JP5640420B2 - 投影型画像表示装置 - Google Patents
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Description
なかでも、3原色のレーザー光源とMEMS(微小電気機械システム)ミラーとを組み合わせて構成された走査型の小型プロジェクターは、構成部品が少なくて、超小型化が可能な観点からとりわけ開発がさかんである。(例えば、特許文献1参照)。
図15において、1R、1G、1Bは、3原色のレーザー光源としてのそれぞれR(赤)、G(緑)、B(青)のレーザー光を放射する半導体レーザーである。その半導体レーザー1R、1G、1Bから変調されて射出された各レーザー光は、それぞれ集光レンズ2R、2G、2Bにより集光されて、ダイクロイックミラー3R、3G、3Bに導かれる。
赤色光はダイクロイックミラー3Rにより反射されて、ダイクロイックミラー3G、3Bを透過してMEMSミラー(Micro Electro Mechanical Systems)装置4に導かれる。緑色光はダイクロイックミラー3Gにより反射されてダイクロイックミラー3Bを透過してMEMSミラー装置4に導かれる。青色光はダイクロイックミラー3Bにより反射されてMEMSミラー装置4に導かれる。
一対のトーションバー6は揺動軸10を形成し、一対のトーションバー9は揺動軸11を形成し、揺動軸10と揺動軸11とは互いに直交している。
微小ミラー8は、一対のトーションバー6に捩れ力を与えることにより揺動軸10を中心としてα方向に往復回動され、一対のトーションバー9に捩れ力を与えることにより揺動軸11を中心としてβ方向に往復回動される。微小ミラー8は、この両トーションバー6、9に加える捩れ力によりその反射面の法線が二次元的に変位される。その結果、微小ミラー8に向かって入射するレーザー光の反射方向が変化し、レーザー光が二次元的に走査される。
この制御回路12による各半導体レーザー1R、1G、1Bの光量制御及び微小ミラー8の角度制御により、スクリーンS上にカラー画像が形成される。
例えば、温度が25℃で、駆動電流I0の時の光出力がP1であるとき、温度が50℃、80℃と上昇するに伴って、光出力はP2、P3に減少する。
プロジェクターの内部温度は、電源投入直後から平衡状態に達するまで上昇し、各半導体レーザ1R、1G、1Bの光出力の減少にはばらつきがあるので、これによりスクリーンS上における色のバランスが崩れ、元画像に忠実な色の再現がスクリーンS上で実現できなくなる。
なお、光源の光出力をモニタし、その出力が一定になるように駆動電流を制御することをAuto Power Controlという(以下、 APC と略称する)。
このスクリーンSに画像を形成しないことを示す走査線BL(BLg、BLb、BLr)の部分で、赤、緑、青の各半導体レーザー1R、1G、1BのAPC制御を行う。なお、実線RKは走査線の帰線(復帰線)を示している。
このように、この特許文献2に開示のプロジェクターでは、画像の形成に寄与しない非画像形成領域G2でAPCを行っている。従って、この非画像形成領域G2を走査している間は、画像形成領域G1は走査光により走査されないので、スクリーンSに形成される画像は暗く感じられるものとなる。
また、特許文献2、3のいずれにも示されているように、非画像形成領域G2でAPCを実行する際にはスクリーンSに光が投射されないように遮蔽物が必要となり、余分な部品が必要となるとともに、その遮蔽物と光線の相対位置関係を正確に組付ける必要があり、コストアップの要因となる。
また、半導体レーザーなどの光源は、温度により波長が変動するので、光束分離素子として多層膜などによる光束分離光学系を構成すると、多層膜の特性により、温度による波長変動で分離される光量が変化する可能性があり、安定した制御ができないと言う課題がある。
更に、複数波長の光の受光素子の感度の差による制御信号レベルの差を抑え、簡単な制御回路で複数の光源のAPCを実現することを目的とする。
前記光路合成素子から射出された各レーザー光を分離する光束分離素子と、
該光束分離素子により分離された一方の各レーザー光を反射することにより各レーザー光を走査する走査ミラーと、
