JP5622400B2 - 非空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
これにより、非空気入りタイヤに加えられた外力を、各連結板内で前記延びる方向に分散させ易くすることができるとともに、これらの両連結板の柔軟性を向上させることが可能になる。
したがって、それぞれの連結板内で局所的に大きな負荷が加わる部分が生ずるのを抑制することが可能になり、連結部材の強度を向上させることができるとともに、衝撃力を吸収させ易くして良好な乗り心地性を具備させることができる。
さらに前述の作用効果のうち、連結部材の強度を向上させることが可能になることから、例えば各連結板の厚さを抑えても必要な強度が確保され易くなり、この非空気入りタイヤの軽量化を容易に図ることができる。
また、連結部材が、前記側面視で前記中心線に対して線対称に形成されているので、この非空気入りタイヤにおけるタイヤ周方向の一方側に沿うばね定数と他方側に沿うばね定数とで差が生ずるのを抑えることが可能になり、良好な操縦性を具備させることができる。
さらに、前記両連結板それぞれにおいて、複数の湾曲部のうち互いに隣り合う各湾曲部の湾曲方向が、互いに逆向きになっているので、これらの連結板を無理なく自然に湾曲させることが可能になり、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
この非空気入りタイヤ1は、図示されない車軸に取り付けられる取り付け体11と、取り付け体11をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体12と、これらの取り付け体11とリング状体12との間にタイヤ周方向に沿って複数配設された連結部材13と、リング状体12の外周面12c側にその全周にわたって配設されたトレッド部材14と、リング状体12とトレッド部材14との間に配設された補強層15と、が備えられている。
なお、取り付け体11、リング状体12、トレッド部材14および補強層15はそれぞれ、タイヤ幅方向Hにおける大きさが互いに同等とされて形成されるとともに、軸線Oと同軸上にタイヤ幅方向Hの中央部が互いに一致させられて配設されている。
なお、第1連結板21および第2連結板22はそれぞれ、ヒステリシスロスがほとんど無い例えば金属材料若しくは樹脂材料等で形成されている。
すなわち、両連結板21、22の各長さは互いに同等とされるとともに、両連結板21、22の各他端部21b、22bは、前記タイヤ側面視で、取り付け体11の外周面において前記各一端部21a、22aとタイヤ径方向で対向する位置から前記軸線Oを中心にタイヤ周方向における一方側および他方側にそれぞれ同じ角度(例えば20°以上135°以下)ずつ離れた各位置に各別に連結され、また、第1湾曲部21d、21fおよび第3湾曲部22d、22fの各大きさが互いに同等とされ、第2湾曲部21eおよび第4湾曲部22eの各大きさが互いに同等とされ、第1屈曲部21g、21hおよび第2屈曲部22g、22hの各大きさが互いに同等とされている。
なお、前記角度を20°以上90°以下にすると、例えば、連結部材13の配設個数を多く確保しつつ、非空気入りタイヤ1の重量を低減させたり、タイヤ周方向で隣り合う両連結板21、22同士の干渉を防止したりすること等が可能になる。また、両連結板21、22の各他端部21b、22bは、取り付け体11の外周面におけるタイヤ幅方向Hの両端部に各別に連結されている。
図示の例では、両連結板21、22の各一端部21a、22aには、雌ねじが形成された雌ねじ部材32が各別に配設されるとともに、第1貫通孔が形成されている。そして、前記挿通孔33内に前述のように差し込まれたボルト31が、前記第1貫通孔を通って雌ねじ部材32の雌ねじにねじ込まれることにより、両連結板21、22の各一端部21a、22aが、雌ねじ部材32とリング状体12とでタイヤ径方向に挟み込まれてリング状体12の内周面12bに連結されている。
雌ねじ部材32は、複数の雌ねじが形成された板体とされるとともに、ボルト31は複数設けられている。図示の例では、雌ねじ部材32は、タイヤ幅方向Hに長い平面視長方形状に形成され、雌ねじはタイヤ幅方向Hに間隔をあけて2つ形成されている。なお、前記第1貫通孔は、両連結板21、22の各一端部21a、22aにそれぞれ、タイヤ幅方向Hに間隔をあけて2つ形成されている。
図示の例では、弾性部材16は、リング状体12内におけるタイヤ幅方向Hの両端部に各別に配設されている。また、弾性部材16においてタイヤ周方向で隣り合うリング分割体12a同士の間に位置する部分と、補強層15の内周面との間に、タイヤ径方向の隙間が設けられている。
