JP5601333B2 - 画像処理装置、閾値マトリクスの整形方法及びプログラム - Google Patents
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Description
何れの方法も、乱数によってランダムにドットが配置された初期パターンを元に、各画素の閾値を決定する。
しかしながら、従来の方法によって作成された閾値マトリクスは、網点の形状が安定せず、図9に示すように、凹凸を持つ、いびつな形状が多い。また、孤立点が生じることもあり、このような閾値マトリクスによってスクリーン処理された画像は、質感が粒状的でざらつきのある画像であった。これは、乱数によって形成された初期パターンを出発点として、閾値マトリクスを作成していることが一因であると考えられる。
初期パターンを入力し、当該初期パターンを、ドットが打点される確率を表す確率分布空間に変換する確率変換部と、
確率分布空間により、ドットの打点が決定された画素の密度を表す密度分布空間を重み付け、重み付けられた密度分布空間において最大値を示す画素をドットを打点する画素として決定するとともに、ドットの打点が決定された順番をドットの打点順位として決定し、初期パターンの全ての画素に対するドットの打点順位が決定されるまで、前記ドットの打点が決定された画素の位置に応じて前記確率分布空間を更新し、更新された確率分布空間を用いて前記ドットの打点と打点順位の決定を繰り返す繰り返し処理部と、
決定された各画素のドットの打点順位を閾値に変換し、閾値マトリクスを得る閾値変換部と、を備え、
前記確率変換部は、前記初期パターンとして、網点を形成するように予め作成された閾値マトリクスを用いる画像処理装置が提供される。
前記網点を形成するように予め作成された閾値マトリクスは、Simulated-Annealing法、Void and Cluster法又はBIPPCCA法により、予め作成された閾値マトリクスである請求項1に記載の画像処理装置が提供される。
予め作成された前記閾値マトリクスを補正処理し、当該閾値マトリクスの各画素のうち、周辺画素との閾値の差が大きく、ドットが打点されやすい閾値を持つ画素について、その差を小さくする補正部を備え、
前記確率変換部は、補正処理された前記閾値マトリクスを、初期パターンとして確率分布空間に変換する請求項1又は2に記載の画像処理装置が提供される。
前記閾値変換部により得られた閾値マトリクスを、初期パターンとして前記確率変換部に入力し、新たな閾値マトリクスを得る請求項1〜3の何れか一項に記載の画像処理装置が提供される。
前記閾値変換部により得られた閾値マトリクスを用いて、画像データをスクリーン処理するスクリーン処理部を備える請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置が提供される。
初期パターンを入力し、当該初期パターンを、ドットが打点される確率を表す確率分布空間に変換する工程と、
確率分布空間により、ドットの打点が決定された画素の密度を表す密度分布空間を重み付け、重み付けられた密度分布空間において最大値を示す画素をドットを打点する画素として決定するとともに、ドットの打点が決定された順番をドットの打点順位として決定し、初期パターンの全ての画素に対するドットの打点順位が決定されるまで、前記ドットの打点が決定された画素の位置に応じて前記確率分布空間を更新し、更新された確率分布空間を用いて前記ドットの打点と打点順位の決定を繰り返す工程と、
決定された各画素のドットの打点順位を閾値に変換し、閾値マトリクスを得る工程と、を含み、
前記確率分布空間に変換する工程は、前記初期パターンとして、網点を形成するように予め作成された閾値マトリクスを用いる閾値マトリクスの整形方法が提供される。
コンピューターを、
初期パターンを入力し、当該初期パターンを、ドットが打点される確率を表す確率分布空間に変換する確率変換部、
確率分布空間により、ドットの打点が決定された画素の密度を表す密度分布空間を重み付け、重み付けられた密度分布空間において最大値を示す画素をドットを打点する画素として決定するとともに、ドットの打点が決定された順番をドットの打点順位として決定し、初期パターンの全ての画素に対するドットの打点順位が決定されるまで、前記ドットの打点が決定された画素の位置に応じて前記確率分布空間を更新し、更新された確率分布空間を用いて前記ドットの打点と打点順位の決定を繰り返す繰り返し処理部、
決定された各画素のドットの打点順位を閾値に変換し、閾値マトリクスを得る閾値変換部、として機能させるためのプログラムであって、
前記確率変換部は、前記初期パターンとして、網点を形成するように予め作成された閾値マトリクスを用いるプログラムが提供される。
画像形成装置Gは、原稿のコピー、ネットワーク上のPC(パーソナルコンピューター)から送信されたデータの印刷が可能である。
