JP5606714B2 - 抽気回収装置とその運転方法及びそれを備えたターボ冷凍機 - Google Patents

抽気回収装置とその運転方法及びそれを備えたターボ冷凍機 Download PDF

Info

Publication number
JP5606714B2
JP5606714B2 JP2009227165A JP2009227165A JP5606714B2 JP 5606714 B2 JP5606714 B2 JP 5606714B2 JP 2009227165 A JP2009227165 A JP 2009227165A JP 2009227165 A JP2009227165 A JP 2009227165A JP 5606714 B2 JP5606714 B2 JP 5606714B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
condenser
purge
gas
connection pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009227165A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011075208A (ja
Inventor
英明 ▲柳▼下
裕一 佐藤
晃好 鈴木
徹也 長岡
健 石山
卓 仙田
Original Assignee
荏原冷熱システム株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 荏原冷熱システム株式会社 filed Critical 荏原冷熱システム株式会社
Priority to JP2009227165A priority Critical patent/JP5606714B2/ja
Publication of JP2011075208A publication Critical patent/JP2011075208A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5606714B2 publication Critical patent/JP5606714B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Description

本発明は、ターボ冷凍機内に漏れ込む空気等の不凝縮ガスを抽気して機外に排出し、冷媒を回収するターボ冷凍機の抽気回収装置とその運転方法及びそれを備えたターボ冷凍機に関するものである。
いわゆる低圧冷媒を使用するターボ冷凍機においては、通常、冷凍機停止中には冷凍機全体の圧力が、冷凍機運転中には蒸発器側圧力が、それぞれ大気圧以下の値に低下する。前記ターボ冷凍機においては、事実上大気中から冷凍機内部への空気等の漏れこみを完全に阻止することは困難であり、漏れ込んだ空気はさまざまな不具合を冷凍機に対して及ぼすので、漏入した空気を機外に排出しなければならない。このために、この種のターボ冷凍機は通常抽気回収装置を備えている。
図12は、従来のこの種の抽気回収装置を有するターボ冷凍機の概略構成を示す図である。図示するように、抽気回収装置は、パージコンデンサ1、パージポンプ6、差圧検出器4、電磁弁5等を具備する。パージコンデンサ1は、コンデンサ室1aとフロート弁室1bの上下2室に分かれており、コンデンサ室1aはコンデンサとして作用し、冷凍機の凝縮器11との間を、オリフィス9を備えた連絡配管7によって連通している。
パージコンデンサ1のコンデンサ室1aには、冷却コイル2が配置されており、該冷却コイル2には、冷凍機の凝縮器11から取り込まれ、冷凍機の蒸発器12内の冷媒で過冷却された液冷媒が、冷媒ポンプ13により冷媒フィルタ14を通して蒸発器12まで流れ、常にパージコンデンサ1内を冷却している。なお、前記液冷媒の冷却コイル2への流入部にはオリフィス15が設けられているため、冷却コイル内の温度は、蒸発器12内とほぼ同程度の温度まで冷却される。このため、パージコンデンサ1内は、蒸発器12内と凝縮器11内とのほぼ中間程度の温度まで冷却されるため、その圧力は冷凍機の凝縮器11の圧力よりも低く、その差圧によって、凝縮器11内の不凝縮ガスを含む冷媒ガスは連絡配管7及びオリフィス9を通ってパージコンデンサ1内に流入する。そこで、冷媒ガスは冷却液化し、冷媒液は下のフロート弁室1bに流れる。なお、前記冷却のための液冷媒の取り込み口は、凝縮器に限らずエコノマイザ16の底部であっても構わない。エコノマイザとは気液分離器のことであり、複数段の膨張過程を有する冷凍サイクルの冷凍機において具備する、凝縮器で凝縮した冷媒液が膨張弁やオリフィス等を経て蒸発器に至るまでの膨張過程の途中において気液分離を行なうための中間冷却器である。従って、前記冷却のための液冷媒の取り込み口は、単段の冷凍サイクルの冷凍機においてはエコノマイザは具備しないため凝縮器11から、複数段の膨張過程を有する冷凍サイクルの冷凍機においては凝縮器11またはエコノマイザ16のいずれからであってもよい。
該フロート弁室1bに一定量以上の冷媒液が溜まると、フロート弁3が開いて冷媒液は蒸発器12に戻る。このとき、不凝縮ガスはそのままパージコンデンサ1内に残るため、次第に蓄積されパージコンデンサ1内の圧力が上昇する。
パージコンデンサ1内の圧力が上昇し、冷凍機の凝縮器11内の圧力との差圧が所定の値まで低下すると、パージコンデンサ1と冷凍機の凝縮器11との圧力差を検知する差圧検出器4の出力により、制御部10は電磁弁5を開くと同時にパージポンプ6を起動し、パージコンデンサ1内の不凝縮ガスを大気中に排出する。パージコンデンサ1内の不凝縮ガスが排出され、該パージコンデンサ1内の圧力が下がり、冷凍機の凝縮器11内の圧力との差圧が増大すると、差圧検出器4の出力により制御部10は電磁弁5を閉じ、パージポンプ6を停止して不凝縮ガスの排出は終了する。
上記構成の抽気回収装置においては、パージコンデンサ1のコンデンサ室1aを冷却する冷却コイル2内部を流れる冷媒温度が、冷凍機の冷凍サイクル、即ち冷凍機の蒸発器12内での蒸発温度によって制限され、十分な低温度まで冷却できなかった。そのため、冷媒ガスの凝縮液化が不十分で、その結果、パージコンデンサ1内に溜まった不凝縮ガス中には多くの冷媒ガスが残留しており、即ち冷媒ガスの分圧が高いため、不凝縮ガスを大気中に排出する際に、多くの冷媒ガスも同時に大気中に排出されていた。
このような冷媒の大気中への排出は、単に経済的な問題に留まらず地球環境の問題でもあるため、従来から冷媒の大気中への排出量を抑制するための提案がなされてきた。
例えば、特開2000−292033号公報では、抽気回収装置の不凝縮ガス排出口に冷媒吸着フィルタを設置し、大気中に不凝縮ガスを排出するときに該冷媒吸着フィルタを通して行うことにより、冷媒ガスの大気中への排出量を抑制すること、並びに該冷媒吸着フィルタを再生処理することにより冷媒を回収でき、かつ該冷媒吸着フィルタが再利用できることを開示している。そして、例えば定期的に前記冷媒吸着フィルタの交換を行うことを例示している。
しかしながら、前記交換した冷媒吸着フィルタからどのようにして冷媒を回収するのかや、冷媒フィルタの再生処理の手法などが、具体的には記載されておらず、該発明の実施が困難であった。
また、例えば、特開2006−038347号公報には、冷凍機の冷媒サイクルに支配されず、即ち冷凍機の蒸発器での蒸発温度条件に関係せず、且つその温度よりも低い温度までペルチェ素子を用いて冷却できるパージコンデンサを、上記冷却コイル2により冷却されるパージコンデンサ1に追加して設け、不凝縮ガス中に含まれる冷媒ガスの分圧を下げ、これにより冷媒ガスの大気中への排出量を削減できることが開示されている。また、抽気回収装置の一部として冷媒吸着材を内蔵する吸着タンクを設け、不凝縮ガスの大気中への排出時に該吸着タンクを通過させることで、大気中に排出される冷媒量を減少できることを開示している。さらに、冷媒吸着材の再生即ち該吸着材からの冷媒の脱着を、前記ペルチェ素子をヒートポンプとして利用して、該吸着材を加熱して行う技術を開示している。
この特開2006−038347号による発明では、事実上、吸着材からの冷媒の脱着をペルチェ素子による加熱に拠ることとしている。しかしながら、吸着材から実際的な再生効果が現れる程度まで冷媒を脱着するためには、吸着材をある一定の温度以上に昇温する必要があるが、ペルチェ素子を用いて必要な温度レベルまで昇温することはきわめて困難であるので、本発明の実用化が難しかった。
