JP5637637B2 - 板厚制御装置、板厚制御方法、板厚制御プログラム - Google Patents

板厚制御装置、板厚制御方法、板厚制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、金属材料の圧延機における板厚制御装置、板厚制御方法、板厚制御プログラムにおいて、ワークロール等の回転位置に関連して発生する、いわゆるロール偏芯等に起因する板厚変動を制御する板厚制御装置、板厚制御方法、板厚制御プログラムに関する。
薄板圧延や厚板圧延における品質制御のひとつに、圧延材の幅方向中央手段の板厚を制御する板厚制御(Automatic Gage Control:AGC)がある。板厚制御方法としては、圧延機出側に設置した板厚計の測定値をフィードバックするモニターAGC、圧延荷重やロールギャップ(上下側ワークロールの間隙)から推定したゲージメータ板厚を用いたゲージメータAGC(Gage meter AGC : GM−AGC)、圧延荷重によるミル定数可変制御(Mill Modulus Control: MMC)などがある。
板厚精度の向上を阻害する外乱としては、熱間圧延においては圧延材の温度変動がある。熱間圧延、冷間圧延に共通な外乱としては、他の制御、たとえば張力制御の劣化による張力変動、オペレータの手介入による速度やロールギャップの変更、ロールの構造やロール研磨の制度不良によるロール偏芯等がある。
このうちロール偏芯は、オイルベアリングを有するバックアップロールにおけるキー溝が、数百トンから2、3千トンという大きな圧延荷重を受けたときに上下に軸が移動することが原因となり、ロールの回転にあわせてロールギャップ変動が発生するものである。しかしながらキー溝のないロールでも、たとえばロール研磨時の非対称性、熱膨張の偏りなどの原因により、ロール回転に依存したロールギャップ変動は発生する。
なお、ワークロール上下2個のみで構成されるいわゆる2Hiミルの場合でも、ワークロール上下2個、バックアップロール上下2個の4ロールで構成されるいわゆる4Hiミルの場合でも、ワークロール上下2個、中間ロール上下2個、バックアップロール上下2個の6ロールで構成されるいわゆる6Hiミルの場合でも、その他の場合でも以下は同様に考えることができる。表現上、ワークロールをワークロール(Work Roll : WRと略記する場合がある。)、バックアップロールをワークロール以外のロールとして、バックアップロール(Back UP Roll : BURと略記する場合がある。)と呼ぶことにする。
ロール偏芯等のロール軸振れに依存した外乱は、ロールギャップ検出器により検出できない。ロールギャップを設定する装置は与えられたギャップになるようにロールギャップ検出器による検出値をフィードバックして制御するが、検出値にロール軸振れが現われないために、制御することができない。しかし、ロール軸振れに依存した外乱は実際のロールギャップを変化させるために、圧延荷重には現れる。このため圧延荷重を利用する上記MMC、GM‐AGCなどの大きな外乱になる。
このロール偏芯等のロール軸振れに依存した外乱を低減するため、例えば、金属材料を圧延する圧延機に設けられ、圧延スタンドの上下側ワークロール及び上下側バックアップロールのロール偏芯に起因する板厚変動を制御する板厚制御装置であって、キスロール時荷重及び圧延荷重を検出する圧延荷重検出器と、上下側ワークロール及び上下側バックアップロールの複数の回転位置において圧延荷重検出器により検出されたキスロール時荷重に基づいて、キスロール時荷重の、各回転位置における上側ワークロール及び上側バックアップロールのロール偏芯に起因する変動成分と、各回転位置における下側ワークロール及び下側バックアップロールのロール偏芯に起因する変動成分とを別々に抽出するキスロール時荷重変動抽出手段と、キスロール時荷重変動抽出手段によって別々に抽出されたキスロール時荷重の各変動成分に基づいて、各回転位置において圧延荷重検出器により検出された圧延荷重の、各回転位置における上側ワークロール及び上側バックアップロールのロール偏芯に起因する変動成分と、各回転位置における下側ワークロール及び下側バックアップロールのロール偏芯に起因する変動成分とを別々に抽出する圧延荷重上下変動抽出手段と、圧延荷重上下変動抽出手段によって別々に抽出された圧延荷重の各変動成分に基づいて、圧延されている金属材料の板厚変動を低減させるように、各回転位置に対応したロールギャップ指令値を演算する操作量演算手段と、操作量演算手段によって演算されたロールギャップ指令値に基づいて、各回転位置に対応してロールギャップを操作するロールギャップ操作手段と、を備え、上側のロールが回転することによって生じる圧延荷重変動と下側のロールが回転することによって生じる圧延荷重変動とを的確に分離して、分離された各圧延荷重変動に応じてロールギャップを制御する板厚制御装置を提案している(例えば、特許文献1参照。)。
国際公開第2008/090596号
ところで、上下のバックアップロールの直径に差がある場合、上下のバックアップロールの回転速度の差により、いわゆるビートまたはうなりという現象が発生するため、制御性能の劣化が生じる。
ここで,ビートまたはうなりの発生を説明する。上下のバックアップロール径が異なるものとし,上側バックアップロールの回転周波数をω[rad/s],下側バックアップロールの回転周波数をω[rad/s]とし,簡単のため上下の振幅を1,また初期位相差はないものとすると,上下側バックアップロールの回転を重畳したあとの信号Yは以下となる。
Figure 0005637637
正弦波(sin)の周波数はω+ω[rad/s]となって、周波数が高い、すなわち短周期、細かい振動が現れる。一方で,余弦波(cos)の周波数はωT−ωB[rad/s]となって、周波数が低い、すなわち長周期、大きな振動が現れる。
図8(A)に,sin(wt)(実線)とsin(wt)(点線)それぞれの波形の一例を示す。なお、周波数は、w =5rad/s、w=4rad/sとした。また、図8(B)に、sin(wt)とsin(wt)の重畳(実線)と、cos{(w−w)t/2}(破線)の波形の一例を示す。なお、横軸は時間(s)である。重畳された波形の包絡線が、長周期の波(破線)で表されていることがわかる。
しかし、特許文献1記載の板厚制御装置では、圧延していないときに上下のワークロールを接触させて荷重を発生させる、いわゆるキスロール時荷重と、圧延しているときに発生する圧延荷重の両方を使用して、上側のバックアップロールで発生するロール偏芯成分と、下側のバックアップロールで発生するロール偏芯成分とを分離していたため、圧延をしていないときにキスロール時荷重を測定する必要があり、その分だけ手間や時間がかかる、という問題があった。
そこで、本発明では、キスロール荷重を使用することなく、圧延中に測定する圧延荷重を用いて当該圧延スタンドのロールギャップを操作することができる板厚制御装置、板厚制御方法、板厚制御プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る板厚制御装置の第1の特徴は、上側ワークロールおよび上側バックアップロールの上側ロールセットと、下側ワークロールおよび下側バックアップロールの下側ロールセットとの間で金属材料を圧延することにより製造される圧延材の板厚変動を制御する板厚制御装置であって、前記金属材料に対する圧延荷重を検出する圧延荷重検出手段と、前記圧延荷重検出手段によって検出された圧延荷重を、前記上側ロールセットで発生している上側圧延荷重と、前記下側ロールセットで発生している下側圧延荷重との比に基づいて、上下に配分する圧延荷重上下配分手段と、前記圧延荷重上下配分手段によって上下に配分された前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットの前記圧延荷重に基づいて、前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットの回転位置に関連して発生する上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値を抽出する圧延荷重上下変動値抽出手段と、前記圧延荷重上下変動値抽出手段により抽出された前記上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップ指令値を演算する操作量演算手段と、前記操作量演算手段によって演算された前記ワークロールギャップ指令値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップを操作するロールギャップ操作手段と、を備えることにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る板厚制御装置の第2の特徴は、前記操作量演算手段は、前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットが所定時間以上回転するまでは、前記圧延荷重上下変動値抽出手段によって抽出された前記上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップ指令値を演算し、
