JP5613876B2 - 延長された半減期を備えるヒト第ix因子変異体 - Google Patents

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Description

優先権に関する陳述
本出願は、米国特許法第119条e項の下で、その全内容が、引用することにより本明細書の一部をなすものとする2007年10月15日に出願された米国特許仮出願第60/999,035号明細書の利益を主張する。
発明の分野
本発明は、追加のグリコシル化部位を含有する第IX因子変異体、ならびに前記第IX因子変異体をコードする核酸構築物に関する。
第IX因子は、血漿由来製剤(Mononine(登録商標))および組換えタンパク質(Benefix(登録商標))の両方として市販で入手できる。Mononine(登録商標)は、精製方法を通して運搬される細菌およびウイルス(例えば、HIV、肝炎)による汚染を介して疾患を伝播する可能性があるという不利点を有する。組換えタンパク質(例えば、Benefix(登録商標))の使用は、これらの問題を回避する。しかし、組換え第IX因子(rFactor IX、例えばBenefix(登録商標))の薬物動態特性は、ヒト血漿由来第IX因子(pdFactor IX、例えば、Mononine(登録商標))の実験動物モデル系およびヒトにおける静脈内(i.v.)ボーラス注入後の特性と良好には匹敵しない。rFactor IXの余り好都合ではない薬物動態特性に起因して、pdFactor IXと同一の凝血促進活性レベルを達成するためには、一般には20〜30%高用量のrFactor IXが必要とされる(White et al.(April 1998)Seminars in Hematology vol.35,no.2 Suppl.2:33−38;Roth et al.(December 15,2001)Blood vol.98(13):3600−3606)。
タンパク質へのグリコシル化部位の付加は、それらの半減期を延長させるための重要なツールであることが証明されてきた。例えば、ダルベポエチン−αは、2つの追加のN結合グリコシル化部位が付加されるエリスロポエチンの組換え形である(Elliott et al.「Enhancement of therapeutic protein in vivo activities through glycoengineering」Nat Biotechnol.(2003)21:414−421)。ダルベポエチンを作製するためには、残基30および残基32を突然変異させて1つのグリコシル化部位を作製し、残基87、残基88および残基90を突然変異させて第2グリコシル化部位を作製した。これら2つの追加のグリコシル化部位を備えるダルベポエチンは、通常のエリスロポエチンの3倍の半減期を有していた。さらにその安全性はEPOと区別できなかった。この分子は5つのアミノ酸変化を有するが、2004年現在においてダルベポエチンに対する抗体開発の事例は確認されていない(Smalling et al.「Drug−induced and antibody−mediated pure red cell aplasia:a review of literature and current knowledge」Biotechnol Annu Rev.(2004)10:237−250;Sinclair et al.「Glycoengineering:the effect of glycosylation on the properties of therapeutic protein」.J Pharm Sci.(2005)94:1626−1635)。ネオグリコシル化部位を付加することもまた、レプチンおよびMplリガンドの半減期を延長させた。
本発明は、追加のグリコシル化部位を有する第IX因子(FIX)変異体の産生に関する。組換え第IX因子変異体は、より大きな回収可能価値および/または増加した半減期を有するので、第IX因子をより低用量および/またはより低頻度の投与で被験者に投与することができる。
本発明は、野生型第IX因子と比較して1つまたは2つ以上の追加のグリコシル化部位を含む、単離された第IX因子(FIX)タンパク質変異体を提供する。1つ以上の追加のグリコシル化部位は、任意の組み合わせで、追加のアミノ酸の挿入、アミノ酸の欠失、アミノ酸の置換および/またはアミノ酸の再配列によって導入することができる。1つ以上の追加のグリコシル化部位は、特定部位突然変異誘発および/またはFIX変異体の化学合成によって導入することもできる。
一部の実施形態では、追加のグリコシル化部位の少なくとも1つは、活性化ペプチド内にある。FIX変異体は、配列番号33のヒトFIXアミノ酸配列の第N157およびN167位間に挿入されたペプチドセグメントを含むことができ、前記ペプチドセグメントは約3〜約100アミノ酸残基を含むことができる。ペプチドセグメントは、マウス第IX因子活性化ペプチドの少なくとも一部を含むことができ(例えば、図1、第4行)、マウス活性化ペプチドはグリコシル化部位の数を増加させるために修飾することができる(例えば、図1、第2および3行)。本発明のFIXタンパク質変異体は、ヒトFIXタンパク質であってよい。
本発明のFIX変異体の1つまたは2つ以上の追加のグリコシル化部位は、N結合グリコシル化部位、O結合グリコシル化部位、ならびにN結合グリコシル化部位およびO結合グリコシル化部位の組み合わせであってよい。
一部の実施形態では、グリコシル化部位は、Xはプロリンではないことを前提に、コンセンサス配列NXT/Sを含むN結合グリコシル化部位を含むことができる。他の実施形態では、グリコシル化部位は、
Figure 0005613876
およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるコンセンサス配列を含むO結合グリコシル化部位を含んでいる。さらに、本発明のFIX変異体は、約1〜約5つの追加のグリコシル化部位を含んでいてよい。
本発明は、本発明のFIX変異体をコードするヌクレオチド配列を含むベクター、本発明のベクターを含む形質転換細胞および本発明のFIX変異体を含むトランスジェニック動物をさらに提供する。
一部の実施形態では、本発明のFIX変異体の少なくとも1つの追加のグリコシル化部位は、活性化ペプチドの外側にあってよい。
さらに、本発明のFIX変異体の少なくとも1つの追加のグリコシル化部位は、FIXの非ヒトホモログの天然型内のグリコシル化されている部位に対応することができ、その非ヒトホモログは、例えば、イヌ、ブタ、ウシまたはマウスであってよい。
さらに本明細書では、第IX因子タンパク質におけるグリコシル化部位の数を増加させる方法であって、第1のFIXアミノ酸配列および第2のFIXアミノ酸配列を整列させる工程と、b)前記第2のFIXアミノ酸配列内には存在しない前記第1のFIXアミノ酸配列内のグリコシル化部位を同定する工程と、c)工程(b)の前記第1アミノ酸配列内で同定されたグリコシル化部位に対応するグリコシル化部位を導入するために前記第2のFIXアミノ酸配列を修飾する工程とを含み、このとき前記第2のFIXアミノ酸配列を修飾する工程は前記FIXタンパク質内のグリコシル化部位の数を増加させる方法が提供される。
本発明の方法では、第1のFIXアミノ酸配列は非ヒト種由来であってよく、第2のFIXアミノ酸配列はヒトFIXであってよい。これらの方法のまた別の実施形態では、第1のFIXアミノ酸配列内のグリコシル化部位は、活性化ペプチド内または活性化ペプチドの外側にあってよい。これらの方法は、さらにまた活性化ペプチド内および活性化ペプチドの外側の両方の1つ以上のグリコシル化部位の添加を含んでいる。
本発明は、野生型FIXと比較して1つ以上の追加の糖鎖を含む単離されたFIX変異体をさらに提供する。一部の実施形態では、1つ以上の追加の糖鎖は、化学的および/または酵素的方法によってFIXタンパク質に付加される。
本発明のまた別の態様、特徴および利点は、以下に記載する図面から明白になる。
以下では、本発明を例示するためであって限定するためではない以下の図面を参照しながら、本発明のこれらやその他の特徴について記載する。
ヒト第IX因子変異体を示す図である。第1行はヒト第IX因子(配列番号5)を示し、第2行はマウスAPセグメントの修飾を伴わないマウス活性ペプチド(AP)セグメントを備えるヒトFIX(配列番号2)を示し、第3行は付加された1つのグリコシル化部位を備えるマウスAPを備えるヒトFIX(配列番号3)を示し、第4行はマウスAPおよび付加された2つのグリコシル化部位を備えるヒトFIX(配列番号4)を示し、小さな矢印は、成熟FIXの第1アミノ酸(配列番号33)を示している。2つの大きな矢印は、活性化ペプチド切断部位を示している。黒い星は、ヒトFIXタンパク質内の2つの既存グリコシル化部位を示している。灰色の星は、提案された追加のグリコシル化部位を示している。 ヒト第IX因子のアミノ酸配列(配列番号5)と、イヌ(配列番号16)、ブタ(配列番号17)、ウシ(配列番号18)、およびマウス(配列番号19)(各々、第2行、第3行、第4行および第5行)由来の相同アミノ酸配列との整列を示す図である。2つの矢印は、活性化ペプチド切断部位を示している。星印は、図示した5つの種の少なくとも1つにおける既存グリコシル化部位を示している。 数種の哺乳動物種(ウシ(配列番号20)、ヒツジ(配列番号21)、ウマ(配列番号22)、イヌ(配列番号23)、ネコ(配列番号24)、ラット(配列番号25)、マウス(配列番号26)、ヒト(配列番号27)、ブタ(配列番号28)、ウサギ(配列番号29および30)、ならびにモルモット(配列番号31)の活性化ペプチドの整列を示す図である。高可変領域は、白色文字を備える黒色背景として表示されている。図示したコンセンサス配列は、配列番号32に対応する。 野生型組換えヒト第IX因子と比較して1つの追加のグリコシル化部位を含有するヒトFIX変異体の半減期のボックスプロットを示している。このFIX変異体の半減期は、約1.5時間まで増加される。ボックスプロット結果の各々は8匹のマウスについての半減期の決定を表している。各ボックスプロットについてのメジアンは、水平の実線によって表され、各セットのマウスの両極値は、グラフ上のエラーバーによって示されている。 ウシ、イヌ、ヒト、マウス、カモノハシおよびフクロネズミについての完全FIXアミノ酸配列の整列を示す図である。 本発明のFIX変異体の追加の168例を示す図であり、O結合グリコシル化部位付着配列は、活性化ペプチドの外側の領域内に挿入されている。 本発明のまた別の態様、特徴および利点は、以下に記載する実施形態についての詳細な説明から明白になる。
