JP5641193B2 - 全固体リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、全固体リチウム二次電池に関するものである。
近年、携帯電話・PDA・ノートパソコンなどの高機能化に伴い、長時間使用が可能であり、且つ小型・軽量で、安全性の高い二次電池が強く要望されている。かかる要望に応える二次電池として、他の二次電池に比べて、高いエネルギー密度を有するリチウム二次電池が多用されている。
しかし、従来から使用されてきた可燃性の有機溶媒を含むリチウム二次電池は過充電時や濫用時に液漏れや発火の惧れがある。そのため、電池の高エネルギー密度化に伴い、安全性の確保が重要な課題とされてきた。
このような課題を解決する電池として、有機電解液に比べて化学的に安定で且つ液漏れや発火の惧れがない固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池の研究開発が鋭意行われている。
この全固体リチウム二次電池においては、正極集電体、正極材(正極合材)、固体電解質層、負極材(負極合材)、負極集電体が全て固体または固体粉末から成るため、固体/固体間の接触状態の改善が非常に重要となる。すなわち、積層界面での高いリチウムイオン伝導性、電子伝導性を得るためには強い密着性が必要となり、例えば電極活物質粉末や固体電解質粉末を積層して単動プレスやロールプレスによって圧密することにより、電解液を用いたリチウム二次電池に匹敵する高い電池性能を得ることができる。
ところで、従来の電解液系電池では電極の空隙に電解液が浸み込むため、電極/電解質間の接触面積については、それほど大きい問題にはならなかった。
そして、全固体リチウム二次電池においても、当然ながら、高出力化が望まれており、このような要望に応えるものとして、正極活物質と結晶性固体電解質との間の緩衝層としてチタンを含む酸化物固体電解質が用いられたものがある。この結晶性固体電解質としては、イオン伝導性が高く、電気化学的な安定性が高い硫化物系固体電解質が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
この硫化物系無機固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池においては、硫化物系無機固体電解質と酸化物正極活物質との接触界面において高抵抗層が形成されており、この高抵抗層は電池特性を低下させる原因の一つであるとともに、硫化物系無機固体電解質と酸化物正極活物質との化学ポテンシャルの違いが当該高抵抗層を形成する原因であると言われている。
このため、特許文献1においては、酸化物正極活物質表面をリチウムイオン伝導性酸化物で被覆することで、酸化物正極活物質とリチウムイオン伝導性酸化物の化学ポテンシャルを近くして高抵抗層の形成を抑制し、電池特性すなわち充放電性能の向上が図られている。
WO2007/004590号公報
上述した硫化物系無機固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池においては、酸化物正極活物質表面をリチウムイオン伝導性酸化物で被覆することで、酸化物正極活物質とリチウムイオン伝導性酸化物の化学ポテンシャルを近くして高抵抗層の形成を抑制するようにしているが、リチウムイオン伝導性酸化物で被覆する工程が増えることになり、製造コストの上昇に繋がるという問題があった。
そこで、本発明は、製造コストを上昇させることなく充放電性能の向上を図り得る全固体リチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の全固体リチウム二次電池は、正極材と負極材との間にリチウムイオン伝導性固体電解質層を介在させてなる全固体リチウム二次電池において、
上記正極材を正極活物質とリチウムイオン伝導性固体電解質とから構成するとともに、この正極材における固体電解質として、硫化物系結晶性電解質と硫化物系非晶質電解質との混合物を用いるとともに正極材に含まれる硫化物系非晶質電解質の割合を、正極材全体に対して1〜15質量%の範囲となるようにし、
上記リチウムイオン伝導性固体電解質層として硫化物系結晶性電解質を用い、
上記負極材を負極活物質とリチウムイオン伝導性固体電解質とで構成するとともに、この負極材における固体電解質として硫化物系結晶性電解質を用いたものである。