前記光束分離素子により分離された他方の各レーザー光を受光することにより複数のレーザー光源の各発光量を検出する光量モニタ用受光素子と、
元画像のデータに基づき、前記投影面の所定位置に各レーザー光のスポットが形成されるように前記走査ミラーを制御すると共に、元画像のデータに基づく色が再現されるように前記各レーザー光源を制御する制御回路とを備える投影型画像表示装置において、
前記制御回路は、前記投影面の画像形成領域内で、画像データに基づいて、前記複数のレーザー光源のうちの1個のみが発光されるタイミングで、順次、前記複数のレーザー光源の光量を前記光量モニタ用受光素子で検出し、
その検出された出力に基づいて前記複数の光源の発光量を調整し、前記複数のレーザー光源のそれぞれは、該レーザ光源の最大発光強度に対応する受光量が前記光量モニタ用受光素子に得られるべき時に、前記光量モニタ用受光素子で受光量を検出されることを特徴とする。
請求項2に記載の投影型画像表示装置は、前記複数のレーザー光源の波長をλ1、λ2、λ3(λ1>λ2>λ3)とし、前記光量モニタ用受光素子が受光する受光量を、波長λ1、λ2、λ3に対して、P1、P2、P3とした時、
P1<P2<P3 ----------------------------------------------式1
の関係が成立するように、各レーザー光源の発光強度の光量レベルが選択されていることを特徴とする。
請求項3に記載の投影型画像表示装置は、前記複数のレーザー光源の波長をλ1、λ2、λ3(λ1>λ2>λ3)とし、各レーザー光源の発光強度が同一の場合に前記光量モニタ用受光素子が受光する受光量をQ1、Q2、Q3とした時、
Q1<Q2<Q3 ----------------------------------------------式2
の関係が成立する光学特性を有するダイクロイックフィルタが前記光束分離素子と前記光量モニタ用受光素子との間に配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の投影型画像表示装置は、前記複数のレーザー光源の波長をλ1、λ2、λ3(λ1>λ2>λ3)とし、各レーザー光源の発光強度が同一の場合に前記光量モニタ用受光素子が受光する受光量をQ1、Q2、Q3とした時、
Q1<Q2<Q3 ----------------------------------------------式2
の関係が成立するように、波長に対して屈折特性が異なる楔形光学素子が前記光束分離素子と前記光量モニタ用受光素子との間に配置されていること特徴とする。
請求項5に記載の投影型画像表示装置は、前記レーザー光源の発光時間幅が所定以上の時に、前記光量モニタ検出素子により受光量を検出することを特徴とする。
請求項6に記載の投影型画像表示装置は、前記レーザー光源の発光強度が所定値以上でかつ発光時間幅が所定以上の時に、前記光量モニタ用受光素子によって受光量を検出することを特徴とする。
請求項7に記載の投影型画像表示装置は、光束分離素子が各レーザー波長に対して透明な平板であることを特徴とする。
APC動作を行うタイミングを、画像形成領域内で光量検出を行うことにしたので、光量検出用の画像形成に寄与しない不必要な非画像形成領域を必要としなくなり、画像を最も明るい状態に維持しながらAPC動作が可能となる。
また、複数のレーザー光源の発光強度がそれぞれ最大光量レベルとなるタイミングで、光量モニタ用受光素子に入射した受光量を検出するので、S/Nの大きい信号が得られ、APCの精度を上げることができる。
また、複数のレーザー光源のうちの1個が単独で発光されるタイミングで光量を順次検出する構成としたので、部品の増加、それに伴うコストアップを抑制することができ、更には、複数波長の光の受光素子の感度の差による制御信号レベルの差を押さえ、簡単な制御回路で複数の光源のAPCを実現できる。
(請求項2に対する作用効果)
複数のレーザー光源の波長λ1、λ2、λ3(λ1>λ2>λ3)に対して、光量検出モニタ受光素子が受光する受光量をP1、P2、P3とした時、P1<P2<P3となるように、複数のレーザー光源の各発光強度が選択されているので、光量モニタ用受光素子の波長に対する感度に対応して、その出力電流値の差が小さくなるようにすることができ、検出回路のダイナミックレンジを大きくとる必要が無く、又は、ゲインの切換えを必要とせずに、簡易な検出回路でAPC動作が可能となる。
