以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの表面側から観た斜視図、図2は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの裏面側から観た斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの雄嵌合ロック部の拡大図であり図2におけるA部拡大図、図4は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの四面図、図5は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの雄端子の拡大正面図であり図4(b)におけるB部拡大図、図6は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの断面図、図7は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの層構造を示す分解図である。なお、図4において、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は下面図、(d)は側面図であり、図6において、(a)は図4(b)におけるC−C矢視断面図、(b)は雄端子の拡大側面図であり(a)におけるD部拡大図である。
図において、1は本実施の形態におけるシートコネクタの一方である第1コネクタとしての雄コネクタであり、後述される第2コネクタとしての雌コネクタ101と電気的に接続される。そして、前記雄コネクタ1は、平板状のケーブル部12と、該ケーブル部12の先端に一体的に形成された平板状の接続部11とを有する。なお、前記ケーブル部12と接続部11との境界部分における左右両側には、雌コネクタ101と係合するための凹部としての中間凹部13が形成されている。
本実施の形態において、雄コネクタ1、雌コネクタ101及びその他の部材に含まれる各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、雄コネクタ1、雌コネクタ101及びその他の部材に含まれる各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、雄コネクタ1、雌コネクタ101及びその他の部材に含まれる各部の姿勢が変化した場合には、姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
また、前記雄コネクタ1は、例えば、接続部11の幅方向(図1における左上と右下を結ぶ方向)の寸法が約10〜15〔mm〕、接続部11の前後方向(図1における左下と右上を結ぶ方向)の寸法が約3〜5〔mm〕、接続部11の厚さ方向の寸法が約0.3〜0.5〔mm〕、中間凹部13の前後方向の寸法が約2〜4〔mm〕程度の寸法の部材であるが、その寸法は適宜変更することができる。
前記ケーブル部12は、フレキシブル回路基板(FPC:Flexible Printed Circuit)、フレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)等と称される平板状の可撓(とう)性ケーブルであるが、平板状のものであればケーブルであっても基板であってもよく、いかなる種類のものであってもよい。そして、前記ケーブル部12は、細長い帯状の形状を備える絶縁性の薄板部材である板状の第1基板部である雄基板部としてのベースフィルム15、及び、該ベースフィルム15の一面(図7における上面)に並列に配設された複数本の導電線として機能する第1導体である雄導体としての導体パターン51を有する。また、該導体パターン51の他面(図7における上面)には、細長い帯状の形状を備える絶縁性の薄板部材である板状の第1被覆板部である雄被覆部としてのカバーフィルム17が配設されている。つまり、ケーブル部12は、下からベースフィルム15、導体パターン51及びカバーフィルム17の順に積層された層構造を備える平板状の部材である。
前記ベースフィルム15及びカバーフィルム17は、例えば、ポリイミド等の樹脂から成るが、絶縁性を備えるものであれば、いかなる種類の材質であってもよい。また、前記導体パターン51は、例えば、あらかじめベースフィルム15の一面に貼(てん)付された厚さが数〔μm〕〜数10〔μm〕の銅箔(はく)にエッチング加工等を施してパターニングすることによって形成されたものである。
図に示される例は、雄コネクタ1が電源への接続のために使用される場合を示し、導体パターン51は、互いに平行に並んで配設された一対の幅広パターン51a及び一対の幅狭パターン51bから成り、隣接する導体パターン51同士は、パターン分離空間52によって分離されている。例えば、幅広パターン51aはグランド線として使用され、幅狭パターン51bは電源線として使用される。なお、前記導体パターン51の本数、ピッチ及び配列の態様は、必要に応じて適宜変更することができる。例えば、雄コネクタ1が信号ラインの接続のために使用される場合であれば、各導体パターン51は、より幅の狭い線状体のように形成され、所定のピッチ、例えば、0.1〔mm〕程度で、多数本が互いに平行に並んで配設される。
前記ケーブル部12は、通常、長尺の帯状の部材であるが、図においては、図示の都合上、後方(図1における右上方)の部分が切除された状態で示されている。なお、前記ケーブル部12の後方に、他の平板状のケーブルを接続することもできる。
また、前記接続部11も、ベースフィルム15、及び、該ベースフィルム15の一面に配設された導体パターン51を有する。該導体パターン51は、前記ケーブル部12から連続して形成されており、接続部11内において終端する。なお、図に示される例において、導体パターン51は、接続部11の先端部11aまで延在し、該先端部11aにおいて終端しているが、接続部11内の中間で終端してもよい。また、前記ベースフィルム15の他面(図7における下面)には、平坦(たん)な薄板部材である板状の補強板部としての補強層16が配設されている。該補強層16は、例えば、ステンレス鋼等の金属から成るが、その材質は、樹脂であってもよいし、ガラス繊維、炭素繊維等を含む複合材であってもよいし、いかなる種類のものであってもよい。つまり、接続部11は、下から補強層16、ベースフィルム15及び導体パターン51の順に積層された層構造を備える平板状の部材である。
そして、前記接続部11の左右両側には、中間凹部13よりも相対的に幅方向外側に延出した耳部21を、それぞれ、備える。該耳部21は、雌コネクタ101と係合するための凸部として機能する部分であり、その後端部は嵌合ロック部としての雄嵌合ロック部22である。そして、該雄嵌合ロック部22は、後述される雌コネクタ101の雌嵌合ロック部122と係合し、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合状態が維持されるようにロックする。
なお、図に示される例において、接続部11の幅寸法は、ケーブル部12の幅寸法と等しくなっているが、必ずしも、ケーブル部12の幅寸法と等しい必要はなく、ケーブル部12の幅寸法より大きくてもよいし、小さくてもよい。
また、前記耳部21は、雄コネクタ1の前後方向に延在する帯状の厚肉部であって、接続部11の表面から上方に突出する挿入凸部56を備える。該挿入凸部56の側縁は、耳部21の側縁21aと一致するように形成され、その後端寄りの部分、すなわち、雄嵌合ロック部22の近傍部分には、幅方向内側に凹入するように形成された係止凹部56aを備える。該係止凹部56aは、後述される雌コネクタ101の係止凸部156aに係止され、雄嵌合ロック部22と雌嵌合ロック部122との係合が解除されることを防止する。
なお、図に示される例において、挿入凸部56は、導体パターン51の表面に該導体パターン51と一体的に形成されているが、必ずしも、導体パターン51と一体の部材である必要はなく、導体パターン51とは別個の部材であってもよい。
前記雄嵌合ロック部22は、図2〜4に示されるように、裏面に形成された嵌合段部としての雄側段部23を備える。該雄側段部23は、接続部11の裏面、より具体的には、補強層16の裏面から凹入するように形成された段部であり、接続部11の裏面にほぼ直交するとともに、接続部11の幅方向に平行な方向に延在する段部端面23a、及び、接続部11の裏面に平行して延在する段差面23bを含んでいる。なお、前記雄側段部23における接続部11の幅方向内側の境界は、中間凹部13の側縁13aによって画定される。
前記接続部11においては導体パターン51の表面が露出しており、該導体パターン51の表面には、複数の雄端子としての突出端子53が配設されている。図に示される例において、該突出端子53は、格子状に配列され、幅方向に延びる一対の列を形成するように配列されている。具体的には、幅広パターン51aにおいては、各列に3つの突出端子53が含まれ、幅狭パターン51bにおいては、各列に1つの突出端子53が含まれるとともに、前列と後列とにおける突出端子53は、雄コネクタ1の前後方向に延在する直線上に位置する。つまり、雄コネクタ1の前後方向及び左右方向に延在する軸を格子線とする矩(く)形の平面状の格子を形成するように配列されている。なお、突出端子53の配列の態様は、図に示される例に限定されるものではなく、任意に変更することができる。