前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットが所定時間以上回転した場合、前記圧延荷重上下変動値抽出手段によって演算された前記圧延荷重変動値の積算値に基づいて前記上側バックアップロールおよび前記下側バックアップロールのロール偏芯量を同定し、同定したロール偏芯量に基づいて前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップ指令値を演算する、ことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る板厚制御装置の第3の特徴は、前記圧延荷重上下配分手段は、前記圧延荷重検出手段によって検出された圧延荷重を上下に配分する比を、前記上側バックアップロールおよび前記下側バックアップロール交換直後は0.5に設定し、前記上側バックアップロールおよび前記下側バックアップロール交換後、次の圧延材以降は、現在の圧延材の操作量演算手段における前記圧延荷重の偏差に基づいて設定する、ことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る板厚制御装置の第4の特徴は、前記圧延荷重上下配分手段は、前記圧延荷重検出手段によって検出された圧延荷重を上下に配分する比を、前記上側バックアップロールおよび前記下側バックアップロール交換直後は0.5に設定し、前記上側バックアップロールおよび前記下側バックアップロール交換後、次の圧延材以降は、現在の圧延材の操作量演算手段における前記圧延荷重変動値の積算値を用いて周期関数の振幅を同定し、上側のロールセットに対する振幅と、下側ロールセットに対する振幅との合計値に対する比を設定する、ことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る板厚制御方法の特徴は、上側ワークロールおよび上側バックアップロールの上側ロールセットと、下側ワークロールおよび下側バックアップロールの下側ロールセットとの間で金属材料を圧延することにより製造される圧延材の板厚変動を制御する板厚制御方法であって、前記金属材料に対する圧延荷重を検出するステップと、検出された圧延荷重を、前記上側ロールセットで発生している上側圧延荷重と、前記下側ロールセットで発生している下側圧延荷重との比に基づいて、上下に配分するステップと、前記上下に配分された前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットの前記圧延荷重に基づいて、前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットの回転位置に関連して発生する上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値を抽出するステップと、前記抽出された前記上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップ指令値を演算するステップと、前記演算された前記ワークロールギャップ指令値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップを操作するステップと、を有することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る板厚制御プログラムの特徴は、上側ワークロールおよび上側バックアップロールの上側ロールセットと、下側ワークロールおよび下側バックアップロールの下側ロールセットとの間で金属材料を圧延することにより製造される圧延材の板厚変動を制御することをコンピュータに実行させるための板厚制御プログラムであって、前記金属材料に対する圧延荷重を検出するステップと、検出された圧延荷重を、前記上側ロールセットで発生している上側圧延荷重と、前記下側ロールセットで発生している下側圧延荷重との比に基づいて、上下に配分するステップと、前記上下に配分された前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットの前記圧延荷重に基づいて、前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットの回転位置に関連して発生する上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値を抽出するステップと、前記抽出された前記上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップ指令値を演算するステップと、前記演算された前記ワークロールギャップ指令値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップを操作するステップと、を、コンピュータに実行させることにある。

本発明によれば、キスロール荷重を使用することなく、金属材料を圧延中に測定される圧延荷重を用いてロール偏芯等、ロール回転位置に関連して発生する圧延荷重の変動成分、すなわちロール偏芯等による圧延荷重変動成分を抽出し、この圧延荷重変動を低減するように、当該圧延スタンドのロールギャップを操作することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る板厚制御装置を示す全体構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る板厚制御装置において、測定される圧延荷重の概念を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る板厚制御装置に備えられた上下側バックアップロールの分割と上下側ワークロールとの関係を示す図である。 バックアップロール回転角度の変化に伴い圧延荷重が変化する様子と、ロール偏芯等による圧延荷重変動分を抽出する方法の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る板厚制御装置に備えられた圧延荷重上下変動抽出手段および操作量演算手段の構成例を詳細に示す構成図である。 上下側バックアップロールの回転の様子を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る板厚制御装置における上側バックアップロールの加算器に蓄えられた値の変化を示す説明図である。 ビートの状態を示す説明図である。
発明の実施するため形態
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る板厚制御装置を示す全体構成図である。