た上記全固体リチウム二次電池における硫化物系結晶性電解質としてLiS−Pを用いるとともに、硫化物系非晶質電解質としてLiPO−LiS−SiSを用いたものである。
上記全固体リチウム二次電池によると、正極材として、正極活物質との副反応性は高いがイオン伝導性が良い硫化物系結晶性電解質と、イオン伝導度は少し劣るが正極活物質との副反応性が低い硫化物系非晶質電解質との混合物を用いるようにしたので、従来のように、酸化物正極活物質表面をリチウムイオン伝導性酸化物で被覆する必要がないので、製造コストを上げることなく且つ充放電性能を損なうことのない二次電池を製造することができる。
本発明の実施の形態に係る全固体リチウム二次電池の概略構成を示す断面図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係る全固体リチウム二次電池について説明する。
この全固体リチウム二次電池は、図1に示すように、正極材(正極合材)4と負極材(負極合材)2との間にリチウムイオン伝導性固体電解質層3が配置されるとともに、正極材4の上記リチウムイオン伝導性固体電解質層3とは反対側の表面に正極集電体5が、また負極材2の上記リチウムイオン伝導性固体電解質層3とは反対側の表面に負極集電体1が、それぞれ積層されたものであり、さらに上記正極材4を正極活物質とリチウムイオン伝導性固体電解質とから構成するとともに、この正極材4におけるリチウムイオン伝導性固体電解質として硫化物系結晶性電解質と硫化物系非晶質電解質との混合物を用い、上記リチウムイオン伝導性固体電解質層3として硫化物系結晶性電解質を用い、上記負極材2を負極活物質とリチウムイオン伝導性固体電解質とで構成するとともに、負極活物質として炭素材料を用い且つ当該負極材2におけるリチウムイオン伝導性固体電解質として硫化物系結晶性電解質を用いたものである。
また、上記全固体リチウム二次電池において、正極材4に含まれる硫化物系非晶質電解質の割合を、当該正極材4全体に対して1〜15質量%(または重量%)の範囲となるようにしたものであり、さらに硫化物系結晶性電解質としてLiS−Pを用いるとともに、硫化物系非晶質電解質としてLiPO−LiS−SiSを用いたものである。なお、硫化物系非晶質電解質の割合が1%未満であると、結晶性電解質と正極活物質との接触面積が増えて副反応が進行しやすくなり、15%を超えると、正極に占める非晶質電解質の割合が増えてリチウムイオン伝導性が低下し、放電容量を低下させてしまう。
ここで、本発明を想到するに到った理由を簡単に述べておく。
背景技術の欄で説明した特許文献1においては、硫化物系無機固体電解質と酸化物正極活物質の接触界面において高抵抗層が形成されており、この高抵抗層が電池特性を低下させる原因の一つであると記述されている。
そして、本発明者等は、酸化物正極活物質と硫化物系固体電解質の接触界面において副反応が生じていることが高抵抗層生成の原因の一つであると判断した。
すなわち、酸化物正極活物質と硫化物系固体電解質の接触界面において、酸化物正極活物質および硫化物系固体電解質が分解して絶縁体であるLiSが形成され、これが一種の高抵抗層が形成していると判断した。
一方で、硫化物系非晶質(ガラス状)固体電解質を電極に用いた場合に、副反応が小さくなることを見出したが、充放電性能は低下した。
一般的に、結晶性電解質は優れたリチウムイオン伝導性を有し且つ成形性にも優れていることから、結晶性電解質を電極に用いると充放電特性の優れた電極が得られ、また非晶質電解質は熱安定性が高いことから、非晶質電解質を電極に用いると、保存性能に優れた電極が得られる。
このことから、硫化物系非晶質固体電解質を電極に用いた場合、熱的な安定性が高いために副反応が小さかったが、結晶性固体電解質に比べてリチウムイオン伝導性が劣るため充放電性能が低下したと考えられる。
これらの結果から、本発明者等は、充放電性能を損なわずに保存安定性を向上させるために、副反応が生じる電極層に結晶質と非晶質との二種類の固体電解質を混合する方法が最良であるという知見を得たからである。
