JP5634253B2 - デオドラント組成物 - Google Patents
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Description
これらの体臭の原因である低級脂肪酸に対して、酸化亜鉛は、高い防臭作用があり、またクロルヒドロキシアルミニウム等のアルミニウム化合物は、制汗作用及び抗菌作用を有することが知られている。
しかし、親水性の高い活性剤は、コート樹脂を劣化させ、内溶液が浸透あるいは割れ目から進入し、金属地部と接触してしまうため、腐食防止作用が十分でない点で問題であった。
これに対し、特許文献3では、液化石油ガスと無機粉末を含有し、ソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルを無機粉末に対して一定の割合で配合することで、粉末の分散性及び使用性を向上させた粉末含有エアゾール組成物が提案されている。
しかし、前記粉末含有エアゾール組成物の分散性は十分なものではなく、また金属容器への腐食防止作用を有さない点で問題であった。
<1> (A)水溶性のアルミニウム塩と、(B)酸化亜鉛と、(C)HLBが5以上10未満である非イオン性界面活性剤と、を含有し、前記(B)成分の含有量が1質量%〜4質量%であり、前記(B)成分の含有量と、前記(C)成分の含有量との質量比が、(C)/(B)=3〜15であることを特徴とするデオドラント組成物である。
<2> (A)成分の含有量が、10質量%〜25質量%である前記<1>に記載のデオドラント組成物である。
<3> (B)成分が、水溶性高分子化合物に分散されてなる複合粉体及び無水ケイ酸に担持されてなる複合粉体の少なくともいずれかとして用いられる前記<1>から<2>のいずれかに記載のデオドラント組成物である。
<4> (C)成分が、エステル構造を有する非イオン性界面活性剤及びポリエーテル変性シリコーンの少なくともいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載のデオドラント組成物である。
<5> (C)成分が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、側鎖型ポリエーテル変性シリコーン、及びABN型ポリエーテル変性シリコーンから選択される少なくともいずれかである前記<1>から<4>のいずれかに記載のデオドラント組成物である。
<6> (C)成分の含有量が、10質量%〜20質量%である前記<1>から<5>のいずれかに記載のデオドラント組成物である。
<7> (D)無水ケイ酸、マグネシアシリカ、及びタルクの少なくともいずれかである粉体を更に含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載のデオドラント組成物である。
<8> (D)成分の含有量が、1質量%〜10質量%である前記<7>に記載のデオドラント組成物である。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のデオドラント組成物と、噴射剤とを含有し、エアゾール容器に収容されることを特徴とするエアゾール型デオドラントスプレー剤である。
<10> エアゾール容器が、アルミニウム及びブリキの少なくともいずれかからなる前記<9>に記載のエアゾール型デオドラントスプレー剤である。
<11> 噴射剤が、ジメチルエーテル、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、液化石油ガス(LPG)、液化ガス、炭酸ガス、及び窒素ガスの少なくともいずれかである前記<9>から<10>のいずれかに記載のエアゾール型デオドラントスプレー剤である。
<12> デオドラント組成物の含有量と、噴射剤の含有量との質量比が、デオドラント組成物/噴射剤=20/20〜1/99である前記<9>から<11>のいずれかに記載のエアゾール型デオドラントスプレー剤である。
本発明のデオドラント組成物は、少なくとも(A)水溶性のアルミニウム塩と、(B)酸化亜鉛と、(C)非イオン性界面活性剤と、を含有し、好ましくは、(D)粉体を含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
なお、本発明のデオドラント組成物がエアゾール型デオドラントスプレー剤として用いられる場合、前記デオドラント組成物の組成は、噴射剤を含まない該デオドラント組成物の原液中の組成とする。
前記(A)成分である水溶性のアルミニウム塩は、制汗作用を付与する目的で配合される。
本発明において、水溶性とは、アルミニウム塩が水に溶けて水溶液を作る性質をいう。
前記(A)成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、ブロモヒドロキシアルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム/ジルコニウム、硫酸アルミニウムカリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記(A)成分は、クロルヒドロキシアルミニウムが、防臭作用が高い点で好ましい。
前記(B)成分である酸化亜鉛は、防臭作用を付与する目的で用いられる。前記(B)成分は、前記(A)成分と組み合わせることで、より高い防臭作用を発揮する。
