の量を多くすることで、離型をスムーズに行うことができる。
供給する気体としては、紫外線照射した際、樹脂層に発生したラジカルを失活させる能力(ラジカル失活能)を有する気体を用いることができ、例えば、酸素を挙げることができる。
樹脂層4の紫外線硬化を阻害する気体を含む雰囲気中で、モールド1を樹脂層4に接触させた状態で照明光学系16によって紫外線を照射して樹脂層4の硬化を行う。このとき、モールド1と樹脂層4はほぼ間隙なく接触しているため、紫外線硬化を阻害する気体はモールド1の外縁部に位置する樹脂層にのみ作用する。凹凸パターン部2を含むモールドの内部と接触する樹脂層は硬化され(硬化部4a)、モールドの外周近傍と接触する樹脂層は硬化部4aに比べて、硬化が不十分な部分(未硬化部4b)となる。
なお、モールド1と転写基材3との間隔(樹脂層の残膜厚に相当)を調整することで、離型作業をさらに容易にすることができる。例えば、モールドと転写基材との間隔を大きくすれば、離型をよりスムーズに行うことができる。これは、紫外線硬化を阻害する気体に接する樹脂層の端面の面積を大きくできるからである。
(4)離型(図3(D)参照)
所定量の紫外線を照射した後、転写部11内を圧力開放して大気圧にする。そしてモールド1を樹脂層4から離型し、転写基材3を転写部外へ取り出す。図4に示すように転写部11の圧力開放に伴い、転写部11内における酸素の占める体積濃度は低下する(ND)。
未硬化部4aは、硬化部4aに比べてモールド1との密着力が低いため、離型しやすくなる。さらに、モールド1と樹脂層4との離型はモールド外周近傍から開始するため、未硬化部4bが離型開始点となり、スムーズな離型作業を行うことが可能となる。モールド1と樹脂層4との離型がスムーズに行えることによって、離型時におけるモールドあるいは樹脂層の破損を防ぐことができ、歩留りを向上させることが可能となる。
(変形例)
本発明に係るナノインプリント方法の変形例について、図面を参照して説明する。上記のナノインプリント方法と略同様の構成については、同一符号、同一名称を付し、その説明、図示を省略する。図6は本発明に係るナノインプリント方法の変形例を説明する概略図である。樹脂層4に紫外線を照射して樹脂層の硬化および離型開始点の作成時(図3(C)に相当)に、モールド1の外縁部に接触する部分の樹脂層4に対して、酸素を供給している。このように、転写部11内の酸素濃度を略均一にせず、樹脂層の硬化させたくない部分に対して、局所的に酸素を供給するようにしてもよい。
(第2のインプリント方法)
モールドの凹凸パターン部を樹脂層に一括転写する場合について説明したが、以下はステップアンドリピート方式で凹凸パターン部を樹脂層に転写する例について説明する。図5は本発明に係るナノインプリント方法の別の一例を説明する概略図であり、モールドの凹凸パターン部を樹脂層にステップアンドリピート方式で転写する形態を示す。図5では、ステップアンドリピート方式の隣接する第1の領域101、第2の領域102に対して凹凸パターン部を転写する場面を、説明のために取り挙げている。
図5(A)に示すように、樹脂層4の第1の領域101に対してモールドを接触させた状態で、紫外線(照射光300)を照射している。光学系から照射される照射光300は平行成分だけでなく、斜入射成分を持った光を含んでいる。そのため、実際に照射光300が1ステップで照射される領域は、第1の領域101よりも大きくなる。つまり、未露光部100と第1の領域101との間に硬化させたくない領域200が介在する。このように、第1の領域101を露光するステップでは、第1の領域101と硬化させたくない領域200とを合わせた領域に照射光300が照射されることになる。硬化させたくない領域200への照射光は、モールドに遮光構造を持たせることで低減することはできるが、完全に防ぐことは難しい。
本発明では第1の領域101を露光するステップで、硬化させたくない領域200に対応する部分の樹脂層の表面は露出し、紫外線が照射された時に樹脂の硬化を阻害する気体に曝露している。このようにモールドと樹脂層が接触する領域の外縁部が、樹脂の硬化を阻害する気体に曝されることにより、第1の領域を露光するステップにおける斜入射光による意図しない部分の樹脂の硬化を防ぐことが可能となる。したがって、第1の領域101と第2の領域102との間隔を狭めることでき、あるいは硬化させたくない領域200が硬化することによって生じる異物などの欠陥を防止することができる。