前記突出端子53の各々は、導体パターン51の表面から上方に向けて突出する部材であり、例えば、フォトリソグラフィ技術を利用したエッチング等の方法によって、導体パターン51と一体的に形成されている。なお、前記突出端子53の高さ、すなわち、上面の位置は、図6(b)に示される例では、挿入凸部56の上面の位置と同一となっているが、必ずしも、挿入凸部56の上面の位置と同一である必要はなく、挿入凸部56の上面の位置より高くてもよいし、低くてもよい。
また、前記突出端子53の上面及び横断面の形状は、図4(a)に明確に示されるように、幅方向の寸法よりも前後方向の寸法の方が大きく、かつ、後方(図4(a)における上方)が尖(とが)った野球のホームベースのような五角形又は六角形であることが望ましいが、必ずしも図に示される例に限定されるものではなく、円形や楕(だ)円形であってもよく、任意に変更することができる。
本実施の形態において、前記突出端子53の側面形状は、図5に示されるように凹面となっている。具体的は、突出端子53において、導体パターン51の表面に接続されている部分である基端部53aの幅寸法は、上端部である先端部53bの幅寸法以上であり、基端部53aと先端部53bとの間の側面部53cは、基端部53a及び先端部53bよりもその幅方向内側に向けて凹入するような形状の滑らかでスムーズな面となっていて、その途中に、幅寸法が最小となる極小点53dを含んでいる。換言すると、突出端子53の幅寸法は、基端部53aにおいて最大であり、上に行くに従って徐々に減少し、極小点53dにおいて最小となり、更に上に行くに従って徐々に増加し、先端部53bにおいて基端部53aと同一又はそれより小さな寸法となる。なお、前記側面部53cの形状は、緩やかに連続した曲面であることが望ましいが、複数の斜面が連続した屈曲面であってもよい。
また、雄コネクタ1の側方から観た場合の突出端子53の側面形状も、図6(b)に示されるように、同様の凹面となっている。すなわち、基端部53aの幅寸法は先端部53bの幅寸法以上であり、側面部53cは、基端部53a及び先端部53bよりもその幅方向内側に向けて凹入するような形状の面となっていて、その途中に、幅寸法が最小となる極小点53dを含んでいる。換言すると、突出端子53の幅寸法は、基端部53aにおいて最大であり、上に行くに従って徐々に減少し、極小点53dにおいて最小となり、更に上に行くに従って徐々に増加し、先端部53bにおいて基端部53aと同一又はそれより小さな寸法となる。
突出端子53が、雌コネクタ101が有する後述される受容端子153と係合すると、該受容端子153の後述される一対の接触部153cによって側面部53cが両側から弾性的に挟持された状態となる。そして、後述されるように、受容端子153が薄肉の部材であり、接触部153cの厚さ寸法(上下方向の寸法)が突出端子53の高さ寸法(上下方向の寸法)よりも小さいので、外力を受けたり、振動を受けたりした場合に、接触部153cは、側面部53cに沿って突出端子53の上下方向に移動する可能性がある。しかし、側面部53cが滑らかな凹面であって極小点53dを含むので、側面部53cに弾性的に押圧された接触部153cの位置は、常に極小点53dに収斂(れん)し、かつ、該極小点53dから離れると弾性的な押圧力が大きくなるので、接触部153cが側面部53cから離間してしまうことがない。つまり、側面部53cが凹面なので、外力を受けたり、振動を受けたりしても、側面部53cと接触部153cとの接触が確実に維持されるので、突出端子53と受容端子153との瞬断が生じることがない。
次に、雌コネクタ101の構成について説明する。
図8は本発明の第1の実施の形態における雌コネクタの表面側から観た斜視図、図9は本発明の第1の実施の形態における雌コネクタの三面図、図10は本発明の第1の実施の形態における雌コネクタの層構造を示す分解図、図11は本発明の第1の実施の形態における雌コネクタの補強層の斜視図、図12は本発明の第1の実施の形態における雌コネクタの雌端子の変形例を示す上面図である。なお、図9において、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は下面図であり、図12において、(a)〜(d)は第1〜第4の変形例である。
本実施の形態において、雌コネクタ101は、シートコネクタの他方としての第2コネクタであって、矩形状の平面形状を備え、その相手方コネクタである前記第1コネクタとしての雄コネクタ1と電気的に接続されるとともに、図示されないプリント回路基板、フレキシブル回路基板等の基板の表面に実装される。この場合、前記雌コネクタ101は、平板状であり、その裏面が基板の表面と対向するように実装され、基板の導電トレースと電気的に接続される。
また、前記雌コネクタ101は、表面形状が略コ字状の平板状の枠体111を有する。該枠体111は、雌コネクタ101の幅方向(図8における右下と左上を結ぶ方向)に延在する横枠部111a、及び、該横枠部111aの両端から前方(図8における左下方)に向けて延出する縦枠部111bを備える。なお、該縦枠部111bの前端には、雄コネクタ1の中間凹部13と係合する幅広部113が形成されている。
そして、前記枠体111によって周囲を画定された矩形状の平面形状を備える扁(へん)平な凹部は、雄コネクタ1の接続部11を収容する接続凹部114である。該接続凹部114の底部114aは、下からベースフィルム115、導体パターン151及びカバーフィルム117の順に積層された層構造を備える平板状の部材である。なお、前記枠体111は、接続凹部114と比較すれば、厚肉の平板状の部材である。
また、前記雌コネクタ101は、例えば、枠体111の幅方向の寸法が約11〜16〔mm〕、枠体111の前後方向(図8における左下と右上を結ぶ方向)の寸法が約5〜7〔mm〕、枠体111の厚さ方向の寸法が約0.3〜0.5〔mm〕程度の寸法の平板状の部材であるが、その寸法は適宜変更することができる。
前記導体パターン151は、複数本の導電線として機能する第2導体としての雌導体であって、例えば、厚さが数〔μm〕〜数10〔μm〕のばね性を備える銅箔にエッチング加工等を施してパターニングすることによって形成されたものである。
図に示される例は、雌コネクタ101が電源への接続のために使用される場合を示し、導体パターン151は、互いに平行に並んで配設された一対の幅広パターン151a及び一対の幅狭パターン151bから成り、隣接する導体パターン151同士は、パターン分離空間152によって分離されている。例えば、幅広パターン151aはグランド線として使用され、幅狭パターン151bは電源線として使用される。なお、前記導体パターン151の本数、ピッチ及び配列の態様は、必要に応じて適宜変更することができる。例えば、雌コネクタ101が信号ラインの接続のために使用される場合であれば、各導体パターン151は、より幅の狭い線状体のように形成され、所定のピッチ、例えば、0.1〔mm〕程度で、多数本が互いに平行に並んで配設される。
図において、158a及び158bは、枠体111の横枠部111aより後方に向けて突出するように幅広パターン151a及び幅狭パターン151bと一体的に形成された幅広後方テール部及び幅狭後方テール部であり、図示されない基板の表面に形成された接続パッドにはんだ付等によって接続される。また、158cは、枠体111の幅広部113より前方に向けて突出するように幅広パターン151aと一体的に形成された前方テール部であり、図示されない基板の表面に形成された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記幅広後方テール部158a、幅狭後方テール部158b及び前方テール部158cを統合的に説明する場合には、テール部158として説明する。該テール部158が接続パッドに接続されることによって、雌コネクタ101が基板に固定されるとともに、導体パターン151が基板の対応する導電トレースと導通する。
前記導体パターン151における接続凹部114の底部114aに対応する部分には、複数の平板状端子である雌端子としての受容端子153が配設されている。該受容端子153は、その相手方端子である雄コネクタ1の突出端子53と嵌合して導通する部材であるから、その配列は前記突出端子53の配列と同様である。そして、突出端子53の配列の態様が変更された場合には、それに適合するように、受容端子153の配列の態様も変更される。さらに、導体パターン151も、雄コネクタ1の導体パターン51と導通する部材であるから、その配列は雄コネクタ1の導体パターン51の配列と同様であり、雄コネクタ1の導体パターン51の配列の態様が変更された場合には、それに適合するように、導体パターン151の配列の態様も変更される。
前記受容端子153の各々は、導体パターン151を厚さ方向に貫通する略矩形の端子収容開口154内に収容された部材であり、例えば、フォトリソグラフィ技術を利用したエッチング等の方法によって、導体パターン151をパターニングすることにより形成されている。典型的には、導体パターン151をパターニングすることによって形成されて残存したパターンが受容端子153であり、該受容端子153周囲の材料が除去された部分が端子収容開口154である。したがって、受容端子153の厚さ寸法は、導体パターン151の厚さ寸法と同等である。
