JP2011091221A - 電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】層間剥離が積層体に発生することを抑制できる電子部品を提供することである。
【解決手段】積層体12は、磁性体材料からなる絶縁体層16と非磁性体材料からなる絶縁体層17とが積層されて構成されている。コイルLは、コイル導体層18が接続されることにより構成されている螺旋状のコイルである。コイル導体層18a,18b,18d〜18fは、z軸方向から平面視したときに、長方形状の環状の軌道Rを形成している。コイル導体層18cは、z軸方向から平面視したときに、絶縁体層17にz軸方向の負方向側から接触し、軌道Rの内側を周回している。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子部品の製造方法に関し、より特定的には、複数の絶縁体層が積層されてなる積層体を有する電子部品に関する。
従来の電子部品としては、特許文献1に記載の開磁路型積層コイル部品(以下、単に積層コイル部品と称す)が知られている。以下に、該積層コイル部品について説明する。
積層コイル部品は、複数のコイル用導体パターンを電気的に接続して構成した螺旋状コイルを内蔵したコイル部と、コイル部の外側に積層された外層部とを有している。そして、積層コイル部品の積層方向において、コイル部の略中央の位置に非磁性セラミック層が配置されている。以上の構成を有する積層コイル部品では、非磁性セラミック層が設けられているので、磁気飽和が発生しにくい。そのため、積層コイル部品では、優れた直流重畳特性を有している。
しかしながら、特許文献1に記載の積層コイル部品では、非磁性セラミック層において層間剥離が発生するおそれがある。以下に、図面を参照しながら説明する。図4は、特許文献1に記載の積層コイル部品の非磁性セラミック層近傍の断面構造図である。
積層コイル部品は、磁性セラミック層502(502a〜502d)及び非磁性セラミック層500が積層されることにより構成されている。そして、磁性セラミック層502及び非磁性セラミック層500上には、コイル用導体パターン504(504a〜504e)が設けられている。
以上の構成を有する積層コイル部品では、コイル用導体パターン504が設けられている領域における積層方向の厚みは、コイル用導体パターン504が設けられていない領域における積層方向の厚みよりも大きくなる。そのため、磁性セラミック層502及び非磁性セラミック層500は、コイル用導体パターン504が設けられている領域において、積層方向の上側に突出した形状をなすようになる。よって、磁性セラミック層502及び非磁性セラミック層500が積層方向の上側に突出している部分の両端では、磁性セラミック層502及び非磁性セラミック層500の接合面の法線が積層方向に対して傾いてしまう。その結果、圧着時において、磁性セラミック層502及び非磁性セラミック層500に対して、十分な圧力が加わらなくなる。更には、磁性セラミック層502の材料と非磁性セラミック層500の材料とは異なっている。以上より、磁性セラミック層502b,502cと非磁性セラミック層500との間において層間剥離が特に発生しやすい。
特開2005−259774号公報
そこで、本発明の目的は、層間剥離が積層体に発生することを抑制できる電子部品を提供することである。
本発明の一形態に係る電子部品は、第1の透磁率を有する複数の第1の絶縁体層と該第1の透磁率よりも小さな第2の透磁率を有する第2の絶縁体層とが積層されて構成されている積層体と、前記積層体に内蔵され、かつ、複数の導体層が接続されることにより構成されている螺旋状のコイルと、を備え、前記第2の絶縁体層に対して積層方向の上側から接触している前記導体層、及び、該導体層よりも積層方向の下側に設けられている前記導体層は、積層方向から平面視したときに、1つの環状の軌道上を周回していないこと、を特徴とする。
本発明によれば、層間剥離が積層体に発生することを抑制できる。
本発明の実施形態に係る電子部品の外観斜視図である。 一実施形態に係る電子部品の積層体の分解斜視図である。 図1の電子部品のA−Aにおける断面構造図である。 特許文献1に記載の積層コイル部品の非磁性セラミック層近傍の断面構造図である。
以下に、本発明の実施形態に係る電子部品について説明する。
(電子部品の構成)
本発明の一実施形態に係る電子部品の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電子部品10の外観斜視図である。図2は、一実施形態に係る電子部品10の積層体12の分解斜視図である。図3は、図1の電子部品10のA−Aにおける断面構造図である。以下、電子部品10の積層方向をz軸方向と定義し、電子部品10に短辺に沿った方向をx軸方向と定義し、電子部品10の長辺に沿った方向をy軸方向と定義する。なお、図3では、外部電極14を省略してある。