図1に示すように、画像形成装置Gは、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、コントローラー21、画像読取部22、読取処理部22a、画像処理装置23、画像形成部25を備えて構成されている。
例えば、制御部11は、画像読取部22によるスキャンや、画像形成部25による画像形成を制御する。また、制御部11は、画像データの印刷コマンドを解釈し、印刷コマンドにより指示された画像処理を、画像処理装置23に実行させる。
表示部14は、制御部11の表示制御に従って、タッチパネルと一体に構成されたディスプレイ上に、各種操作画面を表示する。
読取処理部22aは、アナログの画像信号を周波数処理等によって補正した後、A/D変換し、デジタルの画像データを生成する。生成された画像データは、画像処理装置23に出力される。
例えば、画像処理装置23はスクリーン処理部23aを備え、スクリーン処理部23aが閾値マトリクスを用いて、画像データをスクリーン処理する。
画像メモリー24は、画像処理装置23が画像データを画像処理する際のワークメモリーとして用いられる。また、画像形成部25にページ単位で画像データを出力する際のバッファーとしても用いられる。
具体的には、画像形成部25は、露光部、感光ドラム、現像部、中間転写ベルト等を備えている。印刷時、PWM(Pulse Width Modulation)変換された画像データに基づいて、露光部が感光ドラムを露光し、静電潜像を形成する。現像部がトナーを用いて現像し、感光ドラム上にトナー像を形成する。図示しない給紙部から用紙が搬送され、トナー像は感光ドラムから中間転写ベルトに、さらに中間転写ベルトから用紙上に転写される。用紙は、図示しない定着装置によって定着処理され、トレイ上に排紙される。
図2は、整形処理部3の機能ブロック図を示している。
図2に示すように、整形処理部3は、確率変換部31、繰り返し処理部A、閾値変換部35を備えている。
確率変換部31は、初期パターンとして、既知の閾値マトリクスの作成方法により、網点を形成するように予め作成された閾値マトリクスTHdefを用いる。FMスクリーンの場合、初期パターンとして、Simulated Annealing法、Void and Cluster法又はBIPPCCA法により、予め作成された閾値マトリクスTHdefが、初期パターンとして用いられる。なお、FMスクリーンに限らず、整形処理部3は、AMスクリーンの網点を形成すように作成された閾値マトリクスであっても整形処理することができる。
U[i]=(255−THdef[i])/255
ここで、U[i]は、確率分布空間Uのi番目の画素におけるドットの打点確率を表す。THdef[i]は、閾値マトリクスTHdefのi番目の画素に設定されている閾値を表す。
繰り返し処理部Aは、図2に示すように、重み付け演算部32、ドット打点部33、更新部34を備えている。
密度分布空間CMは、集中マトリクス(Concentration Matrix)とも呼ばれ、ドットの打点が決定された画素の密度を表すm×n画素の画像空間である。密度分布空間CMは0〜1の値域を持ち、各画素の初期値は1である。
密度分布空間CMの重み付け演算は、下記のように表すことができる。
CMnew[i]=CMold[i]×U[i]
ここで、CMnew[i]は、重み付け演算後の密度分布空間CMのi番目の画素における密度を表す。CMold[i]は、重み付け演算前の密度分布空間CMのi番目の画素における密度を表す。
具体的には、ドット打点部33は、重み付け演算部32によって重み付けられた密度分布空間CMにおいて最大値を持つ画素を、ドットを打点する画素として決定する。繰り返し処理回数が2以上のとき、既に打点されたドットがあるので、ドット打点部33は、密度分布空間CMにおいて最大値を持つ画素であっても、ドット打点空間Igにおいてドットが既に打点されている画素を除外して、ドットを打点する画素を決定する。ドット打点部33は、決定された画素にドットが打点されたことを表すm×n画素のドット打点空間Igを形成する。ドット打点空間Igの各画素は、ドットの打点を表す1の値か、ドットの非打点を表す0の値を持つ。
Num[i]=k
ここで、Num[i]は、打点順位空間Numのi番目の画素の打点順位を表す。kは、ドットの打点順位を表す1〜m×nの整数である。
更新部34は、ドット打点空間Igの各画素の値を反転し、ドットが打点されている画素を0、打点されていない画素を1とする画像空間を形成し、これを巡回畳み込み(circular convolution)を用いたローパスフィルターによってフィルター処理する。更新部34は、フィルター処理によって得られた画像空間を、新規の密度分布空間CMとして更新する。更新された密度分布空間CMは、0〜1の値域を持ち、ローパスフィルター処理によって、ドットが打点された画素の周辺がボケマスク処理されている。
重み付け演算としては、図3に示すような対相関関数(pair correlation function)R(r)の乗算が挙げられる。図3において、rはドット打点空間Igにおいて最後にドットが打点された画素からのユークリッド距離を表す。Gは調整パラメーターを表し、G=1.1のとき、ドットの空間周波数特性が最適となる。