図1において、本発明の第1の実施の形態に係る板厚制御装置は、金属材料からなる圧延材1を圧延する圧延機を含む制御装置であり、ハウジング2と、上側ワークロール3a及び下側ワークロール3bによって構成されるワークロールと、上側バックアップロール4a及び下側バックアップロール4bによって構成されるバックアップロール4と、圧延材1に圧延荷重を作用させる圧下手段5と、圧延荷重を検出する圧延荷重検出手段6と、ロールの回転数を検出するロール回転数検出器7と、バックアップロール4a,4bが1回転する毎に所定の基準位置を検出するロール基準位置検出器8と、ワークロール3a,3bの間隙、即ち、ロールギャップを検出するロールギャップ検出器9とを備える。ここで、上側ワークロール3aおよび上側バックアップロール4aにより本発明の上側ロールセットを構成する一方、下側ワークロール3bおよび下側バックアップロール4bにより本発明の下側ロールセットを構成する。
また、図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る板厚制御装置は、圧延荷重上下配分手段10と、圧延荷重上下変動抽出手段11と、操作量演算手段12と、ロールギャップ操作手段13とを備えている。
圧延荷重上下配分手段10は、ワークロール3a,3b及びバックアップロール4a,4bの複数の回転位置において圧延荷重検出手段6により検出された圧延荷重を、上側ロールセットである上側ワークロール3a及び上側バックアップロール4aで発生している上側圧延荷重と、下側ロールセットである下側ワークロール3b及び下側バックアップロール4bで発生している下側圧延荷重との比に基づいて、上下に配分する。
圧延荷重上下変動抽出手段11は、圧延荷重上下配分手段10によって上下に配分された上側ロールセットおよび下側ロールセットの圧延荷重に基づいて、上側ロールセットおよび下側ロールセットの回転位置に関連して発生する上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値を抽出する。
操作量演算手段12は、圧延荷重上下変動抽出手段11によって別々に抽出された圧延荷重の上下の各変動成分に基づいて、圧延されている圧延材1の板厚変動を低減させるように、上記各回転位置に対応したロールギャップ指令値を演算するものである。
ロールギャップ操作手段13は、操作量演算手段12によって演算されたロールギャップ指令値に基づいて、上記各回転位置に対応してロールギャップを操作するものである。また、ロールギャップ操作手段13は、例えば、MMCやGM‐AGCによって得られたロールギャップ量に、上記操作量演算手段12によって演算されたロールギャップ修正量を加えた値をロールギャップの設定値として、圧下手段5を制御する。
なお、以下の説明においては、一例として、上下2つのワークロール3a,3b及び上下2つのバックアップロール4a,4bの4ロールで構成される4Hiミルの場合について説明するが、これに限定されるものではなく、ワークロール上下2個のみで構成されるいわゆる2Hiミルの場合でも、ワークロール上下2個、中間ロール上下2個、バックアップロール上下2個の6ロールで構成されるいわゆる6Hiミルの場合でも、その他の場合でも同様に考えることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る板厚制御装置は、上記のように構成され、圧延材1は、出側で所望の板厚となるように、ロールギャップと速度とが適切に調整されたワークロール3a,3bによって圧延される。ここで、ワークロール3a,3bは、ワークロール3a,3bが上側バックアップロール4aに上方から支えられ、下側ワークロール3a,3bが下側バックアップロール4bに下方から支えられることにより、ロール幅方向のたわみが少なくなるように構成される。また、バックアップロール4a,4bは、圧延機ハウジング2に対して回動自在に支持されており、圧延材1に作用させる圧延荷重にも十分に耐え得る構造を成している。
圧下手段5は、電動機制御によるもの(電動圧下という)、油圧制御によるもの(油圧圧下という)の2種類が存在するが、油圧圧下の方が高速応答を得やすい。このため、ロール偏芯による外乱のように短い周期の波成分に対応して圧延荷重制御を実施するには、一般に、高速応答が可能な油圧圧下が採用される。また、ワークロール3a,3bの間隙、即ち、ロールギャップは、圧下手段5によって調整される。
圧延荷重検出手段6は、例えば、圧延機ハウジング2と圧下手段5との間に埋め込まれたロードセル(Load Cell)によって圧延荷重を直接的に測定する方法や、油圧圧下手段で検出される圧力から圧延荷重を計算する方法等によって、圧延荷重を検出するものである。
ロール回転数検出器7は、ワークロール3a,3bやこのワークロール3a,3bを駆動する電動機の軸(図示せず)に設けられ、ワークロール3a,3b等の回転数を検出するものである。ここで、ロール回転数検出器7は、例えば、ワークロール3a,3bの回転角度に応じたパルスを出力するパルス出力手段と、パルス出力手段から出力されたパルスを検出してワークロール3a,3bの回転角度を演算する角度演算手段とを備えることにより、ワークロール3a,3bの回転数の検出とともに、より詳細な回転角度を検出できるように構成される。なお、ワークロール3a,3bとバックアップロール4a,4bとの直径の比が既知である場合、ロール回転数検出器7によって検出されたワークロール3a,3bの回転数と回転角度とに基づいて、ワークロール3a,3bとバックアップロール4a,4bとの間にスリップがない場合におけるバックアップロール4a,4bの回転数と回転角度とを容易に演算することができる。
ロール基準位置検出器8は、例えば、バックアップロール4a,4bが1回転する度に、近接スイッチ等のセンサがバックアップロール4a,4bに設けられた被検出体を検出すること等によって基準位置を検出するものである。また、例えば、パルスジュネレータ(Pulse Generator)を利用することにより、バックアップロール4a,4bの回転角度に依存したパルスを取り出し、バックアップロール4a,4bの回転角度を検出することによって基準位置を検出する。なお、図1ではロール基準位置検出器8を上側バックアップロール4aにのみ取り付けた場合を示しているが、バックアップロール4a,4bにロール基準位置検出器8を取り付けて、バックアップロール4a,4bの各基準位置を検出するように構成しても良い。
ロールギャップ検出器9は、例えば、バックアップロール4a,4bと圧下手段5との間に設けられ、間接的にワークロール3a,3bの間に形成されるロールギャップを検出するものである。
次に、図2〜図6を参照して、第1の実施の形態に係る板厚制御装置の動作について、特に、圧延荷重上下配分手段10、圧延荷重上下変動抽出手段11、操作量演算手段12の各構成及び動作を具体的に説明する。
図2は、第1の実施の形態に係る板厚制御装置にて測定される圧延荷重の概念を示す図である。図2では、ロール偏芯が生じていない場合における圧延荷重101と、ロール偏芯が生じている場合における圧延荷重102とを示しており、t1時点からt2時点までがバックアップロール4a,4bにおける1回転分である。
図2に示すように、圧延荷重101は、バックアップロール4a,4b等にロール偏芯が生じていない場合でも、圧延材1の温度変化や板厚変化等によって、時間t、即ち、ロールの回転とともに変動する。
一方、バックアップロール4a,4b等にロール偏芯が生じている場合には、圧延荷重102は、ロール偏芯以外による圧延荷重変動に、ロール偏芯による圧延荷重の変動成分を重ね合わせたものとして表される。なお、以下に説明する板厚制御装置における具体的制御は、ロール偏芯による圧延荷重変動とロール偏芯以外による圧延荷重変動とを的確に分離するとともに、ロール偏芯による圧延荷重変動を本板厚制御装置で制御し、ロール偏芯以外による圧延荷重変動を上記MMCやGM‐AGCで制御することが基本的な考えである。
次に、図3に基づいて、圧延荷重上下変動抽出手段11等の各構成及び動作を説明する際に必要な事項について説明する。
図3は、ワークロール(WR)3a,3b及びバックアップロール(BUR)4a,4bの位置関係を説明するための図である。