上記全固体リチウム二次電池の構成によると、正極材4として、正極活物質との副反応性は高いがイオン伝導性(イオン伝導度)が良い(優れた)硫化物系結晶性電解質と、イオン伝導度は少し劣るが正極活物質との副反応性が低い硫化物系非晶質電解質とを混合し、且つリチウムイオン伝導性固体電解質層3および負極材4として、イオン伝導性の高いLiS−P(結晶性電解質)を用いたので、充放電性能を損なうことなく且つ保存特性の優れた二次電池を得ることができる。勿論、従来のように、正極活物質をリチウムイオン伝導性酸化物で被膜する必要がないので、製造コストの上昇を抑制することができる。
以下、上記全固体リチウム二次電池を具体的に示した実施例1〜4について説明する。これら各実施例においては、全固体リチウム二次電池の構成とともにその製造方法についても説明し、また図1で示した二次電池の構成部材と同一の名称および同一符号を用いて説明する。
[実施例1]
実施例1に係る全固体リチウム二次電池(以下、リチウム二次電池という)は、正極材(正極合材)4と負極材(負極合材)2との間にリチウムイオン伝導性固体電解質層3が配置されるとともに、正極材4のリチウムイオン伝導性固体電解質層3とは反対側の表面に正極集電体5が、また負極材2のリチウムイオン伝導性固体電解質層3とは反対側の表面に負極集電体1が、それぞれ積層されたものである。
上記リチウムイオン伝導性固体電解質層3としては、硫化物系結晶性電解質である0.80LiS−0.20Pが用いられる。また、この電解質(LiS−P)として、その粉末を目開き56μmの篩にかけ、その篩下のものを用いた。
この固体電解質を40mg秤量し、内径10mmのSKD(冷間ダイス鋼)製の円筒金型に入れ、185MPaで3回加圧成形することにより、リチウムイオン伝導性個体電解質層3を得た。
上記負極材2としては、負極活物質とリチウムイオン伝導性固体電解質との混合物が用いられる。負極活物質としては炭素材料であるグラファイトが用いられるとともに、リチウムイオン伝導性固体電解質としては硫化物系結晶性電解質であるLiS−Pが用いられる。
負極活物質であるグラファイトとリチウムイオン伝導性固体電解質(LiS−P)との混合物は、所定の質量比(重量比)、例えば6:4の割合でもって作製される。ここでは、負極活物質と上記固体電解質とを60mg:40mgの割合で秤量し、乳鉢にて十分に混合する。この固体電解質(LiS−P)として、その粉末を目開き56μmの篩にかけ、その篩下のものを用いた。
ところで、負極材2に用いるリチウムイオン伝導性固体電解質は還元分解されないように、電位窓が広い材料を選択する必要があるが、LiS−Pは非常に広い電位窓を有している。
次に、得られた負極材としての混合物を15mg秤量して、加圧成形後の固体電解質が入れられた円筒金型に投入し、185MPaで3回加圧成形した。
上記正極材4としては、正極活物質と硫化物系非晶質固体電解質と硫化物系結晶性固体電解質との混合物が用いられる。
また、正極活物質としては、酸素気流中において700℃で20時間焼成したLiNi0.8Co0.15Al0.05(以下、NCAとも称する)が用いられる。また、硫化物系非晶質(ガラス状)固体電解質としては、例えば0.01LiPO−0.63LiS−0.36SiSが用いられ、硫化物系結晶性固体電解質としては、例えば0.80LiS−0.20Pが用いられる。これらの固体電解質として、それぞれ目開きが56μmの篩にかけ、篩下のものを用いた。
そして、正極材4は、NCAとLiPO−LiS−SiSとLiS−Pとを7:1.5:1.5(質量比)の割合で混合して作製されるが、NCAと硫化物系非晶質固体電解質であるLiPO−LiS−SiSとを先に十分に混合した後に、硫化物系結晶性固体電解質であるLiS−Pを追加混合して作製される。
ここでは、まず、正極活物質と硫化物系非晶質固体電解質と硫化物系結晶性固体電解質とをそれぞれ70mg:15mg:15mgの割合で秤量し、乳鉢にて十分に混合する。
次に、得られた正極材としての混合物を20mg秤量して、加圧成形後の固体電解質−負極材からなる積層部材(積層ペレット)が入れられた円筒金型の固体電解質側に投入し、370MPaで3回加圧成形し、そしてこの加圧成形された積層部材を円筒金型から取り出す。
次に、PET製(ポリエチレンテフタレート)の金型(ダイ)に、チタン(Ti)の正極集電体5、および正極材4が正極集電体5に接触するように上記積層部材を充填し、その上からチタン(Ti)の負極集電体1を投入して上下をSKD製のパンチで挟み、185MPa、370MPa、370MPaでもって、順次、加圧成形して積層体を得る。