(請求項3、4に対する作用効果)
複数のレーザー光源の波長λ1、λ2、λ3(λ1>λ2>λ3)に対して、各レーザー光源の発光強度が同一の時の光量モニタ用受光素子が受光する受光量をQ1、Q2、Q3とした時、Q1<Q2<Q3となるように、光学系が設計されているので、光量モニタ用受光素子の波長に対する感度に対応して、その出力電流値の差が小さくなるようにすることができ、S/Nの大きな信号が得られ、APCの精度を上げることができる。
また、検出回路のダイナミックレンジを大きくとる必要が無く、あるいは、ゲインの切換を必要とせずに、簡易な検出回路でAPC動作が可能となる。
(請求項5に対する作用効果)
複数のレーザー光源の発光時間の長いタイミングで、光量モニタ用受光素子で、各波長のレーザー光の発光量を検出するので、高速の検出回路を必要とせず、発光強度の最大光量レベルの検出が可能となり、APCの精度を上げることができる。
(請求項6に対する作用効果)
請求項1及び請求項4に記載の効果を兼ね備えた効果を有する。
(請求項7に対する作用効果)
光束分離素子をガラスの平行平板などの表面反射でモニタ光を分離できるので、環境変化により反射率の変動が小さく、安定した光量制御システムを構成することができる。また、特殊なコートをしなくとも、反射光を得ることができ、コストの低減が可能である。
図1は本発明に係わる投影型画像表示装置の光学系を示す図である。
この図1において、20は赤色(波長λ1)のレーザー光RPを発散光として射出するレーザー光源、21は緑色(波長λ2)のレーザー光GPを発散光として射出するレーザー光源、22は青色(波長λ3)のレーザー光BPを発散光として射出するレーザー光源、23はMEMSミラー装置、24は制御回路、25は光路合成プリズム、26は光量モニタ用受光素子、27は光路分離用プリズム、28は投射レンズとしての凹レンズである。
レーザー光源21から射出されたレーザー光GPはカップリングレンズ30により収束光に変換されて光路合成プリズム25に導かれる。その収束光は光路合成プリズム25の接合面25gにより反射されかつ接合面25rを透過して光路分離用プリズム27に導かれる。
レーザー光源22から射出されたレーザー光BPはカップリングレンズ31により収束光に変換されて光路合成プリズム25に導かれる。その収束光は光路合成プリズム25の全反射面25bにより反射されかつ接合面25g、25rを透過して光路分離用プリズム27に導かれる。
この光路分離用プリズム27として、ガラスもしくはプラスチックの平板を使用することもできる。その詳細は後述する。
ここで、カップリングレンズ29、30、31により、各レーザー光RP、GP、BPが、略平行光とされる場合は、凹レンズ28は無くても良い。
スクリーンSの画像形成領域G1の座標点Hから元画像のR、G、Bデータに対応して発光強度が変調されると共に元画像の投影位置データに基づいて走査が開始され、座標点Hから座標点Kに向かってジグザグにスクリーンSが走査され、これにより、一個の画像GがスクリーンSに形成される。
ついで、元画像データに対応して、座標点Kから反対方向に座標点Hに向かってジグザグにスクリーンSが走査され、一個の画像GがスクリーンSに形成される。
これらの走査を複数回繰り返し行うことによって、画像GがスクリーンSにちらつきなく表示される。
図2に示す走査線SCLによると、スクリーンSの画像形成領域G1内で走査されない領域が一見すると存在するかのように見えるが、α方向の回動周波数とβ方向の回動周波数とを、例えば、1個の画像Gを形成する走査毎に、微少量づつずらすことにより、画像形成領域G1内に想定している想定画素の全体を走査することができる。
画像Gの大きさをx×y=240×180(mm)とし、解像度がVGA相当とすると、スクリーンS上での1画素の大きさは、0.375×0.375(mm)である。
しかしながら、微小ミラー23aの振れ角が大きくて、画像Gのエッジ部分、例えば、座標位置H、I近傍に到達する各レーザー光RP、GP、BPは、同一の画素geには入射せず、数画素geだけ離れた位置に入射する。
