JP2014213789A - 非空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車軸に取り付けられる取り付け体11と、取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体13と、取り付け体とリング状体とを変位自在に連結する連結部材15と、リング状体に外装された円筒状のトレッド部材16と、を備える非空気入りタイヤ1であって、トレッド部材の外周面は、タイヤ幅方向Hに沿う断面視で、タイヤ径方向の外側に向けて突の曲面状をなし、トレッド部材の外径は、その最大外径部分16aからタイヤ幅方向に離れるに従い縮径され、リング状体の外径は、トレッド部材の最大外径部分が位置するタイヤ幅方向に沿う位置で最大となり、この位置からタイヤ幅方向に離れるに従い縮径している。
【選択図】図1
Description
このような問題を解決するために近年では、例えば下記特許文献1に示されるような非空気入りタイヤが提案されている。
また、リング状体を構成する二つの分割リング状体それぞれにおいて、分割面に向けてタイヤ幅方向に近づくに従いタイヤ径方向に沿う厚さが厚くなっているので、これらの分割面を広く確保することが可能になり、両分割リング状体の分割面同士を強固に連結することができる。
図1、図2に示すように、本実施形態の非空気入りタイヤ1は、図示しない車軸に取り付けられる取り付け体11と、取り付け体11をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体13と、取り付け体11とリング状体13との間にタイヤ周方向に沿って複数配設されるとともに、これらの取り付け体11とリング状体13とを相対的に弾性変位自在に連結する連結部材15と、リング状体13に外装された円筒状のトレッド部材16と、を備えている。
装着筒部17、外リング部18、およびリブ19は例えばアルミニウム合金等の金属材料で一体に形成されている。装着筒部17および外リング部18はそれぞれ、円筒状に形成され軸線Oと同軸に配設されている。複数のリブ19は、タイヤ周方向に同等の間隔をあけて配置されている。
なお、外リング部18において、タイヤ周方向で隣り合うキー溝部18a同士の間に位置する部分には、タイヤ径方向に貫通する肉抜き孔がタイヤ幅方向Hに間隔をあけて複数配置されてなる孔列18cが形成されている。また、リブ19にも、タイヤ幅方向Hに貫通する肉抜き孔19aが形成されている。
外装体12は、突条部12aがキー溝部18aに嵌合された状態で、凹部18b内に板材28を固定することにより、取り付け体11に固定されている。
また、リング状体13は外装体12よりもタイヤ幅方向Hの大きさ、つまり幅が大きくなっており、図示の例では、リング状体13は円筒状に形成されている。
連結部材15のうち、第1連結板21は一のタイヤ幅方向H(タイヤ幅方向Hに沿う一方側)の位置にタイヤ周方向に沿って複数配置され、第2連結板22は一のタイヤ幅方向Hの位置とは異なる他のタイヤ幅方向H(タイヤ幅方向Hに沿う他方側)の位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されている。すなわち、複数の第1連結板21は、タイヤ幅方向Hにおける同一の位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されるとともに、複数の第2連結板22は、第1連結板21からタイヤ幅方向Hに離れた同一のタイヤ幅方向Hの位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されている。図示の例において、各連結板21、22は、タイヤ周方向に沿ってそれぞれ60個ずつ設けられている。
そして、タイヤ径方向に圧縮荷重が作用していない状態では、タイヤ周方向で隣り合う第1連結板21同士は、互いに非接触とされている。同様に、タイヤ周方向で隣り合う第2連結板22同士も、タイヤ径方向に圧縮荷重が作用していない状態では互いに非接触となっている。さらに、タイヤ幅方向Hで隣り合う第1連結板21および第2連結板22同士も互いに非接触となっている。
なお、第1連結板21および第2連結板22それぞれの幅は互いに同等になっている。また、第1連結板21および第2連結板22それぞれの厚さも互いに同等になっている。
また、1つの連結部材15における第1連結板21および第2連結板22の各一端部21a、22aは、リング状体13の内周面において、タイヤ幅方向Hの位置を互いに異ならせて、タイヤ周方向における同一の位置に連結されている。
第2連結板22に形成された複数の湾曲部22d〜22fは、タイヤ周方向の一方側に向けて突となるように湾曲した第1湾曲部22dと、第1湾曲部22dと一端部22aとの間に位置しかつタイヤ周方向の他方側に向けて突となるように湾曲した第2湾曲部22eと、第1湾曲部22dと他端部22bとの間に位置しかつタイヤ周方向の他方側に向けて突となるように湾曲した第3湾曲部22fと、を有している。なお、第2湾曲部22eは一端部22aに連なっている。