図3に示すように、バックアップロール(BUR)4a,4bには、回転位置検出用に位置目盛14が付されている。また、バックアップロール(BUR)4a,4bの一部に予め設定され、バックアップロール(BUR)4a,4bの回転に連動して回転する基準位置4cを示している。
位置目盛14は、例えば、バックアップロール(BUR)4a,4bの周囲を取り囲むように、バックアップロール(BUR)4a,4bの直近外側に設けられ、バックアップロール(BUR)4a,4bの全周をn等分するように、即ち、バックアップロール(BUR)4a,4bの回転軸を中心として所定角度(360/n度)毎に、目盛が設けられる。そして、位置目盛14の基準位置14a(固定された基準位置)を0として、第(n−1)まで番号付けされる。なお、上記nは、例えばn=30〜40程度の値が設定される。ここで、上記位置目盛14は圧延荷重上下変動抽出手段11等を説明するために設けられたものであり、実際の機器類に目盛自体は付されていなくても良い。
ここで、θWT0は、バックアップロール(BUR)4a,4bの基準位置4cが、固定された基準位置14aに一致する際のワークロール3の回転角度、θWTは、バックアップロール(BUR)4a,4bがθBTだけ回転した後のワークロール3の回転角度である。ここで、上記θは角度を表し、添え字の左側Wはワークロール3、Bはバックアップロール4を、添え字の右側Tは上側、Bは下側をそれぞれ表している。なお、以下においては、バックアップロール(BUR)4a,4bの回転角度とは、バックアップロール(BUR)4a,4bの基準位置4cが、固定された基準位置14aからバックアップロール(BUR)4a,4bの回転に連動して移動する角度を表すものとする。例えば、バックアップロール(BUR)4a,4bの回転角度が90度であるとは、バックアップロール(BUR)4a,4bの基準位置4cが、固定された基準位置14aからバックアップロール(BUR)4a,4bの回転方向に90度の回転した位置にあることを示している。また、バックアップロール(BUR)4a,4bの回転角度が位置目盛14の最も近接する目盛(例えば、位置目盛14のj番目の目盛)にある状態を、バックアップロール(BUR)4a,4bの回転角度番号がjであるとして説明する。
なお、上記バックアップロール(BUR)4a,4bの基準位置4c及び固定された基準位置14aに、近接センサ等のセンサとこのセンサによって検出される被検出体とを埋め込むことにより、上記センサ及び被検出体によってロール基準位置検出器8を構成しても良い。かかる場合、例えば、バックアップロール(BUR)4a,4bの基準位置4cに設けられた近接センサが、バックアップロール4とともに回転して固定された基準位置14aに達することにより、基準位置14aに埋め込まれた被検出体が上記近接センサによって検出される。即ち、バックアップロール(BUR)4a,4bの基準位置4cが、固定された基準位置14aを通過したと認識される。なお、ロール基準位置検出器8は、本発明には必須のものではない。
固定された基準位置0からn−1までの分割位置を、後述する図5における圧延荷重の記録エリア(図5中のP〜Pn−1)の区分に等しくして、これらの分割位置における圧延荷重を記録エリアに格納する。一般にn=30〜90程度の値が用いられる。nを大きくするには、制御器の演算処理能力が高くなくてはならないので、制御の細かさと演算能力の相反関係には注意する必要がある。
以下、バックアップロール回転角度とは、固定された基準位置からバックアップロール基準位置がバックアップロール4a,4bの回転にしたがって移動していく角度を表すものとする。例えば、バックアップロール回転角度が90度であるとは、固定された基準位置からバックアップロール基準位置がバックアップロール4a,4bの回転方向に90度の位置にあることを示す。またバックアップロール回転角度が前記位置目盛りの最も近い位置(たとえばi番目の位置目盛り)にあるとき、バックアップロール回転角度番号がiであるとする。
次に、図4に基づいて、圧延荷重のロール偏芯に起因する変動成分を抽出する方法について説明する。
図4は、バックアップロールの回転角度の変化に伴う圧延荷重の変動を示す図である。図4において、バックアップロール4の基準位置4cが基準位置14aにある場合、即ち、バックアップロール4の回転角度番号が0の場合、圧延荷重はP10を示しており、バックアップロール4の回転角度番号が1、2、3‥‥と進むにつれ、圧延荷重はP11、P12、P13‥‥と変化していく。そして、バックアップロール4が1回転して、回転角度番号が(n−1)から再び0となり、圧延荷重P20が採取された時点で圧延荷重P10とP20とを直線103で結ぶと、この直線103が、ロール偏芯による圧延荷重変動を除いた圧延荷重と見なすことができる。したがって、ロール偏芯による圧延荷重変動は、各回転角度番号において測定した圧延荷重P11、P12、P13…P20と上記直線との差から求めることができる。
なお、実際に測定される圧延荷重Pijの値(実績値)には、温度変動・板厚変動・張力変動等による圧延荷重変動、ロール偏芯による圧延荷重変動に加え、ノイズ成分が含まれることが多い。このため、実際の圧延荷重Pijの実績値は図4に示すようななだらかな曲線上に分布する訳ではなく、上記直線を求めるために結ぶべき始点の圧延荷重Pi0と終点の圧延荷重P(i+1)0とを特定することが困難な場合もある。そこで、圧延荷重Pi0と圧延荷重P(i+1)0との変化が大きくないものと仮定すると、測定した各圧延荷重Pi0、Pi1、Pi2、Pi3…P(i+1)0と、圧延荷重Pi0、Pi1、Pi2、Pi3…Pi(n−1)のn個の平均値との差ΔPijを、圧延荷重のロール偏芯に起因する変動成分と見なすことができる。この方法の利点は、圧延荷重の実績値の採取を(n−1)区分目までに減少させることができ、また、ノイズ等による圧延荷重の変動にも強いことである。なお、圧延荷重の実績値にフィルタリング処理を施して、ノイズ成分を低減させることも有効な手段である。
<板厚制御装置の動作>
本発明の第1の実施の形態に係る板厚制御装置を説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る板厚制御装置では、本装置の出側で所望の板厚となるように、圧延材1は適切にギャップと速度を調整された上下のワークロール3a,3bによって圧延される。ワークロール3a,3bは、バックアップロール4a,4bに支えられ、ロール幅方向のたわみが少なくなるようにしている。バックアップロール4a,4bは、圧延機ハウジング2に支持され、圧延材1による圧延荷重に耐えうる構造となっている。
上下のワークロール3a,3bのギャップは、圧下手段5によって調整される。圧下手段5は、電動機制御によるもの(電動圧下という)、油圧制御によるもの(油圧圧下という)の2種類あるが、後者の方が高速応答を得やすい。一般に短い周期のロール偏芯等の外乱を制御するには高速応答が必要なため、油圧圧下を用いることが多い。
圧延荷重検出手段6は、圧延荷重を検出する。圧延荷重の検出方法としては、圧延機ハウジング2と圧下手段5の間に埋め込まれ、圧延荷重を直接的に測定するロードセル(Load Cell)を用いる方法や、油圧圧下手段において検出する圧力から圧延荷重を計算する方法がある。
ロール回転数検出器7は、ワークロール3a,3bまたはワークロール3a,3bを駆動する電動機軸に取り付けられ、ロール回転数を検出する。ロール回転角度に応じたパルスを出力することが可能なものもあり、ロール回転角度の検出に用いられる場合もある。ワークロール3a,3bとバックアップロール4a,4bの直径の比がわかれば、ワークロール3a,3bとバックアップロール4a,4bの間にスリップがない場合、ワークロール3a,3bの回転数、回転角度からバックアップロール4a,4bの回転数、回転角度は容易に求められる。