発明の詳細な説明
他に規定しない限り、本明細書で使用する技術および科学用語はすべて、本発明が属する当分野の当業者によって一般に理解される意味と同一の意味を有している。本発明の説明において使用する用語は、特定の実施形態を説明することだけを目的とし、本発明を限定することは意図していない。
[用語の定義]
本明細書で使用する「1つの(a、an)」または「その(the)」は、1つまたは2つ以上を意味することができる。例えば、「1つの(a)」細胞は、単一細胞または複数の細胞を意味することができる。
さらにまた本明細書で使用する「および/または」は、1つ以上の関連する列挙した項目の任意および全ての可能性のある組み合わせ、ならびに選択的に解釈される(「または(or)」)場合は組み合わせの欠如を指し、およびこれを包含している。
本明細書で使用する用語「約」は、例えば量(例えば、メチル化の量)などの測定可能な数値に関する場合は、特定された量の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、またはさらに±0.1%の変動を含むことが意図されている。
本明細書で使用する移行句「〜から本質的になる」は、請求項の範囲がその請求項において言及される特定の材料または工程、および請求された発明の「基本的および新規な特性へ実質的に影響を及ぼさないもの」を含むと解釈すべきであることを意味する。In re Herz,537 F.2d 549,551−52,190 U.S.P.Q.461,463(CCPA 1976)(原文における強調)を参照されたい;さらに、MPEP §2111.03を参照されたい。そこで、本発明の請求項において使用される場合の用語「〜から本質的になる」は、「〜を含む」と同等と解釈すべきであるとは意図されていない。
用語「薬物動態的特性」は、その通常の慣習的意味を有し、第IX因子タンパク質の吸収、分布、代謝および排出に関する。
「バイオアベイラビリティ(生体内利用率)」の通常の慣習的意味は、全身性循環に到達する生物学的に活性な薬物の投与された用量の分画もしくは量である。本発明の実施形態の状況では、用語「バイオアベイラビリティ」は、通常の慣習的意味を含んでいるが、さらに、第IX因子タンパク質が生物活性である程度を含むためにより幅広い意味を有すると考えられている。第IX因子の場合には、例えば、「バイオアベイラビリティ」の1つの測定は、注入後の循環内で得られた第IX因子タンパク質の凝血促進活性である。
「翻訳後修飾」は、その通常の慣習的意味を有し、リーダー配列の除去、グルタミン酸残基のγ−カルボキシル化、アスパラギン酸残基のβ−ヒドロキシル化、アスパラギン残基のN結合グリコシル化、セリンおよび/またはトレオニン残基のO結合グリコシル化、チロシン残基の硫酸化、セリン残基のリン酸化およびそれらの任意の組み合わせを含むがそれらに限定されない。
本明細書で使用する「生物学的活性」は、ヒト血漿に由来する標準物質に関連して決定される。第IX因子については、標準物質は、MONONINE(登録商標)(ZLB Behring社)である。標準物質の生物学的活性は100%であると見なされる。
用語「プロセッシング因子」は、機能的第IX因子の形成を促進する任意のタンパク質、ペプチド、非ペプチド補因子、基質および/または核酸を含む広義語である。そのようなプロセッシング因子の例には、対合塩基性アミノ酸転換(もしくは切断)酵素(PACE)、ビタミンKエポキシドレダクターゼ(VKOR)、およびビタミンK依存性γ−グルタミルカルボキシラーゼ(VKGC)が含まれるがそれらに限定されない。
本明細書で使用する用語「第IX因子タンパク質」は、野生型第IX因子タンパク質ならびに天然型またはGraham et al.(「The Malmo polymorphism of coagulation factor IX,an immunologic polymorphism due to dimorphism of residue 148 that is in linkage disequilibrium with two other FIX polymorphisms」Am.J.Hum.Genet.42:573−580(1988))に記載されたような合成変異体(例えば、148位でのヒトFIXの活性化ペプチド内でのT/A二形性(ナンバリングは148位でTを示す、配列番号33の成熟ヒトFIXアミノ酸配列に基づく))を含んでいる。そこで、本発明のFIXタンパク質は、配列番号33のアミノ酸配列を有する成熟ヒトFIXタンパク質を含んで、148位でのアミノ酸はTまたはAであってよく、被験者はこの部位でTまたはAのいずれかに対してヘテロ接合性またはホモ接合性のいずれかであってよい。本発明のFIXタンパク質は、文献(例えば、Chang et al.,「Changing residue 338 in human factor IX from arginine to alanine causes an increase in catalytic activity」J.Biol.Chem.273:12089−94(1998);Cheung et al.「Identification of the endothelial cell binding site for factor IX」PNAS USA 93:11068−73(1996);Horst,Molecular Pathology,page 361(458pages)CRC Press,1991(それらの各々の全内容は参照して本明細書に組み込まれる)を参照されたい)において公知であるようなFIXの突然変異型をさらに含むことができる。本発明のFIXタンパク質は、当分野において公知であるように、任意の他の天然型ヒトFIX変異体または現在公知である、もしくは今後同定される合成ヒトFIX変異体、それらの誘導体および活性フラグメント/活性ドメインをさらに含んでいる。本発明の第IX因子タンパク質は、機能的FIX凝固因子として折り畳まれたFIX(軽鎖および重鎖)のための2つの非隣接ポリペプチド鎖を生じさせる、プロテアーゼの作用によって(または核酸レベルで除去することによってタンパク質からそれを遺伝子工学によって取り除くことによって)タンパク質から活性化ペプチドが切断されている分子であるFIXの薬理学的活性形をさらに含んでいる。詳細には、グリコシル化度を増加させるための修飾(例えば、N結合および/またはO結合グリコシル化)を有する第IX因子変異体は、詳細には広義語に含まれている。
用語「半減期」は、通常の慣習的意味ならびに第IX因子についての科学文献において見いだされる通常の慣習的意味を含む広義語である。詳細には、この定義には、注入時に測定された初期値から初期値の半分までへの減少についての注入後時間を規定する第IX因子と関連するパラメータの測定値が含まれる。一部の実施形態では、FIXの半減期は、当分野において周知であるように、そして本明細書で記載するように、様々なイムノアッセイにおいて第IX因子に対する抗体を使用して血中および/または血液成分中において測定することができる。または、半減期は、当分野において周知であるように、そして本明細書で記載するように、標準的な凝固アッセイを含む機能的アッセイを使用して第IX因子活性における減少として測定することができる。
本明細書で使用する用語「回収」は、FIXの注入、注射、またはさもなければ送達もしくは投与後のFIXのレベルを測定する目的で、生物学的サンプル(例えば、血液もしくは血液製剤サンプル)を回収する最も早い実際的時間にレシピエント動物もしくはヒト被験者の循環中で検出された、FIX抗原レベルまたはFIXプロテアーゼもしくは凝血活性レベルを含むがそれらに限定されない任意の許容できる方法によって測定されるFIXの量を含んでいる。最新の方法を用いると、FIX回収を測定するための初期の生物学的サンプリング時間は、典型的にはFIXの注入、注射、またはさもなければ送達/投与後の初期15分間以内に含まれるが、科学および/または臨床技術が向上するにつれてより迅速なサンプリング時間を予想することは合理的である。本質的に、FIXについての回収値は、レシピエント動物もしくは患者への注入、注射、またはさもなければ送達後のできる限り早い時点にレシピエントの循環中で測定できる、注入、注射またはさもなければ送達もしくは投与されたFIXの最大画分を表すことがここでは意図されている。
用語「グリコシル化部位」は、その通常の慣習的意味を有する広義の用語である。本出願の状況においては、この用語は潜在的に炭水化物成分を受け入れる両方の部位、ならびにその上では炭水化物成分が実際に付着し、オリゴ糖および/または炭水化物のための受容体として機能できる任意のアミノ酸配列を含んでいるタンパク質、詳細にはFIX内の部位に適用される。
用語「単離(された)」は、細胞物質、ウイルス物質、および/または培養培地(組換えDNA技術によって生成された場合)、または化学的前駆体もしくはその他の化学薬品(化学的に合成した場合)を実質的に含んでいない核酸またはポリペプチドを意味することができる。さらに、「単離フラグメント」は、フラグメントとして自然には発生しない、そして天然状態では見いだされない核酸またはポリペプチドのフラグメントである。
「単離された細胞」は、通常はその天然状態で結合している他の細胞および/または組織成分から分離されている細胞である。例えば、単離された細胞は、細胞培養の一部である細胞である。単離された細胞は、さらにまた、例えば、治療作用またはさもなければ有益な作用を付与するために、被験者に投与される、または導入される細胞であってよい。
本発明の一部の実施形態は、1つ以上の追加のグリコシル化部位を有する第IX因子変異体に関する。「追加の」または「新規な」グリコシル化部位は、FIX変異体内のグリコシル化部位の数が第IX因子の「野生型」形内に通常存在するグリコシル化部位の数より多いことを意味する。本発明の第IX因子タンパク質は、血漿由来FIXならびにFIXの組換え形を含むことができる。一般に、本発明の実施形態は、本発明のFIX分子内のグリコシル化部位の数を増加させることに関する。しかし、グリコシル化部位の数を増加させるため、および/または糖鎖の数を増加させるために修飾できる本発明の第IX因子タンパク質は、特定の「野生型」FIXアミノ酸配列に限定されないが、その理由は天然型もしくは合成FIX変異体は、グリコシル化部位の数を増加させるため、および/または糖鎖の数を増加させるために本発明の方法によって修飾することもできるからであることを理解されたい。