そして、各受容端子153の平面形状は左右対称である。また、各受容端子153は、導体パターン151における受容端子153の周囲の部分、すなわち、端子収容開口154の周縁に接続された基部153a、該基部153aに接続された一対の腕部153d、各腕部153dの先端に接続された一対の接触部153c、及び、各接触部153cの先端に接続された一対の自由端部153bを備える。なお、左右の腕部153d、接触部153c及び自由端部153bは、互いに向合った左右対称の部材である。前記腕部153dは、ばねとして機能するカンチレバー状の部材であり、前記自由端部153b及び接触部153cは、腕部153dのばね性によって、雌コネクタ101の幅方向に弾性的に変位する。
また、前記端子収容開口154は、受容端子153の内側の内側開口154a及び受容端子153の外側の外側開口154bを含んでいる。前記内側開口154aは、受容端子153が雄コネクタ1の突出端子53と嵌合する際に、該突出端子53が進入して収容される部分であり、前記外側開口154bは、前記腕部153d、前記自由端部153b及び接触部153cの変位を許容する部分である。
なお、前記内側開口154aにおいて、対向する腕部153d同士の間の部分は、大きな面積を備え、典型的には、その幅寸法が突出端子53の先端部53bの幅寸法より大きく、また、その上下方向の寸法も突出端子53の先端部53bの上下方向の寸法より大きい。そのため、突出端子53は、内側開口154a内にスムーズに進入することができる。一方、対向する接触部153c同士の間の部分は、幅の狭い空間であり、典型的には、その幅寸法が突出端子53の極小点53dにおける幅寸法より小さい。そのため、内側開口154a内に収容された突出端子53が接触部153c同士の間に相対的に移動すると、接触部153c同士の間隔が突出端子53の側面部53cに当接して押広げられるので、腕部153dのばね性によって、接触部153cは突出端子53の側面部53cに押圧された状態になる。つまり、一対の接触部153cが突出端子53の側面部53cを両側から弾性的に挟持する。
なお、内側開口154aの形状は、接触部153c同士の間の部分に近付くと、幅寸法が漸減するような形状である。すなわち、対向する腕部153dの側端縁における接触部153cの近傍部分は、傾斜したテーパ形状を備える。そのため、突出端子53は、対向する接触部153c同士の間の部分にスムーズに進入することができる。
前記導体パターン151の幅方向両端近傍部分には、雄コネクタ1の挿入凸部56を収容する略矩形の開口である挿入凹部156が形成されている。該挿入凹部156の各々は、前記端子収容開口154と同様に、導体パターン151を厚さ方向に貫通する開口であり、例えば、フォトリソグラフィ技術を利用したエッチング等の方法によって、導体パターン151をパターニングすることにより形成されている。なお、前記挿入凹部156の前端近傍部分の外側縁には、係止凸部156aが形成されている。該係止凸部156aは、ばねとして機能するカンチレバー状の部材の先端に形成された凸部であり、前記カンチレバー状の部材のばね性によって、雌コネクタ101の幅方向に弾性的に変位する。そして、前記係止凸部156aは、雄コネクタ1の挿入凸部56の側縁に形成された係止凹部56aを係止し、雄嵌合ロック部22と雌嵌合ロック部122との係合が解除されることを防止する。
前記ベースフィルム115は、絶縁性の薄板部材である第2基板部としての雌基板部であり、例えば、ポリイミド等の樹脂から成るが、絶縁性を備えるものであれば、いかなる種類の材質であってもよい。そして、前記ベースフィルム115には、導体パターン151に形成された受容端子153及び挿入凹部156に対応する部位に、ベースフィルム115を厚さ方向に貫通する端子対応開口115a及び凹部対応開口115bが、それぞれ、形成されている。なお、前記受容端子153は、幅方向に延びる一対の列を形成し、かつ、前列と後列とにおける受容端子153が雌コネクタ101の前後方向に延在する直線上に位置するように配列されているところ、前記端子対応開口115aの各々は、前列と後列とにおける一対の受容端子153に対応するように、前後方向に長い矩形の形状を備える。
また、前記カバーフィルム117は、絶縁性の薄板部材である第2被覆板部としての雌被覆部であり、例えば、ポリイミド等の樹脂から成るが、絶縁性を備えるものであれば、いかなる種類の材質であってもよい。そして、前記カバーフィルム117には、導体パターン151に形成された受容端子153及び挿入凹部156に対応する部位に、カバーフィルム117を厚さ方向に貫通する端子対応開口117a及び凹部対応開口117bが、それぞれ、形成されている。なお、前記端子対応開口117aの各々は、前列と後列とにおける一対の受容端子153に対応するように、前後方向に長い矩形の形状を備える。
そして、前記ベースフィルム115、導体パターン151及びカバーフィルム117を積層して形成された接続凹部114の底部114aは、幅方向両端に配設された耳収容凹部121を備える。該耳収容凹部121は、ベースフィルム115の凹部対応開口115b、導体パターン151の挿入凹部156、及び、カバーフィルム117の凹部対応開口117bに対応し、底部114aを厚さ方向に貫通する開口となっている。また、端子収容開口154は、ベースフィルム115の端子対応開口115a、及び、カバーフィルム117の端子対応開口117aに対応し、底部114aを厚さ方向に貫通する開口となっている。なお、図に示される例においては、左右の幅広部113の間に対応する部分には導体パターン151及びカバーフィルム117が存在せず、ベースフィルム115のみが存在する。
さらに、前記カバーフィルム117の上には、枠補強層116が積層されている。該枠補強層116は、略コ字状の表面形状を備える薄板部材であり、例えば、ステンレス鋼等の金属、ポリイミド等の樹脂から成るが、いかなる種類の材質であってもよく、導電性の材質であっても、絶縁性の材質であってもよい。また、前記枠補強層116は、図10に示されるように、第1枠補強層116aと第2枠補強層116bとを積層して構成された部材であってもよいし、図11に示されるように、一体的に構成された単一の部材であってもよい。なお、図10に示されるように、第1枠補強層116aと第2枠補強層116bとを積層して構成する場合には、例えば、第1枠補強層116aの材質をステンレス鋼等の金属とし、第2枠補強層116bの材質をポリイミド等の樹脂とするように、別異の材質を組合せて使用することもできる。
前記枠補強層116は、枠体111の最上層を構成する部材であり、その表面形状は、枠体111の表面形状と一致する。そして、図11に示されるように、枠補強層116は、枠体111の幅広部113に対応する幅広部116cを有し、該幅広部116cの後端(図11における右上端)部は、嵌合ロック部としての雌嵌合ロック部122として機能する。前記幅広部113は、耳収容凹部121の前端(図8における左下端)に位置するので、前記雌嵌合ロック部122は、耳収容凹部121の前端部となり、雄コネクタ1の雄嵌合ロック部22と係合し、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合状態が維持されるようにロックする。
前記雌嵌合ロック部122は、裏面に形成された嵌合段部としての雌側段部123を備える。該雌側段部123は、枠補強層116の裏面から凹入するように形成された段部であり、枠補強層116の裏面及び雌コネクタ101の表面にほぼ直交するとともに、雌コネクタ101の幅方向に平行な方向に延在する段部端面123a、並びに、枠補強層116の裏面及び雌コネクタ101の表面に平行して延在する段差面123bを含んでいる。なお、前記段部端面123aは、ベースフィルム115の凹部対応開口115b、導体パターン151の挿入凹部156、及び、カバーフィルム117の凹部対応開口117bの前端縁に対応する。
本実施の形態において、平板状端子である受容端子153の平面形状は、必ずしも図8〜10に示されるような例に限定されるものではなく、図12(a)〜(d)に示されるような形状であってもよい。なお、図12(a)〜(d)における上側及び下側は、雌コネクタ101の後側(図8における右上側及び図9(a)における上側)及び前側(図8における左下側及び図9(a)における下側)に対応する。
図12(a)に示される例において、受容端子153の平面形状は左右対称であるとともに、上下対称である。前記受容端子153は、端子収容開口154の左右両側縁の各々に一対ずつ接続された基部153aを含み、左右対称な平面形状を備える左側部分と右側部分とに分離されている。そして、左側部分及び右側部分の各々は、上下の各基部153aに接続された腕部153d、及び、上下の腕部153dの先端を接続する接触部153cを備え、上下対称の平面形状を備える。
また、端子収容開口154は、左右の腕部153dの間に位置する上下一対の内側開口154a及び接触部153cの外側に位置する左右一対の外側開口154bを含んでいる。そして、左右の対向する接触部153c同士の間隔は、腕部153d同士の間隔よりも狭くなっている。
なお、内側開口154aの形状は、接触部153c同士の間の部分に近付くと、幅寸法が漸減するような形状である。すなわち、対向する腕部153dの側端縁における接触部153cの近傍部分は、傾斜したテーパ形状を備える。そのため、突出端子53は、対向する接触部153c同士の間の部分にスムーズに進入することができる。
