JP5616167B2 - 進行波励振アンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、進行波励振アンテナに係り、更に詳しくは、進行波により励振される多数の放射素子を備え、マイクロ波やミリ波を送受信するアンテナ、例えば、車載用アンテナの改良に関する。
一般に、進行波励振アンテナは、多数の放射素子を波長の整数倍に相当する間隔で配置することにより、これらの放射素子を同位相で励振させ、正面方向へのビームを形成している。このようなアンテナを設計周波数とは異なる周波数で使用した場合、各放射素子を同位相で励振することができず、所望のアンテナ利得を得ることはできない。このため、進行波励振アンテナは、帯域幅が狭く、使用する周波数ごとに異なるアンテナを用意する必要があった。
図15は、従来の進行波励振アンテナの一例を示した図であり、片側給電のマイクロストリップアンテナ(MSアンテナ)201が示されている。このMSアンテナ201は、給電線路50の一端に、変換器3が形成され、他端に終端素子52が形成されている。変換器3は、導波管及び平面線路間で相互に電力変換を行っており、給電線路50の給電点となる。各放射素子51は、給電線路50の管内波長λsの整数倍の間隔で配置されているため、給電線路50上を一方向に伝搬する進行波によって各放射素子51が同位相で励振される。
このような進行波励振アンテナでは、設計周波数の進行波が供給されると、同位相で励振される各放射素子51の相互作用によって、誘電体基板1に垂直な正面方向にビームが形成される。しかしながら、設計周波数からずれた周波数の進行波が供給されると、各放射素子51の励振位相にずれが生じ、正面方向に対し傾いたビームが形成され、アンテナ利得が低下するという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、進行波励振アンテナの周波数特性を改善することを目的とする。特に、指向特性を顕著に劣化させることなく、アンテナ利得の周波数特性を改善することを目的とする。また、広帯域の進行波励振アンテナを提供することを目的とする。特に、小型で広帯域の進行波励振アンテナを提供することを目的とする。
第1の本発明による進行波励振アンテナは、2つの給電点を有する誘電体基板と、上記誘電体基板上に形成され、2つの上記給電点を結ぶ直線形状のストリップ線路と、上記ストリップ線路に沿って上記誘電体基板上に形成され、上記ストリップ線路を一方向に伝搬する進行波により同位相で励振される2以上の放射素子と、上記給電点に対し、上記ストリップ線路を互いに逆方向に伝搬し、上記放射素子を互いに同位相で励振する進行波をそれぞれ供給する給電手段とを備え、上記ストリップ線路の中央付近に素子幅が最大の上記放射素子が形成され、上記ストリップ線路の両端に近づくほど素子幅が小さい上記放射素子が形成されるように構成される。
この様な構成により、ストリップ線路を一方向に伝搬する進行波により、同位相で励振される2以上の放射素子を備えた進行波励振アンテナにおいて、2つの給電点を介して、ストリップ線路を逆方向に伝搬する2つの進行波を供給し、これらの進行波により放射素子を互いに同位相で励振させることができる。このため、アンテナ利得の周波数特性を向上させることができる。特に、指向特性を顕著に劣化させることなく、周波数特性を改善することができる。従って、広帯域の進行波励振アンテナを実現することができる。また、片側給電の進行波励振アンテナに比べてストリップ線路を短くし、より小型の進行波励振アンテナを実現することができる。すなわち、アンテナ利得の周波数特性が改善し、指向特性を顕著に劣化させることなく、ストリップ線路長が短くなるので、MSアンテナの広帯域化及び小型化を実現することができる。
第2の本発明による進行波励振アンテナは、上記構成に加えて、上記給電手段が、入力された進行波を分岐し、分岐された進行波を2つの上記給電点にそれぞれ供給する導波管からなり、上記給電点が、導波管・ストリップ線路変換器からなる。この様な構成により、分岐後の経路長を変更すれば、各放射素子における2つの進行波による励振位相の差を調整することができる。このため、給電手段を容易に製作することができる。

本発明によれば、2つの給電点を結ぶように給電経路が形成され、これらの給電点に対し、給電経路を互いに逆方向に伝搬し、放射素子を互いに同位相で励振する進行波をそれぞれ供給する。このため、進行波励振アンテナの周波数特性を改善することができる。特に、指向特性を顕著に劣化させることなく、アンテナ利得の周波数特性を改善することができる。また、小型で広帯域の進行波励振アンテナを提供することができる。
