JP5615529B2 - 無機酸化物微粒子分散液、研磨用粒子分散液及び研磨用組成物 - Google Patents

無機酸化物微粒子分散液、研磨用粒子分散液及び研磨用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、半導体ウェーハ、ガラス製ハードディスク、アルミ製ハードディスクなどを研磨するために用いられる無機酸化物微粒子分散液に関するものであり、さらには、該研磨用粒子分散液を含む研磨用組成物に関するものである。
半導体基板、配線基板などの半導体デバイス、アルミ製ハードディスク、ガラス製ハードディスクまたは光学材料などにおいては、これらの表面状態が、半導体特性または光学特性に影響する。このためこれらの部品の表面や端面は極めて高精度に研磨されることが要求される。特に半導体の集積回路付基板の製造においては、シリコンウェーハ上に銅などの金属で回路を形成する際に凹凸あるいは段差が生じるので、これを研磨して表面の段差がなくなるように回路の金属部分を優先的に除去することが行われている。
このような基板の研磨においては、研磨速度が速いだけではなく、研磨後の表面は段差や凹凸などがなく平坦で、さらにスクラッチなどのミクロな傷等も無く、平滑であることが求められている。
従来、このような部材の研磨処理方法として、例えば、比較的粗い一次研磨処理を行った後、精密な2次研磨処理を行って、線条痕などの傷が少ない、極めて高精度の表面を得る方法がとられている。
特許文献1には、半導体ウェーハの研磨処理に、7〜1000nm の長径と0.3〜
0.8の短径/長径比を有するコロイダルシリカを使用することが開示されている。このような歪な形状のコロイダルシリカは、球状コロイダルシリカよりも研磨力が高く、研磨剤として半導体ウェーハの精密研磨に使用すると、単位時間当たりの研磨量が著しく増加し、研磨された半導体ウェーハの生産能率を顕著に高めることができると開示されている。
特許文献2には、透過型電子顕微鏡観察によるシリカ粒子の長径/短径比が1.5乃至15の非球状の異形粒子群となっているコロイダルシリカを含有することを特徴とする半導体ウェーハ研磨用組成物が開示されている。このコロイダルシリカ(非球状)を用いた研磨組成物は、真球状のコロイダルシリカに比べ研磨速度は格段と高く、かつ、スクラッチを発生することはなく良好な鏡面研磨が達成できると記載されている。
しかしながら、特許文献1又は特許文献2に開示された異形性(略非球状)の高い研磨粒子を用いて研磨した場合、研磨処理条件によっては、研磨処理後の被研磨基材表面に多くのスクラッチ(線状痕)が形成される傾向があり、更なる性能向上が求められていた。
特開平7−221059号 特開2008−270584
本発明は、優れた研磨速度(研磨レート)を示し、被研磨基材表面での線状痕発生も大幅に抑止可能な研磨用粒子が分散した分散液、およびかかる研磨用粒子を含む研磨用組成
物を提供することを目的とする。
本出願の第1の発明は、動的光散乱法による測定される平均粒子径が3〜300nm、比表面積が10〜800m/gの範囲にある無機酸化物微粒子が分散媒に分散してなる無機酸化物微粒子分散液であって、該無機酸化物微粒子が次の条件を満たすことを特徴とする無機酸化物微粒子分散液である。
1)電子顕微鏡により求められる短径/長径比が0.3〜0.8の範囲にある無機酸化物微粒子の個数が、全無機酸化物微粒子個数の20〜45%の範囲。
2)電子顕微鏡により求められる短径/長径比が0.5以下の無機酸化物微粒子の個数が、全無機酸化物微粒子個数の10%以下。
本出願の第2の発明は、前記第1の発明において、全無機酸化物微粒子個数の55〜80%が、短径/長径比0.8〜1.0の範囲にあることを特徴とする無機酸化物微粒子分散液である。
本発明の第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明における無機酸化物微粒子の平均異形度(D1)/(D2)[但し、(D2)は比表面積換算粒子径を意味する。]の値が〔1.5〜2.2〕の範囲にあることを特徴とする無機酸化物微粒子分散液である。
本発明の第4発明は、前記第1の発明、第2の発明又は第3の発明における無機酸化物微粒子が、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、シリカアルミナ複合微粒子、シリカジルコニア複合微粒子又はシリカセリア複合微粒子から選ばれるものであることを特徴とする無機酸化物微粒子分散液である。
本出願の第5の発明は、前記第1の発明、第2の発明、第3の発明又は第4の発明の無機酸化物微粒子分散液からなる研磨用粒子分散液である。
本出願の第6の発明は、前記第1の発明、第2の発明、第3の発明、第4の発明又は際5発明の無機酸化物微粒子分散液と、研磨促進剤、界面活性剤、複素環化合物、pH調整剤およびpH緩衝剤からなる群より選ばれる1種以上とを含むことを特徴とする研磨用組成物である。
本発明に係る無機酸化物微粒子分散液は、異形(非球状)の無機酸化物微粒子個数とそれ以外の粒子の個数が特定の範囲にあることを特徴とするものである。このような無機酸化物微粒子分散液からなる研磨用粒子分散液又は研磨用組成物を用いて研磨処理を行った場合、従来の研磨用粒子分散液又は研磨用組成物で研磨処理を行った場合に比べて、優れた研磨速度(研磨レート)を示し、被研磨基材表面での線状痕発生も大幅に低減することが可能となった。
