JP2008093571A - ガス状炭化水素の処理・回収装置及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガソリン給油時に漏れ出すガソリン蒸気を処理するための装置において、ガソリン給油装置1の給油部近傍で発生したガソリン蒸気を吸い込んで供給するガソリン蒸気供給手段2と、ガソリン蒸気を液化する凝縮装置3と、後段のガス下流側に設けられ、該凝縮装置で液化されたガソリン液とガソリン蒸気を分離する気液分離器9と、後段のガス下流側に設けられ、ガソリン蒸気の吸脱着装置7、8とを備える。
【選択図】図1
Description
この場合、吸着塔は、上記の吸着工程と後記の脱着工程とを交互に切り換えながら運転するが、この切り換え時間(Swing Time)を5分程度としている。
脱着後のガソリン蒸気含有パージ排ガスは、送気管を介してガソリン回収器に送気し、分配管を通して液体ガソリンと接触させ、液体(ガソリン吸収液)としてパージ排ガス中のガソリン蒸気を回収する。
このように構成することにより、ガソリン蒸気はほぼ全量液体ガソリンとして回収でき、吸着塔から排出するガソリン蒸気の濃度は十分低くなり、大気汚染を引き起こさないレベルにすることができるとしている(例えば、特許文献1参照)。
また、大量の排気ガスを全量吸着処理するためには、吸着塔を大きくするか、吸着と脱着の切り換え時間(Swing Time)を短くすることが必要であるが、大きな吸着塔を使用する場合には、設置面積の問題や、吸着剤のコストの問題などが残されている。また、切り換え時間を短くすると吸着したガソリン蒸気を十分に脱着できなかったり、バルブなどの寿命が短くなるなどの問題があった。
また、ガソリン蒸気の発生は、主に給油時に起こるため、給油装置がガソリン蒸気の発生源となっている。従来の装置では、回収したガソリン蒸気にガソリン液を使用していたため、回収した液体ガソリンと回収に使用した液体ガソリンを分離することはできず、回収したガソリン蒸気のみを給油装置に戻すことができないという問題があった。
また、ガソリン蒸気を液化する凝縮装置と、その凝縮装置にガソリン蒸気を供給するガソリン蒸気供給手段を接続する配管を断熱することにより、配管でガソリン蒸気が液化することがなくなり、凝縮装置で効率的にガソリン蒸気を液化できるようになり、高効率なガソリン蒸気回収装置を実現することができる。また、ガソリン蒸気供給手段などに液化ガソリンが流れ込んで、ガソリン蒸気供給ポンプが故障することを防止でき、安全なガソリン蒸気回収装置を実現することができる。更に、配管内でガソリンが液化することを防止できるため、ガソリン蒸気が配管を流れる省エネルギーのガソリン蒸気回収装置を実現することができる。
また、液化したガソリンの液面の位置を制御することにより、ガソリン蒸気含有空気にガソリン液滴が混入することを防止できるため、ガソリン液滴の再蒸発によりガソリン蒸気の吸着塔への混入を防止でき、吸着塔の容量を小さくすることができ、ガソリン蒸気回収装置のコンパクト化が実現できる。また、液化したガソリンの温度を制御することにより、分離後のガソリン蒸気含有空気に再蒸発したガソリン蒸気が混入することを防止でき、吸着塔の容量を小さくすることができ、ガソリン蒸気回収装置のコンパクト化が実現できる。
さらに、液化回収したガソリン液を給油装置に戻す際に、給油装置から気液分離器へのガソリン蒸気の流入を防いだため、吸着塔の容量を小さくすることができ、ガソリン蒸気回収装置のコンパクト化が実現できる。
図1はこの発明の実施の形態1に係るガス状炭化水素の処理・回収装置のフローを示す全体構成図である。
図1において、1は給油装置、2は給油装置1の給油部近傍で発生したガソリン蒸気を吸入するためのガソリン蒸気吸入ポンプで、これがガソリン蒸気供給手段である。3はガソリン蒸気を液化する凝縮装置、4は凝縮装置3を冷却する温度媒体(ブライン液など)を蓄える温度媒体槽、5は温度媒体槽4内の温度媒体を冷却する熱交換器、6は熱交換器5に冷媒を供給する冷凍機、7および8は凝縮装置1から排出されたガソリン蒸気含有空気中のガソリン蒸気を吸着除去する吸着剤(シリカゲルやゼオライトなど)を充填した吸脱着塔であり、図1では7が吸着塔として稼動し、8が脱着塔として稼動した例を示している。また、9は凝縮装置3で液化されたガソリン液とガソリン蒸気を分離する気液分離器、10は熱交換器5で冷却された温度媒体を吸脱着塔7、8に供給する液体循環ポンプ、11は吸脱着塔7、8内の吸着剤に吸着したガソリン蒸気を吸引脱着する吸引ポンプ、12は気液分離したガソリン液を一時的に蓄えるガソリン槽で、ガス状物質の気液分離器9への流入を防止する。13は吸着塔7内の圧力を調整する圧力コントローラ、14は気液分離器9と吸脱着塔7、8とを接続するガソリン蒸気送気管、15は吸脱着塔7、8の頂部に設けられた大気へのガソリン蒸気排出管、16はパージガスとして吸着塔7又は8から大気に排出する清浄なガスの一部を脱着塔8又は7に送って使用するためのパージガス流入管、17は吸引ポンプ11と吸脱着塔7、8とを接続する脱着後のパージガス排出管、18はガソリン蒸気供給手段であるガソリン蒸気吸入ポンプ2と凝縮装置3とを接続し、加圧圧縮により高温化したガソリン蒸気の温度を断熱して維持するガソリン蒸気断熱配管で、例えば、配管周囲を断熱材等で囲んだものである。19は凝縮装置3と気液分離器9と接続する気液混合ガソリン流出管である。
