JP5596445B2 - 塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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幅方向に1/2インチ幅でカットし、フィルムの両端に17.5g/mm 2 の荷重をかけてフィルムの幅方向に沿って、フィルムの変位(距離)を計測し、フィルムの幅方向における両端の変位の平均値と、フィルム幅方向における中央部分で観測される極大値または極小値とから磁性層を塗布する側を凹みとするカールをプラスの値としたとき、0.3〜0.8mmの範囲でカールする塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルムが提供される。
1.20≧IVa/IVb>1.02 (1)
を満足すること、フィルム最外層aの厚み(Ta)と、フィルム最外層bの厚み(Tb)の比が、下記式(2)
10.00>Ta/Tb>1.00 (2)
を満たすこと、幅方向のヤング率が長手方向のヤング率よりも大きいこと、フィルム最外層aが、エチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルからなること、フィルム最外層bが、エチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とし、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を、全酸成分のモル数として、5〜15モル%共重合した共重合ポリエステルであること、積層フィルムがフィルム最外層aとフィルム最外層bとの間に、8層以上300層以下のフィルム層を積層した多層積層フィルムであること、フィルム最外層aの表面が、表面粗さ(RaA)1〜4nmの範囲であること、フィルム最外層aが、平均粒径0.05μm以上0.20μm以下の不活性粒子を、フィルム最外層aの質量を基準として、0.01質量%以上、0.5質量%未満の範囲で含有することのいずれか一つを少なくとも具備する塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルムも提供される。
本発明の塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステルからなるフィルム層を2層以上積層した長尺の積層フィルムであって、磁性層塗布前のベースフィルムの状態で、幅方向に1/2インチ幅でカットしたとき、磁性層を塗布する側を凹みとして、0.1〜0.8mmの範囲でカールすることが必要である。好ましいカールの範囲は、0.2〜0.6mmである。カールが0.8mmより大きいと磁性層、バック層を塗布した後のテープが、磁性層面が凹みになるカッピングとなる。他方0.1mm未満だと、カッピングは磁性層面凸になるカッピングとなるがカッピング量が1.0mmを超える。また、上限よりもカールしている場合は、スリット時にカールを抑えきれない場合があり、幅寸法のばらつきが大きくなってしまう。ちなみに、フィルムの長手方向を、以下、製膜方向、縦方向またはMD方向と称することがあり、フィルムの長手方向と厚み方向とに直交する方向を、幅方向、横方向またはTD方向と称することがある。
1.20≧IVa/IVb>1.02 (1)
10.00>Ta/Tb>1.00 (2)
このような粒度分布がシャープなものにしやすく、一次粒子の状態で存在しやすい不活性粒子としては、シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル、架橋ポリスチレンなどの有機高分子粒子および球状シリカからなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが好ましく、特にシリコーン樹脂、架橋ポリスチレンおよび球状シリカからなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが好ましい。もちろん、これらの不活性粒子を含有させる場合は、さらに粗大粒子をなくすため、フィルターでのろ過を行ったり、分散剤で不活性粒子の表面を処理したり、押出機での混練を強化することが好ましい。
本発明では、得られるポリエステルに、高度の熱安定性を付与させる目的で、第二反応における重縮合反応の開始以前に、反応系にリン化合物からなる熱安定剤を添加することが好ましい。具体的なリン化合物としては、化合物中にリン元素を有するものであれば特に限定されず、例えば、リン酸、亜リン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、リン酸アンモニウム、トリエチルホスホノアセテート、メチルジエチルホスホノアセテートなどを挙げることができ、これらのリン化合物は二種以上を併用してもよい。なお、リン化合物の添加時期は、第一反応が実質的に終了してから第二反応である重縮合反応初期の間に行うことが好ましく、添加は一度に行ってもよいし、2回以上に分割して行ってもよい。