というのは、凹レンズ28の屈折率が光の波長により異なり、凹レンズ28が倍率色収差特性を有しているからである。
すなわち、走査線SCLは、各レーザー光RP、GP、BP毎に異なる軌跡を描いている。従って、図3に示すように、画像Gのエッジ部分では、例えば、座標点Jでは、各レーザー光RP、GP、BPによる各ビームスポットが互いに異なる画素geに形成されることとなる。
なお、図3には、例えば、レーザー光RPのビームスポットの形成位置RP1を基準として、レーザー光GPのビームスポットの形成位置GP1がX軸方向に1画素ずれかつY軸方向に3画素ずれた状態、レーザー光BPのビームスポットの形成位置BP1がX軸方向に4画素ずれかつY軸方向に7画素ずれた状態が示されている。
その各レーザー光源20、21、22の発光タイミングがずれていても、その発光タイミングのずれが小さい場合、人間の目の残像効果により、その同一画素geにおいて、3色が合成された所望の色として認識される。
制御回路24は、光量モニタ用受光素子26により検出された各レーザー光RP、GP、BPの光量が、元画像データに基づき各レーザー光源20、21、22を発光させたときに検出されるべき所定光量からずれている場合には、この検出光量のずれが補正されるように、各レーザー光源20、21、22の駆動電流を調整変更する。
なお、各色に対応するレーザー光源の発光タイミングと走査ミラーの角度との関係は、投影する画像の色によって決まるものである。例えば、座標点J近傍の画像が白画像の場合、座標(0、0)の画素geに赤のビームスポットが投影されるタイミングでレーザー光源20を発光させ、座標点Hから座標点Kまでの走査によって形成される画像を1フレームとし、1フレームの走査に要する時間を例えば60分の1秒として、数フレーム後に、座標(0、0)の画素geに緑のビームスポットが投影されるタイミングでレーザー光源21を発光させ、同様に、数フレーム後に、座標(0、0)の画素geに青のビームスポットが投影されるタイミングでレーザー光源22を発光させる。このように、タイミングをずらせて、各レーザー光源20、21、22を発光させたとしても、人の目で見た場合は白く見えることになる。
また、図2に示す座標点Hが青色の画像、座標点Iが赤色の画像、座標点Kが緑の画像
の場合には、各座標点H、I、Kで、各色の光量をモニタする構成とすることもできる。
図4はこのような場合の各レーザー光源の発光光量の光量検出及び光量設定手順を示している。
電源がオンされ、制御回路24に元画像データVINが入力されると(S.1)、その入力された元画像データVINが、各レーザー光源20、21、22を単独で光らせる画像データかどうかを判断する。
ここでは、制御回路24は、元画像データVINが入力されると、赤色の単独データか否かを判断し(S.2)、赤色の単独データの場合には、光量モニタ用受光素子26の出力を検出し(S.3)、制御回路24は、その光量モニタ用受光素子26の検出結果に基づいて、レーザー光源20の光出力が所定の光出力となるように赤色光源電流を設定して(S.4)、光量設定を終了する。
S.2において、制御回路24は、赤色の単独データでない場合には、ノーと判定して、S.5に移行し、緑色の単独データか否かを判断し(S.5)、緑色の単独データの場合には、光量モニタ用受光素子26の出力を検出し(S.6)、制御回路24は、その光量モニタ用受光素子26の検出結果に基づいて、レーザー光源21の光出力が所定の光出力となるように緑色光源電流を設定して(S.7)、光量設定を終了する。
S.5において、制御回路24は、緑色の単独データでない場合には、ノーと判定して、S.8に移行し、青色の単独データか否かを判断し(S.8)、青色の単独データの場合には、光量モニタ用受光素子26の出力を検出し(S.9)、制御回路24は、その光量モニタ用受光素子26の検出結果に基づいて、レーザー光源22の光出力が所定の光出力となるように青色光源電流を設定して(S.10)、光量設定を終了する。
制御回路24は、S.8において、ノーの場合、S.1に戻って、次の元画像データVINが入力されるのを検出し、S.1以降の処理を繰り返す。