このようにすることにより、吸脱着塔7、8の容量を小さくして、装置全体をコンパクト化したり、また吸脱着塔7、8の切り換え時間を長くし、バルブの寿命を長くするなど装置寿命を長くしたりできる効果がある。
このようにすることにより、吸脱着塔7、8の容量を小さくして、装置全体をコンパクト化したり、また吸脱着塔7、8の切り換え時間を長くし、バルブの寿命を長くするなど装置寿命を長くしたりできる効果がある。
以上のことから、凝縮装置3および吸脱着塔7、8の冷却系統は設定温度に維持されるように、かつ、凝縮装置3および吸脱着塔7、8の圧力系統は設定圧力に維持されるように、常に運転制御することにより、効率的なガソリン回収を行うことができる。
なお、脱着試験を行った結果、パージガス流量を15〜25L/minとした場合、吸着塔内の圧力を15〜30kPa とすることができ、ガソリン蒸気を効率的に脱着できることがわかった。
図2はこの発明の実施の形態2に係るガス状炭化水素の処理・回収装置のフローを示す全体構成図である。
本実施の形態の実施の形態1との違いは、給油装置1の給油部近傍のガソリン蒸気を吸い込むガソリン蒸気供給手段であるガソリン蒸気吸入ポンプ2の設置位置を凝縮装置3の最上部よりも上にした点である。すなわち、ガソリン蒸気吸入ポンプ2の吐出口を凝縮装置3の入口よりも上部に備えている点である。これにより、ガソリン蒸気吸入ポンプ2によって加圧圧縮されたガソリン蒸気が液化してもガソリン蒸気吸入ポンプ2に逆流することはなくなるため、ガソリン蒸気断熱配管18は断熱をする必要が無くなる。しかし、重量物であるガソリン蒸気吸入ポンプ2を凝縮装置3の上部に備えると、回収装置の重心が高くなり、回収装置の設置時の安定性がなくなる。このような場合は、回収装置の筺体を強固にすることで回収装置の安定性が確保できるようになる。
図3はこの発明の実施の形態3に係るガス状炭化水素の処理・回収装置のフローを示す全体構成図である。
上記実施の形態1では、ガソリン蒸気供給手段であるガソリン蒸気吸入ポンプ2から凝縮装置3にガソリン蒸気を供給する配管に、断熱されているガソリン蒸気断熱配管18を用いたが、本実施の形態においては、ヒータなどの加熱手段が備えられたガソリン蒸気加熱配管21を用いることにより、ガソリン蒸気吸入ポンプ2から凝縮装置3にガソリン蒸気を供給する配管におけるガソリン蒸気の液化率をより低減したものである。ガソリン蒸気の温度を加圧圧縮によって上昇した温度よりも20〜30℃高めることにより、ガソリン蒸気を飽和領域から外すことができ、配管内で凝縮することを防止できる。
なお、過度に加温すると、ガソリン蒸気が燃焼する可能性もあるため、温度管理を精度よく行うといった過度に加温されない加熱手段を使用するなどの工夫が必要な場合もある。
図4はこの発明の実施の形態4に係るガス状炭化水素の処理・回収装置のフローを示す全体構成図である。
本実施の形態は、ガソリン蒸気供給手段であるガソリン蒸気吸入ポンプ2から凝縮装置3にガソリン蒸気を供給する配管の加熱手段として、冷凍機6のホットガスを用いる方式のガソリン蒸気加熱ホットガス配管31としたものであるが、このようにしても、加熱効率は落ちるものの、新たなエネルギーを使用する必要がなく、消費エネルギーという点では有利な場合もある。特に冷凍機6の稼動時間が長い場合は、加熱エネルギーとして有効である。
図5はこの発明の実施の形態5に係るガス状炭化水素の処理・回収装置のフローを示す全体構成図である。
上記実施の形態1では、凝縮装置3と気液分離器9を温度媒体槽4に入れ、断熱された、または断熱されていないガソリン蒸気送気管14を介して吸脱着塔7、8にガソリン蒸気を供給するようにしたが、本実施の形態においては、ガソリン蒸気送気管14を第二温度媒体槽41に入れることにより、気液分離器9から流れ込んできたガソリン液滴がガソリン蒸気送気管14で再蒸発することを防ぎ、吸脱着塔7、8に供給されるガソリン蒸気量をできるだけ少なくするようにしたものである。
なお、図5では、気液分離器9とガソリン蒸気送気管14を第二温度媒体槽41に入れた例を示しているが、凝縮装置3と気液分離器9とガソリン蒸気送気管14を一つの温度媒体槽に入れても良いし、凝縮装置3と気液分離器9とガソリン蒸気送気管14をそれぞれ別個の温度媒体槽にいれてもよい。この場合、液体循環ポンプ10で温度媒体がむらなく流れるようにし、凝縮装置3、気液分離器9、ガソリン蒸気送気管14、および吸脱着塔7、8がほぼ同じ温度に冷却されるようにするなどの工夫が必要な場合もある。
