JP5598037B2 - 巻きラベルが装着された角型ボトル状の合成樹脂製容器 - Google Patents
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Description
しかしながら、単に容器を薄肉にしただけでは、薄肉にした分だけ容器の剛性が損なわれてしまうことから、そのような剛性低下に起因する問題が懸念されている。例えば、前述したような巻きラベルは、通常、粘着剤が塗布されたラベル端部を容器の側面に押し当てて仮止めしてから容器の周方向に沿って巻き付けていくが、このとき、容器の剛性が確保できていないと、ラベル端部を押し当てたときに容器が変形してしまい、ラベルの装着に支障が生じてしまうことがある。
図1〜図3は、本実施形態に係る合成樹脂製容器の概略を示す説明図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は平面図、図1(c)は底面図、図1(d)は、図1(a)のD−D断面図である。また、図2(a)は、側面図、図2(b)は、図1(b)のB−B端面図であり、図3(a)は、図1(b)のA−A端面図、図3(b)は、図1(b)のC−C端面図である。
なお、図1(d)に示す断面図では、切り口から覗き見ることかができる容器1の内部形状の図示を省略している。また、図2(b)、図3(a)、図3(b)に示す端面図では、それぞれの切り口の端面形状のみを示している。
容器1を成形するのに使用する熱可塑性樹脂としては、延伸ブロー成形が可能であれば、任意の樹脂を使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリカーボネート,ポリアリレート,ポリ乳酸又はこれらの共重合体などの熱可塑性ポリエステル,これらの樹脂あるいは他の樹脂とブレンドされたものなどが好適である。特に、ポリエチレンテレフタレートなどのエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルが、好適に使用される。また、アクリロニトリル樹脂,ポリプロピレン,プロピレン−エチレン共重合体,ポリエチレンなども使用することができる。
なお、高さ方向とは、口部2を上にして容器1を水平面に置いたときに、水平面に直交する方向に沿った方向をいうものとする。
このようなウェスト部40は、容器1の高さ方向ほぼ中央付近の剛性を高めるために胴部4の周方向に沿って設けられるが、上胴部側斜面40aと下胴部側斜面40bとの間に底面40cを備えると、軸荷重強度(高さ方向からの圧縮強度)も確保しやすくなり好ましい。また、上胴部側斜面40a及び下胴部側斜面40bを高さ方向に対し平行寄りに近づけ、図3(a)に示す高さ方向に対する上胴部側斜面40aの傾斜角度θaと高さ方向に対する下胴部側斜面40bの傾斜角度θbのそれぞれが10〜40°となるようにすると、軸荷重が加わったときに各斜面40a,40bが水平方向に倒れ込みにくくなるのでいっそう好ましくなる。
さらに、ウェスト部40の剛性を確保するためには、上胴部4a側に位置する上胴部側斜面40aと底面40cとの間、及び下胴部4b側に位置する下胴部側斜面40bと底面40cとの間に、図示するような容器内方に窪んだ凹溝40d,40eが形成されるようにするのが好ましい。
一方、上胴部4aとウェスト部40の境界にあっては、上胴部4aの下端縁に接続するウェスト部40の上胴部側斜面40aの上端縁を容器外方に向けて屈曲させるとともに(このとき上胴部側斜面40aの上端縁側に形成される屈曲部を符号45aで示す)、屈曲させた当該斜面40aが接続する上胴部4aの下端縁を高さ方向に沿ってウェスト部40側に向けて下方に突出させることによって(このとき上胴部4aの下端縁側に形成される突出部を符号45bで示す)、上胴部4aとウェスト部40との間に段部45が形成されるようにしている。