Unew[i]=Uold[i]×R(r)
ここで、Unew[i]は、重み付け演算後の確率分布空間Uのi番目の画素におけるドットの打点確率を表す。Uold[i]は、重み付け演算前の確率分布空間Uのi番目の画素におけるドットの打点確率を表す。R(r)は、ドット打点空間Igにおいて最後にドットが打点された画素とi番目の画素とのユークリッド距離rに対応する対相関関数値を表す。
1回目の繰り返し処理時、全画素が初期値1の密度分布空間CMが用いられ、画素d1にドットが打点されたドット打点空間Igが得られている。ドット打点空間Igは、ドットが打点された画素が1、ドットが打点されていない画素が0の値で表されている。このドット打点空間Igの0、1の値が反転され、ローパスフィルターによりフィルター処理された画像空間が、密度分布空間CMoldとして、2回目の繰り返し処理に与えられる。図4に示すように、密度分布空間CMoldは、ドットの打点が決定された画素d1周辺の値が減じられている。
次回以降の繰り返し処理では、確率分布空間Unewが確率分布空間Uoldとして、密度分布空間CMnewが密度分布空間CMoldとして、次回の繰り返し処理に与えられる。
THnew[i]={Num[i]/m×n}×g
ここで、THnew[i]は、m×n画素のうちi番目の画素の閾値を表す。Num[i]は、m×n画素のうちi番目の画素のドットの打点順位を表す。gは階調レベルの最大値を表す。
図5に示すように、確率変換部31は、整形対象の閾値マトリクスTHdefを初期パターンとして入力し、この閾値マトリクスTHdefを、確率分布空間Uに変換する(ステップS1)。
重み付け演算部32は、確率変換部31から入力された確率分布空間Uにより、密度分布空間CMを重み付ける(ステップS2)。このとき、密度分布空間CMは、m×n画素の全てに初期値1が設定されている。
次にステップS2に戻り、ステップS2〜ステップS4の処理が繰り返される。すなわち、重み付け演算部32が、更新された確率分布空間Uにより、密度分布空間CMの重み付け演算を行い、ドット打点部33が重み付けられた密度分布空間CMによりドットを打点する画素とその打点順位を決定して、ドット打点空間Ig、打点順位空間Numを更新する。
ここで、理想的な形状とは、ユーザーによって意図された形状をいい、一般に円状である。上述の整形処理においても、円状にドットが集合するように設計されたR(r)が用いられている。
上述の整形処理によって得られた閾値マトリクスTHnewを初期パターンとして、さらに閾値マトリクスTHnewに対し整形処理を繰り返してもよい。
これにより、網点の形状がより理想的な円状に整形され、スクリーン処理後の画像に、よりざらつきが少ない画質を与える閾値マトリクスを提供することができる。
図7に示すように、閾値マトリクスTHdefを整形処理して閾値変換部35から得られた閾値マトリクスTHmidを、確率変換部31が初期パターンとして新たに入力している。整形処理の繰り返し回数をN回とすると、閾値変換部35はN回目の変換によって、新たな閾値マトリクスTHnewを得て出力する。繰り返し回数Nは、適宜設定することができる。
上述した整形処理において、初期パターンとして用いた閾値マトリクスTHdefを補正処理し、閾値マトリクスTHdefの各画素のうち、周辺画素との閾値の差が大きく、ドットが打点されやすい閾値を持つ画素について、その差を小さくした後、確率分布空間Uに変換してもよい。
周辺画素との閾値の差が大きく、ドットが打点されやすい閾値を持つ画素は、周辺画素においてドットが打点されずに、当該画素のみドットが打点されて、孤立点が生じやすい。このような孤立点を発生させやすい閾値を持つ画素を、補正処理によって検出し、その周辺画素との閾値の差を小さくすることにより、孤立点の発生を防止することができる。補正処理された閾値マトリクスを、初期パターンとして整形処理することにより、網点形状の整形に加え、孤立点が除去された網点を形成する閾値マトリクスを提供することができる。
図8に示すように、整形処理部は、確率変換部31の前段に補正部36を備えている。
補正部36は、整形対象の閾値マトリクスTHdefを入力し、閾値マトリクスTHdefを補正処理する。具体的には、補正部36は、3×3画素単位で閾値マトリクスTHdefの閾値を入力し、3×3画素の中心画素とその周辺8画素の閾値の差を算出する。周辺8画素との閾値の差が何れも所定値以上であり、周辺8画素より中心画素の閾値が小さければ、補正部36は、中心画素は、周辺画素と閾値の差が大きく、ドットが発生しやすい閾値を持つと判断し、3×3画素の中心画素の閾値を、3×3画素の閾値の平均値に置き換える。周辺8画素との閾値の差が何れか1つでも所定値を下回る場合、補正部36は中心画素の閾値の置き換えはしない。補正部36は、この処理を3×3画素単位で全画素に対して行い、補正処理された閾値マトリクスTHtmpを得る。