このようにして、いずれかのレーザー光源20〜22を単独で光らせる場合のみ、光量モニタ用受光素子26の出力を検出し、その光量が所定の光量となるように、制御回路24が、レーザー駆動電流値を設定する。
ここでは、レーザー光源20とレーザー光源22とは、同一パッケージ30’内に収納されている。レーザー光源20からのレーザー光RPとレーザー光源22からのレーザー光BPとは、カップリングレンズ31’により発散角度が変換されて楔形プリズム32に導かれる。
その裏面32bのダイクロイック膜は、レーザー光RPを全透過する特性と、レーザー光BPの大部分を反射しかつ残りを透過する特性と、レーザー光GPの大部分を透過しかつ残りを反射する特性とを有する。
レーザー光源20からのレーザー光RPはその大部分が楔形プリズム32の表面32aで反射されて微小ミラー23aに導かれる。そのレーザー光RPの残りは裏面32bを全透過して光量モニタ用受光素子26に導かれる。
レーザー光源22からのレーザー光BPはその表面32aを全透過しかつ裏面32bでその大部分が反射されて表面32aに導かれ、再度その表面32aを全透過した後、微小ミラー23aに導かれる。そのレーザー光BPの残りは裏面32bを透過して光量モニタ用受光素子26に導かれる。
レーザー光源21からのレーザー光GPはその大部分が裏面32bを透過して表面32aを全透過した後、微小ミラー23aに導かれる。レーザー光源21からのレーザー光GPの残りは裏面32bで反射されて光量モニタ用受光素子26に導かれる。
ここでは、楔形プリズム32のこの反射・透過特性により、例えば、各レーザー光RP、GP、BPのうち微小ミラー23aに導かれる光束の光量は、95%、光量モニタ用受光素子26に導かれ光束の光量は、それぞれ約5%とされている。
図6はその画像形成領域G1の座標点H、I、J、Kの近傍における各レーザー光源20、21、22の発光タイミングと発光強度との関係を示す説明図である。その図6において、横軸は時間tを示し、縦軸は発光強度POWを示している。
座標点H、I、J、Kの近傍では、既述したように、各レーザー光源20、21、22を同じタイミングで発光させると、各レーザー光RP、GP、BPのビームスポットが形成されるスクリーンS上の画素geが異なる。
図7は、光量モニタ用受光素子26の波長に対する光電変換効率を示している。光電変換効率は、図7に示すように波長に対して関数的に変化する曲線となっている。光電変換効率は、波長λ1=640(nm)のRP(赤の光)、波長λ2=530(nm)のGP(緑の光)、波長λ3=445(nm)のBP(青の光)に対して、それぞれ、0.45、0.33、0.23(A/W)である。
すなわち、各波長λ1、λ2、λ3のレーザ光RP、GP、BPを光量モニタ用受光素子26で検出した際に、この光量モニタ用受光素子26から出力される各受光電流の値の差が小さくなるように、光量モニタ用受光素子26が受光する各レーザー光源20、21、22の発光光量レベルを選択する。
例えば、波長λ1、λ2、λ3に対して、光量モニタ用受光素子26に入射する光量をP1、P2、P3とした場合、
P1<P2<P3 ----------------------------------------------式1
の関係が得られるように、光量モニタ用受光素子26に入射する光量P1、P2、P3を設定すれば、各色について光量モニタ用受光素子26の各受光電流の値を互いに近づけることができる。
理想的には、P1:P2:P3=2:3:4とすれば、各波長λ1、λ2、λ3の各色のレーザー光が光量モニタ用受光素子26により検出された際に、この光量モニタ用受光素子26から出力される受光電流の値はほぼ等しくなる。図8は、L4:L5:L6=2:3:4の場合を示している。
実施例3では、光量モニタ用受光素子26が受光する各レーザー光源20、21、22の発光レベルL4、L5、L6が互いに異なるように発光タイミングを選択して、光量モニタ用受光素子26から出力される受光電流の値が各レーザー光RP、GP、BPについて同一となるように設定したが、光量モニタ用受光素子26が受光する各レーザー光源20、21、22の発光レベルL1、L2、L3が互いに同一の図6に示す発光タイミングを選択して、光量モニタ用受光素子26から出力される受光電流の値が各レーザー光RP、GP、BPについてそれぞれ同一となるように光学系を構成することもできる。
