JP5604326B2 - 放射線画像検出装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用のX線撮影装置などに用いられる放射線画像検出装置及びその製造方法に関する。
近年、X線像をデジタルデータに変換するFPD(Flat Panel Detector)等のX線画像検出装置を用いたDR(Digital Radiography)が実用化されている。X線画像検出装置は、輝尽性蛍光体(蓄積性蛍光体)からなるイメージングプレートを用いる従来のCR(Computed Radiography)方式に比べて、即時に画像を確認できるといったメリットがあり、急速に普及が進んでいる。
X線画像検出装置として種々の方式のものが提案されているが、その一つとしてX線を一旦、CsI:Tl、GOS(GdS:Tb)などのシンチレータで可視光に変換し、当該可視光を半導体層で電荷に変換して蓄積する間接変換方式が知られている(例えば、特許文献1〜3)。
X線画像検出装置では、例えば生体のX線撮影に使用される場合など、X線照射量が低い方が好ましいことが多く、従ってX線に対する感度が高く、発光量の多いシンチレータが望まれている。特許文献1では、光検出器を挟んで両側にシンチレータを設けることによって発光量を高めている。
また、特許文献2では、蛍光物質の母体に付活剤を添加することで発光量を高めている。特許文献2には、光検出器とシンチレータとを有し、シンチレータに光検出器とは反対側からX線が入射するX線画像検出装置において、シンチレータのX線入射側の領域における付活剤濃度を高くすることが記載されている。
そして、特許文献3では、シンチレータに光検出器側からX線を照射し、光検出器に近接する側をシンチレータの主発光領域とすることによって発光量を高めている。
特開2007−163467号公報 特開2008−51793号公報 特開2011−17683号公報
ここで、特許文献2のようにX線入射側での付活剤濃度を増やすとともに、特許文献3のように光検出器側をシンチレータの主発光領域とすることが考えられる。このようにして、X線入射側でかつ光検出器に近い側での付活剤濃度を高くすれば、発光量を増大させMTF(Modulation Transfer Function)を良化させる一定の効果は得られる。しかしながら、このようなシンチレータの主発光領域を詳細に検討すると、次のような課題が残されている。すなわち、付活剤濃度増大は、以下のような技術的課題を顕著に呈する。
付活剤濃度増大により、主発光領域でかつ光検出器に近い部分の結晶性が乱れ、これによってMTFが悪化してしまう。特に、シンチレータの蒸着初期の領域で付活剤濃度を高くすると、シンチレータの結晶成長への悪影響が大きく、結晶性が乱れて柱状結晶間で光が拡散するため、MTFが悪化してしまう。
また、付活剤濃度増大により、シンチレータにおける光の吸収が増えてしまう。いま、図14のように、シンチレータ91のX線入射側の部分を主発光領域Sとして付活剤濃度を高くした場合を考えると、図15に示すように、主発光領域S内にあって光検出器92(図14)から離れている部分P2では、光検出器92に入射する発光量が小さく、かつ発光状態が拡がってしまい、画像ボケが生じる(MTFが悪化する)。このような課題を解決しない限り、図14のように光検出器92側からシンチレータ91にX線が照射される構成としても、発光量の一層の増大及びMTFのさらなる良化は見込めない。
本発明の主な目的は、発光量の一層の増大及びMTFのさらなる良化を図ることができる放射線画像検出装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の放射線画像検出装置は、
照射された放射線を光に変換する2つのシンチレータと、
前記2つのシンチレータの間に配置され、前記2つのシンチレータにより変換された光を電気信号として検出する光検出器とを備えた放射線画像検出装置であって、
前記2つのシンチレータは、それぞれ前記光検出器側の領域の付活剤濃度が、当該シンチレータ内の前記光検出器側とは反対側の領域の付活剤濃度よりも相対的に高い。
また、本発明の放射線画像検出装置は、
照射された放射線を光に変換する2つのシンチレータと、
前記2つのシンチレータの間に配置され、前記2つのシンチレータにより変換された光を電気信号として検出する光検出器とを備えた放射線画像検出装置であって、
前記2つのシンチレータのうち少なくとも一方のシンチレータは、前記光検出器側の領域の付活剤濃度が、放射線進行方向において高濃度と低濃度とに繰り返し複数回変化する。
また、上述の放射線画像検出装置を製造する方法は、
基板上に、前記光検出器を形成する工程と、
前記光検出器から前記基板を剥離する工程と、を備える。
本発明によれば、光検出器を挟んで両側にシンチレータを有することと、光検出器近傍の付活剤濃度が高いことによって、発光量の一層の増大及びMTFのさらなる良化を図ることができる。
X線画像検出装置の概略構成を模式的に示す側断面図である。 センサ部の概略構成を模式的に示す側断面図である。 センサ部の構成を模式的に示す平面図である。 シンチレータの結晶構造を模式的に示す側断面図である。 柱状結晶断面を示す電子顕微鏡写真である(SEM画像)。 非柱状結晶断面を示す電子顕微鏡写真である(SEM画像)。 第1、第2シンチレータの付活剤濃度及び発光量を示す図である。 X線画像検出装置の概略構成を模式的に示す側断面図である。 図8の構成に好適な第1、第2シンチレータの付活剤濃度を示す図である。 X線画像検出装置の概略構成を模式的に示す側断面図である。 X線画像検出装置の概略構成を模式的に示す側断面図である。 センサ部の変形例を示す模式図である。 センサ部の他の変形例を示す模式図である。 X線画像検出装置の概略構成を模式的に示す側断面図である。 図14の構成におけるシンチレータの付活剤濃度及び発光量を示す図である。
以下、本発明の実施形態を説明するためのX線画像検出装置(放射線画像検出装置)の一例を図1〜図7を参照して説明する。
なお、既に述べた構成と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略又は簡略化する。
以下では、放射線画像検出装置の一種としてX線画像検出装置を例にとり説明するが、以下に述べる構成は、α線、β線、γ線等の各種の放射線を用いた放射線画像検出装置に適用可能であり、これらα線、β線、γ線等の各種の放射線を用いた放射線画像検出装置においても、以下に述べる作用効果と略同様の作用効果を奏する。
〔1.全体構成〕
図1は、間接変換方式のX線画像検出装置1の概略構成を模式的に示す側断面図である。X線画像検出装置1は、照射されたX線(図1の白抜き矢印)を光に変換する第1シンチレータ10及び第2シンチレータ20と、これらの第1、第2シンチレータ10,20によって変換された光を電気信号として検出する光検出器としてのセンサ部40と、第1、第2シンチレータ10,20を被覆する保護膜30と、第2シンチレータ20のX線入射側とは反対側に設けられる図示しない制御モジュールとを備えている。
保護膜30は、第1シンチレータ10が蒸着された支持体11と、第2シンチレータ20が蒸着された支持体21との間に第1、第2シンチレータ10,20及びセンサ部40を封止しており、パリレン等により形成されている。気相堆積法によって形成されたパリレンの保護膜は、シンチレータ10,20との密着性が良く、その上柔軟性を有するので、支持体11,21のソリ等への追従性が良い。
X線画像検出装置1では、被写体を通過したX線(白抜き矢印)が第1シンチレータ10側から第2シンチレータ20側に向かって照射される。支持体11の表面は、X線入射面11Aを構成する。X線が第1シンチレータ10に入射すると、第1シンチレータ10がX線を吸収して発光し、その光はセンサ部40のPD41に入射する。PD41に蓄積された電荷はTFT42によって電気信号として出力される。
X線は、センサ部40を通過して第2シンチレータ20にも入射する。X線が第2シンチレータ20に入射すると、第2シンチレータ10もX線を吸収して発光し、その光はセンサ部40のPD41に入射する。
図1に示した例では、X線入射面11Aから遠い第2シンチレータ20の厚みを第1シンチレータ10の厚みよりも大きくすることによって第2シンチレータ20の発光量増大を図っているが、第1、第2シンチレータの厚みは適宜決めることができる。
制御モジュール(不図示)は、センサ部40を駆動制御する制御部としてのICや、画像信号を処理するIC等が実装された回路基板、及び電源回路などを有し、第1、第2シンチレータ10,20及びセンサ部40に一体に組み付けられている。
〔2.センサ部の構成〕
図2は、センサ部40の構成を模式的に示す側断面図である。図3は、二次元配列された素子を示す平面図である。
センサ部40は、a−Si等で形成されたPD(Photodiode)41と、a−Si等で形成された薄膜スイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)42とを備えている。
PD41は、第1、第2シンチレータ10,20の両方から入射した光(図2の実線矢印)を電荷に変換する光導電層を有して構成されている。
TFT42は、PD41と平面的に隣接する位置に、PD41と同一面上あるいは略同一面上に配置されている。TFT42の厚み方向両側には、光を反射する反射層42A,42Aが設けられている。反射層42Aが設けられていることにより、TFT42のスイッチングノイズの発生を抑制できる。
図3に示すように、PD41は二次元配列され、各PD41はセンサ部40によって検出される画像の画素に対応している。
