JP5604886B2 - 金型製造方法、および光学シートの製造方法 - Google Patents

金型製造方法、および光学シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマディスプレイ等の映像表示装置に用いられる光学シートにおいて、これを製造するための金型の製造方法、およびこの金型により製造される光学シートの製造方法に関する。
プラズマディスプレイのような、映像を観察者に出射する映像表示装置には、映像源と、該映像源からの映像光の質を高めて観察者に出射するための各種機能を有する層を具備する光学シートと、が備えられている。
例えば、観察者側が明るい場合に映像表示装置の画面を見るとコントラストが低下して観察者が適切に画像を見ることができないことがある。このようなコントラストの低下を抑制するために、上記した光学シートには、光を透過可能なプリズム部と光を吸収可能な光吸収部とを有する層が設けられる。これによれば、光吸収部において外光等を吸収しつつ、映像光はプリズム部を透過させることが可能となり、コントラストの向上を図ることができる。このような層として例えば特許文献1のような発明が開示されている。
しかしながら、近年においては、映像表示装置の多様化により、光学シートに求められる映像光の制御の態様も多岐にわたっている。かかる状況では、特許文献1に記載のプリズム部や光吸収部の形状だけでなく、より複雑な形状のものが求められることもある。
このようなプリズム部や光吸収部は、これに対応する形状を有する金型(ロール)に、材料となる樹脂を接触させて硬化させることにより成形されることが多い。従って、プリズム部および光吸収部の形状が複雑である場合には、これに対応して、金型の形状も複雑となり、金型製造自体が困難になることが多い。
特許文献2には、切削工具の寿命向上を目的に、2つの切削バイトを順に用いて金型を製造することが開示されている。
特開2003−66206号公報 特許第4221117号公報
しかしながら、特許文献2に記載の従来の金型製造方法は、バイトの摩耗防止や耐久性を向上させることを目的としており、必ずしも複雑な形状の光学シートを得るための金型を精度よく、効率的に製造するという構成ではなかった。
そこで、本発明は、プリズム部および光吸収部の形状が複雑なものであっても、これを適切に製造することができるための金型を製造する方法を提供することを課題とする。また、この金型製造方法により製造した金型を用いて複雑な形状を有する光学シートを製造する方法を提供する。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、円柱状体の外周面の周方向に沿って溝を形成することにより金型を製造する方法であって、溝の長手方向に直交する断面において、溝のうち対向する壁部の少なくとも一方の壁部が、折れ曲がるように形成された2つの面を有して形成され、折れ曲がるように形成された2つの面の1つを形成する第一の切削バイトと、他の1つの面を形成する第一の切削バイトとは異なる形状の第二の切削バイトとが、円柱状体の軸線方向に並列され、第一の切削バイトにより切削をおこない、これに追随して第二の切削バイトでさらに切削することにより溝が形成されることを特徴とする金型製造方法である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の金型製造方法において、第一の切削バイトと第二の切削バイトとが、第一の切削バイトおよび第二の切削バイトの送りピッチの整数倍で離隔して配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、円柱状体の外周面の周方向に沿って溝を形成することにより金型を製造する方法であって、溝の長手方向に直交する断面において、溝のうち対向する壁部の少なくとも一方の壁部が、折れ曲がるように形成された複数の面を有して形成され、折れ曲がるように形成された複数の面のそれぞれを切削する複数の切削バイトが、円柱状体の軸線方向に並列され、複数の切削バイトが順に切削することにより溝が形成されることを特徴とする金型製造方法である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の金型製造方法において、複数の切削バイトは、これら切削バイトの送りピッチの整数倍でそれぞれ離隔して配置されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の金型製造方法により金型(1)を製造する工程と、金型を製造する工程により製造した金型を回転させ、回転する金型とこれに同期して移動される基材との間に、電離放射線により硬化する樹脂を供給しつつ、基材と金型との間に樹脂を充填し、該充填した状態で樹脂に電離放射線を照射することにより樹脂を硬化させることによって、基材上に並列された凸状のプリズム部と、このプリズム部間の溝と、を形成する工程と、プリズム部間の溝に、光吸収粒子および光吸収粒子を分散させた樹脂であるバインダを充填し、余剰分の光吸収粒子およびバインダを掻き落とし、バインダを硬化させ、光吸収部を形成する工程と、を含む、光学シートの製造方法である。