得られたポリエステルの固有粘度は、前述のとおり、o−クロロフェノール、35℃で測定し、o−クロロフェノールでは均一に溶解するのが困難な場合は、p−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60質量比)の混合溶媒を用いて35℃で測定して求めた。
フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、20000倍で観察した。TEMの切片厚さは約100nmとし、含有粒子径および粒子濃度をもとに、界面の観察結果から、各層の厚みを評価した。また、上記による観察が困難な場合、SIMS(2次イオン質量分析装置)を用いて評価することもできる。表面からエッチングしながら、粒子もしくはポリエステル樹脂層に起因する元素濃度のデプスプロファイルを測定し、各層の厚みを評価する。
まず、フィルム(1)を長手方向に170mm、幅方向に1/2インチ幅に切り出す。そして、水平方向に配置された2つのフリーロール(2)に平坦面(フィルム層(A)側)を下にしてセットする。なお、フリーロールはフィルムと接する部分の外経が10mm、フリーロールの中心軸間の距離は10cmとし、フィルムの両端には、17.5g/mm2の荷重(3)をかける。次に、発光部と受光部を兼ね備えたキーエンス製レーザー変位計(4) LK−G30を図1に示すように、フィルムの上方に配置し、レーザー光(5)をフィルムの面方向に斜めに照射した。そして、フィルムの幅方向に沿って、フィルムの変位(距離)を計測する。
計測された変位について、フィルムの幅方向における両端の変位の平均値と、フィルム幅方向における中央部分で観測される極大値または極小値とを用い、前述の平均値と極大値または極小値との差異をカールの値とする。なお、平坦面を内側にしてカールしている場合はプラスの値となり、逆に平坦面を外側にしてカールしている場合はマイナスの値となる。上記測定を、3つのサンプルについて行い、それらの平均値を算出してカールの値とした。
非接触式三次元表面粗さ計(ZYGO社製:New View5022)を用いて測定倍率25倍、測定面積283μm×213μm(=0.0603mm2)の条件にて測定し、該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトMetro Proにより中心面平均粗さ(Ra)を求めた。
添加する不活性粒子の平均粒径および相対標準偏差は、JIS Z8823−1に準拠する遠心沈降法で得られる粒度分布から得られる数平均値を平均粒径とした。
ガラス転移点、融点はDSC(TAインスツルメンツ株式会社製、商品名:Thermal lyst2920)により昇温速度20℃/minで測定した。
得られたフィルムを試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
1m幅にスリットしたポリエステルフィルムを、張力20kg/mで搬送させ、フィルムの平坦な側の表面に下記組成の磁性塗料および非磁性塗料をエクストルージョンコーターにより重層塗布(上層は磁性塗料で、塗布厚0.08μm、非磁性下層の厚みは1.02μmとした。)し、磁気配向させ、乾燥温度100℃で乾燥させる。次いで反対面に下記組成のバックコートを固形分の厚みが0.5μmとなるように塗布した後、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理し、巻き取る。上記テープ原反を1/2インチ幅にスリットし、それをLTO用のケースに組み込み、長さが850mで磁気記録容量が0.8TBのデータストレージカートリッジを作成した。
・非磁性無機質粉末(α−酸化鉄:平均長軸長:0.15μm,平均針状比:7,BET比表面積:52m2/g):100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート):5重量部
・レシチン:1重量部
・メチルエチルケトン:75重量部
・メチルイソブチルケトン:75重量部
・トルエン:75重量部
・カーボンブラック(平均粒子径:20nm):2重量部
・ラウリン酸:1.5重量部
(磁性塗料の組成)
・磁性粉(戸田工業株式会社製、商品名:NF30x):100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体):10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート):5重量部
・レシチン: 1重量部
・メチルエチルケトン:75重量部
・メチルイソブチルケトン:75重量部
・トルエン:75重量部
・カーボンブラック(平均粒子径:20nm):2重量部
・ラウリン酸:1.5重量部
(バックコートの組成)
・カーボンブラック(平均粒径20nm):95重量部
・カーボンブラック(平均粒径280nm):10重量部
・αアルミナ:0.1重量部
・変成ポリウレタン:20重量部
・変成塩化ビニル共重合体:30重量部
・シクロヘキサノン:200重量部
・メチルエチルケトン:300重量部
・トルエン:100重量部