各PD41には、図3に示すように、TFT42、ゲート線43、及びデータ線44がそれぞれ設けられている。各ゲート線43及び各データ線44は、接続端子45まで延設され、この接続端子45に接続された異方性導電膜等のフレキシブル配線46を介して制御モジュールの回路基板に接続されている。その回路基板に実装された制御部からゲート線43を通じて送られる制御信号により、各TFT42のオンオフが行単位で切り替えられ、TFT42がオン状態にあるPD41の電荷が、データ線44を介して回路基板の信号処理部に画像信号として読み出される。PD41の電荷が行単位で順に読み出されることにより、二次元画像が検出される。
上述のPD41及びTFT42は、Al、ガラス製等の図示しない基板上にフォトエッチングプロセス等によって形成された後、当該基板から剥離されたものである。すなわち、センサ部40から基板が除去されているため、基板によってX線が吸収されることなく、第1シンチレータ10を介して第2シンチレータ20に入射するX線量を増加させることができるとともに、第2シンチレータ20から発せられた光が基板に吸収されることなくPD41に入射するので、PD41への入射光量をも増加させることができる。また、剥離した基板を再利用することが可能となる。
センサ部40を基板から剥離する方法については、特開2000-133809号公報、特開2003-66858号公報、特開2003-45890号公報などの記載が参考となる。
ここで、基板を剥離する以外に、化学的溶解法又は研磨法によって基板を薄くする、あるいは除去することによっても、基板剥離と同様の効果が得られる。
図2では、センサ部40の厚み方向両側の面は、樹脂製の膜47によって平坦化されているが、この樹脂製の膜47はなくてもよい。センサ部40は、第1、第2シンチレータ10,20のそれぞれに接着層48を介して貼り合わせられており、第1、第2シンチレータ10,20はそれぞれ、センサ部40に接着層48を介して密着する。
なお、センサ部40と第1、第2シンチレータ10,20とのそれぞれの間には、接着層48や樹脂製の膜47がなくてもよく、センサ部40の表面に第1、第2シンチレータ10,20をそれぞれ押し当てて直接密着させてもよい。
センサ部40と第1、第2シンチレータ10,20とのそれぞれの間に設けられる平坦化層、接着層、透明な液体又はゲルであるマッチングオイル層などの樹脂層を構成する樹脂は、シンチレータ10,20から発せられるシンチレーション光をほぼ減衰させることなくセンサ部40に到達させうるものであれば特に制限はない。
平坦化層を形成する樹脂としては、ポリイミドやパリレン等を使用することができ、製膜性が良好なポリイミドが好ましい。
接着層を形成する接着剤としてはシンチレータ10,20から発せられるシンチレーション光に対して光学的に透明なものが好ましく、例えば、熱可塑性樹脂、UV硬化接着剤、加熱硬化型接着剤、室温硬化型接着剤、両面接着シート、などが挙げられるが、画像の鮮鋭度を低下させないという観点からは、センサ部40の画素サイズに対して十分に薄い接着層を形成しうるという点で、低粘度エポキシ樹脂製の接着剤を用いることが好ましい。
また、平坦化層、接着層等の樹脂層の厚みは、感度、画質の観点からは50μm以下であることが好ましく、5μm〜30μmの範囲であることがより好ましい。
〔3.シンチレータの構成〕
〔3−1.支持体〕
支持体11は、X線の透過率が高くかつ光を反射するAl等の材料で板状に形成されている。支持体11としては、Al製の板に限らず、カーボン板、CFRP(carbon fiber reinforced plastic)、ガラス板、石英基板、サファイア基板などから適宜選ぶことができ、支持体表面にシンチレータを形成させうる限りにおいて特にこれらに限定されない。ただし、支持体11が光の反射部材を兼ねる場合には、Alなどの軽金属を支持体の材料として用いるとよい。
支持体21も支持体11と同様の材料で形成することができる。支持体21は、X線が照射される支持体11側とは反対側に配置されるため、X線透過率が低い材料で形成されていてもよい。
なお、X線画像検出装置1において、支持体11,21は必須ではない。つまり、蒸着用の基板を用いてシンチレータを蒸着形成した後、基板からシンチレータを剥離して用いることも可能である。シンチレータのセンサ部40側とは反対側に、光の反射部材を設けることができる。
〔3−2.蛍光物質〕
第1、第2シンチレータ10,20は、CsIを母体に付活剤としてTlを添加することによって形成されている。Tl付活により、発光量を高めることができる。
本例の第1、第2シンチレータ10,20は、蛍光物質を柱状に成長させた柱状結晶の群で形成されており、CsI:Tl(タリウム付活ヨウ化セシウム)を材料に用いて形成されている。その他、第1、第2シンチレータ10,20の材料にNaI:Tl(タリウム付活ヨウ化ナトリウム)、CsI:Na(ナトリウム付活ヨウ化セシウム)等を用いることも可能である。発光スペクトルがa−Siフォトダイオードの分光感度の極大値(550nm付近)と適合する点で、CsI:Tlを材料に用いることが好ましい。
なお、第1、第2シンチレータ10,20は柱状結晶を含んでいなくてもよく、例えばGOS(GdS:Tb(テルビウム付活酸硫化ガドリニウム))を支持体に塗布することなどによって形成されていてもよい。
〔3−3.シンチレータ間の距離〕
上述のように、センサ部40が基板から剥離されたものであることと、PD41及びTFT42が平面的に隣接するように配置されていることにより、第1、第2シンチレータ10,20間は極めて近接している。第1、第2シンチレータ10,20の互いに対向する表面間の距離は、40μm以下であることが好ましく、より好ましくは30μm以下である。このように第1、第2シンチレータ10,20間の距離を短くすることで、MTFを良化させることができる。
〔3−4.シンチレータの結晶構造〕
図4は、第1シンチレータ10の結晶構造を模式的に示す側断面図である。シンチレータ10は、柱状結晶12Aの群で形成された柱状部12と、柱状結晶12Aの基端に形成された非柱状結晶13Aを含む非柱状部13とを有する。なお、非柱状部13は、後述するように光の反射特性を有するとともに、支持体11への密着性向上、柱状結晶12Aの結晶性向上に寄与するが、この非柱状部13は形成されていなくてもよい。非柱状部13がなくても、Al製などの支持体11によってセンサ部40に向けて光を反射させることが可能である。
X線の照射によってシンチレータ10から発せられた蛍光は、柱状結晶12Aによって柱の高さ方向(結晶成長方向)にガイドされ、センサ部40に入射する。このとき、支持体11側に進行した光は、その一部が支持体11によって反射されてセンサ部40に入射する。
〔柱状部の構成〕
柱状部12は、多数の柱状結晶12Aの集合体であり、図4に示した例では、各柱状結晶12Aは支持体11に対してほぼ垂直に起立する。本例の柱状結晶12Aは、先端側がすぼまった形状とされている。柱状結晶12Aの先端部は研磨されていてもよい。センサ部40の1つの画素(PD41)に対して、複数の柱状結晶12Aの先端部が対向する。
柱状結晶12Aは非柱状結晶に比べ結晶性が良く、蛍光の発光量が高い。また、空隙を介して隣り合う柱状結晶12Aが支持体11の厚み方向に立設されているので、柱状結晶12Aは、光のガイドとなって柱の高さ方向に光を導光する。この柱状結晶12Aによる光ガイド効果によって画素間の光拡散が抑制されることから、検出画像を鮮鋭化できる。
図5は、図4のA−A断面(柱状部12の高さ方向略中央の断面)における柱状部12の電子顕微鏡写真である。隣り合う柱状結晶12Aの間には、空隙がある(図5で濃く見える部分)。柱状結晶12Aは、結晶の成長方向に対しほぼ均一な断面径を有する。柱状部12の領域の一部では、隣り合う柱状結晶12Aが互いに結合して一体の柱状体を構成している(例えば、図5のP)。
柱状部12の厚みは、必要な感度に対応するX線吸収能を考慮して、マンモグラフィー用途では200μm前後、一般撮影用では500μm以上に決められる。ただし、柱状部12の厚みが厚すぎても、光の吸収及び散乱等のため発光の利用効率が低下しがちである。このため、柱状部12の厚みは、感度及び発光の利用効率のそれぞれを考慮した適切な値に決められる。
〔非柱状部の構成〕
非柱状部13は、図4に示すように、略球形あるいは不定形の非柱状結晶13Aを含んで構成されている。なお、非柱状部13は、アモルファス(非晶質)の部分を含むことがある。
非柱状結晶13Aの形状は、結晶間に空隙が維持され易く、反射効率を高くできる観点から、略球状であることが好ましい。すなわち、非柱状部13は、球状に近い結晶(略球状結晶である非柱状結晶13A)の集合体で構成されることが好ましい。
図6は、図4のB−B断面(非柱状部13の厚み方向基端側の断面)における非柱状部13の電子顕微鏡写真である。非柱状部13では、図5の柱状結晶12Aに比較して径の小さい非柱状結晶13Aが互いに不規則に結合したり重なり合ったりしており、結晶間の明確な空隙は殆ど認められない。図6における空隙は、図5における空隙よりも少ない。図5及び図6の観察結果から、非柱状部13の空隙率は柱状部12の空隙率よりも低い。
非柱状部13の空隙率は、非柱状部13の支持体11への蒸着面積、非柱状部13の厚み、CsI密度、及び実際に測定したシンチレータパネルの重量などに基づいて算出される。そのようにして算出された非柱状部13の厚み方向全体の空隙率は、10%以下である。
非柱状部13は、支持体11上に蒸着初期において形成された領域である。非柱状部13において支持体11表面に接する部分の空隙率は0あるいは略0であり、非柱状部13の基端部は支持体11との接触面全体において支持体11に密着する。
非柱状部13の厚みは、柱状部12の厚みよりも薄く、5μm以上、125μm以下であることが好ましい。支持体11との密着性を確保するためには、非柱状部13の厚みは5μm以上あることが好ましい。また、光ガイド効果を有しない非柱状部13の厚みが厚すぎると、非柱状部13において光が画素間で交錯して画像ボケが生じ易くなるので、非柱状部13の厚みは125μm以下であることが好ましい。