次に、ロール基準位置検出器8は、バックアップロール4a,4bが1回転する度に近接スイッチ等により、基準位置を検出する。またはパルスジェネレータ(Pulse Generator)などを取り付けて回転角度に依存してパルスを取り出し、回転角度そのものを検出してもよいが、少なくとも1回転ごとの基準位置を検出することが可能なものとする。バックアップロール4a,4bの両方あるいはいずれかに取り付けられたものが図1の場合である。しかしながら、ロール基準位置検出器8が取り付けられていなくても、ワークロール3a,3bの回転角度がわかれば、ワークロール3a,3bとバックアップロール4a,4bの直径比から、バックアップロール4a,4bの回転角度を次式から計算することができる。
Figure 0005637637
ここで、θは、バックアップロール4a,4bの回転角[rad]、θは、ワークロール3a,3bの回転角[rad]、Dは、バックアップロール4a,4bの直径[mm]、Dは、ワークロール3a,3bの直径[mm]である。なお、前述の如く、図1におけるロール基準位置検出器8は、本発明には必須のものではない。
次に、ロールギャップ検出器9は、バックアップロール4a,4bと圧下手段5の間に設置され、間接的にワークロール3a,3bのギャップを検出する。
そして、圧延荷重上下配分手段10は、圧延荷重検出手段6によって検出された圧延荷重Pを、上側バックアップロール4aと、下側バックアップロール4bとに個別に発生するものと仮定して、上側バックアップロール4aに発生する圧延荷重Pと、下側バックアップロール4bに発生する圧延荷重Pとに分離して、圧延荷重上下変動抽出手段11に出力する。
次に、図5に基づいて、上記圧延荷重上下変動抽出手段11および操作量演算手段12の具体的構成及び動作について説明する。
図5は、第1の実施の形態に係る板厚制御装置の圧延荷重上下変動抽出手段11および操作量演算手段12の構成例を詳細に示す構成図である。
図5において、圧延荷重上下変動抽出手段11は、上側荷重変動抽出手段111と、下側荷重変動抽出手段112とを有している。
上側荷重変動抽出手段111は、圧延荷重上下配分手段10によって分離された圧延荷重Pに基づいて、上側バックアップロール4aの複数の回転位置における圧延荷重PTjのロール偏芯に起因する変動成分を抽出するものである。
下側荷重変動抽出手段112は、圧延荷重上下配分手段10によって分離された圧延荷重Pに基づいて、下側バックアップロール4bの複数の回転位置における圧延荷重PBjのロール偏芯に起因する変動成分を抽出するものである。
また、上側荷重変動抽出手段111は、圧延荷重記録手段111a、平均値演算手段111b、偏差演算手段111cを有している。同様に、下側荷重変動抽出手段112も、圧延荷重記録手段112a、平均値演算手段112b、偏差演算手段112cを備えている。
圧延荷重記録手段111aは、バックアップロール4a,4bの各回転角度番号にそれぞれ対応して設けられたn個の圧延荷重記録手段である。各圧延荷重記録手段111aには、バックアップロール4a,4bが対応する回転角度番号に達した際の圧延荷重PTjが所定期間記録される。
平均値演算手段111bは、各圧延荷重記録手段111aに記録された圧延荷重PTjに基づいて、バックアップロール4a,4bが一回転する間に検出されたn個の圧延荷重PTj(j=0〜(n−1))の平均値を演算するものである。
偏差演算手段111cは、各圧延荷重記録手段111aにそれぞれ対応して設けられ、夫々、対応する圧延荷重記録手段111aに記録された圧延荷重PTjの上記平均値からの偏差ΔPTjを、バックアップロール4a,4bが一回転する毎に演算して出力するものである。なお、下側荷重変動抽出手段112の圧延荷重記録手段112a、平均値演算手段112b、偏差演算手段112cも同様である。
操作量演算手段12は、上側加算手段121、下側加算手段122、上側スイッチ123、下側スイッチ124、ロールギャップ修正量演算手段125を有する。
上側加算手段121は、上側荷重変動抽出手段111から出力された、圧延荷重PTjのロール偏芯による変動成分を、回転角度番号毎に加算するものである。
下側加算手段122は、下側荷重変動抽出手段112から出力された、圧延荷重PBjのロール偏芯による変動成分を、回転角度番号毎に加算するものである。
上側スイッチ123は、上側加算手段121によって回転角度番号毎に加算された、圧延荷重PTjのロール偏芯による変動成分、すなわち圧延荷重PTjの偏差である上側圧延荷重変動値をバックアップロール4aの回転角度番号に応じて出力するものである。
下側スイッチ124は、下側加算手段122によって回転角度番号毎に加算された、圧延荷重PBjのロール偏芯による変動成分、すなわち圧延荷重PBjの偏差である下側圧延荷重変動値をバックアップロール4bの回転角度番号に応じて出力するものである。
ロールギャップ修正量演算手段125は、上側スイッチ123の出力値と下側スイッチ124の出力値とに基づいて、バックアップロール4a,4bの回転角度番号に応じたロールギャップの修正量を演算するものである。
ここで、上側加算手段121と下側加算手段122、並びに、上側スイッチ123と下側スイッチ124とは、それぞれ同様の構成を有している。例えば、上側加算手段121には、リミット121a、スイッチ121b、加算器121cが備えられている。ここで、リミット121aは、各偏差演算手段111cから入力される偏差ΔPTjの上下限をチェックする。スイッチ121bは、上側バックアップロール4aが一回転する毎に、即ち、平均値演算手段111bでの平均値の演算が終了する毎にオンされて、リミット121aから入力される偏差ΔPTjを同時に出力する。加算器121cは、上側バックアップロール4aの各回転角度番号に対応して設けられ、スイッチ121bから出力される偏差を回転角度番号毎に加算するものである。上側スイッチ123と下側スイッチ124もそれぞれ同様の構成を有している。
次に、図5に示す圧延荷重上下変動抽出手段11及び操作量演算手段12の動作について説明する。
圧延荷重検出手段6では、1スタンド分の圧延荷重として1つの値しか採取することができない。そこで、圧延荷重上下配分手段10は、例えば、次式により、圧延荷重検出手段6によって検出された圧延荷重Pを、上側バックアップロール4aに発生する圧延荷重Pと、下側バックアップロール4bに発生する圧延荷重Pとに分離する。
Figure 0005637637
Figure 0005637637
ここで、
:上側バックアップロール4aに発生する圧延荷重
:下側バックアップロール4bに発生する圧延荷重
P:トータル圧延荷重実績値(圧延圧延荷重検出手段による検出値)
R:上側バックアップロール4aに発生する圧延荷重Pに配分すべきトータル圧延荷重Pに対する比
である。
ここで、第1の実施の形態では、具体的な値として、上側バックアップロール4aに発生する圧延荷重Pに配分すべきトータル圧延荷重Pに対する比Rは、0.5の近傍の値、すなわちトータル圧延荷重実績値Pをバックアップロール4a,4bに発生する圧延荷重に配分するときに、Pの1/2に近い値を上下それぞれに配分する。これにより、上下一方の加算器121c,122cにて、他方のバックアップロール4a,4bによるロール偏芯等による圧延荷重変動成分をほぼ打ち消すことができる。この理由については、後述する。
次に、圧延荷重上下変動抽出手段11内では、圧延荷重記録手段111aは、バックアップロール回転角度番号0,1,2,…,n−1における圧延荷重を上側バックアップロール4aが1回転する間保持し、平均値演算手段111bは、回転角度番号n−1に到達した時点で、平均値を計算する。そして、偏差演算手段111cは、このバックアップロール回転角度番号0,1,2,…,n−1における圧延荷重と、平均値との差をロール偏芯等による圧延荷重変動として操作量演算手段12へ出力する。この場合において、平均値との差を取るのではなく、始点におけるPと終点におけるPから直線の式を演算し、その直線と各位置における圧延荷重の差を計算してもよい。