図12(a)に示される例では、突出端子53を上下いずれの内側開口154aにも進入させることができるので、雄コネクタ1と雌コネクタ101とを嵌合させる際に、雄コネクタ1と雌コネクタ101との相対的位置の自由度が大きく、嵌合作業を容易に行うことができる。また、接触部153cの上下両側が腕部153dによって支持された、いわゆる両持ち梁(ばり)となっているので、接触部153cを支持するばね力が大きく、一対の接触部153cが突出端子53の側面部53cを両側から弾性的に挟持する力が大きく、側面部53cと接触部153cとの接触をより確実に維持することができる。
図12(b)に示される例において、受容端子153は、端子収容開口154の左右両側縁の各々に一対ずつ接続された基部153aを含み、左右対称な平面形状を備える左側部分と右側部分とに分離されている。そして、左側部分及び右側部分の各々は、上下の各基部153aに接続された腕部153d、及び、上下の腕部153dの先端を接続する接触部153cを備えるが、平面形状は上下対称ではない。
上側基部153a1は端子収容開口154の上縁近くに位置するが、下側基部153a2は端子収容開口154の上下のほぼ中間に位置する。そして、接触部153cは、端子収容開口154の上下の中間よりも下に寄った位置に存在する。また、上側腕部153d1の平面形状は、ほぼ直線又は大きく曲がったヘの字状であるが、下側腕部153d2の平面形状は、小さく曲がったJ字状又はU字状である。また、内側開口154aは、左右の上側腕部153d1の間に位置する。
なお、内側開口154aの形状は、接触部153c同士の間の部分に近付くと、幅寸法が漸減するような形状である。すなわち、対向する腕部153dの側端縁における接触部153cの近傍部分は、傾斜したテーパ形状を備える。そのため、突出端子53は、対向する接触部153c同士の間の部分にスムーズに進入することができる。
図12(b)に示される例では、内側開口154aは上側が下側より大きいので、図12(a)に示される例と比較して、一方(上側)の内側開口154aを大きくすることができ、雄コネクタ1と雌コネクタ101とを嵌合させる際に、雄コネクタ1と雌コネクタ101との相対的位置の自由度が大きく、嵌合作業を容易に行うことができる。また、上側の内側開口154aの大きさを図12(a)に示される例と同等にすれば、端子収容開口154全体の大きさを小さくすることができ、端子収容開口154及び受容端子153の配置密度を高くすることができる。さらに、上下の腕部153dの長さが長く、いわゆるばね長が長いので、接触部153cが弾性的に変位可能な範囲が広くなり、突出端子53の側面部53cの幅寸法の広範囲の変化に対応することができ、側面部53cと接触部153cとの接触をより確実に維持することができる。
図12(c)及び(d)に示される例において、受容端子153は、端子収容開口154の左右両側縁の各々に一対ずつ接続された基部153aを含み、左右対称な平面形状を備える左側部分と右側部分とに分離されている。そして、左側部分及び右側部分の各々は、上下の各基部153aに接続された腕部153d、及び、上下の腕部153dの先端を接続する接触部153cを備えるが、平面形状は上下対称ではない。
上側基部153a1は端子収容開口154の上縁近くに位置し、下側基部153a2は端子収容開口154の下縁近くに位置する。そして、接触部153cは、端子収容開口154の上下の中間よりも下に寄った位置に存在する。また、上側腕部153d1の平面形状は、ほぼ直線又は大きく曲がったヘの字状であるが、下側腕部153d2の平面形状は、小さく曲がったS字状又はN字状である。また、内側開口154aは、左右の上側腕部153d1の間に位置する。
図12(c)及び(d)に示される例では、下側腕部153d2の長さが図12(b)に示される例よりも長いので、ばね長がより長くなり、突出端子53の側面部53cの幅寸法のより広範囲の変化に対応することができる。なお、その他の点については、図12(b)に示される例と同様であるので、説明を省略する。
次に、前記構成の雄コネクタ1と雌コネクタ101とを嵌合する動作について説明する。
図13は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタと雌コネクタとの嵌合工程を示す図、図14は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタと雌コネクタとの嵌合工程が完了した状態を示す斜視図、図15は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタと雌コネクタとの嵌合工程が完了した状態を示す三面図、図16は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタと雌コネクタとの嵌合工程が完了した状態を示す要部拡大図であり図15(c)におけるF部拡大図である。なお、図13において、(a)〜(c)は各工程を示す図であり、図15において、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側断面図であり(b)におけるE−E矢視断面図である。
ここで、雌コネクタ101は、テール部158が図示されない基板の表面に形成された接続パッドにはんだ付等によって接続されることにより、前記基板に表面実装されているものとする。なお、雌コネクタ101は、その裏面が前記基板の表面と対向するような姿勢で実装される。また、前記基板は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、車両用ナビゲーション装置等の電子機器、家庭電化製品等の電気機器等に使用されるプリント回路基板や、フレキシブル回路基板、フレキシブルフラットケーブル等の平板状のケーブル等であるが、いかなる種類の基板であってもよい。
まず、オペレータは、図13(a)に示されるように、雄コネクタ1の姿勢を、突出端子53が形成された面が雌コネクタ101の表面に対向し、すなわち、雄コネクタ1の表面が雌コネクタ101の表面に対向し、かつ、接続部11の先端部11aが枠体111の横枠部111aの内側面と一致するような姿勢として、雄コネクタ1を雌コネクタ101の上方に位置付ける。
続いて、オペレータは、雄コネクタ1を雌コネクタ101に対して相対的に下降させ、すなわち、嵌合方向に移動させ、図13(b)に示されるように、接続部11が接続凹部114内に位置し、中間凹部13内に幅広部113が位置するようにして、雄コネクタ1の嵌合面である表面と雌コネクタ101の嵌合面である表面とを当接させる。この場合、接続部11の先端部11aが枠体111の横枠部111aの内側面に当接又は近接するようにする。これにより、接続部11と接続凹部114とが係合し、中間凹部13と幅広部113とが係合する。そして、接続部11の左右の耳部21が接続凹部114の左右の耳収容凹部121と係合し、耳部21の端に位置する挿入凸部56が耳収容凹部121の一部である挿入凹部156内に進入する。また、突出端子53の各々が、対応する受容端子153の内側の内側開口154a内に進入する。なお、接続部11の先端部11aは、枠体111の横枠部111aの内側面から離間する。
続いて、オペレータは、雄コネクタ1を雌コネクタ101に対して相対的にロック方向にスライドさせる。すなわち、雄コネクタ1の表面と雌コネクタ101の表面とを当接させた状態で雄コネクタ1を雌コネクタ101に対して後方(図13(b)における左下方)に相対的に移動させる。この場合、各突出端子53が対応する受容端子153の内側の内側開口154a内に進入しているとともに、左右の耳部21の挿入凸部56が左右の耳収容凹部121の挿入凹部156内に進入した状態でスライドしてガイドするので、雌コネクタ101に対する雄コネクタ1の姿勢が乱れることがない。
そして、図13(c)及び14に示されるように、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合が完了すると、雄コネクタ1における左右の耳部21の雄嵌合ロック部22が雌コネクタ101における左右の幅広部113の雌嵌合ロック部122と係合する。具体的には、雄嵌合ロック部22の雄側段部23が雌嵌合ロック部122の雌側段部123と噛(かみ)合った状態となり、雄側段部23の段部端面23a及び段差面23bが雌側段部123の段部端面123a及び段差面123bと対向して当接又は近接した状態となる。これにより、雄コネクタ1と雌コネクタ101とは、ロックされ、嵌合状態が維持される。
また、挿入凹部156の係止凸部156aが挿入凸部56の係止凹部56aを係止するので、雄コネクタ1が雌コネクタ101に対して相対的に反ロック方向にスライドすることが防止される。したがって、外力を受けたり、振動を受けたりしても、雄コネクタ1が雌コネクタ101に対して相対的に反ロック方向にスライドしてロックが解除されてしまうことがないので、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合状態が維持される。なお、オペレータの手指の力は、係止凸部156aに付与されたばね力よりも十分に大きいので、オペレータが雄コネクタ1を雌コネクタ101に対して相対的に反ロック方向にスライドさせた場合には、係止凸部156aと係止凹部56aとの係止を解除して、ロックを解除することができる。