本発明によれば、プリズム部間の溝が多角形であるような複雑な形状を有する光学シートであっても、その形状を精度よく製造できる金型の製造方法を提供することが可能である。そしてその金型製造方法により製造した金型を用いることにより、形状精度のよい光学シートを製造することができる。
1つの実施形態にかかる金型の外観を模式的に示した斜視図である。 金型の外周形状を説明する図である。 切削工具を説明する図である。 金型の製造過程を説明する図である。 他の例にかかる金型のうち、図2(b)に相当する図である。 さらなる他の例にかかる金型のうち、図2(b)に相当する図である。 光学機能シート一部を概略的に示した断面図である。 実施例に用いた切削工具を説明する図である。 実施例の結果を説明する図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
はじめに、1つの実施形態に係る金型1および金型の製造方法について説明する。図1は、金型1の外観を概略的に示した斜視図である。図2は、図1に示した金型1の外周面に形成された環状突起3、3、…および溝4、4、…の断面を拡大して示した図である。当該断面は環状突起3および溝4が延在する方向に直交する断面である。図2(b)は図2(a)の一部をさらに拡大した図である。
図1に示すように、金型1は円柱状のいわゆるロールであり、該金型1は、円柱状の基体2の外周面から突出して周方向に延在する複数の環状突起3、3、…、および該環状突起3、3、…間に形成される溝4、4、…を備えている。環状突起3、3、…および溝4、4、…は図2からわかるように、その断面形状は4つ以上の角がある多角形になっている。以下当該形状について説明するが、環状突起3、3、…と溝4、4、…とは対応する形状になっているので、ここでは溝4、4、…について主要に説明し、必要に応じて環状突起3、3、…の部分についての説明をする。
図2からわかるように、溝4は、円柱状の基体2の軸線に平行な底部4aを有し、該底部4aの両端から基体2の径方向に立設するように左右両壁部4b、4cが形成されている。ここで、底部4aと壁部4bとのなす角θおよび底部4aと壁部4cとのなす角θは、90°以上が好ましく、さらに好ましくは90.5°以上である。これにより当該底部4aについては1つの切削工具により形成することが可能となり、また、光学シートの製造において溝4に充填した樹脂の離型が円滑に行われる。
また、壁部4cの外周側端部からは、折れ曲がるように壁部4dが形成されている。底部4aの垂線(図2(b)に破線IIで示した。)と壁部4dとのなす角度θは、5°〜20°である。ただし、後述するようにこの角度は特に限定されるものでなく、必要とされる溝の断面形状、環状突起の断面形状に基づき適宜設定される。他の例については後で説明する。
かかる底部4a、壁部4b、4c、4dにより、合計5つの角部を有する溝4が形成されている。なお、本実施形態で底部4aの長さは50μm、壁部4bの長さは100μmである。また、図2(b)にhで示した底面4aと、壁部4c−壁部4dとの交点との距離は30μm〜90μmである。また、本実施形態では、隣接する溝4、4、…間のピッチは60μmとした。
一方、環状突起3は、上記した溝4の壁部4b、4c、4dを形成する面を有する。そして、隣接する溝4、4の一方側の壁部4bと他方側の壁部4dとを結ぶように、先端部3aが形成されている。先端部3aの長さは、3μm以上とする。3μm未満では当該先端部付近で倒れたり、欠けが生じたりする虞がある。
このような金型1の環状突起3、3、…および溝4、4、…を形成する切削工具10は次のようなものである。図3に切削工具10を模式的に示した。
切削工具10は、第一切削バイト11および第二切削バイト14を具備し、これが送り方向に並列されている。本実施形態のように、形成する溝4のうち、対向する壁部の一方(壁部4b)が断面において一直線であり、他方(壁部4c、4d)が少なくとも1つの角部を有する折れ線状である場合には、このように2つのバイトにより切削が可能である。
