JP2016117698A - エアゾール型制汗デオドラント組成物 - Google Patents

エアゾール型制汗デオドラント組成物 Download PDF

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謙一 松崎
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Abstract

【課題】制汗効果、制汗効果の持続性、及び防臭効果の持続性と、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさとを両立でき、粉体の分散性に優れたエアゾール型制汗デオドラント組成物の提供。【解決手段】(A)制汗剤、(B)(B−1)エステル型香料及び(B−2)エーテル型香料からなる香料成分、(C)ノニオン性界面活性剤、並びに(D)無機粉体、を含有する制汗デオドラント剤と、噴射剤と、を含有し、(A)制汗剤の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)及び(D)無機粉体の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)の和と、(B)香料成分の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)との質量比[(A+D)/B]が、0.5〜15であるエアゾール型制汗デオドラント組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、エアゾール型制汗デオドラント組成物に関する。
制汗デオドラントスプレーの防臭効果を向上させるためには、ニオイの原因となる成分を含む汗を抑えること(制汗)が重要である。また、発生したニオイをマスキングし(感覚的消臭)、心地よい香りを使用者に与え続けることも重要である。
そのため、クロルヒドロキシアルミニウムなどの制汗剤及び香料成分を含有するエアゾール型制汗剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、前記提案は、制汗効果を向上させるために、前記制汗剤を多量に含有させると噴射塗布直後の肌がべたつくなどの使用感が悪くなるという問題があり、また、防臭効果の持続性を向上させるために、香料成分を多量に含有させると、噴射塗布直後に肌がべたつくことがあるという問題がある。これに対して、粉体を含有させることにより、噴射塗布直後の肌のべたつきを改善することはできるが、前記粉体が凝集するという問題があり、前記制汗効果の持続性、及び前記防臭効果の持続性と、前記使用感とを両立することは未だできていないのが現状である。
したがって、制汗効果、制汗効果の持続性、及び防臭効果の持続性と、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさとを両立でき、粉体の分散性に優れたエアゾール型制汗デオドラント組成物の提供が望まれている。
特開2002−3356号公報 特開2003−73249号公報 特開2003−183144号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、制汗効果、制汗効果の持続性、及び防臭効果の持続性と、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさとを両立でき、粉体の分散性に優れたエアゾール型制汗デオドラント組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者が鋭意検討を重ねた結果、(A)制汗剤、(B)(B−1)エステル型香料及び(B−2)エーテル型香料からなる香料成分、(C)ノニオン性界面活性剤、並びに(D)無機粉体、を含有する制汗デオドラント剤と、噴射剤と、を含有し、(A)制汗剤の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)及び(D)無機粉体の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)の和と、(B)香料成分の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)との質量比[(A+D)/B]が、0.5〜15であるエアゾール型制汗デオドラント組成物が、各成分の相乗効果によって、制汗効果、制汗効果の持続性、及び防臭効果の持続性と、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさとを両立でき、さらに、粉体の分散性に優れることを知見した。
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)制汗剤、
(B)(B−1)エステル系香料及び(B−2)エーテル系香料からなる香料成分、
(C)ノニオン性界面活性剤、並びに
(D)無機粉体、を含有する制汗デオドラント剤と、
噴射剤と、を含有し、
(A)制汗剤の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)及び(D)無機粉体の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)の和と、(B)香料成分の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)との質量比[(A+D)/B]が、0.5〜15であることを特徴とするエアゾール型制汗デオドラント組成物である。
<2> (A)制汗剤の含有量が、制汗デオドラント剤全量に対して、20質量%〜30質量%であり、
(B)香料成分の含有量が、制汗デオドラント剤全量に対して、5質量%〜12質量%であり、
(C)ノニオン性界面活性剤の含有量が、制汗デオドラント剤全量に対して、5質量%〜15質量%であり、
(D)無機粉体の含有量が、制汗デオドラント剤全量に対して、5質量%〜10質量%である前記<1>に記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物である。
<3> (A)制汗剤が、クロルヒドロキシアルミニウム、及びクロルヒドロキシジルコニウムの少なくともいずれかであり、
(D)無機粉体が、シリカ、及びタルクの少なくともいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物である。
<4> (B−1)エステル系香料が、サリチル酸ベンジル、サリチル酸シクロヘキシル、及びメチルジヒドロジャスモネートから選択される少なくとも1種であり、