本発明は、追加の糖鎖を含有するFIX変異体にさらに関する。そのような追加の糖側鎖は、本明細書に記載された方法によって本発明のFIX変異体内に導入された追加のグリコシル化部位の1つ以上に存在することができる。または、追加の糖側鎖は、当分野において周知であるように、FIX分子にそのような糖鎖を導入するために化学的および/または酵素的方法の結果としてFIXタンパク質上の部位に存在することができる。「追加の」または「新規な」糖鎖は、FIX変異体内の糖鎖の数が第IX因子の「野生型」形内に通常存在する糖鎖の数より多いことを意味する。様々な実施形態では、約1〜約500の追加の糖側鎖(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50)を付加することができる。
一部の実施形態では、少なくとも1つの追加のグリコシル化部位は、第IX因子の活性化ペプチド(例えば、配列番号1のアミノ酸配列を有するヒトFIX活性化ペプチド)内にある。特定の実施形態では、FIX変異体は、配列番号33のヒト第IX因子アミノ酸配列のN157位とN167位との間に1つ以上のグリコシル化部位を導入するペプチドセグメントの挿入を有する。
挿入は、グリコシル化部位の数を増加させるために本発明のFIX変異体内へ導入することができ、そのような挿入は1〜100の任意の数のアミノ酸残基(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99および100)を含む、約1〜約100アミノ酸残基を含むことができる。
特定の実施形態では、挿入は、例えばマウス(例えば、図1の第4行および配列番号2に示したように)などの非ヒト種由来の第IX因子活性化ペプチドの全部または少なくとも一部(例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15以上のアミノ酸残基)を含んでいる。他の実施形態では、ヒトFIX配列は、グリコシル化部位の数を増加させるために修飾されている非ヒト(例えば、マウス)FIX活性化ペプチドを含めるように修飾される(例えば、図1の第2および3行ならびに配列番号3および4に示したように)。また別の実施形態では、ヒトFIXアミノ酸配列は、カモノハシを含む任意の非ヒトFIXタンパク質の活性化ペプチドのアミノ酸セグメントの挿入によって修飾することができる(図5)。配列番号305は、例えばマウス活性化ペプチド由来の挿入されたペプチドセグメントのための図1に示したようにアミノ酸残基166と167との間に、または活性化ペプチド内の任意の他の部位で、ヒトFIXの活性化ペプチド内に導入することができる14アミノ酸セグメントを提供する。配列番号306は、アミノ酸残基166と167との間に挿入されたカモノハシの14アミノ酸配列を備える成熟ヒトFIX変異体を提供する。この挿入されたペプチド配列は、本明細書の教示による追加のグリコシル化部位を導入するためにさらに修飾することができる。図5に提供されたカモノハシFIXについてのアミノ酸配列は、タンパク質の活性および/または機能が悪影響を受けることはないという期待を抱いて、少なくとも14アミノ酸をFIXタンパク質の活性化ペプチド内に挿入できることをさらに示している。
グリコシル化部位は、N結合グリコシル化部位、O結合グリコシル化部位および/またはN結合グリコシル化部位とO結合グリコシル化部位との組み合わせから選択することができる。一部の実施形態では、付加されたグリコシル化部位はN結合グリコシル化部位を含んで、Xがプロリンではないことを前提に、コンセンサス配列はNXT/Sである。
一部の実施形態では、約1〜約5のグリコシル化部位は、FIXアミノ酸配列に付加することができる。様々な実施形態では、約1〜約50のグリコシル化部位(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50)を付加することができる。本発明の実施形態は、N結合またはO結合グリコシル化部位のいずれかが、特定アミノ酸の挿入、欠失または置換によって作製されているFIX変異体を含んでいる。特定の実施形態では、挿入、欠失および/または置換は、図1において矢印によって示された活性化ペプチドの領域内にある。ヒトFIX活性化ペプチドのアミノ酸配列は、本明細書では配列番号1として提供されている。
一部の実施形態では、付加されたグリコシル化部位は、O結合グリコシル化部位を含んで、コンセンサス配列は、
Figure 0005613876
であってよいが、それらに限定されない。
FIXアミノ酸配列内に導入された追加のグリコシル化部位は、FIXタンパク質のアミノ酸配列全体のいずれかの場所に導入できることが想定されている。そこで、一部の実施形態では、追加のグリコシル化部位は、活性化ペプチド内(図1において矢印によって示され、配列番号33の成熟ヒトFIXアミノ酸配列のアミノ酸146〜180)、活性化ペプチドの外側(例えば、活性化ペプチドの前および/または後)または活性化ペプチド内および活性化ペプチドの外側の両方に導入される。そこで、配列番号33に示した成熟ヒトFIXタンパク質のアミノ酸配列の415アミノ酸のナンバリングに基づくと、グリコシル化付着部位は、アミノ酸1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122,123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140,141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155,156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412、413、414、415のいずれか、およびこれらの任意の組み合わせの間に追加のアミノ酸残基を挿入することによって導入することができる。本明細書で使用する「グリコシル化付着部位」または「グリコシル化部位」は、アミノ酸配列に、糖付着コンセンサス配列(すなわち、糖(単糖、オリゴ糖、または多糖)を付着させるためのコンセンサス配列として機能する一連のアミノ酸)を意味することができる、またはそれに糖成分が共有結合している実際のアミノ酸残基を意味することができる。糖成分は、単糖(単糖分子)、オリゴ糖、または多糖であってよい。
特定の実施形態では、追加のアミノ酸は、例えばアミノ酸145,146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182のいずれかおよびそれらの任意の組み合わせ間などの活性化ペプチドを作り上げるアミノ酸残基のいずれかの間に挿入できる、および/またはそれらと置換することができる。さらに、本発明の同一のインサートは、活性化ペプチド内を含む、FIXタンパク質のアミノ酸配列内の同一および/または相違する場所に複数回導入することができる。さらに、相違するインサートおよび/または同一のインサートは、活性化ペプチド内を含む、FIXタンパク質のアミノ酸配列全体のアミノ酸残基間の同一および/または相違する場所に1回以上導入することができる。
当分野では、一部のタンパク質は極めて多数の糖側鎖を支持することができ、O結合グリコシル化部位間の間隔は1つおきというわずかなアミノ酸であってよいことが周知である(例えば、Kolset & Tveit 「Serglycin−structure and biology」Cell.Mol.Life Sci 65:1073−1085(2008)およびKiani et al.「Structure and function of aggrecan」Cell Research 12(1):19−32(2002)を参照されたい)。N結合グリコシル化部位については、部位間の間隔は、3、4、5もしくは6アミノ酸というわずかな数であってよい(例えば、それらの各々の全内容が引用することにより本明細書の一部をなすものとする、Lundin et al.「Membrane topology of the Drosophila OR83b odorant receptor」FEBS Letters 581:5601−5604(2007);Apweiler et al.「On the frequency of protein glycosylation,as deduced from analysis of the SWISS−PROT database」Biochimica et Biophysica Acta 1473:4−8(19991)を参照されたい)。
さらに、本発明のFIXタンパク質は、N結合グリコシル化部位、O結合グリコシル化部位、またはN結合およびO結合グリコシル化部位の両方を導入するために突然変異(例えば、アミノ酸の置換、付加および/または欠失)によって修飾することができる。例えば、機能的FIXタンパク質の表面上のアミノ酸残基は、1つ以上のグリコシル化部位を導入するための修飾(例えば、突然変異)のために適切である、当分野において標準である分子モデリング法によって同定することができる。このアプローチの1つの特定の例は、成熟ヒトFIXタンパク質内の各アミノ酸の相対表面露出度(surface accessibility)を決定するために使用される分子モデリング計算の結果を示す、表2に提供されている。溶媒露出度(solvent accessibility)の計算は、このFIXタンパク質の実際の三次元構造の結晶構造決定に基づいている。第1列はアミノ酸名を列挙し、第2列はその対応するアミノ酸についての配列位置を列挙し、「合計」と題する列は各アミノ酸について相対単位で計算溶媒露出度値を示している。合計列内のより高い数値は、特定アミノ酸が溶媒にはるかに多く露出されていると計算されることを意味している(すなわち、折り畳みタンパク質の表面上)。本発明のために、60以上のカットオフ値は、グリコシル化部位の数を増加させるために、本発明の方法によって修飾できるFIX分子の表面上のアミノ酸残基を同定するために任意に選択された。