バックアップロール回転角度番号におけるロール偏芯等による圧延荷重変動は、リミット121a,122aで上下限チェックされ、平均値の演算が終了した時点で、スイッチ121b,122bを同時にONして圧延荷重の偏差である圧延荷重変動値ΔP、ΔP、…、ΔPn−1を一斉にそれぞれ加算器(Σ、Σ、Σ、…、Σn-1)121c,122cに送りこみ、加算させる。
Figure 0005637637
ここで、
Zj :加算器Σjの値
k :加算回数(一般にバックアップロール4a,4bの回転数に一致)
j=0〜n−1
加算器(Σ、Σ、Σ、…、Σn-1)121c,122cは、当該圧延材1が圧延される前にゼロクリアされ、バックアップロール4a,4bが1回転し平均値の演算が終了するごとに1回ずつ圧延荷重の偏差を加算する。この手順が、上側加算手段121および下側加算手段122で実施される。
スイッチ123,124は、それぞれ、バックアップロール4a,4bの回転角度に対応して加算された圧延荷重の偏差である上側圧延荷重変動値ΔPAT、下側圧延荷重変動値ΔPBTを取り出す。
つまり、バックアップロール基準位置が固定された基準位置0を通過した時点で、SWのみがONされ、加算器121cのΣからΔPA0が取り出される。バックアップロール基準位置が回転角度番号1に達した時点で、SWのみがONされ、加算器121cのΣからΔPA1が取り出される。この動作を、バックアップロール回転角度に対応したロール偏芯等による圧延荷重変動値のスイッチ123,124において繰り返し行う。
なお、各位置において加算するのは、一般的な制御則から簡単に導くことができる。すなわち本制御対象のように、制御対象に積分系がない場合、制御器側に積分器を入れて定常偏差を除去することは、制御則の上から妥当である。制御対象が連続系ではなく、離散値系であるため、積分器ではなく加算器121c,122cとしているものである。
そして、図5における操作量演算手段12を構成する上側加算手段121および上側スイッチ123が上側バックアップロール4aによる圧延荷重の偏差(上側圧延荷重変動値)ΔPATを算出する一方、下側加算手段122および下側スイッチ124が下側バックアップロール4bによる圧延荷重の偏差(下側圧延荷重変動値)ΔPBTを算出し、ロールギャップ修正量演算手段125が次の式6、式7により上側バックアップロール用ローギャップ修正量ΔSと、下側バックアップロール用ローギャップ修正量ΔSとを計算する。
Figure 0005637637
Figure 0005637637
そして、操作量であるロールギャップ修正量ΔSは、ロールギャップも上下別々に操作できないので、ロールギャップ修正量演算手段125が、次の式8のように、上下のローギャップ修正量ΔSと、ΔSとを加算して出力する。
Figure 0005637637
ここで、
M:ミル定数
Q:圧延材の塑性係数
:調整係数
ΔS:上側バックアップロール用ローギャップ修正量
ΔS:下側バックアップロール用ローギャップ修正量
ΔS:ローギャップ修正量
ΔPAT:上側バックアップロールによる圧延荷重の偏差(上側圧延荷重変動値)
ΔPBT:下側バックアップロールによる圧延荷重の偏差(下側圧延荷重変動値)
そして、ロールギャップ操作手段13は、式8によるローギャップ修正量ΔSを、MMCやGM−AGCなどのロールギャップ量に加えて、圧下手段5に与える。
次に、上側バックアップロール4aに発生する圧延荷重Pに配分すべきトータル圧延荷重Pに対する比Rを、0.5の近傍の値とすることの妥当性を以下に述べる。
バックアップロール4a,4bの回転周波数をω、ω[rad/s]、回転周期をT、T[s]とすると、次式9、すなわち、
Figure 0005637637
また、rを以下の式10で表される比率とする。
Figure 0005637637
ここでは、D<D、すなわちr<1と仮定する。ただし、この仮定はRを0.5の近傍の値とすることの妥当性の制約にはならず、r>1でもよい。説明の都合によるものである。
バックアップロール4a,4bのロール偏芯量をそれぞれy、y[mm]とし、位相差をθとし、簡単のため振幅を1.0とすると、次式11のように書ける。
Figure 0005637637
以下、軸心移動距離で考えるが、軸心移動距離が圧延荷重の変動に直結するため、圧延荷重変動に置き換えて考えることもできる。
次に、前記式11の関係を、図6に示す。
図6は、バックアップロール4a,4bのロール偏芯量y、y[mm]の時間変化の一例を示す図である。
上側バックアップロール回転角度が固定基準位置から出発して、回転角度番号j(j=0〜n−1)に達する時刻をTとすると、Tは以下の式で表される。
Figure 0005637637
上側ロール用加算器121cに積算される値は、上側バックアップロール4aの位置jにおける上側バックアップロール4aの軸心移動量の積算値Y(j)と、同じく上側バックアップロール4aの位置jにおける下側バックアップロール4bの軸心移動量の積算値Y(j)の和である。Y(j)は、Tを初期値として周期Tの積算値であるので、次式13により計算される。
Figure 0005637637
同様に、Y(j)も、Tを初期値として周期TTの積算値であるので、次式14により、より詳細には次式15により計算される。
Figure 0005637637
Figure 0005637637
ここで、
Figure 0005637637
となる整数mを決められると仮定すると、式16を式15に代入すると、式15は、次の式17となる。
Figure 0005637637
ここで、円の全角2π[rad]を−1/n倍し、αに加算した角度のsinの積算値は0である。すなわちm個のsin値が積算されるごとに、下側バックアップロール4bの軸心移動量の積算値Y(j)はゼロとなる。
また、式16において、バックアップロール4a,4b径の比により、必ずしも1/(1−r)は整数とならないが、1/(1−r)が整数に近い値となる場合に、その整数個のsin値が積算されるごとに、Y(j)はゼロに近い値となる。
さらに、ここで、y、yの重畳であるビートYは、式1と同様、次式18で表される。
Figure 0005637637
ωT>ωの場合、長周期の周波数(ωT−ω)/2は、T=T/rより、
Figure 0005637637
となる。
すなわち、式16におけるmは、ビートの長周期m・Tを与え、m・Tごとに下側バックアップロール4bの軸心移動量の積算値Y(j)がゼロになる。
また、式13より、上側バックアップロール4aの軸心移動量積算値YT(j)は、ロール偏芯制御なしの場合、単調増加であり、上側バックアップロール4aが回転するごとに、下側バックアップロール4bの軸心移動量積算値Y(j)のY(j)に対する比重は低下するため、図5に示した上側ロール用加算器121cには、上側バックアップロール4aの上側ロール偏芯成分が主に積算される。
同様の考えにより、下側ロール用加算器122cには、下側バックアップロール4bのロール偏芯成分が主に積算される。
従って、上側圧延荷重Pに配分すべきトータル圧延荷重Pに対する比Rは、0.5の近傍の値、すなわちトータル圧延荷重実績値Pをバックアップロール4a,4bに発生する圧延荷重に配分するときには、Pの1/2に近い値を上下それぞれに配分すればよいことがわかる。
以上のように、第1の実施の形態の板厚制御装置によれば、キスロール荷重を使用することなく、金属材料を圧延中に測定される圧延荷重を用いて、ロール偏芯等、ロール回転位置に関連して発生する圧延荷重の変動成分、すなわちロール偏芯等による圧延荷重変動成分を抽出し、この圧延荷重変動を低減するように、当該圧延スタンドのロールギャップを操作することができる。
これにより、第1の実施の形態の板厚制御装置によれば、ロール偏芯等による圧延荷重の変動がある場合、その圧延荷重変動を抑え、圧延荷重変動による板厚変動を抑えることができ、圧延していないときの周波数分析により分析できない変動成分も制御でき、板厚計も不要でトラッキング誤差による精度低下も生じず、またバックアップロール4a,4bの直径に径差があっても高精度に制御でき、さらにはキスロール荷重を計測する必要もなくなる。その結果、実施の形態の板厚制御装置によれば、ロール管理が容易になり、設備制約もない、高精度な板厚制御装置、板厚制御方法、板厚制御プログラムを提供することができる。