(B−2)エーテル系香料が、エトキシメチルシクロドデシルエーテル、及び1,8−シネオールの少なくともいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物である。
<5> (B−1)エステル系香料の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)と、(B−2)エーテル系香料の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)との質量比(B−1/B−2)が、3〜7であるである前記<1>から<4>のいずれかに記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物である。
<6> (E)殺菌剤をさらに含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物である。
<7> (B−1)エステル系香料が、サリチル酸ベンジル、及びサリチル酸シクロヘキシルの少なくともいずれかであり、
(B−2)エーテル系香料が、エトキシメチルシクロドデシルエーテルであり、
(C)ノニオン性界面活性剤が、エチレンオキシド平均付加モル数が20であるトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、セスキイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソスタリン酸ポリグリセリル−10、及び平均重合度が20であるポリエチレングリコール/平均重合度が20であるポリプロピレングリコールジメチコンから選択される少なくとも1種であり、
(D)無機粉体が、シリカである前記<1>から<6>のいずれかに記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物である。
<8> 制汗デオドラント剤の含有量(質量%)と、噴射剤の含有量(質量%)との質量比(制汗デオドラント剤/噴射剤)が、4/96〜8/92である前記<1>から<7>のいずれかに記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、制汗効果、制汗効果の持続性、及び防臭効果の持続性と、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさとを両立でき、粉体の分散性に優れたエアゾール型制汗デオドラント組成物を提供することができる。
(エアゾール型制汗デオドラント組成物)
本発明のエアゾール型制汗デオドラント組成物は、制汗デオドラント剤と、噴射剤とを含有してなる。
<制汗デオドラント剤>
前記制汗デオドラント剤は、(A)制汗剤、(B)香料成分、(C)ノニオン性界面活性剤、及び(D)無機粉体を含有し、(E)殺菌剤を含有することが好ましく、必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<<(A)制汗剤>>
前記(A)成分の制汗剤は、制汗効果、制汗効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさを向上させるために含有されている。
前記(A)成分の制汗剤としては、例えば、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物などが挙げられる。これらの中でも、制汗効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、アルミニウム化合物が好ましい。ここで、前記アルミニウム化合物とは、アルミニウム化合物のみならず、アルミニウム化合物の錯体も包含する意味であり、前記ジルコニウム化合物とは、ジルコニウム化合物のみならず、ジルコニウム化合物の錯体も包含する意味である。
前記アルミニウム化合物としては、例えば、塩化アルミニウム;硫酸アルミニウム;硫酸アルミニウムカリウム;酢酸アルミニウム;クロルヒドロキシアルミニウム;ブロモヒドロキシアルミニウム;アラントインクロルヒドロキシアルミニウム;塩化アルミニウム・グリシン錯体、硫酸アルミニウム・グリシン錯体、硫酸アルミニウムカリウム・グリシン錯体、酢酸アルミニウム・グリシン錯体、クロルヒドロキシアルミニウム・グリシン錯体、ブロモヒドロキシアルミニウム・グリシン錯体、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム・グリシン錯体等のアルミニウム化合物とグリシンとの錯体;塩化アルミニウム・プロピレングリコール錯体、硫酸アルミニウム・プロピレングリコール錯体、硫酸アルミニウムカリウム・プロピレングリコール錯体、酢酸アルミニウム・プロピレングリコール錯体、クロルヒドロキシアルミニウム・プロピレングリコール錯体、ブロモヒドロキシアルミニウム・プロピレングリコール錯体、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム・プロピレングリコール錯体等のアルミニウム化合物とプロピレングリコールとの錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、制汗効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、クロルヒドロキシアルミニウムが好ましい。
前記ジルコニウム化合物としては、例えば、塩化ジルコニウム、クロルヒドロキシジルコニウム、クロルヒドロキシジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、硫酸ジルコニル、塩化ジルコニウム・グリシン錯体、クロルヒドロキシジルコニウム・グリシン錯体、水酸化ジルコニウム・グリシン錯体、炭酸ジルコニウムアンモニウム・グリシン錯体、炭酸ジルコニウムカリウム・グリシン錯体、硫酸ジルコニル・グリシン錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、制汗効果、制汗効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、クロルヒドロキシジルコニウムが好ましい。
前記アルミニウム化合物及びジルコニウム化合物の混合物の錯体としては、例えば、アルミニウム化合物/ジルコニウム化合物・グリシン錯体等のアルミニウム化合物及びジルコニウム化合物の混合物とグリシンとの錯体などが挙げられる。