なお、上記した「脱着」とは「吸着」の逆の意味であり、冷媒吸着材に吸着された冷媒が、該冷媒吸着材から離脱するという意味であって、本発明では以降においてもこの意味で用いる。
また、例えば、特開2008−014598号公報には、抽気回収装置の不凝縮ガス排出口に油のタンクを設置して、油に冷媒ガスを吸収させる技術が開示されている。しかし、平衡条件で油に溶け込む冷媒量が決まり、油に溶け込まずに通過する冷媒があるため、本発明により期待される効果が不十分であった。
特開2000−292033号公報 特開2006−038347号公報 特開2008−014598号公報
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、抽気回収装置から大気中に排出される不凝縮ガスに同伴して大気中に漏れ出る冷媒量を冷媒吸着材を用いて極限まで減少できると共に、前記冷媒吸着材は好適に再生されて反復使用でき、かつ冷媒吸着材を再生すると共に冷媒を回収して冷凍機に戻すことができる抽気回収装置とその運転方法及びそれを備えたターボ冷凍機を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明では、蒸発器、凝縮器、圧縮機及びこれを駆動する原動機を備え、蒸発器での圧力が大気圧以下になる冷媒を作動媒体として運転するターボ冷凍機に配設された抽気回収装置であって、該抽気回収装置は、内部に熱交換器を有するパージコンデンサを有し、該パージコンデンサは、前記ターボ冷凍機の凝縮器又はエコノマイザに連絡配管を介して接続し、前記凝縮器から冷媒ガスを含む不凝縮ガスを抽気して前記パージコンデンサ内に導入すると共に、前記熱交換器に前記ターボ冷凍機の凝縮器又はエコノマイザから蒸発器に向かって流れる液冷媒を導き、前記パージコンデンサ内を冷却して前記冷媒ガスを凝縮液化して前記ターボ冷凍機に回収し、該パージコンデンサ内に残留して蓄積された不凝縮ガスを抽気回収装置の外部に排出するように構成したターボ冷凍機の抽気回収装置において、該抽気回収装置は、さらに、前記凝縮器とパージコンデンサとの圧力を検出する差圧検出器と、冷媒吸着材及び該冷媒吸着材加熱用ヒータを有する吸着タンクとを備え、該吸着タンクと前記パージコンデンサとは、該パージコンデンサの不凝縮ガスを吸着タンクに移送する開閉弁及びオリフィスを有する接続配管(A)と、前記吸着タンクからの冷媒ガス及び同伴される不凝縮ガスをパージコンデンサへ向けて移送するパージポンプ及び開閉弁を有する接続配管(C)とで接続されると共に、前記吸着タンクは、外部排出口と開閉弁を有する接続配管(B)で接続され、前記各開閉弁及び前記冷媒吸着材加熱用ヒータを制御する制御部を有し、該制御部は、吸着時には、前記差圧検出器の差圧の値が一定値以上になった場合、前記接続配管(A)の開閉弁を閉じてパージコンデンサ内に蓄積された不凝縮ガスの排出を完了し、脱着時には、前記吸着材加熱用ヒ
ータを用いて前記冷媒吸着材を加熱して冷媒をガスとして脱着し、該冷媒ガスを前記接続配管(C)の開閉弁を開きパージポンプを運転して該接続配管(C)を経由して吸着タンクからパージコンデンサへ移送する構成としたことを特徴とする抽気回収装置としたものである。
前記抽気回収装置(I)の運転方法において、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧を検出する差圧検出器の差圧の値が一定値以下になった場合、前記パージコンデンサ内に残留し蓄積された冷媒ガスを含む不凝縮ガスを、前記接続配管(A)の開閉弁を開いて該接続配管(A)を経由して前記吸着タンクに導き、前記冷媒吸着材に冷媒ガスを吸着させると共に、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧の値が、前記一定値を超える値にまで回復しない場合は、前記不凝縮ガスを前記吸着タンクから前記接続配管(B)の開閉弁を開いて該接続配管(B)を経由して外部に排出した後、前記吸着材加熱用ヒータを用いて前記冷媒吸着材を加熱して冷媒をガスとして脱着し、該冷媒ガスを前記接続配管(C)の開閉弁を開きパージポンプを運転して該接続配管(C)を経由して吸着タンクからパージコンデンサへ移送することとしたものである。
また、本発明では、前記吸着タンクは、さらに、冷媒ガスを該吸着タンクから前記ターボ冷凍機の低圧部へ向けて移送する開閉弁を有する接続配管(D)を有することとしたものである。
前記抽気回収装置の運転方法において、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧を検出する差圧検出器の差圧の値が一定値以下になった場合、前記パージコンデンサ内に残留し蓄積された冷媒ガスを含む不凝縮ガスを、前記接続配管(A)の開閉弁を開いて該接続配管(A)を経由して前記吸着タンクに導き、前記冷媒吸着材に冷媒ガスを吸着させると共に、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧の値が、前記一定値を超える値にまで回復しない場合は、前記不凝縮ガスを前記吸着タンクから前記接続配管(B)の開閉弁を開いて該接続配管(B)を経由して外部に排出した後、前記吸着材加熱用ヒータを用いて前記冷媒吸着材を加熱して冷媒をガスとして脱着し、該冷媒ガスを前記接続配管(C)の開閉弁を開きパージポンプを運転して該接続配管(C)を経由して吸着タンクからパージコンデンサへ移送すると共に、該冷媒ガスを前記接続配管(D)の開閉弁を開き、該接続配管(D)を経由して吸着タンクからターボ冷凍機の低圧部へ移送することとしたものである。
前記抽気回収装置において、前記接続配管(A)には、さらに、パージポンプを備えることができ、この場合の運転は、差圧検出器で凝縮器とパージコンデンサとの差圧の値が一定値以下になった場合、前記パージコンデンサ内に残留し蓄積された冷媒ガスを含む不凝縮ガスを、前記接続配管(A)の開閉弁を開きパージポンプを運転して該接続配管(A)を経由して前記吸着タンクに圧送させることができる。また、接続配管(B)にも、さらにパージポンプを備えることができ、この場合の運転は、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧を検出する差圧検出器の値が一定値以下になった場合、前記パージコンデンサ内に残留し蓄積された冷媒ガスを含む不凝縮ガスを、前記接続配管(A)の開閉弁を開いて該接続配管(A)を経由して前記吸着タンクに導き、前記冷媒吸着材に冷媒ガスを吸着させると共に、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧の値が前記一定値を超える値にまで回復しない場合は、前記不凝縮ガスを前記吸着タンクから前記接続配管(B)の開閉弁を開いて、該接続配管(B)を経由して前記パージポンプを運転して外部に排出することができる。
また、吸着タンクには、冷媒吸着材の温度を制御する温度制御器、冷媒吸着材を加熱及び冷却する時間を短縮できるダクト、冷媒吸着材を冷却する冷却用ファン、内部に拡大伝熱面としてのフィンを有するヒートシンクを備えることができ、冷媒吸着材としては、揮発性溶剤ガス回収用の活性炭を用いることができる。
さらに、本発明では、前記した抽気回収装置のいずれかの抽気回収装置を搭載したターボ冷凍機としたものである。
本発明のようにターボ冷凍機の抽気回収装置を構成すれば、大気中に排出する不凝縮ガスに含有される冷媒ガスの割合を最小限に抑えることができ、冷媒の排出量を極めて小さい値にまで減少させることができるから、冷媒の損耗が微少のため経済的で、環境負荷が改善されたターボ冷凍機を提供できる。さらに、冷媒吸着材が反復して使用できるから、抽気回収装置の保全作業や維持管理費用などを低減することができる。
本発明では、前記のように抽気回収装置を構成しており、冷媒ガスを含む不凝縮ガスを前記抽気回収装置の外部に、例えば、大気中に排出する前に、前記ガスの全量が冷媒吸着材を通過することになるので、冷媒の大部分は前記吸着材に吸着される結果、抽気回収装置から外部に排出される不凝縮ガスの中に残留する冷媒ガスは極めてわずかな量となり、冷媒の大気中への排出が効果的に抑制できる結果、冷媒の損失がほとんど無く、経済的で且つ環境に対しても好ましい運転ができるターボ冷凍機を提供できる。
また、前記パージコンデンサ内に残留し蓄積された冷媒ガスを含む不凝縮ガスを、接続配管(A)の開閉弁を所定の時間だけ開いて吸着タンクに移送するが、その時点でパージコンデンサ内に存在する冷媒ガス量は有限量であるから、吸着タンクの冷媒吸着材には有限量の冷媒を吸着させることになる。そして、通常では、吸着タンクに移送された不凝縮ガスの分圧にほぼ相当する値だけパージコンデンサの圧力が下がるから、冷凍機の凝縮器とパージコンデンサとの圧力差は再び一定値を超える値にまで上昇する。