電子部品10は、図1及び図2に示すように、積層体12、外部電極14(14a,14b)、引き出し導体層19(19a,19b)及びコイル(電子素子)L(図1には図示せず)を備えている。積層体12は、直方体状をなしており、コイルLを内蔵している。
外部電極14aは、y軸方向の負方向側に位置する積層体12の側面に設けられている。外部電極14bは、y軸方向の正方向側に位置する積層体12の側面に設けられている。すなわち、外部電極14a,14bは、積層体12の互いに対向する側面に設けられている。
積層体12は、図2に示すように、絶縁体層16a,16b,17,16c〜16f)がz軸方向の正方向側から負方向側へとこの順に並ぶように積層されることにより構成されている。絶縁体層16(16a〜16f)は、磁性材料(例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト)からなる長方形状の層である。絶縁体層17は、非磁性材料(例えば、Cu−Zn系フェライト)からなる長方形状の層であり、コイルLを横切っている。絶縁体層17の厚みは、図3に示すように、絶縁体層16の厚みよりも薄い。なお、磁性体材料又は非磁性体材料とはそれぞれ、−55℃以上+125℃以下の温度範囲において、磁性体材料又は非磁性体材料として機能する材料を意味する。以下では、絶縁体層16,17のz軸方向の正方向側の面を表面と称し、絶縁体層16,17のz軸方向の負方向側の面を裏面と称す。
コイルLは、図2に示すように、コイル導体層18(18a〜18f)及びビアホール導体b1〜b5が接続されることにより構成されている。コイルLは、z軸方向と平行なコイル軸を有する螺旋状のコイルである。
コイル導体層18は、図2に示すように、絶縁体層16a,16b,17,16c〜16eの裏面上に設けられている。コイル導体層18a,18b,18d〜18fは、z軸方向から平面視したときに、互いに重なり合うことにより長方形状の環状の軌道Rを形成している線状導体である。コイル導体層18cは、z軸方向から平面視したときに、環状の軌道Rの内側を周回している。すなわち、絶縁体層17に対してz軸方向の上側から接触しているコイル導体層18b、及び、該コイル導体層18bよりもz軸方向の負方向側に設けられているコイル導体層18c〜18fの内の一部のコイル導体層18(本実施形態では、絶縁体層17にz軸方向の負方向側から接しているコイル導体層18c)は、z軸方向から平面視したときに、軌道Rの内側を周回している。更に、コイル導体層18c以外のコイル導体層18a,18b,18d〜18fは、z軸方向から平面視したときに、軌道R上を周回している。
更に、コイル導体層18cは、z軸方向から平面視したときに、コイル導体層18a,18b,18d〜18fと部分的に重なっている。電子部品10では、コイル導体層18cは、外周側の部分において、線幅の1/2の大きさだけコイル導体層18a,18b,18d〜18fと重なっている。
また、コイル導体層18は、200μmの線幅及び50μmの厚みを有している。更に、コイル導体層18aは、5/8ターンのターン数を有している。コイル導体層18b〜18eは、7/8ターンのターン数を有している。コイル導体層18fは、1/8ターンのターン数を有している。以下では、コイル導体層18において、z軸方向の正方向側から平面視したときに、反時計回りの上流側の端部を上流端とし、反時計回りの下流側の端部を下流端とする。なお、コイル導体層18のターン数は、7/8ターンに限らない。よって、コイル導体層18のターン数は、例えば、1/2ターンであってもよいし、3/4ターンであってもよい。
ビアホール導体b1〜b5はそれぞれ、図2に示すように、絶縁体層16b,17,16c〜16eをz軸方向に貫通するように設けられており、z軸方向に隣り合っているコイル導体層18同士を接続している。具体的には、ビアホール導体b1は、絶縁体層16bをz軸方向に貫通し、コイル導体層18aの下流端及びコイル導体層18bの上流端に接続されている。ビアホール導体b2は、絶縁体層17をz軸方向に貫通し、コイル導体層18bの下流端及びコイル導体層18cの上流端に接続されている。ビアホール導体b3は、絶縁体層16cをz軸方向に貫通し、コイル導体層18cの下流端及びコイル導体層18dの上流端に接続されている。ビアホール導体b4は、絶縁体層16dをz軸方向に貫通し、コイル導体層18dの下流端及びコイル導体層18eの上流端に接続されている。ビアホール導体b5は、絶縁体層16eをz軸方向に貫通し、コイル導体層18eの下流端及びコイル導体層18fの上流端に接続されている。
引き出し導体層19aは、図2に示すように、絶縁体層16aの裏面においてコイル導体層18aの上流端に接続されていると共に、絶縁体層16aのy軸方向の負方向側の短辺に引き出されることにより、外部電極14aに接続されている。引き出し導体層19bは、絶縁体層16eの裏面においてコイル導体層18fの下流端に接続されていると共に、絶縁体層16eのy軸方向の正方向側の短辺に引き出されることにより、外部電極14bに接続されている。
(電子部品の製造方法)