第一切削バイト11は、シャンク12に切削チップ13を備えて構成されている。切削チップ13は図3からわかるように、刃部13a、13b、13cを備えている。刃部13bは、溝4の壁部4dを形成できるように構成されている。従って、刃部13aの垂線と刃部13bとのなす角θ11は上記溝4のθと同じである。
第二切削バイト14は、シャンク15に切削チップ16を備えて構成されている。切削チップ16は図3からわかるように、刃部16a、16b、16cを有している。刃部16aは、溝4の底部4aを形成できるように構成されている。また、刃部16bは溝4の壁4bを、刃部16cは壁4cをそれぞれ形成する。従って、刃部16aと刃部16b、16cとのなす角θ12、θ13は、溝部4で説明したθ、θと同じである。
切削工具10により、金型1の環状突起3および溝4は、次のように形成される。図4に模式図を示した。
切削工具10の第一切削バイト11および第二切削バイト14が送り方向(図4にAで示した方向)に並列されて刃物台に固定される。このとき第一切削バイト11が先行するように配置される。ここで、第一切削バイト11と第二切削バイト14との間隔は、バイトの送りピッチの整数倍とする。これにより両バイトの位置が適切に決められる。
初めに図4(a)に示したように、先行する第一切削バイト11が、最終的に金型1となる被削材5の外周に溝を形成する。すなわち、溝4の壁4dとなる部位が形成される。
次に図4(b)に示したように、後行する第二切削バイト14が溝4の底部4a、壁4b、4cを形成する。
このように、複数のバイトで構成される切削工具を用いて金型を製造することにより、例えば図2(a)に表れる壁部4c、4dを形成するような、1つの切削バイトでは作製困難な溝形状を、精度よく不具合なく形成することができる。また、1つのバイトで切削するときと比較して、各々のバイトの切削距離を減少できるのでバイトの摩耗を抑えることもできる。
本実施形態では、第一切削バイト、第二切削バイトの各切削チップはそれぞれ異なるシャンクに取り付けられているが、1つのシャンクに第一切削バイトの切削チップ、および第二切削バイトの切削チップが取り付けられる態様であってもよい。これにより第一切削バイトと第二切削バイトの位置関係をさらに安定させることができる。
また、本実施形態では、環状突起3および溝4はそれぞれ独立した突起および溝が基体2の軸線方向に並列されている態様である。しかしながら、これに限定されるものでなく、軸線方向に傾いた角度を有して螺旋状に形成される1本の環状突起、および溝であってもよい。このときには当該軸線方向に傾ける角度は0度より大きく5度以下であることが好ましい。
金型1の材料となる円柱状体は、金型1の使用時の環境に耐え得るものであれば特に限定されず、例えば、表面を銅でメッキされた鋼材などを用いることができる。また、金型1の使用時に、金型1が腐食することを防止するなどの観点から、切削の後に、表面をクロムなどでメッキすることが好ましい。
次に他の例にかかる金型の溝および環状突起の断面形状について説明する。図5及び図6に示した。図5、図6は、当該他の例にかかる金型のうち、図2(b)に相当する図である。
図5に示した例では、環状突起103、103間に形成される溝104において、円柱状の基体の軸線に平行な底部104aを有し、該底部104aの両端から基体の径方向に立設するように壁部104b、104cが形成されている。壁部104cの外周側端部からは、折れ曲がるように壁部104dが形成されている。本実施形態では、さらに壁部104dの外周側端部から壁部104eが折れ曲がるように形成されている。
従って、本例では、底部104a、壁部104b、104c、104d、および104eにより、合計6つの角部を有する溝104が形成されている。
図6(a)に示した例では、環状突起203、203間に形成される溝204において、円柱状の基体の軸線に平行な底部204aを有し、該底部204aの両端から基体の径方向に立設するように壁部204b、204cが形成されている。また、壁部204bの外周側端部からは、折れ曲がるように壁部204dが形成され、壁部204cの外周側端部からは、折れ曲がるように壁部204eが形成されている。
従って、本例では、底部204a、壁部204b、204c、204d、および204eにより、合計6つの角部を有する溝204が形成されている。また、本例では溝204のうち対向する壁部が対称となる形状である。