しかし、このように冷媒ガスを含む不凝縮ガスをパージコンデンサから吸着タンクに移送する動作を複数回繰り返すと、やがて吸着タンク中の不凝縮ガスの分圧が次第に高くなり、吸着タンク内とパージコンデンサ内の圧力差がなくなるため、不凝縮ガスをパージコンデンサから吸着タンクに移送することができなくなり、吸着材により冷媒ガスを吸着しても、冷凍機の凝縮器とパージコンデンサの圧力差が前記一定値以下に留まるような状態が出現する。このような場合に至った時に、前記吸着タンクから接続配管(B)の開閉弁を開いて溜まっていた不凝縮ガスを外部に排出する。従来の抽気回収装置においては、冷凍機の凝縮器とパージコンデンサとの差圧が一定値以下になる度に外部に不凝縮ガスを排出していたが、本発明の通り抽気回収装置を構成して上記のように操作すれば、パージコンデンサからの不凝縮ガス排出の複数回の操作に対して、1回だけ吸着タンクから不凝縮ガスを外部に排出すれば良く、不凝縮ガスに同伴して冷媒ガスが外部に排出される頻度を大きく減少できるので、このことにより不凝縮ガスと共に排出される冷媒ガス量を好適に抑制できる。
しかも、従来の抽気回収装置には無かった冷媒吸着タンクを装備しているから、外部へ排出するガス自体に含まれる冷媒の割合も極めて小さい値となる。即ち、不凝縮ガスの外部排出頻度を低減すると共に、不凝縮ガスに同伴して外部に排出される冷媒の割合も減少するから、それらの相乗効果により冷媒の外部への排出量を画期的に低減することができる。なお、前記接続配管(A)に設けられた開閉弁は冷媒ガスが吸着タンクに流入することを抑制し、前記接続配管(B)からの不凝縮ガスの1回の排出操作において、排出される不凝縮ガス量を増加させることができると共に、吸着材に無駄に吸着される冷媒量を低減することができる。即ち、接続配管(A)が仮に常時連通していた場合には、パージコンデンサ内の不凝縮ガスを含む冷媒ガスがそのまま吸着タンクへ移送されるから、言わば不凝縮ガスの割合が極めて小さく殆どが冷媒であるガスが吸着タンクに移送されることになり、不凝縮ガスが余り蓄積しないうちに、吸着材はその限界まで冷媒を吸着してしまうような傾向になるから、本発明による抽気回収装置が所望の効果を発揮することができない。
これに対して、接続配管(A)の開閉弁を通常閉にしておき、凝縮器とパージコンデンサとの差圧検出器を用いて、パージコンデンサ内に不凝縮ガスが十分多量に蓄積した後に、接続配管(A)の開閉弁を開くことにより、吸着タンクへ移送するガス中の不凝縮ガスの割合を高くできるから、同伴する冷媒ガスを最小限に抑えることができ、冷媒ガスを吸着タンクに無駄に移送することを抑制できる。その結果、冷媒吸着材は必要最小限の冷媒を吸着すれば良く、吸着タンク内の冷媒ガス分圧を低く抑えることができ、吸着タンクから不凝縮ガスを外部へ排出する頻度を抑制できるから、冷媒ガスの外部への漏れ量を低減できると共に、後述する吸着材の再生頻度を抑制できるから再生に要するエネルギーを削減できる。
さらに、上記のように冷媒ガスを含む不凝縮ガスを外部に排出する操作を複数回繰り返している間に、吸着タンク内の冷媒吸着材においては冷媒吸着量が徐々に上昇し、やがてその吸着能力の限度に到達する。このようになると、接続配管(A)の開閉弁を開いてパージコンデンサから吸着タンクに冷媒を含む不凝縮ガスを移送しても、冷媒が殆ど吸着されないので、前記吸着タンクから接続配管(B)の開閉弁を開いて溜まっていた不凝縮ガスを外部に排出する際に、冷媒吸着材に吸着されなかった冷媒も同伴されてそのまま外部へ排出されてしまう。このような場合には、冷媒吸着材を交換するか、もしくは冷媒吸着材から冷媒を脱着して冷媒吸着能力の回復を図らなければならない。しかし、冷媒吸着材を交換する場合には、交換の手間が掛かり、また冷媒を吸着した冷媒吸着材の処理費用も掛かるため経済的でなく、また使い捨てにすることは環境上も好ましくない。このため、冷媒吸着材は繰り返し再生利用することがより好ましく、さらには脱着した冷媒も冷凍機内に回収して再利用することがより好ましい。
吸着タンク内の冷媒吸着材の吸着能力再生のために、前記吸着材加熱用ヒータにより吸着材を加熱すると共に、前記接続配管(C)の開閉弁を開きパージポンプを運転して、冷媒吸着材を高温且つ低圧の環境に置くことにより吸着材から好適に冷媒がガスとして脱着される。前記脱着されて発生したガス冷媒は、パージポンプにより接続配管(C)を経由してパージコンデンサに圧送される。パージコンデンサにおいて、ガス冷媒は例えば冷却コイルなどの熱交換器により冷却されて液化し、ターボ冷凍機に回収される。このような脱着操作を適切な時間続行することにより、吸着材から冷媒が必要十分に脱着でき、冷媒吸着材は再び冷媒吸着力を回復できる。なお、このとき吸着タンク内に残留している少量の不凝縮ガスは、脱着した冷媒ガスに同伴されてパージコンデンサに圧送されるが、パージコンデンサ内で再び回収されるため、冷凍機内に再び戻ることはなく、最終的には外部へ排出される。
また、上記のように抽気回収装置を構成すれば、吸着タンク内に吸着されている冷媒を再使用することが可能となる。さらに、冷媒吸着材が反復して使用できるから、抽気回収装置の保全作業や維持管理費用などを低減することができる。
なお、上記した冷媒吸着材からの冷媒脱着操作は、冷媒ガスを含む不凝縮ガスを接続配管(B)から外部に排出するたびに行っても良いし、不凝縮ガスを接続配管(B)から外部に排出する操作を複数回行うごとに1回行うようにしても良い。どちらが好ましいかは、例えばパージコンデンサ内に存在する冷媒ガスの質量と、冷媒吸着材の最大吸着冷媒質量との関係など設計条件にもよるから一概には言えない。しかし、本発明の主旨である、環境への影響度をより低減させるためには、例えば一つの指標として、冷媒脱着操作に要する投入エネルギーに相当するCO排出量と、脱着して回収する冷媒量にGWP(地球温暖化係数)を掛けて求まるCO相当量とを比較して、よりCO削減効果が得られるように設計することが好ましい。
また、本発明では、前記吸着材加熱用ヒータを用いて前記冷媒吸着材を加熱して冷媒をガスとして脱着した際に、該冷媒ガスを前記接続配管(D)の開閉弁を開き該接続配管(D)を経由して吸着タンクからターボ冷凍機の低圧部へ移送するように構成することもできる。
即ち、吸着タンク内の冷媒吸着材の吸着能力再生のために、前記吸着材加熱用ヒータにより吸着材を加熱すると共に前記接続配管(D)の開閉弁を開き、ターボ冷凍機の低圧部(例えば、蒸発器もしくは圧縮機の吸い込み管等)に連通させることにより、冷媒吸着材を高温且つ低圧の環境に置くことができ、吸着材から好適に冷媒がガスとして脱着される。前記脱着されて発生したガス冷媒は、接続配管(D)を経由してターボ冷凍機に回収される。このような脱着操作を適切な時間続行することにより、吸着材から冷媒が必要十分に脱着でき、冷媒吸着材は再び冷媒吸着力を回復できる。なお、このとき吸着タンク内に残留している少量の不凝縮ガスは、脱着した冷媒ガスに同伴されてターボ冷凍機内に再び戻されるが、前記のようにパージコンデンサ内で再び回収されて、最終的には外部へ排出される。
上記のように抽気回収装置を構成すれば、前記吸着材加熱用ヒータを用いて前記冷媒吸着材を加熱して冷媒をガスとして脱着し、ターボ冷凍機に回収する際に、パージポンプを運転する必要がないため、消費エネルギーを削減することができる。
パージコンデンサの温度及び圧力は、接続されるターボ冷凍機の運転状態によって常に変動し、例えば蒸発器及び凝縮器の温度が低い運転を行うような場合には、パージコンデンサの圧力及び吸着タンクの圧力は大気圧以下となりうる。そこで、前記のように抽気回収装置の接続配管(A)にパージポンプを備え、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧の値が一定値以下になった場合、前記パージコンデンサ内に残留し蓄積された冷媒ガスを含む不凝縮ガスを、前記接続配管(A)の開閉弁を開き、パージポンプを運転して該接続配管(A)を経由して前記吸着タンクに圧送させるように構成すれば、前記のようにパージコンデンサの圧力が大気圧以下であっても、パージコンデンサ内に蓄積された冷媒ガスを含む不凝縮ガスを、パージポンプを用いることで吸着タンクに移送することができ、冷凍機の運転状態に関係なく大気中に不凝縮ガスを排出することができる。
なお、前記接続配管(A)に設けられたパージポンプと、接続配管(C)に設けられたパージポンプとは同一のものであっても良い。即ち、前記接続配管(A)と接続配管(C)とは、その一部を共用するものであっても良い。