前記(A)成分の制汗剤の含有量としては、制汗効果、制汗効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、制汗デオドラント剤全量に対して、3質量%〜40質量%が好ましく、20質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、3質量%未満であると、制汗効果、及び制汗効果の持続性が不十分となることがあり、40質量%を超えると、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
<<(B)香料成分>>
前記(B)成分の香料成分は、防臭効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさを向上させるために含有されている。
前記(B)成分の香料成分としては、(B−1)エステル系香料、及び(B−2)エーテル系香料を含有する。前記エステル系香料とは、エステル結合を有する香料をいい、前記エーテル系香料とは、エーテル結合を有する香料をいう。
−(B−1)エステル系香料−
前記(B−1)成分のエステル系香料としては、例えば、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸ベンジル、酢酸オクチル、エピジャスモン酸メチル、酢酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ペンチル、カプロン酸エチル、サリチル酸メチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸シクロヘキシル、メチルジヒドロジャスモネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、防臭効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、サリチル酸ベンジル、サリチル酸シクロヘキシル、メチルジヒドロジャスモネートが好ましく、サリチル酸ベンジル、サリチル酸シクロヘキシルがより好ましい。
前記(B−1)成分のエステル系香料の含有量としては、防臭効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、制汗デオドラント剤全量に対して、0.5質量%〜10質量%が好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、防臭効果の持続性が不十分となることがあり、10質量%を超えると、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
−(B−2)エーテル系香料−
前記(B−2)成分のエーテル型香料としては、例えば、trans−1−メトキシ−4−(プロパ−1−エン−1−イル)ベンゼン、メトキシベンゼン、オイゲノール、エトキシメチルシクロドデシルエーテル、1,8−シネオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、防臭効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、エトキシメチルシクロドデシルエーテル、1,8−シネオールが好ましく、エトキシメチルシクロドデシルエーテルがより好ましい。
前記(B−2)成分のエーテル系香料の含有量としては、防臭効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、制汗デオドラント剤全量に対して、0.1質量%〜8質量%が好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、防臭効果の持続性が不十分となることがあり、8質量%を超えると、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
前記(B)成分の香料成分の合計含有量としては、防臭効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、制汗デオドラント剤全量に対して、3質量%〜15質量%が好ましく、5質量%〜12質量%が好ましい。前記含有量が、3質量%未満であると、防臭効果の持続性が不十分となることがあり、15質量%を超えると、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
<<質量比(B−1/B−2)>>
前記(B−1)エステル系香料の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)と、前記(B−2)エーテル系香料の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)との質量比(B−1/B−2)としては、防臭効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、1〜10が好ましく、3〜7がより好ましい。前記質量比(B−1/B−2)が、1未満であると、及び防臭効果の持続性が不十分となることがあり、10を超えると、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
<<(C)ノニオン性界面活性剤>>
前記(C)成分のノニオン性界面活性剤は、制汗効果の持続性、粉体の分散性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさを向上させるために含有されている。
前記(C)のノニオン性界面活性剤としては、例えば、エステル構造を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エステル構造を有するノニオン性界面活性剤が好ましい。前記ポリエーテル変性シリコーンは、親水性及び親油性を調整できる界面活性能を有し、ノニオン性界面活性剤の一種である。
−エステル構造を有するノニオン性界面活性剤−