さらに、雄コネクタ1を雌コネクタ101に対して相対的にロック方向、すなわち、後方にスライドさせると、受容端子153の内側の内側開口154a内に進入している突出端子53が、内側開口154a内を相対的に移動し、図16に示されるように、対向する接触部153c同士の間に進入する。これにより、接触部153c同士の間隔が突出端子53の側面部53cに当接して押広げられるので、腕部153dのばね性によって、接触部153cは突出端子53の側面部53cに押圧された状態になる。つまり、一対の接触部153cが突出端子53の側面部53cを両側から弾性的に挟持する。このように、接触部153cが突出端子53の側面部53cを挟持することも、嵌合状態を維持するために寄与する。
また、受容端子153が薄肉の部材であり、図16に示されるように、接触部153cの厚さ寸法が突出端子53の高さ寸法よりも小さいので、各部の寸法誤差(公差)、形状の歪(ゆが)み等に起因して、突出端子53と受容端子153との間に雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合方向に関する位置ずれが生じても、すべての突出端子53が対応する受容端子153の内側の内側開口154a内に確実に進入し、側面部53cと接触部153cとが確実に接触する。
なお、内側開口154aの形状は、接触部153c同士の間の部分に近付くと、幅寸法が漸減するような形状である。つまり、雌コネクタ101の前方(図13における左下方)に行くにつれて幅が狭くなるような形状である。また、図に示される例において、突出端子53の横断面の形状は、雄コネクタ1における後方(図13における左下方)が尖った形状である。そのため、後方に移動して対向する接触部153c同士の間に進入する際に、スムーズに進入して接触部153c同士の間隔を押広げることができる。
また、受容端子153が薄肉の部材であり、図16に示されるように、接触部153cの厚さ寸法が突出端子53の高さ寸法よりも小さいので、外力を受けたり、振動を受けたりした場合に、接触部153cは、側面部53cに沿って突出端子53の上下方向に移動する可能性がある。しかし、側面部53cが凹面であって極小点53dを含むので、側面部53cに弾性的に押圧された接触部153cの位置は、常に極小点53dに収斂し、かつ、極小点53dから離れると弾性的な押圧力が大きくなるので、接触部153cが側面部53cから離間してしまうことがない。つまり、側面部53cが凹面なので、外力を受けたり、振動を受けたりしても、側面部53cと接触部153cとの接触が確実に維持されるので、突出端子53と受容端子153との瞬断が生じることがない。
なお、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合を解除する動作については、雄コネクタ1と雌コネクタ101とを嵌合させるための動作と逆の動作にすぎないので、説明を省略する。
このように、本実施の形態において、シートコネクタとしての雌コネクタ101は、平板状の枠体111と、枠体111によって周囲を画定された接続凹部114であってその底部114aに平板状の導体パターン151が配設された接続凹部114とを含み、相手方コネクタとしての雄コネクタ1と嵌合し、接続凹部114は、雄コネクタ1の突出端子53と係合する受容端子153を含み、受容端子153は、導体パターン151をパターニングすることによって形成された平板状の部材であり、その内側に形成された内側開口154aを含むとともに、導体パターン151における受容端子153の周囲の部分に接続されている基部153aと、互いに対向する一対の接触部153cと、接触部153cと基部153aとを連結する腕部153dとを含み、対向する一対の接触部153c同士の間の間隔は、内側開口154aの幅寸法及び突出端子53の幅寸法より小さく、受容端子153が突出端子53と係合すると、一対の接触部153cが突出端子53を両側から弾性的に挟持する。
これにより、受容端子153と突出端子53との接触を安定的に維持することができ、瞬断の発生を確実に防止することができる。また、内側開口154aの幅が接触部153c同士の間の間隔より大きいので、突出端子53が受容端子153の内側開口154a内に容易に進入することができ、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合作業を容易に行うことができる。
そして、内側開口154aは、一対の接触部153c同士の間の部分に近付くと、幅寸法が漸減する形状を備える。これにより、突出端子53は、内側開口154a内から接触部153c同士の間に、スムーズに移動することができる。
また、基部153aは、導体パターン151における受容端子153の周囲の一方の部分及び他方の部分に接続されている上側基部153a1及び下側基部153a2を含み、腕部153dは、接触部153cと上側基部153a1及び下側基部153a2とを連結する上側腕部153d1及び下側腕部153d2を含み、内側開口154aは、対向する一対の上側腕部153d1同士の間の部分の方が、対向する一対の下側腕部153d2同士の間の部分よりも大きい。これにより、接触部153cの上下両側が腕部153dによって支持された、いわゆる両持ち梁となるので、接触部153cを支持するばね力が大きく、一対の接触部153cが突出端子53を両側から弾性的に挟持する力が大きく、突出端子53と接触部153cとの接触をより確実に維持することができる。また、上側の内側開口154aが大きいので、雄コネクタ1と雌コネクタ101とを嵌合させる際に、雄コネクタ1と雌コネクタ101との相対的位置の自由度が大きく、嵌合作業を容易に行うことができるとともに、受容端子153の配置密度を高くすることができる。
さらに、導体パターン151は、受容端子153の左右両側に存する枠と、枠と接触部153c又は腕部153dとの間に位置する左右一対の外側開口154bとを含み、上側基部153a1及び下側基部153a2は、左右両側の枠に接続されている。これにより、左右の隣接する受容端子153が接触することを防止することができる。また、上側基部153a1及び下側基部153a2の位置を任意に決定することができ、受容端子153の設計上の自由度が大きくなる。さらに、受容端子153をエッチングによって形成した場合には、受容端子153の厚さを極めて薄くすることができ、雌コネクタ101を低背化することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図17は本発明の第2の実施の形態における雌コネクタの層構造を示す分解図である。
本実施の形態において、雌コネクタ101は、前記第1の実施の形態で説明した例のように、電源への接続のために使用されるものでなく、信号ラインの接続のために使用されるものとして説明する。この場合、図17に示されるように、導体パターン151は、幅広パターン151a及び幅狭パターン151bから成るが、該幅狭パターン151bは、前記第1の実施の形態より幅が狭く、かつ、より多数である。そして、互いに平行に並んで配設された幅狭パターン151bの列の両側に、幅広パターン151aがそれぞれ配設されている。例えば、幅広パターン151aはグランド線として使用され、幅狭パターン151bは信号線として使用される。
そして、前記導体パターン151における接続凹部114の底部114aに対応する部分には、複数の平板状端子である雌端子としての受容端子153が配設されている。図に示される例において、受容端子153は、格子状に配列され、幅方向に延びる一対の列を形成するように配列されている。具体的には、幅広パターン151aにおいては、各列に1つの受容端子153が含まれ、幅狭パターン151bにおいては、各列に1つの受容端子153が含まれるとともに、前列(図17における左下側の列)と後列(図17における右上側の列)とにおける受容端子153は、雌コネクタ101の前後方向に延在する直線上に位置する。つまり、雌コネクタ101の前後方向及び左右方向に延在する軸を格子線とする矩形の平面状の格子を形成するように配列されている。
なお、前記第1の実施の形態においては、前列と後列とにおける受容端子153は同一の幅狭パターン151bに含まれていたが、本実施の形態においては、図17に示されるように、幅狭パターン151bは、前列における受容端子153と後列における受容端子153との間を通るパターン分離空間152によって、前後に分離されている。つまり、1本の幅狭パターン151bは、パターン分離空間152によって前後に、すなわち、前方幅狭パターン151bfと後方幅狭パターン151brとに分離され、前列と後列とにおける受容端子153は、前方幅狭パターン151bfと後方幅狭パターン151brとに含まれるように分離されている。同様に、幅広パターン151aも、パターン分離空間152によって前方幅広パターン151afと後方幅広パターン151arとに分離され、前列と後列とにおける受容端子153は、前方幅広パターン151afと後方幅広パターン151arとに含まれるように分離されている。
このように、雌コネクタ101の幅方向だけでなく前後方向にも受容端子153を分離して配列することによって、多数の信号線を高密度で接続することが可能となる。なお、受容端子153の相手方端子である突出端子53の配列の態様も、このような受容端子153の配列の態様と同様のものとなるが、ここでは、突出端子53及び該突出端子53を含む雄コネクタ1の説明を省略する。
