JP5630205B2 - オートマチックトランスミッション制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、オートマチックトランスミッションを制御する装置に関する。
ドライバーが要求する制動力を、摩擦ブレーキと回生ブレーキとを協調させて、得る技術が知られている(特許文献1参照)。
実開昭63−29301号公報
このような協調回生制御では、ドライバーが要求する制動力が一定にもかかわらず、回生ブレーキの制動力が低下したときには、摩擦ブレーキの制動力を上昇させなければならない。このとき、両者のタイミングがズレるとショックが発生してしまう。
本件発明者は、協調回生制御について研究中であり、車両の減速中にショックが生じやすいことを見いだした。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、本発明の目的は、摩擦ブレーキと回生ブレーキとを協調させて車両を制動する協調回生ブレーキが備えられた車両において、車両の減速中にショックが発生することを防止可能なオートマチックトランスミッション制御装置を提供することである。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。
本発明は、摩擦ブレーキと回生ブレーキとを協調させて車両を制動する協調回生ブレーキが備えられた車両のオートマチックトランスミッションを制御する装置である。そして、減速中にダウンシフトの開始タイミングになったか否か判定するダウンシフト判定部と、ダウンシフトの開始タイミングになったときは、通常のシフト時間で変速した場合に、モータージェネレーターのトルクの低下に合わせて摩擦ブレーキの制動力を上昇できるか否かを判定する摩擦制動上昇判定部と、を備える。そして、上昇できないと判定されるときは、通常よりも長い時間をかけて変速するようにダウンシフトを開始するシフト制御部、をさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、ダウンシフトの開始タイミングになって、通常のシフト時間で変速した場合に、モータージェネレーターのトルクの低下に合わせて摩擦ブレーキの制動力を上昇することができないと推定されるときは、通常よりも長い時間をかけて変速するので、モータージェネレーターのトルクがゆっくりと低下する。そのため、回生ブレーキによる制動が減少するタイミングと、摩擦ブレーキによる制動が増加するタイミングとに、ズレが生じることを防止でき、車両の減速中にショックが発生することを防止することができる。
本発明の実施形態、本発明の利点については、添付された図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
図1は、本発明によるオートマチックトランスミッション制御装置を搭載するハイブリッド車両のパワートレインの一例を示す図である。 図2は、変速マップの一例を示す図である。 図3は、モータージェネレーターの回転速度とトルクとの相関を示す図、及び、オートマチックトランスミッションの入力軸の回転速度と伝達可能トルクとの相関を示す図である。 図4は、本発明によるオートマチックトランスミッション制御装置のコントローラーが実行する制御フローチャートを示す図である。 図5は、本発明によるオートマチックトランスミッション制御装置を搭載するハイブリッド車両のパワートレインの他の例を示す図である。
図1は、本発明によるオートマチックトランスミッション制御装置を搭載するハイブリッド車両のパワートレインの一例を示す図である。
車両100は、内燃エンジン1及びモータージェネレーター5によって駆動輪2を駆動するいわゆるハイブリッド車両である。ハイブリッド車両100は、フロントエンジン・リヤホイールドライブである。
図1に示されたハイブリッド車両100のパワートレインは、内燃エンジン1と、オートマチックトランスミッション3と、モータージェネレーター5と、を含む。
オートマチックトランスミッション3は、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方にタンデムに配置される。
モータージェネレーター5は、エンジン1及びオートマチックトランスミッション3の間に配置される。モータージェネレーター5は、エンジン1(クランクシャフト1a)からの回転をオートマチックトランスミッション3の入力軸3aへ伝達する軸4に結合される。モータージェネレーター5は、車両の運転状態に応じてモーターとして作用するとともにジェネレーター(発電機)としても作用する。