前記エステル構造を有するノニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数が12〜22である直鎖又は分岐のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル;炭素数が12〜22であるポリグリセリン脂肪酸エステル;炭素数が12〜22であるソルビタン脂肪酸エステル;炭素数が12〜22である脂肪酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;炭素数が12〜22である脂肪酸ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられ、具体的には、例えば、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−10、セスキイソステアリン酸ポリグリセリル、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エチレンオキシド平均付加モル数が2であるポリオキシエチレンセチルエーテル、エチレンオキシド平均付加モル数が5であるポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、エチレンオキシド平均付加モル数が10であるポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル、エチレンオキシド平均付加モル数が20であるトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、制汗効果の持続性、粉体の分散性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、エチレンオキシド平均付加モル数が20であるトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−10、エチレンオキシド平均付加モル数が2であるポリオキシエチレンセチルエーテル、セスキイソステアリン酸ポリグリセリルが好ましく、エチレンオキシド平均付加モル数が20であるトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−10、セスキイソステアリン酸ソルビタンがより好ましい。なお、前記ジイソステアリン酸ポリグリセリル−10は、日本化粧品工業連合会が定める成分表示名称である。
前記ジイソステアリン酸ポリグリセリル−10としては、イソステアリン酸に由来する構造単位、ポリグリセリン−10に由来する構造単位を少なくとも含むジエステルである。前記各構造単位のモル比については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ポリグリセリン−10は、日本化粧品工業連合会が定める成分表示名称であり、グリセリンの10量体である。
−ポリエーテル変性シリコーン−
前記ポリエーテル変性シリコーンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖共重合ABn型ポリエーテル変性シリコーン、側鎖型(ペンダント型)ポリエーテル変性シリコーン、両末端型ポリエーテル変性シリコーン、側鎖両末端型ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、直鎖共重合ABn型ポリエーテル変性シリコーン、側鎖型(ペンダント型)ポリエーテル変性シリコーンが好ましく、側鎖型(ペンダント型)ポリエーテル変性シリコーンがより好ましい。
−−直鎖共重合ABn型ポリエーテル変性シリコーン−−
前記直鎖共重合ABn型ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば、ポリシリコーン−13(商品名:FZ2222、東レ・ダウコーニング株式会社製)などが挙げられる。
−−側鎖型(ペンダント型)ポリエーテル変性シリコーン−−
前記側鎖型(ペンダント型)ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば、下記一般式(C1)で表されるポリオキシアルキレン基を有するオルガノポリシロキサンなどが挙げられる。
Figure 2016117698
ただし、前記一般式(C1)中、mは1〜1,000の整数を表し、nは1〜50の整数を表し、aは0〜50の整数を表し、bは0〜100の整数を表し、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基、R’は、水素原子又はメチル基を表す。ただし、a+b≧1である。
前記側鎖型(ペンダント型)ポリエーテル変性シリコーンとしては、特に制限はなく、公知の側鎖型のポリエーテル変性シリコーンの中から、目的に応じて適宜選択することができ、市販品を用いることができる。
前記市販品としては、例えば、ポリエチレングリコール(以下、「PEG」ともいう)(8)ジメチコン(商品名:SS−2805、HLB:5)、PEG(9)ジメチコン(商品名:KF−6013、HLB:10)、PEG(12)ジメチコン(商品名:SH3775M、HLB:8;SH3772M、HLB:5;SH3773M、HLB:8)、PEG(32)メチルエーテルジメチコン(商品名:KF−6004、HLB:9)、PEG/ポリプロピレングリコール(以下、「PPG」ともいう)(20/22)ブチルエーテルジメチコン(商品名:KF−6012、HLB:7)、PEG/PPG(20/20)ジメチコン(商品名:SH3749、HLB:8)(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、粉体の分散性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、PEG(12)ジメチコン、PEG/PPG(20/20)ジメチコン、PEG(32)メチルエーテルジメチコン、PEG(20)/PPG(22)ブチルエーテルジメチコンが好ましく、PEG(12)ジメチコン、PEG/PPG(20/20)ジメチコンがより好ましく、PEG/PPG(20/20)ジメチコンが特に好ましい。なお、( )内の数値はポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールの平均重合度を表す。前記平均重合度は、以下の測定条件により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析による測定結果から検量線法により求めたポリスチレン換算での重量平均分子量から求めることができる。
−測定条件−
・測定温度:40℃(カラムオーブン温度)
・試料:オルガノポリシロキサンを1質量%トルエン溶液として使用
・検出器:RI検出器
・更正曲線用ポリマー:標準ポリスチレン
−−両末端型ポリエーテル変性シリコーン−−
前記両末端型ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(商品名:KF−6004、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。