また、非柱状部13の厚みは、支持体11との密着性と光の反射機能とが得られる最小の厚みで足りる。
なお、非柱状部13は、製造時の条件等によっては単一の層でなく複数の層が積層された構造とされる場合もある。このような場合、非柱状部13の厚みは、支持体11表面から非柱状部13の最表層の表面までの厚みをいう。
非柱状部13の如く、結晶間が癒着している場合の結晶径の測定は、隣接する非柱状結晶13A間に生じる窪み(凹)同士を結んだ線を結晶間の粒界と見なし、癒着した結晶同士を最小多角形となるように分離して結晶径を測定し、柱状部12における柱状結晶12Aの径と同様にして平均値をとり、その値を採用した。
非柱状部13の非柱状結晶13Aの径は、0.5μm以上7.0μm以下であることが、効率的な反射特性、及び支持体11との密着性を与える観点から好ましい。非柱状結晶13Aの径は、柱状結晶12Aの径よりも小さい。
ここで、非柱状結晶13Aの径が小さい方が略球形の結晶形状が維持され易いので好ましいが、非柱状結晶13Aの径が小さすぎると空隙率が0に近づき、非柱状部13が光の反射層としての役目を有しなくなるので、非柱状結晶13Aの径は0.5μm以上であることが好ましい。また、径が大きすぎると、非柱状部13の平坦性及び表面積が低下し、支持体11との密着性が低下するとともに、結晶同士が結合して空隙率が低下し反射効果が減少するので、非柱状部13の結晶径は7.0μm以下であることが好ましい。
非柱状部13の空隙率は、非柱状部13の平面視の面積、非柱状部13の厚み、CsI密度、及び実際に測定したシンチレータパネルの重量などに基づいて算出される。そのようにして算出された非柱状部13の厚み方向全体の空隙率は、10%以下である。
このような非柱状部13が形成されていることにより、非柱状部13をベースに柱状結晶12Aを結晶性が良い状態で成長させることができる。
また、結晶性が良い柱状部12で発光し、センサ部40とは反対側に進行した光を非柱状部13によって反射し、センサ部40に入射させることが可能となるので、センサ部への入射光量が増加し、利用可能な発光量を高めることが可能となる。非柱状結晶13Aの径、厚み、空隙率などは、光の反射特性、支持体11との密着性などを考慮して決められる。
第2シンチレータ20も、上述の第1シンチレータ10と同様に、柱状部12と、柱状部12の基端に形成された非柱状部13とを備えて構成されている。
第2シンチレータ20において非柱状部を設けることにより、支持体21と第2シンチレータ20との密着性が向上するので、制御モジュールからの熱の伝搬に際しても第2シンチレータ20が支持体から剥離しにくくできる。
〔3−5.シンチレータの製造方法〕
上述のシンチレータ10,20は、支持体11表面に気相堆積法により形成されることが好ましい。ここでは、CsI:Tlを用いた態様を例に挙げて説明する。
気相堆積法の概要としては、真空度0.01〜10Paの環境下、母体であるCsIと付活剤であるTlとをそれぞれ抵抗加熱式のるつぼに通電するなどの手段で加熱して気化させ、支持体11の温度を室温(20℃)〜300℃としてCsI:Tlを支持体上に堆積させる。
ここで、Tlのるつぼへの印加電力の変更によってTlの加熱温度を変更したり、真空度などを変更することなどによって、結晶成長方向において付活剤濃度の異なるシンチレータを形成することができる。例えば、Tlるつぼへの印加電力を上げると付活剤濃度を高くすることができ、Tlるつぼへの印加電力を下げると付活剤濃度を低くすることができる。その他、硫酸タリウム、酸化タリウム、ヨウ化タリウム、炭酸タリウム等、付活剤の種類を変える(Tl含有化合物を変更する)ことにより、付活剤濃度を変更することも可能である。Tl含有化合物の変更と、蒸着セル温度の変更とを組み合わせることで、付活剤濃度を変更してもよい。更に、イオン注入によるドーピングによって付活剤濃度を変更してもよい。
また、真空度や支持体温度、蒸着レート等を変更することによって、シンチレータ20の結晶の形状や結晶径、空隙率などを制御することができる。
上述した第1、第2シンチレータ10,20及びセンサ部40は、接着層48を介して互いに貼り合わせられる。具体的に、Al製、ガラス製等の図示しない基板上にセンサ部40を形成し、第1、第2シンチレータ10,20の一方と基板とを接着層48を介して貼り合わせた後に、センサ部40を基板から剥離する。そして、他方のシンチレータを接着層48を介してセンサ部40に貼り合わせ、保護膜30を形成することにより、X線画像検出装置1が製造される。
なお、保護膜30は、防湿フィルムで第1、第2シンチレータ10,20を気密水密に包むなどの他の手段によって各シンチレータの防湿が図られる場合には、形成されなくてもよい。
また、各シンチレータとセンサ部40との貼り合わせ方法には特に制限はなく、両者が光学的に結合されればよい。両者を貼り合わせる方法としては、両者を直接対向させて密着させる方法と、樹脂層を介して密着させる方法とのいずれをとってもよい。
〔3−6.付活剤濃度(付活剤濃度)〕
図7(B)は、第1、第2シンチレータ10,20の付活剤濃度の分布を示す。第1、第2シンチレータ10,20の付活剤濃度分布は、X線入射側から、低濃度D、高濃度D、低濃度Dの順に変化する。
図7(B)に示した破線は、センサ部40を示す。センサ部40の両側の第1、第2シンチレータ10,20はそれぞれ、センサ部40近傍に、付活剤濃度が当該シンチレータ内のセンサ部40側とは反対側での付活剤濃度よりも相対的に高い高付活剤濃度領域R1,R2を有する。図7の例では、高付活剤濃度領域が第1、第2シンチレータ10,20のそれぞれに設けられているが、少なくともX線入射側に配置された第1シンチレータ10において高付活剤濃度領域R1が設けられていればよい。X線入射側に配置された第1シンチレータ10の方が、第2シンチレータ20よりもX線吸収量が大であり発光量が高いため、第1シンチレータ10の付活剤濃度を高くすることが重要である。なお、高付活剤濃度領域R1,R2の厚みは適宜決められる。
高付活剤濃度領域R1,R2における付活剤濃度は図7の例では同じ高濃度Dであるが、違っていても良い。また、第1、第2シンチレータ10,20のそれぞれにおいて、センサ部40から離間する側の領域の付活剤濃度は、高濃度Dよりも低い低濃度Dとなっている。この低濃度Dは、0であってもよい。すなわち、センサ部40から離間する側の領域は、Tlが添加されていないCsIから形成されていてもよい。
図7(A)は、第1、第2シンチレータ10,20毎の発光量を示す。図7(A)に実線で示した発光量は、第1シンチレータ10の高付活剤濃度領域R1における発光量であり、図7(A)に一点鎖線で示した発光量は、第2シンチレータ20の高付活剤濃度領域R2における発光量である。図7(A)に示した発光量の山形形状は、図7(B)に示した第1、第2シンチレータ10,20の各部分P1,P2のそれぞれの幅相応に対する発光量の急峻さを示す。これらP1,P2の付活剤濃度は、図7(B)の横軸に関わらず、いずれも高濃度Dである。
ここで、1つのシンチレータのみを用いる場合(図14)の付活剤濃度分布を示した図15(A)と図7(A)とを比較すると、シンチレータのX線入射面から離れた部分における発光量(図15(A)及び図7(A)にそれぞれ一点鎖線で示した発光量)が図7(A)の方が大きくかつ急峻であることがわかる。また、図7(A)に実線及び一点鎖線でそれぞれ示した発光量(部分P1,P2に関係)は、ほぼ等しく、急峻さもほぼ同様である。
図15(A)のシンチレータ構成では、X線入射側で高付活剤濃度としているので、図7(A)に実線で示した発光量は図15(A)に実線で示した発光量よりも小さいが、一点鎖線で示した発光量と実線で示した発光量とを加えたトータルの発光量(部分P1,P2に関係)では、図15よりも図7の方が大きい。すなわち、1つのシンチレータのみを用いる場合(図15)のシンチレータ厚みt1よりも、シンチレータ全体の厚みt2(第1、第2シンチレータの厚みの合計)を小さくできるので、薄型化を促進できるとともに、高価な蛍光体材料の使用量を減らしてコストダウンできる。その上、図15の付活剤濃度分布によれば、部分P1,P2を合わせて考えた際の発光量の急峻さが良好となるので、MTFを良化できる。
なお、第2シンチレータ20において高付活剤濃度領域R2が設けられていない場合、すなわち、第2シンチレータ20の部分P2における付活剤濃度が低い、又は0の場合には、図7(A)に一点鎖線で示した発光量よりも発光量が小さくなるが、その場合でも、その発光量と部分P1における発光量(図7(A)の実線)とを足したトータルの発光量を図15の場合よりも大きくできる。
高付活剤濃度領域R1,R2をより具体的に定義すると、高付活剤濃度領域R1,R2はそれぞれ、第1、第2シンチレータ10,20において厚み方向(結晶成長方向)において変化する付活剤濃度の変化の幅(付活剤濃度変化幅)Wの1/2に対応する付活剤濃度半値Dよりも付活剤濃度が高い領域である。
なお、高付活剤濃度領域R1,R2はそれぞれ、高付活剤濃度領域の例示に過ぎない。各シンチレータにおいて、高付活剤濃度領域と、これよりも付活剤濃度が低濃度である領域とは、シンチレータを高さ方向に二分する領域として把握されるとは限らない。付活剤濃度が異なる複数の領域が把握される場合も考えられる。
また、センサ部40近傍の付活剤濃度が高い限り、付活剤濃度の具体的分布は限定されず、図7(B)の第1シンチレータ10の付活剤濃度分布において、付活剤濃度が勾配を持たずに不連続に変化していてもよい。あるいは、付活剤濃度が段階的にあるいは直線的な勾配を有して結晶高さ方向において変化していてもよい。この場合でも、例えば、付活剤濃度半値Dよりも付活剤濃度が高い領域を高付活剤濃度領域として把握できる。