以下に、電子部品10の製造方法について図1ないし図3を参照しながら説明する。以下では、1つの電子部品10の製造方法について説明する。ただし、実際には、大判のセラミックグリーンシートが積層されてマザー積層体が作製され、該マザー積層体がカットされることにより、複数の電子部品10が同時に作製される。
まず、絶縁体層16となるべきセラミックグリーンシートを準備する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材及び分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、絶縁体層16となるべきセラミックグリーンシートを作製する。
次に、絶縁体層17となるべきセラミックグリーンシートを準備する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材及び分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、絶縁体層17となるべきセラミックグリーンシートを作製する。
次に、絶縁体層16b,17,16c〜16eとなるべきセラミックグリーンシートのそれぞれに、ビアホール導体b1〜b5を形成する。具体的には、絶縁体層16b,17,16c〜16eとなるべきセラミックグリーンシートにレーザビームを照射してビアホールを形成する。更に、ビアホールに対して、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などの導電性材料からなるペーストを印刷塗布などの方法により充填して、ビアホール導体b1〜b5を形成する。
次に、絶縁体層16a〜16e,17となるべきセラミックグリーンシートの裏面上に、導電性材料からなるペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、コイル導体層18(18a〜18f)及び引き出し導体層19(19a,19b)を形成する。導電性材料からなるペーストは、例えば、Agに、ワニス及び溶剤が加えられたものである。
なお、コイル導体層18(18a〜18f)及び引き出し導体層19(19a,19b)を形成する工程とビアホールに対して導電性材料からなるペーストを充填する工程とは、同じ工程において行われてもよい。
次に、絶縁体層16a,16b,17,16c〜16fとなるべきセラミックグリーンシートをz軸方向の正方向側から負方向側へとこの順に並ぶように積層及び圧着して未焼成の積層体12を得る。具体的には、絶縁体層16fとなるべきセラミックグリーンシートを配置し、該絶縁体層16fとなるべきセラミックグリーンシート上に絶縁体層16eとなるべきセラミックグリーンシートを積層し、仮圧着する。この後、絶縁体層16dとなるべきセラミックグリーンシート、絶縁体層16cとなるべきセラミックグリーンシート、絶縁体層17となるべきセラミックグリーンシート、絶縁体層16bとなるべきセラミックグリーンシート及び絶縁体層16aとなるべきセラミックグリーンシートもこの順に積層し、仮圧着していく。この後、未焼成の積層体12に対して、静水圧プレスにて本圧着を施す。以上の工程により、図3に示すような未焼成の積層体12の作製が完了する。
次に、未焼成の積層体12に、脱バインダー処理及び焼成を施す。脱バインダー処理は、例えば、低酸素雰囲気中において850℃で2時間の条件で行う。焼成は、例えば、870℃〜900℃で2.5時間の条件で行う。
以上の工程により、焼成された積層体12が得られる。積層体12には、バレル加工を施して、面取りを行う。その後、Agを主成分とする導電性材料からなる電極ペーストを、積層体12の表面に塗布する。そして、塗布した電極ペーストを約800℃の温度で1時間の条件で焼き付ける。これにより、外部電極14a,14bとなるべき銀電極を形成する。
最後に、銀電極の表面に、Niめっき/Snめっきを施すことにより、外部電極14a,14bを形成する。以上の工程を経て、図1に示すような電子部品10が完成する。
(効果)
以上のような電子部品10によれば、以下に説明するように、絶縁体層16b,16cと絶縁体層17との間で層間剥離が発生することを抑制できる。より詳細には、特許文献1に記載の積層コイル部品では、コイル用導体パターン504が設けられている領域における積層方向の厚みは、コイル用導体パターン504が設けられていない領域における積層方向の厚みよりも大きくなる。そのため、磁性セラミック層502及び非磁性セラミック層500は、コイル用導体パターン504が設けられている領域において、積層方向の上側に突出した形状をなすようになる。よって、磁性セラミック層502及び非磁性セラミック層500が積層方向の上側に突出している部分の両端では、磁性セラミック層502及び非磁性セラミック層500の接合面の法線が積層方向に対して傾いてしまう。その結果、圧着時において、磁性セラミック層502及び非磁性セラミック層500に対して、十分な圧力が加わらなくなる。更には、磁性セラミック層502の材料と非磁性セラミック層500の材料とは異なっている。以上より、磁性セラミック層502b,502cと非磁性セラミック層500との間において層間剥離が特に発生しやすい。