パージコンデンサの温度及び圧力は、接続されるターボ冷凍機の運転状態によって常に変動し、例えば蒸発器及び凝縮器の温度が低い運転を行うような場合には、パージコンデンサの圧力及び吸着タンクの圧力は大気圧以下となりうる。そこで、上記のように抽気回収装置の接続配管(B)にパージポンプを備え、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧の値が一定値以下になった場合、前記パージコンデンサ内に残留し蓄積された冷媒ガスを含む不凝縮ガスを、前記接続配管(A)の開閉弁を開いて該接続配管(A)を経由して前記吸着タンクに導き、前記冷媒吸着材に冷媒ガスを吸着させると共にその際、前記凝縮器と前記パージコンデンサとの差圧の値が前記一定値を超える値にまで回復しない場合において、前記不凝縮ガスを前記吸着タンクから、前記接続配管(B)の開閉弁を開いて該接続配管(B)を経由して外部に排出する際に、前記パージポンプを運転するように構成すれば、前記のように吸着タンクの圧力が大気圧以下であっても、吸着タンク内に蓄積された冷媒ガスを含む不凝縮ガスを、パージポンプを用いることで外部に排出することができ、冷凍機の運転状態に関係なく大気中に不凝縮ガスを排出することができる。
さらに、吸着タンク内に残留している不凝縮ガスをパージポンプを用いて機外へ排出することもできることから、このような操作を冷媒吸着材からの冷媒脱着操作に先立って行えば、前記冷媒吸着材を加熱し、脱着させることにより発生した冷媒ガスを回収する際に、吸着タンク内に残留している不凝縮ガスが再循環することを防げるため、前記脱着した冷媒ガスを一旦パージコンデンサに移送することなく、直接ターボ冷凍機に回収する場合にも影響を与えることがない。
なお、前記接続配管(B)に設けられたパージポンプと、接続配管(C)に設けられたパージポンプとは同一のものであっても良い。即ち、前記接続配管(B)と接続配管(C)とはその一部を共用するものであっても良い。因みに後述する「実施の形態」においては、これらを一部について共用する態様に関して説明している。
冷媒吸着材は、図11に示すように冷媒吸着材と冷媒の種類、及び温度により冷媒を吸着できる容量に限界があるので、その吸着材を再使用するためには冷媒を脱着する必要がある。冷媒吸着材から冷媒を脱着する際には、該吸着材を加熱することにより、吸着時の温度より相当程度高い温度まで高めることで、効果的且つ十分な脱着ができる。即ち、吸着時の温度における吸着限界量と脱着時の温度における吸着限界量との差が、実用上有効となる吸着容量とみなすことができる。ところで、加熱した結果吸着材が到達する温度が低すぎると、冷媒の十分な脱着ができない。他方、到達温度が過度に高い場合には、吸着材及び冷媒が変質したり加熱に要するエネルギーが過大になるなどの不具合が出る。そこで、前記のようにサーモスタットなどの温度制御器を備えることにより、冷媒吸着材を加熱したときにその到達温度を所望の温度範囲内に維持するように制御すれば、効果的且つ十分な脱着が実現でき、同一の冷媒吸着材を繰り返し使用することが可能になる。
なお、冷媒の吸着時には発熱を伴うため、一時的に冷媒吸着材の温度が上昇するが、通常のターボ冷凍機の抽気頻度においては実用上無視できる程度である。もしも一度に大量の冷媒ガスを吸着させる必要がある場合には、例えば、特開2006−038347号公報に示されるように、吸着時に吸着タンクと冷媒吸着材とをペルチェ素子などの冷却手段を用いて冷却することで、冷媒吸着材の温度上昇を抑制することが可能であるが、常時又は吸着動作の都度吸着タンクを冷却することはエネルギー消費の増大を招くので好ましくなく、温度上昇が吸着作用を阻害しない程度に収まる範囲で、吸着タンク及び冷媒吸着材の容量を設計することが好ましい。
冷媒吸着材に吸着された冷媒を脱着して回収する際には、吸着タンクの表面温度は高温となり、人が触れると火傷を負う危険があるため、容易に人が触れることのないように配慮する必要がある。しかし、仮に吸着タンクの周囲に保温材を設置した場合には、保温材の熱容量が加わる分だけ、脱着時の温度に到達するまでに要する投入エネルギー量が増大する。一方、加熱され冷媒を脱着された冷媒吸着材は、常温に戻ることで再び冷媒吸着力を回復する。ところで、通常の態様では、冷媒吸着材は吸着タンク等の容器の中に収納されており、ターボ冷凍機の抽気回収装置の周囲温度は室温であるから、室温の環境に対して放熱して吸着材の温度を下げることになる。しかし、例えば自然放熱では、冷却のために長時間を要することになる。加えて保温材を設置した場合には、さらに冷却が困難となる。
そこで、本発明のように吸着タンクの周囲にダクトを設けることで、吸着タンクが加熱された際に人等が吸着タンクに直接触れて火傷を負うなどの危険が低減されると同時に、吸着タンク表面からの輻射熱をダクトで一旦受け止めるので、近傍に設置された他の機器類や人等に対しても熱の影響を最小限に留めることができ、なおかつ外部への放熱量が減少するので加熱に要する投入エネルギー及び/又は加熱に要する時間を削減することができる。また、冷却時には、自然対流による空気流をダクト内に生じさせて空冷することにより、冷媒吸着材の冷却が可能となる。なお、冷却効率の更なる改善を図るため、例えば吸着タンクの周囲に放熱用のフィンを設けても良い。
加熱され冷媒を脱着された冷媒吸着材は、常温に戻ることで再び冷媒吸着力を回復する。ところで、通常の態様では、冷媒吸着材は吸着タンク等の容器の中に収納されており、ターボ冷凍機の抽気回収装置の周囲温度は室温であるから、室温の環境に対して放熱して吸着材の温度を下げることになる。しかし、例えば自然放熱では冷却のために長時間を要することになる。そこで、本発明のように冷却用ファンをさらに備え、空気流を生じさせて強制空冷することにより、実用的な時間内での冷媒吸着材の冷却が可能となる。なお、冷却効率の更なる改善を図るため、例えば吸着タンクの周囲に放熱用のフィンを設けたり、吸着タンクの周囲をダクトなどで囲って自然対流及び/又は強制空気流が効果的に吸着タンクの近傍を流れるようにしても良い。
冷媒吸着材は一般的に熱伝導率が低く、加熱再生時に速やかにかつ均一に温度を上昇させることが難しい。そこで、前記吸着タンクの内部に、拡大伝熱面としてのフィンを有するヒートシンクを設けることにより、該冷媒吸着材の単位体積あたりの伝熱面積を広げ、かつ伝熱距離を縮小することが可能となる。また、該ヒートシンクは、アルミ製さらにはアルミ鋳物製とすることが好ましく、これによりフィン効率の向上、軽量化及び効果的なフィン形状及び配置の実現が容易となる。
さらに、該ヒートシンクをアルミ鋳物製とする場合には吸着タンクと一体化して製作することも可能となり、製造コストの低減が可能となる。
吸着作用は、被吸着ガスと吸着材との相互の分子間力によって、吸着材表面の微細な穴に被吸着ガスの分子が引き止められる現象である。このため、被吸着ガスの分子の極性と吸着材の分子の極性との適合性及び、被吸着ガスの分子の大きさと吸着材表面の微細な穴の大きさとの適合性が、吸着能力及び脱着能力に影響を及ぼす。また、ターボ冷凍機のように、密閉サイクルで運転を行いながら被吸着ガスを回収し、吸着材共々再使用するためには、前記冷媒脱着時の吸着材到達温度範囲において、再び相互の分子間力を断ち切って脱着作用を起こし得るものでなければならないばかりでなく、被吸着ガスと吸着材とが化学反応を起こしたり変質したりしてはならない。
このため、冷媒吸着材の選定に際しては、冷媒ガスとの適合性を十分に検証する必要がある。本発明では、前記冷媒吸着材は、冷媒ガスとの適合性を十分に検証した上で、揮発性溶剤ガス回収用の活性炭を用いることにより、所望の効果を実現することができることを確認した。
本発明の抽気回収装置を搭載したターボ冷凍機を使用すれば、冷媒の損耗が微少であり、環境負荷が改善された冷房装置や冷凍装置等を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、一実施例を示す図面に基づいて説明する。図1は、本発明にかかる抽気回収装置を有するターボ冷凍機の概略構成を示す図であり、抽気回収装置の詳細については図2による。図2は、本発明にかかる抽気回収装置の一実施例を示す図である。図1及び図2に記載の記号イ、ロ、ハ、ニ、ホは、同一の記号が付されている部分が相互に接続される部分であることを示している。なお、本発明を説明する各図において、バルブ記号を塗りつぶして示したものは当該バルブの閉状態を示し、バルブ記号が白抜きのままのものは開状態を示す。
ターボ冷凍機と抽気回収装置との相互連絡部分から説明する。これらの部分については、図12の従来例と同等であるので簡略に説明する。