そして、得られた積層体を電池用セル内に組み込むことにより、全固体リチウム二次電池を得た。
このようにして製造されたリチウム二次電池(つまり、構築直後電池)の初期放電容量および30日保存後の正極側のX線リートベルト解析によるLiNiOに対するLiS検出量並びに30日保存後の放電容量を調べた結果について、下記の[表1]に示しておく。なお、[表1]には、比較例についてのデータも記載している。
Figure 0005641193
ここで、比較例について説明しておく。
まず、比較例1について説明する。
比較例1に係る全固体リチウム二次電池の製造方法について説明すると、リチウムイオン伝導性固体電解質層および負極材は、実施例1で説明したものと同一である。
正極材としては、正極活物質と硫化物系結晶性固体電解質との混合物が用いられる。正極活物質としては、酸素気流中において700℃で20時間焼成したLiNi0.8Co0.15Al0.05(NCA)が用いられている。また、硫化物系結晶性固体電解質としては、例えば0.80LiS−0.20Pが用いられるとともに、目開きが56μmの篩にかけ、篩下のものを用いた。
正極材は、NCAとLiS−Pとを7:3(質量比)の割合で混合して作製される。ここでは、正極活物質と硫化物系結晶性固体電解質とをそれぞれ70mg:30mgの割合で秤量し、乳鉢にて十分に混合する。
次に、得られた混合物を20mg秤量して、加圧成形後の固体電解質−負極材からなる積層部材(積層ペレット)が入れられた円筒金型の固体電解質側に投入し、370MPaで3回加圧成形し、そしてこの加圧成形された積層部材を円筒金型から取り出す。
次に、PET製の金型(ダイ)に、チタン(Ti)の正極集電体を配置し、この正極集電体に正極材が接触するように上記積層部材を充填し、チタン(Ti)の負極集電体1を投入して上下をSKD製のパンチで挟み、185MPa、370MPa、370MPaでもって、順次、加圧成形して積層体を得た。
このようにして得られた積層体を電池用セル内に組み込むことにより、リチウム二次電池を製造した。
上述した実施例1と同様に製造されたリチウム二次電池(つまり、構築直後電池)の初期放電容量および30日保存後の正極側のX線リートベルト解析によるLiNiOに対するLiS検出量並びに30日保存後の放電容量を調べた結果を[表1]に示しておく。比較例1は30日保存によりLiS検出量が増加(副反応が進行)し、その結果、容量の大部分が減少しているため好ましくない。
次に、比較例2について説明する。
比較例2に係る全固体リチウム二次電池の製造方法について説明すると、リチウムイオン伝導性固体電解質層および負極材については、上述した実施例1(つまり比較例1)と同じである。
正極材としては、正極活物質と硫化物系非晶質(ガラス状)固体電解質との混合物が用いられる。正極活物質としては酸素気流中において700℃で20時間焼成したLiNi0.8Co0.15Al0.05(NCA)が用いられる。また、硫化物系非晶質固体電解質としては、例えば0.01LiPO−0.63LiS−0.36SiSが用いられ、目開きが56μmの篩にかけ、篩下のものを用いた。
正極材は、NCAとLiPO−LiS−SiSとを7:3(質量比)の割合で混合して作製される。ここでは、正極活物質と硫化物系非晶質固体電解質とをそれぞれ70mg:30mgの割合で秤量し、乳鉢にて十分に混合する。
次に、得られた混合物を20mg秤量して、加圧成形後の固体電解質−負極からなる積層部材が入れられた円筒金型の固体電解質側に投入し、370MPaで3回加圧成形し、そしてこの加圧成形された上記積層部材を円筒金型から取り出す。
次に、PET製の金型(ダイ)に、チタン(Ti)の正極集電体を配置し、この正極集電体に正極材が接触するように上記積層部材を充填し、チタン(Ti)の負極集電体を投入して上下をSKD製のパンチで挟み、185MPa、370MPa、370MPaでもって、順次、加圧成形して積層体を得た。
このようにして得られた積層体を電池用セル内に組み込むことにより、リチウム二次電池を製造した。
上述した実施例1と同様に製造されたリチウム二次電池(つまり、構築直後電池)の初期放電容量および30日保存後の正極側のX線リートベルト解析によるLiNiOに対するLiS検出量並びに30日保存後の放電容量を調べた結果を[表1]に示しておく。比較例2は正極に占める電解質を全て非晶質電解質にしたため副反応は少ないが、リチウムイオン伝導性が低下し容量が出ないため好ましくない。