例えば、一部の実施形態では、60以上の合計値を有する3つの連続アミノ酸残基は、追加のグリコシル化部位を導入するための修飾のために検討することができ、そのような領域は表2の合計列内で陰影が付けられている(活性化ペプチドを作り上げるアミノ酸残基は、表2においても陰影が付けられている)。しかし、60は、一例として使用される任意のカットオフであり、追加のグリコシル化部位を組み込むために修飾するためのアミノ酸候補を選択するために、任意の他のカットオフ値を選択することができる。さらに、このアプローチは、FIXタンパク質内のアミノ酸残基を修飾のためにいかに選択するかの単に一例であって、そこで、追加のグリコシル化部位を成熟ヒトFIXタンパク質内に組み込むために修飾できるアミノ酸残基は、表2の合計列内で任意の特定の数値を有するアミノ酸残基に限定されない。当分野において周知の方法による、そして本明細書で教示するように成熟FIXアミノ酸配列内の任意のアミノ酸残基を修飾すること、そして周知の方法および本明細書に記載した方法によって活性、安定性、回収、半減期などについて、結果として生じる任意のFIX変異体を試験することは、本発明の範囲内、および当業者の技術の範囲内に含まれる(例えば、引用することにより本明細書の一部をなすものとする、Elliott et al.「Structural requirements for additional N−linked carbohydrate on recombinant human erythropoietin」J.Biol.Chem.279:16854−62(2004)を参照されたい)。
本発明の実施形態は、第IX因子の回収率および/または半減期および/または安定性を向上させるためにグリコシル化部位が付加されている、組換え第IX因子変異体に向けられる。グリコシル化部位は、N結合および/またはO結合グリコシル化部位であってよい。特定の実施形態では、少なくとも1つのN結合グリコシル化部位が付加される。活性化ペプチド内に1つ以上の追加のN結合グリコシル化部位を備えるヒトFIX変異体の多数の例は、本明細書では配列番号34〜91として提供されている。
活性化ペプチド内に1つ以上の追加のO結合グリコシル化部位を備えるヒトFIX変異体の多数の他の例は、本明細書では配列番号92〜132として提供されている。さらに、活性化ペプチド内で1つ以上の追加のN結合グリコシル化部位および1つ以上のO結合グリコシル化部位を備えるヒトFIX変異体の多数の例は、本明細書では、配列番号34〜91に示したN結合グリコシル化部位を導入するために作製された修飾を配列番号92〜132に示したO結合グリコシル化部位を導入するために作製された修飾と、任意の組み合わせおよび任意の順序で結合する工程によって提供される。そのような組み合わせは、一層より多くのグリコシル化部位を導入する活性化ペプチド内および/または活性化ペプチドの外側の任意の追加の修飾をさらに含むことができる。本明細書で配列番号34〜132に規定したアミノ酸配列について記載されたそのような結合修飾は、当業者によって容易に同定可能であり、そのような組み合わせ全部を規定している各々の個別アミノ酸配列が本明細書に明示的に提供されているかのように同程度まで本発明の実施形態に含まれる。
本明細書で言及するように、一部の実施形態では、少なくとも1つの追加のグリコシル化部位は、活性化ペプチドの外側にある部位でFIXアミノ酸配列内に導入される。好ましくは、少なくとも1つの追加のグリコシル化部位は、例えば図2に示したように、第IX因子の非ヒトホモログの天然型内でグリコシル化されている部位に対応し、このときグリコシル化部位は図に示したすべての非ヒト種におけるアミノ酸260〜262で同定されるが、ヒトFIXタンパク質内に自然には存在しない。ヒトFIXの成熟(すなわち、分泌)形である配列番号33のアミノ酸配列のアミノ酸262でセリンもしくはトレオニンを導入するためのヒトFIXアミノ酸配列の修飾は、ヒトタンパク質内に追加のN結合グリコシル化部位を導入する。好ましくは、非ヒトホモログは、イヌ、ブタ、ウシ、またはマウス由来である。
活性化ペプチドの外側に1つ以上の追加のN結合グリコシル化部位を備えるヒトFIX変異体、または追加のN結合およびO結合グリコシル化部位の組み合わせを備えるヒトFIX変異体の多数の例は、本明細書では配列番号135〜304として提供されている。活性化ペプチドの外側に1つ以上の追加のO結合グリコシル化部位を備えるヒトFIX変異体の多数の他の例は、本明細書では図6に提供されている。図6および配列表に示した修飾は、本明細書に提供された他の例のいずれかに示した修飾と結合できること、そして図6および配列表に示した修飾は図示した特定のN結合またはO結合グリコシル化部位コンセンサス配列には限定されないことは、容易に理解される。本発明のN結合および/またはO結合グリコシル化部位コンセンサス配列のいずれか、ならびに当分野において公知の任意のその他の配列は、本発明の実施形態に含まれ、本発明のFIX内に個別に、他のO結合グリコシル化部位コンセンサス配列および/または任意のN結合グリコシル化部位コンセンサス配列との任意の組み合わせで、FIXタンパク質上のグリコシル化部位の数を増加させるために導入することができる。
本発明の追加の実施形態は、第IX因子タンパク質におけるグリコシル化部位の数を増加させる方法であって、a)第1および第2の第IX因子アミノ酸配列を整列させる工程と、b)前記第2のFIXアミノ酸配列内には存在しない前記第1のFIXアミノ酸配列内で1つ以上のグリコシル化部位を同定する工程と、c)工程(b)の前記第1アミノ酸配列内で同定された1つ以上のグリコシル化部位に対応する前記第2のFIXアミノ酸配列内に1つ以上の新規または追加のグリコシル化部位を導入するために、前記第2のFIXアミノ酸配列を変化させる工程と、のうちの1つ以上を含む方法に関する。特定の実施形態では、第1アミノ酸配列は非ヒト種由来の第IX因子であり、第2アミノ酸配列はヒト第IX因子である。所定の実施形態では、1つ以上の新規または追加のグリコシル化部位は、第2のFIXアミノ酸配列の活性化ペプチド内に導入される。他の実施形態では、1つ以上の新規または追加のグリコシル化部位は、第2のFIXアミノ酸配列の活性化ペプチドの外側で導入され、また別の実施形態では、1つ以上の新規または追加のグリコシル化部位は、任意の組み合わせおよび任意の場所で、第2のFIXアミノ酸配列の活性化ペプチド内および第2のFIXアミノ酸配列の活性化ペプチドの外側の両方で導入される。本発明の方法では、新規または追加のグリコシル化部位は、任意の組み合わせでN結合および/またはO結合グリコシル化部位であってよい。
本発明の方法は、第1のFIXアミノ酸配列(例えば、1、2、3、4、5または6アミノ酸内)内にグリコシル化部位を含有する対応する領域の近傍内の第2のFIXアミノ酸配列を修飾する工程と、ならびに第1のFIXアミノ酸配列内の対応する領域内の位置と同一の正確なアミノ酸位置で第2のFIXアミノ酸配列を修飾する工程とを含んでいる。
さらに本明細書では、本発明のFIXアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む、それらから本質的になる、および/またはそれらからなる核酸が提供される。そのような核酸は、例えば発現カセットなどのベクター内に存在している可能性がある。そこで、本発明のまた別の実施形態は、本発明の第IX因子変異体のいずれかをコードするヌクレオチド配列を発現させるために設計された発現カセットに関する。本発明の核酸および/またはベクターは、細胞内に存在していてよい。そこで、本発明の様々な実施形態は、ベクター(例えば、発現カセット)を含有する組換え宿主細胞に関する。そのような細胞は、単離できる、および/またはトランスジェニック動物内に存在している可能性がある。このため、本発明の所定の実施形態は、本発明の第IX因子変異体のいずれかをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含むトランスジェニック動物にさらに関する。
ヒト、マウス、モルモットおよびカモノハシのFIXの活性化ペプチドのアミノ酸配列の比較は、マウスFIXアミノ酸配列がその活性化ペプチド内に存在する追加の9アミノ酸を有し、モルモットFIXアミノ酸配列はその活性化ペプチド内に存在する追加の10アミノ酸残基を有し、そしてカモノハシはその活性化ペプチド内に存在する追加の14アミノ酸残基を有することを明らかにしている(図5)。これらの追加のアミノ酸は、ヒト第IX因子内の2つの天然型グリコシル化部位(N157およびN167)間にある。
ヒトおよびマウスFIXは、本質的に同一の構造を有し、ヒト酵素はマウス内で機能できる。ヒトFIXはマウス内で見いだされる追加の9つのアミノ酸セグメントを伴わずに機能するので、第IX因子分子のこの領域は、その配列内で分子の構造的、生化学的、またはさもなければ機能的完全性における実質的消失を伴わずに挿入、置換および/または欠失を含む修飾を容認することができる。マウス内に挿入された9つのアミノ酸は、表面残基である可能性が極めて高く(構造的試験によって裏付けられている)、このためグリコシル化酵素による修飾のために利用することができる。天然ヒト第IX因子内では、2つのN結合グリコシル化部位は、活性化ペプチドのアミノおよびカルボキシル切断部位各々から離れた12および14アミノ酸である。そこで、本発明の一部の実施形態では、半減期および/またはバイオアベイラビリティを向上する目的でグリコシル化部位を付加するために、ヒト第IX因子タンパク質のN157およびN167間に追加のアミノ酸残基を付加することができる。様々な実施形態では、グリコシル化部位は、O結合グリコシル化のための付着配列および/またはN結合グリコシル化のためのコンセンサス配列を含むために、天然配列の挿入、欠失および/または修飾によって付加される。
活性化ペプチドのためのヒト配列は、成熟タンパク質の残基146で始まる。天然グリコシル化部位は、N157およびN167にある(配列番号33)。一部の実施形態では、追加のアミノ酸残基は、追加のグリコシル化部位を提供するための2つの正常グリコシル化部位(ヒト配列内のN157およびN167間)間に挿入できる。一部の実施形態では、約3〜約100の追加のアミノ酸残基が付加される。他の実施形態では、約5〜約50のアミノ酸残基が付加される。また別の実施形態では、約5〜約20のアミノ酸残基が付加される。さらにまた別の実施形態では、約7〜約15のアミノ酸残基が付加される。典型的には、アミノ酸残基は、プロリンが、N結合グリコシル化のためのコンセンサス配列であるグリコシル化部位NXT/Sにおいて「X」として使用されないことを前提に、20個の生物学的アミノ酸から選択される。表1は、20個の共通生物学的アミノ酸およびそれらの略語を示している。