このダイクロイックフィルタ34の波長λ1=640(nm)、λ2=530(nm)、λ3=445(nm)に対する透過率をそれぞれT1、T2、T3で表したとき、各波長λ1、λ2、λ3に対する透過率がT1<T2<T3となるような透過率特性をこのダイクロイックフィルタ34が有するように、ダイクロイックフィルタ34を形成すれば、光量モニタ用受光素子26に入射する各レーザ光RP、GP、BPの受光量をそれぞれQ1、Q2、Q3とした場合、
Q1<Q2<Q3 ----------------------------------------------式2
となるようにすることができ、その結果、各色について光量モニタ用受光素子26の各受光電流の値を互いに近づけることができる。各透過率をT1:T2:T3=2:3:4に設定すれば、Q1:Q2:Q3=2:3:4に設定できる。
Q1<Q2<Q3 ----------------------------------------------式2
となるようにすることができ、その結果、各色について光量モニタ用受光素子26の各受光電流の値を互いに近づけることができる。この場合、各モニタ用ビームスポットRP’、GP’、BP’の受光面26aにおける受光面積がそれぞれ2:3:4となるように光学系を構成すれば、Q1:Q2:Q3=2:3:4となる。
実施例2、実施例3では、各レーザー光源20、21、22の発光強度POWに基づいて、同一画素geの色を再現する場合について説明したが、色の再現方法には、各レーザー光源20、21、22の発光時間差を利用して実現する方法がある。
図11は各レーザー光源20、21、22の発光時間差を利用して、画像形成領域G1内の座標点Jの近傍の同一画素geにおいて色を再現する発光タイミングパターンが示されている。
横軸は時間t、縦軸は各レーザー光源20、21、22の発光レベルPOWである。この図11に示す実施例では、各レーザー光源20、21、22の発光レベルPOWを同一にして、各レーザー光源20、21、22の発光タイミングと発光時間幅とを変化させることによって、元画像の色に対応して、同一画素geにおいて色の再現性を図っている。
そこで、赤色、緑色、青色の各レーザー光RP、GP、BPの発光時間幅のうち、最も長い時間幅S1、S2、S3の発光タイミング中に、光量モニタ用受光素子26により、各レーザー光RP、GP、BPの発光量を検出することにすれば、高速検出回路を必要とせずに、発光量の検出が可能となり、APCの精度を向上させることができる。
図12は各レーザー光源20、21、22の発光時間差と各レーザー光源20、21、22の発光強度の差とを組み合わせて各レーザー光RP、GP、BPの光を合成した時に所望の色が再現できるようにしたときの光量モニタ用受光素子26の光量検出タイミングを示す説明図である。
この図12では、各レーザー光源20、21、22の発光強度が所定値L7以上、L7<L8<L9で、かつ、発光時間幅S4、S5、S6が所定時間幅以上のときの発光タイミングで各レーザー光源20、21、22の発光量をモニタすることにより、APCを行っている。
図13は各レーザー光源20、21、22の発光強度L10、L11、L12が所定レベル以上で、かつ、発光時間幅S7、S8、S9が所定時間以上のときの発光タイミングで、各レーザー光源20、21、22の発光量をモニタすることにより、APCを行っている。
図14は、図1で示した光路分離用プリズム27に、ガラスもしくはプラスチックの平板36を使用したものである。平板36の表面36aにコーティングをしていなければ、ガラスもしくはプラスチックと空気の屈折率の違いによる表面反射が発生し、光束を分離することができる。その屈折率を1.5とすると、約4%の表面反射が発生する。平板36の場合、表面36aと裏面36bの2面で表面反射が発生するので、合計約8%の光が反射分離される。
モニタ光量が4%程度でよければ、表面36aと裏面36bとのうち片面に反射防止コートを施した構成でもよい。また、ビームが平行光である場合、その平板36が平行平板であればビームの収差発生が抑えられる。収束光または発散光であれば、適当な楔形にすることにより非点収差の発生を低減できる。