[無機酸化物微粒子分散液]
本発明に係る無機酸化物微粒子分散液は、無機酸化物微粒子が分散媒に分散してなる無機酸化物微粒子分散液である。
前記無機酸化物微粒子の動的光散乱法による測定される平均粒子径(D1)は3〜300nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは5〜200nmの範囲が推奨される。平均粒子径(D1)がこの範囲にあると、半導体ウェーハ、ガラス製ハードディスク又はアルミ製ハードディスクなどの研磨処理に適用して、実用的な研磨速度を得ることが可能である
。前記平均粒子径が前記範囲よりも小さすぎるものは調製することが非常に困難であり、調製できたとしても、実用上の研磨速度が充分ではない。また、前記平均粒子径が大きすぎると、線状痕が多発し易い。
本発明に係る前記無機酸化物微粒子分散液の分散質である無機酸化物微粒子については、更に次の1)及び2)の条件を満たす。
1)電子顕微鏡により求められる短径/長径比が0.3〜0.8の範囲にある無機酸化物微粒子の個数が、全無機酸化物微粒子個数の20〜45%の範囲。
2)電子顕微鏡により求められる短径/長径比が0.5以下の無機酸化物微粒子の個数が、全無機酸化物微粒子個数の10%以下。
前記1)及び2)の両条件を満たした本発明に係る無機酸化物微粒子分散液は、研磨用粒子分散液として優れた研磨速度(研磨レート)を示し、被研磨基材表面での線状痕発生も大幅に低減することが可能である。
前記1)の条件に相当する無機酸化物微粒子は、比較的に異形度の高い粒子が対象となる。異形度の高い粒子を含むことで研磨速度を高くでき、しかもそのような粒子の含有量を前記範囲とすることが、線状痕の発生を抑制するうえで有効である。前記2)の条件は、線状痕発生の原因となり易い異形度の高い粒子を制限するために必要な条件となる。
電子顕微鏡により求められる短径/長径比が0.3〜0.8の範囲にある無機酸化物微粒子の個数が、少なすぎると研磨速度が不十分となる場合がある。同じく短径/長径比が0.3〜0.8の範囲にある無機酸化物微粒子の個数が、多すぎても、研磨速度は高いものの、線状痕が多発する傾向がある。
また、電子顕微鏡により求められる短径/長径比が0.5以下の無機酸化物微粒子の個数が、多すぎても、線状痕の発生が顕著となる場合がある。
前記1)の条件については、好適には24〜45質量%の範囲が推奨される。また、前記2)の条件については、好適には8質量%以下が推奨される。
さらには、本発明では、全無機酸化物微粒子個数の55〜80%が、短径/長径比0.8〜1.0の範囲にあることが好ましい。とくに好ましい範囲は、60〜80%の範囲である。このような形状の粒子は異形度が低く、実質的には、短径/長径比が0.3〜0.8の範囲にある粒子以外の粒子が、かかる粒子に相当する。
本発明に係る無機酸化物微粒子の形状が球状から乖離した度合を示すために、動的光散乱法により測定された平均粒子径(D1)および比表面積換算粒子径(D2)とから平均異形度[(D1)/(D2)]で定義することもできる。ここで(D1)は、前記した通り動的光散乱法により測定された値であるため、比較的に粒子の最長径に反映した長さを示す傾向がある。他方、(D2)は、比表面積の値を用いて、粒子が球状であると仮定した場合の平均粒子径を表すものである。このため平均異形度[(D1)/(D2)]の値が、1を超えて増大する程、粒子は非球状構造であるものと言える。
前記無機酸化物微粒子の比表面積換算粒子径(D2)は、比表面積(Sa)から換算して算定される。換算方法については、後記実施例に記す。
比表面積換算粒子径(S2)の範囲については、本発明で使用される無機酸化物微粒子の比表面積は、通常10〜800m/gの範囲にあるため、3〜300nmの範囲と算定される。
本発明に係る無機酸化物微粒子の平均異形度[(D1)/(D2)]については、1.5〜2.2の範囲が好ましく、より好適には1.7〜2.2の範囲が推奨される。平均異形度[(D1)/(D2)]が、1.5未満の場合は、無機酸化物微粒子の粒子形状が球状に近くなる。そのような無機酸化物微粒子分散液を研磨用粒子分散液などに使用した場合、必要とする研磨速度が得られず、作業効率が不十分となる場合がある。平均異形度[(D1)/(D2)]が2.2を超える場合は、異形形状の粒子が多く存在するため線状痕が発生し易くなり、研磨用粒子分散液などでの使用に適さない場合がある。
本発明で使用される無機酸化物微粒子としては、従来より研磨用途に使用されていたものであれば特に制限されず、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニアまたはこれらの複合酸化物からなる粒子が使用され、このうち、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、シリカアルミナ、シリカジルコニア複合微粒子又はシリカセリア複合微粒子から選ばれる無機酸化物微粒子が好ましい。
このような無機酸化物微粒子の形状としては、球状、回転楕円状、俵状、短繊維状の他に表面に疣状突起を有するものや、金平糖状のものであってもよく、また、多孔質状のものであってもよい。
分散媒としては、前記微粒子を分散でき、研磨処理に供することができれば特に制限はなく、たとえば、水、有機分散媒、またはこれらの混合分散媒のいずれであっても使用することができる。また、有機分散媒としては水溶性の有機分散媒がより好適である。具体的には以下の例を挙げることができる。純水、超純水、イオン交換水などの水;