図示の例では、第1湾曲部21d、22dは、第2湾曲部21e、22eおよび第3湾曲部21f、22fよりも、前記タイヤ側面視の曲率半径が大きくなっている。また、各連結板21、22それぞれの湾曲部21d〜21f、22d〜22fのうち、一端部21a、22aに連なる第2湾曲部21e、22eの曲率半径が最も小さくなっている。なお、第1湾曲部21d、22dは、第1連結板21および第2連結板22の前記延びる方向における中央部に配置されている。
また、両連結板21、22それぞれにおいて、前述した延びる方向の中央部から前記一端部21a、22aにわたる一端側部分は、該中央部から前記他端部21b、22bにわたる他端側部分よりも厚さが大きくなっている。これにより、連結部材15の重量の増大を抑えたり、連結部材15の柔軟性を確保したりしながら、第1、第2連結板21、22において大きな負荷がかかり易い一端側部分の強度を高めることができる。なお、これらの一端側部分と他端側部分とは段差なく滑らかに連なっている。
さらに本実施形態では、図1に示すように、外装体12は、タイヤ幅方向Hの一方側に位置する一方側分割外装体25と、タイヤ幅方向Hの他方側に位置する他方側分割外装体26と、に分割されている。また、リング状体13は、タイヤ幅方向Hの一方側に位置する一方側分割リング状体23と、タイヤ幅方向Hの他方側に位置する他方側分割リング状体24と、に分割されている。なお図示の例では、外装体12およびリング状体13はそれぞれ、タイヤ幅方向Hの中央部で分割されている。
さらに本実施形態では、一方側分割外装体25、一方側分割リング状体23および第1連結板21、並びに他方側分割外装体26、他方側分割リング状体24および第2連結板22はそれぞれ、鋳造若しくは射出成形により一体に形成されている。
以下、一方側分割外装体25、一方側分割リング状体23および第1連結板21が一体に形成されたものを第1分割ケース体31といい、他方側分割外装体26、他方側分割リング状体24および第2連結板22が一体に形成されたものを第2分割ケース体32という。
また、各分割ケース体31、32それぞれにおいて、各分割外装体25、26と、各分割リング状体23、24と、各連結板21、22と、は、互いに異なる材質で形成してもよいし、同一の材質で形成してもよい。なお、この材質としては、金属材料や樹脂材料等が挙げられるが、軽量化の観点から樹脂材料、特に熱可塑性樹脂が好ましい。
また、各分割ケース体31、32それぞれの全体を各別に同時に射出成形する場合には、外装体12に形成された複数の突条部12aをゲート部分としてもよい。
また、各分割外装体25、26それぞれの、タイヤ幅方向Hの内側を向く分割面同士は、タイヤ幅方向Hに離れている。これにより、取り付け体11に外嵌される外装体12の内周面にバリが生ずることが防止されている。
そして、各分割ケース体31、32同士を連結するに際し、各連結部材15がタイヤ側面視で上述のように線対称となるように、各分割ケース体31、32それぞれのタイヤ周方向の位置を合わせつつ、これらの両分割ケース体31、32のタイヤ幅方向Hの向きを互いに逆向きにした状態で、各分割ケース体31、32の第1、第2分割リング状体23、24の分割面23a、24a同士を突き合わせて連結する。
また、リング状体13の最大外径部分13aは、非空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向Hの中央部に位置している。
ここで、前述したように、リング状体13が、タイヤ幅方向Hの中央部で分割されていることから、リング状体13は、この分割面23a、24aに向けてタイヤ幅方向Hに近づくに従い漸次タイヤ径方向に沿う厚さが厚くなっている。
また、連結部材15が、リング状体13のうち、タイヤ径方向に沿う厚さが最も厚いその最大外径部分13aからタイヤ幅方向Hにずれた位置に連結されているので、リング状体13の剛性が、タイヤ幅方向Hに沿う位置ごとでばらつくのを抑制することが可能になり、良好な操縦性を確実に具備させることができる。
さらに、リング状体13がタイヤ幅方向Hに二分割されているので、リング状体13が例えば複雑な構造でもこれを容易に形成することができる。
また、リング状体13を構成する第1、第2分割リング状体23、24それぞれにおいて、分割面23a、24aに向けてタイヤ幅方向Hに近づくに従い漸次タイヤ径方向に沿う厚さが厚くなっているので、これらの分割面23a、24aを広く確保することが可能になり、両分割リング状体23、24の分割面23a、24a同士を強固に連結することができる。
実施例1として、図1から図5で示した非空気入りタイヤ1を採用した。
実施例2として、図6に示されるような、タイヤ幅方向Hに沿う断面視で、リング状体13の外周面がタイヤ径方向の外側に向けて突の曲面をなし、リング状体13の内周面がタイヤ径方向の内側に向けて突の曲面をなしていて、リング状体13の厚さが、最大外径部分13aに向けてタイヤ幅方向Hに近づくに従い漸次厚くなっている非空気入りタイヤ2を採用した。
実施例3として、図7に示されるような、タイヤ幅方向Hに沿う断面視で、リング状体13の外周面および内周面の双方が、タイヤ径方向の外側に向けて突の曲面をなしていて、リング状体13の厚さが、最大外径部分13aに向けてタイヤ幅方向Hに近づくに従い漸次厚くなっている非空気入りタイヤ3を採用した。