上記(3)のカール量の測定を、上記(8)で作成した磁気テープについて行った。なお、磁性層側を下にしてセットする。また、磁性層側を内側にしてカールしている場合はプラスの値となり、逆に磁性層側を外側にしてカールしている場合はマイナスの値とした。上記測定を、3つのサンプルについて行い、それらの平均値を算出してカッピング量とし、カッピング量が−0.1〜−1.0mmの範囲にあるものを良、−0.3〜−0.8mmの範囲にあるものを優と言える。
蒸留による精製を繰り返した2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルとエチレングリコールとをそれぞれ100部と70部用意し、それらを攪拌機、精留塔、冷却器を供えた反応槽に仕込み、150℃まで昇温した。その後、トリメリット酸チタンをTi元素量として、全ジカルボン酸成分のモル数に対して7mmol%となるように添加し、反応槽全体を窒素により0.25MPaの圧力下で加熱して、反応槽内部温度を240℃に昇温した。反応の進行に従い、圧力一定のまま内温を250℃まで上げた。その後、反応槽内の圧力を常圧にゆっくりと戻し、トリメチルホスフェートをリン元素量で、全ジカルボン酸成分のモル数に対して12mmol%となるように添加し、余剰のエチレングリコールを追い出して、エステル交換反応を終了させた。
得られた反応生成物を重合反応槽へと移送した。このとき、移送途中で95%濾過精度5μmの金属繊維製のフィルター(第1フィルター)を通して濾過した。重合反応槽では250℃からゆっくりと昇温しながら、また減圧させながら重縮合反応を行い、最終的に290℃、30Paで所定の重合度になるまで重縮合を行い、実質的に不活性粒子を含有しない、固有粘度0.6dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレートを得た。
参考例1において、重合反応を290℃、30Paで重縮合を行い、固有粘度0.53dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレートを得た
平均粒径が0.1μmで相対標準偏差が0.13のアルコキシド法で作成した真球状シリカ粒子を、エチレングリコールに10質量%となるように添加して、100℃で20分間過熱したのち、95%濾過精度5μmの金属繊維製のフィルター(第1フィルター)を通過するように循環させて、真球状シリカ粒子の含有量が10質量%のエチレングリコールスラリーを作成した。そして、このエチレングリコールスラリーを、エステル交換反応の段階で、真球状シリカ粒子の含有量が、得られるポリエステルの質量に対して、0.5質量%となるように添加したほかは、参考例1と同様な操作を繰り返して、樹脂3を作成した。
平均粒径が0.1μmで相対標準偏差が0.13のアルコキシド法で作成した真球状シリカ粒子を、エチレングリコールに10質量%となるように添加して、100℃で20分間過熱したのち、95%濾過精度5μmの金属繊維製のフィルター(第1フィルター)を通過するように循環させて、真球状シリカ粒子の含有量が10質量%のエチレングリコールスラリーを作成した。そして、このエチレングリコールスラリーを、エステル交換反応の段階で、真球状シリカ粒子の含有量が、得られるポリエステルの質量に対して、0.5質量%となるように添加したほかは、参考例2と同様な操作を繰り返して、樹脂4を作成した。
真球状シリカ粒子を、平均粒径が0.3μmで相対標準偏差が0.12の真球状シリカ粒子に変更したほかは、参考例3と同様な操作を繰り返して、樹脂5を作成した。
真球状シリカ粒子を、平均粒径が0.3μmで相対標準偏差が0.12の真球状シリカ粒子に変更したほかは、参考例4と同様な操作を繰り返して、樹脂6を作成した。
ジカルボン酸成分として、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを20部、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を80部にするほかは、参考例1と同様な操作を繰り返して、樹脂7を作成した。樹脂7の組成は、酸成分の29モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の71モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、グリコール成分の2モル%がジエチレングリコール成分であり、融点は240℃、ガラス転移温度は117℃、固有粘度0.60dl/gの共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレートを得た。
フィルム最外層a用ポリマーとして樹脂1と3とを表1の不活性粒子の割合になるように用意し、また、フィルム最外層b層用のポリマーとして樹脂2と4と6とを表1の不活性粒子の割合になるように用意し、それぞれ、170℃で6時間乾燥させた。こうして、乾燥チップを表1に示した層厚み構成になるような比率にて、2台の押出機ホッパーに供給し、溶融温度それぞれ295℃で溶融し、マルチマニホールド型共押出ダイを用いてA層の片側にB層を積層させて積層未延伸フィルムを得た。なお、A層用のポリマーとB層用のポリマーは、溶融状態にした後、ダイに供給する前に、それぞれ95%ろ過精度が1μmの金属繊維製のフィルター(第2フィルター)でろ過した。