収納溝34は、取り付け体11の外周面におけるタイヤ幅方向Hの両端部に各別に形成されるとともに、タイヤ幅方向Hの外側に向けて開口している。そして、両連結板21、22の各他端部21b、22bは、収納溝34を画成する壁面のうちタイヤ幅方向Hの外側を向く内側壁面に、タイヤ幅方向Hの外側から対向若しくは当接した状態で、取り付け体11におけるタイヤ幅方向Hの両端部に各別に連結されている。
したがって、それぞれの連結板21、22内で局所的に大きな負荷が加わる部分が生ずるのを抑制することが可能になり、各連結板21、22の強度を向上させることができるとともに、衝撃力を吸収させ易くして良好な乗り心地性を具備させることができる。
また、連結部材13が、前記側面視で前記中心線Lに対して線対称に形成されているので、この非空気入りタイヤ1におけるタイヤ周方向の一方側に沿うばね定数と他方側に沿うばね定数とで差が生ずるのを抑えることが可能になり、良好な操縦性を具備させることができる。
さらに、前記両連結板21、22それぞれにおいて、複数の湾曲部21d〜21f、22d〜22fのうち互いに隣り合う各湾曲部21d〜21f、22d〜22fの湾曲方向が、互いに逆向きになっているので、これらの連結板21、22を無理なく自然に湾曲させることが可能になり、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
したがって、接地面内での接地圧のばらつきを確実に抑えることができるとともに、リング状体12を多数個のリング分割体12aに分割したことによって、非空気入りタイヤ1の転がり抵抗が増大したり、あるいは両連結板21、22にかかる負荷が高くなったりするのを抑制することができる。
さらに本実施形態では、非空気入りタイヤ1に外力が作用して取り付け体11とリング状体12とが相対的にタイヤ幅方向Hに大きく変位し、両連結板21、22のうちの一方の他端部21b、22bが、収納溝34からタイヤ幅方向Hの外側に向けて位置ずれして外れようとしても、他方の他端部22b、21bが収納溝34の内側壁面に当接することにより、該一方の他端部21b、22bが収納溝34から外れるのを防ぐことができる。
さらに本実施形態では、弾性部材16が、タイヤ周方向に沿って多数個の弾性分割体16aに分割されているので、前述の作用効果を奏する弾性部材16を容易に形成することができるとともに、容易に装着することができる。
さらにまた、本実施形態では、リング状体12の外周面側に、その全周にわたってトレッド部材14が配設されているので、乗り心地性、グリップ性、および非空気入りタイヤ1の耐久性を確実に向上させることができる。
さらに、ボルト31の頭部が挿通孔33のザグリ孔33内に収納されているので、ボルト31の頭部がリング状体12の外周面12cから突出するのを防ぐことが可能になり、このボルト31の頭部と補強層15の内周面とが干渉するのを防ぐことができる。
さらに、雌ねじ部材32が、複数の雌ねじが形成された板体とされるとともに、ボルト31が複数設けられているので、両連結板21、22の各一端部21a、22aとリング状体12の内周面12bとの連結強度を高めるためにボルト31を複数用いたことによる雌ねじ部材32の個数の増大を防ぐことが可能になる。
例えば、前記実施形態で示した弾性部材16に代えて、例えばスチール等で形成されるとともにタイヤ周方向に沿って延設された束線、単線若しくは撚り線、またはタイヤ周方向に沿って延設されたコイルスプリングを採用してもよい。
また、前記実施形態で示した弾性部材16の配設位置は、リング状体12内において多数個のリング分割体12aをタイヤ周方向に連結することが可能な位置であれば、例えばリング状体12の内周面12bにおけるタイヤ幅方向Hの中央部にする等、適宜変更してもよい。
また、弾性部材16は、タイヤ周方向に沿って全周にわたって連続して延在させてもよい。
また、連結部材13を、取り付け体11とリング状体12との間にタイヤ幅方向Hに沿って複数設けてもよい。
また、第1連結板21および第2連結板22それぞれの他端部21b、22bは、前記実施形態に代えて例えば、取り付け体11の外周面において前記軸線Oをタイヤ径方向で挟んで互いに反対となる各位置に各別に連結してもよいし、あるいは、取り付け体11の外周面において、第1連結板21および第2連結板22の各一端部21a、22aにタイヤ径方向で対向する位置等に連結してもよい。