−−側鎖両末端型ポリエーテル変性シリコーン−−
前記側鎖両末端型ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンメチルポリシロキサン共重合体&トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル(商品名:ABIL Care85)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンメチルポリシロキサン共重合体&シクロペンタシロキサン(商品名:ABIL EM97)(以上、デグサ社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記(C)成分のノニオン性界面活性剤の含有量としては、粉体の分散性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、制汗デオドラント剤全量に対して、2質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、2質量%未満であると、粉体の分散性が不十分となることがあり、20質量%を超えると、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
<<(D)無機粉体>>
前記(D)成分の無機粉体は、制汗効果の持続性、粉体の分散性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさを向上させるために含有されている。
前記(D)成分の無機粉体としては、例えば、ケイ酸;シリカ(無水ケイ酸);酸化亜鉛;酸化アルミニウム;マグネシウムシリカ;ケイ酸カルシウム;ケイ酸アルミニウム;タルク;マイカ;カオリン;ベントナイト;ハイドロキシアパタイト;シリカ/アルミナ、シリカ/マグネシア等の複合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、制汗効果の持続性、粉体の分散性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、シリカ、タルク、マグネシウムシリカ、ハイドロキシアパタイトが好ましく、シリカ、タルクがより好ましく、シリカが特に好ましい。
前記(D)成分の無機粉体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、球状、板状、粒状、針状などが挙げられる。
前記(D)成分の無機粉体の個数平均一次粒子径としては、0.1μm〜20μmが好ましく、5μm〜15μmがより好ましい。前記個数平均一次粒子径は、JIS Z8901−2006「試験用粉体及び試験用粒子」5.44粒子経分布(c)顕微鏡法に準拠し、振掛け法によって準備した試料を透過型電子顕微鏡で5万倍以上100万倍以下に拡大して観察した画像から100個以上の粒子を観察して算出される円相当径の算術平均値で求めることができる。
前記(D)成分の無機粉体の含有量としては、制汗効果の持続性、粉体の分散性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、制汗デオドラント剤全量に対して、2質量%〜15質量%が好ましく、5質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、2質量%未満であると、制汗効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさが不十分となることがあり、15質量%を超えると、粉体の分散状態が悪くなり、凝集が発生する場合がある。
<<質量比[(A+D)/B]>>
前記(A)制汗剤の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)及び前記(D)無機粉体の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)の和と、前記(B)香料成分の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)との質量比[(A+D)/B]としては、制汗効果、制汗効果の持続性、防臭効果の持続性、粉体の分散性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、0.5〜15であり、2〜10が好ましい。前記質量比[(A+D)/B]が、0.5未満であると、制汗効果、制汗効果の持続性、及び防臭効果の持続性が不十分となることがあり、15を超えると、防臭効果の持続性、粉体の分散性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
<<(E)殺菌剤>>
前記(E)成分の殺菌剤は、防臭効果の持続性を向上させるために含有されている。
前記(E)成分の殺菌剤としては、例えば、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、トリクロロカルバニリド、塩酸クロルヘキシジン、ピロクトンオラミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、防臭効果の持続性の点から、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウムが好ましく、イソプロピルメチルフェノールがより好ましい。
前記(E)成分の殺菌剤の含有量としては、防臭効果の持続性の点から、制汗デオドラント剤全量に対して、0.01質量%〜0.5質量%が好ましく、0.05質量%〜0.2質量%がより好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、防臭効果の持続性が不十分となることがあり、上記好ましい範囲内であると、防臭効果の持続性が得られる点で有利である。
<<その他の成分>>