このようにして得られた積層未延伸フィルムを120℃に予熱し、さらに低速、高速のロール間でフィルムを130℃に加熱して4.8倍に延伸し後、急冷し、縦延伸フィルムを得た。
続いてステンターに供給し、150℃にて横方向に5.1倍に延伸した。得られた二軸延伸フィルムを200℃の熱風で3秒間熱固定しつつ横方向に10%延伸を行い、厚み4.7μmの積層二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この積層二軸配向ポリエステルフィルムのヤング率は縦方向6.4GPa、横方向8.7GPaであった。得られた積層二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを磁気記録テープとしたときの特性を表1に示す。
フィルム最外層a用ポリマーとして樹脂1と3とを表1の不活性粒子の割合になるように用意し、また、フィルム最外層b用ポリマーとして樹脂1と3と5とを表1の不活性粒子の割合になるように用意し、それぞれ、170℃で6時間乾燥させた。こうして、乾燥チップを表1に示した層厚み構成になるような比率にて、2台の押出機ホッパーに供給し、A層側の溶融温度を295℃、B層側の溶融温度を305℃で溶融し、マルチマニホールド型共押出ダイを用いてA層の片側にB層を積層させて積層未延伸フィルムを得たほかは、実施例1と同様な操作を繰り返した。この積層二軸配向ポリエステルフィルムのヤング率は縦方向6.2GPa、横方向8.5GPaであった。得られた積層二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを磁気記録テープとしたときの特性を表1に示す。
フィルム最外層a用ポリマーとして樹脂1と3とを表1の不活性粒子の割合になるように用意し、また、フィルム最外層b層用のポリマーとして樹脂2と4と6とを表1の不活性粒子の割合になるように用意し、それぞれ、170℃で6時間乾燥させた。こうして、乾燥チップを表1に示した層厚み構成になるような比率にて、2台の押出機ホッパーに供給し、A層側の溶融温度を295℃、B層側の溶融温度を305℃で溶融し、マルチマニホールド型共押出ダイを用いてA層の片側にB層を積層させて積層未延伸フィルムを得たほかは、実施例1と同様な操作を繰り返した。この積層二軸配向ポリエステルフィルムのヤング率は縦方向6.0GPa、横方向8.4GPaであった。得られた積層二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを磁気記録テープとしたときの特性を表1に示す。
フィルム最外層a用ポリマーおよびA層用ポリマーとして樹脂1と3とを表1の不活性粒子の割合になるように用意した。また、フィルム最外層b用ポリマーおよびB層用ポリマーとして樹脂7(B層用ポリマーの全酸成分のモル数を基準として、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分のモル数が13mol%となるように調整)と4と6とを表1の不活性粒子の割合になるように用意し、それぞれ、170℃で6時間乾燥させた。こうして、乾燥チップを表1に示した層厚み構成になるような比率にて、2台の押出機ホッパーに供給し、フィルム最外層a用ポリマーおよびA層用ポリマーの溶融温度を295℃、フィルム最外層b用ポリマーおよびB層用ポリマーの溶融温度を295℃で溶融し、マルチマニホールド型多層共押出ダイを用いてフィルム最外層a用ポリマーおよびA層用ポリマーをフィルム最外層a用とA層用ポリマーとに3:7の比率で分け、A層用ポリマーを均等に9層に分け、フィルム最外層b用ポリマーおよびB層用ポリマーを均等に10層に分け、フィルム最外層a−B層−A層−B層−A層−B層−A層−B層−A層−B層−A層−B層−A層−B層−A層−B層−A層−B層−A層−フィルム最外層bという積層構造になるように合計20層で積層させて多層積層未延伸フィルムを得た(フィルム全体のポリマーの全酸成分のモル数を基準としたときの6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分のモル数は9mol%)ほかは、実施例1と同様な操作を繰り返した。この積層二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム最外層aの厚みが1.47μm、A層の厚みがそれぞれ0.38μm、B層の厚みがそれぞれ0.34μmで、ヤング率が縦方向6.0GPa、横方向8.7GPaであった。得られた積層二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを磁気記録テープとしたときの特性を表1に示す。