上述のセンサ部40や、各シンチレータの支持体等には、例えばOPC(有機光電変換材料)、有機TFT、非晶質酸化物(例えば、a−IGZO)を用いたTFT、フレキシブル材料(アラミド、バイオナノファイバー)などを使用することができる。これらのデバイス関連材料については後述する。
〔4.付活剤濃度に関する作用効果〕
以上説明したX線画像検出装置1によれば、次のような作用及び効果が得られる。
センサ部40を挟んで両側に配置された第1、第2シンチレータ10,20において、センサ部40近傍の付活剤濃度を高くしたことにより(高付活剤濃度領域R1,R2)、X線入射面11Aから離れた側にある第2シンチレータ20のセンサ部40近接部分の発光量の増加及び発光の拡がり抑制とが実現する。このため、X線入射側でかつセンサ部40側からシンチレータにX線が照射される構成においてシンチレータのX線入射側の主発光領域における付活剤濃度を高くすること(図14)に対して、発光量を更に高めることが可能となる。これにより、センサ部40に入射する利用可能な発光量が増加するので、検出感度を向上させることができる。加えて、X線入射面11Aから遠い第2シンチレータ20における発光分布の急峻度が向上することから、図14の場合に比較してMTFを更に良化させることができる。これにより、検出画像の鮮鋭度を向上させることができる。
また、一般に付活剤濃度を増大させると結晶性が乱れがちであるが、付活剤濃度が高い領域が柱状結晶12Aの先端側にあることで、柱状結晶12Aの成長初期の位置で付活剤濃度が高い場合よりも結晶性の乱れを抑制でき、MTFの悪化を抑制できる。
仮に、支持体11,21側での付活剤濃度が高ければ、蒸着初期の結晶性の乱れが、その後に成長する高付活剤濃度領域R1,R2の結晶性に深刻な影響を与える。結晶性が乱れた部分では光の拡散、吸収が生じ、これがMTFの悪化に繋がってしまう。これに対し、本構成では、支持体11,21側の付活剤濃度が低く、柱状結晶12A先端側(高付活剤濃度領域R1,R2)の付活剤濃度が高い。そのため、結晶性を維持して結晶成長させることができるので、柱状結晶12Aの高さ方向のほぼ全体において光ガイド効果を維持できる。これによってMTFの悪化を抑制できる。
以上説明したように、X線画像検出装置1によれば、センサ部40を挟んで両側にシンチレータ10,20が配置された構成において、発光量及びMTFの一層の良化を図ることができる。このようなX線画像検出装置1によれば、X線画像を高感度、高精細に検出できる。
なお、図1に示したX線画像検出装置1について、後述する図9のようなパルス状の付活剤濃度分布を適用しても良い。これにより、結晶性の乱れによるMTF悪化を抑制できる。また、パルス状の付活剤濃度分布においてセンサ部40に最も近接する部分の付活剤濃度が低濃度Dであることにより、柱状結晶12A先端部の強度を維持することができる。柱状結晶12A先端部の強度確保により、貼り合わせの際や、シンチレータパネルが荷重を受けた際のシンチレータの損傷を防止でき、シンチレータパネルの耐荷重を大きくすることができる。
〔5.他の態様のX線画像検出装置〕
以下、図1に示したX線画像検出装置1とは異なる構成のX線画像検出装置2〜4(図8、図10、及び図11)について説明する。これらX線画像検出装置2〜4は、前述したX線画像検出装置1の詳細構成と同様の構成を具備することが可能であって、これにより、X線画像検出装置1について述べた作用効果と同様の作用効果を奏する。また、X線画像検出装置2〜4には、後述する各種のセンサ部や各種デバイス材料を採用することが可能である。
図8は、本発明の実施形態を説明するためのX線画像検出装置の他の一例を示す。
X線画像検出装置2の第2シンチレータ25は、蒸着基板としての支持体21(図1)には蒸着されておらず、センサ部40に蒸着されている。すなわち、センサ部40が基板から剥離される前に、センサ部40上に柱状結晶12Aを成長させることにより、第2シンチレータ25が形成されている。
なお、第2シンチレータ25においてセンサ部40と柱状部12との間に、前述した非柱状部13(図4)が形成されていてもよい。
ここで、センサ部40の蒸着基板はいずれセンサ部40から剥離除去されるため、センサ部40の蒸着基板にガラス等の透明基板を用いる必要はなく、金属蒸着基板の使用が可能となる。熱伝導率が低いガラス等とCsIとの密着性は良いとは言えないため、金属蒸着基板に形成されたセンサ部上にシンチレータを蒸着することにより、センサ部40とシンチレータ15との密着性を向上させることができる。
図8のX線画像検出装置2についても、図7(B)で示したような第1、第2シンチレータの付活剤濃度分布を適用できる。すなわち、図7(B)のように、第1、第2シンチレータがそれぞれ高付活剤濃度領域R1,R2を有していてもよい。
図9は、図8のX線画像検出装置2において図7よりも好ましい付活剤濃度分布を示す。図9に示すように、第2シンチレータ25は、センサ部40近傍に、付活剤濃度が繰り返しパルス状に増減するパルス状付活領域RPを有する。パルス状付活領域RPでは、付活剤濃度が高濃度D、低濃度Dに1回以上繰り返し変化している。パルス状付活領域RPにおいてセンサ部40に最も近接する位置の付活剤濃度は、低濃度Dであることが好ましい。
第2シンチレータ25においては、結晶成長の初期の部分が付活剤濃度が高い領域であって、付活剤濃度を高くすることで結晶性の乱れが顕著となり易いので、図9のように、付活剤濃度が高濃度、低濃度に1回以上繰り返すパルス状の付活を行うことによって、結晶性の乱れを抑制しつつ、高濃度の部分で発光量及びMTFの良化を図ることが有効となる。
繰り返しパルスは、図8に示した態様以外に、パルスの高低値のうち少なくとも一方が漸減、漸増するものであってよい。あるいは、三角波、鋸波状等の波形であってもよい。
ここで、図9に示した第2シンチレータ25における付活剤濃度分布のように、センサ部40に最も近接する位置での付活剤濃度が低いことにより、シンチレータの強度向上の効果が得られる。すなわち、付活剤濃度増大は、発光量を増加させることができる一方で結晶性の乱れを招き、結晶性の乱れた部分の強度が低下するので、シンチレータとセンサ部40との貼り合わせ時やシンチレータパネルが荷重を受けた際に柱状結晶12Aの先端部が損傷する懸念がある。そこで、センサ部40近傍の付活剤濃度を低くすることによって、柱状結晶12Aの先端部の強度を維持できる。これによって、X線画像検出装置の耐荷重を大きくでき、耐衝撃性を向上させることができる。特に、X線画像検出装置がカセッテ天板などの筐体に貼り合わせられる場合に、筐体からの荷重を受けてもシンチレータが損傷しにくいという効果が得られる。
また、CsIはTl付活によって耐吸湿性が低下するため、製造時や使用時に、保護膜30及びセンサ部40によるシンチレータの密閉性が低下した際にはシンチレータの性能劣化が始まるおそれがあるが、密閉性が低下した際にも、第2シンチレータ25の端部の付活剤濃度が低いことで第2シンチレータ25の端部が耐吸湿性を保持するため、シンチレータの性能劣化を抑制できる(劣化を遅らせられる)。密閉性が低下する原因としては、貼り合わせ時に保護膜30が破れたり、それ以外の時でも柱状結晶12Aの先端部が細いことでシンチレータが破れたり、衝撃時にセンサ部40から保護膜30が部分的に剥離することでその部分における防湿性が低下したりすることなどが考えられる。また、センサ部40が基板から剥離されることはシンチレータの密閉性が低下する大きな要因であり、この場合にセンサ部40を通してシンチレータに透湿しやすい水分に対しても、シンチレータが耐吸湿性を保持するので性能劣化を抑制できる。
なお、シンチレータの端部(ここでは柱状結晶12Aの先端部)において付活剤濃度を低くする部分の厚みは、上述した貼り合わせ時や外部から荷重を受けた際の負荷に応じた強度を確保でき、かつ耐吸湿性を保持できる程度の厚みで薄く形成されていることが好ましい。付活剤濃度を低くする部分の厚みは、50μm以下が好ましい。このように厚みが薄ければ、当該部分における光の減衰及び散乱等を無視しうる。また、当該部分の厚みが5μm以上であることが強度を確保する上で好ましい。
シンチレータの強度確保により、センサ部との貼り合わせの際などにシンチレータを強く押し当ててもシンチレータが損傷することなく、シンチレータとセンサ部40とを保護膜30を介して均一に密着させることが可能となる。シンチレータとセンサ部40との密着性にムラがあると検出画像にムラが表れ易いが、そのようなことがなく、検出画像の画質を均一化できる。
図8のX線画像検出装置2を製造する際には、図示しない基板上に、センサ部40、及び第2シンチレータ20を順次形成する。その後、センサ部40を基板から剥離するが、剥離の前に、Al製、プラスチック製などの図示しない支持部材を第2シンチレータ250のセンサ部40とは反対側の端部(柱状部12の先端部)に貼り合わせることが好ましい。この支持部材により、柱状結晶12A間の距離を維持できるので、センサ部40を基板から剥離する際に、柱状結晶12A同士が接触して損傷することを予防できる。センサ部40から基板を剥離除去した後、接着層48を介してセンサ部40と第1シンチレータ10とを貼り合わせる。そして支持部材を除去した後、保護膜30の形成により第1、第2シンチレータ10,25を支持体11上に封止することにより、X線画像検出装置2が製造される。
上記のように基板剥離時に別途支持部材を用いる手間は、図1に示したX線画像検出装置1の製造に際しては不要なため、この点で図8の構成よりも図1の構成が有利である。