ガラスもしくはプラスチックで形成する平板36によれば、誘電体多層膜等の光束分離膜を形成したキューブタイプのプリズムより安価に作成できる。
23 MEMSミラー装置(走査ミラー)
25 光路合成プリズム(光路合成素子)
26 光量モニタ用受光素子
27 光束分離素子(光路分離用プリズム)
28 投射レンズ(凹レンズ)
S 投影面(スクリーン)
Claims (7)
- 複数のレーザー光源からの各レーザー光の光路を合成する光路合成素子と、
前記光路合成素子から射出された各レーザー光を分離する光束分離素子と、
該光束分離素子により分離された一方の各レーザー光を反射することにより各レーザー光を走査する走査ミラーと、
前記光束分離素子により分離された他方の各レーザー光を受光することにより複数のレーザー光源の各発光量を検出する光量モニタ用受光素子と、
元画像のデータに基づき、前記投影面の所定位置に各レーザー光のスポットが形成されるように前記走査ミラーを制御すると共に、元画像のデータに基づく色が再現されるように前記各レーザー光源を制御する制御回路とを備える投影型画像表示装置において、
前記制御回路は、前記投影面の画像形成領域内で、画像データに基づいて、前記複数のレーザー光源のうちの1個のみが発光されるタイミングで、順次、前記複数のレーザー光源の光量を前記光量モニタ用受光素子で検出し、その検出された出力に基づいて前記複数の光源の発光量を調整し、前記複数のレーザー光源のそれぞれは、該レーザー光源の最大発光強度に対応する受光量が前記光量モニタ用受光素子に得られるべき時に、前記光量モニタ用受光素子で受光量を検出されることを特徴とする投影型画像表示装置。 - 前記複数のレーザー光源の波長をλ1、λ2、λ3(λ1>λ2>λ3)とし、前記光量モニタ用受光素子が受光する受光量を、波長λ1、λ2、λ3に対して、P1、P2、P3とした時、
P1<P2<P3 ----------------------------------------------式1
の関係が成り立つように、各レーザー光源の発光強度の光量レベルが選択されていることを特徴とする請求項1に記載の投影型画像表示装置。 - 前記複数のレーザー光源の波長をλ1、λ2、λ3(λ1>λ2>λ3)とし、各レーザー光源の発光強度が同一の場合に前記光量モニタ用受光素子が受光する受光量をQ1、Q2、Q3とした時、
Q1<Q2<Q3 ----------------------------------------------式2
の関係が成立する光学特性を有するダイクロイックフィルタが前記光束分離素子と前記光量モニタ用受光素子との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の投影型画像表示装置。 - 前記複数のレーザー光源の波長をλ1、λ2、λ3(λ1>λ2>λ3)とし、各レーザー光源の発光強度が同一の場合に前記光量モニタ用受光素子が受光する受光量をQ1、Q2、Q3とした時、
Q1<Q2<Q3 ----------------------------------------------式2
の関係が成立するように、波長に対して屈折特性が異なる楔形光学素子が前記光束分離素子と前記光量モニタ用受光素子との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の投影型画像表示装置。 - 前記レーザー光源の発光時間幅が所定幅以上の時に、前記光量モニタ検出素子により受光量を検出することを特徴とする請求項1に記載の投影型画像表示装置。
- 前記レーザー光源の発光強度が所定値以上でかつ発光時間幅が所定以上の時に、前記光量モニタ用受光素子によって受光量を検出することを特徴とする請求項2に記載の投影型画像表示装置。
- 光束分離素子が各レーザー波長に対して透明な平板であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の投影型画像表示装置。
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