前記制汗デオドラント剤には、前記(A)〜(E)の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有することができる。前記その他の成分としては、制汗デオドラント剤に通常用いられているものの中から適宜選択することができ、例えば、油脂化合物、ワックス化合物、シリコーン油、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油(エステル化合物)、高分子化合物、(C)成分以外の界面活性剤、酸化防止剤、色素、乳化安定剤、pH調整剤、(A)成分以外の収斂剤、防腐剤、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、増粘剤、清涼剤、抗炎症剤、アミノ酸、ビタミン剤、各種植物抽出エキスなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記制汗デオドラント剤における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸のアルカリ金属塩、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコトリエノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記(A)成分以外の収斂剤としては、例えば、硫酸亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、クエン酸、酒石酸、乳酸、タンニン酸、ミョウバンなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記保湿剤としては、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、ソルビトール、デキストリンなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記清涼剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、l−メントール、l−メチルグリセリルエーテル、l−メチルラクテートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、リシン、アルギニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、プロリン、アスパラギンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ビタミン剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水溶性のビタミン剤が挙げられる。前記水溶性のビタミン剤としては、例えば、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンH、葉酸、ビタミンB12、ビタミンL、ビタミンL、ビタミンB13などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記エアゾール型制汗デオドラント組成物は、均一に肌に制汗デオドラント剤を付着させ、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、実質的に水無含有で、水フリーのものが好ましい。各成分の原料に水分が含まれる場合は、エアゾール型デオドラント組成物中の水分量は、デオドラント剤全量に対して、5質量%以下が好ましい。
<噴射剤>
前記噴射剤は、均一に肌に前記(B)成分と前記(E)成分とを付着させ、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさを向上させるために含有されている。
前記噴射剤としては、例えば、窒素、亜酸化窒素、酸素、炭酸ガス等の圧縮ガス;液化石油ガス(炭化水素)、イソペンタン、ジメチルエーテル、フッ化炭化水素等の液化ガスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、各成分との相互溶解性の点から、液化石油ガスが好ましい。
前記液化石油ガスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、n−ブタン、及びイソブタンの少なくともいずれかと、プロパンとの混合ガスが好ましい。
前記n−ブタン及び前記イソブタンの合計含有量は、均一に肌にデオドラント剤を付着させる点から、噴射剤全量に対して、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。前記合計含有量が、90質量%未満であると、液化石油ガスの蒸気圧(ゲージ圧)が高くなり、噴射圧が高くなるため、前記(B)成分と前記(E)成分とが均一に肌に付着せず、防臭効果の持続性、及び香りの持続性が不十分となることがある。
前記n−ブタン及び前記イソブタンの合計含有量と、前記プロパンの含有量との質量比[(n−ブタン+イソブタン)/プロパン]としては、95/5〜99/1が好ましい。
前記噴射剤の20℃における蒸気圧(ゲージ圧)は、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、0.1MPa〜0.5MPaが好ましく、0.15MPa〜0.45MPaがより好ましい。
<<質量比(制汗デオドラント剤/噴射剤)>>
前記質量比(制汗デオドラント剤/噴射剤)は、制汗効果、制汗効果の持続性、防臭効果の持続性、及び噴射塗布直後の肌のべたつきのなさの点から、1/99〜10/90が好ましく、4/96〜8/92が好ましい。前記質量比(制汗デオドラント剤/噴射剤)が、1/99未満であると、制汗効果、制汗効果の持続性、及び防臭効果の持続性が不十分であり、10/90を超えると、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
−製造方法−
前記エアゾール型制汗デオドラント組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて、公知の製造方法の中から適宜選択することができる。前記製造方法としては、例えば、前記(A)制汗剤と、前記(B)香料成分と、前記(C)ノニオン性界面活性剤、前記(D)無機粉体、必要に応じて前記(E)殺菌剤、及び前記その他の成分とを所望の含有量となるように配合して制汗デオドラント剤を調製し、これに前記噴射剤を配合することにより、前記エアゾール型制汗デオドラント組成物を製造することができる。
−容器−
前記エアゾール型制汗デオドラント組成物を収容する容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エアゾール容器などが挙げられる。
前記エアゾール容器としては、例えば、エアゾール缶、バルブ、及び塗膜剤からなる容器などが挙げられる。
前記エアゾール缶の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ブリキなどが挙げられる。
前記バルブの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ブリキなどが挙げられる。