また、図1、図8のそれぞれのX線画像検出装置1,2を比べると、センサ部40に近い主発光領域での発光量を如何に大きくするという観点からは、図1のように結晶性の良い柱状結晶12A先端部がセンサ部40に対向する構成が有利である。特に図1のように、X線入射面11Aから遠い第2シンチレータ20におけるセンサ部40近傍の位置が、柱状結晶12A先端部となるように、支持体11に第2シンチレータ20を形成する構成とした方が、X線入射面11Aから遠いことによるX線入射量の不足を補えるので、光変換の性能上(発光量増大を図る意味で)好ましい。
図10は、本発明の実施形態を説明するためのX線画像検出装置の他の一例を示す。X線画像検出装置3は、図8のX線画像検出装置2とは逆に、第1シンチレータ15がセンサ部40上に蒸着形成されている。
図10のX線画像検出装置3についても、図7の付活剤濃度分布を適用できるが、図7の高付活剤濃度領域R1に換えて、図9のパルス状付活領域RPのようにパルス状に付活剤濃度が変化する領域を第1シンチレータ15のセンサ部40近傍に設けることが好ましい。
図10のX線画像検出装置3についての構成、及びその製造方法は、図8のX線画像検出装置2の説明において、第1シンチレータと第2シンチレータとを入れ替えることによって説明できる。
図1、図10のそれぞれのX線画像検出装置1,3を比べると、基板剥離時の手間が不要という点で、図1の構成が有利である。
また、図8、図10のそれぞれのX線画像検出装置2,3を比べると、図10では第1シンチレータ10が直接蒸着であって、第1シンチレータ10におけるセンサ部40近傍の付活剤濃度の高い部分の結晶性が悪いのに対し、図8では第1シンチレータ10の結晶性の良い柱状結晶先端部における付活剤濃度が高いため、MTFを良化できるという点で図10の構成が有利である。
図11は、本発明の実施形態を説明するためのX線画像検出装置の他の一例を示す。X線画像検出装置4は、第1、第2シンチレータ15,25のいずれも、センサ部40に蒸着形成されている。このX線画像検出装置4についても、図7の付活剤濃度分布を適用できるが、第1、第2シンチレータ15,25のいずれにおいても、図9のようなパルス状付活領域RPを設けることが好ましい。
図11のX線画像検出装置4を製造する際には、図示しない基板上に、センサ部40、及び第2シンチレータ25を順次形成する。そして、Al製、プラスチック製などの図示しない支持板を第2シンチレータ25のセンサ部40とは反対側の端部(柱状部12の先端部)に貼り合わせて柱状結晶12Aを支持してから、センサ部40を基板から剥離することが好ましい。基板剥離後、センサ部40上に第1シンチレータ15を蒸着し、支持部材を除去した後、保護膜30を蒸着形成することにより、X線画像検出装置4が製造される。
〔6.センサ部の変形例〕
図12は、図2に示したセンサ部40に置換可能な他のセンサ部45を示す。センサ部45は、1つの画素について1つのTFT452と、TFT452を挟んで厚み方向両側に配置された2つのPD451,451とを備え、これらPD451とTFT452とが積層されて構成されている。このようにPD451とTFT452とが積層されているため、センサ部45を挟んで両側に配置される第1、第2シンチレータ間の距離を短くできる。これら第1、第2シンチレータ10,20間の距離は、前述したように40μm以下である。
図2の構成では、PD41とTFT42とが同一面上、あるいは略同一面上に配置され、第1、第2シンチレータ10,20の両方からの光がPD41に入射していたが、図12の構成ではTFT452のX線進行方向両側にPD451,451が設けられているため、第1シンチレータ側に設けられた一方のPD451には第1シンチレータから発せられた光が入射し、他方のPD451には第2シンチレータから発せられた光が入射する。図2のPD41と比較して図12のPD451では受光面を広く確保できるため、PDへの光の入射量を大きくでき、光収集効率を向上させることができる。
また、PD451,451はそれぞれ、TFT451側に光反射層451Aを有しており、これによってTFT451のスイッチングノイズを低減できる。
また、図2のセンサ部40、図12のセンサ部45のいずれにおいても、アモルファス酸化物半導体(a−IGZO)によって形成されたTFTを用いることができる。a−IGZOの感度は波長350nm以上であり、可視光域には殆ど感度を持たないことから、光反射層を不要にできる。
また、PD、TFTには、有機材料を用いることもできる。図13は、OPC(有機光電変換材料)により形成された光電変換素子461と、有機材料により形成されたTFT462とを示す。これら光電変換素子461及びTFT462を有するセンサ部46もまた、図2に示したセンサ部40に置換可能である。
光電変換素子461及びTFT462に用いられる有機材料によるX線吸収が殆どないため、光電変換素子461及びTFT462を透過して第2シンチレータに到達するX線量を多くできる。ここで、シンチレータに緑光を発光するCsI:Tlが用いられかつ、光電変換素子461のOPCがキナクリドンであって、TFTの透明有機材料が例えば特開2009−212389号公報に記載されている化学式1のフタロシアニン化合物や化学式2のナフタロシアニン化合物などである場合には、図13のように光反射層を設けなくてもTFTのスイッチングノイズが生じ難い。光反射層を設けない場合には、第1シンチレータ側に配置された光電変換素子461から第2シンチレータ側へ光が漏れる場合があるが、漏れた光の殆どは、同一画素に対応する第2シンチレータ側の光電変換素子461に入射するので問題ない。
なお、図13にはTFTを挟んで両側に光電変換素子461が配置された例を示したが、図2のように、同一面上あるいは略同一面上に光電変換素子461及びTFT462が配置されていてもよい。
〔7.エネルギーサブトラクション撮影用パネル〕
ところで、2つのシンチレータを用いてエネルギーサブトラクション撮影用パネルを構成することも可能である。この場合には、第1、第2のシンチレータは、放射線Xに対する感度(K吸収端及び発光波長)が互いに異なる蛍光材料で構成されている。具体的には、第1シンチレータは、被写体を透過した放射線のうち低エネルギーの放射線が現す軟部組織の低圧画像を撮影するため、放射線吸収率μが高エネルギー部分にK吸収端を持たない、すなわち高エネルギー部分で吸収率μが不連続的に増加することのない蛍光材料で構成されている。また、第2シンチレータは、被写体を透過した放射線のうち高エネルギーの放射線が現す硬部組織の高圧画像を撮影するため、高エネルギー部分の放射線吸収率μが第1シンチレータに用いる蛍光材料よりも高くなっている蛍光材料で構成されている。
なお、「軟部組織」とは、筋肉、内臓等を含み、皮質骨及び/又は海綿骨等の骨組織以外の組織を意味する。また、「硬部組織」とは、硬組織とも呼ばれ、皮質骨及び/又は海綿骨等の骨組織を意味する。
第1、第2シンチレータにそれぞれ用いる蛍光材料は、放射線のエネルギーに対する感度が互い異なる蛍光材料であれば、シンチレータとして一般的に用いられるもの全てから適宜選択できるが、例えば以下の表1に列挙した蛍光材料から選択することができる。なお、第1、第2シンチレータにそれぞれ用いる蛍光材料は、撮影により得られる低圧画像と高圧画像の区別を明確にする観点から、放射線に対する感度が互いに異なるだけではなく、発光色も互いに異なることが好ましい。
なお、表1の蛍光材料の他にも、CsBr:Eu、ZnS:Cu、Gd22 S:Eu、Lu22S:Tb等も選択可能である。
ただし、高画質が得られるという観点から、上述の中でも柱状構造となる母体材料がCsIやCsBrを選択することが好ましい。特に、低圧画像は軟部組織の微細な部分を十分に表現できるような高画質が求められるため、第1シンチレータが柱状構造となる蛍光材料で構成することがより好ましい。具体的に、第1シンチレータを柱状構造とすると、第1シンチレータで変換された光は柱状構造の中を当該柱状構造の境界で反射しつつ進むことができ、光散乱が少なくなる。したがって、PD41の光の受光量が多くなり、もって高画質の低圧画像を得ることができるようになる。
また、所定の波長の光を吸収(遮光)するカラーフィルターが無くても撮影した放射線画像にノイズを与えないという観点から、上述の材料の中でもCsI:Tl、(Zn,C
d)S:Ag、CaWO:Pb、LaOBr:Tb、ZnS:Ag、CsI:Na以外の、ブロードでないシャープ(発光波長の狭い)な波長の光を発光するものが好ましい。このようなシャープな波長の光を発光する蛍光材料としては、例えば緑発光のGdS:Tb、La22S:Tb、青発光のBaFX:Eu(ただし、Xは、Br、Cl等のハロゲン元素)が挙げられる。この中でも、特に、第1、第2シンチレータに用いる蛍光材料の組み合わせは、青発光のBaFX:Euと緑発光のGdS:Tbの組み合わせが好ましい。
エネルギーサブトラクション撮影パネルを構成する場合には、第1、第2シンチレータの間に、第1、第2シンチレータ毎にセンサ部(例えば、PDとTFT)を設ける。そして、第1、第2シンチレータのそれぞれの発光が混合することを回避するため、第1シンチレータ用のPDと、第2シンチレータ用のPDとの間には、遮光層が設けられる。
ここで、エネルギーサブトラクション撮影パネルに用いる第1、第2シンチレータにおいても、上述した構成、例えば付活剤濃度変化に係る構成を具備することにより、上述と同様の効果が得られる。そして、上述したX線画像検出装置をエネルギーサブトラクション撮影パネルとして構成することにより、被写体を透過した放射線のうち低エネルギーの放射線が現す軟部組織の低圧画像、高エネルギーの放射線が現す硬部組織の高圧画像のいずれをも高精細に検出できる。
〔8.適用可能なデバイス材料〕
〔8−1.有機光電変換(OPC;Organic photoelectric conversion)材料〕