すなわち、巻きラベルを容器1に装着する際には、粘着剤が塗布されたラベル端部を容器1の側面に押し当てて仮止めしてから容器1の周方向に沿って巻き付けていくのは前述したとおりであるが、このとき、巻きラベルが装着される部位における横方向からの荷重に対する剛性を高めることによって、ラベル端部を押し当てたときに容器1が変形してしまうのを抑止して、ラベルの装着に支障が生じないようにすることができる。
また、上胴部側斜面40aと上胴部4aの胴部壁面との交角が鈍く、これらの面どうしの交線である稜線が明瞭に出にくいことにより剛性が十分得られない場合、段部45における屈曲部45aや突出部45bによって効果的に補強できる。
なお、上胴部4aと肩部3との間に形成される段部44も、必要に応じて容器1の全周にわたって形成されるようにすることができるのも言うまでもない。
2 口部
3 肩部
4 胴部
4a 上胴部
4b 下胴部
40 ウェスト部
40a 上胴部側斜面
40b 下胴部側斜面
40c 底面
40d,40e 凹溝
44,45 段部
5 底部
Claims (6)
- 口部、肩部、胴部及び底部を備え、前記胴部の高さ方向に直交する横断面が方形状とされ、巻きラベルが装着された角型ボトル状の合成樹脂製容器であって、
前記胴部が、前記胴部の一部を径方向に絞り込むようにして設けられたウェスト部によって、上胴部と下胴部とに分けられ、かつ、前記ウェスト部が、前記上胴部の下端縁に接続する上胴部側斜面と、前記下胴部の上端縁に接続する下胴部側斜面とを有しており、
前記上胴部側斜面の上端縁を容器外方に向けて屈曲させるとともに、屈曲させた当該斜面が接続する前記上胴部の下端縁を高さ方向に沿って前記ウェスト部側に向けて突出させることによって、前記上胴部と前記ウェスト部との間に段部を形成し、
前記上胴部の上端縁に接続する前記肩部の下端縁を容器外方に向けて屈曲させるとともに、前記上胴部の上端縁を高さ方向に沿って前記肩部側に向けて突出させることによって、前記肩部と前記上胴部との間に段部を形成し、
前記上胴部と前記ウェスト部との間に形成される段部と、前記上胴部と前記肩部との間に形成される段部とが、少なくとも当該容器のコーナー部に位置するように形成され、
前記巻きラベルの上端側が、前記肩部と前記上胴部との境界に近接するとともに、前記巻きラベルの下端側が、前記上胴部と前記ウェスト部の境界に近接するように、前記巻きラベルが前記上胴部に装着されたことを特徴とする巻きラベルが装着された角型ボトル状の合成樹脂製容器。 - 前記上胴部の長辺側又は短辺側の幅を前記下胴部の長辺側又は短辺側の幅よりも小さくした請求項1に記載の巻きラベルが装着された角型ボトル状の合成樹脂製容器。
- 前記上胴部と前記ウェスト部との間に形成される段部と、
前記下胴部側斜面の下端縁を容器外方に向けて屈曲させるとともに、屈曲させた当該斜面が接続する前記下胴部の上端縁を高さ方向に沿って前記ウェスト部側に向けて突出させることによって、前記下胴部と前記ウェスト部との間に形成される段部のいずれか一方又は両方が、当該容器の全周にわたって形成されている請求項1又は2に記載の巻きラベルが装着された角型ボトル状の合成樹脂製容器。 - 前記ウェスト部の底面と前記上胴部側に位置する上胴部側斜面との間、及び前記ウェスト部の底面と前記下胴部側に位置する下胴部側斜面との間の少なくとも一方に、容器内方に窪んだ凹溝を形成した請求項1〜3のいずれか一項に記載の巻きラベルが装着された角型ボトル状の合成樹脂製容器。
- 少なくとも前記上胴部側斜面と前記底面との間に前記凹溝を形成した請求項4に記載の巻きラベルが装着された角型ボトル状の合成樹脂製容器。
- 前記下胴部側斜面の下端縁を容器外方に向けて屈曲させるとともに、屈曲させた当該斜面が接続する前記下胴部の上端縁を高さ方向に沿って前記ウェスト部側に向けて突出させることによって、前記下胴部と前記ウェスト部との間に前記段部を形成するとともに、少なくとも前記下胴部側斜面と前記底面との間に前記凹溝を形成した請求項4に記載の巻きラベルが装着された角型ボトル状の合成樹脂製容器。
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