Nグリコシル化部位および/またはOグリコシル化部位を付加することができる。グリコシル化部位を付加するためのコンセンサス配列は、当分野において公知であり、Nグリコシル化のためのコンセンサス配列「NXT/S」(式中、Xはプロリンではない)を含んでいる。Oグリコシル化部位はより多様であり、一般には付着のための「コンセンサス配列」を有していない。好ましい実施形態では、第IX因子のための追加のO結合グリコシル化部位は、例えば第II因子、第VII因子、第VIII因子、第X因子、タンパク質Cおよびタンパク質Sなどの他の凝固タンパク質において見いだされる、O結合グリコシル化のためのコンセンサス配列を含めるために、天然配列の挿入、欠失および/または修飾によって導入される。例えば、配列CXXGGT/S−C(配列番号9)は、数個の凝固因子およびO結合オリゴ糖を付加するためのコンセンサス配列としての止血タンパク質内で見いだされる(van den Steen et al.In Critical Reviews in Biochemistry and Molecular Biology.Michael Cox,ed.,33(3):151−208(1998))。一部の実施形態では、グリコシル化部位は、
Figure 0005613876
を含むがそれらに限定されない、O結合グリコシル化部位を含んでいる。
上記の配列内では、グリコシル化のための付着点には下線が引かれている。一部の実施形態では、FIX変異体は、例えば以下の三量体、G−T/S−C、ST−E/D、ITQ、STQ、FT−R/K、E/D−SNおよびGSCなどのいずれかの側に残基を備える、O結合グリコシル化のためのS/T残基の挿入によって調製される。その他の変形には、実際のグリコシル化部位のためのSおよびTの互換性が含まれる。Sは、Tと置換されてよく、TはSと置換されてよい。本発明の実施形態は、N結合またはO結合グリコシル化いずれかのためのシグナルであると考えられる任意の配列の、挿入、欠失および/または置換による付加に関する。
一部の実施形態では、マウス、ヒトおよびその他の哺乳動物第IX因子配列由来の内因性N結合付着配列およびO結合付着配列が、活性化ペプチド内に挿入される。これらは、個別に、または組み合わせて挿入することができる。所定の実施形態では、挿入されるセグメントは、個別に、タンデムリピートで、複数で、そのほかで存在する可能性がある、グリコシル化部位間のスペーサー領域を含んでいる。本発明のスペーサー領域は、長さが1〜約100アミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99および100)であってよい。一部の実施形態では、例えば、スペーサー領域は、1〜約20アミノ酸であってよい。他の実施形態では、スペーサー領域は、1〜約10アミノ酸であってよい。また別の実施形態では、スペーサー領域は、1〜約5アミノ酸残基であってよい。
本発明のスペーサー領域は、立体障害を減少もしくは排除し、適切なグリコシルトランスフェラーゼによる効率的な認識を提供するために、付加された炭水化物付着部位間および/または天然型グリコシル化部位および付加されたグリコシル化部位間に含まれる。本発明のスペーサー領域は、アミノ酸残基の任意の組み合わせから構成されてよいが、アミノ酸残基がシステインもしくはプロリンではないことを前提に、そしてスペーサーのアミノ酸配列が疎水性である約10%を超える残基(例えば、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニンおよびバリン)を有していないことを前提に構成される。
一部の実施形態では、NXT/Sは、1つ以上の追加のグリコシル化部位を付加するために挿入アミノ酸配列内に組み込まれる。「X」は、プロリンが好ましくないことを除いて、任意の生物学的アミノ酸であってよい。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加のグリコシル化部位が第IX因子変異体に付加される。他の実施形態では、2つの追加のグリコシル化部位が付加される。また別の実施形態では、3つの追加のグリコシル化部位が付加される。さらにまた別の実施形態では、4つの追加のグリコシル化部位が付加される。さらに別の実施形態では、5つの追加のグリコシル化部位が付加される。一部の実施形態では、6つの追加のグリコシル化部位が付加される。他の実施形態では、6つを超える追加のグリコシル化部位が付加される。
1つの実施形態では、成熟ヒトFIXアミノ酸配列(配列番号33)の161位でのAlaは、1つの追加のグリコシル化部位を提供するためにAsnと置換される。また別の実施形態では、マウス活性化ペプチド由来のペプチドセグメントは、1つの追加のグリコシル化部位(図1、第3行、配列番号3)または2つの追加のグリコシル化部位(配列番号4、図1、第2行)を作製するために、マウス配列の修飾を備えてヒトFIX活性化ペプチド内に挿入される。また別の実施形態では、配列VFIQDNITD(配列番号6)は、ヒトFIX配列内にN結合グリコシル化部位を導入するために配列番号33の成熟ヒトFIXアミノ酸配列の残基161と162との間に挿入される。さらにまた別の実施形態では、また別の新規なグリコシル化部位は、VFIQDNITDインサート内でAspをAsnと置換する工程によって付加される。挿入された配列は、VFIQDNITN(配列番号7)を生じさせる。上記で考察した実施形態は、ヒト第IX因子タンパク質内で1〜4つの追加のグリコシル化部位を提供するために組み合わせることができる。
また別の実施形態では、5つの追加のグリコシル化部位を提供する以下の配列が付加される。グリコシル化部位は、ボールド体および下線付きで示されている。
Figure 0005613876
一部の実施形態では、グリコシル化部位は、活性化ペプチドの外側の部位で付加される。これらの追加の部位は、例えば、ヒト由来の第IX因子のアミノ酸配列を他の種由来の第IX因子アミノ酸配列と整列させる工程と、非ヒト種におけるグリコシル化部位の位置を決定する工程とによって選択することができる。ヒトFIXアミノ酸配列内の相同または同等位置は、次にグリコシル化部位を提供するために修飾される。本方法は、潜在的Nグリコシル化およびOグリコシル化部位の両方を同定するために使用できる。
このアプローチの1つの例は、ヒトFIXアミノ酸配列(配列番号1)がイヌ、ブタ、ウシおよびマウス各々由来のFIXアミノ酸配列と整列させられている図2に提供されている。第5の星の位置では、ヒトを除く図示された全種においてグリコシル化部位が存在し、これはグリコシル化がこの位置では良好に忍容されることを示している。イヌ、ブタ、ウシおよびマウスFIXアミノ酸配列は、この部位(NXT/S)でのNグリコシル化のためのコンセンサス配列を有し、ヒトFIXアミノ酸配列は有していない。その代りに、ヒトFIXアミノ酸配列はNAAである。コンセンサス配列NAT/Sを生成するためのアミノ酸262でのヒトFIXアミノ酸配列の突然変異は、ヒトFIXタンパク質内のこの位置で追加のグリコシル化部位を導入する。
本発明によるFIX変異体は、当分野において周知であり、本明細書で提供した実施例のセクションに記載された方法によって生成され、特性付けられる。これらの方法には、当分野において周知であるように、凝固時間の決定(部分トロンボプラスチン時間(PPT)アッセイ)ならびに、適切なイムノアッセイおよび/または活性アッセイによって回収、半減期、およびバイオアベイラビリティを決定するための試験動物へのFIX変異体の投与が含まれる。
一部の実施形態では、組換え第IX因子タンパク質は、本明細書に記載した方法工程の1つ以上によって生成される。本明細書に記載した方法によって生成される組換え第IX因子タンパク質は、医薬組成物中に含めることができる。一部の実施形態は、本明細書に記載した方法によって生成された組換え第IX因子タンパク質を含むキットに関する。組換え第IX因子タンパク質は、それを必要とする被験者(例えば、ヒト患者)へ有効量の組換え第IX因子タンパク質を投与する工程によって出血性疾患を治療する方法において使用できる。
遺伝子組み換え細胞を作製するためには、多数の発現ベクターを使用できる。一部の発現ベクターは、選択された高発現性細胞に好ましい様々な条件下でトランスフェクト細胞の増幅後に大量の組換えタンパク質を発現するように設計される。一部の発現ベクターは、選択圧下で増幅の必要を伴わずに大量の組換えタンパク質を発現するように設計される。本発明は、当分野において標準であり、任意の特異的発現ベクターもしくは発現系の使用には依存しない方法による、遺伝子組換え細胞の産生を含んでいる。
大量の第IX因子タンパク質を生成するために遺伝子組換えされた細胞を作製するために、細胞は、前記タンパク質をコードするcDNAを含有する発現ベクターを用いてトランスフェクトされる。一部の実施形態では、標的タンパク質は、標的タンパク質の適正な翻訳後修飾を所定の細胞系において発生させる、選択されたコトランスフェクト酵素を用いて発現させられる。
細胞は、様々な起源から選択することができるが、さもなければ核酸、好ましくは第IX因子タンパク質をコードするcDNAを含有する発現ベクターを用いてトランスフェクトできる細胞であってよい。
本発明の実践は、他の場所で特に指示されない限り、当分野の技術の範囲内に含まれる分子生物学、微生物学、組換えDNA、および免疫学の従来型技術を使用する。そのような技術は、文献の中で十分に説明される。例えば、Sambrook,et al.,Molecular Cloning;A Laboratory Manual,2nd ed.(1989);DNA Cloning,Vols.I and II(D.N.Glover,ed.1985);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames & S.J.Higgins,eds.1984);Transcription and Translation(B.D.Hames & S.J.Higgins,eds.1984);Animal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.1986);Immobilized Cells and Enzymes(IRL Press,1986);B.Perbal,A Practical Guide to Molecular Cloning(1984);the series,Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.),particularly Vols.154 and 155(Wu and Grossman,and Wu,eds.,respectively);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.H.Miller and M.P.Calos,eds.1987,Cold Spring Harbor Laboratory);Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology,Mayer and Walker,eds.(Academic Press,London,1987);Scopes,Protein Purification:Principles and Practice,2nd ed.1987(Springer−Verlag,N.Y.);およびHandbook of Experimental Immunology Vols I−IV(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds 1986)を参照されたい。本明細書に言及したすべての特許、特許出願、および刊行物は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