前記塗膜剤は、前記エアゾール缶や前記バルブの、前記エアゾール型制汗デオドラント組成物と接する側に腐食防止のために塗膜するものである。前記塗膜剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、汎用で安価なエポキシフェノール樹脂などが挙げられる。
−使用方法−
前記エアゾール型制汗デオドラント組成物の使用方法は、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができる。前記使用方法としては、例えば、体幹部、腋などの汗をかきやすい部位に、噴射塗布することが挙げられる。前記塗布量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−用途−
前記エアゾール型制汗デオドラント組成物は、制汗効果、制汗効果の持続性、及び防臭効果の持続性と、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさとを両立でき、粉体の分散性に優れるため、化粧料、医薬品、医薬部外品などに適用することができ、特に、多汗した体幹部、腋などの身体用エアゾール型制汗デオドラント組成物として好適に利用可能であり、具体的には、制汗デオドラントパウダースプレーなどに好適に利用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1〜10中の質量比(B−1/B−2)は、(B−1)成分の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)、及び(B−2)成分の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)の純分換算値を用いて求めた。
(実施例1〜35、及び比較例1〜9)
−制汗デオドラントパウダースプレー−
下記表1〜表10に示す組成、及び含有量の、(A)成分と、(B)成分と、その他の成分と、(C)成分と、(D)成分と、必要に応じて(E)成分と、共通成分とを入れ、撹拌して溶解させて制汗デオドラント剤を得た。前記制汗デオドラント剤を、アルミニウム製のエアゾール缶(規格:直径45mm×高さ120mm Round、Alucon社製)に入れ、バルブ(ストレートシャンクアルミバルブ)でクリンチした。次に、前記エアゾール缶に、液化石油ガスA、又は液化石油ガスBを表1〜表10に示す質量比(制汗デオドラント剤/噴射剤)となるように充填し、エアゾール型制汗デオドラント組成物(制汗デオドラントパウダースプレー)を調製した。なお、液化石油ガスAとしては、20℃における蒸気圧(ゲージ圧)が、0.45MPaであり、n−ブタン、イソブタン、プロパンの質量比(n−ブタン:イソブタン:プロパン)が73:25:2である混合ガスを使用した。液化石油ガスBとしては、20℃における蒸気圧(ゲージ圧)が、0.15MPaであり、n−ブタン、イソブタン、プロパンの質量比(n−ブタン:イソブタン:プロパン)が26:67:7である混合ガスを使用した。また、前記エアゾール缶及び前記バルブの、前記エアゾール型デオドラント組成物と接する側に腐食防止のために塗膜剤であるエポキシフェノール樹脂を塗布し、塗膜を形成させた。
作製した実施例1〜35、及び比較例1〜9のエアゾール型制汗デオドラント組成物について、以下のようにして、「制汗効果」、「制汗効果の持続性」、「防臭効果の持続性」、「粉体の分散性」、及び「噴射塗布直後の肌のべたつきのなさ」を評価した。結果を表1〜表9に示した。
<制汗効果、及び制汗効果の持続性>
20代〜40代の専門パネラー20名に、片方の腋窩部(塗布部)に各エアゾール型制汗デオドラント組成物を3秒間(0.05g)塗布し、もう片方の腋窩部(非塗布部)には何も処理せず、乾燥させた。その後、高温条件下(38℃、40%RH環境下)で30分間、又は2時間安静にし、強制発汗させた後、下記評価基準に基づき、30分間後の各エアゾール型制汗デオドラント組成物の塗布部の「制汗効果」を評価し、2時間後の各エアゾール型制汗デオドラント組成物の塗布部の「制汗効果の持続性」を評価した。
−制汗効果、及び制汗効果の持続性の評価基準−
◎ :専門パネラー20名中18名以上が塗布部は未塗布部と比べて制汗効果があると回答した
◎〜○ :専門パネラー20名中15名以上17名以下が塗布部は未塗布部と比べて制汗効果があると回答したが、
○ :専門パネラー20名中10名以上14名以下が塗布部は未塗布部と比べて制汗効果があると回答した
△ :専門パネラー20名中5名以上9名以下が塗布部は未塗布部と比べて制汗効果があると回答した
× :専門パネラー20名中4名以下が塗布部は未塗布部と比べて制汗効果があると回答した
<防臭効果の持続性>
男性及び女性被験者20名(女性10名、男性10名)の片方の腋窩部(塗布部)に、各エアゾール型制汗デオドラント組成物を、3秒間(0.05g)塗布し、もう片方の腋窩部(非塗布部)には何も処理しなかった。その後、前記被験者20名に、予め洗浄したガーゼ(5cm×5cm)を両腋窩部に縫い付けたシャツを着用させた。前記シャツを着用8時間後に、専門パネラー5名が、両腋窩部の前記ガーゼに付着した体臭を、以下の判定基準に基づき、平均評価点を求め、下記評価基準に基づき、「防臭効果の持続性」を評価した。なお、被験者には、塗布の3日前から他の制汗デオドラント剤の使用を禁止し、塗布の前日には無香料のボディソープを使用してもらった。
−判定基準−
2点:塗布部は非塗布部と比べて全く臭わない
1点:塗布部は非塗布部と比べてやや臭わない
0点:塗布部は非塗布部と比べて同等でかなり臭う
−評価基準−
◎ :1.8点以上
◎〜○ :1.5点以上1.8点未満
○ :1.0点以上1.5点未満
△ :0.5点以上1.0点未満
× :0.5点未満
<粉体の分散性>
透明な耐圧ガラス瓶(商品名:エアゾール試験瓶、東京高分子株式会社製)に各エアゾール型制汗デオドラント組成物を充填し、25℃で静置させ、粉体をすべて沈降させた後、粉体相の最上部に印を付けた。その後、粉体が完全に分散するまで前記エアゾール型制汗デオドラント組成物を攪拌して再び静置し、沈降した粉体相の最上部が前記印の位置に達するまでの時間を計測し、下記評価基準に基づき、「粉体の分散性」を評価した。
−評価基準−
◎ :3分間以上
◎〜○ :2分30秒間以上3分間未満
○ :2分間以上2分30秒間未満
△ :1分30秒間以上2分間未満
× :1分30秒間未満
<噴射塗布直後の肌のべたつきのなさ>