特に、第1の実施の形態の板厚制御装置によれば、上側バックアップロール4aに発生する圧延荷重Pに配分すべきトータル圧延荷重Pに対する比Rを、0.5の近傍の値に設定するようにしたため、トータル圧延荷重実績値Pをバックアップロール4a,4bに発生する圧延荷重に配分するときに、Pの1/2に近い値を上下それぞれに配分することになり、上下一方の加算器121c,122cにて、他方のバックアップロール4a,4bによるロール偏芯等による圧延荷重変動成分をほぼ打ち消すことができる。
(第2の実施の形態)
バックアップロール4a,4bが十分回転した後には、図5における、上側加算手段121および下側加算手段122のうち、加算器121c,122cの中には、上側バックアップロール4a,4bの偏芯に応じた値が蓄積されることは明白である。
つまり、j番目の加算器121cに大きな値が蓄積されているということは、そのj番目の位置の偏芯量が大きいということである。下側の加算器121cでも同様である。
従って、本発明の第2の実施の形態に係る板厚制御装置では、これを利用して、バックアップロール4a,4bが十分回転した後は、上下加算器121c,122c群の値、すなわち、上下それぞれのバックアップロール4a,4bのロール偏芯量を同定し、これに基づき回転速度からロール偏芯の周波数や周期を計算するものである。
図7は、上側加算手段121の加算器121cに蓄えられた値の変化を示す説明図である。
図7では、横軸に加算器121cにおける加算器の番号をとり、縦軸に加算器121cにおける各加算器の値をとり、加算器121cにおける各加算器の値201(棒グラフ)と、各位置における加算の値から同定した正弦波202とを示している。
各加算器121cには、ノイズ等が含まれる場合があり、最小二乗法などで正弦波を求めることができる。
そして、操作量演算手段12が、第2の実施の形態の荷重からロールギャップへの変換の式8を用いて、加算器121c内に蓄えられた荷重の値から上側ワークロール3aと下側ワークロール3bとの間のワークロールギャップ指令値を演算し、ロールギャップ操作手段13が操作量演算手段12によって演算されたワークロールギャップ指令値に基づいて、上側ワークロール3aと下側ワークロール3bとの間のワークロールギャップを操作する。
以上のように、第2の実施の形態の板厚制御装置によれば、第1の実施の形態と同様に、キスロール荷重を使用することなく、金属材料を圧延中に測定される圧延荷重を用いて、ロール偏芯等、ロール回転位置に関連して発生する圧延荷重の変動成分、すなわちロール偏芯等による圧延荷重変動成分を抽出し、この圧延荷重変動を低減するように、当該圧延スタンドのロールギャップを操作することができる。
特に、第2の実施の形態の板厚制御装置では、バックアップロール4a,4bが十分回転した後は、上下加算器121c,122c群の値、すなわち、上下それぞれの上下それぞれのバックアップロール4a,4bのロール偏芯量を同定できることになり、バックアップロール4a,4bの回転速度からロール偏芯の周波数や周期を計算するようにしたので、簡単にロール偏芯の周波数や周期を求めることができ、圧延荷重変動を低減するように、当該圧延スタンドのロールギャップを操作することができると共に、上側圧延荷重Pに配分すべきトータル圧延荷重Pに対する比であるRを0.5の近傍の値に設定するようにしたため、トータル圧延荷重実績値Pをバックアップロール4a,4bに発生する圧延荷重に配分するときに、Pの1/2に近い値を上下それぞれに配分することになり、上下一方の加算器121c,122cにて、他方のバックアップロール4a,4bによるロール偏芯等による圧延荷重変動成分をほぼ打ち消すことができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態では、バックアップロール4a,4b交換直後は、上側圧延荷重Pに配分すべきトータル圧延荷重Pに対する比であるRを0.5と設定するが、バックアップロール4a,4bが十分回転した後、たとえば圧延材1本を圧延した後は、前記のごとく上下加算器121c群の値に上下それぞれのバックアップロール4a,4bロール偏芯量を正弦波などの周期的関数で同定することができるので、バックアップロール4a,4bの同定後の正弦波の振幅の比を次材の比を、Rとして利用する。
例えば、バックアップロール4a,4b交換直後に圧延した結果、上側バックアップロール4aの加算器121cで同定した正弦波の振幅が0.9、下側バックアップロール4bの加算器121cで同定した正弦波の振幅が1.1であったとすると、R=0.9/(0.9+1.1)=0.45という比を次材に用いることができる。
また、周期的関数で同定することなく、加算に蓄えられる値の絶対値を計算することで、バックアップロール4a,4bのロール偏芯量の比を求めることができる。例えば、バックアップロール4a,4b交換直後に圧延した結果、上側バックアップロール4aの加算器121cのバックアップロール4a,4bの各位置における値の絶対値を加算した結果が例えば9.0、下側バックアップロール4bの加算器121cのバックアップロール4a,4bの各位置における値の絶対値を加算した結果が例えば11.0であったとすると、R=9/(9+11)=0.45という比を次材に用いることができる。
つまり、第3の実施の形態では、圧延荷重上下配分手段10は、圧延荷重検出手段6によって検出された圧延荷重を上下に配分する比Rを、バックアップロール交換直後は0.5に設定し、バックアップロール交換後、次の圧延材以降は、現在の圧延材についての操作量演算手段12における圧延荷重の偏差である上下の圧延荷重変動値ΔPAT,ΔPBTの積算値を用いて周期関数の振幅を同定し、上側ワークロール3aおよび上側ワバックアップロール4aに対する振幅と、下側ワークロール3bおよび下側バックアップロール4bに対する振幅の合計値に対する比を設定するようにしても良いし、あるいは、圧延荷重検出手段6によって検出された圧延荷重を上下に配分する比Rを、バックアップロール交換直後は0.5に設定し、バックアップロール交換後、次の圧延材以降は、現在の圧延材の操作量演算手段12における圧延荷重の偏差である圧延荷重変動値ΔPAT,ΔPBTに基づいて設定するようにしても良い。
もちろん、この比にはノイズが含まれている虞があるので、次式20で示すようなフィルタを用いて、ノイズの影響を低減することも可能である。
Figure 0005637637
ここで、式20において、
k: 現在を表すインデックス
k+1: 次回用いられるべきことを示すインデックス
k−1: 現在から1回前を表すインデックス
c: フィルタリングのためのゲイン
である。
以上のように、第3の実施の形態の板厚制御装置によれば、第1,第2の実施の形態と同様に、キスロール荷重を使用することなく、金属材料を圧延中に測定される圧延荷重を用いて、ロール偏芯等、ロール回転位置に関連して発生する圧延荷重の変動成分を抽出し、この圧延荷重変動を低減するように、当該圧延スタンドのロールギャップを操作することができると共に、バックアップロール4a,4b交換直後は、上側圧延荷重Pに配分すべきトータル圧延荷重Pに対する比であるRを0.5の近傍の値に設定するようにしたため、トータル圧延荷重実績値Pをバックアップロール4a,4bに発生する圧延荷重に配分するときに、Pの1/2に近い値を上下それぞれに配分することになり、上下一方の加算器121c,122cにて、他方のバックアップロール4a,4bによるロール偏芯等による圧延荷重変動成分をほぼ打ち消すことができる。