エンジン1及びモータージェネレーター5の間、より詳しくは、エンジンクランクシャフト1aと軸4との間には、第1クラッチ6が介挿される。第1クラッチ6は、伝達トルク容量を連続的又は段階的に変更可能である。このようなクラッチとしては、たとえば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量及びクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチがある。伝達トルク容量がゼロになった状態が、第1クラッチ6が完全に切り離された状態であり、エンジン1及びモータージェネレーター5の間が完全に切り離された状態である。
第1クラッチ6が完全に切り離されると、エンジン1の出力トルクは駆動輪2に伝わらず、モータージェネレーター5の出力トルクだけが駆動輪2に伝わる。この状態で走行するモードが電気走行(EV)モードである。一方、第1クラッチ6が接続されると、エンジン1の出力トルクも、モータージェネレーター5の出力トルクとともに、駆動輪2に伝わる。この状態で走行するモードがハイブリッド走行(HEV)モードである。このように第1クラッチ6の断続によって走行モードが切り替えられる。第1クラッチ6がエンジン側クラッチである。
モータージェネレーター5及びディファレンシャルギヤ装置8の間、より詳しくは、トランスミッション入力軸3aとトランスミッション出力軸3bとの間には、第2クラッチ7が介挿される。図1では、第2クラッチ7は、オートマチックトランスミッション3に内蔵されている。このような第2クラッチ7は、たとえば、オートマチックトランスミッション3の内部に既存する前進シフト段選択用の摩擦要素又は後退シフト段選択用の摩擦要素を流用することで実現してもよい。第2クラッチ7も第1クラッチ6と同様に、伝達トルク容量を連続的又は段階的に変更可能である。このようなクラッチとしては、たとえば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量及びクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチがある。伝達トルク容量がゼロになった状態が、第2クラッチ7が完全に切り離された状態であり、モータージェネレーター5及びディファレンシャルギヤ装置8の間が完全に切り離された状態である。エンジンを始動するときには、第2クラッチ7の伝達トルク容量を小さくしてスリップ制御する。するとエンジン1を始動するときのショックが駆動輪2に伝わりにくくなる。第2クラッチ7が駆動輪側クラッチである。
オートマチックトランスミッション3は、たとえば、2003年1月、日産自動車(株)発行「スカイライン新型車(CV35型車)解説書」第C−9頁〜第C−22頁に記載されたと同じものである。オートマチックトランスミッション3は、入力軸3aとともに回転するオイルポンプを内蔵しており、このオイルポンプのオイル圧によって複数の摩擦要素(クラッチやブレーキ等)を選択的に締結したり解放することで、摩擦要素の締結・解放組み合わせによって伝動系路(シフト段)を決定するものとする。したがってオートマチックトランスミッション3は、入力軸3aからの回転を選択シフト段に応じたギヤ比で変速して出力軸3bに出力する。この出力回転は、ディファレンシャルギヤ装置8によって左右の駆動輪2へ分配して伝達され、車両の走行に供される。ただしオートマチックトランスミッション3は、上記したような有段式のものに限られず、無段変速機であってもよい。なお入力軸3aの回転速度は、センサー13で検出される。
上述した図1のパワートレインにおいては、停車状態からの発進時などを含む低負荷・低車速時に用いられる電気走行(EV)モードで走行するときは、エンジン1からの動力が不要であるので、エンジン1を停止する。そして、第1クラッチ6を解放する。また第2クラッチ7を締結する。さらにオートマチックトランスミッション3を動力伝達状態にする。この状態でモータージェネレーター5を駆動する。するとモータージェネレーター5からの出力回転のみがトランスミッション入力軸3aに達する。オートマチックトランスミッション3は、入力軸3aから入力した回転を選択中のシフト段に応じ変速して、トランスミッション出力軸3bから出力する。トランスミッション出力軸3bから出力された回転は、その後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て駆動輪2に至る。このようにして、車両は、モータージェネレーター5のみによって電気走行(EVモード走行)する。