20代〜50代の専門パネラー20名(女性10名、男性10名)が、前腕内側部に、肌から10cm離れた位置から、長さ方向10cmに3往復噴射塗布(3秒間、約0.05g)した。噴射塗布直後から各エアゾール型制汗デオドラント組成物が乾燥するまでの間において、下記評価基準に基づき、「噴射塗布直後の肌のべたつきのなさ」を評価した。
−評価基準−
◎ :専門パネラー20名中18名以上が肌のべたつきがないと回答
○〜◎:専門パネラー20名中15名以上17名以下が肌のべたつきがないと回答
○ :専門パネラー20名中10名以上14名以下が肌のべたつきがないと回答
△ :専門パネラー20名中5名以上9名以下が肌のべたつきがないと回答
× :専門パネラー20名中4名以下が肌のべたつきがないと回答
Figure 2016117698
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Figure 2016117698
*( )内の数値は、(B−1)成分及び(B−2)成分の含有量を示す。
Figure 2016117698
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なお、表1〜表10において、略号などについては下記の通りの内容を示す。
・トリイソステアリン酸POE(20)グリセリル:エチレンオキシド平均付加モル数が20であるトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル
・POE(2)セチルエーテル:エチレンオキシド平均付加モル数が2であるポリオキシエチレンセチルエーテル
・PEG/PPG(20/20)ジメチコン:平均重合度が20であるポリオキシエチレン/平均重合度が20であるポリオキシプロピレンジメチコン
なお、前記実施例、及び前記比較例で使用した各種成分の詳細について、下記表11及び表12に示す。
Figure 2016117698
Figure 2016117698
本発明のエアゾール型制汗デオドラント組成物は、制汗効果、制汗効果の持続性、及び防臭効果の持続性と、噴射塗布直後の肌のべたつきのなさとを両立でき、粉体の分散性に優れるため、化粧料、医薬品、医薬部外品などに適用することができ、特に、多汗した体幹部、腋などの身体用エアゾール型制汗デオドラント組成物として好適に利用可能であり、具体的には、制汗デオドラントパウダースプレーなどに好適に利用することができる。

Claims (8)

  1. (A)制汗剤、
    (B)(B−1)エステル系香料及び(B−2)エーテル系香料からなる香料成分、
    (C)ノニオン性界面活性剤、並びに
    (D)無機粉体、を含有する制汗デオドラント剤と、
    噴射剤と、を含有し、
    (A)制汗剤の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)及び(D)無機粉体の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)の和と、(B)香料成分の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)との質量比[(A+D)/B]が、0.5〜15であることを特徴とするエアゾール型制汗デオドラント組成物。
  2. (A)制汗剤の含有量が、制汗デオドラント剤全量に対して、20質量%〜30質量%であり、
    (B)香料成分の含有量が、制汗デオドラント剤全量に対して、5質量%〜12質量%であり、
    (C)ノニオン性界面活性剤の含有量が、制汗デオドラント剤全量に対して、5質量%〜15質量%であり、
    (D)無機粉体の含有量が、制汗デオドラント剤全量に対して、5質量%〜10質量%である請求項1に記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物。
  3. (A)制汗剤が、クロルヒドロキシアルミニウム、及びクロルヒドロキシジルコニウムから選ばれる少なくとも1種であり、
    (D)無機粉体が、シリカ、及びタルクから選ばれる少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物。
  4. (B−1)エステル系香料が、サリチル酸ベンジル、サリチル酸シクロヘキシル、及びメチルジヒドロジャスモネートから選択される少なくとも1種であり、
    (B−2)エーテル型香料が、エトキシメチルシクロドデシルエーテル、及び1,8−シネオールから選ばれる少なくとも1種である請求項1から3のいずれかに記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物。
  5. (B−1)エステル系香料の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)と、(B−2)エーテル系香料の制汗デオドラント剤中の含有量(質量%)との質量比(B−1/B−2)が、3〜7である請求項1から4のいずれかに記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物。
  6. (E)殺菌剤をさらに含有する請求項1から5のいずれかに記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物。
  7. (B−1)エステル系香料が、サリチル酸ベンジル、及びサリチル酸シクロヘキシルから選ばれる少なくとも1種であり、
    (B−2)エーテル系香料が、エトキシメチルシクロドデシルエーテルであり、
    (C)ノニオン性界面活性剤が、エチレンオキシド平均付加モル数が20であるトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、セスキイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソスタリン酸ポリグリセリル−10、及び平均重合度が20であるポリエチレングリコール/平均重合度が20であるポリプロピレングリコールジメチコンから選択される少なくとも1種であり、
    (D)無機粉体が、シリカである請求項1から6のいずれかに記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物。
  8. 制汗デオドラント剤の含有量(質量%)と、噴射剤の含有量(質量%)との質量比(制汗デオドラント剤/噴射剤)が、4/96〜8/92である請求項1から7のいずれかに記載のエアゾール型制汗デオドラント組成物。
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