以降の整形処理の内容は、上述した内容と同じであるので、省略する。
例えば、図5が示す閾値マトリクスの整形処理を、ハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
ハードウェアによる場合、図2、図7、図8に示すようなハードウェア構成により、閾値マトリクスの整形処理を実行することができる。
また、ソフトウェアによる場合、図5に示す整形処理の流れをプログラム化し、記憶部12に保存する。制御部11が記憶部12からこのプログラムを読み出して実行することにより、図5に示す整形処理を実行することができる。
11 制御部
23 画像処理部
23a スクリーン処理部
3 整形処理部
31 確率変換部
A 繰り返し処理部
32 重み付け演算部
33 ドット打点部
34 更新部
35 閾値変換部
36 補正部
Claims (7)
- 初期パターンを入力し、当該初期パターンを、ドットが打点される確率を表す確率分布空間に変換する確率変換部と、
確率分布空間により、ドットの打点が決定された画素の密度を表す密度分布空間を重み付け、重み付けられた密度分布空間において最大値を示す画素をドットを打点する画素として決定するとともに、ドットの打点が決定された順番をドットの打点順位として決定し、初期パターンの全ての画素に対するドットの打点順位が決定されるまで、前記ドットの打点が決定された画素の位置に応じて前記確率分布空間を更新し、更新された確率分布空間を用いて前記ドットの打点と打点順位の決定を繰り返す繰り返し処理部と、
決定された各画素のドットの打点順位を閾値に変換し、閾値マトリクスを得る閾値変換部と、を備え、
前記確率変換部は、前記初期パターンとして、網点を形成するように予め作成された閾値マトリクスを用いる画像処理装置。 - 前記網点を形成するように予め作成された閾値マトリクスは、Simulated-Annealing法、Void and Cluster法又はBIPPCCA法により、予め作成された閾値マトリクスである請求項1に記載の画像処理装置。
- 予め作成された前記閾値マトリクスを補正処理し、当該閾値マトリクスの各画素のうち、周辺画素との閾値の差が大きく、ドットが打点されやすい閾値を持つ画素について、その差を小さくする補正部を備え、
前記確率変換部は、補正処理された前記閾値マトリクスを、初期パターンとして確率分布空間に変換する請求項1又は2に記載の画像処理装置。 - 前記閾値変換部により得られた閾値マトリクスを、初期パターンとして前記確率変換部に入力し、新たな閾値マトリクスを得る請求項1〜3の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 前記閾値変換部により得られた閾値マトリクスを用いて、画像データをスクリーン処理するスクリーン処理部を備える請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 初期パターンを入力し、当該初期パターンを、ドットが打点される確率を表す確率分布空間に変換する工程と、
確率分布空間により、ドットの打点が決定された画素の密度を表す密度分布空間を重み付け、重み付けられた密度分布空間において最大値を示す画素をドットを打点する画素として決定するとともに、ドットの打点が決定された順番をドットの打点順位として決定し、初期パターンの全ての画素に対するドットの打点順位が決定されるまで、前記ドットの打点が決定された画素の位置に応じて前記確率分布空間を更新し、更新された確率分布空間を用いて前記ドットの打点と打点順位の決定を繰り返す工程と、
決定された各画素のドットの打点順位を閾値に変換し、閾値マトリクスを得る工程と、を含み、
前記確率分布空間に変換する工程は、前記初期パターンとして、網点を形成するように予め作成された閾値マトリクスを用いる閾値マトリクスの整形方法。 - コンピューターを、
初期パターンを入力し、当該初期パターンを、ドットが打点される確率を表す確率分布空間に変換する確率変換部、
確率分布空間により、ドットの打点が決定された画素の密度を表す密度分布空間を重み付け、重み付けられた密度分布空間において最大値を示す画素をドットを打点する画素として決定するとともに、ドットの打点が決定された順番をドットの打点順位として決定し、初期パターンの全ての画素に対するドットの打点順位が決定されるまで、前記ドットの打点が決定された画素の位置に応じて前記確率分布空間を更新し、更新された確率分布空間を用いて前記ドットの打点と打点順位の決定を繰り返す繰り返し処理部、
決定された各画素のドットの打点順位を閾値に変換し、閾値マトリクスを得る閾値変換部、として機能させるためのプログラムであって、
前記確率変換部は、前記初期パターンとして、網点を形成するように予め作成された閾値マトリクスを用いるプログラム。
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