[遺伝子工学技術]
遺伝子組換え技術によるクローン化遺伝子、組換えDNA、ベクター、形質転換宿主細胞、タンパク質およびタンパク質フラグメントの産生は、周知である。例えば、Bell et al.への米国特許第4,761,371号明細書の第6段落第3行〜第9段落第65行、Clark et al.への米国特許第4,877,729号明細書の第4段落第38行〜第7段落第6行、Schillingへの米国特許第4,912,038号明細書の第3段落第26行〜第14段落第12行、およびWallnerへの米国特許第4,879,224号明細書の第6段落第8行〜第8段落第59行を参照されたい。
ベクターは、複製可能なDNA構築物である。ベクターは、本明細書では第IX因子タンパク質をコードする核酸を増幅させる、および/または第IX因子タンパク質をコードする核酸を発現させる、いずれかのために使用される。発現ベクターは、第IX因子タンパク質をコードするヌクレオチド配列が、適切な宿主内で第IX因子タンパク質を生成するためにヌクレオチド配列の発現を実行することのできる適切な制御配列へ機能的に連結している、複製可能な核酸構築物である。そのような制御配列に対する必要は、選択された宿主および選択された形質転換方法に依存して変動する。一般に、制御配列には、転写プロモーター、転写を制御するための任意のオペレーター配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、および転写および翻訳の停止を制御する配列が含まれる。
ベクターは、プラスミド、ウイルス(例えば、アデノウイルス、サイトメガロウイルス)、ファージ、および統合可能なDNAフラグメント(すなわち、組換えによって宿主ゲノム内に統合可能なフラグメント)を含んでいる。ベクターは、宿主ゲノムとは無関係に複製して機能する、または一部の例では、ゲノム自体内に統合することができる。発現ベクターは、発現させるべき遺伝子に機能的に連結している、そして宿主生体内で機能的であるプロモーターおよびRNA結合部位を含有することができる。
DNA領域もしくはヌクレオチド配列は、それらが相互に機能的に関連する場合に、機能的に連結している、または機能的に関連している。例えば、プロモーターは、それが配列の転写を制御する場合はコーディング配列に機能的に連結している、またはリボソーム結合部位は、それが配列の翻訳を許容できるように配置される場合、コーディング配列に機能的に連結している。
形質転換された宿主細胞は、組換えDNA技術を用いて構築された第IX因子タンパク質ベクターを用いて形質転換、形質導入、および/またはトランスフェクトされている細胞である。
適切な宿主細胞には、原核生物、酵母または例えば哺乳動物細胞および昆虫細胞などの高等真核細胞が含まれる。多細胞生体由来の細胞は、組換え第IX因子タンパク質合成のための特に適切な宿主であり、哺乳動物細胞が特に好ましい。細胞培養内でのそのような細胞の繁殖は、ルーチン手技になってきている(Tissue Culture,Academic Press,Kruse and Patterson,editors(1973))。有用な宿主細胞系の例は、VEROおよびHeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系、ならびにWI138、HEK 293、BHK、COS−7、CV、およびMDCK細胞系である。そのような細胞のための発現ベクターは、通常は(必要であれば)、複製起源、発現対象であってそれと機能的に結び付いている第IX因子タンパク質をコードするヌクレオチド配列から上流に位置するプロモーターを、リボソーム結合部位、RNAスプライス部位(イントロン含有ゲノムDNAが使用される場合)、ポリアデニル化部位、および転写終結配列と共に含んでいる。好ましい実施形態では、発現は、参照して本明細書に全体として組み込まれる米国特許第5,888,809号明細書の発現系を用いてチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞内で実施される。
脊椎動物細胞を形質転換させる際に使用すべき発現ベクター内の転写および翻訳制御配列は、ウイルス起源によって提供されることが多い。例えば、一般に使用されるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、およびシミアン(Simian)ウイルス40(SV40)に由来する。例えば、米国特許第4,599,308号明細書を参照されたい。
複製起源は、例えばSV40もしくはその他のウイルス(例えば、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV、またはBPV)起源などに由来して外因性起源を含めるためのベクターの構築によって提供することができる、または宿主細胞染色体複製機序によって提供することができる。ベクターが宿主細胞染色体内に統合される場合は、宿主細胞染色体で十分であることが多い。
ウイルス複製起源を含有するベクターを使用するのではなく、選択可能なマーカーおよび第IX因子タンパク質をコードする核酸を用いた同時形質転換法によって、哺乳動物細胞を形質転換させることができる。適切な選択可能なマーカーの例は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはチミジンキナーゼである。この方法は、全体として引用することにより本明細書の一部をなすものとする米国特許第4,399,216号明細書においてさらに記載されている。
組換え脊椎動物細胞培養内での第IX因子タンパク質の合成に適応させるために適切なその他の方法には、それらの各々の全内容が引用することにより本明細書の一部をなすものとする、Gething et al.Nature293:620(1981);Mantei et al.Nature 281:40;およびLevinson et al.、欧州特許出願公開第117,060(A)号明細書および欧州特許出願公開第117,058(A)号明細書に記載された方法が含まれる。
例えば、昆虫細胞(例えば、培養されたヨトウガ(Spodoptera frugiperda)細胞)などの宿主細胞および例えばバキュロウイルス発現ベクター(例えば、核多角体病ウイルス(Autographa californica)MNPV、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)MNPV、ラチプルシア・オウ(Rachiplusia ou)MNPV、またはガレリア・オウ(Galleria ou)MNPVに由来するベクター)は、Smith et al.への米国特許第4,745,051号明細書および第4,879,236号明細書に記載されているように、本発明を実施する際に使用できる。一般に、バキュロウイルス発現ベクターは、ポリへドリン転写開始シグナルからATG開始部位までの範囲に及ぶ位置でポリヘドリン遺伝子に挿入して、バキュロウイルス・ポリヘドリン・プロモーターの転写制御下で発現させるヌクレオチド配列を含有する、バキュロウイルスゲノムを含んでいる。
原核宿主細胞は、グラム陰性またはグラム陽性菌、例えば大腸菌(E.coli)または桿菌類を含んでいる。高等真核細胞は、以下に記載するように哺乳動物起源の株化細胞系を含んでいる。典型的な宿主細胞は、大腸菌W3110(ATCC 27,325)、大腸菌B、大腸菌X1776(ATCC 31,537)および大腸菌294(ATCC 31,446)である。極めて多様な適切な原核細胞および微生物ベクターを利用できる。大腸菌は、典型的にはpBR322を用いて形質転換させられる。組換え微生物発現ベクターにおいて最も一般的に使用されるプロモーターには、βラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)およびラクトース・プロモーター系(Chang et al.Nature 275:615(1978);およびGoeddel et al.Nature 281:544(1979))、トリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddel et al.Nucleic Acids Res.8:4057(1980)および欧州特許出願公開第36,776号明細書)およびtacプロモーター(De Boer et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:21(1983))が含まれる。プロモーターおよびShine−Dalgarno配列(原核宿主発現のため)は、第IX因子タンパク質をコードする核酸に機能的に連結している。すなわち、それらはDNAからの第IX因子メッセンジャーRNAの転写を促進できるように配置されている。