高速走行時や大負荷走行時などで用いられるハイブリッド走行(HEV)モードで走行するときは、第1クラッチ6及び第2クラッチ7をともに締結し、オートマチックトランスミッション3を動力伝達状態にする。この状態では、エンジン1からの出力回転及びモータージェネレーター5からの出力回転がトランスミッション入力軸3aに達する。オートマチックトランスミッション3は、入力軸3aから入力した回転を選択中のシフト段に応じ変速して、トランスミッション出力軸3bから出力する。トランスミッション出力軸3bから出力された回転は、その後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て駆動輪2に至る。このようにして、車両は、エンジン1及びモータージェネレーター5によってハイブリッド走行(HEVモード走行)する。
このようなHEVモード走行中に、エンジン1を最適燃費で運転させるとエネルギーが余剰となる場合がある。このような場合には、余剰エネルギーによってモータージェネレーター5を作動させて余剰エネルギーを電力に変換し、この電力をモータージェネレーター5のモーター駆動に用いるよう蓄電する。このようにすることで、エンジン1の燃費が向上する。
このような車両では、モータージェネレーター5の作用によって車両を制動するとともに車両の運動エネルギーを回生する。このようにして車両を制動する手法は回生ブレーキと呼ばれている。回生ブレーキによる制動力は車両の運転状態によって変化するが、回生ブレーキだけでは、ドライバーが要求する制動力が得られないことが多い。そこでその不足分を摩擦ブレーキで補う。回生ブレーキによる制動力の変化に合わせて摩擦ブレーキの制動力を変化させる制御は、協調回生制御と呼ばれる。協調回生制御では、回生ブレーキによる制動タイミングと摩擦ブレーキによる制動タイミングがズレるとショックを生じる。
本件発明者は、協調回生制御について研究中であり、車両の減速中にショックが生じやすいことを見いだした。そして本件発明者は、日夜研究を進めることで、オートマチックトランスミッションの制御を工夫することで、そのようなショックを防止できることを見いだした。これについて説明する。
最初にオートマチックトランスミッションのシフト制御について説明する。
図2は、変速マップの一例を示す図である。
横軸が車速であり、縦軸がアクセルペダル操作量である。図中実線がアップシフトで使用される変速ラインである。図中波線がダウンシフトで使用される変速ラインである。
たとえば、ドライバーがアクセルペダルから足を放してブレーキペダルを踏み込むことによって車両が減速するシーンで説明する。このようなシーンでは、回生ブレーキ及び摩擦ブレーキで車両を制動する。そして、車速がシフト基準車速V4を下回るまでは、オートマチックトランスミッション3は、5速を維持する。車速がシフト基準車速V4を下回ると、オートマチックトランスミッション3は、5速から4速にダウンシフトする。そして車速がシフト基準車速V3を下回るまでは、オートマチックトランスミッション3は、4速を維持する。車速がシフト基準車速V3を下回ると、オートマチックトランスミッション3は、4速から3速にダウンシフトする。オートマチックトランスミッション3は、以下同様に制御する。
ダウンシフトが実行されると、オートマチックトランスミッション3の入力軸3aの回転速度が上昇する。すると回生ブレーキによる制動力が低下する。これについて、図3(A)を参照して説明する。図3(A)は、モータージェネレーターの回転速度とトルクとの相関を示す図である。各線は、モータージェネレーターの出力一定線であり、右上の線ほど大出力である。エネルギーを効率よく回生するには、最も右上の線に沿ってモータージェネレーターを運転する必要がある。
すなわち回転速度が約2000rpmのときには150Nmのトルクで運転でき、このトルクが回生ブレーキの制動力になる。回転速度が約3000rpmのときには100Nmのトルクで運転でき、このトルクが回生ブレーキの制動力になる。すなわち、エネルギーを効率よく回生しようとすると、ダウンシフトに伴って、オートマチックトランスミッション3の入力軸3aの回転速度が上昇し、回生ブレーキによる制動力が低下するのである。そこで、回生ブレーキによる制動力の低下に合わせて、摩擦ブレーキによる制動力を上昇させなければならない。
オートマチックトランスミッション3の入力軸3aの回転速度がゆっくりと上昇するのであれば、摩擦ブレーキによる制動力もゆっくりと上昇させればよい。