そこで、電子部品10では、絶縁体層17に対してz軸方向の上側から接触しているコイル導体層18b、及び、該コイル導体層18bよりもz軸方向の負方向側に設けられているコイル導体層18c〜18fの内の一部のコイル導体層18cは、z軸方向から平面視したときに、軌道Rの内側を周回している。そのため、図3に示すように、コイル導体層18a〜18f(コイル導体層18fは図3では図示せず)はz軸方向に一列に並ばなくなる。よって、電子部品10では特許文献1に記載の積層コイル部品に比べて、コイル導体層18a〜18fが設けられている領域のz軸方向の厚みと、コイル導体層18a〜18fが設けられていない領域のz軸方向の厚みとの差が、小さくなる。そのため、コイル導体層18cよりもz軸方向の正方向側に位置している絶縁体層16a,16b,17がz軸方向の正方向側に突出する量が小さくなる。よって、絶縁体層16b,16cと絶縁体層17との境界がz軸方向に突出する量も小さくなる。したがって、圧着時において、絶縁体層16b,16c,17に対して、十分な圧力が加わるようになる。その結果、電子部品10では、絶縁体層16b,16cと絶縁体層17との間で層間剥離が発生することを抑制できる。
また、コイル導体層18a,18b,18d〜18fは、軌道R上を周回しており、コイル導体層18cは、軌道Rの内側を周回している。これにより、コイルLのコイル径をできるだけ大きくすることができる。その結果、電子部品10において、コイルLのインダクタンス値を大きくすることが可能となる。
また、コイル導体層18cは、z軸方向から平面視したときに、コイル導体層18a,18b,18d〜18fと部分的に重なっている。これにより、以下に説明するように、電子部品10において、コイルLのインダクタンス値を大きくすることができる。より詳細には、コイル導体層18cとコイル導体層18a,18b,18d〜18fとが部分的に重なっていない場合には、z軸方向から平面視したときに、コイル導体層18cとコイル導体層18a,18b,18d〜18fとの間に隙間が発生する。よって、コイル導体層18cが発生した磁束及びコイル導体層18a,18b,18d〜18fが発生した磁束は、該隙間を通過しようとする。しかしながら、コイル導体層18cが発生した磁束の向きとコイル導体層18a,18b,18d〜18fが発生した磁束の向きとは逆向きである。よって、これらの磁束は打ち消しあってしまう。そのため、前記のような隙間の存在は、コイルLのインダクタンス値を大きくすることを妨げてしまう。
一方、コイル導体層18cとコイル導体層18a,18b,18d〜18fとが部分的に重なっていると、前記のような隙間が発生しない。そのため、コイル導体層18cが発生した磁束とコイル導体層18a,18b,18d〜18fが発生した磁束とが打ち消しあうことがない。その結果、電子部品10では、コイルLのインダクタンス値を大きくすることが可能となる。
なお、コイル導体層18cとコイル導体層18a,18b,18d〜18fとが重なっている部分の大きさが大きければ、コイルLの内径が大きくなるのでインダクタンス値が大きくなる。一方、コイル導体層18cとコイル導体層18a,18b,18d〜18fとが重なっている部分の大きさが小さければ、絶縁体層16b,17がz軸方向の正方向側に突出する量が小さくなるので層間剥離を効果的に抑制できる。よって、大きなインダクタンス値を得ることと層間剥離の抑制を両立させる観点から、コイル導体層18cは、外周側の部分において、線幅の1/2の大きさだけコイル導体層18a,18b,18d〜18fと重なっていることが望ましい。
(その他の実施形態)
本願発明に係る電子部品は、前記実施形態に係る電子部品10に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。以下に、その他の実施形態に係る電子部品について説明する。
電子部品10では、コイル導体層18cが、z軸方向から平面視したときに、軌道Rの内側を周回していた。しかしながら、軌道Rの内側を周回するコイル導体層18は、コイル導体層18cに限らない。電子部品10では、絶縁体層16b,16cと絶縁体層17との間において層間剥離が発生することが抑制されればよい。したがって、コイル導体層18c〜18fのいずれかが、軌道Rの内側を周回していればよい。コイル導体層18c〜18fは、絶縁体層17に対してz軸方向の正方向側から接しているコイル導体層18bよりもz軸方向の負方向側に位置している導体層である。これにより、コイル導体層18c〜18fよりもz軸方向の正方向側に位置している絶縁体層16a,16b,17がz軸方向の正方向側に突出する量が小さくなる。よって、絶縁体層16b,16cと絶縁体層17との境界がz軸方向に突出する量も小さくなる。したがって、圧着時において、絶縁体層16b,16c,17に対して、十分な圧力が加わるようになる。その結果、絶縁体層16b,16cと絶縁体層17との間で層間剥離が発生することを抑制できる。