図6(b)に示した例では、環状突起303、303間に形成される溝304において、円柱状の基体の軸線に平行な底部304aを有し、該底部304aの両端から基体の径方向に立設するように壁部304b、304cが形成されている。また、壁部304bの外周側端部からは、折れ曲がるように壁部304dが形成され、さらにその端部から壁部304eが折れ曲がるように形成されている。一方、壁部304cの外周側端部からは、折れ曲がるように壁部304fが形成され、さらにその端部から壁部304gが折れ曲がるように形成されている。
従って、本例では、底部304a、壁部304b、304c、304d、304e、304f、および304gにより、合計8つの角部を有する溝304が形成されている。また、本例では溝304のうち対向する壁部が対称となる形状である。
また図示はしないが、溝のうち対向する壁部の一方が1つの角部を有し、他方の壁部が2つの角部を有するような非対称である形状でもよい。
上記したような形状は、従来では形成することが困難であったが、本発明によれば精度良く溝を形成することが可能である。ここで、溝の対向する壁部のうち少なくとも一方が2つの角を有して3つの壁部からなる場合には、送り方向に並列された3つの切削バイトで切削することがよい。
次に、1つの実施形態にかかる光学シートに含まれる光学機能シート20について説明する。図7は、光学機能シート20の断面の一部を概略的に示した図である。図7からわかるように、光学機能シート20は、基材層30上に、光を透過可能に形成されたプリズム部21、21、…を備え、これがシート面に沿って複数並列している。また、プリズム部21、21、…間には溝22、22、…が形成される。そして該溝22、22、…内には、光吸収粒子24、24、…が分散されたバインダ23、23、…が充填されている。
プリズム部21は、図7からわかるように上記説明した金型1の溝部4に対応した形状を有している。すなわち、プリズム部21、21は短い上底および長い下底がプリズムシート20のシート面に沿う方向に配置された、概ね台形状を有している。そしてその脚部(斜辺)において一方が途中で折れ線状となっている。
プリズム部21、21、…は、光を透過可能に形成するため、屈折率Npを有する光透過性樹脂で構成されている。当該樹脂として例えば、電離放射線、紫外線等により硬化する特徴を有する例えばウレタンアクリレートを挙げることができる。
基材層30は、プリズム部21、21、…を形成するための基材層としての層であり、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とすることができる。ただし、基材層30は、PETを主成分とする場合、他の樹脂が含まれてもよい。また、各種添加剤を適宜添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。ここで「主成分」とは、基材層を形成する材料全体に対して50質量%以上含有されているものを意味する(以下、同様とする。)。
なお、基材層30の主成分は、必ずしもPETであることは必要なく、その他の材料でもよい。これには例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル系樹脂、ナイロン6等のポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤等の添加剤を加えても良い。
本実施形態では、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からPETを主成分とする樹脂を好ましい材料であるとして説明した。
このようなプリズム部21、21、…および溝22、22、…は、上記した金型1を用いて製造することができる。具体的には、回転する金型1とこれに同期して移動する基材30との間に、プリズム部21、21、…を構成する樹脂を供給する。そして金型1と基材30との間に樹脂を充填させ、樹脂を硬化させる。これにより、基材30上に、金型1の溝4、4、…の形状に対応した形のプリズム部21、21、…、および金型1の環状突起3、3、…形状に対応した溝22、22、…を有する帯状のシートを得ることができる。
図7に示すように、光学機能シート20は、プリズム部21、21、…間の溝22、22、…を、光を吸収可能な光吸収部としている。従って、光吸収部は、溝22の形状と同様に、上記した金型1の環状突起3に対応する形状を具備している。
光吸収部は、プリズム部21、21、…を構成する材料と同じ屈折率Np、又はこれより小さい屈折率Nbを有する所定の材料からなるバインダ23、23、…の中に光吸収粒子24、24、…が分散されている態様である。このようにプリズム部11、11…の屈折率Npとバインダ23、23、…の屈折率NbとをNp≧Nbとすることにより、所定の条件でプリズム部21、21、…に入射した光源からの映像光をバインダ23、23、…とプリズム部21、21、…との界面で適切に反射させ、観察者に明るい映像を提供することができる。NpとNbとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0以上0.06以下であることが好ましい。