しかしながら、オートマチックトランスミッション3の入力軸3aの回転速度が急激に上昇するときは、摩擦ブレーキによる制動力も急激に上昇させる必要がある。急激に上昇することができなければ、回生ブレーキによる制動力が減少するタイミングと、摩擦ブレーキによる制動力が増加するタイミングと、に、ズレが生じて、ショックを生じることが、本件発明者の研究によって明らかにされた。そこで、減速中にダウンシフトの開始タイミングになった場合であって、ダウンシフトしたときのモータージェネレーターの回転上昇によってモータージェネレーターのトルクが短時間で大幅に低下すると推定されるときには、通常よりも長い時間をかけてダウンシフトすることを、本件発明者は提案する。このようにすれば、回生ブレーキによる制動力がゆっくりと低下するので、それに合わせて摩擦ブレーキによる制動力もゆっくりと増加させればよい。したがって、回生ブレーキによる制動力が減少するタイミングと、摩擦ブレーキによる制動力が増加するタイミングと、に、ズレが生じることを防止でき、車両の減速中にショックが発生することを防止することができる。
なお、ダウンシフト前の変速比に対するダウンシフトの変速比の比率が大きいほど、オートマチックトランスミッションの入力軸の回転速度が大きく上昇する。そこで、ダウンシフト前の変速比に対するダウンシフトの変速比の比率が大きいほど、長い時間がかかるように、ダウンシフトを開始するとよい。このようにすることで、より正確に、回生ブレーキによる制動力が減少するタイミングと、摩擦ブレーキによる制動力が増加するタイミングと、に、ズレが生じることを防止でき、車両の減速中にショックが発生することを防止することができるのである。
また、一定のシフト段が維持される場合には、車速の低下に伴って、オートマチックトランスミッション3の入力軸3aの回転速度も低下し、オイルポンプのオイル圧も低下する。前述の通り、オートマチックトランスミッション3は、オイルポンプのオイル圧によって、複数の摩擦要素(クラッチやブレーキ等)を選択的に締結したり解放している。したがってオイルポンプのオイル圧が低下すると、摩擦要素(クラッチやブレーキ等)の締結力が弱まり、オートマチックトランスミッション3の伝達可能トルクが低下する。すなわち、図3(B)に示されるように、オートマチックトランスミッション3の入力軸3aの回転速度が低下すると、オートマチックトランスミッション3の伝達可能トルクが低下するのである。オートマチックトランスミッション3の伝達可能トルクを超えるトルクを伝達することはできないので、オートマチックトランスミッション3の伝達可能トルクが小さいと、モータージェネレーターの回生可能なトルクは、その伝達可能トルクで制限されてしまう。このようになっては、エネルギーを効率よく回生することができない。
そこで、オートマチックトランスミッション3の伝達可能トルクが、モータージェネレーターの回生可能最大トルクと等しくなるように、オートマチックトランスミッション3へ供給するオイル圧を出すのに必要な回転速度を、オートマチックトランスミッション3の入力軸3aの回転速度が下回りそうになったら、通常よりも早いタイミングでダウンシフトを開始する。すなわち図2のダウンシフトで使用される変速ラインを右にシフトする(シフト基準車速を高くする)ことを、本件発明者は提案する。
このようにすることで、オートマチックトランスミッション3の伝達可能トルクがモータージェネレーターの回生可能なトルクを下回らない。すなわち、このようにすることで、モータージェネレーターの回生可能なトルクがオートマチックトランスミッション3の伝達可能トルクで制限されてしまうことを防止できるのである。
以下では、上述の技術思想を実現する具体的な構成について説明する。
図4は、本発明によるオートマチックトランスミッション制御装置のコントローラーが実行する制御フローチャートを示す図である。
ステップS1においてコントローラーは、車両が減速中であるか否かを判定する。コントローラーは、減速中であればステップS2へ処理を移行し、減速中でなければ処理を抜ける。
ステップS2においてコントローラーは、ダウンシフトの開始タイミングになったか否かを判定する。具体的には、車速がシフト基準車速を下回ったか否かによって判定する。コントローラーは、開始タイミングになればステップS3へ処理を移行し、ならなければステップS5へ処理を移行する。
ステップS3においてコントローラーは、ダウンシフト後のシフト段を推定するとともに、ダウンシフト後のオートマチックトランスミッション入力軸3aの回転速度、すなわちモータージェネレーター5の軸4の回転速度を推定する。
ステップS4においてコントローラーは、ダウンシフトによるモータージェネレーター5のトルクの低下量を推定する。具体的には、たとえば図3(A)に基づいて推定する。