図2において、抽気回収装置50のパージコンデンサ1は、ターボ冷凍機の冷媒サイクルを構成する冷媒の一部を用いて冷却される。即ちターボ冷凍機の凝縮器11又は図示しないエコノマイザから液冷媒の一部を配管を用いて取り出し、この配管を蒸発器12の内部に引き回して、前記液冷媒を過冷却した後に、冷媒ポンプ13により冷媒フィルタ14を経由して、パージコンデンサ1内に設置された熱交換器である冷却コイル2に向けて圧送される(ロの経路である)。熱交換器である冷却コイル2のパージコンデンサ1入口部には、オリフィス15が配置されており、冷却コイル2の下流側は冷凍機の蒸発器に接続されているので、パージコンデンサ1内部は、ほぼ冷凍機の蒸発器と等しい程度の低温にまで液冷媒の気化潜熱によって冷却される。パージコンデンサを冷却したのち、前記冷媒は蒸発器12に戻る(ニの経路である)。前記パージコンデンサ冷却用冷媒は、冷凍機運転中常時流れているので、これによりパージコンデンサ1の圧力は凝縮器11の圧力よりも低く保たれる。
凝縮器11とパージコンデンサ1との前記圧力差によって、凝縮器11から不凝縮ガスを含む冷媒ガスが、連絡配管7を通りオリフィス9を経由してパージコンデンサ1内に流入する(イの経路である)。コンデンサ室1aで、冷媒ガスは凝縮液化したのち、フロート弁室1bに流れる。該フロート弁室1bに、一定量以上の液冷媒が溜まるとフロート弁3が開いて、冷媒は冷凍機(蒸発器12)に戻る(ホの経路である)。一方、不凝縮ガスは、パージコンデンサ室1内に滞留し、次第に蓄積していく。
なお、凝縮器11の圧力とパージコンデンサ1の圧力との圧力差を検出するための導圧配管が凝縮器11から取り出されて差圧検出器4に接続されている(ハの経路である)。
以上に記述した内容は従来例と同等である。
次に、本発明について抽気回収装置の運転状況ごとに、構成と作用・効果等に関し順次説明する。
本発明の抽気回収装置の自動運転に関し、図3を用いて説明する。図3において、動作に関連する部分の流路は太い実線で表示し、以降の他の図面においても同様にする。ターボ冷凍機運転時において、通常はこの自動運転にしておくことが好ましい。上述した通りターボ冷凍機運転中には、凝縮器11から連絡配管7とオリフィス9を経由して不凝縮ガスを含む冷媒ガスがパージコンデンサ1に流入し、その内の冷媒ガスは、コンデンサ室1aにおいて冷却コイル2により冷却・液化され、フロート弁室1bを経由して蒸発器12に戻る。一方、不凝縮ガスは、コンデンサ室1a内に次第に蓄積し、パージコンデンサの内圧が徐々に上昇する。
不凝縮ガスの大気中への排出運転に関し、図4を用いて説明する。パージコンデンサ1のコンデンサ室1aに不凝縮ガスが蓄積された結果、冷凍機の凝縮器11とパージコンデンサ1との圧力差が、所定の値以下になると差圧検出器4が作動し、制御部10へ信号が伝送される。その後、制御部10は電磁弁51を開く。これにより、パージコンデンサ1内部に蓄積された不凝縮ガスは、冷媒ガスと共に接続配管54とその途中に配置されたオリフィス57、電磁弁51を経由して、吸着タンク63に導入される。吸着タンク63の内部には、冷媒吸着材60が充填されており、冷媒ガスはその大部分がこの吸着材60に吸着される。冷媒吸着材60としては、例えばゼオライトや活性炭を用いることができるが、活性炭がより好ましく、さらには溶剤回収用活性炭がより好ましい。
吸着タンク63内に導入された冷媒ガスは、冷媒吸着材60に吸着されるため、パージコンデンサ1内の圧力よりも常に吸着タンク63内の圧力は低く、また吸着タンク63内の圧力は、吸着作用が進むにつれ時間経過と共に低下し、吸着タンク内に蓄積された不凝縮ガスの分圧に近づく。従って、吸着タンク63内の圧力変化により吸着作用の完了を検知することができるが、吸着開始から吸着完了までの吸着時間は、通常例えば50秒ないし70秒あれば十分である事がわかったため、吸着作用の完了を予め設定した吸着時間によって代用することもでき、例えばタイマなどにより、吸着時間の完了を検出することができる。なお、前記吸着時間は、例えばパージコンデンサの容積と吸着タンク内の吸着材の量との関係などにより変化しうる。
また、オリフィス57の径は、前記吸着時間以内にパージコンデンサ1から吸着タンク63へのガスの移動を完了できる範囲でできるだけ小さいほうが好ましい。こうして冷媒ガスを含む不凝縮ガスが、パージコンデンサ1から吸着タンク63へ移動すると、パージコンデンサ1の内圧が低下するから、冷凍機の凝縮器11との間の圧力差が再び所定の値を超えて増大するので、前記差圧検出器4が切れる。これにより電磁弁51が閉じられ、パージコンデンサ1内に蓄積された不凝縮ガスの排出が完了する。ところで、上記吸着時間が経過してもなお前記差圧検出器4が切れない場合、即ち冷凍機の凝縮器11とパージコンデンサ1との圧力差が前記所定の値以下を維持したままである場合には、吸着タンク63内に相当量の不凝縮ガスが蓄積されたことを意味するため、パージポンプ6を起動すると共に電磁弁52を開く。このようにして、冷媒ガスが吸着材に吸着された結果、殆ど不凝縮ガスだけがパージポンプ6により吸引・吐出されて電磁弁52を経由して大気中に排出される。
以上に説明したように、凝縮器11とパージコンデンサ1との差圧が所定の値以下になった時に、パージコンデンサ1から吸着タンク63へ冷媒ガスを含む不凝縮ガスを移送する。移送後には、上記差圧は再び所定の値を超え、電磁弁51は閉じられるので、パージコンデンサ1には再び不凝縮ガスの蓄積が始まる。このように、凝縮器11とパージコンデンサ1との差圧を検出することにより、パージコンデンサ1から吸着タンク63への冷媒ガスを含む不凝縮ガスの移送を繰り返す。そして、これを複数回繰り返すと、やがて吸着タンク63内の不凝縮ガス量が増大するので、前記の予め設定した吸着時間以内に前記差圧の値が所定値を超える値にまで回復しなくなる。このときは、相当量の不凝縮ガスが吸着タンク63内に蓄積されたことになるから、パージポンプ6を運転して電磁弁52を開いて不凝縮ガスを外部に排出するわけである。
このように抽気回収装置を構成すれば、パージコンデンサ1から吸着タンク63に向けての不凝縮ガスの複数回の排出に対して、吸着タンクから1回だけ外部に対して不凝縮ガスを排出すれば良いことになる。従って、従来の抽気回収装置に比べると、冷媒ガスを含む不凝縮ガスを外部に排出する動作頻度を低減することができると共に、吸着タンク63中に冷媒吸着材60を備えることにより、排出ガス中に含まれる冷媒ガスの割合を低減することができるから、これらの相乗効果により、冷媒ガスの外部への排出量を画期的に低減することができるのである。因みに、次に説明する冷媒脱着とも関係するが、吸着タンク63内の冷媒吸着材60が有する冷媒の吸着容量、即ち吸着可能冷媒質量は、パージコンデンサ1から1回あたりに排出される冷媒質量に対して必要十分に大きくすることが望ましい。
その理由は、例えば冷媒吸着材60の吸着容量が小さすぎる場合、吸着タンク63で吸着される冷媒が、すぐに飽和(即ち吸着限界量)に達してしまい、吸着タンク63内の不凝縮ガス蓄積量が少ない場合であっても、前記の予め設定した吸着時間以内に、凝縮器11とパージコンデンサ1との圧力差が所定の値を超えるまでに回復せず、あたかも相当量の不凝縮ガスが吸着タンク63内に蓄積したのと同様な現象が出現してしまう。換言すれば、吸着タンク63を設置した効果が十分に発揮できないからである。
なお、パージコンデンサから電磁弁51の開動作1回あたりに、吸着タンク63に向かって不凝縮ガスと共に排出される冷媒ガス質量と、吸着タンク63の冷媒吸着容量とが適切な関係にある場合、例えば冷媒吸着材60の実質的に可能な最大冷媒吸着質量が、パージコンデンサから電磁弁51の開動作1回あたりに不凝縮ガスと共に排出される冷媒ガス質量の数倍以上あるような場合は、冷媒吸着材60が冷媒で飽和する前に不凝縮ガスが吸着タンク63内に十分な量蓄積され、外部への不凝縮ガス排出工程が好適に行われる。このような不凝縮ガス排出工程が複数回行われるうちに、やがて冷媒吸着材60が吸着冷媒で飽和してくるので、冷媒脱着工程を行う必要が出てくる。
なお、パージコンデンサ1及び吸着タンク63内の圧力が大気圧以上の場合には、パージポンプ6の運転はしなくても、不凝縮ガスを吸着タンク63と大気圧との圧力差により、大気中に排出することができる。換言すれば、上記圧力が常に大気圧以上であるならば、吸着タンク63から不凝縮ガスを外部へ排出するためのパージポンプは不要である。