前記(B)成分の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜1μmが好ましく、0.1μm〜0.6μmがより好ましい。前記平均粒径が、0.01μm未満であると、防臭作用が低下することがあり、1μmを超えても、比表面積が小さくなり、防臭作用が低下することがある。
前記(B)成分の形態としては、前記(B)成分のみの単一の成分であってもよく、前記(B)成分と、他の成分とからなる複合粉体の形態であってもよく、これらの形態を併用してもよい。
前記複合粉体を形成する他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性高分子化合物などが挙げられる。また、前記複合粉体は、更に液状油を含有することが好ましい。
これに対して前記複合粉体が分散タイプであると、水分の接触により部分的に崩壊し、該崩壊部分に分散している被保持物である前記(B)成分のみが放出されるため、前記(B)成分を徐放させる機構として優れた構造を有しており、防臭作用及びその持続性が高い点で好ましい。
また、前記複合粉体が担持タイプであると、外殻基剤の表面に前記(B)成分の微粒子が配されているため防臭作用が高く、更に前記(B)成分が凝集しにくいため分散性が良好である点で好ましい。
前記SEM−EDS分析法に用いる測定機器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、走査電子顕微鏡(日立 S−2380N)、X線分析装置(HORIBA EMAX−7000)などが挙げられる。
なお、前記(B)成分の平均粒径は、複合粉体の形態であっても前記(B)成分単体の場合と同様であることが好ましい。
前記複合粉体における前記(B)成分の含有量としては、前記デオドラント組成物における前記(B)成分の含有量が1質量%〜4質量%の範囲となる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記水溶性高分子化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然デンプン又は変性デンプン、アラビアガム、グリコーゲン、キサンタンガム、グアガム、ショ糖、ラクトース、トレハロース、グンチアノース等のオリゴ糖類、デキストリン、植物ゴム、ペクチン、アルギネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記水溶性高分子化合物は、前記(B)成分の分散性を高め、疎水基を有し、界面活性能を有する水溶性高分子化合物が好ましく、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウムがより好ましい。
また、前記デオドラント組成物における前記水溶性高分子化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜5質量%が好ましい。
前記液状油とは、常温(15℃〜25℃)で液状の油をいう。
前記液状油としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動パラフィン、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、オレイン酸エチル、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記(B)成分の分散性の点から、ミリスチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチルが好ましい。
その機構は明確ではないが、前記(B)成分に対する液状油の割合が多すぎると、前記複合粉体が崩壊しすぎて前記(B)成分が凝集するおそれがある。一方、前記(B)成分に対する液状油の割合が少なすぎると、前記複合粉体が崩壊しにくく、前記(B)成分が放出され難くなるものと推定される。また、液状油の割合が多すぎると、べたついて使用感が低下することがある。
また、前記デオドラント組成物における前記液状油の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜5質量%が好ましい。
前記複合粉体の製造方法としては、特に制限はなく、従来のマイクロカプセル化手法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、相分離法、オリフィス法、液中硬化法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法などが挙げられる。これらの中でも、噴霧乾燥法が好ましい。
ここで、予め前記(B)成分を液状油に分散させた分散液を用いることで、複合粉体中の前記(B)成分を水溶性高分子化合物に均一に分散させることができ、結果として、防臭作用及びその持続性の向上を図ることができる。
前記(C)成分である非イオン性界面活性剤は、HLBが5以上10未満の非イオン性界面活性剤である。前記デオドラント組成物が前記(C)成分を含有すると、前記(B)成分の分散性や金属容器に対する腐食性を改善できる点で有利である。
前記(C)成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖又は分岐のアルキル基(炭素数12〜22)を有するポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸(炭素数12〜22)エステル、ソルビタン脂肪酸(炭素数12〜22)エステル、脂肪酸(炭素数12〜22)POE硬化ヒマシ油、脂肪酸(炭素数12〜22)POEグリセリル、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。前記ポリエーテル変性シリコーンは、親水性及び親油性を調整できる界面活性能を有し、非イオン性界面活性剤の一種である。