ステップS5においてコントローラーは、オートマチックトランスミッションを通常のシフト時間で変速した場合に、モータージェネレーター5のトルクの低下に合わせて摩擦ブレーキの制動力を上昇できるか否かを判定する。具体的には、予め実験又はシミュレーションを通じて摩擦ブレーキの制動力を上昇できる基準値(速度)を設定しておき、その基準値とモータージェネレーター5のトルクの低下速度とを比較して判定すればよい。コントローラーは、上昇できなければステップS6へ処理を移行し、上昇できれば処理を抜ける。なおシフト時間とは、変速を開始してから、オートマチックトランスミッション入力軸3aの回転速度が変速後の回転速度に収束するまでの時間である。
ステップS6においてコントローラーは、通常よりも長い時間をかけて変速するようにダウンシフトを開始する。
ステップS7においてコントローラーは、モータージェネレーター5の回転速度が基準速度を下回ったか否かを判定する。なお基準速度は、オートマチックトランスミッション3の伝達可能トルクが、モータージェネレーターの回生可能最大トルクと等しくなるように、オートマチックトランスミッション3へ供給するオイル圧を出すのに必要な回転速度に、さらにマージンを加えた回転速度である。このマージンは、モータージェネレーター5の回転速度が早く低下するほど大きく設定することで、オートマチックトランスミッション3の伝達可能トルクが、モータージェネレーターの回生可能最大トルクを下回ることを確実に防止できる。またオートマチックトランスミッション3へ供給するオイルの温度が高いとオイルの粘性が低下するので、オートマチックトランスミッション3の伝達可能トルクも低下する。そこで、オイルの温度が高いほど、早めに変速するように基準速度を大きく補正するとよい。なおオイルの温度は、温度センサーで検出すればよい。
本実施形態によれば、ダウンシフトの開始タイミングになって、通常のシフト時間で変速した場合に、モータージェネレーターのトルクの低下に合わせて摩擦ブレーキの制動力を上昇することができないと推定されるときは、通常よりも長い時間をかけて変速するようにした。このようにしたので、モータージェネレーターのトルクがゆっくりと低下する。そのため、回生ブレーキによる制動力が減少するタイミングと、摩擦ブレーキによる制動力が増加するタイミングとに、ズレが生じることを防止でき、車両の減速中にショックが発生することを防止することができる。
なお、ダウンシフト前の変速比に対するダウンシフトの変速比の比率が大きいほど、オートマチックトランスミッションの入力軸の回転速度が大きく上昇する。そこで、ダウンシフト前の変速比に対するダウンシフトの変速比の比率が大きいほど、長い時間がかかるように、ダウンシフトを開始するとよい。このようにすることで、より正確に、回生ブレーキによる制動力が減少するタイミングと、摩擦ブレーキによる制動力が増加するタイミングと、に、ズレが生じることを防止でき、車両の減速中にショックが発生することを防止することができるのである。
また、ダウンシフトの開始タイミングになっていないときは、モータージェネレーターの回転速度が基準速度を下回ったときは、通常よりも早いタイミングでダウンシフトを開始するようにした。
また、一定のシフト段が維持される場合には、車速の低下に伴って、オートマチックトランスミッションの入力軸の回転速度の低下に伴い、オイルポンプのオイル圧も低下するので、摩擦要素(クラッチやブレーキ等)の締結力が弱まり、オートマチックトランスミッションの伝達可能トルクも低下する。オートマチックトランスミッション3の伝達可能トルクを超えるトルクを伝達することはできないので、オートマチックトランスミッション3の伝達可能トルクが小さいと、モータージェネレーターの回生可能なトルクは、その伝達可能トルクで制限されてしまう可能性がある。このようになっては、エネルギーを効率よく回生することができない。
そこで本実施形態では、オートマチックトランスミッションの伝達可能トルクが、モータージェネレーターの回生可能最大トルクと等しくなるように、オートマチックトランスミッションへ供給するオイル圧を出すのに必要な回転速度を、オートマチックトランスミッションの入力軸の回転速度が下回りそうになったら、通常よりも早いタイミングでダウンシフトを開始するようにした。このようにすることで、エネルギーを効率よく回生することができる。なお、モータージェネレーターの回転速度の低下が速いほど、マージンを大きくしておく。このようにすることで、オートマチックトランスミッションの伝達可能トルクが、モータージェネレーターの回生可能最大トルクを下回ることを、確実に防止できる。