特に、本発明の第3の実施の形態の板厚制御装置では、バックアップロール4a,4b交換直後は、上側圧延荷重Pに配分すべきトータル圧延荷重Pに対する比であるRを0.5と設定するが、バックアップロール4a,4bが十分回転した後、たとえば圧延材1本を圧延した後は、上下加算器121c群の値に上下の上下それぞれのバックアップロール4a,4bのロール偏芯量を正弦波などの周期的関数で同定することができるので、バックアップロール4a,4bの同定後の正弦波の振幅の比を次材の比を、Rとして利用することができ、簡単にロール偏芯の周波数や周期を求めることができ、圧延荷重変動を低減するように、当該圧延スタンドのロールギャップを操作することができる。
3…ワークロール
3a…上側ワークロール
3b…下側ワークロール
4…バックアップロール
4a…上側バックアップロール
4b…下側バックアップロール
5…圧下手段
6…圧延荷重検出手段
7…ロール回転数検出器
8…ロール基準位置検出器
9…ロールギャップ検出器
10…圧延荷重上下配分手段
11…圧延荷重上下変動抽出手段
12…操作量演算手段
13…ロールギャップ操作手段
産業上の利用の可能性
本発明は、熱間で金属材を圧延する熱間圧延装置に適用することができる。

Claims (6)

  1. 上側ワークロールおよび上側バックアップロールの上側ロールセットと、下側ワークロールおよび下側バックアップロールの下側ロールセットとの間で金属材料を圧延することにより製造される圧延材の板厚変動を制御する板厚制御装置であって、
    前記金属材料に対する圧延荷重を検出する圧延荷重検出手段と、
    前記圧延荷重検出手段によって検出された圧延荷重を、前記上側ロールセットで発生している上側圧延荷重と、前記下側ロールセットで発生している下側圧延荷重との比に基づいて、上下に配分する圧延荷重上下配分手段と、
    前記圧延荷重上下配分手段によって上下に配分された前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットの前記圧延荷重に基づいて、前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットの回転位置に関連して発生する上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値を抽出する圧延荷重上下変動値抽出手段と、
    前記圧延荷重上下変動値抽出手段により抽出された前記上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップ指令値を演算する操作量演算手段と、
    前記操作量演算手段によって演算された前記ワークロールギャップ指令値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップを操作するロールギャップ操作手段と、
    を有することを特徴とする板厚制御装置。
  2. 請求項1記載の板厚制御装置において、
    前記操作量演算手段は、
    前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットが所定時間以上回転するまでは、前記圧延荷重上下変動値抽出手段によって抽出された前記上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップ指令値を演算し、
    前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットが所定時間以上回転した場合、前記圧延荷重上下変動値抽出手段によって演算された前記圧延荷重変動値の積算値に基づいて前記上側バックアップロールおよび前記下側バックアップロールのロール偏芯量を同定し、同定したロール偏芯量に基づいて前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップ指令値を演算する、
    ことを特徴とする板厚制御装置。
  3. 請求項1または請求項2のいずれか一の請求項に記載の板厚制御装置において、
    前記圧延荷重上下配分手段は、
    前記圧延荷重検出手段によって検出された圧延荷重を上下に配分する比を、前記上側バックアップロールおよび前記下側バックアップロール交換直後は0.5に設定し、前記上側バックアップロールおよび前記下側バックアップロール交換後、次の圧延材以降は、現在の圧延材の操作量演算手段における前記圧延荷重の偏差に基づいて設定する、
    ことを特徴とする板厚制御装置。
  4. 請求項1または請求項2のいずれか一の請求項に記載の板厚制御装置において、
    前記圧延荷重上下配分手段は、
    前記圧延荷重検出手段によって検出された圧延荷重を上下に配分する比を、前記上側バックアップロールおよび前記下側バックアップロール交換直後は0.5に設定し、前記上側バックアップロールおよび前記下側バックアップロール交換後、次の圧延材以降は、現在の圧延材の操作量演算手段における前記圧延荷重変動値の積算値を用いて周期関数の振幅を同定し、上側のロールセットに対する振幅と、下側ロールセットに対する振幅との合計値に対する比を設定する、
    ことを特徴とする板厚制御装置。
  5. 上側ワークロールおよび上側バックアップロールの上側ロールセットと、下側ワークロールおよび下側バックアップロールの下側ロールセットとの間で金属材料を圧延することにより製造される圧延材の板厚変動を制御する板厚制御方法であって、
    前記金属材料に対する圧延荷重を検出するステップと、
    検出された圧延荷重を、前記上側ロールセットで発生している上側圧延荷重と、前記下側ロールセットで発生している下側圧延荷重との比に基づいて、上下に配分するステップと、
    前記上下に配分された前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットの前記圧延荷重に基づいて、前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットの回転位置に関連して発生する上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値を抽出するステップと、
    前記抽出された前記上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップ指令値を演算するステップと、
    前記演算された前記ワークロールギャップ指令値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップを操作するステップと、
    を有することを特徴とする板厚制御方法。
  6. 上側ワークロールおよび上側バックアップロールの上側ロールセットと、下側ワークロールおよび下側バックアップロールの下側ロールセットとの間で金属材料を圧延することにより製造される圧延材の板厚変動を制御することをコンピュータに実行させるための板厚制御プログラムであって、
    前記金属材料に対する圧延荷重を検出するステップと、
    検出された圧延荷重を、前記上側ロールセットで発生している上側圧延荷重と、前記下側ロールセットで発生している下側圧延荷重との比に基づいて、上下に配分するステップと、
    前記上下に配分された前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットの前記圧延荷重に基づいて、前記上側ロールセットおよび前記下側ロールセットの回転位置に関連して発生する上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値を抽出するステップと、
    前記抽出された前記上側圧延荷重変動値および下側圧延荷重変動値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップ指令値を演算するステップと、
    前記演算された前記ワークロールギャップ指令値に基づいて、前記上側ワークロールと前記下側ワークロールとの間のワークロールギャップを操作するステップと、
    を、コンピュータに実行させるための板厚制御プログラム。
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