本発明の実施の形態1による進行波励振アンテナの一例を示した斜視図であり、MSアンテナ100が示されている。 図1のMSアンテナ100の展開斜視図である。 図1のMSアンテナ100の平面図である。 図3のA−A切断線による断面図である。 実施の形態1と比較すべきMSアンテナ202を示した平面図である。 本発明の実施の形態1によるアンテナ利得の周波数特性の解析結果を示した図である。 本発明の実施の形態1による指向特性の解析結果を示した図である。 本発明の実施の形態1による反射特性の解析結果を示した図である。 本発明の実施の形態2による進行波励振アンテナの一構成例を示した図であり、MSアンテナ101の断面図が示されている。 本発明の実施の形態3による進行波励振アンテナの一構成例を示した平面図であり、MSアンテナ102が示されている。 実施の形態3と比較すべきMSアンテナ203を示した平面図である。 本発明の実施の形態4による進行波励振アンテナの一構成例を示した平面図であり、MSアンテナ103が示されている。 本発明の実施の形態5による進行波励振アンテナの一構成例を示した斜視図であり、導波管スロットアンテナ104が示されている。 本発明の実施の形態5による進行波励振アンテナの他の構成例を示した斜視図であり、導波管スロットアンテナ105が示されている。 従来の進行波励振アンテナの一例を示した図であり、片側給電のMSアンテナ201が示されている。
実施の形態1.
図1〜図4は、本発明の実施の形態1による進行波励振アンテナの一構成例を示した図であり、MSアンテナ100が示されている。図1には外観図、図2には展開斜視図、図3には平面図、図4には図3のA−A切断線による断面図が示されている。このMSアンテナ100は、誘電体基板1及び導波管ブロック2によって構成される。
<誘電体基板1>
誘電体基板1には、給電点となる2つの変換器3a,3bが形成されている。また、誘電体基板1の前面には、アンテナパターン5が形成され、背面には接地板10が設けられ、アンテナパターン5は、誘電体基板1を挟んで、接地板10と対向している。アンテナパターン5及び接地板10は、熱圧着法、スパッタリング法、蒸着法などにより、銅などの導電性薄膜を誘電体基板1の全面に形成した後、フォトエッチング法により上記導電性薄膜をパターニングすることによって形成される。
<アンテナパターン5>
アンテナパターン5は、2つの変換器3a,3bを結ぶように延設された給電線路50と、この給電線路50に沿って配置された複数の放射素子51n,51mからなる。
給電線路50は、その両端が給電点としての変換器3a,3bにそれぞれ接続された給電経路であり、例えば、一定幅からなる直線状の形状を有するストリップ線路からなる。
放射素子51n、51m(51と総称する)は、給電線路50を伝搬する進行波を自由空間へ放射するストリップ片であり、例えば、給電線路50と交差する方向に延びる線状又は短冊状の形状からなるものとする。各放射素子51は、互いに平行に延伸する形状からなり、それぞれの放射波の偏波面を一致させている。また、各放射素子51の素子幅は、給電点から遠くなるほど大きくなっている。つまり、給電線路50の中央付近において最大となり、両端に近づくほど小さくなる。このような放射素子51が、給電線路50の両側に配置されている。
給電線路50の一方の側辺に沿って形成された複数の放射素子51nは、互いに同位相で励振されるように配置されている。例えば、給電線路50の管内波長λsに相当する間隔で配置され、給電線路50を一方向に伝搬する上記波長の進行波により、互いに同位相で励振される。給電線路50の他方の側辺に沿って形成された放射素子51mについても、全く同様である。
給電線路50の異なる側辺に沿って形成された放射素子51n,51mは、延伸方向が互いに平行で逆向きになっており、かつ、互いに逆位相で励振されるように配置されている。例えば、放射素子51n,51mは、λs/2の間隔で配置されている。このため、全ての放射素子51n,51mからの放射波は、いずれも自由空間において同位相で偏波面の揃った電磁波となる。
<変換器3a,3b>