なお、コイル導体層18bが、z軸方向から平面視したときに、軌道Rの内側を周回していてもよい。コイル導体層18bは、図3に示すように、絶縁体層17にz軸方向の正方向側から接している。そのため、コイル導体層18bが軌道Rの内側を周回することにより、コイル導体層18bよりもz軸方向の正方向側に位置する絶縁体層16a,16bがz軸方向の正方向側に突出する量が小さくなる。その結果、絶縁体層16bと絶縁体層17との境界がz軸方向に突出する量も小さくなる。したがって、圧着時において、絶縁体層16b,17に対して、十分な圧力が加わるようになる。その結果、絶縁体層16bと絶縁体層17との間で層間剥離が発生することを抑制できる。
なお、電子部品10では、コイル導体層18a,18b,18d〜18fは、1つの軌道R上を周回している。しかしながら、コイル導体層18a,18b,18d〜18fは、1つの軌道R上を周回している必要はない。電子部品10において、絶縁体層16b,16cと絶縁体層17との間で層間剥離が発生する原因は、前記の通り、絶縁体層17に対してz軸方向の正方向側から接触しているコイル導体層18bよりもz軸方向の負方向側に位置しているコイル導体層18c〜18fがz軸方向に並ぶことである。そこで、電子部品10では、コイル導体層18c〜18fが、z軸方向の正方向側から平面視したときに、1つの軌道R上を周回していなければよい。よって、コイルLは、例えば、柱体ではなく錐体をなしていてもよい。
また、電子部品10では、コイル導体層18は、絶縁体層16,17の裏面上に設けられるものとしたが、絶縁体層16,17の表面上に設けられていてもよい。
また、絶縁体層16は、磁性材料により構成され、絶縁体層17は、非磁性材料により構成されている。しかしながら、絶縁体層16の材料と絶縁体層17の材料とはこれに限らない。絶縁体層16は、第1の透磁率を有し、絶縁体層17は、第1の透磁率よりも小さな第2の透磁率を有していればよい。
以上のように、本発明は、電子部品に有用であり、特に、層間剥離が積層体に発生することを抑制できる点において優れている。
L コイル
R 軌道
b1〜b5 ビアホール導体
10 電子部品
12 積層体
14a,14b 外部電極
16a〜16f,17 絶縁体層
18a〜18f コイル導体層
19a,19b 引き出し導体層

Claims (6)

  1. 第1の透磁率を有する複数の第1の絶縁体層と該第1の透磁率よりも小さな第2の透磁率を有する第2の絶縁体層とが積層されて構成されている積層体と、
    前記積層体に内蔵され、かつ、複数の導体層が接続されることにより構成されている螺旋状のコイルと、
    を備え、
    前記第2の絶縁体層に対して積層方向の上側から接触している前記導体層、及び、該導体層よりも積層方向の下側に設けられている前記導体層は、積層方向から平面視したときに、1つの環状の軌道上を周回していないこと、
    を特徴とする電子部品。
  2. 前記第2の絶縁体層に対して積層方向の上側から接触している前記導体層、及び、該導体層よりも積層方向の下側に設けられている前記導体層の内の一部の前記導体層は、積層方向から平面視したときに、前記軌道の内側を周回しており、
    前記一部の導体層以外の前記導体層は、積層方向から平面視したときに、前記軌道上を周回していること、
    を特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記一部の導体層は、前記第2の絶縁体層に積層方向の上側から接している前記導体層よりも積層方向の下側に設けられている前記導体層のいずれかであること、
    を特徴とする請求項2に記載の電子部品。
  4. 前記一部の導体層は、前記第2の絶縁体層に積層方向の下側から接している前記導体層であること、
    を特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の電子部品。
  5. 前記第2の絶縁体層に対して積層方向の上側から接触している前記導体層、及び、該導体層よりも積層方向の下側に設けられている前記導体層の内の一部の前記導体層は、積層方向から平面視したときに、該一部の導体層以外の前記導体層と部分的に重なっていること、
    を特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の電子部品。
  6. 前記第2の絶縁体層の厚みは、前記第1の絶縁体層の厚みよりも薄いこと、
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電子部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018041866A (ja) * 2016-09-08 2018-03-15 京セラ株式会社 コイル基板、rfidタグおよびrfidシステム

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