フィルム最外層a用ポリマーとして樹脂2と4とを表1の不活性粒子の割合になるように用意し、また、フィルム最外層b用ポリマーとして樹脂1と3と5とを表1の不活性粒子の割合になるように用意し、それぞれ、170℃で6時間乾燥させた。こうして、乾燥チップを表1に示した層厚み構成になるような比率にて、2台の押出機ホッパーに供給し、A層側の溶融温度を295℃、B層側の溶融温度を295℃で溶融し、マルチマニホールド型共押出ダイを用いてA層の片側にB層を積層させて積層未延伸フィルムを得たほかは、実施例1と同様な操作を繰り返した。この積層二軸配向ポリエステルフィルムのヤング率は縦方向6.3GPa、横方向8.5GPaであった。得られた積層二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを磁気記録テープとしたときの特性を表1に示す。
A層用ポリマーとして樹脂1と3とを表1の不活性粒子の割合になるように用意し、また、B層用のポリマーとして樹脂2と4と5とを表1の不活性粒子の割合になるように用意し、それぞれ、170℃で6時間乾燥させた。こうして、乾燥チップを表1に示した層厚み構成になるような比率にて、2台の押出機ホッパーに供給し、A層側の溶融温度を295℃、B層側の溶融温度を295℃で溶融し、マルチマニホールド型共押出ダイを用いてA層の片側にB層を積層させて積層未延伸フィルムを得たほかは、実施例1と同様な操作を繰り返した。この積層二軸配向ポリエステルフィルムのヤング率は縦方向6.4GPa、横方向8.7GPaであった。得られた積層二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを磁気記録テープとしたときの特性を表1に示す。
2 フリーロール
3 荷重
4 変位計
5 レーザー光
Claims (9)
- ポリエステルからなるフィルム層を2層以上積層した塗布型磁気記録テープのベースフィルム(但し、両方の表面に金属層が蒸着されたものを除く)に用いる長尺の積層フィルムであって、
幅方向に1/2インチ幅でカットし、フィルムの両端に17.5g/mm 2 の荷重をかけてフィルムの幅方向に沿って、フィルムの変位(距離)を計測し、フィルムの幅方向における両端の変位の平均値と、フィルム幅方向における中央部分で観測される極大値または極小値とから磁性層を塗布する側を凹みとするカールをプラスの値としたとき、0.3〜0.8mmの範囲でカールすることを特徴とする塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルム。 - 積層フィルムの磁性層を塗布する側の最表層に位置するフィルム最外層aの固有粘度(IVa)、他方の最表層に位置するフィルム最外層bの固有粘度(IVb)の比が、下記式(1)を満足する請求項1に記載の塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルム。
1.20≧IVa/IVb>1.02 (1) - フィルム最外層aの厚み(Ta)と、フィルム最外層bの厚み(Tb)の比が、下記式(2)を満たす請求項2に記載の塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルム。
10.00>Ta/Tb>1.00 (2) - 幅方向のヤング率が、長手方向のヤング率よりも大きい請求項2または3のいずれかに記載の塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルム。
- フィルム最外層aが、エチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルからなる請求項2〜4のいずれかに記載の塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルム。
- フィルム最外層bが、エチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とし、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を、全酸成分のモル数として、5〜15モル%共重合した共重合ポリエステルである請求項2〜5のいずれかに記載の塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルム。
- 積層フィルムがフィルム最外層aとフィルム最外層bとの間に、8層以上300層以下のフィルム層を積層した多層積層フィルムである請求項2〜6のいずれかに記載の塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルム。
- フィルム最外層aの表面が、表面粗さ(RaA)1〜4nmの範囲である請求項2〜7のいずれかに記載の塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルム。
- フィルム最外層aが、平均粒径0.05μm以上0.20μm以下の不活性粒子を、フィルム最外層aの質量を基準として、0.01質量%以上、0.5質量%未満の範囲で含有する請求項2〜8のいずれかに記載の塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルム。
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