変換器3aは、出力導波管23a及び給電線路50の伝送電力を相互に変換する導波管・平面線路変換器である。同様にして、変換器3bは、出力導波管23b及び給電線路50の伝送電力を相互に変換する導波管・平面線路変換器である。これらの変換器3a,3bは、導波管ブロック2の出力開口部25a,25bを閉鎖する誘電体基板1の閉鎖領域30、共振素子31、短絡板32及びスルーホール33により構成される。なお、共振素子31及び短絡板32は、誘電体基板1上の導電性薄膜をパターニングすることにより、アンテナパターン5又は接地板10と同時に形成される。
短絡板32は、閉鎖領域30を覆うように誘電体基板1の前面に形成され、出力開口部25a,25bに連通する出力導波管23a,23bを終端させる短絡面を構成している。図中の短絡板32は長方形からなり、その長辺から内側に向けてストリップ状の切り込み34が形成されている。この切り込み34は、閉鎖領域30の短辺と平行に延び、閉鎖領域30に達している。給電線路50は、その一端が短絡板32の切り込み34内に形成され、閉鎖領域30の長辺及び短絡板32の長辺を横切り、短絡板32の外側へ引き出されている。
接地板10は、閉鎖領域30と一致する内縁を有し、閉鎖領域30を除く誘電体基板1の背面全体に形成されている。この接地板10に導波管ブロック2の前面を密着させることによって、接地板10及び導波管ブロック2を導通させている。
共振素子31は、接地板10と導通しないように閉鎖領域30内に形成された素子である。共振素子31は、出力開口部25a,25bの短手方向に関する長さを誘電体基板1内における波長の約1/2にすることにより、誘電体基板1上に共振領域を形成している。また、共振素子31は、誘電体基板1を挟んで給電線路50の先端と重複するように配置されており、給電線路50と電磁的に結合されている。
スルーホール33は、誘電体基板1の貫通孔に導電性材料を充填させることにより形成されている。このスルーホール33を介して、短絡板32及び接地板10を導通させることにより、短絡板32を導波管ブロック2と同電位に保持している。
<導波管ブロック2>
導波管ブロック2は、1つの入力開口部20を2つの出力開口部25a,25bと連通する導波管を形成している。つまり、入力開口部20に入力された進行波は、導波管ブロック2内で分岐され、分岐後の進行波が2つの出力開口部25a,25bへ伝送される。
導波管ブロック2内には、入力導波管21、分岐部22及び出力導波管23a,23bが形成されている。入力導波管21は、入力開口部20及び分岐部22を連通する導波管であり、入力開口部20に入力された進行波は、入力導波管21によって分岐部22へ伝送される。分岐部22は、入力導波管21を介して入力される進行波を2つに分岐する分岐手段であり、互いに略同一の電力となるように分岐する。出力導波管23a,23bは、分岐部22及び出力開口部25a,25bを連通する導波管であり、分岐後の進行波は、出力導波管23a,23bによって出力開口部25a,25bへ伝送される。
つまり、MSアンテナ100では、入力開口部20から入力された進行波が、導波管ブロック2内で分岐され、分岐後の進行波が、変換器3a,3bに伝送される。このため、分岐後の進行波は、給電線路50の両端にそれぞれ供給され、給電線路50上を互いに逆方向に伝搬する。
<各進行波による励振位相>
給電線路50を逆方向に伝搬する2つの進行波は、任意の放射素子51において同位相となるように構成される。2つの進行波の位相差は、分岐部22から変換器3a,3bを経由して着目している放射素子51に至る経路長を調整することにより制御することができる。
例えば、出力導波管23aの長さLaが、出力導波管23bの長さLbと同一である場合、変換器3a,3bには、同位相の進行波が入力される(図4参照)。変換器3a,3bでは、共振素子31に対し給電線路50が逆方向に引き出されていることから、導波管23a,23bから同位相の進行波が入力された場合、逆位相の進行波が給電線路50へそれぞれ出力される。このため、変換器3aから最も近い放射素子51mまでの距離L1が、変換器3bから最も近い放射素子51nまでの距離L2と同一である場合、これらの放射素子51n,51mは、逆位相で励振され、偏波面が一致する電磁波を放出することができる(図3参照)。
つまり、La=Lb、L1=L2の関係が成立している場合、変換器3a,3bをそれぞれ経由し、給電線路50上を逆方向に伝搬する進行波は、任意の放射素子51を同位相で励振することができる。このため、給電線路50の片側のみに給電点を有する従来のマイクロストリップ線路201に比べて、利得を向上させることができる。従って、より少ない数の放射素子51と、より短い給電線路50を用いて、アンテナ利得を低下させることなく、周波数帯域を広げることができる。