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;
アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;
ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;
2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;
2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;
塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;
N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類
などを例示することができる。
分散液中の無機酸化物微粒子の濃度は、1〜30質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、5〜25質量%の範囲である。前記微粒子の濃度がこの範囲にあると、研磨速度が高い上、本発明の目的であるスクラッチの発生を効果的に抑制できる。分散液の微粒子濃度が低すぎると、研磨速度が小さく、生産性が悪い。また微粒子濃度が高すぎると大きい場合は、研磨速度は大きいが、研磨時に研磨液が乾燥して、凝集粒子が混入し、クラッチの発生が多くなる等の傾向がある。
[無機酸化物微粒子分散液の製造方法]
本発明に係る無機酸化物微粒子分散液の製造方法について、以下に述べる。
本発明に係る無機酸化物微粒子分散液は、例えば、シード粒子分散液を調製したのち、シード粒子を成長させる方法により調製することができる。
シード粒子分散液
シード粒子分散液の製造方法は公知であるが、シリカ系のシード粒子分散液は、例えば、酸性珪酸液(シリカ濃度1〜7質量%)を20〜98℃に保持し、pH:4〜11になるようにアルカリを添加する。そして、30〜98℃で1〜3時間保持した後、アルカリ添加によりpHを9〜11に調整し、温度を40〜98℃まで昇温させ、1〜3時間保持した後、室温まで冷却
し、限外モジュールでシリカ濃度5〜20質量%まで濃縮することにより得られる。また、
シード粒子分散液については、公知のシリカゾルを適用することもできる。このようなシリカゾルについては、珪酸塩を酸で中和して得られるシリカヒドロゲルを解膠して得られるシリカゾル、加水分解性基を有する珪素化合物(アルコキシシランやハロゲン化シラン、シラザンなど)を、酸ないしアルカリ存在下に加水分解・重縮合して得られるシリカゾルなどを挙げることができるが、これらの限定されるものではない。
シード粒子分散液のシリカ濃度は、通常、1〜50重量%、好適には、2〜40重量%の範囲にあるものが使用される。固形分濃度が少ないと、効率的にシード粒子分散液の生産を行うには不向きである。他方、固形分濃度が高すぎても分散液の安定性が低下し、凝集し易くなることがある。シード粒子の分散媒としては、通常は水系溶媒が用いられる。
シード粒子をアルミナとする場合、アルミン酸アルカリを加水分解するか、あるいは塩化アルミニウムを分解させるか、アルミニウムアルコキシドを加水分解するなどの公知の製造方法で調製できる。
シード粒子をシリカ又はアルミナ以外の無機酸化物とする場合は、無機酸化物を構成する金属塩又は金属アルコキシドを、酸ないしアルカリ存在下に加水分解して、シード粒子を調製することができる。
シード粒子の成長
シード粒子分散液を加熱し、pH9〜12.5、温度(50〜200℃)の条件下、連続的にまたは断続的に、珪酸液、珪酸塩やアルミン酸塩、ポリ金属塩化合物、金属過酸化物を添加したのち、洗浄する。これらは2種以上併用してもよい。アルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどが挙げられる。ポリ金属塩化合物とは、アルミニウム、チタンなどの金属の塩であり、かつ2量体以上の重合体構造をとるものであり、2種以上のポリ金属塩化合物の複合体であっても良い。これらは、水系溶媒中において、優れた凝集能力を発揮するものとして知られている。
具体的には、ポリ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムなどが挙げられる。ポリ硫酸アルミニウムは、一般式[Al2(OH)n(SO4)3-2/n](但し、1<n<5、m<10である。)で表されるものであり、例えば、水酸化アルミニウムと硫酸を反応させて調製することができる。凝集剤であるポリ塩化アルミニウムに添加して、その凝集性能を向上させる凝集性能向上剤として知られている。ポリ塩化アルミニウムは、一般式〔Al2(O
H)nCl6-nm (ただし、1<n<5、m<10)で表される。例えば、塩酸と水酸化アルミニウムを反応させて得られる塩基性塩化アルミニウムに、アルミナ濃度、塩基度を調節する目的で、各種添加剤を混合反応させる方法により製造される。
金属過酸化物の例としては、ペルオキソチタン酸(TiO3)、過酸化ジルコニウム、
過酸化セリウム(CeO3)などを挙げることができる。