冷媒吸着材60からの冷媒脱着動作について、図5を用いて説明する。冷媒吸着材60は、吸着した冷媒を脱着することにより冷媒吸着能力が回復するので、冷媒吸着材60を再使用するためには、冷媒脱着工程(冷媒吸着材再生工程)を欠くことはできない。この脱着工程においては、制御部10はヒータ58とパージポンプ6に運転指令を発すると共に、電磁弁53の開信号を発する。これにより冷媒吸着材60は、脱着に適切な温度レベルまでヒータ58により昇温されると共に、パージポンプ6によって脱着された冷媒ガスを吸引され、低圧条件下に曝されるので、温度的にも圧力的にも冷媒が脱着され易くなり、冷媒吸着材60からの冷媒の脱着は促進し、換言すれば冷媒吸着材の再生が進行する。冷媒吸着材60からの冷媒の脱着には、このように温度と圧力との両条件を適切に設定するのが好ましい。
冷媒吸着材60として活性炭を用いた場合には、その脱着時の冷媒吸着材60の温度を、例えば100〜150℃程度に制御するのが好ましく、120〜130℃程度に制御するのがより好ましい。また、冷媒吸着材60の温度を検知又は制御できるサーモスタット59を設ければ、冷媒吸着材60の温度レベルを容易に所望の温度レベルに到達又は維持することができるので好ましい。また、サーモスタットの代わりに、熱電対、測温抵抗体やサーミスタ等の温度検出器と温度コントローラ等の制御器との組み合わせで温度制御を行うことでももちろん構わない。なお、冷媒吸着材60の昇温温度レベルと、最終的な脱着レベルの間には相関関係があり、昇温温度が高いほど脱着レベルも高くなる。即ち、冷媒吸着材60に吸着されたまま残留する冷媒の割合が少なくなるが、他の設計的要因も考慮して、脱着時の冷媒吸着材60の温度は適宜決めることができる。また、上記「最終的な脱着レベル」とは、脱着により発生した冷媒ガスを、パージポンプ6等で吸引しつつ、冷媒吸着材60をある一定の温度環境下においた場合、時間の経過と共に冷媒吸着材60に残留する冷媒量は減少していくが、やがて平衡状態に至ると、時間が経過しても吸着材60中の冷媒量は変化しなくなり、ある一定量の冷媒は残留するが、そのときの冷媒残留量レベルの意味である。
また、前記の冷媒脱着時において、冷媒吸着材60の周囲環境圧力を、パージポンプ6により真空引きして低圧とするが、例えば絶対圧力で10〜60kPa程度にするのが好ましい。なお、ヒータ58による冷媒吸着材60の加熱開始と同時に、パージポンプ6を起動するのか又は時間差をつけるのかや、連続運転にするのか間歇運転にするのか、などの具体的な運転態様は適宜決めることができる。また、図8及び図9に示すように、ターボ冷凍機の蒸発器などの低圧部に、吸着タンク63からの脱着冷媒を通過させる配管を接続することで、パージポンプを用いずとも冷媒の回収が可能である。
なお、前記の冷媒吸着材60からの冷媒の脱着の説明では、図5において電磁弁51を閉にした態様について説明したが、接続配管54にはオリフィス57が設置されているから、パージコンデンサ1から吸着タンク63への接続配管54を経由するガスの流れは絞られて、パージポンプ6の吐出流量に比べてわずかであるので、電磁弁51を開状態にして上記冷媒脱着操作をしても良い。このように、冷媒ガスの一部が循環しても、回収できる冷媒量には顕著な影響は与えない。
ところで、冷媒吸着材60から脱着されパージポンプ6により吸引・吐出された冷媒ガスは、接続配管54及び電磁弁53を経由してパージコンデンサ1に導入される。前述のように、パージコンデンサ1のコンデンサ室1aは、冷却コイル2により冷却されているので、冷媒ガスは凝縮・液化し、フロート弁室1bを経由して冷凍機の蒸発器12に戻る。このようにして、従来の抽気回収装置では大気中に排出されていた冷媒を、本発明によれば好適に回収することができる。また、吸着タンク内に不凝縮ガスがたとえ残留していたとしても、その不凝縮ガスは、パージコンデンサ1内に逆送されてそこに蓄積され、冷媒ガスのみが凝縮液化するので、不凝縮ガスを冷凍機内に再循環させることなく冷媒ガスのみの回収が可能となる。なお、このとき冷凍機停止時に、パージコンデンサ内に残留している不凝縮ガスが冷凍機内に逆流することを防ぐために、逆止弁64を設けても良い。
一方、冷媒脱着動作の前に、電磁弁52を開にしてパージポンプ6を運転し、吸着タンク内に残留している不凝縮ガスを機外へ排出すれば、不凝縮ガスをパージコンデンサ1に逆送することがなくなるから、より好ましい
なお、初期状態において、既にある程度の水分を含む冷媒吸着材を用いる際には、使用前に吸着材を十分に(冷媒脱着再生温度以上、活性炭の場合にあっては130℃ないし150℃が望ましい)加熱して真空引きし乾燥させておくと良い。
冷媒吸着材60の冷却操作について、図6を用いて説明する。吸着した冷媒の脱着のため、冷媒吸着材60は前記のようにヒータ58により昇温されるが、再び冷媒吸着能力を取り戻すためには、冷媒吸着材60の温度をターボ冷凍機の周囲環境温度程度にまで冷やす必要がある。このため、次の操作が必要になる。本冷却工程においては、制御部10はファン62に対して起動指令を出す。冷媒吸着材60は吸着タンク63の内部に収納されているので、ファン62により吸着タンク63の近傍に強制空気流を生じさせ、冷媒吸着材60の温度を速やかに低下させるようにする。前記強制空気流が、冷却に効果的に吸着タンク63表面近傍を流れるようにするため、例えばダクト61を吸着タンク63の周囲に設けるのが好ましい。ファン62の運転は例えば吸着タンク63表面温度を冷媒吸着材60の温度の代わりに温度検出器などで検出したり、冷媒吸着材60の中に温度検出器を直接埋め込んでその温度を検出し、所定の温度以下になるまで継続した後停止するようにしても良いし、予め冷却に必要な時間を計測しておき、タイマー等を用いて当該時間だけ運転を継続した後停止するようにしても良い。
抽気回収装置の手動運転について、図7を用いて説明する。手動運転についても、前述した自動運転と同様ターボ冷凍機の運転中に行うことができる。また、例えば冷媒ポンプの吸い込み部に液冷媒が滞留して冷凍機の停止中でも、冷媒ポンプの運転が可能な構造とすることにより、冷凍機の停止中でも冷媒ポンプを運転して液冷媒を冷却コイル内に循環するなどして、パージコンデンサを冷却する手段があれば、ターボ冷凍機の運転中に限らず停止中でも行うことができる。なお、このときのパージコンデンサの温度は、前述した自動運転時の温度よりも高くてもよく、後述するリリーフ弁の動作圧力に相当する冷媒の飽和温度よりも低ければよい。手動運転は、例えば不凝縮ガスが大量にターボ冷凍機内部に混入している時などに行われる。
手動運転においては、ターボ冷凍機の凝縮器11とパージコンデンサ1とを結ぶ連絡配管7については、オリフィス9に連通するバルブを閉止し、パージポンプ6の吸込口につながるバルブを開とする。そして、接続配管54のうちパージコンデンサ1と吸着タンク63との間、及び吸着タンク63とパージポンプ6との間のバルブを閉止する。パージポンプ6の吐出口からパージコンデンサ1に至る接続配管54においては、手動バルブを開とする。また電磁弁51、52、53は全て閉止としておく。リリーフ弁55、56以外のバルブ類の開閉を、前記のように設定してからパージポンプ6を運転する。このとき、パージポンプ6の吸込側にかかる連絡配管7と吐出側にかかる接続配管54に存在するバルブは、手動弁であり電磁弁に比べてCV値を大きくして、凝縮器11から相対的に多量のガスを抽気し易くするのが良い。そのためこれらの手動弁は、一般にはCV値が大きいボール弁とすることが好ましい。
パージポンプにより圧送された不凝縮ガスを含む冷媒ガスは、パージコンデンサ1に流入する。パージコンデンサ1のコンデンサ室1aは、前述の通り冷却コイル2により冷却されているので、冷媒ガスは凝縮・液化してフロート弁室1aを経由して冷凍機(蒸発器12)に戻る。不凝縮ガスについても上述と同様に、徐々に蓄積するのでパージコンデンサ1の内部圧力は上昇する。パージコンデンサ1の内圧が、一定の値まで上昇するとリリーフ弁55が開き、不凝縮ガスは、冷媒ガスを同伴してリリーフ弁55を経由して、接続配管54を通り吸着タンク63に入る。その後リリーフ弁55は、パージコンデンサ1の内圧が低下するので再び閉止する。吸着タンク63内に入ったガスのうち、冷媒ガスは冷媒吸着材60に吸着され、不凝縮ガスだけがガスの状態で残留する。よって大略、冷媒ガスの分圧に相当する圧力だけ、吸着タンク63の内圧はパージタンク1の内圧よりも低い。従って、例えばリリーフ弁55と56の噴出し圧力を同一に設定しておけば、リリーフ弁55が開いても直ちにリリーフ弁56が開くことはない。しかし、リリーフ弁55が何回か開いて、不凝縮ガス及び冷媒ガスを吸着タンク63に圧送すると、吸着タンク63内部で不凝縮ガスの圧力が徐々に上昇していくから、やがてはリリーフ弁56が開いて不凝縮ガスを大気中に排出する。このようにして、手動運転においても大気中に排出されるガスのうちの冷媒ガスの占める割合を最小限に抑制することができる。