上述したPD41(図2)に、例えば特開2009−32854号公報に記載されたOPC(有機光電変換)材料を用いることができる。このOPC材料により形成された膜(以下、OPC膜という)をPD41の光導電層として使用できる。OPC膜は、有機光電変換材料を含み、シンチレータから発せられた光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。このように有機光電変換材料を含むOPC膜であれば、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータによる発光以外の電磁波がOPC膜に吸収されることがほとんどなく、X線等の放射線がOPC膜で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
OPC膜を構成する有機光電変換材料は、シンチレータで発光した光を最も効率良く吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータの発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータの発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータから発された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータの放射線に対する発光ピーク波長との差が、10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えば、アリーリデン系有機化合物、キナクリドン系有機化合物、及びフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータを構成する蛍光物質としてCsI(Tl)を用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、OPC膜で発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
PD41のバイアス電極及び電荷収集電極の間に設けられる有機層の少なくとも一部をOPC膜によって構成することができる。この有機層は、より具体的には、電磁波を吸収する部位、光電変換部位、電子輸送部位、正孔輸送部位、電子ブロッキング部位、正孔ブロッキング部位、結晶化防止部位、電極、及び層間接触改良部位等の積み重ね若しくは混合により形成することができる。
上記有機層は、有機p型化合物又は有機n型化合物を含有することが好ましい。有機p型半導体(化合物)は、主に正孔輸送性有機化合物に代表されるドナー性有機半導体(化合物)であり、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。更に詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物としては、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、これらに限らず、n型(アクセプター性)化合物として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用いることができる。
有機n型半導体(化合物)は、主に電子輸送性有機化合物に代表されるアクセプター性有機半導体(化合物)であり、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。更に詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これらに限らず、ドナー性有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いることができる。
p型有機色素又はn型有機色素としては、公知のものを用いることができるが、好ましくは、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素(ゼロメチンメロシアニン(シンプルメロシアニン)を含む)、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素、縮合芳香族炭素環系色素(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)等が挙げられる。
1対の電極間に、p型半導体層とn型半導体層とを有し、該p型半導体とn型半導体の少なくともいずれかが有機半導体であり、かつ、それらの半導体層の間に、該p型半導体及びn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層を中間層として有する光電変換膜(感光層)を好適に用いることができる。このように、光電変換膜において、バルクへテロ接合構造層を含ませることにより有機層のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させることができる。なお、上記バルクへテロ接合構造については、特開2007−303266号公報において詳細に説明されている。
光電変換膜の厚みは、シンチレータからの光を吸収する点では膜厚は大きいほど好ましいが、電荷分離に寄与しない割合を考慮すると、30nm以上300nm以下が好ましく、より好ましくは、50nm以上250nm以下、特に好ましくは80nm以上200nm以下である。
上述したOPC膜に関するその他の構成は、例えば、特開2009−32854号公報の記載が参考となる。
〔8−2.有機TFT(Thin Film Transistor)〕
上述したTFTTFT42には、無機材料が使われることが多いが、例えば特開2009−212389号公報に記載されたように、有機材料を使用することができる。有機TFTはいかなるタイプの構造でもよいが、最も好ましいのは電界効果型トランジスタ(FET)構造である。このFET構造は、最下層に基板を配置し、その上面の一部にゲート電極を設け、更に該電極を覆い、かつ電極以外の部分で基板と接するように絶縁体層を設けている。更に絶縁体層の上面に半導体活性層を設け、その上面の一部にソース電極とドレイン電極とを隔離して配置している。なお、この構成はトップコンタクト型素子と呼ばれるが、ソース電極とドレイン電極とが半導体活性層の下部にあるボトムコンタクト型素子も好ましく用いることができる。また、キャリアが有機半導体膜の膜厚方向に流れる縦型トランジスタ構造であってもよい。
(半導体活性層)
半導体活性層は、p型有機半導体材料を用いてなる。このp型有機半導体材料は実質的に無色透明である。有機半導体薄膜の膜厚は、例えば触針式膜厚計により測定できる。膜厚の異なる薄膜を複数作製して吸収スペクトルを測定し、検量線から膜厚30nmあたりの最大吸光度に換算してもよい。
ここでいう有機半導体材料とは、半導体の特性を示す有機材料のことであり、無機材料からなる半導体と同様に、正孔(ホール)をキャリアとして伝導するp型有機半導体材料(あるいは単にp型材料、正孔輸送材料とも言う。)と、電子をキャリアとして伝導するn型有機半導体材料(あるいは単にn型材料、電子輸送材料とも言う。)がある。有機半導体材料は一般にp型材料の方が良好な特性を示すものが多く、また、一般に大気下でのトランジスタ動作安定性もp型トランジスタの方が優れているため、ここでは、p型有機半導体材料について説明する。
有機薄膜トランジスタの特性の一つに、有機半導体層中のキャリアの動きやすさを示すキャリア移動度(単に移動度とも言う)μがある。用途によっても異なるが、一般に移動度は高い方がよく、1.0×10-7cm2/Vs以上であることが好ましく、1.0×10-6cm2/Vs以上であることがより好ましく、1.0×10-5cm2/Vs以上であることが更に好ましい。移動度は電界効果トランジスタ(FET)素子を作製したときの特性や飛行時間計測(TOF)法により求めることができる。
前記p型有機半導体材料は、低分子材料でも高分子材料でも良いが、好ましくは低分子材料である。低分子材料は、昇華精製や再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの様々な精製法が適用できるため高純度化が容易であること、分子構造が定まっているため秩序の高い結晶構造を取りやすいこと、などの理由から高い特性を示すものが多い。低分子材料の分子量は、好ましくは100以上5000以下、より好ましくは150以上3000以下、更に好ましくは200以上2000以下である。
このようなp型有機半導体材料の好ましい具体例を示す。Buはブチル基、Prはプロピル基、Etはエチル基、Phはフェニル基をそれぞれ表す。
(半導体活性層以外の素子構成材料)
以下に、有機薄膜トランジスタにおける半導体活性層以外の素子構成材料について説明する。これらの各材料は、いずれも可視光又は赤外光の透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。
基板としては、必要な平滑性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、ガラス、石英、光透過性プラスチックフィルムなどが挙げられる。光透過性プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。また、これらのプラスチックフィルムに、有機あるいは無機のフィラーを含有させてもよい。なお、基板として、アラミド、バイオナノファイバーなどを用いて形成されたフレキシブル基板をも好適に使用しうる。