例えば酵母培養などの真核微生物は、さらにまたタンパク質コーディングベクターを用いて形質転換させることができる(例えば、米国特許第4,745,057号明細書を参照されたい)。サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)は、最も一般に使用される下等真核宿主微生物であるが、多数の他の菌株も一般に利用できる。酵母ベクターは2μ酵母プラスミドもしくは自己複製配列(ARS)由来の複製起源、プロモーター、第IX因子タンパク質をコードする核酸、ポリアデニル化および転写終結のための配列、ならびに選択遺伝子を含有していてよい。典型的なプラスミドは、YRp7である(Stinchcomb et al.Nature 282:39(1979);Kingsman et al.Gene 7:141(1979);Tschemper et al.Gene 10:157(1980))。酵母ベクター内の適切な促進配列には、メタロチオネイン、3−ホスホグリセレートキナーゼ(Hitzeman et al.J.Biol.Chem.255:2073(1980)またはその他の糖分解酵素(Hess et al.J.Adv.Enzyme Reg.7:149(1968);およびHolland et al.Biochemistry 17:4900(1978))のためのプロモーターが含まれる。酵母発現において使用するための適切なベクターおよびプロモーターについては、R.Hitzeman et al.、欧州特許第73,657号明細書の中にさらに記載されている。
本発明のクローン化コーディング配列は、マウス、ラット、イヌ、フクロネズミ、ウサギ、ネコ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ウシ、モルモット、フクロネズミ、カモノハシ、およびヒトを含む任意の起源の種のFIXをコードすることができるが、好ましくはヒト起源の第IX因子タンパク質をコードする。本明細書に開示したタンパク質をコードする核酸とハイブリダイズできる第IX因子をコードする核酸もまた含まれる。そのような配列のハイブリダイゼーションは、標準インサイチュー(in situ)ハイブリダイゼーションアッセイにおいて本明細書に開示した第IX因子タンパク質をコードする核酸に対して、減少したストリンジェンシー条件下またはさらにストリンジェントな条件(例えば、60℃またはさらに70℃での、0.3MのNaCl、0.03Mのクエン酸ナトリウム、0.1%のSDSを用いた洗浄ストリンジェンシーによって表されるストリンジェントな条件)下で実施できる。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(2d Ed.1989)Cold Spring Harbor Laboratory)を参照されたい。
本発明によって生成されたFIX変異体は、公知の方法によってトランスジェニック動物において発現させることができる。例えば、引用することにより本明細書の一部をなすものとする米国特許第6,344,596号明細書を参照されたい。簡潔に言えば、トランスジェニック動物は、農耕動物(例えば、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマ、ウサギなど)、齧歯類(例えば、マウス、ラットおよびモルモット)、ならびに愛玩動物(例えば、ネコおよびイヌ)を含むことができるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、例えばブタ、ヒツジ、ヤギおよびウシなどの家畜動物が特に好ましい。
本発明のトランスジェニック動物は、前記ポリヌクレオチドが成熟動物の生殖系列細胞のDNA内に安定性で統合され、通常のメンデル型(Mendelian)方法で受け継がれるような方法で、本発明のヒト第IX因子変異体をコードする適切なポリヌクレオチドを単細胞胚内へ導入する工程によって生成される。本発明のトランスジェニック動物は、体液および/または組織中でFIX変異体を生成する表現型を有する。FIX変異体は、例えば治療使用のために、これらの体液および/または組織から取り出され、加工処理される(例えば、その全内容が引用することにより本明細書の一部をなすものとする、Clark et al.「Expression of human anti−hemophilic factor IX in the milk of transgenic sheep」Bio/Technology 7:487−492(1989);Van Cott et al.「Haemophilic factors produced by transgenic livestock:abundance can enable alternative therapies worldwide」Haemophilia 10(4):70−77(2004)を参照されたい)。
DNA分子は、マイクロインジェクション、リン酸カルシウム媒介沈降法、リポソーム融合法、または全能性幹細胞もしくは多能性幹細胞のレトロウイルス感染法を含むがそれらに限定されない、様々な手段によって胚内に導入することができる。形質転換細胞は、次にトランスジェニック動物を形成するために胚内に導入してそこに組み込むことができる。トランスジェニック動物を作製する方法は、例えば、Transgenic Animal Generation and Use by L.M.Houdebine,Harwood Academic Press,1997に記載されている。トランスジェニック動物は、例えば、Campbell et al.,Nature 380:64−66(1996)およびWilmut et al.,Nature 385:810−813(1997)に記載されたような胚もしくは成熟細胞系を用いる核移植もしくはクローニングの方法を使用して生成することもできる。DNAの細胞質インジェクション法を利用するまた別の技術は、米国特許第5,523,222号明細書に記載されているように使用される。
第IX因子産生トランスジェニック動物は、第IX因子をコードする配列を含むキメラ構築物を導入する工程によって得ることができる。トランスジェニック動物を得るための方法は周知である。例えば、すべてが引用することにより本明細書の一部をなすものとする、Hogan et al.,MANIPULATING THE MOUSE EMBRYO.(Cold Spring Harbor Press 1986);Krimpenfort et al.,Bio/Technology 9:88(1991);Palmiter et al.,Cell 41:343(1985),Kraemer et al.,GENETIC MANIPULATION OF THE EARLY MAMMALIAN EMBRYO.(Cold Spring Harbor Laboratory Press 1985);Hammer et al.,Nature 315:680(1985);Wagner et al.、米国特許第5,175,385号明細書;Krimpenfort et al.、米国特許第5,175,384号明細書、Janne et al.,Ann.Med.24:273(1992),Brem et al.,Chim.Oggi.11:21(1993),Clark et al.、米国特許第5,476,995号明細書を参照されたい。
一部の実施形態では、プロモーターが、乳汁が合成される生理学的条件下では他の組織におけるより哺乳動物組織中で活性であるという点で哺乳動物組織中で「活性」である、cis作用性調節領域を使用できる。そのようなプロモーターには、短鎖および長鎖乳清酸性タンパク質(WAP)、短鎖および長鎖α、βおよびκカゼイン、α−ラクトアルブミンおよびβ−ラクトグロブリン(「BLG」)プロモーターが含まれるが、それらに限定されない。本発明によると、発現タンパク質の他の体液内、特別には血液中および尿中への分泌を指令するシグナル配列もまた使用できる。そのような配列の例には、第IX因子、タンパク質C、および組織型プラスミノーゲン活性化因子のシグナルペプチドを含む分泌凝固因子のシグナルペプチドが含まれる。
上記で考察したプロモーターに加えて転写を調節する特に有用な配列は、エンハンサー、スプライスシグナル、転写終結シグナル、ポリアデニル化部位、緩衝配列、RNAプロセッシング配列および導入遺伝子の発現を調節する他の配列である。
好ましくは、発現系もしくは構築物は、所望の組換えタンパク質をコードするヌクレオチド配列の下流にある3’未翻訳領域を含んでいる。この領域は、導入遺伝子の発現を増加させることができる。これに関連して特に有用な3’未翻訳領域は、ポリAシグナルを提供する配列である。
適切な異種3’未翻訳配列は、例えば、SV40スモールt抗原、カゼイン3’未翻訳領域、または当分野において周知の他の3’未翻訳配列に由来してよい。リボソーム結合部位は、FIXの発現の効率を増加させる際にも重要である。同様に、FIXの翻訳後修飾を調節する配列は、本発明において有用である。
第IX因子コーディング配列は、それらを発現させるためのベクターおよび宿主細胞と共に、引用することにより本明細書の一部をなすものとする、欧州特許出願第373012号明細書、欧州特許出願第251874号明細書、国際出願第8505376号明細書、国際出願第8505125号明細書、欧州特許出願第162782号明細書、および国際出願第8400560号明細書において開示されている。
追加のグリコシル化部位を有するFIXタンパク質における変異体は、PCRを用いて例えば特定部位突然変異誘発などの組換え方法によって生成することができる。または、第IX因子変異体は、1つ以上の追加のグリコシル化部位を備える第IX因子タンパク質を調製するために化学合成することができる。
実施例
ヒトFIXアミノ酸配列内への1つのグリコシル化部位の付加
活性化ペプチド内に1つの追加のグリコシル化部位を有するヒトFIXの変異体をCHO細胞内で生成した。この変異体は安定性であり、通常の活性および野生型組換えヒトFIXと比較して増加した半減期を有している。
ベクター。野生型組換えヒトFIXまたは組換えヒトFIXの変異体をコードする核酸を発現させるために、ICOS由来のFIX−pDEF38 CHEF−1プロモーター含有ベクターを使用した。
FIX変異体。これらの実験のために調製したヒトFIX変異体は、活性化ペプチド内に挿入された1つの追加のグリコシル化部位(配列番号3、図1、第3行)を含有する9つの追加のアミノ酸を含んでいる。ボールド体で記載された9つの付加されたアミノ酸を備えるこの変異体の活性化ペプチドの配列はAETVFPDVDYVNSTEAETILDNITDGAILNNITQSTQSFNDFTR(配列番号133)であり、これは配列番号33の成熟ヒトFIXアミノ酸配列に基づくナンバリングを用いて、N末端ではアミノ酸146およびC末端ではアミノ酸181を示している。