本発明に係るナノインプリント方法に使用するインプリント材料としては、ラジカル硬化性樹脂を用いることが好ましい。光インプリント用のインプリント材料として、ラジカル硬化性樹脂とカチオン硬化樹脂が知られている。ラジカル硬化性樹脂は、カチオン硬化性樹脂に比べて、保存性(保存時の感度安定性)に優れ、使用できる材料が多く、様々な用途(リソグラフィ、光学素子、磁気記録媒体、バイオ製品など)のナノインプリントに広く適応可能である。また、ラジカル硬化性樹脂は、カチオン硬化性樹脂に比べて硬化速度が速い。ラジカル硬化性樹脂を樹脂層として用いた場合には、高スループットのナノインプリント処理を行うことができる。
ラジカル硬化性樹脂はカチオン硬化性に比べて収縮率が高いことが知られている。第1の領域101は、周囲に隣接する他の領域の影響を受けるが、第1の領域101の外縁部に未硬化部が存在することで、他の領域の樹脂層の収縮の影響を低減することができる。
(パターン形成体)
図面を参照して、本発明に係るパターン形成体について説明する。図7は本発明に係るパターン形成体を説明する概略図である。なお、上記の説明と略同様の構成については、同一符号、同一名称を付し、その説明を省略する。
パターン形成体5は、上記のナノインプリント方法を用いて得られた凹凸構造体である。パターン形成体5はモールドの凹凸パターン部の反転パターン形状を有する。パターン形成体5は、パターンが存在する領域に樹脂が硬化した硬化部4aを含み、硬化部4aの周囲に位置するパターンが存在しない領域(図では外縁部分)に未硬化部4bを含む。このようなパターン形成体5は、未硬化部4bが離型開始点として作用し、モールドと転写樹脂層をスムーズに離型作業を通して製造される。したがって、離型時におけるモールド及び樹脂層4双方の微細な凹凸構造の破損を抑えることができるため、精度の高いパターン形成体となる。パターン形成体5は、半導体製品、光学素子、磁気記録媒体、バイオ製品などのナノインプリント技術が適用される場面において、成形品あるいはリソグラフィ用マスクとして機能する。
以上説明した実施の形態は例示であり、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、変更および拡張が可能であることは言うまでもない。
ナノインプリント技術を用いた微細加工に利用可能である。
1…モールド
2…凹凸パターン部
3…転写基材
4…樹脂層
4a…硬化部
4b…未硬化部
5…パターン形成体
10…ナノインプリント装置
11…転写部
12…モールドチャック
13…モールドステージ
14…基材チャック
15…基材ステージ
16…照明光学系
17…給排気装置
18…酸素供給装置
100…未露光部
101…第1の領域
102…第2の領域
200…硬化させたくない領域
300…照射光

Claims (6)

  1. 基材上に紫外線硬化樹脂からなり、第1の領域及び第2の領域を含む樹脂層を形成し、
    前記樹脂層の前記第1の領域に対して、凹凸パターン部を有するモールドを、前記凹凸パターン部が前記樹脂層の前記第1の領域に接触するように押し当て、
    前記樹脂層の前記第2の領域を、紫外線硬化樹脂の硬化を阻害する気体に曝しながら、前記樹脂層の前記第1の領域に紫外線を照射して前記樹脂層の前記第1の領域を硬化させ、
    次に前記樹脂層の前記第2の領域に対して、前記樹脂層の第1の領域を硬化させた際よりも濃度の低い前記紫外線硬化樹脂の硬化を阻害する気体に曝しながら、凹凸パターン部を有するモールドを、前記凹凸パターン部が前記樹脂層の前記第2の領域に接触するように押し当て、
    前記樹脂層の前記第2の領域に紫外線を照射して前記樹脂層の前記第2の領域を硬化させることを特徴とするナノインプリント方法。
  2. 前記樹脂層をスピンコート法により形成することを特徴とする請求項1記載のナノインプリント方法。
  3. 前記樹脂層をインクジェット法により形成することを特徴とする請求項1記載のナノインプリント方法。
  4. 前記樹脂層の前記第1の領域に紫外線照射を行う際、遮光構造により紫外線の斜入射成分を遮光することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のナノインプリント方法。
  5. インプリント処理を大気圧よりも高い状態にして行なうことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1記載のナノインプリント方法。
  6. 紫外線硬化樹脂の硬化を阻害する前記気体を、前記樹脂層の前記第2の領域に供給することにより、前記樹脂層の前記第2の領域を前記気体に曝すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1記載のナノインプリント方法。
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