ゲート電極、ソース電極、又はドレイン電極を構成する材料としては、必要な導電性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、ITO(インジウムドープ酸化スズ)、IZO(インジウムドープ酸化亜鉛)、SnO2、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ZnO、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、TiO2、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)などの導電性酸化物、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸)などの導電性ポリマー、カーボンナノチューブなどの炭素材料が挙げられる。これらの電極材料は、例えば真空蒸着法、スパッタリング、溶液塗布法等の方法で成膜することができる。
絶縁層に用いられる材料としては、必要な絶縁効果を有するものであれば特に制限はないが、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナなどの無機材料、ポリエステル(PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)など)、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、ポリパラキシリレン樹脂、ノボラック樹脂、PVA(ポリビニルアルコール)、PS(ポリスチレン)、などの有機材料が挙げられる。これらの絶縁膜材料は、例えば真空蒸着法、スパッタリング、溶液塗布法等の方法で成膜することができる。
上述した有機TFTに関するその他の構成は、例えば、特開2009−212389号公報の記載が参考となる。
〔8−3.非晶質酸化物半導体〕
上述したTFTTFT42には、例えば特開2010−186860号公報に記載された非晶質酸化物を使用することができる。ここで、特開2010−186860号に記載された電界効果型トランジスタが有する非晶質酸化物含有の活性層について示す。この活性層は、電子又はホールの移動する電界効果型トランジスタのチャネル層として機能する。
活性層は、非晶質酸化物半導体を含んだ構成とされている。この非晶質酸化物半導体は、低温で成膜可能であるために、可撓性のある基板上に好適に形成される。
活性層に用いられる非晶質酸化物半導体としては、好ましくはIn、Sn、Zn、又はCdよりなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む非晶質酸化物であり、より好ましくは、In、Sn、Znよりなる群より選ばれる少なくとも1種を含む非晶質酸化物、更に好ましくは、In、Znよりなる群より選ばれる少なくとも1種を含む非晶質酸化物である。
活性層に用いられる非晶質酸化物としては、具体的には、In、ZnO,SnO、CdO,Indium−Zinc−Oxide(IZO)、Indium−Tin−Oxide(ITO)、Gallium−Zinc−Oxide(GZO)、Indium−Gallium−Oxide(IGO)、Indium−Gallium−Zinc−Oxide(IGZO)が挙げられる。
活性層の成膜方法としては、酸化物半導体の多結晶焼結体をターゲットとして、気相成膜法を用いるのが好ましい。気相成膜法の中でも、スパッタリング法、パルスレーザー蒸着法(PLD法)が適している。更に、量産性の観点から、スパッタリング法が好ましい。例えば、RFマグネトロンスパッタリング蒸着法により、真空度及び酸素流量を制御して成膜される。
成膜された活性層は、周知のX線回折法によりアモルファス膜であることが確認される。活性層の組成比は、RBS(ラザフォード後方散乱)分析法により求められる。
また、この活性層の電気伝導度は、好ましくは10−4Scm−1以上10Scm−1未満であり、より好ましくは10−1Scm−1以上10Scm−1未満である。この活性層の電気伝導度の調整方法としては、公知の酸素欠陥による調整方法や、組成比による調整方法、不純物による調整方法、酸化物半導体材料による調整方法が挙げられる。
上述した非晶質酸化物に関するその他の構成は、例えば、特開2010−186860号公報の記載が参考となる。
〔8−4.フレキシブル材料〕
フレキシブルでかつ低熱膨張、高強度といった、既存のガラスやプラスチックでは得られない特性を有するアラミド、バイオナノファイバー等を放射線画像検出装置に用いることも考えられる。
(1)アラミド
上述した支持体11や、制御モジュールの回路基板などとして、フレキシブル材料であるアラミドによって形成されたフィルム(あるいはシート、基板)を使用することができる。アラミド材料は、ガラス転移温度315℃という高い耐熱性、ヤング率が10GPaという高い剛性、熱膨張率が−3〜5ppm/℃という高い寸法安定性を有する。このため、アラミド製のフィルムを用いると、一般的な樹脂フィルムを用いる場合と比べて、半導体層やシンチレータの高品質の成膜が容易に行える。また、アラミド材料の高耐熱性により、透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化できる。更に、ハンダのリフロー工程を含むICの自動実装にも対応できる。また更に、ITO(indium tin oxide)やガス・バリア膜、ガラス基板と熱膨張係数が近いために、製造後の反りが少ない。そして,割れにくい。ここで、ハロゲンを含まないハロゲンフリー(JPCA−ES01−2003の規定に適合)なアラミド材料を用いることが環境負荷低減の点で好ましい。
アラミドフィルムは、ガラス基板やPET基板と積層されてもよいし、デバイスの筐体に貼り付けられてもよい。
アラミドの分子間の凝集力(水素結合力)の高さによる溶媒への低溶解性を分子設計によって解決することにより、無色透明で薄いフィルムへの成形が容易とされたアラミド材料についても、好適に用いることができる。モノマーユニットの秩序性、及び芳香環上の置換基種・位置を制御する分子設計により、アラミド材料の高剛性や寸法安定性に繋がる直線性の高い棒状の分子構造を維持しつつ、溶解性が良い成形の容易さが得られる。この分子設計により、ハロゲンフリーをも実現できる。
また、フィルムの面内方向の特性が最適化されたアラミド材料についても、好適に用いることができる。成型中に逐次変化するアラミドフィルムの強度に応じて、溶液キャスト、縦延伸、横延伸の工程ごとに張力条件を制御することにより、直線性の高い棒状分子構造であって物性に異方性が生じやすいアラミドフィルムの面内方向の特性をバランスできる。
具体的に、溶液キャスト工程では、溶媒の乾燥速度の制御による面内厚み方向の物性の等方化、溶媒を含んだ状態のフィルムの強度とキャスト・ドラムからの剥離強度の最適化、を図る。縦延伸工程では、延伸中に逐次変化するフィルムの強度、溶媒の残留量に応じた延伸条件を精密に制御する。横延伸工程では、加熱によって変化するフィルム強度の変化に応じた横延伸の条件の制御、フィルムの残留応力を緩和するための横延伸の条件の制御を図る。このようなアラミド材料の使用により、成型後のアラミドフィルムがカールしてしまう問題を解決できる。
上記の成形容易さに対する工夫、及びフィルム面内方向の特性のバランスに対する工夫のいずれにおいても、アラミドならではの直線性の高い棒状の分子構造が維持されているので、熱膨張係数を低く維持できる。製膜時の延伸条件の変更などにより、熱膨張係数を更に低減することも可能である。
(2)バイオナノファイバー
光の波長に対して十分に小さなコンポーネントは光散乱を生じないことから、ナノファイバーによって補強されたフレキシブルなプラスチック材料などを上述した支持体11や、制御モジュールの回路基板などに好適に使用することができる。ナノファイバーの中でも、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束が幅50nmと、可視光波長に対して約1/10のサイズでかつ、高強度、高弾性、低熱膨である特徴を有するバクテリアセルロースと透明樹脂との複合材料(バイオナノファイバーということがある)を好適に使用できる。
バクテリアセルロースシートにアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることで、繊維を約60〜70%と高い比率で含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示す透明バイオナノファイバーが得られる。このバイオナノファイバーにより、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(約3〜7ppm)、鋼鉄並の強度(約460MPa)、及び高弾性(約30GPa)が得られる。
上述したバイオナノファイバーに関する構成は、例えば、特開2008−34556号公報の記載が参考となる。
以上説明したX線画像検出装置1は、医療用のX線撮影装置をはじめ、様々な装置に組み込んで使用することができる。特に、低放射線照射量で鮮鋭な画像を検出することを要求されるマンモグラフィ装置には、高感度、高精細であるという特徴を有する本例のX線画像検出装置1を好適に使用できる。
また、X線画像検出装置1は、医療用のX線撮影装置のほか、例えば、工業用のX線撮影装置として非破壊検査に用いたり、或いは、電磁波以外の粒子線(α線、β線、γ線)の検出装置として用いたりすることができ、その応用範囲は広い。
〔9.本明細書の開示内容〕
以上、説明したように、本明細書には、
照射された放射線を光に変換する2つのシンチレータと、
前記2つのシンチレータの間に配置され、前記2つのシンチレータにより変換された光を電気信号として検出する光検出器とを備えた放射線画像検出装置であって、
前記2つのシンチレータのうち少なくとも放射線の入射側に配置されたシンチレータの前記光検出器近傍における付活剤濃度が、当該シンチレータ内の前記光検出器側とは反対側での付活剤濃度よりも相対的に高い、放射線画像検出装置が開示されている。
また、本願明細書には、
前記2つのシンチレータの間に配置され、前記2つのシンチレータにより変換された光を電気信号として検出する光検出器とを備えた放射線画像検出装置であって、