なお、給電線路50上を逆方向に伝搬する進行波が、任意の放射素子51を同位相で励振するための条件は、La=Lb、L1=L2だけでないことは言うまでもない。例えば、La及びLbは、出力導波管23a,23bの管内波長λgの整数倍の差を有していてもよいし、L1及びL2は、給電線路50の管内波長λsの整数倍の差を有していてもよい。さらに、La及びLbの経路差による位相差が、L1及びL2による経路差による位相差によって相殺されるように構成されていてもよい。
<比較例>
図5は、本実施の形態と比較すべきMSアンテナ202を示した平面図である。このMSアンテナ202は、2つの変換器3a,3bと、2つの片側給電のアンテナパターン5a,5bとを備えている。
アンテナパターン5aは、一端に変換器3aが接続され、他端に終端素子52aが接続された給電線路50aと、この給電線路50aに沿って配置された複数の放射素子51とにより構成される。同様にして、アンテナパターン5bは、一端に変換器3bが接続され、他端に終端素子52bが接続された給電線路50bと、この給電線路50bに沿って配置された複数の放射素子51とにより構成される。
また、終端素子52a,52bが内側、変換器3a,3bが外側となるように、給電線路50a,50bは同一直線上に配置され、アンテナパターン5a,5bの各放射素子51は、偏波面が一致する電磁波を放出するように配置されている。つまり、アンテナパターン5a,5bは一連に配置され、全体として1つのアンテナパターンを形成している。
このMSアンテナ202は、実施の形態1によるMSアンテナ100と比較すれば、一連の給電線路50a,50bの両端に、2つの給電点としての変換器3a,3bが配置されている点で共通するが、給電線路50a,50bが中央で分離され、終端素子52a,52bが設けられている点で異なる。
図6は、本発明の実施の形態1によるアンテナ利得の周波数特性の解析結果を示した図であり、周波数を横軸、設計周波数76.5GHzに対する相対利得を縦軸にとって示している。図中のG1は本実施の形態によるMSアンテナ100、G2は比較例のMSアンテナ202、G3は従来例のMSアンテナ201の周波数特性である。
この解析結果によれば、設計周波数の±1.5GHzの範囲における利得低下の最大値は、比較例の周波数特性G2では1.4dB、従来例の周波数特性G3では1.7dBであるのに対し、実施の形態1の周波数特性G1では0.5dBとなっている。従って、本実施の形態によれば、アンテナ利得の周波数特性が大幅に改善されることがわかる。
ここで、比較例の周波数特性G2は、従来の周波数特性G3に比べて良好であり、特に低域側では実施の形態1の周波数特性G1に近い。この様な結果が得られた理由は、比較例のMSアンテナ202では、給電線路50a,50bが分離され、同じ給電線路に沿って配置された放射素子51間の最大距離が、従来例のMSアンテナ201よりも短く、周波数ずれにより、これらの放射素子51間に生じる位相差が小さいからであると考えられる。
なお、比較例のMSアンテナ202では、給電線路50a,50bが分離され、終端素子52a,52bに接続されている。終端素子52a,52bに到達した電力は損失となるため、給電線路50a,50bを連結した実施の形態1によるMSアンテナ100に比べれば、比較例のMSアンテナ202では小さな利得しか得られない。
図7は、本発明の実施の形態1による指向特性の解析結果を示した図であり、正面方向に対する角度を横軸、正面方向に対する相対利得を縦軸にとって示している。図中のD1は本実施の形態によるMSアンテナ100の指向特性、D2は比較例のMSアンテナ202の指向特性である。
この解析結果によれば、実施の形態1の指向特性D1では、比較例の指向特性D2に比べて、第1サイドローブのレベルが0.6dB低下しており、比較例よりも指向特性が改善されることがわかる。この様な結果が得られた理由は、比較例のMSアンテナ202の給電線路50a,50bが中央で分離されていることによると考えられる。つまり、比較例のMSアンテナ202では、放射素子51を整列させた素子アレーの中央に放射素子51が配置されない空白領域が生じ、励振分布が崩れている。その結果、比較例のMSアンテナ202では、実施の形態1のMSアンテナ101に比べて、サイドローブレベルが上昇すると考えられる。