実施例4として、図8に示されるような、タイヤ幅方向Hに沿う断面視で、リング状体13の外周面および内周面の双方が、最大外径部分13aからタイヤ幅方向Hに離れるに従い漸次タイヤ径方向の外側から内側に向けて直線状に延在し、リング状体13の厚さが全域にわたって同等になっている非空気入りタイヤ4を採用した。
実施例5として、図9に示されるような、タイヤ幅方向Hに沿う断面視で、リング状体13の外周面および内周面の双方が、タイヤ径方向の外側に向けて突の曲面状をなしていて、リング状体13の厚さが全域にわたって同等になっている非空気入りタイヤ5を採用した。
比較例として、図10に示されるような、タイヤ幅方向Hに沿う断面視で、リング状体13の外周面および内周面の双方が、タイヤ幅方向Hに沿って平行に延びる平面をなしていて、リング状体13の厚さが全域にわたって同等になっている非空気入りタイヤ6を採用した。この非空気入りタイヤ6では、トレッド部材16のタイヤ径方向に沿う厚さが、最大外径部分16aに向けてタイヤ幅方向Hに近づくに従い漸次厚くなっている。
操縦性については、車両に装着して走行したときのドライバーによるフィーリングにより評価した。
連結強度については、それぞれの非空気入りタイヤ1〜6に、一方側分割リング状体23と他方側分割リング状体24とが相対的に離間する方向に力を加えた時に、両者23、24間に亀裂が生じたときの力で評価した。
結果を表1に示す。それぞれの評価は、比較例の非空気入りタイヤ6で得られた結果を100とした指数で表した。操縦性および連結強度は、数値が大きいほど良好であることを示している。
実施例1〜5の非空気入りタイヤ1〜5のうち、リング状体13の厚さが、最大外径部分13aで大きくなっている実施例1、2の非空気入りタイヤ1、2では、他の非空気入りタイヤと比べて、連結強度が大きく向上できたことが確認された。
また、前記実施形態では、連結部材15として第1連結板21および第2連結板22をそれぞれ1つずつ備えた構成を示したが、これに代えて、1つの連結部材15に第1連結板21および第2連結板22がそれぞれ複数ずつ、互いのタイヤ幅方向Hの位置を異ならせて備えられた構成を採用してもよい。
また、連結部材15を、外装体12とリング状体13との間にタイヤ幅方向Hに沿って複数設けてもよい。
また、前記実施形態に代えて、両連結板21、22の各一端部21a、22aを、リング状体13の内周面にタイヤ周方向位置を互いに異ならせて連結してもよい。
また、外装体12およびリング状体13をタイヤ幅方向Hに3個以上分割してもよいし、分割しなくてもよい。
さらに、第1、第2分割ケース体31、32は、前記実施形態に限らず例えば、切削加工等で形成してもよい。
また、上述した実施形態では、連結部材15の一端部21a、22aを、外装体12を介して取り付け体11に間接的に連結する構成について説明したが、これに限らず、取り付け体11に連結部材15の一端部21a、22aを直接的に連結しても構わない。
また、上述した実施形態では、リング状体13の最大外径部分13a、およびトレッド部材16の最大外径部分16aを、非空気入りタイヤ1〜5におけるタイヤ幅方向Hの中央部に配設したが、この中央部からタイヤ幅方向Hにずれた位置に配設してもよい。
また、第1、第2連結板21、22それぞれの一端部21a、22aを双方ともに、リング状体13の内周面のうち、最大外径部分13aからタイヤ幅方向Hの一方側若しくは他方側にずれた位置に連結してもよい。
Claims (3)
- 車軸に取り付けられる取り付け体と、
該取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体と、
前記取り付け体と前記リング状体とを変位自在に連結する連結部材と、
前記リング状体に外装された円筒状のトレッド部材と、
を備える非空気入りタイヤであって、
前記トレッド部材の外周面は、タイヤ幅方向に沿う断面視で、タイヤ径方向の外側に向けて突の曲面状をなし、該トレッド部材の外径は、その最大外径部分からタイヤ幅方向に離れるに従い縮径されていて、
前記リング状体の外径は、前記トレッド部材の最大外径部分が位置するタイヤ幅方向に沿う位置で最大となり、この位置からタイヤ幅方向に離れるに従い縮径していることを特徴とする非空気入りタイヤ。 - 請求項1記載の非空気入りタイヤであって、
前記リング状体は、その外径が最大となる最大外径部分に向けてタイヤ幅方向に近づくに従いタイヤ径方向に沿う厚さが厚くなっていて、
前記連結部材は、前記リング状体のうち、その最大外径部分からタイヤ幅方向にずれた位置に連結されていることを特徴とする非空気入りタイヤ。 - 請求項1または2に記載の非空気入りタイヤであって、
前記リング状体は、その外径が最大となる最大外径部分でタイヤ幅方向に分割され、かつこの分割面に向けてタイヤ幅方向に近づくに従いタイヤ径方向に沿う厚さが厚くなっていて、これらの分割面同士が互いに連結されていることを特徴とする非空気入りタイヤ。
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