そして、前後に分離された前方幅狭パターン151bf及び後方幅狭パターン151brは、それぞれ、はんだテール部としての前方に突出する前方幅狭テール部158bf、及び、後方に突出する後方幅狭テール部158brを備える。前記前方幅狭テール部158bf及び後方幅狭テール部158brは、図示されない基板の表面に形成された接続パッドにはんだ付等によって接続される。これにより、雌コネクタ101が基板に固定されるとともに、受容端子153を含む前方幅狭パターン151bf及び後方幅狭パターン151brは、それぞれ、基板の対応する導電トレースと個別に導通する。
なお、前記受容端子153の各々は、前記第1の実施の形態と同様に、例えば、フォトリソグラフィ技術を利用したエッチング等の方法によって、導体パターン151をパターニングすることにより形成されている。したがって、受容端子153の厚さ寸法は、導体パターン151の厚さ寸法と同等である。
また、ベースフィルム115は、前記第1の実施の形態のベースフィルム115と同様の部材であり、導体パターン151に形成された受容端子153及び挿入凹部156に対応する部位に、ベースフィルム115を厚さ方向に貫通する端子対応開口115a及び凹部対応開口115bが、それぞれ、形成されている。なお、本実施の形態における受容端子153は、幅方向に延びる一対の列を形成し、かつ、前列と後列とにおける受容端子153が分離されているので、端子対応開口115aの各々も、受容端子153の各々に対応するように、個別に分離され、雌コネクタ101の前後方向及び左右方向に延在する軸を格子線とする矩形の平面状の格子を形成するように配列されている。
なお、カバーフィルム117は、前記第1の実施の形態のカバーフィルム117と同様の部材であるが、前記第1の実施の形態のカバーフィルム117が備える端子対応開口117a及び凹部対応開口117bの範囲をすべて含むように、大きな単一の中央開口117cが形成されている。
次に、本実施の形態における受容端子153の平面形状について説明する。
図18は本発明の第2の実施の形態における雌コネクタの雌端子の例を示す第1の上面図、図19は本発明の第2の実施の形態における雌コネクタの雌端子の例を示す第2の上面図、図20は本発明の第2の実施の形態における雌コネクタの雌端子の例を示す第3の上面図、図21は本発明の第2の実施の形態における雌コネクタの雌端子の例を示す第4の上面図である。
本実施の形態における受容端子153は、前記第1の実施の形態における受容端子153と同様の平面形状を備えるものであってもよいが、図18〜21に示されるような平面形状を備えるものについて説明する。なお、図18〜21における上側及び下側は、雌コネクタ101の後側(図17における右上側)及び前側(図17における左下側)に対応する。
図18(a)〜(d)に示される例において、受容端子153は、端子収容開口154内に収容されていない。例えば、受容端子153は、フォトリソグラフィ技術を利用したエッチング等の方法によって、導体パターン151をパターニングすることにより形成されているが、幅の狭い前方幅狭パターン151bfの後端側又は後方幅狭パターン151brの前端側に形成されているので、パターニングすることによって受容端子153周囲の材料が除去された部分の周囲には、枠を形成するような材料が残されていない。このように、受容端子153が端子収容開口154内に収容されていない、すなわち、受容端子153の周囲又は左右に枠がないので、左右に隣接する受容端子153同士の間隔を狭くすることができ、雌コネクタ101の左右方向に関する受容端子153の配置密度を高くすることができ、雌コネクタ101の幅寸法を短くすることができる。
また、図18(a)〜(d)に示される例は、いずれも、上下対称でなく、厳密には左右対称でもない。なお、図18(a)〜(d)に示される例は、いずれも、後方幅狭パターン151brの前端側に形成されているものとして説明する。
図18(a)に示される例において、受容端子153は、後方幅狭パターン151brの本体に接続された部分である上端部153e1、及び、後方幅狭パターン151brの前端部に相当する部分である下端部153e2を含んでいる。前記上端部153e1及び下端部153e2は、導体パターン151における受容端子153の周囲の部分に相当する。前記上端部153e1は、右下部が欠落した略L字状の形状を備え、その上下に延在する部分の右側に左側部分及び右側部分の上側基部153a1が接続されている。また、左側部分及び右側部分の下側基部153a2は、幅方向中心で集合して左右一体となり、下端部153e2の上側に接続されている。
左側部分及び右側部分の下側腕部153d2及び接触部153cの平面形状は、左右対称である。そして、下側腕部153d2の平面形状は、小さく曲がったL字とJ字とを結合したような形状である。また、右側部分の上側腕部153d1の平面形状は、ほぼ直線又は大きく曲がったヘの字状であるが、左側部分の上側腕部153d1の平面形状は、更にL字を付加したような形状である。なお、上側基部153a1、下側腕部153d2及び接触部153cは幅狭の帯状であるが、上側腕部153d1は幅広の帯状である。
そして、接触部153cは、端子収容開口154の上下の中間よりも下に寄った位置に存在する。また、内側開口154aは、左右の上側腕部153d1の間に位置する。なお、内側開口154aの形状は、接触部153c同士の間の部分に近付くと、幅寸法が漸減するような形状である。すなわち、対向する上側腕部153d1の側端縁における接触部153cの近傍部分は、傾斜したテーパ形状を備える。そのため、突出端子53は、対向する接触部153c同士の間の部分にスムーズに進入することができる。また、左右の接触部153cの外側には、比較的大きな空間である外側空間154cが形成され、該外側空間154cによって、接触部153cの外側方向への変位を吸収する。そのため、突出端子53が対向する接触部153c同士の間の部分に進入して接触部153cが外側方向へ変位しても、左右方向に隣接する他の受容端子153と接触することがない。
図18(a)に示される例では、接触部153cが下に寄った位置にあるので、左右の上側腕部153d1の間の内側開口154aを大きくすることができ、雄コネクタ1と雌コネクタ101とを嵌合させる際に、雄コネクタ1と雌コネクタ101との相対的位置の自由度が大きく、嵌合作業を容易に行うことができる。また、少なくとも一方、典型的には、上側腕部153d1が短い方の上側基部153a1、図18(a)に示される例では左側部分の上側基部153a1が、クランク状の平面形状を備えるので、柔軟性が高く、突出端子53が端子収容開口154内に進入する際に上側腕部153d1又は上側基部153a1が受ける応力を分散することができる。さらに、下側腕部153d2の長さが長く、いわゆるばね長が長いので、接触部153cが弾性的に変位可能な範囲が広くなり、突出端子53の側面部53cの幅寸法の広範囲の変化に対応することができ、側面部53cと接触部153cとの接触をより確実に維持することができる。
図18(b)に示される例においても、図18(a)に示される例と同様に、受容端子153は、上端部153e1及び下端部153e2を含んでいる。なお、前記上端部153e1は、略矩形の形状を備え、その上下に延在する部分の右側に左側部分及び右側部分の上側基部153a1が接続されている。また、左側部分及び右側部分の下側基部153a2は、幅方向中心で集合して左右一体となり、下端部153e2の上側に接続されている。また、その他の部分、すなわち、上側腕部153d1、下側腕部153d2、接触部153c、上側基部153a1及び下側基部153a2の平面形状も、図18(a)に示される例とほぼ同様であるが、以下の3点において、図18(a)に示される例と相違する。
第1に、図18(b)に示される例では、上側腕部153d1が、図18(a)に示される例よりも幅広に形成されている。第2に、図18(b)に示される例では、下側腕部153d2の上下方向の長さが、図18(a)に示される例よりも短く形成されている。第3に、図18(b)に示される例では、接触部153cの外側を通り、上側腕部153d1と下側腕部153d2とを結ぶ直線的なブリッジ部153fが形成されている。
これら3点を有することによって、上側腕部153d1、下側腕部153d2、接触部153c、上側基部153a1及び下側基部153a2全体の、すなわち、受容端子153のばね強度が向上する。したがって、接触部153cが突出端子53の側面部53cを両側から挟持する力が向上し、接触部153cと側面部53cとの接圧が高くなるので、受容端子153と突出端子53との接触状態がより安定する。また、受容端子153の各部の過剰な撓(たわ)みが防止され、左右方向に隣接する受容端子153同士の接触が確実に防止される。
なお、その他の点の構成及び効果については、図18(a)に示される例と同様であるので、その説明を省略する。
図18(c)に示される例において、上端部153e1は、略矩形の形状を備え、その上下に延在する部分の右側に右側部分の上側基部153a1が接続され、左右に延在する部分の下側に左側部分の上側基部153a1が接続されている。また、上側基部153a1は、クランク状の平面形状を備えておらず、ほぼ直線状である。なお、各部の幅及び長さを除いて、その他の点の構成及び効果については、図18(a)に示される例と同様であるので、その説明を省略する。