その他の実施例としては、図8及び図9に示すような構成でもよい。このように構成することにより、吸着タンクのない既存のシステムにも、吸着タンク、ダクト、ファン、電磁弁その他必要な部品を増設して、容易に本発明の抽気回収装置に改造することが可能である。
図8は、使用する冷媒の種類及び運転温度条件により、パージコンデンサの圧力が大気圧以上となる場合の実施例を示し、パージポンプなしの構成である。
図9は、使用する冷媒の種類及び運転温度条件により、パージコンデンサの圧力が大気圧以下となる場合の実施例を示し、パージポンプを備える構成である。抽気回収装置をこのように構成しておけば、パージコンデンサ1の圧力が大気圧以下の場合であっても、パージポンプ6により吸着タンク63の圧力を大気圧以上に高めることができるから、凝縮器11とパージコンデンサ1との圧力差が所定の値以下になった場合に、パージポンプ6によりパージコンデンサ1よりも圧力の高い吸着タンク63に、冷媒ガスを含む不凝縮ガスを圧送することができる。また、吸着タンク63から大気中へ例えばリリーフ弁56から不凝縮ガスを排出することができる。
図10は、内部に拡大伝熱面としてのフィンを有するヒートシンクを一体に設けた吸着タンクの断面形状の実施例を示す。
以上に説明した通り、本発明によるターボ冷凍機用抽気回収装置50によれば、抽気回収装置から大気中に排出される不凝縮ガスに同伴して大気中に漏れ出る冷媒量を冷媒吸着材60を用いて極限まで減少することができる。また、前記冷媒吸着材60は好適に再生されて反復使用でき、かつ前記冷媒吸着材60を再生する際に、冷媒を回収して冷凍機に戻すことが可能な抽気回収装置を提供することができる。
本発明にかかる抽気回収装置を有するターボ冷凍機の概略構成を示す図である。 本発明にかかる抽気回収装置の一例を示す図である。 本発明にかかる抽気回収装置の自動運転状況を説明する図である。 本発明にかかる抽気回収装置の不凝縮ガス排出状況を説明する図である。 本発明にかかる抽気回収装置の冷媒脱着状況を説明する図である。 本発明にかかる抽気回収装置の冷媒吸着材冷却状況を説明する図である。 本発明にかかる抽気回収装置の手動運転状況を説明する図である。 本発明にかかる抽気回収装置の一例を示す図である。 本発明にかかる抽気回収装置の一例を示す図である。 本発明にかかる抽気回収装置の吸着タンク断面形状の一例を示す図である。 (a)及び(b)は本発明にかかる抽気回収装置の冷媒吸着特性を説明する図である。 従来のこの種の抽気回収装置を有するターボ冷凍機の概略構成を示す図である。
1:パージコンデンサ、1a:コンデンサ室(パージコンデンサの)、1b:フロート弁室(パージコンデンサの)、2:冷却コイル、3:フロート弁、4:差圧検出器、5:電磁弁、6:パージポンプ、7:連絡配管、8:圧縮機、9:オリフィス、10:制御部、11:凝縮器、12:蒸発器、13:冷媒ポンプ、14:冷媒フィルタ、15:オリフィス、16:エコノマイザ、50:抽気回収装置、51〜53:電磁弁、54:接続配管、55、56:リリーフ弁、57:オリフィス、58:ヒータ、59:サーモスタット、60:冷媒吸着材、61:ダクト、62:ファン、63:吸着タンク、64:逆止弁、65:外部排出口

Claims (14)

  1. 蒸発器、凝縮器、圧縮機及びこれを駆動する原動機を備え、蒸発器での圧力が大気圧以下になる冷媒を作動媒体として運転するターボ冷凍機に配設された抽気回収装置であって、該抽気回収装置は、内部に熱交換器を有するパージコンデンサを有し、該パージコンデンサは、前記ターボ冷凍機の凝縮器又はエコノマイザに連絡配管を介して接続し、前記凝縮器から冷媒ガスを含む不凝縮ガスを抽気して前記パージコンデンサ内に導入すると共に、前記熱交換器に前記ターボ冷凍機の凝縮器又はエコノマイザから蒸発器に向かって流れる液冷媒を導き、前記パージコンデンサ内を冷却して前記冷媒ガスを凝縮液化して前記ターボ冷凍機に回収し、該パージコンデンサ内に残留して蓄積された不凝縮ガスを抽気回収装置の外部に排出するように構成したターボ冷凍機の抽気回収装置において、該抽気回収装置は、さらに、前記凝縮器とパージコンデンサとの圧力を検出する差圧検出器と、冷媒吸着材及び該冷媒吸着材加熱用ヒータを有する吸着タンクとを備え、該吸着タンクと前記パージコンデンサとは、該パージコンデンサの不凝縮ガスを吸着タンクに移送する開閉弁及びオリフィスを有する接続配管(A)と、前記吸着タンクからの冷媒ガス及び同伴される不凝縮ガスをパージコンデンサへ向けて移送するパージポンプ及び開閉弁を有する接続配管(C)とで接続されると共に、前記吸着タンクは、外部排出口と開閉弁を有する接続配管(B)で接続され、前記各開閉弁及び前記冷媒吸着材加熱用ヒータを制御する制御部を有し、該制御部は、吸着時には、前記差圧検出器の差圧の値が一定値以上になった場合、前記接続配管(A)の開閉弁を閉じてパージコンデンサ内に蓄積された不凝縮ガスの排出を完了し、脱着時には、前記吸着材加熱用ヒータを用いて前記冷媒吸着材を加熱して冷媒をガスとして脱着し、該冷媒ガスを前記接続配管(C)の開閉弁を開きパージポンプを運転して該接続配管(C)を経由して吸着タンクからパージコンデンサへ移送する構成としたことを特徴とする抽気回収装置。
  2. 請求項1に記載の抽気回収装置の運転方法において、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧を検出する差圧検出器の差圧の値が一定値以下になった場合、前記パージコンデンサ内に残留し蓄積された冷媒ガスを含む不凝縮ガスを、前記接続配管(A)の開閉弁を開いて該接続配管(A)を経由して前記吸着タンクに導き、前記冷媒吸着材に冷媒ガスを吸着させると共に、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧の値が、前記一定値を超える値にまで回復しない場合は、前記不凝縮ガスを前記吸着タンクから前記接続配管(B)の開閉弁を開いて該接続配管(B)を経由して外部に排出した後、前記吸着材加熱用ヒータを用いて前記冷媒吸着材を加熱して冷媒をガスとして脱着し、該冷媒ガスを前記接続配管(
    C)の開閉弁を開きパージポンプを運転して該接続配管(C)を経由して吸着タンクからパージコンデンサへ移送することを特徴とする抽気回収装置の運転方法。
  3. 前記吸着タンクは、さらに、冷媒ガスを該吸着タンクから前記ターボ冷凍機の低圧部へ向けて移送する開閉弁を有する接続配管(D)を有することを特徴とする請求項1に記載の抽気回収装置。
  4. 請求項3に記載の抽気回収装置の運転方法において、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧を検出する差圧検出器の差圧の値が一定値以下になった場合、前記パージコンデンサ内に残留し蓄積された冷媒ガスを含む不凝縮ガスを、前記接続配管(A)の開閉弁を開いて該接続配管(A)を経由して前記吸着タンクに導き、前記冷媒吸着材に冷媒ガスを吸着させると共に、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧の値が、前記一定値を超える値にまで回復しない場合は、前記不凝縮ガスを前記吸着タンクから前記接続配管(B)の開閉弁を開いて該接続配管(B)を経由して外部に排出した後、前記吸着材加熱用ヒータを用いて前記冷媒吸着材を加熱して冷媒をガスとして脱着し、該冷媒ガスを前記接続配管(
    C)の開閉弁を開きパージポンプを運転して該接続配管(C)を経由して吸着タンクから接続配管(D)を経由して吸着タンクからターボ冷凍機の低圧部へ移送することを特徴とする抽気回収装置の運転方法。
  5. 前記接続配管(A)には、さらにパージポンプを備えたことを特徴とする請求項1又は3記載の抽気回収装置。
  6. 請求項5に記載の抽気回収装置の運転方法において、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧を検出する差圧検出器の差圧の値が一定値以下になった場合、前記パージコンデンサ内に残留し蓄積された冷媒ガスを含む不凝縮ガスを、前記接続配管(A)の開閉弁を開きパージポンプを運転して、該接続配管(A)を経由して前記吸着タンクに圧送させることを特徴とする抽気回収装置の運転方法。
  7. 前記接続配管(B)には、さらにパージポンプを備えたことを特徴とする請求項1又は3記載の抽気回収装置。