これらの非イオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、腐食性、粉体の分散性の点から、エステル構造を有する非イオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンが好ましく、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーンがより好ましく、肌への白残りの点から、ポリエーテル変性シリコーンが特に好ましい。
前記エステル構造を有する非イオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、公知のエステル構造を有する非イオン性界面活性剤の中から、目的に応じて適宜選択することができ、市販品の具体例としては、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−10(商品名:EMALEX DISG−6、HLB8)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(商品名:EMALEX DISG−6、HLB7)、トリイソステアリン酸POE硬化ヒマシ油(商品名:EMALEX RWIS−315 HLB5)、ステアリン酸ソルビタン(商品名:EMALEX SPE−100S、HLB9)、POE(2)セチルエーテル(商品名:EMALEX 102、HLB5)、POE(5)イソステアリルエーテル(商品名:EMALEX 1805、HLB8)、POE(10)デシルテトラデシルエーテル(商品名:EMALEX 2410、HLB9)(以上、日本エマルジョン株式会社製)などが挙げられる。
なお、前記エステル構造を有する非イオン性界面活性剤の例において、括弧内の数値はPOEの重合度を表す。
前記ポリエーテル変性シリコーンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖共重合ABN型、側鎖型(ペンダント型)、両末端型、側鎖両末端型のポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。これらの中でも、直鎖共重合ABN型、側鎖型(ペンダント型)が好ましい。
前記ABN型とは、ポリエーテルとシリコーンの直鎖状のブロック共重合体である。
前記ABN型のポリエーテル変性シリコーンとしては、特に制限はなく、公知のABN型のポリエーテル変性シリコーンの中から、目的に応じて適宜選択することができ、市販品の具体例としては、ポリシリコーン−13(商品名:FZ2222、HLB6、東レ・ダウコーニング株式会社製)などが挙げられる。
前記側鎖型(ペンダント型)としては、例えば、下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン基を有するオルガノポリシロキサンなどが挙げられる。
なお、前記ポリエーテル変性シリコーンの例において、括弧内の数値はPEG又はPPG(ポリプロピレングリコール)の重合度を表す。
前記(D)成分である粉体は、無水ケイ酸、マグネシアシリカ、及びタルクの少なくともいずれかである。これらの中でも、マグネシアシリカが好ましい。前記デオドラント組成物が前記(D)成分を含有すると、更に防臭作用が向上する点で有利である。
前記(D)成分は、粉体表面が親水性処理されているものが、汗を吸収する点で好ましく、該親水性処理としては、例えば、セルロース処理、寒天処理、デオキシリボ核酸処理、レシチン処理、ポリアクリル酸処理、シリカ処理、アルミナ処理、ジルコニア処理などが挙げられ、これらの1種以上を組み合わせて使用することが可能である。
前記デオドラント組成物に、前記(D)成分を含有すると、防臭作用が向上する点で好ましい。また、前記複合粉体の流動性(ハンドリング)及び使用感を向上させることもできる。
なお、前記(B)成分が無水ケイ酸に担持されてなる複合粉体である場合、前記(D)成分の含有量は、前記複合粉体における無水ケイ酸の含有量を除いた質量とする。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、本発明の作用を損なわない範囲で、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、油脂類、ワックス類、シリコーン類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、前記(C)成分を除く界面活性剤、高分子化合物、酸化防止剤、色素、乳化安定剤、pH調整剤、収斂剤、防腐剤、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、増粘剤、清涼剤、抗炎症剤、殺菌剤、アミノ酸、ビタミン剤、各種植物抽出エキスなどが挙げられる。
なお、前記デオドラント組成物は、組成物の経時安定性の点から、実質的に水無配合で、水フリーのものが好ましく、原料に含まれる水分によっても、デオドラント組成物中の水分量を5質量%以下にすることが好ましい。
前記デオドラント組成物は、1種単独で使用されてもよいし、他の成分を有効成分とするデオドラント組成物と併用されてもよい。また、前記デオドラント組成物は、他の成分を有効成分とするデオドラント組成物中に、配合された状態で使用されてもよい。