図8は、本発明の実施の形態1による反射特性の解析結果を示した図であり、周波数を横軸、反射量を縦軸にとって、散乱パラメータS11として求められる値を示している。図中のR1は本実施の形態によるMSアンテナ100の反射特性、R2は比較例のMSアンテナ202の反射特性である。この解析結果によれば、実施の形態1では、比較例の場合とほぼ同等の反射特性が得られることがわかる。
本実施の形態によるMSアンテナ100は、誘電体基板1上に形成されたアンテナパターン5が、給電点としての変換器3a,3bを結ぶ給電線路50と、給電線路50に沿って形成された複数の放射素子51とによって構成される。そして、これらの放射素子51が、給電線路50を一方向に伝搬する進行波により同位相で励振されるように配置されている。そして、各変換器3a,3bから供給され、給電線路50を逆方向に伝搬する進行波が、任意の放射素子51を互いに同位相で励振している。
このような構成により、片側給電のMSアンテナ201に比べて、アンテナ利得の周波数特性を向上させることができる。また、給電線路50が分離された両側給電のMSアンテナ202と比べても、反射特性を劣化させることなく、サイドローブのレベルを抑制し、指向特性を向上させることができる。
また、本実施の形態によるMSアンテナ100は、分岐部22を有する導波管ブロック2を備え、入力された進行波を分岐し、分岐後の進行波を変換器3a,3bへ伝搬している。このため、分岐部22から変換器3a,3bの経路長、又は、変換器3a,3bから放射素子51までの経路長を調整することにより、変換器3a,3bを経由した各進行波が放射素子51を同位相で励振させることができる。
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2による進行波励振アンテナの一構成例を示した断面図であり、図3のA−A切断面の他の例として、MSアンテナ101の断面が示されている。このMSアンテナ101は、図1〜図4のMSアンテナ100と比較すれば、導波管ブロック2が分岐部22を有していない点で異なる。
この導波管ブロックは、2つの入力開口部20a,20bが形成されるとともに、入力開口部20aを出力開口部25aと連通する導波管21aと、入力開口部20bを出力開口部25bと連通する導波管21bとを備えている。
このMSアンテナ101は、入力開口部20a,20bに対し、放射素子51を同位相で励振する進行波をそれぞれ入力することにより、実施の形態1のMSアンテナ100と同様に使用することができる。入力開口部20a,20bに入力される進行波は、1つの進行波を外部で分岐したものであってもよいし、独立して生成された2つの進行波であってもよい。
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3による進行波励振アンテナの一構成例を示した平面図であり、MSアンテナ102が示されている。このMSアンテナ102は、図3に示したMSアンテナ100のアンテナパターン5の両側に、片側給電のアンテナパターン5c,5dが追加されている。
片側給電のアンテナパターン5cは、一端に変換器3aが接続され、他端に終端素子52cが接続された給電線路50cと、この給電線路50cに沿って配置された複数の放射素子51とにより構成される。同様にして、片側給電のアンテナパターン5dは、一端に変換器3bが接続され、他端に終端素子52dが接続された給電線路50dと、この給電線路50dに沿って配置された複数の放射素子51とにより構成される。
給電線路50,50cは、同一の変換器3aから逆方向に延設されている。同様にして、給電線路50,50dも、同一の変換器3bから逆方向に延設されている。また、これらの給電線路50,50c,50dは、同一の直線上に配置され、それぞれの放射素子51は、偏波面が一致する電磁波を放出するように配置されている。つまり、アンテナパターン5,5c及び5dは、一連に配置され、全体として1つのアンテナパターンを形成している。
図11は、本実施の形態と比較すべきMSアンテナ203を示した平面図である。このMSアンテナ203は、図5に示したMSアンテナ202の片側給電のアンテナパターン5a,5bの外側に、さらに片側給電のアンテナパターン5c,5dが追加されている。
MSアンテナ102,203を比較すれば、変換器3a,3b間のアンテナパターンが相違している。この相違によって、MSアンテナ102は、MSアンテナ203に比べて、アンテナ利得の周波数特性が改善され、また、指向特性も改善されている。
実施の形態4.