CHO DG44細胞のトランスフェクション。細胞は15mLの増殖培地を含有する125mLの振とうフラスコ内で3×10cells/mLの密度で播種し、37℃でインキュベートする。3日目に、細胞密度は約1×10cells/mLでなければならない。DNA−LIPOFECTAMINE 2000 CD複合体は、20μgのDNAを650μLのOPTIPRO SFM内へ希釈し、穏やかに混合し、室温(RT)で5分間にわたりインキュベートすることによって調製する。LIPOFECTAMINE 2000 CDは、使用前に穏やかに混合し、45μLを650μLのOPTIPRO SFM中に入れ、穏やかに混合し、5分間にわたりRTでインキュベートすることによって希釈した。インキュベーション後、希釈したDNAおよび希釈したLIPOFECTAMINE 2000 CDを結合し、穏やかに混合し、RTで30〜45分間にわたりインキュベートし、DNA−LIPOFECTAMINE 2000 CD複合体を形成させる。インキュベーション後、DNA−LIPOFECTAMINE 2000 CD複合体を振とうフラスコ内へ加える。48時間後、細胞を遠沈させ、培地を30mLのCD OptiCHO(商標)培地(Invitrogen社、製品番号12681−011)と取り替える。安定性トランスフェクト細胞を得るために、この培地を2〜3日毎に取り替える。
FIX発現細胞の選択。dhfr遺伝子はDG44細胞内では不活性化されるので、選択マーカーとしてはdhfr遺伝子(Egrie JC,Browne JK.「Development and characterization of novel erythropoiesis stimulating protein(NESP)」Nephrol Dial Transplant.2001;16 Suppl 3:3−13)を使用した。安定性に発現するdhfr陽性DG44細胞は、細胞増殖のためにHTを必要とせず、CD CHO培地中で増殖させることができる。
混合CHO DG44細胞トランスフェクタントおよび293細胞クローンから収集した培地からのhFIX変異体タンパク質の精製。rhFIX変異体タンパク質の精製は、以下のとおりであった。EDTA(200mM、pH7.4)およびベンズアミジン(1M溶液)は、各々4mMおよび5mMの最終濃度まで粗培養培地へ加えた。rhFIX変異体タンパク質を含有する培養培地を4℃でQセファロースアニオン交換樹脂と混合した。Qセファロース樹脂は、20mM Tris(pH7.4)、0.15M NaCl、2mM EDTA、2mMベンズアミジンを用いて前平衡させた。カラムを1Lの平衡バッファーを用いて洗浄し、次にEDTAを含まない200mLの平衡バッファーを用いて洗浄した。rhFIX変異体タンパク質を20mM Tris(pH7.4)、0.15M NaCl、10mM CaClにより溶出した。
FIX活性。変異体組換えヒトFIXの機能的活性は、100μLのヒトFIX欠損性血漿を100μLの自動活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)試薬(Trinity biotech USA社)、および80μLのOwren−Kollerバッファーで希釈した20μLの試験サンプルとともに、37℃で3分間にわたりインキュベートすることによって決定した。反応を開始させるために、100μLの25mM CaClを加え、血塊形成時間を肉眼で測定した。正常プールヒト血漿の凝固活性を100%と見なした。FIX特異的活性は、凝固活性をイムノアッセイによって決定したFIXタンパク質の総量で割り、単位/mgとして表示する。野生型FIXについての特異的活性は116単位/mgであり、1つの追加のグリコシル化部位を備えるFIXについては104単位/mgである。
FIXのサイズ。CHO細胞内で作製された精製血漿FIXおよび精製野生型組換えFIXと比較して、1つの追加のグリコシル化部位を備える精製FIXのサイズにおける明白な増加は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって検出した。糖類を酵素的に除去すると、FIX変異体は、同様に処理した野生型組換えFIXと近似して移動する。
半減期。半減期の測定は、8匹のB型血友病マウスに1つの追加のグリコシル化部位を備えるFIX変異体を注射し、8匹の相違するB型血友病マウスに野生型組換えFIXを注射することによって実施した。100単位/kgのFIXを各群のB型血友病マウスに注射した。注射後、循環中に残留するFIXの量は、15分後、4時間後、12時間後、24時間後、および48時間後に決定した。循環中に残留するFIXの量は、標準物質として野生型FIXを用いるELISAによって測定した。ELISAのための抗体は、Affinity Biologicals社から入手した(製品番号、SAFIX−AP SAFIX−APHRP)。曲線は、一次指数関数的減衰に当てはめた。
1つの追加のグリコシル化部位を備えるFIX変異体は、図4に示したように、より長い半減期(約1.5時間)を示した。このFIXタンパク質の完全シアリル化が生じるかどうかを決定するためには、Griffithによって報告されたように、不完全シアリル化はより短い半減期を生じさせる可能性があるので、この変異体についてのさらなる分析が実施される。シアリル化度を決定するためのアッセイは、当分野において周知である(例えば、それらの各々の全内容は引用することにより本明細書の一部をなすものとする、Anumula and Dhume 「High resolution and high sensitivity methods for oligosaccharide mapping and characterization by normal phase high performance liquid chromatography following derivatization with highly fluorescent anthranilic acid」Glycobiology 8:685−694(1998);Liu et al.「Human plasma N−glycoproteome analysis by immunoaffinity subtraction,hydrazide chemistry,and mass spectrometry」J.Proteome Res.4(6):2070−2080(2005))を参照されたい)。
タンパク質の半減期は、多数の因子によって影響を受ける可能性がある。単純なサイズは、循環中タンパク質が循環中に維持されるかどうか、または身体全体に分布するかどうかに大きな影響を及ぼす。さらに、特異的結合部位は、循環からタンパク質を取り除くことがある。過小シアリル化されている血漿タンパク質は、アシアロ糖タンパク質肝臓受容体によって循環から取り除かれる露出したGlcNAcおよびGal残基を有していることは公知である3−5。哺乳動物組織中で示差的に発現する18種の相違するシアリルトランスフェラーゼ酵素のファミリーが存在する。ヒトでは、N−グリコシル化N末端ガラクトースは、通常はα(2,6)シアル酸で終結する。CHOまたはBHK細胞は、N−グリコシル化末端ガラクトースがα(2,3)−シアリル化ガラクトースによってキャッピングされるFIXを生成する。しかし、293細胞内で生成されるFIXは、α(2,6)−ガラクトース上のシアル酸によってキャッピングされる。過小シアリル化は、循環からの増加したクリアランス速度を容易にもたらし、追加のグリコシル化の結果として生じる予想半減期増加を遮蔽できる。過小シアリル化は、インビトロ内(シアル酸を酵素的に加えることによって)または細胞培養内で、組換えFIXを発現する細胞へシアリル化酵素を加える、またはシアリル化を増加させるために培養条件を操作することのいずれかによって、改善することができる7−10。さらにまた、Gal(β1−4)GlcNAc−R α(2,6)−シアリルトランスフェラーゼに対する遺伝子を用いたCHO細胞のトランスフェクションが内因性シアリル化酵素を圧倒し、主要修飾として末端α−(2,6)−シアリル−ガラクトースを有する組換えタンパク質の産生を生じさせることもまた証明されている11
本試験は、アミノ酸残基は、その凝固時間へ実質的に影響を及ぼさずにヒト第IX因子の活性化ペプチド内へ挿入できること、そしてこれらの挿入はヒト第IX因子の産生に有害な影響を及ぼさないことを証明している。これらの試験はさらに、周知の技術を用いて当業者によって容易に同定されるように、FIXタンパク質自体内にループバックし、構造を破壊する任意の配列を含有していないことを前提に、任意のアミノ酸配列を第IX因子の活性化ペプチド内へ組み込むことができることを証明している。さらに半減期を延長させるためにポリエチレングリコールなどの化合物を加えるために特異的部位の化学的付加を可能にするアミノ酸配列を、さらに組み込むことができる。そのような配列は、ルーチン実験を用いて標準プロトコールに従って生成して試験することができる。
新規なグリコシル化部位が導入されていないヒトFIX変異体
極めて様々な配列もまた、FIX分子に有害な影響を及ぼさずにヒトFIXの活性化ペプチド内に挿入できるという証明として、以下のアミノ酸配列FLNCCPGCCMEP(配列番号134)をアミノ酸161と162との間で活性化ペプチド内に挿入した(ナンバリングは、配列番号33に示したように成熟FIXアミノ酸配列に基づく)。この組換えタンパク質は、上記の実施例1に記載した方法に従って分析し、野生型組換えヒトFIXと同一の機能性を有することが証明された。
当業者には、本発明の精神から逸脱せずに多数の様々な修飾を加えられることは理解される。このため、本発明の形態は例示するためだけであり、本発明の範囲を限定することは意図していないことを明確に理解されたい。
本明細書で言及した全ての刊行物、特許出願、特許、特許公報、GenBank(登録商標)データベース・アクセッション番号によって同定された配列、および他の参考文献は、出典が提示されている文章および/または段落に関連する教示のために、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
本発明は、本明細書に含まれる特許請求の範囲の同等物とともに、以下の特許請求の範囲によって規定される。
実施例1のための参考文献
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Claims (3)

  1. 単離された第IX因子(FIX)タンパク質変異体であって、該変異体のアミノ酸配列は配列番号3に示されており、新規のグリコシル化部位がその成熟ポリペプチドの167位に追加されている、変異体
  2. 請求項1に記載のFIX変異体をコードするヌクレオチド配列を含むベクター。
  3. 請求項2に記載のベクターを含む形質転換細胞。
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