図18(d)に示される例は、各部の幅及び長さを除いて、その他の点の構成及び効果について、図18(a)に示される例と同様であるので、その説明を省略する。
図19(a)〜(c)に示される例において、受容端子153は、図18(a)〜(d)に示される例と同様に、端子収容開口154内に収容されていない、すなわち、受容端子153の周囲又は左右に枠がない。また、図19(a)〜(c)に示される例は、いずれも、上下対称でなく、左右対称でもない。なお、図19(a)〜(c)に示される例は、図18(a)〜(d)に示される例と同様に、いずれも、後方幅狭パターン151brの前端側に形成されているものとして説明する。
図19(a)に示される例において、受容端子153は、後方幅狭パターン151brの本体に接続された部分である上端部153e1、及び、後方幅狭パターン151brの前端部に相当する部分である下端部153e2を含んでいる。前記上端部153e1は、略矩形の形状を備え、その左右に延在する部分に左側部分及び右側部分の上側基部153a1が接続されている。また、前記下端部153e2は、略矩形の形状を備え、その左右に延在する部分の右端に右側部分の下側基部153a2が接続されているが、左側部分の下側基部153a2は接続されていない。図19(a)に示される例では、左側部分の第2の基部である下側基部153a2は、上側基部153a1よりも外側において、上端部153e1に接続されている。
右側部分では、上側腕部153d1は、大きく曲がったヘの字状の平面形状を備え、その上端が上側基部153a1に接続されている。また、下側腕部153d2は、略S字状の平面形状を備え、その下端が下側基部153a2に接続されている。そして、上側腕部153d1の下端と下側腕部153d2の上端とは接触部153cによって接続されている。なお、該接触部153cは、上端部153e1と下端部153e2とのほぼ中間に位置する。
一方、左側部分では、上側腕部153d1は、右側部分の上側腕部153d1と対称の平面形状を備え、その上端が上側基部153a1に接続され、その下端が接触部153cの上端に接続されている。該接触部153cは、右側部分の接触部153cと対向する。また、下側腕部153d2は、略J字状の平面形状を備え、その長い部分の上端が第2の基部である下側基部153a2に接続され、その短い部分の上端が接触部153cの下端に接続されている。つまり、左側部分は、全体として略U字状の平面形状を備え、上側基部153a1及び下側基部153a2の2点において上端部153e1に接続され、下端部153e2には接続されていない。
図19(a)に示される例では、左側部分の下側腕部153d2の下端と下端部153e2との間が開口して外側空間154cに連通している。そのため、左右の上側腕部153d1の間の内側開口154aからだけでなく、左側部分の下側腕部153d2の下端と下端部153e2との間からも、突出端子53を対向する接触部153c同士の間の部分に進入させることができるので、雄コネクタ1と雌コネクタ101とを嵌合させる際に、雄コネクタ1と雌コネクタ101との相対的位置の自由度が大きく、嵌合作業を容易に行うことができる。また、上側基部153a1及び上側腕部153d1が、図18(a)〜(d)よりも幅狭であり、かつ、左側部分が下端部153e2に接続されていない、いわゆる片持ち梁の状態なので、柔軟性が高い。したがって、接触部153cが弾性的に変位可能な範囲が広くなり、突出端子53の側面部53cの幅寸法の広範囲の変化に対応することができ、側面部53cと接触部153cとの接触をより確実に維持することができる。
なお、その他の点の構成及び効果については、図18(a)〜(d)に示される例と同様であるので、その説明を省略する。
図19(b)に示される例において、受容端子153の右側部分及び左側部分は、上端部153e1及び下端部153e2に接続されている。前記上端部153e1及び下端部153e2は、略矩形の平面形状を備え、その左右両端に右側部分及び左側部分の上側基部153a1及び下側基部153a2が接続されている。また、互いに対向する左右の接触部153cは、上端部153e1と下端部153e2とのほぼ中間に位置する。
右側部分では、上側腕部153d1は、直線とU字とを組合せたような平面形状を備え、その上端が上側基部153a1に接続され、その下端が接触部153cに接続されている。また、下側腕部153d2も、直線とU字とを組合せたような平面形状を備え、その上端が接触部153cに接続され、その下端が下側基部153a2に接続されている。
一方、左側部分では、上側腕部153d1は、直線とU字とを組合せたような平面形状を備え、その上端が上側基部153a1に接続され、その下端が接触部153cに接続されている。また、下側腕部153d2は、L字とU字とを組合せたような平面形状を備え、その上端が接触部153cに接続され、その下端が下側基部153a2に接続されている。
なお、左側部分の上側腕部153d1及び下側腕部153d2のU字の部分は、右側部分の上側腕部153d1及び下側腕部153d2のU字の部分よりも上方に位置し、右側部分と左側部分とで、U字のように膨出する部分が相互に入れ子のようになって、幅方向の内側に突出している。また、その他の点の構成及び効果については、図19(a)に示される例と同様であるので、その説明を省略する。
図19(c)に示される例において、右側部分の上側腕部153d1は、L字とての字とを組合せたような形状を備え、左側部分の下側腕部153d2も、L字とての字とを組合せたような形状を備えている。
なお、その他の点の構成及び効果については、図19(b)に示される例と同様であるので、その説明を省略する。
図20(a)及び(b)に示される例において、受容端子153は、図12(a)〜(d)に示される例と同様に、端子収容開口154内に収容されている、すなわち、受容端子153の周囲又は左右に枠が存在する。また、図20(a)及び(b)に示される例は、いずれも、左右対称ではあるが、上下対称ではない。なお、図20(a)及び(b)に示される例は、図18(a)〜(d)に示される例と同様に、いずれも、後方幅狭パターン151brの前端側に形成されているものとして説明する。
図20(a)に示される例において、受容端子153は、端子収容開口154の左右両側縁の各々に一対ずつ接続された基部153aを含み、左右対称な平面形状を備える左側部分と右側部分とに分離されている。そして、左側部分及び右側部分の各々は、上下の各基部153aに接続された腕部153d、及び、上下の腕部153dの先端を接続する接触部153cを備えるが、平面形状は上下対称ではない。
上側基部153a1は端子収容開口154の上縁近くに位置するが、下側基部153a2は端子収容開口154の上下のほぼ中間に位置する。そして、接触部153cは、端子収容開口154の上下の中間よりも下に寄った位置に存在する。また、上側腕部153d1の平面形状は、ほぼ直線又は大きく曲がったヘの字状であるが、下側腕部153d2の平面形状は、小さく曲がったJ字状又はU字状である。また、内側開口154aは、左右の上側腕部153d1の間に位置する。
なお、内側開口154aの形状は、接触部153c同士の間の部分に近付くと、幅寸法が漸減するような形状である。すなわち、対向する腕部153dの側端縁における接触部153cの近傍部分は、傾斜したテーパ形状を備える。そのため、突出端子53は、対向する接触部153c同士の間の部分にスムーズに進入することができる。
図20(a)に示される例では、内側開口154aは上側が下側より大きいので、一方(上側)の内側開口154aを大きくすることができ、雄コネクタ1と雌コネクタ101とを嵌合させる際に、雄コネクタ1と雌コネクタ101との相対的位置の自由度が大きく、嵌合作業を容易に行うことができる。また、端子収容開口154全体の大きさを小さくすることができ、端子収容開口154及び受容端子153の配置密度を高くすることができる。さらに、上下の腕部153dの長さが長く、いわゆるばね長が長いので、接触部153cが弾性的に変位可能な範囲が広くなり、突出端子53の側面部53cの幅寸法の広範囲の変化に対応することができ、側面部53cと接触部153cとの接触をより確実に維持することができる。さらに、図12(b)に示される例と比較して、上側腕部153d1及び下側腕部153d2の幅が狭いので、柔軟性が高く、接触部153cが弾性的に変位可能な範囲が広くなり、突出端子53の側面部53cの幅寸法の広範囲の変化に対応することができ、側面部53cと接触部153cとの接触をより確実に維持することができる。
なお、その他の点の構成及び効果については、図12(b)に示される例と同様であるので、その説明を省略する。
図20(b)に示される例において、受容端子153は、幅方向の寸法が図20(a)に示される例と同等であるのに対し、上下方向の寸法が図20(a)に示される例よりも大きい。すなわち、図20(a)に示される例と比較して、受容端子153の各部の寸法が上下方向に細長く形成されている。そのため、柔軟性がより高く、接触部153cが弾性的に変位可能な範囲がより広くなり、突出端子53の側面部53cの幅寸法のより広範囲の変化に対応することができ、側面部53cと接触部153cとの接触を更に確実に維持することができる。