またこれら以外に、金属酸化物前駆体としては金属オキソ酸のアルカリ金属塩、金属オキソ酸のアルカリ土類金属塩、金属オキソ酸のアンモニウム塩または金属オキソ酸の第4級アンモニウム塩なども使用可能であり、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硝酸ジルコニウムアンモニウム、硝酸セリウムアンモニウムなどを挙げることができる。
これらの添加は、一括で行っても良く、複数回に行っても良い。これらの添加量は、目的とする粒子径に応じて適宜される。
本発明では、シード粒子分散液と珪酸ナトリウム水溶液とを混合したのち、単段ないし多段で珪酸液を添加し、pH調製、加熱処理することが望ましい。このような調製方法によって、本発明の無機酸化物粒子分散液を得ることができる。
本発明に係る無機酸化物微粒子分散液の製造方法については、シード粒子分散液を経ることなく直接、本発明で使用される無機酸化物微粒子分散液を調製することも可能である。例えば、シリカ源として珪酸塩と酸性珪酸液とを使用し、水溶性珪酸ナトリウムなど珪酸塩の水溶液に対して、珪酸液を添加して、SIO2/M2O[Mはアルカリ金属、第3級アンモニウム、第4級アンモニウムまたはグアニジンから選ばれる](モル比)が30〜65の範囲の混合液を調製し、該混合液に60〜200℃の温度で、再度珪酸液を断続的または連続的に添加し、その後、この珪酸液添加を再度繰り返すことにシリカゾルを製造できる。
他の金属酸化物を導入する場合、珪酸塩の代わりに前記したようなアルミン酸塩、ポリ金属塩化合物、金属過酸化物などを複合割合に応じて添加すればよい。
以上のような製造方法によれば、本発明にかかる無機酸化物微粒子分散液を調製できる。
また、粒子径分布及び短径/長径比範囲の異なる無機酸化物微粒子分散液を混合することにより、本発明に係る無機酸化物微粒子分散液を調製することも可能である。
[研磨用微粒子]
本発明にかかる研磨用微粒子は、前記無機酸化物微粒子からなる。また、無機酸化物微粒子の他に、公知の研磨剤微粒子が含まれていてもよく、具体的には、上記特定のパラメータの範囲を外れたシリカ、アルミナなどを含んでいてもよく、炭化ケイ素、窒化ホウ素なども挙げられる。これら公知の研磨剤微粒子は、本発明にかかる研磨剤微粒子全体の0〜50質量%の範囲で含まれていることが望ましい。より望ましい態様は、前記無機酸化物微粒子のみからなるものである。
なお、研磨剤微粒子は、前記無機酸化物微粒子分散液から公知の方法で分散媒を除去すれば、微粒子として取り出すことが可能となり、研磨剤微粒子として使用できる。
また、前記無機酸化物微粒子分散液を乾燥などの処理を施すことなく、そのまま、研磨用組成物とすることもできる。
[研磨用組成物]
本発明の無機酸化物微粒子分散液は、研磨用組成物の成分として配合されて、優れた研磨効果を発揮するものである。
本発明に係る研磨用粒子分散液は、前記無機酸化物微粒子分散液からなる。なお、無機酸化物微粒子分散液はそれ自体で研磨剤として使用可能なものであるが、所望により、添加剤として、研磨促進剤、界面活性剤、複素環化合物、pH調整剤およびpH緩衝剤からなる群より選ばれる1種以上を添加して使用しても構わない。前記研磨用粒子分散液にこ
れらの成分を添加して得られる混合物を本発明においては、「研磨用組成物」と呼称する。
研磨促進剤
本発明に係る研磨用組成物には、被研磨材の種類によっても異なるが、必要に応じて従来公知の研磨促進剤を使用することができる。研磨促進剤として具体的には、過酸化水素、過酢酸、過酸化尿素などおよびこれらの混合物を挙げることができる。このような過酸化水素等の研磨促進剤を含む研磨剤組成物を用いると、被研磨材が金属の場合には効果的に研磨速度を向上させることができる。
研磨促進剤の別の例としては、硫酸、硝酸、リン酸、シュウ酸、フッ酸等の酸、あるいはこれら酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩およびこれらの混合物などを挙げることができる。これらの研磨促進剤を含む研磨用組成物の場合、複合成分からなる被研磨材を研磨する際に、被研磨材の特定の成分についての研磨速度を促進することにより、最終的に平坦な研磨面を得ることができる。
本発明に係る研磨用組成物が研磨促進剤を含有する場合、その含有量としては、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
界面活性剤及び/又は親水性化合物
研磨用組成物の分散性や安定性を向上させるためにカチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性系の界面活性剤または親水性化合物を添加することができる。
界面活性剤と親水性化合物は、いずれも被研磨面への接触角を低下させる作用を有し、均一な研磨を促す作用を有する。界面活性剤及び/又は親水性化合物としては、例えば、以下の群から選ばれるものを使用することができる。
陰イオン界面活性剤として、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、カルボン酸塩として、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;スルホン酸塩として、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼン及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩;硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を挙げることができる。