前記2つのシンチレータのうち少なくとも一方の前記光検出器近傍における付活剤濃度が、放射線進行方向において高濃度と低濃度とに繰り返し変化する、放射線画像検出装置が開示されている。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記光検出器は、基板上に形成され、当該基板から剥離されたものである、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記2つのシンチレータの対向する表面間の距離が40μm以下である、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記光検出器が、受光により導電性を呈する光導電層と、当該導電層から電荷を取り出すための薄膜スイッチング素子とが積層あるいは平面的に配置されてなるものである、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記光導電層及び薄膜スイッチング素子の少なくとも一方は、有機材料により形成されている、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記第1、第2シンチレータはそれぞれ、蛍光物質の結晶が柱状に成長してなる柱状結晶の群で形成された柱状部を含む、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記第1、第2シンチレータの少なくとも一方は、前記柱状部の前記光検出器側とは反対側に形成された非柱状部を有する、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記蛍光物質の母体はCsIであり、付活剤はTlである、ことが好ましい。
また、本願明細書には、
上述の放射線画像検出装置を製造する方法であって、
基板上に、前記光検出器を形成する光検出器形成工程と、
前記光検出器から前記基板を剥離する基板剥離工程と、を備える、放射線画像検出装置の製造方法が開示されている。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置の製造方法にあっては、
前記第1、第2シンチレータのそれぞれを別々の支持体上に形成し、
前記第1、第2シンチレータの一方と前記光検出器とを貼り合わせた後、前記光検出器から前記基板を剥離し、前記光検出器と前記第1、第2シンチレータの他方とを貼り合わせる、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置の製造方法にあっては、
基板上に、前記光検出器、及び前記第1、第2シンチレータの一方をこの順に形成し、
前記一方のシンチレータの前記光検出器側とは反対側に支持部材を貼り合わせた後に、前記光検出器から前記基板を剥離し、
前記光検出器と前記第1、第2シンチレータの他方とを貼り合わせる、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置の製造方法にあっては、
基板上に、前記光検出器、及び前記第1、第2シンチレータの一方をこの順で形成し、
前記一方のシンチレータの前記光検出器側とは反対側に支持部材を貼り合わせた後に、前記光検出器から前記基板を剥離し、
前記光検出器上に前記第1、第2シンチレータの他方を形成する、ことが好ましい。
1〜4 X線画像検出装置(放射線画像検出装置)
10 第1シンチレータ
11 支持体
12 柱状部
12A 柱状結晶
13 非柱状部
13A 非柱状結晶
15 第1シンチレータ
20 第2シンチレータ
25 第2シンチレータ
30 保護膜
40 センサ部
41 PD(光導電層)
42 TFT(薄膜スイッチング素子)
42A 反射層
43 ゲート線
44 データ線
45 接続端子
45 センサ部
46 フレキシブル配線
47 樹脂製の膜
48 接着層
100A X線入射面
451A 光反射層
461 光電変換素子
462 TFT
高濃度
低濃度
付活剤濃度半値
P1,P2 部分
P2 部分
R1,R2 高付活剤濃度領域
RP パルス状付活領域
S 主発光領域

Claims (17)

  1. 照射された放射線を光に変換する2つのシンチレータと、
    前記2つのシンチレータの間に配置され、前記2つのシンチレータにより変換された光を電気信号として検出する光検出器とを備えた放射線画像検出装置であって、
    前記2つのシンチレータは、それぞれ前記光検出器側の領域の付活剤濃度が、当該シンチレータ内の前記光検出器側とは反対側の領域の付活剤濃度よりも相対的に高い、放射線画像検出装置。
  2. 請求項1に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記2つのシンチレータのうち、放射線の入射側に配置された一方のシンチレータは、他方のシンチレータよりも前記光検出器側の領域の付活剤濃度が高い放射線画像検出装置。
  3. 照射された放射線を光に変換する2つのシンチレータと、
    前記2つのシンチレータの間に配置され、前記2つのシンチレータにより変換された光を電気信号として検出する光検出器とを備えた放射線画像検出装置であって、
    前記2つのシンチレータのうち少なくとも一方のシンチレータは、前記光検出器側の領域の付活剤濃度が、放射線進行方向において高濃度と低濃度とに繰り返し複数回変化する、放射線画像検出装置。
  4. 請求項3に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記一方のシンチレータは、放射線の入射側に配置されたシンチレータである放射線画像検出装置。
  5. 請求項3又は4に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記一方のシンチレータの前記光検出器に最も近接する位置での付活剤濃度が、前記高濃度の濃度よりも低い放射線画像検出装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記光検出器は、基板上に形成され、当該基板から剥離されたものである、放射線画像検出装置。
  7. 請求項6に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記2つのシンチレータの対向する表面間の距離が40μm以下である、放射線画像検出装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記光検出器が、受光により導電性を呈する光導電層と、当該導電層から電荷を取り出すための薄膜スイッチング素子とが積層あるいは平面的に配置されてなるものである、放射線画像検出装置。
  9. 請求項8に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記光導電層及び薄膜スイッチング素子の少なくとも一方は、有機材料により形成されている、放射線画像検出装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記第1、第2シンチレータはそれぞれ、蛍光物質の結晶が柱状に成長してなる柱状結晶の群で形成された柱状部を含む、放射線画像検出装置。
  11. 請求項10に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記第1、第2シンチレータの少なくとも一方は、前記柱状部の前記光検出器側とは反対側に形成された非柱状部を有する、放射線画像検出装置。
  12. 請求項10又は11に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記蛍光物質の母体はCsIであり、付活剤はTlである、放射線画像検出装置。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置を製造する方法であって、
    基板上に、前記光検出器を形成する工程と、
    前記光検出器から前記基板を剥離する工程と、を備える、放射線画像検出装置の製造方法。
  14. 請求項13に記載の放射線画像検出装置の製造方法であって、
    前記光検出器を基板上に形成し、前記第1、第2シンチレータの一方と前記光検出器とを貼り合わせた後に、前記光検出器から前記基板を剥離する、放射線画像検出装置の製造方法。
  15. 請求項13に記載の放射線画像検出装置の製造方法であって、
    前記第1、第2シンチレータのそれぞれを別々の支持体上に形成し、
    前記第1、第2シンチレータの一方と前記光検出器とを貼り合わせた後、前記光検出器から前記基板を剥離し、前記光検出器と前記第1、第2シンチレータの他方とを貼り合わせる、放射線画像検出装置の製造方法。
  16. 請求項13に記載の放射線画像検出装置の製造方法であって、
    基板上に、前記光検出器、及び前記第1、第2シンチレータの一方をこの順に形成し、
    前記一方のシンチレータの前記光検出器側とは反対側に支持部材を貼り合わせた後に、前記光検出器から前記基板を剥離し、
    前記光検出器と前記第1、第2シンチレータの他方とを貼り合わせる、放射線画像検出装置の製造方法。
  17. 請求項13に記載の放射線画像検出装置の製造方法であって、
    基板上に、前記光検出器、及び前記第1、第2シンチレータの一方をこの順で形成し、
    前記一方のシンチレータの前記光検出器側とは反対側に支持部材を貼り合わせた後に、前記光検出器から前記基板を剥離し、
    前記光検出器上に前記第1、第2シンチレータの他方を形成する、放射線画像検出装置の製造方法。
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