さらに、オートマチックトランスミッションへ供給されるオイルの温度が高いほど、基準速度を大きく設定する。オートマチックトランスミッションへ供給するオイルの温度が高いとオイルの粘性が低下するので、オートマチックトランスミッションの伝達可能トルクも低下する。そこで本実施形態では、オイルの温度が高いほど、早めに変速するように基準速度を大きく補正する。このようにすることでも、オートマチックトランスミッションの伝達可能トルクが、モータージェネレーターの回生可能最大トルクを下回ることを、確実に防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
たとえば、図1では、モータージェネレーター5及び駆動駆動輪2を切り離し可能に結合する第2クラッチ7は、モータージェネレーター5及び自動変速機3間に介在させるとともに、自動変速機3に内蔵されていた。しかしながらこのような構造に限らず、図5(A)に示されるように、自動変速機3とは別に、自動変速機3の外部に設けられていてもよい。また図5(B)に示されるように、自動変速機3とディファレンシャルギヤ装置8とのに介在させてもよい。これらのようにしても、上述と同様に機能させることができる。
また、上記実施形態においては、内燃エンジン及びモータージェネレーターによって駆動輪を駆動するいわゆるハイブリッド車両を例示して説明したが、モータージェネレーターによって駆動輪を駆動する電気自動車に適用してもよい。
100 車両
1 内燃エンジン
1a クランクシャフト
2 駆動輪
3 自動変速機
3a 変速機入力軸
3b 変速機出力軸
4 軸
5 モータージェネレーター
6 第1クラッチ(エンジン側クラッチ)
7 第2クラッチ(駆動輪側クラッチ)
ステップS2 ダウンシフト判定部
ステップS5 摩擦制動上昇判定部
ステップS6 シフト制御部

Claims (6)

  1. 摩擦ブレーキと回生ブレーキとを協調させて車両を制動する協調回生ブレーキが備えられた車両のオートマチックトランスミッションを制御する装置であって、
    減速中にダウンシフトの開始タイミングになったか否か判定するダウンシフト判定部と、
    ダウンシフトの開始タイミングになったときは、通常のシフト時間で変速した場合に、モータージェネレーターのトルクの低下に合わせて摩擦ブレーキの制動力を上昇できるか否かを判定する摩擦制動上昇判定部と、
    上昇できないと判定されるときは、通常よりも長い時間をかけて変速するようにダウンシフトを開始するシフト制御部と、
    を備えるオートマチックトランスミッション制御装置。
  2. 請求項1に記載のオートマチックトランスミッション制御装置において、
    前記シフト制御部は、ダウンシフト前の変速比に対するダウンシフトの変速比の比率が大きいほど、長い時間がかかるように、ダウンシフトを開始する、
    ことを特徴とするオートマチックトランスミッション制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のオートマチックトランスミッション制御装置において、
    ダウンシフトの開始タイミングになっていないときは、モータージェネレーターの回転速度が基準速度を下回ったか否かを判定する回転速度判定部と、
    基準速度を下回ったときは、通常よりも早いタイミングでダウンシフトを開始するダウンシフト早期開始部と、
    を備えることを特徴とするオートマチックトランスミッション制御装置。
  4. 請求項3に記載のオートマチックトランスミッション制御装置において、
    前記基準速度は、オートマチックトランスミッションの伝達可能トルクが、モータージェネレーターの回生可能最大トルクと等しくなるように、オートマチックトランスミッションへ供給するオイル圧を出すのに必要な回転速度に、さらにマージンを加えた回転速度である、
    ことを特徴とするオートマチックトランスミッション制御装置。
  5. 請求項4に記載のオートマチックトランスミッション制御装置において、
    前記マージンは、前記モータージェネレーターの回転速度が早く低下するほど大きい、
    ことを特徴とするオートマチックトランスミッション制御装置。
  6. 請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載のオートマチックトランスミッション制御装置において、
    前記基準速度は、オートマチックトランスミッションへ供給されるオイルの温度が高いほど大きい、
    ことを特徴とするオートマチックトランスミッション制御装置。
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