陽イオン界面活性剤として、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩;両性界面活性剤として、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
非イオン界面活性剤として、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキルおよびアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられ、エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、エステル型として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステル、含窒素型として、脂肪酸アルカノ
ールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示される。その他に、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤としては陰イオン界面活性剤もしくはノ非イオン系界面活性剤が好ましく、また、塩としては、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられ、特にアンモニウム塩およびカリウム塩が好ましい。
さらに、その他の界面活性剤、親水性化合物等としては、グリセリンエステル、ソルビタンエステルおよびアラニンエチルエステル等のエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリエチレングリコール、アルキルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリエチレングリコール、アルケニルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルケニルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリプロピレングリコール、アルキルポリプロピレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリプロピレングリコール等のエーテル;アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、カードラン及びプルラン等の多糖類;グリシンアンモニウム塩及びグリシンナトリウム塩等のアミノ酸塩;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(P−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;メチルタウリン酸アンモニウム塩、メチルタウリン酸ナトリウム塩、硫酸メチルナトリウム塩、硫酸エチルアンモニウム塩、硫酸ブチルアンモニウム塩、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、1−アリルスルホン酸ナトリウム塩、2−アリルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩等のスルホン酸及びその塩;プロピオンアミド、アクリルアミド、メチル尿素、ニコチンアミド、コハク酸アミド及びスルファニルアミド等のアミド等を挙げることができる。
なお、適用する被研磨基材がガラス基板等である場合は何れの界面活性剤であっても好適に使用できるが、半導体集積回路用シリコン基板などの場合であって、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはハロゲン化物等による汚染の影響を嫌う場合にあっては、酸もしくはそのアンモニウム塩系の界面活性剤を使用することが望ましい。
本発明に係る研磨用組成物が界面活性剤及び/又は親水性化合物を含有する場合、その含有量は、総量として、研磨用組成物の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.1〜3gとすることが特に好ましい。
界面活性剤及び/又は親水性化合物の含有量は、充分な効果を得る上で、研磨用組成物の1L中、0.001g以上が好ましく、研磨速度低下防止の点から10g以下が好ましい。
界面活性剤または親水性化合物は1種のみでもよいし、2種以上を使用してもよく、異なる種類のものを併用することもできる。
複素環化合物