  8. 請求項7に記載の抽気回収装置の運転方法において、前記凝縮器とパージコンデンサとの差圧を検出する差圧検出器の値が一定値以下になった場合、前記パージコンデンサ内に残留し蓄積された冷媒ガスを含む不凝縮ガスを、前記接続配管(A)の開閉弁を開いて該接続配管(A)を経由して前記吸着タンクに導き、前記冷媒吸着材に冷媒ガスを吸着させると共に、前記凝縮器と前記パージコンデンサとの差圧の値が前記一定値を超える値にまで回復しない場合は、前記不凝縮ガスを前記吸着タンクから前記接続配管(B)の開閉弁を開いて、該接続配管(B)を経由して前記パージポンプを運転して外部に排出することを特徴とする抽気回収装置の運転方法。
  9. 前記吸着タンクには、冷媒吸着材の温度を制御する温度制御器を備えたことを特徴とする請求項1、3、5又は7に記載の抽気回収装置。
  10. 前記吸着タンクには、冷媒吸着材を加熱及び冷却する時間を短縮できるダクトをさらに備えたことを特徴とする請求項1、3、5、7又は9に記載の抽気回収装置。
  11. 前記吸着タンクには、冷媒吸着材を冷却する冷却用ファンをさらに備えたことを特徴とする請求項1、3、5、7、9又は10に記載の抽気回収装置。
  12. 前記吸着タンクは、内部に拡大伝熱面としてのフィンを有するヒートシンクを備えることを特徴とする請求項1、3、5、7、9、10又は11に記載の抽気回収装置。
  13. 前記冷媒吸着材は、揮発性溶剤ガス回収用の活性炭であることを特徴とする請求項1、3、5、7、9、10、11又は12に記載の抽気回収装置。
  14. 請求項1、3、5、7、9、10、11、12又は13に記載の抽気回収装置のいずれかの抽気回収装置を搭載したことを特徴とするターボ冷凍機。
JP2009227165A 2009-09-30 2009-09-30 抽気回収装置とその運転方法及びそれを備えたターボ冷凍機 Active JP5606714B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009227165A JP5606714B2 (ja) 2009-09-30 2009-09-30 抽気回収装置とその運転方法及びそれを備えたターボ冷凍機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009227165A JP5606714B2 (ja) 2009-09-30 2009-09-30 抽気回収装置とその運転方法及びそれを備えたターボ冷凍機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011075208A JP2011075208A (ja) 2011-04-14
JP5606714B2 true JP5606714B2 (ja) 2014-10-15

Family

ID=44019379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009227165A Active JP5606714B2 (ja) 2009-09-30 2009-09-30 抽気回収装置とその運転方法及びそれを備えたターボ冷凍機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5606714B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6607558B2 (ja) * 2015-08-31 2019-11-20 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 冷凍機およびその制御方法
RU2729305C1 (ru) * 2020-02-19 2020-08-05 Анастасия Олеговна Точеная Воздухоотделитель для холодильной системы
EP3904788A1 (en) * 2020-04-30 2021-11-03 Trane International Inc. Hvacr purge system with adsorbent refrigerant separation
CN115419825B (zh) * 2022-08-29 2024-05-14 欧中电子材料(重庆)有限公司 气瓶综合处理***及其处理方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4984431A (en) * 1990-06-20 1991-01-15 Carrier Corporation High efficiency purge system
JPH04327769A (ja) * 1991-04-30 1992-11-17 Daikin Ind Ltd 抽気装置
JP3419629B2 (ja) * 1996-07-30 2003-06-23 仁吉 合澤 熱交換装置の冷媒回収装置
JP2000292033A (ja) * 1999-04-01 2000-10-20 Ebara Corp 冷凍機の抽気回収装置
JP2006038347A (ja) * 2004-07-27 2006-02-09 Ebara Refrigeration Equipment & Systems Co Ltd 冷凍機
JP2008128535A (ja) * 2006-11-20 2008-06-05 Ebara Refrigeration Equipment & Systems Co Ltd 圧縮式冷凍機の抽気装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011075208A (ja) 2011-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11635239B2 (en) Refrigeration system with purge and acid filter
TWI310785B (ja)
US11835276B2 (en) Purge system for chiller system
JP6343156B2 (ja) 圧縮式冷凍機
TWI493106B (zh) Cryogenic pump system, compressor and cryogenic pump regeneration method
US20050115253A1 (en) Method for extracting carbon dioxide for use as a refrigerant in a vapor compression system
JP2008128535A (ja) 圧縮式冷凍機の抽気装置
JP5606714B2 (ja) 抽気回収装置とその運転方法及びそれを備えたターボ冷凍機
JP2008093571A (ja) ガス状炭化水素の処理・回収装置及びその方法
JP3606854B2 (ja) 高湿度燃料ガスの圧縮供給装置
JP5606732B2 (ja) 冷媒回収装置
JP2008215799A5 (ja)
JP2008215799A (ja) 吸着冷凍システムの作動方法
JP5247046B2 (ja) ガソリンベーパ凝縮容器
CN204115322U (zh) 热氟融霜装置
JP2008014598A (ja) 圧縮式冷凍機の抽気装置
JP5796878B2 (ja) 冷媒吸着材充填容器、それを備えたターボ冷凍機用抽気回収装置とターボ冷凍機及び冷媒回収装置
JP2006038347A (ja) 冷凍機
JP2007263461A (ja) 吸収冷凍機
JP2008128613A (ja) 希釈冷凍機
JPH04263760A (ja) ヒートポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130708

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130905

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140317

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140616

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140827

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5606714

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250