図6はこの発明の実施の形態6に係るガス状炭化水素の処理・回収装置のフローを示す全体構成図である。
本実施の形態は、気液分離器9内部にフィルタなどで構成されたミストセパレータ51を配設し、気液分離器9内で生成するガソリン液滴の捕捉を確実にすることにより気液分離器9から吸脱着装置へのガソリン液滴の放出を低下するようにしたものである。
なお、ミストセパレータ51は交換が必要なため、気液分離器9を温度媒体槽4から簡単に取り出せるような構造にしておく工夫が必要である。
図7はこの発明の実施の形態7に係るガス状炭化水素の処理・回収装置のフローを示す全体構成図である。
本実施の形態と実施の形態1との違いは、気液分離器9内の液体ガソリンの液面位置をセンシングする液面センサ61を用いて液面位置をモニタリングし、液面センサ61からの信号を受けて、液面コントローラ62でバルブB2の開閉を行うようにした点である。これにより、気液分離されたガソリン液が気液分離器9内に溜められているガソリン液に流入することによって生成するガソリン液滴がガソリン蒸気に混入することを確実に防止でき、吸脱着塔7、8の容量を小さくして、装置全体をコンパクト化したり、また吸脱着塔7、8の切り換え時間を長くし、バルブの寿命を長くするなど装置寿命を長くしたりできる効果がある。
Claims (10)
- ガソリン給油時に漏れ出すガソリン蒸気を処理するためのガス状炭化水素の処理・回収装置において、
ガソリン給油装置の給油部近傍で発生したガソリン蒸気を吸い込んで供給するガソリン蒸気供給手段と、ガソリン蒸気を液化する凝縮装置と、後段のガス下流側に設けられ、該凝縮装置で液化されたガソリン液とガソリン蒸気を分離する気液分離器と、後段のガス下流側に設けられ、ガソリン蒸気の吸脱着装置とを備えたことを特徴とするガス状炭化水素の処理・回収装置。 - 冷凍機または冷却装置によって温度制御された温度媒体を用いて、凝縮装置、気液分離器および吸脱着装置の温度をほぼ同等の温度に制御することを特徴とする請求項1記載のガス状炭化水素の処理・回収装置。
- ガソリン蒸気供給手段の設置位置を、凝縮装置の入口より上部に備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガス状炭化水素の処理・回収装置。
- 凝縮装置と、前記凝縮装置にガソリン蒸気を吸入するガソリン蒸気吸入手段とを接続し、加圧圧縮により高温化したガソリン蒸気の温度を断熱して維持するガソリン蒸気断熱配管を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のガス状炭化水素の処理・回収装置。
- 凝縮装置と、前記凝縮装置にガソリン蒸気を吸入するガソリン蒸気吸入手段とを接続し、加圧圧縮により高温化したガソリン蒸気の温度を加熱手段により加熱するガソリン蒸気加熱配管を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のガス状炭化水素の処理・回収装置。
- 気液分離器で分離したガソリン液を前記気液分離器から排出する配管中に、ガス状物質の気液分離器への流入を防止するガソリン槽を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガス状炭化水素の処理・回収装置。
- 気液分離器内で生成するガソリン液滴が吸脱着装置に流入することを防止するミストセパレータを気液分離器内に備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガス状炭化水素の処理・回収装置。
- ガソリン蒸気を加圧冷却して回収するガス状炭化水素の処理・回収方法において、ガソリン蒸気供給手段によって取り込んだガソリン蒸気を加圧圧縮する工程、加圧したガソリン蒸気を断熱または加熱により温度低下を防ぐ工程、高温のガソリン蒸気を凝縮装置で冷却液化する工程、液化したガソリンとガソリン蒸気を分離する工程の順で処理することを特徴とするガス状炭化水素の処理・回収方法。
- ガソリン蒸気を加圧冷却して回収するガス状炭化水素の処理・回収方法において、気液分離器内のガス圧力を維持すると共に、分離したガソリン液の温度を冷却により保持しながら貯留し、その後ガソリン液の貯留量に応じて気液分離器内のガス圧力を利用して気液分離器からガソリン液を排出するようにしたことを特徴とするガス状炭化水素の処理・回収方法。
- ガソリン蒸気を加圧冷却して回収するガス状炭化水素の処理・回収方法において、気液分離器からガソリン液を排出する際に、あらかじめ設けていたガソリン液層を通過するようにしたことを特徴とするガス状炭化水素の処理・回収方法。
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