本発明の研磨用組成物については、被研磨基材に金属が含まれる場合に、金属に不動態層または溶解抑制層を形成させて、被研磨基材の侵食を抑制する目的で、複素環化合物を含有させても構わない。ここで、「複素環化合物」とはヘテロ原子を1個以上含んだ複素環を有する化合物であり、前記研磨促進剤、界面活性剤、pH調整剤およびpH緩衝剤以外の物質である。ヘテロ原子とは、炭素原子、又は水素原子以外の原子を意味する。複素環とはヘテロ原子を少なくとも一つ持つ環状化合物を意味する。ヘテロ原子は複素環の環系の構成部分を形成する原子のみを意味し、環系に対して外部に位置していたり、少なくとも一つの非共役単結合により環系から分離していたり、環系のさらなる置換基の一部分であるような原子は意味しない。ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及びホウ素原子などを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。複素環化合物の例として、イミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、テトラゾールなどを用いることができる。より具体的には、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾールなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係る研磨用組成物に複素環化合物を配合する場合の含有量については、0.001〜1.0質量%であることが好ましく、0.001〜0.7質量%であることがより好ましく、0.002〜0.4質量%であることがさらに好ましい。
pH調整剤
上記各添加剤の効果を高めるためなどに必要に応じて酸または塩基を添加して研磨用組成物のpHを調節することができる。
研磨用組成物をpH7以上に調整するときは、pH調整剤として、アルカリ性のものを使用する。望ましくは、水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、エチルアミン、メチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルアミンなどのアミンが使用される。
研磨用組成物をpH7未満に調整するときは、pH調整剤として、酸性のものが使用される。例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリセリン酸などのヒドロキシ酸類が使用される。
pH緩衝剤
研磨用組成物のpH値を一定に保持するために、pH緩衝剤を使用しても構わない。pH緩衝剤としては、例えば、リン酸2水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム、4ホウ酸アンモ四水和水まどのリン酸塩及びホウ酸塩または有機酸などを使用することができる。
溶媒
本発明に係る研磨用組成物については、必要に応じて溶媒を用いることができる。溶媒としては通常、水を用いるが、必要に応じてメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類を用いることができ、他にエーテル類、エステル類、ケトン類など水溶性の有機溶媒を用いることができる。また、水と有機溶媒からなる混合溶媒であってもよい。
本発明にかかる研磨用組成物物は、各成分を公知の方法で混合すればよい。また必要に応じて、濃縮、希釈、溶媒置換なども行なってもよい。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定的に解釈され
るものではない。
[1]粒子形状の測定
1)平均粒子径(D1)[動的光散乱法による]
動的光散乱法により測定される平均粒子径(D1)については、レーザー光による動的光散乱法により、粒子径分布測定装置(Particle Sizing Systems社製:NICOMP MODEL380)を用いて平均粒子径を測定した。
測定に使用する試料の固形分濃度は特に制限されなが、通常0.1〜10質量%の範囲とし、分散媒としてはイオン交換水、純水などの水を使用する。
2)平均粒子径(D2)[比表面積換算粒子径]
無機酸化物微粒子の比表面積測定は、窒素吸着法にて行った。具体的には、無機酸化物微粒子分散液50mlをHNO3でpH3.5に調整し、1−プロパノール40mlを加
え、110℃で16時間乾燥した試料について、乳鉢で粉砕後、マッフル炉にて500℃、1時間焼成し、測定用試料とした。そして、比表面積測定装置(ユアサアイオニクス製、マルチソーブ12)を用いて、窒素の吸着量から、BET1点法により比表面積を算出した。測定は、試料0.5gを測定セルに取り、窒素30体積%/ヘリウム70体積%混合ガス気流中、300℃で20分間脱ガス処理を行い、その上で試料を上記混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させる。次に、上記混合ガスを流しながら試料温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により、無機酸化物微粒子の比表面積(Sa)を算出した。
比表面積(Sa)から比表面積換算粒子径(D2)を次の式に代入して算定した。
(D2)=6000/(ρ×Sa)(ρ:試料の密度、シリカ試料の場合は2.2とした。)
3)短径/長径比
短径/長径比は、透過型電子顕微鏡(型番H-800、日立製作所製)を使用して、倍
率250,000倍の写真を撮影し、任意の100個の無機酸化物微粒子について、長径(最大の長さ)と短径(長径に相当する長軸に対し直交する短軸のうち最も長い軸の長さ)を測定し、それぞれ短径/長径比を算出し、次のI、II及びIIIの各範囲に該当する無機酸化物微粒子の個数を算定した。
I.短径/長径比0.3〜0.8の範囲
II.短径/長径比0.5以下の範囲
III.短径/長径比0.8〜1.0の範囲
更に、測定した全無機酸化物微粒子の短径の平均値と同じく長径の平均値を算定した。4)平均異形度
平均異形度は、動的光散乱法による平均粒子径(D1)を比表面積換算平均粒子径(D2)で除して求めた。