さらに、前記実施形態では、1つの連結部材13における両連結板21、22の各一端部21a、22aを、1つのリング分割体12aに連結したが、タイヤ周方向で互いに隣接する複数個のリング分割体12aに跨って連結してもよい。
また、前記実施形態に代えて、両連結板21、22の各一端部21a、22aを、リング状体12の内周面12bにタイヤ周方向位置を互いに異ならせて連結してもよい。
また、ザグリ孔33aを有しない挿通孔33を採用してもよく、ボルト31は皿ボルトに限らず適宜選択してもよい。
また、前記実施形態では、取り付け体11に雌ねじ部11cを形成し、この雌ねじ部11cに固定ボルト35を螺着したが、雌ねじ部11cおよび固定ボルト35を有しない構成を採用してもよい。
また、前記実施形態では、収納溝34を前記切り込み方向の前方に非貫通としたが、貫通させてもよい。さらに収納溝34をタイヤ幅方向Hの外側に向けて開口させたが閉塞させてもよいし、また収納溝34は、取り付け体11の外周面であればタイヤ幅方向Hの両端部に限らずその形成位置は適宜変更してもよい。
さらに、リング状体12および弾性部材16はタイヤ周方向に沿って多数個に分割させなくてもよい。
また、前記実施形態では、タイヤ周方向で隣り合うリング分割体12a同士の間にタイヤ周方向の隙間を設けたが、タイヤ周方向で隣り合うリング分割体12aの周端縁同士を互いに近接若しくは当接させてもよい。
さらに、リング状体12の外周面12c側にトレッド部材14を設けなくてもよい。
実施例として、図1から図6で示した非空気入りタイヤ1を採用し、また比較例として、非空気入りタイヤ1において、連結部材13に代えて、複数の湾曲部21d〜21f、22d〜22fを有しない連結部材を有する構成を採用した。そして、これらの実施例および比較例のタイヤのサイズはともに145/80R13とした。
乗り心地性については、ドライバーによるフィーリングにより評価し、連結部材の強度については、第1連結板および第2連結板に加わる応力の最大値に基づいて評価した。
この表においては数値が大きいほど良好であることを示している。
11 取り付け体
12 リング状体
13 連結部材
21 第1連結板
22 第2連結板
21a、22a 一端部
21b、22b 他端部
21c、22c 中間部分
21d〜21f、22d〜22f 湾曲部
21g、21h 第1屈曲部
22g、22h 第2屈曲部
H タイヤ幅方向
L 中心線
O 軸線
Claims (2)
- 車軸に取り付けられる取り付け体と、
該取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体と、
これらの取り付け体とリング状体との間にタイヤ周方向に沿って複数配設された連結部材と、が備えられた非空気入りタイヤであって、
前記連結部材は、取り付け体とリング状体とを連結する第1連結板および第2連結板を備えるとともに、
これらの両連結板それぞれにおいて、前記リング状体に連結された一端部と、前記取り付け体に連結された他端部と、の間に位置する中間部分に、タイヤ周方向に湾曲する湾曲部が、このタイヤをその軸線方向から見たタイヤ側面視で、当該連結板が延びる方向に沿って複数形成されるとともに、これらの湾曲部のうち互いに隣り合う各湾曲部の湾曲方向が互いに逆向きとされ、
前記連結部材は、前記側面視において、該連結部材のタイヤ径方向に沿って延びる中心線に対して線対称に形成され、
複数の前記湾曲部は、前記側面視で、前記中間部分において、前記一端部および前記他端部に各別に連なる接続部分を除く全域にわたって形成され、
前記接続部分には、タイヤ周方向に屈曲する屈曲部が形成され、
前記屈曲部が前記側面視でタイヤ周方向に凸となる向きと、複数の前記湾曲部のうち、この屈曲部に連なる湾曲部が前記側面視でタイヤ周方向に凸となる向きと、が互いに逆向きになっていることを特徴とする非空気入りタイヤ。 - 請求項1記載の非空気入りタイヤであって、
前記第1連結板の一端部は、他端部よりもタイヤ周方向の一方側に位置し、
前記第2連結板の一端部は、他端部よりもタイヤ周方向の他方側に位置し、
前記第1連結板の中間部分において、前記一端部および他端部に各別に連なる接続部分にはそれぞれ、タイヤ周方向の他方側に向けて凸となるように屈曲した第1屈曲部が形成され、
前記第2連結板の中間部分において、前記一端部および他端部に各別に連なる接続部分にはそれぞれ、タイヤ周方向の一方側に向けて凸となるように屈曲した第2屈曲部が形成されていることを特徴とする非空気入りタイヤ。
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