図12は、本発明の実施の形態4による進行波励振アンテナの一構成例を示した平面図であり、MSアンテナ103が示されている。このMSアンテナ103は、4つ変換器3a〜3dを有する誘電体基板1上に、3つの両端給電のアンテナパターン5と、2つの片側給電のアンテナパターン5c,5dが形成され、これらのアンテナパターン5,5c及び5dが、全体として1つのアンテナパターンを形成している。
このMSアンテナ103は、誘電体基板1が4つの給電点を備え、隣接する各給電点間には両端給電のアンテナパターン5がそれぞれ配置され、また、両端の給電点には外側へ延びるアンテナパターン5c,5dがそれぞれ形成されている。
同様にして、誘電体基板1が3以上の給電点を有する場合、隣接する各給電点間に両端給電のアンテナパターン5を配置し、両端の給電点に外側へ延びるアンテナパターン5c,5dを形成すれば、給電点の数に応じて、アンテナ利得の周波数特性が良好で、指向特性も良好なMSアンテナを構成することができる。
実施の形態5.
図13は、本発明の実施の形態5による進行波励振アンテナの一構成例を示した斜視図であり、導波管スロットアンテナ104(以下、WGアンテナと呼ぶ)が示されている。このWGアンテナ104は、導波管26に複数のスロット27が形成されている。スロット27は、偏波面の一致する電磁波を放出する放射素子であり、互いに同位相で励振されるように配置されている。例えば、導波管26の管内波長λgに相当する間隔で配置され、導波管26を一方向に伝搬する上記波長の進行波により、互いに同位相で励振される。また、スロット27は、延伸方向が互いに平行になるように配置され、全てのスロット26からの放射波は、いずれも自由空間において同位相で偏波面の揃った電磁波となる。
入力開口部20に入力された進行波は、入力導波管21によって分岐部22へ伝送される。分岐部22は、入力導波管21を介して入力される進行波を2つに分岐する分岐手段であり、互いに略同一の電力となるように分岐する。出力導波管23a,23bは、分岐部22と導波管26の両端とを連通する導波管であり、分岐後の進行波は、出力導波管23a,23bによって導波管26へ伝送される。つまり、導波管26は、給電点24a,24bを結ぶ給電線路であり、給電点24a,24bを介して供給された進行波は、導波管26内を逆方向に伝搬する。これらの進行波が、任意のスロット27を同位相で励振するように構成すれば、アンテナ利得の周波数特性が良好で、指向特性も良好なWGアンテナを実現することができる。
図14は、本発明の実施の形態5による進行波励振アンテナの他の構成例を示した斜視図であり、導波管スロットアンテナ105が示されている。このWGアンテナ105は、図13のWGアンテナ104の導波管26を給電点24a,24bよりも外側に延伸させたものである。つまり、導波管26は、給電点24a,24bを結ぶ両端給電の給電線路と、給電点24a,24bから外側へ延びる片側給電の給電線路とを連結したものである。従って、実施の形態3の場合と同様、導波管26の中央を分離した導波管スロットアンテナと比べれば、アンテナ利得の周波数特性が改善され、また、指向特性も改善されている。
1 誘電体基板
2 導波管ブロック
3,3a〜3d 変換器
5,5a〜5d アンテナパターン
10 接地板
20,20a,20b 入力開口部
21,21a,21b 入力導波管
22 分岐部
23a,23b 出力導波管
24a,24b 給電点
25a,25b 出力開口部
26 導波管
27 スロット
30 閉鎖領域
31 共振素子
32 短絡板
33 スルーホール
50,50a〜50d 給電線路
51,51n,51m 放射素子
52,52a〜,52d 終端素子
100〜103 MSアンテナ
104,105 WGアンテナ
λg 導波管の管内波長
λs ストリップ線路の管内波長

Claims (2)

  1. 2つの給電点を有する誘電体基板と、
    上記誘電体基板上に形成され、2つの上記給電点を結ぶ直線形状のストリップ線路と、
    上記ストリップ線路に沿って上記誘電体基板上に形成され、上記ストリップ線路を一方向に伝搬する進行波により同位相で励振される2以上の放射素子と、
    上記給電点に対し、上記ストリップ線路を互いに逆方向に伝搬し、上記放射素子を互いに同位相で励振する進行波をそれぞれ供給する給電手段とを備え
    上記ストリップ線路の中央付近に素子幅が最大の上記放射素子が形成され、上記ストリップ線路の両端に近づくほど素子幅が小さい上記放射素子が形成されることを特徴とする進行波励振アンテナ。
  2. 上記給電手段が、入力された進行波を分岐し、分岐された進行波を2つの上記給電点にそれぞれ供給する導波管からなり、
    上記給電点が、導波管・ストリップ線路変換器からなることを特徴とする請求項1に記載の進行波励振アンテナ。
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