本発明のデオドラント組成物の剤型としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固形剤、半固形剤、ジェル剤、液剤などが挙げられる。これらの中でも、前記デオドラント組成物の剤型は、デオドラントスプレー剤が好ましく、エアゾール型デオドラントスプレー剤がより好ましい。
前記各種剤型の製造方法としては、特に制限はなく、常法の中から適宜選択することができる。
前記噴射剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルエーテル、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ネオペンタン等の液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)等の液化ガス、炭酸ガス、窒素ガスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記デオドラント組成物(原液)の含有量と、噴射剤の含有量との質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、デオドラント組成物(原液)/噴射剤=20/80〜1/99が好ましい。
本発明のデオドラント組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分と、前記(B)成分とを容器に入れ、よく振り混ぜて均一にし、粉体混合物を調製し、次に、前記(C)成分、更に必要に応じて、前記(D)成分及び前記その他の成分を均一に混合し、液体混合物とし、該液体混合物に前記粉体混合物を均一に混合する方法などが挙げられる。
前記デオドラント組成物を収容する容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エアゾール容器が好ましい。
前記エアゾール容器は、エアゾール缶、バルブ、塗膜剤からなる容器である。
前記エアゾール缶の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ブリキなどが挙げられる。
前記バルブの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ブリキなどが挙げられる。
前記塗膜剤とは、前記エアゾール缶やバルブの、前記エアゾール組成物と接する側に腐食防止のために塗膜するものである。前記塗膜剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、汎用で安価なエポキシフェノール樹脂などが挙げられる。
通常、酸化亜鉛を含有する組成物金属容器、特にブリキからなる容器に収容すると、酸化亜鉛が該容器の金属を腐食させてしまうが、本発明のデオドラント組成物は、腐食性を有さないため、安価なブリキからなる容器に収容可能であり、安価にエアゾール型デオドラントスプレーを製造できる点で有利である。
本発明のデオドラント組成物は、優れた制汗作用及び防臭作用を有し、粉体を凝集させることなく分散性が良好であり、金属容器に対する腐食性を有さないため、化粧料、医薬品、医薬部外品などに適用することができ、腋等の身体用デオドラント組成物として好適に利用可能である。具体的には、デオドラントスプレー、デオドラントミスト、デオドラントシート、デオドラントスティック、デオドラントロールオン、デオドラント用ファンデーションなどに好適に利用可能である。
表1〜15に示す組成及び配合量の実施例及び比較例のデオドラント組成物を下記製造方法に従い製造し、得られたデオドラント組成物について、下記に示す方法により、防臭作用の評価、腐食性の評価、粉体分散性の評価、及び肌への白残りのなさの評価を行った。ただし、表1〜15に示す配合量は、特に明記がない限り純分換算したデオドラント組成物の質量%を示す。
酸化亜鉛2は、酸化亜鉛複合粉体(シムライズ株式会社製)であり、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウム(水溶性高分子成分)を主成分とする外殻基剤で酸化亜鉛を分散させた固体粒子である。なお、酸化亜鉛複合粉体1における酸化亜鉛の含有量は34.5質量%である。
酸化亜鉛3は、酸化亜鉛複合粉体であり、AGCエスアイテック株式会社にて製造したものであり、無水ケイ酸の表面に酸化亜鉛を担持させた固体粒子である。なお、酸化亜鉛複合粉体2における酸化亜鉛((B)成分)の含有量は、29.9質量%である。
−実施例1〜85、比較例8及び9−
表1〜15に示す粉体状の(A)成分及び(B)成分を樹脂製容器に入れ、よく振り混ぜて均一にし、粉体混合物とした。次に、表1〜15に示す原液の組成において、前記粉体混合物の調製に用いた組成物を除いた残りの組成物を均一に混合し、液体混合物とし、これに粉体混合物を均一に混合したものを原液とした。次に、この原液をアルミニウム製のエアゾール缶に入れ、バルブ(ストレートシャンクアルミバルブ又はストレートシャンクブリキバルブ)でクリンチした。その後、原液の含有量と噴射剤の含有量との質量比(原液/噴射剤)が7/93となるように、噴射剤を充填した。
なお、前記エアゾール缶及び前記バルブは、原液と接触する面にエポキシフェノールでコートされたものである。表1〜15において、アルミニウム製のエアゾール缶及びストレートシャンクアルミバルブ(共に、エポキシフェノールでコートしたもの)を用いたものは「A」、アルミニウム製のエアゾール缶及びストレートシャンクブリキバルブ(共に、エポキシフェノールでコートしたもの)を用いたものは「B」で示した。