[2]アルミニウム基板に対する研磨特性の評価方法
被研磨基板
被研磨基板として、アルミニウムディスク用基板を使用した。このアルミニウムディスク用基板は、アルミニウム基板にNi−Pを10μmの厚さに無電解メッキ(Ni88%とP12%の組成の硬質Ni−Pメッキ層)をした基板(95mmΦ/25mmΦ−1.27mmt)である。なお、この基板は一次研磨済みで、表面粗さ(RA)は0.17nmであった。
研磨試験
上記被研磨基板を研磨装置(ナノファクター(株)製:NF300)にセットし、研磨パッド(ロデール社製「アポロン」)を使用し、基板荷重0.05MPA、テーブル回転速度30rpmで研磨用スラリーを20g/分の速度で5分間供給して研磨を行った。
研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度〔nm/分〕を算定した。同一の研
磨用スラリーについて、この研磨試験を同一の研磨用スラリーについて3回行って、その平均値を研磨速度とした。相対研磨速度は、比較例3の研磨速度を1として、比較例3に対する比を相対研磨速度とした。
スクラッチ(線状痕)の測定
スクラッチの発生状況については、アルミニウムディスク用基板を上記と同様に研磨処理した後、超微細欠陥・可視化マクロ装置(VISION PSYTEC社製、製品名:MicrO−MAX)を使用し、ZOOm15にて全面観察し、65.97cm2に相当
する研磨処理された基板表面に存在するスクラッチ(線状痕)の個数を数えて合計した。
比較例3のスクラッチ数を1として、相対研磨速度は、比較例3の研磨速度を1として、比較例3に対する比を相対研磨スクラッチ比とした。
[実施例1]
[珪酸液の調製(1)]
固形分濃度7質量%の珪酸ナトリウム(3号水硝子)7,000gを限外モジュール(旭化成社製SIP−1013)に通液し、濾水を回収して、精製水硝子を得た。この精製水硝
子のシリカ濃度が5%になるように純水を添加した。そして、このシリカ濃度5%の水硝子6,500gを強酸性陽イオン交換樹脂SK1BH(三菱化学社製)2.2Lに空間速度
3.1で通液させて、珪酸液6,650gを得た。得られた珪酸液のシリカ濃度は4.7
質量%であった。
[異形シリカシード(1)の調製]
珪酸液の調製1の操作を繰り返して、珪酸液(シリカ濃度4.7質量%)23.3Kg
を調製した。この珪酸液に、純水36.7Kgを添加し、シリカ濃度1.8質量%の希釈珪酸液を調製した。この希釈珪酸液を40℃に昇温し、濃度1質量%のアンモニア水を添加して、pHを4.2に調整した。そして、引き続き40℃で2時間保持した後、さらに濃
度15質量%のアンモニア水を添加しpHを10.6に調整してから、温度95℃まで昇
温させて、1時間保持し、室温まで冷却して限外モジュールでシリカ濃度12質量%まで濃縮した。これを異形シリカシード(1)とした。
[異形シリカゾル(1)の調製]
純水917.7gに珪酸ナトリウム水溶液(固形分濃度24.3質量%)77.3gを混合したのち、異形シリカシード(1)176gを添加し、均一になるまで攪拌した。ついで83℃に昇温し、83℃で30分間保持した。さらに珪酸液(シリカ濃度4.5質量%)10.7Kgを18時間かけて添加し、添加終了後も83℃のまま1時間放置した。
続いて、室温まで冷却し、限外モジュールを用いて固形分濃度12質量%まで濃縮し、
さらにロータリーエバポレーター にて固形分濃度30質量%まで濃縮した。
得られたシリカゾルは、動的光散乱法による平均粒子径(D1)55nm、比表面積95m2/g、比表面積換算粒子径(D2)29nmであった。
[実施例2]
[異形シリカシード(2)の調製]
珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1、シリカ濃度24質量%)をイオ
ン交換水で希釈して、シリカ濃度5%の珪酸ナトリウム水溶液(pH11.3)を1Kg得
た。
この珪酸ナトリウム水溶液のpHが6.5になるように、硫酸水溶液(硫酸濃度25質
量%)を加えて中和し、常温で1時間保持して、シリカヒドロゲルを調製した。
このシリカヒドロゲルをオリバーフィルターにて、濃度28質量%のアンモニア水(シ
リカ固形分の約120倍相当量)で充分に洗浄し、塩類を除去し、シリカヒドロゲルを得
た。洗浄後の硫酸ナトリウム濃度はシリカ分に対して、0.01%未満だった。
得られたシリカヒドロゲルをシリカ濃度3質量%となるように純水に分散し、強力攪拌
機にて流動性のあるスラリー状態としたシリカヒドロゲル分散液とし、これに濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液と濃度28質量%のアンモニア水の1:1混合物を、SiO2/Na2O(モル比)が75となるように添加し、160℃で1時間加熱した。
さらに限外モジュールでシリカ濃度12質量%に濃縮し、ロータリーエバポレーターで濃度30質量%に濃縮し、シリカゾル(異形シリカシード(2))を得た。
[異形シリカゾル(2)の調製]
純水735gに、珪酸ナトリウム水溶液(固形分濃度24.3%)53.6gを添加し、続いて異形シリカシード(2)40.2gを添加し、均一になるまで攪拌した。ついで9
0℃に昇温し、90℃のまま30分保持した後、珪酸液(シリカ濃度4.5質量%)7403gを18時間かけて添加し、添加終了後も90℃のまま1時間保持した。