また、本実施形態では上記のようにNp≧Nbの関係が好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、プリズム部の屈折率を光吸収部の屈折率よりも小さく形成することも可能である。
当該バインダとして用いられるものは特に限定されないが、例えば、電離放射線、紫外線等により硬化する特徴を有するエポキシアクリレート等を挙げることができる。
バインダ中に分散する光吸収粒子は、光吸収性能を有する粒子であればよく、特に限定されるものではない。光を吸収する効率の観点から黒色であることが好ましく、これには市販の粒子を用いることも可能である。
本実施形態では、光吸収部の態様として、バインダ中に光吸収粒子を分散させることとしたが、光吸収部は光を吸収させることができればよく、かかる態様に限定されることはない。他には例えば、顔料や染料により光吸収部全体を着色することを挙げることができる。
上記したプリズム部21、21、…間の溝22、22、…に光吸収部を形成する際には次のようにおこなうことができる。すなわち、溝22、22、…に上記した光吸収粒子24、24、…を分散させたバインダ23を充填させ、余分なバインダおよび光吸収粒子を掻き落とす。その後、バインダを硬化させて溝内にこれを定着させる。
以上のように、光学機能シート20は、上記した金型1により、精度よく所望の断面形状を有するシートとすることができる。
上記光学機能シート20には、さらに他の機能を有する各種層が積層されてもよい。これには、従来の光学シートに用いられていたものを特に限定することなく用いることができる。具体的には、波長フィルタ層、防眩層、反射防止層、粘着剤層、ハードコート層等を挙げることができる。これらの層の積層順、及び積層数は、光学フィルタの用途に応じて適宜決定される。以下、これらの層の機能などについて説明する。
波長フィルタ層は、所定の波長の光をフィルタリングする機能を有する層である。フィルタリングされるべき波長は必要に応じて適宜選択することができるが、PDPから出射されるネオン線をカットしたり、赤外線、近赤外線や紫外線をカットしたりする層を挙げることができる。
防眩層は、いわゆるぎらつきを抑制する機能を有する層であり、アンチグレア層、AG層と呼ばれることもある。このような防眩層としては市販のものを用いることができる。
反射防止層は最も観察者側に配置されて外光の反射を防止する機能を有する層である。これによれば、外光が光学フィルタの観察者側面で反射して観察者側へ戻って、いわゆる映り込みが生じて映像が見え難くなることを抑制することができる。このような反射防止層は、市販の反射防止フィルムを用いる等して構成することが可能である。
粘着剤層は、粘着剤が配置される層である。該粘着剤としてPSA(感圧接着剤、pressure sensitive adhesive)を挙げることができる。ただし、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることができれば粘着剤はこれに限定されるものではない。また、層構成によっては、色素の劣化を防止するために、紫外線を吸収する効果のあるUV吸収剤(ベンゾトリアゾールなど)を粘着剤に含めることが望ましい。
ハードコート層は、HC層とも呼ばれることもある。これは、画像表示面に傷がつくことを抑えるために耐擦傷性を付与することができる機能を有するフィルムが配置された層である。
このようにして形成された光学シートは液晶テレビ、プラズマテレビ等の映像表示装置に具備され、映像光を効率よく観察者に出射するとともに、外光を吸収してコントラストを向上させることを可能とする。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例では、1つのシャンクに第一切削バイトとしての切削チップ、および第二切削バイトとしての切削チップをとりつけた。条件を変更して4種類の切削工具を作製した。図8にその概要図、表1に切削工具ごとに変更した寸法を表わした。ここで、αは図3におけるθ11を意味する。
Figure 0005604886
上記の切削工具を用いて次のような条件で金型を製作した。
・ロール径は400mmのものとした。
・ロール表面には硬質銅めっき(片肉0.5mm)を施した。