実施例1において、(A)成分を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のデオドラント組成物を調製した。
実施例1において、(B)成分を配合しなかったこと以外は、実施例と同様にして比較例2のデオドラント組成物を調製した。
実施例1において、(C)成分を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例3のデオドラント組成物を調製した。
実施例1において、(C)成分を、表15に示す(C’)成分に代えたこと以外は、実施例1と同様にして比較例4〜7のデオドラント組成物を調製した。
被験者の男女20名に対し、各々一方の腋窩部には何も処理せず(以下、「無噴霧側」と称することがある。)、他方の腋窩部に実施例1〜85及び比較例1〜9のデオドラント組成物をそれぞれ50mg噴霧した(以下、「噴霧側」と称することがある。)。その後、噴霧開始から8時間後に、各被験者の両方の腋窩部全体をそれぞれ乾いたガーゼで10往復拭き取り、腋窩部の防臭作用について、下記評点に基づき採点し、被験者20名の平均値を算出し、下記評価基準に基づいて評価した。結果を表1〜15にそれぞれ示す。
−評点−
2点:噴霧側は、無噴霧側よりも防臭作用が非常に高いと感じる
1点:噴霧側は、無噴霧側よりも防臭作用がやや高いと感じる
0点:噴霧側は、無噴霧側と同等
−評価基準−
◎ :20人の被験者の平均点が1.8点以上。
◎〜○:20人の被験者の平均点が1.5点以上1.8点未満。
○ :20人の被験者の平均点が1.0点以上1.5点未満。
△ :20人の被験者の平均点が0.5点以上1.0点未満。
× :20人の被験者の平均点が0.5点未満。
なお、上記評価基準において、「防臭作用」とは、汗の臭いを感じないことを意味する。
腐食性の評価は、実施例1〜85及び比較例1〜9の原液のみを用いて行った。原液50gを100mL容ガラス瓶に入れ、該原液中に、表1〜15に示すようにブリキ製バルブ及びアルミ製のバルブのいずれかを浸漬した後、50℃で保存した。保存開始後、1週間、2週間、3週間、及び4週間経過時点でバルブを原液から取り出し、外観を目視することによりバルブ表面の腐食の有無を観察し、下記評価基準に基づいて評価した。結果を表1〜15にそれぞれ示す。
−評価基準−
◎:4週間経過時点で、バルブ表面が腐食していない。
○:3週間経過時点で、バルブ表面に腐食が認められる。
△:2週間経過時点で、バルブ表面に腐食が認められる。
×:1週間経過時点で、バルブ表面に腐食が認められる。
実施例1〜85及び比較例1〜9のデオドラント組成物を25℃で静置させ、粉体を全て沈降させた後、粉体相の最上層にマークをした。その後、粉体が完全に分散するまで各デオドラント組成物を攪拌し、再び静置した。沈降した粉体層の最上層がマークの位置に達するまでの時間を計測し、下記評価基準に基づいて評価した。結果を表1〜15にそれぞれ示す。
−評価基準−
◎ :沈降するまでの時間が3分間以上。
◎〜○:沈降するまでの時間が2分30秒間以上3分間未満。
○ :沈降するまでの時間が2分間以上2分30秒間未満。
△ :沈降するまでの時間が1分30秒間以上2分間未満。
× :沈降するまでの時間が1分30秒間未満。
被験者の男女20名の前腕内側部に、実施例1〜85及び比較例1〜9のデオドラント組成物を各々50mg噴霧し、噴霧直後の肌への白残りについて、下記評点に基づき採点し、被験者20名の平均値を算出し、下記評価基準に基づいて評価した。結果を表1〜15にそれぞれ示す。
−評点−
2点:白くならない
1点:わずかに白くなる
0点:白くなる
−評価基準−
◎ :20人の被験者の平均点が1.8点以上
◎〜○:20人の被験者の平均点が1.5点以上1.8点未満
○ :20人の被験者の平均点が1点以上1.5点未満
△ :20人の被験者の平均点が0.5点以上1点未満
× :20人の被験者の平均点が0.5点未満
Claims (4)
- (A)水溶性のアルミニウム塩と、(B)酸化亜鉛と、(C)ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、側鎖型ポリエーテル変性シリコーン、ABN型ポリエーテル変性シリコーン、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(5)イソステアリルエーテル及びポリオキシエチレン(10)デシルテトラデシルエーテルから選ばれる少なくとも1種のHLBが5以上10未満である非イオン性界面活性剤と、を含有し、
前記(B)成分の含有量が1質量%〜4質量%であり、
前記(B)成分の含有量と、前記(C)成分の含有量との質量比が、(C)/(B)=3〜15であることを特徴とするデオドラント組成物。 - (D)無水ケイ酸、マグネシアシリカ、及びタルクの少なくともいずれかである粉体を更に含有する請求項1に記載のデオドラント組成物。
- (A)成分の含有量が10質量%〜25質量%であり、
(C)成分の含有量が10質量%〜20質量%である請求項1から2のいずれかに記載のデオドラント組成物。 - (B)成分が、水溶性高分子化合物に分散されてなる複合粉体及び無水ケイ酸に担持されてなる複合粉体の少なくともいずれかとして用いられる請求項1から3のいずれかに記載のデオドラント組成物。
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