なお、実施例1、比較例1および比較例2の初期充放電はセル加圧力が78.4MPaのもとで且つ30℃の恒温槽内で、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.5Vおよび充放電電流0.15mA/cmの条件で定電流充放電を行ったものである。
[実施例2〜4]
次に、実施例2〜4について説明する。
実施例2〜4に係る全固体リチウム二次電池は、実施例1と殆ど同じ方法で製造したもので、正極活物質と非晶質固体電解質と結晶性固体電解質との混合比が異なるだけである。すなわち、実施例2については、正極活物質:非晶質固体電解質:結晶性固体電解質の混合比が70:1:29(質量比)であり、実施例3については、70:5:25(質量比)であり、実施例4については、70:10:20(質量比)である。
次に、比較例3および比較例4について説明する。
この比較例3に係る全固体リチウム二次電池は、実施例1と殆ど同じ方法で製造したもので、正極活物質と非晶質固体電解質と結晶性固体電解質との混合比が異なるだけである。
すなわち、比較例3における正極活物質:非晶質固体電解質:結晶性固体電解質の混合比は、70:20:10(質量比)である。
また、比較例4に係る全固体リチウム二次電池の構成、および固体電解質、正極材の作製方法は実施例1と同じである。
負極材としては、負極活物質と硫化物系非晶質固体電解質と硫化物系結晶性固体電解質との混合物が用いられる。
上記負極活物質としては炭素材料であるグラファイトが用いられる。また、硫化物系非晶質固体電解質としては、例えば0.01LiPO−0.63LiS−0.36SiSが用いられ、硫化物系結晶性固体電解質としては、例えば0.80LiS−0.20Pが用いられる。
これらの固体電解質については、それぞれ目開きが56μmの篩にかけ、篩下のものを用いた。
この負極材は、グラファイトとLiPO−LiS−SiSとLiS−Pとが、6:2:2(質量比)の割合で混合して作製されるが、グラファイトと硫化物系非晶質固体電解質、つまりLiPO−LiS−SiSを先に十分に混合してから硫化物系結晶性固体電解質、つまりLiS−Pを追加・混合して作製される。
ここでは、負極活物質と硫化物系非晶質固体電解質と硫化物系結晶性固体電解質とをそれぞれ60mg:20mg:20mgの割合で秤量し、乳鉢にて十分に混合する。そして、これらの固体電解質、正極材、負極材を用いて実施例1と同様にリチウム二次電池を製造した。
上述した比較例1および比較例2と同様に、製造された二次電池(つまり、構築直後電池)の初期放電容量および30日保存後の正極側のX線リートベルト解析によるLiNiOに対するLiS検出量並びに30日保存後の放電容量を調べた結果を[表1]に示しておく。比較例3は、比較例1と同様に、30日保存によりLiS検出量が増加(副反応が進行)し、その結果、容量の大部分が減少しているため好ましくない。また、比較例4は充電時に負極が還元分解をしてしまうため、電池構築直後、30日保存後ともに容量が出ないため好ましくない。
1 負極集電体
2 負極材
3 リチウムイオン伝導性固体電解質層
4 正極材
5 正極集電体

Claims (2)

  1. 正極材と負極材との間にリチウムイオン伝導性固体電解質層を介在させてなる全固体リチウム二次電池において、
    上記正極材を正極活物質とリチウムイオン伝導性固体電解質とから構成するとともに、この正極材における固体電解質として、硫化物系結晶性電解質と硫化物系非晶質電解質との混合物を用いるとともに正極材に含まれる硫化物系非晶質電解質の割合を、正極材全体に対して1〜15質量%の範囲となるようにし、
    上記リチウムイオン伝導性固体電解質層として硫化物系結晶性電解質を用い、
    上記負極材を負極活物質とリチウムイオン伝導性固体電解質とで構成するとともに、この負極材における固体電解質として硫化物系結晶性電解質を用いたことを特徴とする全固体リチウム二次電池。
  2. 硫化物系結晶性電解質としてLiS−Pを用いるとともに、硫化物系非晶質電解質としてLiPO−LiS−SiSを用いたことを特徴とする請求項1に記載の全固体リチウム二次電池。
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