保持終了後、室温まで冷却し、限外モジュールを用いて固形分濃度12質量%まで濃縮し、さらにロータリーエバポレーターで固形分濃度30質量%に濃縮し、シリカゾルを得た。このシリカゾルは、動的光散乱法による平均粒子径(D1)98nm、比表面積(Sa)52m2/g、比表面積換算粒子径(D2)52nmであった。
[実施例3]
[異形シリカゾル(3)の調製]
純水190.8gに珪酸ナトリウム水溶液(固形分濃度24.3質量%)の69.7gを
添加し、ついで珪酸液(シリカ濃度4.5質量%)8.0gを添加し均一になるまで攪拌
した。ついで98℃に昇温し、98℃のまま30分保持した。さらに珪酸液(濃度4.5
質量%)の558gを5時間かけて添加し、ついで珪酸液(シリカ濃度4.5質量%)9492gを10時間かけて添加し、添加終了後も98℃のまま1時間保持した。冷却後に限外モジュールを用いて濃度12質量%まで濃縮し、さらにロータリーエバポレーターで濃度30質量%まで濃縮した。得られたシリカゾルは、動的光散乱法による平均粒子径(D1)110nm、比表面積(Sa)52m2/g、比表面積換算粒子径(D2)52nmであった。
[実施例4]
[異形シリカゾル(4)の調製]
純水260gに珪酸ナトリウム水溶液(固形分濃度24.3質量%)12.78gを添加し、ついで珪酸液(シリカ濃度4.5質量%)1.46gを添加し均一になるまで攪拌し
た。ついで98℃に昇温し、98℃のまま80分保持した。98℃に保持した液に珪酸液(シリカ濃度4.5質量%)160gを78分かけて添加し、さらに珪酸液(シリカ濃度4.5質量%)1682.3gを822分かけて添加した。
添加終了後も98℃のまま1時間保持し、冷却させた。冷却させた液を、限外モジュールを用いて濃度12質量%まで濃縮し、さらにロータリーエバポレーターで濃度30質量%に濃縮した。得られたシリカゾルは、光散乱粒子径61nm、比表面積89m2/g、比表面積換算粒子径31nmであった。
[比較例1]
珪酸液の調製(1)に記したのと同様な製造方法により得られた珪酸液23.3Kgに純水36.7Kgを添加して、シリカ濃度1.8質量%の希釈珪酸液を調製した。この珪酸液を20℃で120時間保持した後、40℃に昇温し、濃度1質量%のアンモニア水を添加して、pH4.2に調整し、引き続き40℃で2時間保持した。
そして、pH10.6になるように濃度15質量%のアンモニア水を添加し、続いて95℃に昇温し、そのまま1時間保持した後、室温まで冷却して限外モジュールで濃度12
質量%まで濃縮し、異形シリカシードを得た。
上記シリカシードを用いて実施例1の異形シリカゾル1の調製と同様にして異形シリカゾルを得た。得られた異形シリカゾルは、動的光散乱法により測定された平均粒子径93nm、比表面積75m2/g、比表面積換算粒子径36nmであった。
[比較例3]
表1に示す日揮触媒化成(株)社製のシリカゾルSI-80Pを用いた。得られたシリカゾルを用いて、上記評価を行なった。 結果を併せて表1に示す
Figure 0005615529
表1に示されるように、電子顕微鏡により求められる短径/長径比0.3以上、0.8未満の範囲の微粒子が、前記無機酸化物微粒子の20〜45%の範囲にあり、2)電子顕微鏡により求められる短径/長径比0.5以下の微粒子が、前記無機酸化物微粒子の10%以下である実施例1〜4はいずれも、研磨速度が高く、しかもスクラッチ発生を比較例3の球状シリカと同等レベルに抑制することができる。
本発明に係る無機酸化物粒子分散液または研磨用組成物は、半導体ウェーハ、ガラスハ
ードディスク、アルミハードディスクなどの研磨用途に好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 動的光散乱法による測定される平均粒子径(D1)が3〜300nm、比表面積(Sa)が10〜800m2/gの範囲にある無機酸化物微粒子としてシリカ微粒子が分散媒に分散してなる無機酸化物微粒子分散液であって、該無機酸化物微粒子が次の条件を満たすことを特徴とする無機酸化物微粒子分散液。
    1)顕微鏡により求められる短径/長径比が0.3〜0.8の範囲にある無機酸化物微粒子の個数が、全無機酸化物微粒子個数の20〜45%の範囲。
    2)電子顕微鏡により求められる短径/長径比が0.5以下の範囲にある無機酸化物微粒子の個数が、全無機酸化物微粒子個数の10%以下。
  2. 全無機酸化物微粒子個数の55〜80%が、短径/長径比0.8〜1.0の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の無機酸化物微粒子分散液。
  3. 前記無機酸化物微粒子の平均異形度(D1)/(D2)[但し、(D2)は比表面積換算粒子径を意味する]の値が1.5〜2.2の範囲にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無機酸化物微粒子分散液。
  4. 前記請求項1〜3の何れかに記載の無機酸化物微粒子分散液からなる研磨用粒子分散液。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の無機酸化物微粒子分散液と、研磨促進剤、界面活性剤、複素環化合物、pH調整剤およびpH緩衝剤からなる群より選ばれる1種以上とを含むことを特徴とする研磨用組成物。
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