・上記切削工具を用いる前に、先端が2Rのダイヤモンドバイトを用いてねじ切り切削法により面出しをおこなった。このときの送りピッチは0.1mm/回転とした。
・上記面出しの表面をそのまま利用すると外観が悪くなり、また、環状突起の高さ安定しない。そこで、はじめに上記切削バイトのうち、第二切削バイトの先端により面出し表面から10μm切り込み、図2における先端部3aを含む面を形成する。その後、形成する溝のピッチの半分(30μm)を送り、順次、第一切削バイトおよび第二切削バイトにより切り込んだ。
・切削時の回転数は400回転/分、切り込みスピードは4μm/回転とした。
・切り残し幅(図2(a)の先端部3aの長さ)を3μmとした。
・切削後には表面クロムめっきを施して金型を完成させた。
上記のようにして得られた金型によりそれぞれ光学機能シートを製作した。ここでは基材層として、PETのA4300(東洋紡株式会社、厚さ100μm)を用い、プリズム部には屈折率が1.55の紫外線硬化樹脂を使用した。
以上のようにして得られた光学機能シートの溝部形状を測定した。図9および表2に結果を示す。
Figure 0005604886
表2からわかるように、精度良く光学機能シートを製造することができた。また、図9のφは第一切削バイトのα(図8参照)と同一の角度とすることができた。
以上、現時点において実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う金型の製造方法、及び光学シートの製造方法も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
1 金型
2 基体
3 環状突起
4 溝
10 切削工具
11 第一切削バイト(第一の切削バイト)
12 シャンク
13 切削チップ
14 第二切削バイト(第二の切削バイト)
15 シャンク
16 切削チップ
20 光学機能シート
21 プリズム部
22 溝
23 バインダ
24 光吸収粒子

Claims (5)

  1. 円柱状体の外周面の周方向に沿って溝を形成することにより金型を製造する方法であって、
    前記溝の長手方向に直交する断面において、前記溝のうち対向する壁部の少なくとも一方の壁部が、折れ曲がるように形成された2つの面を有して形成され、前記折れ曲がるように形成された2つの面の1つを形成する第一の切削バイトと、他の1つの面を形成する前記第一の切削バイトとは異なる形状の第二の切削バイトとが、前記円柱状体の軸線方向に並列され、前記第一の切削バイトにより切削をおこない、これに追随して前記第二の切削バイトでさらに切削することにより前記溝が形成されることを特徴とする金型製造方法。
  2. 前記第一の切削バイトと前記第二の切削バイトとが、前記第一の切削バイトおよび前記第二の切削バイトの送りピッチの整数倍で離隔して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の金型製造方法。
  3. 円柱状体の外周面の周方向に沿って溝を形成することにより金型を製造する方法であって、
    前記溝の長手方向に直交する断面において、前記溝のうち対向する壁部の少なくとも一方の壁部が、折れ曲がるように形成された複数の面を有して形成され、前記折れ曲がるように形成された複数の面のそれぞれを切削する複数の切削バイトが、前記円柱状体の軸線方向に並列され、前記複数の切削バイトが順に切削することにより前記溝が形成されることを特徴とする金型製造方法。
  4. 前記複数の切削バイトは、これら切削バイトの送りピッチの整数倍でそれぞれ離隔して配置されていることを特徴とする請求項3に記載の金型製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の金型製造方法により金型を製造する工程と、
    前記金型を製造する工程により製造した前記金型を回転させ、回転する前記金型とこれに同期して移動される基材との間に、電離放射線により硬化する樹脂を供給しつつ、前記基材と前記金型との間に前記樹脂を充填し、該充填した状態で前記樹脂に電離放射線を照射することにより前記樹脂を硬化させることによって、前記基材上に並列された凸状のプリズム部と、このプリズム部間の溝と、を形成する工程と、
    前記プリズム部間の前記溝に、光吸収粒子および前記光吸収粒子を分散させた樹脂であるバインダを充填し、余剰分の前記光吸収粒子および前記バインダを掻き落とし、前記バインダを硬化させ、光吸収部を形成する工程と、を含む、光学シートの製造方法。
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