なお、その他の点の構成及び効果については、図20(a)に示される例と同様であるので、その説明を省略する。
図21(a)〜(d)に示される例において、受容端子153は、図20(a)及び(b)に示される例と同様に、端子収容開口154内に収容されている、すなわち、受容端子153の周囲又は左右に枠が存在する。また、図21(a)〜(d)に示される例は、いずれも、左右対称でなく、上下対称でもない。なお、図21(a)〜(d)に示される例は、図20(a)及び(b)に示される例と同様に、いずれも、後方幅狭パターン151brの前端側に形成されているものとして説明する。
図21(a)に示される例において、上側基部153a1及び下側基部153a2は、端子収容開口154の上縁及び下縁近くにおける側縁に接続されているが、左側部分及び右側部分ともに、上側基部153a1は左側縁に接続され、下側基部153a2は右側縁に接続されている。
右側部分において、上側基部153a1はL字状の平面形状を備え、その下端に上側腕部153d1が接続されている。該上側腕部153d1は、大きく曲がったヘの字状の平面形状を備え、その下端に接触部153cが接続されている。そして、該接触部153cの下端には、大きく曲がったヘの字とJ字とを組合せたような平面形状を備える下側腕部153d2が接続されている。さらに、該下側腕部153d2の下端には、略P字状又はΠ字状の平面形状を備える下側基部153a2が接続されている。
一方、左側部分において、上側基部153a1は略P字状又はΠ字状の平面形状を備え、一端に上側腕部153d1が接続されている。該上側腕部153d1は、大きく曲がったヘの字とP字とを組合せたような平面形状を備え、その下端に接触部153cが接続されている。そして、該接触部153cの下端には、大きく曲がったヘの字状の平面形状を備える下側腕部153d2が接続されている。さらに、該下側腕部153d2の下端には、L字状の平面形状を備える下側基部153a2が接続されている。
また、端子収容開口154は、左右の腕部153dの間に位置する上下一対の内側開口154a及び接触部153cの外側に位置する左右一対の外側開口154bを含んでいる。そして、左右の対向する接触部153c同士の間隔は、腕部153d同士の間隔よりも狭くなっている。
そして、接触部153cは、端子収容開口154の上下の中間よりも下に寄った位置に存在する。また、内側開口154aは、左右の上側腕部153d1の間に位置する。なお、内側開口154aの形状は、接触部153c同士の間の部分に近付くと、幅寸法が漸減するような形状である。すなわち、対向する上側腕部153d1の側端縁における接触部153cの近傍部分は、傾斜したテーパ形状を備える。そのため、突出端子53は、対向する接触部153c同士の間の部分にスムーズに進入することができる。
図21(a)に示される例では、内側開口154aは上側が下側より大きいので、上側の内側開口154aを大きくすることができ、雄コネクタ1と雌コネクタ101とを嵌合させる際に、雄コネクタ1と雌コネクタ101との相対的位置の自由度が大きく、嵌合作業を容易に行うことができる。また、図20(a)及び(b)に示される例と比較すると、上側基部153a1及び下側基部153a2が、細長い平面形状を備えるので、柔軟性が高く、突出端子53が端子収容開口154内に進入する際に上側腕部153d1又は上側基部153a1が受ける応力を分散することができる。
なお、その他の点の構成及び効果については、図20(a)及び(b)に示される例と同様であるので、その説明を省略する。
図21(b)に示される例において、上側基部153a1及び下側基部153a2は、端子収容開口154の上縁及び下縁近くにおける左右の両側縁に、それぞれ、接続されている。
右側部分において、上側基部153a1はL字状の平面形状を備え、その下端に上側腕部153d1が接続されている。該上側腕部153d1は、大きく曲がったヘの字状の平面形状を備え、その下端に接触部153cが接続されている。そして、該接触部153cの下端には、大きく曲がったヘの字状の平面形状を備える下側腕部153d2が接続されている。さらに、該下側腕部153d2の下端には、略P字状又はΠ字状の平面形状を備える下側基部153a2が接続されている。
一方、左側部分において、上側基部153a1は略P字状又はΠ字状の平面形状を備え、一端に上側腕部153d1が接続されている。該上側腕部153d1は、大きく曲がったヘの字とP字とを組合せたような平面形状を備え、その下端に接触部153cが接続されている。そして、該接触部153cの下端には、大きく曲がったヘの字状の平面形状を備える下側腕部153d2が接続されている。さらに、該下側腕部153d2の下端には、L字状の平面形状を備える下側基部153a2が接続されている。
図21(b)に示される例では、図21(a)に示される例と比較して、上側腕部153d1、下側腕部153d2、接触部153c、上側基部153a1及び下側基部153a2の一部の幅寸法が大きいので、受容端子153のばね強度が向上する。したがって、接触部153cが突出端子53の側面部53cを両側から挟持する力が向上し、接触部153cと側面部53cとの接圧が高くなるので、受容端子153と突出端子53との接触状態がより安定する。
なお、その他の点の構成及び効果については、図21(a)に示される例と同様であるので、その説明を省略する。
図21(c)に示される例において、下側基部153a2は、端子収容開口154の下縁近くにおける左右の両側縁に、それぞれ、接続されているが、上側基部153a1は、左側部分及び右側部分ともに、端子収容開口154の上縁近くにおける左側縁に接続されている。
右側部分において、上側基部153a1はL字状の平面形状を備え、その下端に上側腕部153d1が接続されている。該上側腕部153d1は、大きく曲がったヘの字状の平面形状を備え、その下端に接触部153cが接続されている。そして、該接触部153cの下端には、大きく曲がったヘの字とJ字とを組合せたような平面形状を備える下側腕部153d2が接続されている。さらに、該下側腕部153d2の下端には、略P字状又はΠ字状の平面形状を備える下側基部153a2が接続されている。
一方、左側部分において、上側基部153a1は略U字状の平面形状を備え、一端に上側腕部153d1が接続されている。該上側腕部153d1は、大きく曲がったヘの字の平面形状を備え、その下端に接触部153cが接続されている。そして、該接触部153cの下端には、大きく曲がったヘの字状の平面形状を備える下側腕部153d2が接続されている。さらに、該下側腕部153d2の下端には、L字状の平面形状を備える下側基部153a2が接続されている。
また、端子収容開口154は、左右の腕部153dの間に位置する上下一対の内側開口154a及び接触部153cの外側に位置する左右一対の外側開口154bを含んでいる。そして、左右の対向する接触部153c同士の間隔は、腕部153d同士の間隔よりも狭くなっている。
そして、接触部153cは、端子収容開口154の上下のほぼ中間に位置する。また、内側開口154aは、左右の上側腕部153d1の間、及び、左右の下側腕部153d2の間に位置する。なお、内側開口154aの形状は、接触部153c同士の間の部分に近付くと、幅寸法が漸減するような形状である。
図21(c)に示される例では、突出端子53を上下いずれの内側開口154aにも進入させることができるので、雄コネクタ1と雌コネクタ101とを嵌合させる際に、雄コネクタ1と雌コネクタ101との相対的位置の自由度が大きく、嵌合作業を容易に行うことができる。
なお、その他の点の構成及び効果については、図21(a)に示される例と同様であるので、その説明を省略する。
図21(d)に示される例において、受容端子153の平面形状は、ほぼ点対称である。そして、上側基部153a1及び下側基部153a2は、端子収容開口154の上縁及び下縁近くにおける側縁に接続されているが、左側部分及び右側部分ともに、上側基部153a1は左側縁に接続され、下側基部153a2は右側縁に接続されている。
右側部分において、上側基部153a1はL字状の平面形状を備え、その下端に上側腕部153d1が接続されている。該上側腕部153d1は、大きく曲がったヘの字状の平面形状を備え、その下端に接触部153cが接続されている。そして、該接触部153cの下端には、大きく曲がったヘの字の平面形状を備える下側腕部153d2が接続されている。さらに、該下側腕部153d2の下端には、略U字状の平面形状を備える下側基部153a2が接続されている。
一方、左側部分において、上側基部153a1は略U字状の平面形状を備え、一端に上側腕部153d1が接続されている。該上側腕部153d1は、大きく曲がったヘの字の平面形状を備え、その下端に接触部153cが接続されている。そして、該接触部153cの下端には、大きく曲がったヘの字状の平面形状を備える下側腕部153d2が接続されている。さらに、該下側腕部153d2の下端には、L字状の平面形状を備える下側基部153a2が接続されている。
なお、その他の点の構成及び効果については、図21(c)に示される例と同様であるので、その説明を省略する。
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。